JP2005208452A - 光合分波機能付き光スプリッタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 映像分配数の増加に対しても柔軟に対応出来る、非常に小型で簡単な構成の光合分波機能付き光スプリッタを提供する。
【解決手段】 基板15上に光導波回路10を形成する。光導波回路10は、その一端側に配置された1つの光入力部1から入力される光を等しい光強度で分岐して複数の光出力部4から出力する光スプリッタ3と、複数の並列配置された光合分波器5とを設けた構成とし、それぞれの光合分波器5の一方の光入力部7を光スプリッタ3の対応する光出力部4に接続し、他方の光入力部2は光導波回路10の一端側に配置して光スプリッタ3の光入力部1と並列配置する。光合分波器5は2つの光入力部2,7からそれぞれ入力される互いに異なる波長の光を合波し、光導波回路10の光入力部配設領域と異なる端部側に配設した合波光出力部8から出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板15上に光導波回路10を形成する。光導波回路10は、その一端側に配置された1つの光入力部1から入力される光を等しい光強度で分岐して複数の光出力部4から出力する光スプリッタ3と、複数の並列配置された光合分波器5とを設けた構成とし、それぞれの光合分波器5の一方の光入力部7を光スプリッタ3の対応する光出力部4に接続し、他方の光入力部2は光導波回路10の一端側に配置して光スプリッタ3の光入力部1と並列配置する。光合分波器5は2つの光入力部2,7からそれぞれ入力される互いに異なる波長の光を合波し、光導波回路10の光入力部配設領域と異なる端部側に配設した合波光出力部8から出力する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば光通信分野に用いられる光合分波機能付き光スプリッタに関するものである。
近年、インターネットは一般家庭にも普及し、ADSLやFTTHによる常時接続、メガクラスの伝送スピード、月額数千円といった高速かつ低価格なサービスが浸透し、ブロードバンドならではの大容量コンテンツ配信やビデオチャット等が普及しつつある。
このようなブロードバンド化に向けて、ピーク時100Mbpsの高速データ通信と最大500chの多チャンネル映像配信を1心の光ファイバで同時に提供できるB-PONシステムがITU-Tにて世界標準とされた。このシステムの構成例を以下の図8に示す(例えば、非特許文献1、参照)。
なお、図8において、通信局40は、通信用の光ファイバ45を介してお客様宅41に接続されている。図中、B−ONUはデータ系宅内装置、WDMは光カプラ、V−ONUは映像系宅内装置、NE−OSSはデータ系監視制御装置、B−OLTはデータ系所内装置、EMDXは、Ether多重分離装置、V−OLTは映像系所内装置を示す。
このシステムの大きな特徴は、新しい光波長配置により高速データ通信の送受信で使用している2つの波長に加え、さらにもう1つの光波長を重畳して、多チャンネルの映像配信を同時に視聴できる点である。通常は、送受信する高速データ通信波長は下りが1.49μm帯(1.48〜1.50μm)、上りが1.31μm帯(1.26〜1.36μm)であり、EDFAの増幅帯である1.55μm帯(1.55〜1.56μm)で映像の分配を行う。
B-PONシステムでは1心の光ファイバを用いて3種類の波長の光信号を伝送するため、光合分波機能(複数波長の合波および分波)を有する光合分波器と、映像信号を等しい光強度で分配する光スプリッタが必要である。
現在は、図9に示すように、光合分波器として機能する誘電体多層膜フィルタを備えたフィルタモジュール30に、溶融カプラ(溶融光ファイバカプラ)を用いた光スプリッタモジュール31が接続されて使用されている。フィルタモジュール30と光スプリッタモジュール31とは、互いの光入出力部位に形成された光ファイバ33,34を融着接続部32により接続される。なお、光スプリッタモジュールとして、平面光波回路(PLC)を備えたモジュールもある。
B−PONシステムの概要 NTT−AS研 ホームページ
しかしながら、従来の構成例は、前記の如く、誘電体多層膜フィルタモジュール30と光スプリッタモジュール31とを融着接続して構成されるため、モジュールサイズが非常に大きくなるといった問題がある。特に、従来の構成例は、映像分配数が増えるとさらにモジュール構成が煩雑となり、サイズが大きくなり、収容スペースの増加や、さらには、モジュールコストが大幅にアップするといった問題が生じる。
本発明は、上記従来の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、映像分配数の増加に対しても柔軟に対応出来る、非常に小型で簡単な構成で、例えば高速データ通信の送受信信号の波長多重分波機能と映像信号の等分配機能とを有する光合分波機能付き光スプリッタを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決する
ための手段としている。すなわち、第1の発明は、基板上に形成された光導波回路を有し、該光導波回路は、該光導波回路の一端側に配置された1つの光入力部から入力される光を等しい光強度で分岐して複数の光出力部から出力する光スプリッタと、2つの光入力部を有してそれぞれの光入力部から入力される互いに異なる波長の光を合波する機能を備えた複数の並列配置された光合分波器とを有し、該それぞれの光合分波器の一方の光入力部が前記光スプリッタの対応する光出力部に接続され、前記それぞれの光合分波器の他方の光入力部は前記光導波回路の一端側に配置されて前記光スプリッタの光入力部と並列に配置され、前記それぞれの光合分波器の合波光出力部は前記光導波回路の光入力部配設領域と異なる端部側に配設されている構成をもって課題を解決する手段としている。
ための手段としている。すなわち、第1の発明は、基板上に形成された光導波回路を有し、該光導波回路は、該光導波回路の一端側に配置された1つの光入力部から入力される光を等しい光強度で分岐して複数の光出力部から出力する光スプリッタと、2つの光入力部を有してそれぞれの光入力部から入力される互いに異なる波長の光を合波する機能を備えた複数の並列配置された光合分波器とを有し、該それぞれの光合分波器の一方の光入力部が前記光スプリッタの対応する光出力部に接続され、前記それぞれの光合分波器の他方の光入力部は前記光導波回路の一端側に配置されて前記光スプリッタの光入力部と並列に配置され、前記それぞれの光合分波器の合波光出力部は前記光導波回路の光入力部配設領域と異なる端部側に配設されている構成をもって課題を解決する手段としている。
また、第2の発明は、上記第1の発明の構成に加え、第1の光導波路と、該第1の光導波路と間隔を介して並設された第2の光導波路とを有し、これら2本の光導波路を近接して形成した方向性結合器を光導波路長手方向に間隔を介して配設したマッハツェンダ光干渉計回路を2つ直列接続して1つの光合分波器が形成されており、前記2つのマッハツェンダ光干渉計回路は方向性結合器の配列ピッチが互いに等しく形成されて、一方側のマッハツェンダ光干渉計回路の位相部分は第1の光導波路の長さが第2の光導波路の長さより設定長さ長く形成され、他方側のマッハツェンダ光干渉計回路の位相部分は第2の光導波路の長さが第1の光導波路の長さより前記設定長さ長く形成されている構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第3の発明は、上記第2の発明の構成に加え、前記マッハツェンダ光干渉計回路の1つの方向性結合器の結合効率をKとしたとき、該結合効率Kの波長λ=1.55μmに対する微分係数dK/dλが負であり、かつ、結合効率Kが波長λ=1.31μmでほぼ100%程度である構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第4の発明は、上記第1または第2または第3の発明の構成に加え、前記光合分波器は波長1.31μm帯と波長1.49μm帯と波長1.55μm帯の光を合分波する機能を有する構成をもって課題を解決する手段としている。
本発明によれば、1つの光入力部から入力される光を等しい光強度で分岐して複数の光出力部から出力する光スプリッタと、2つの光入力部を有してそれぞれの光入力部から入力される互いに異なる波長の光を合波する機能を有する複数の並列配置された光合分波器とを接続した光導波回路を、基板上に形成することにより、高速データ通信と多チャンネル映像配信を1心の光ファイバで同時に提供できるシステムに適用可能な、小型で安価な光合分波機能付き光スプリッタを実現できる。
つまり、本発明によれば、光導波回路を基板上に形成して成る小型で安価な光合分波機能付き光スプリッタであり、光導波回路の一端側に形成された光スプリッタの光入力部から光スプリッタに設定波長光を入力すると、この設定波長光は光スプリッタで分岐されて光合分波器に入力され、一方、この設定波長光と異なる波長の光を光導波回路の一端側に形成された光合分波器の光入力部から入力すると、この波長光と前記設定波長光とを光合分波器により合分波して合波光出力部から出力することができる。
なお、上記と逆に、合波光出力部から複数波長の光を入力した場合は、上記と逆の経路を通って、光導波回路の一端側に形成された、光合分波器の光入力部と光スプリッタの光入力部からそれぞれ、互いに異なる波長光が出力される。
また、本発明において、1つの光合分波器が、方向性結合器の配列ピッチが互いに等しく形成された2つのマッハツェンダ光干渉計回路を直列接続して形成され、一方側のマッハツェンダ光干渉計回路の位相部分は第1の光導波路の長さが第2の光導波路の長さより設定長さ長く形成され、他方側のマッハツェンダ光干渉計回路の位相部分は第2の光導波路の長さが第1の光導波路の長さより前記設定長さ長く形成されている構成によれば、光合分波器によって、広帯域の波長光を低損失で合分波できるので、より一層低損失で、所望の波長の光合分波を行える光合分波機能付き光スプリッタを形成できる。
さらに、本発明において、光合分波器を形成するマッハツェンダ光干渉計回路の1つの方向性結合器の結合効率をKとしたとき、該結合効率Kの波長λ=1.55μmに対する微分係数dK/dλが負であり、かつ、結合効率Kが波長λ=1.31μmでほぼ100%程度である構成によれば、光合分波器によって、波長1.31μmの光と波長1.51μmの光の合分波を非常に的確に、低損失で行うことができる。
さらに、本発明において、光合分波器は波長1.31μm帯と波長1.49μm帯と波長1.55μm帯の光を合分波する機能を有する構成によれば、これらの現行の光通信適用波長帯の光を用いて、高速データ通信と多チャンネル映像配信を1心の光ファイバで同時に提供できるシステムに適用可能な、小型で安価な光合分波機能付き光スプリッタを実現できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1には、本発明に係る光合分波機能付き光スプリッタの一実施形態例が示されている。同図に示すように、本実施形態例の光合分波機能付き光スプリッタは、基板15上に形成された光導波回路10を有している。光導波回路10は、該光導波回路10の一端側に配置された1つの光入力部1から入力される光を等しい光強度で分岐して複数の光出力部4から出力する光スプリッタ3を有している。
本実施形態例において、光スプリッタ3は1×8スプリッタであり、Y分岐スプリッタである。光入力部1から入力される光を8等分に分岐して8つの光出力部4からそれぞれ出力する。なお、この光スプリッタ3は、それぞれの光出力部4側から入力された光を合波して1つの光入力部1から出力する機能も有している。
また、光導波回路10は、複数並列配置された光合分波器5を有している。それぞれの光合分波器5は、2つの光入力部2,7を有して少なくともそれぞれの光入力部2,7から入力される互いに異なる波長の光を合波する機能を備えている。
それぞれの光合分波器5の一方の光入力部7は、前記光スプリッタ3の対応する光出力部4に接続され、それぞれの光合分波器5の他方の光入力部2は、光導波回路10の一端側に配置されて光スプリッタ3の光入力部1と並列に配置されている。また、それぞれの光合分波器5の合波光出力部8は光導波回路10の、前記光入力部1,2の配設領域と異なる端部側(ここでは他端側)に配設されている。
なお、それぞれの光合分波器5は合波光出力部8から入力される複数波長の光を分波してそれぞれ前記光入力部2,7から出力する機能も有している。
図2には、本実施形態例に適用されているそれぞれの光合分波器5の構成が模式的に示されている。同図に示すように、1つの光合分波器5は、第1の光導波路11と、該第1の光導波路11と間隔を介して並設された第2の光導波路12とを有し、これら2本の光導波路11,12を近接して形成した2つの略同一構成の方向性結合器6を光導波路長手方向に間隔を介して配設したマッハツェンダ光干渉計回路13を2つ直列接続して形成されている。
2つのマッハツェンダ光干渉計回路13a,13bは、方向性結合器6の配列ピッチ(光導波路長手方向の配列ピッチ)が互いに等しく形成されている。また、一方側のマッハツェンダ光干渉計回路13aの位相部分9は第1の光導波路11の長さが第2の光導波路12の長さより設定長さだけ長く形成され、他方側のマッハツェンダ光干渉計回路13bの位相部分9は第2の光導波路12の長さが第1の光導波路11の長さより前記設定長さだけ長く形成されている。
言い換えれば、本実施形態例において、1つの光合分波器5は、長さ構成が同様に構成された位相部分9と同一構成の方向性結合器6とを有する2つのマッハツェンダ干渉回路13a,13bを、その接続中心点Aに対し、点対称に接続形成されている。
なお、この点対称接続マッハツェンダ光干渉計回路から成る光合分波器は広帯域の波長光を合分波できる光合分波器として知られており、例えば、文献Jinguji ,et al. ,”Two-port optical wavelength
circuits composed of cascaded Mach-Zehnder interferometers with
point-symmetrical configurations”,J. Lightwave Technol. ,vol. 14, no.10 , pp. 2301-2310(1996)にも記載されている。
circuits composed of cascaded Mach-Zehnder interferometers with
point-symmetrical configurations”,J. Lightwave Technol. ,vol. 14, no.10 , pp. 2301-2310(1996)にも記載されている。
この光合分波器5は、一方側の光入力部(IN port)に対し、この光入力部が形成されている光導波路(ここでは第1の光導波路11)の光出力部をスルーポート(Through port)、この光入力部が形成されてない光導波路(ここでは第2の光導波路12)の光出力部をクロスポート(Cross port)としたとき、クロスポートから出力される光の透過率TCRが以下の式(数1)、(数2)、(数3)で与えられる。
ΔLcは、それぞれのマッハツェンダ光干渉計回路13の位相部分9における光路長差、Kは方向性結合器6の結合効率、neffはコア(光導波路)の等価屈折率、λは波長である。
ここで、例えば、波長1.31μm帯、1.49μm帯、1.55μm帯の光をインポートから入力し、そのうち、スルーポートから波長1.31μm帯、1.49μm帯の光信号を、クロスポートから波長1.55μm帯の光信号を取り出すものとする。
この場合、上記3つの波長帯のうち、2つの波長帯のそれぞれの中心波長に対し、C=0とすると、これらの波長に対してはTCR=0となるので、これらの波長の光がスルーポートから出力される光透過率は1−TCR=1となり、指定した2波長がスルーポートより取り出せる。
ここで、2つの波長に対し、C=0とするために、(数2)の、cos2(ΔΨ/2)=0となるようにする。例えば、波長1.31μmでΔΨ/2=(2m+3)π、かつ、波長1.49μmで(2m+1)πを満たすようにΔLCを決定する。
次に、波長1.55μmでTCR=1とし、かつ、クロスポートを広帯域にするため、この波長1.55μmに対し、Cを約0.5とする。これを満たすように、方向性結合器6のKを数値計算により決定する。
最後に、波長1.31μm帯がもっとも透過帯域が広いため、その中心波長である1.31μmでKを約0、もしくは1(100%)、とすることにより広帯域化を行う。
この条件のもと、例えば比屈折率差Δ=0.45%、7.5×7.5μmの石英系光導波回路を作製した場合、上記の手順により求められる解は、ΔLC=7.71μm、波長1.31μmでの方向性結合器の結合効率Kは約0、もしくは1、波長1.55μmでの方向性結合器の結合効率Kは約0.77となる。
上記条件を満たす方向性結合器6は何種類かあるが、一般に、その結合部長の短い方が作製誤差は少ないことがわかっているので、図3に示すような方向性結合器6の結合部長を短く決定することが好ましい。
つまり、上記条件を満たす方向性結合器6の結合部長の例として、924μmと2184μmとがあり、例えば図4の(a)、(b)に示すように、方向性結合器6の結合部長を924μmとしても(図4の(a))、方向性結合器6の結合部長を2184μmとしても(図4の(b))、上記条件を満たすことになるが、この場合、方向性結合器の結合部長を924μmとするほうが、作製誤差が小さいと予測されるので好ましい。
そこで、本実施形態例では、それぞれの光合分波器5は、方向性結合器6の結合部長を924μmに形成しており、図4の(a)の波長特性より、波長1.31μmで方向性結合器6の結合効率Kを約1とし、かつ、結合効率Kの波長1.55μmに対する微分係数dK/dλ<0を満たすようにしている。本実施形態例で適用している光合分波器5は、上記のように形成することにより、図5の特性線a、bに示すように、波長1.31μm帯、1.49μm帯、1.55μm帯でそれぞれ要求される特性を満たすことができる良好な特性を実現できる。
なお、図5の特性線aは、光合分波器5のスルーポートから出力される光透過特性シミュレーション結果であり、図5の特性線bは、光合分波器5のクロスポートから出力される光透過特性シミュレーション結果である。
上記の議論で広帯域合分波器(広帯域光合分波フィルタ)が構築できるものであり、本実施形態例では、上記構成の光合分波器5を光スプリッタ3と接続しているので、より一層低損失で、所望の波長の光合分波を行える光合分波機能付き光スプリッタを形成できる。
例えば、本実施形態例において、光スプリッタ3の光入力部1から波長1.55μm帯の光を入力すると、この光は光スプリッタ3で分岐されて光合分波器5の光入力部7から光合分波器5に入力される。光入力部7に対し、合波光出力部8はクロスポートとなるので、光合分波器5の上記特性により、波長1.55μm帯の光を合波光出力部8から低損失で出力することができる。
また、波長1.31μm帯、1.49μm帯の光を光合分波器5の光入力部2から入力すると、これらの波長帯の光は、光合分波器5によって波長1.55μm帯の光と合波される。光入力部2に対し、合波光出力部8はスルーポートとなるので、波長1.31μm帯、1.49μm帯の光を光合分波器5の上記特性により合波光出力部8から低損失で出力することができ、結果として、波長1.31μm帯、1.49μm帯、波長1.55μm帯の光の合波光を合波光出力部8から低損失で出力できる。
なお、上記と逆に、合波光出力部8から波長1.31μm帯、1.49μm帯、波長1.55μm帯の光を入力した場合は、上記と逆の経路を通って、光導波回路10の一端側に形成された、光合分波器5の光入力部2から波長1.31μm帯、1.49μm帯の光を、光スプリッタ3の光入力部1から波長1.55μm帯の光を、低損失で出力できる。
また、本実施形態例では、図1に示したように、上記光合分波器5をアレイ状に配列し、光スプリッタ3と同一基板上で導波路にて光接続することで非常にコンパクトな回路が構成できる。つまり、本実施形態例においては、モジュールサイズが、幅8mm、長さ60mm、高さ7mmであり、従来の構成における値、つまり、幅20mm、長さ120mm、高さ20mmの約2分の1に小型化することができる。
なお、本実施形態例における光導波回路10は、途中に交差導波路が存在するが、光回路のレイアウトを工夫する(例えば交差角度を20°以上に設定する)ことにより、他チャンネルへの光の漏話を最小限に抑えることができる。
また、本実施形態例を含む本発明における、上記サイズ低減効果(小型化の効果)は、信号の分配数が増加するとさらに顕著に現れるものであり、それにより、収容スペースの低減に加え、チャンネル数の増加に対しても大幅なコストアップなく対応できる。
(実施例)
上記実施形態例の実施例として、以下のようにして光合分波機能付き光スプリッタを作製した。つまり、まず、火炎加水分解堆積法を用いてシリコン基板上に石英系ガラスのアンダークラッド膜とTiO2ドープのコア膜を形成した。このとき、コアのクラッドに対する比屈折率差Δ=0.45%とし、それぞれの膜の膜厚を7.5μmとした。
上記実施形態例の実施例として、以下のようにして光合分波機能付き光スプリッタを作製した。つまり、まず、火炎加水分解堆積法を用いてシリコン基板上に石英系ガラスのアンダークラッド膜とTiO2ドープのコア膜を形成した。このとき、コアのクラッドに対する比屈折率差Δ=0.45%とし、それぞれの膜の膜厚を7.5μmとした。
続いて、上記図1で示した光合分波機能付き光スプリッタの回路が描かれたフォトマスクを介してフォトリソグラフィー、反応性イオンエッチング法にてコアに光回路パターンを転写した。その後、再度、火炎加水分解堆積法を用いて石英系ガラスのオーバークラッド膜を形成し、図1の回路構成をコアの光導波路により形成した光合分波機能付き光スプリッタを作製した。
なお、光導波回路を形成するコアの幅は7.5μmとしており、コアの厚みも7.5μmである。方向性結合器のΔLC=7.71μm、方向性結合器6のピッチ(図3に示すように、第1の光導波路11の中心と第2の光導波路12の中心との距離)は、11.1μm、方向性結合器の結合部長は、924μmとした。
その後、光合分波機能付き光スプリッタを、予め設定した大きさ(幅4.7mm×長さ47mm×高さ1mm)にダイサーにより切断し、図6に示すように、光導波回路の両端に光ファイバーアレイ20,21を接続し、パーケージ後、光モジュールを完成させた。モジュールサイズは、幅8mm×長さ60mm×高さ7mmとなった。なお、図6においては、光導波回路10の構成を省略して示している。また、図6の図中、符号26は上板、符号22,23,24,25は接続端面を示しており、対向する接続端面22と接続端面23同士、接続端面24と接続端面25同士をそれぞれ接続する。
この実施例の光合分波機能付き光スプリッタの特性は、以下のようになった。つまり、光入力部2から入力した波長1.31μmの光と波長1.49μmの光について、挿入損失はそれぞれ約0.7dB、PDL(偏波依存性損失)はそれぞれ約0.2dBとなり、光入力部1から入力した波長1.55μmの光の挿入損失は約10.7dB、PDLは約0.2dBとなった。また、それぞれの光入力部1,2から入力した光の反射減衰量は、いずれもそれぞれ40dB未満となった。さらに、光入力部2から入力される光の光透過損失特性(波長特性)は、図7の特性線aに示すようになった。
これらの結果から明らかなように、この実施例は、ほぼ設計値通りの特性を示しており、設計の妥当性が示され、本発明の有効性が示された。
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば上記実施例では、コアのクラッドに対する比屈折率差Δを0.45%としたが、上記比屈折率差Δは0.80%としてもよいし、0.30%としてもよい。
また、上記実施形態例では、光スプリッタ3の分岐数を8とした(1×8スプリッタとした)が、例えば光スプリッタ3の分岐数は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものであり、例えば1×4光スプリッタ、1×16光スプリッタ、1×32光スプリッタを適用して光導波回路10を形成してもよい。
さらに、上記実施形態例では、光合分波器5の方向性結合器6の結合部長を924μmとしたが、この結合部長は、上記実施形態例の波長合分波条件の場合に、例えば2184μmとしてもよいし、他の値としてもよく、さらに、光合分波機能付き光スプリッタに求められる波長合分波条件(例えば合分波波長等)に対応させて、適宜設定されるものである。
さらに、上記実施形態例では、光合分波器5の合波光出力部8を光導波回路10の他端側に形成したが、合波光出力部8は光入力部1,2の配設領域と異なる端部に形成すればよい。
さらに、上記実施形態例では、光合分波器5は2つのマッハツェンダ光干渉計回路13を直列接続して形成したが、1つのマッハツェンダ光干渉計回路13により形成することもできる。ただし、上記実施形態例のような接続構成の2つのマッハツェンダ光干渉計回路13を設けて光合分波器5を形成すると、光合分波器5により合分波する複数波長の通過帯域幅を広くすることが可能であるので、より好ましい。
1,2,7 光入力部
3 光スプリッタ
4 光出力部
5 光合分波器
6 方向性結合器
8 合波光出力部
9 位相部分
10 光導波回路
11 第1の光導波路
12 第2の光導波路
13,13a,13b マッハツェンダ光干渉計回路
15 基板
3 光スプリッタ
4 光出力部
5 光合分波器
6 方向性結合器
8 合波光出力部
9 位相部分
10 光導波回路
11 第1の光導波路
12 第2の光導波路
13,13a,13b マッハツェンダ光干渉計回路
15 基板
Claims (4)
- 基板上に形成された光導波回路を有し、該光導波回路は、該光導波回路の一端側に配置された1つの光入力部から入力される光を等しい光強度で分岐して複数の光出力部から出力する光スプリッタと、2つの光入力部を有してそれぞれの光入力部から入力される互いに異なる波長の光を合波する機能を備えた複数の並列配置された光合分波器とを有し、該それぞれの光合分波器の一方の光入力部が前記光スプリッタの対応する光出力部に接続され、前記それぞれの光合分波器の他方の光入力部は前記光導波回路の一端側に配置されて前記光スプリッタの光入力部と並列に配置され、前記それぞれの光合分波器の合波光出力部は前記光導波回路の光入力部配設領域と異なる端部側に配設されていることを特徴とする光合分波機能付き光スプリッタ。
- 第1の光導波路と、該第1の光導波路と間隔を介して並設された第2の光導波路とを有し、これら2本の光導波路を近接して形成した方向性結合器を光導波路長手方向に間隔を介して配設したマッハツェンダ光干渉計回路を2つ直列接続して1つの光合分波器が形成されており、前記2つのマッハツェンダ光干渉計回路は方向性結合器の配列ピッチが互いに等しく形成されて、一方側のマッハツェンダ光干渉計回路の位相部分は第1の光導波路の長さが第2の光導波路の長さより設定長さ長く形成され、他方側のマッハツェンダ光干渉計回路の位相部分は第2の光導波路の長さが第1の光導波路の長さより前記設定長さ長く形成されていることを特徴とする請求項1記載の光合分波機能付き光スプリッタ。
- マッハツェンダ光干渉計回路の1つの方向性結合器の結合効率をKとしたとき、該結合効率Kの波長λ=1.55μmに対する微分係数dK/dλが負であり、かつ、結合効率Kが波長λ=1.31μmでほぼ100%程度であることを特徴とする請求項2記載の光合分波機能付き光スプリッタ。
- 光合分波器は波長1.31μm帯と波長1.49μm帯と波長1.55μm帯の光を合分波する機能を有することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の光合分波機能付き光スプリッタ。
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JPH10282350A (ja) * | 1997-04-10 | 1998-10-23 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光スプリッタ |
-
2004
- 2004-01-26 JP JP2004016589A patent/JP2005208452A/ja active Pending
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