JP2005208333A - フラッシュ装置、フラッシュ装置を備えるカメラ、および半導体レーザ装置とその製造方法 - Google Patents

フラッシュ装置、フラッシュ装置を備えるカメラ、および半導体レーザ装置とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 半導体レーザを使用することにより低消費電力、長寿命、高出力などを実現できるフラッシュ装置、フラッシュ装置を備えるカメラ、およびそのようなフラッシュ装置に用いられる半導体レーザ装置とその製造方法を提供する。
【解決手段】 カメラに用いられるフラッシュ装置であって、フラッシュ用光源として半導体レーザ装置が使用される。Ag粗膜で反射面が形成されている反射板などでレーザ光を均一に散乱させることにより、広い範囲の照明と安全性の確保が可能となる。また、半導体レーザ装置は、カメラの撮像面20aの長手方向と、半導体レーザ装置から放射されるレーザ光のファーフィールドパターン11a1、12a1、12b1の広い方向とが一致するように配置される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体レーザ装置を用いるフラッシュ装置とそのようなフラッシュ装置を備えるカメラ、およびそのようなフラッシュ装置に用いられる半導体レーザ装置とその製造方法に関する。
従来、検査装置やカメラなどに使用されているフラッシュ装置の光源としては、ハロゲンランプやキセノン管などがあった。このようなフラッシュ装置では、コンデンサを予め充電しておき、一度に放電させることでハロゲンランプやキセノン管を発光させることで強い照明光を得ている。しかし、ハロゲンランプやキセノン管では、寿命の短さ、発熱、消費電力の高さなどの問題があった。
そこで、消費電力が低くて長寿命である発光ダイオードを用いるとともに、発光ダイオードが点光源であることに起因する照度分布の不均一さを解消し得る照明装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この照明装置は、ほぼ直方体状に形成され、それの光入射面及び該光入射面と対向する位置にある光出射面を除く4つの面に光反射面が形成された光反射体;該光反射体の光入射面に対向して各々の光軸が配置された複数の発光手段;前記光反射体の光出射面に対向する位置に設置された、光拡散手段;及び前記光反射体から出て前記光拡散手段を通った光を、直線偏光に変換する偏光板;を備えることを特徴とするものである。
特開平8−247929号公報
しかしながら、上述の従来技術のように発光ダイオードを照明装置の光源として用いる場合、十分な光出力が得られないこともあった。
従来技術のこのような課題に鑑み、本発明の目的は、半導体レーザを使用することにより低消費電力、長寿命、高出力などを実現できるフラッシュ装置、フラッシュ装置を備えるカメラ、および半導体レーザ装置とその製造方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明のフラッシュ装置は、カメラに用いられるフラッシュ装置であって、フラッシュ用光源として半導体レーザ装置が使用されることを特徴とする。
ここで半導体レーザ装置とは、例えば1つまたは複数の半導体レーザ素子(レーザダイオードチップなど)がパッケージに収められたものであるが、これに限るものではない。
この発明のフラッシュ装置によれば、半導体レーザを使用することにより低消費電力かつ長寿命で高出力の照明が可能になる。
また、本発明のフラッシュ装置において、このフラッシュ装置が用いられるカメラの撮像面の長手方向と、前記半導体レーザ装置から放射されるレーザ光のファーフィールドパターンの広い方向とが一致するように、前記半導体レーザ装置が配置されることを特徴としてもよい。さらに、このフラッシュ装置が用いられるカメラが、フィルムを標準サイズ画面またはハーフサイズ画面に切り換えて使用できるカメラであって、このカメラがフィルムをハーフサイズ画面に切り換えて使用する場合には、前記半導体レーザ装置から放射されるレーザ光がその光軸を中心として90度回転させられ、ハーフサイズ画面の長手方向と前記レーザ光のファーフィールドパターンの広い方向とを一致させることを特徴としてもよい。
ここでカメラとは、例えばフィルムを使用するカメラやデジタルカメラなどが挙げられるが、これらに限るものではない。フィルムを使用するカメラの中には、フィルムを標準サイズ画面またはハーフサイズ画面に切り換え可能なものもある。また、半導体レーザ素子から放射されるレーザ光の強度分布は断面楕円状となるが、ニアフィールドパターン(近視野像)とファーフィールドパターン(遠視野像)とで方向による広がり方が異なる。すなわち、ニアフィールドパターンでは半導体レーザ素子の底面に平行な方向がより広いが、ファーフィールドパターンではこれとは逆に、半導体レーザ素子の底面と直交する方向により広くなる。したがって、例えばフィルムを標準サイズ画面として使用する場合、この標準サイズ画面の長辺側はフィルム側端に沿うように並ぶので、撮影範囲内を適切に照明するには、標準サイズ画面の長辺側とファーフィールドパターンの広い側を一致させればよい。このためには、フラッシュ装置内部において、半導体レーザ素子の底面がフィルム側端の方向と直交するように配置すればよいことになる。
この発明のフラッシュ装置によれば、このフラッシュ装置が用いられるカメラの撮像面の長手方向とレーザ光のファーフィールドパターンの広い方向とが一致するので、レーザ光を有効に利用することができる。これにより、撮影範囲内をできるだけ均一に照明することが可能になる。
また、本発明のフラッシュ装置において、前記半導体レーザ装置は、波長の異なる複数のレーザ光を放射することを特徴としてもよい。
ここで、半導体レーザ装置によって波長の異なる複数のレーザ光を放射させるには、例えば、半導体レーザ装置に複数の半導体レーザ素子を内蔵させればよい。これらの半導体レーザ素子は、それぞれ波長の異なるレーザ光を放射するものであってもよいし、少なくとも1つをモノリシック2波長レーザとしてもよいが、このような構成に限るものではない。また、半導体レーザ装置に内蔵させる複数の半導体レーザ素子は、半導体レーザ装置のパッケージ内で互いにできるだけ近接して配置されることが望ましい。
この発明のフラッシュ装置によれば、波長の異なる複数のレーザ光を組み合わせて合成することによりフラッシュ用として必要な白色光を得ることが可能となる。なお、半導体レーザ装置に内蔵させる複数の半導体レーザ素子を半導体レーザ装置のパッケージ内で互いにできるだけ近接して配置した場合には、より広い領域を白色光で照明することが可能になる。
また、本発明のフラッシュ装置において、前記半導体レーザ装置がパルス駆動されることを特徴としてもよい。
ここで、半導体レーザは可干渉性が強く、発光面も微視的に見れば波打った形状となっている。発光した光が波打った面にも反射されて、見た目にも光にゆらぎが発生し、複数のレーザ光を合成した際にむらのある色になってしまう可能性がある。
この発明のフラッシュ装置によれば、レーザをパルス駆動にすることにより可干渉性を抑えることができる。これにより、むらが抑えられた白色光を得ることができる。
また、本発明のフラッシュ装置において、前記半導体レーザ装置から放射されるレーザ光を均一に散乱させるレーザ光散乱部材を備えることを特徴としてもよい。
ここで、レーザ光散乱部材としては、例えば、Ag粗膜で反射面が形成されている反射板が挙げられるが、これに限るものではない。
この発明のフラッシュ装置によれば、半導体レーザ装置から放射されるレーザ光が均一に散乱させられるので、広い範囲をできるだけ均一に照明することが可能になるとともに、人体に対する安全性を確保することができる。
また、本発明のフラッシュ装置において、前記半導体レーザ装置から放射されるレーザ光により励起されて赤色、緑色、青色の蛍光をそれぞれ発する複数種類の蛍光体が、前記反射板に塗布されていることを特徴としてもよい。
ここで、複数種類の蛍光体は、例えば、所定順序の繰り返しでストライプ状に塗布されていてもよい。その場合、半導体レーザ装置から放射されるレーザ光のファーフィールドパターンの広い方向と、複数種類の蛍光体のそれぞれが塗布されているストライプ状領域の伸びる方向とを一致させておくことが望ましい。
この発明のフラッシュ装置によれば、反射板に塗布された複数種類の蛍光体がレーザ光によって励起されて赤色、緑色、青色の蛍光をそれぞれ発し、これらの蛍光が合成されて白色光が得られる。これにより、例えば青色などの単一波長のレーザ光からフラッシュ用の白色光を得ることが可能となる。なお、複数種類の蛍光体を所定順序の繰り返しでストライプ状に塗布するとともに、このストライプ状領域の伸びる方向とレーザ光のファーフィールドパターンの広い方向とを一致させた場合には、レーザ光を有効に使用できて白色発光の領域を広く取ることが可能になる。
また、本発明のフラッシュ装置において、前記半導体レーザ装置は、六角柱レーザ素子を有していることを特徴としてもよい。あるいはさらに、前記半導体レーザ装置が複数の反射部材を有し、前記六角柱レーザ素子の6面それぞれから放射されるレーザ光を直接外部に放射させるか、または前記反射部材での反射によってその方向を変えて外部に放射させることにより、前記六角柱レーザ素子の6面それぞれから放射されるレーザ光をすべて外部に放射させるようにしてもよい。
ここで、六角柱レーザ素子としては、例えば青色サファイヤ六角柱レーザが挙げられるが、これに限るものではない。また、反射部材とは、例えば、反射板にミラー機能を持たせた放射方向収束ミラーである。
この発明のフラッシュ装置によれば、レーザ発振の効率が高い六角柱レーザ素子を使用するとともに、この六角柱レーザ素子の6面から放射されるレーザ光をすべて有効に利用できる。これにより、さらに高出力あるいは低消費電力の照明を実現することが可能となる。
また、本発明のフラッシュ装置において、前記半導体レーザ装置は、複数の反射部材を有するとともに、前記六角柱レーザ素子の6面の各端面コート上には、前記六角柱レーザ素子から放射されるレーザ光により励起されて赤色、緑色、青色の蛍光をそれぞれ発する複数種類の蛍光体がそれぞれ塗布されており、前記六角柱レーザ素子の6面に塗布された前記蛍光体からそれぞれ発せられる赤色、緑色、青色の蛍光を直接外部に放射させるか、または前記反射部材での反射によってその方向を変えて外部に放射させることにより、これらの蛍光が合成された白色光を外部に放射させることを特徴としてもよい。
ここで、前記六角柱レーザ素子の6面の各端面コート上には、例えば、前記六角柱レーザ素子の対向面同士が同一色の蛍光を発するように前記複数種類の蛍光体がそれぞれ塗布されるようにしておけばよい。
この発明のフラッシュ装置によれば、レーザ発振の効率が高い六角柱レーザ素子を使用するとともに、この六角柱レーザ素子の6面から放射されるレーザ光により蛍光体が励起されて赤色、緑色、青色の蛍光が発せられ、それらの蛍光が合成されて白色光が得られる。これにより、さらに高出力あるいは低消費電力の白色光照明を実現することが可能となる。
また、本発明のフラッシュ装置において、前記半導体レーザ装置は少なくとも1つの半導体レーザ素子を有し、この半導体レーザ素子の両端面コート上に、同一色の蛍光を発する蛍光体がそれぞれ塗布されていることを特徴としてもよい。
ここで、半導体レーザ素子には両端からレーザ光が出るという性質があり、両端面の端面コートの反射率を同一にすることで、両側の発光面から1:1の比率でレーザ光が放射される。
この発明のフラッシュ装置によれば、半導体レーザ素子の両端面から放射されるレーザ光をともに有効に利用して、端面に塗布されている蛍光体により蛍光を発することができる。
また、本発明のフラッシュ装置において、前記半導体レーザ装置は、端面コート上に赤色の蛍光を発する蛍光体が塗布されている第1半導体レーザ素子と、端面コート上に緑色の蛍光を発する蛍光体が塗布されている第2半導体レーザ素子と、端面コート上に青色の蛍光を発する蛍光体が塗布されている第3半導体レーザ素子とを有していることを特徴としてもよい。
ここで、第1半導体レーザ素子、第2半導体レーザ素子、および第3半導体レーザ素子はそれぞれ1つに限るものではなく、2つ以上であってもよい。また、これらは半導体レーザ装置の1つのパッケージ内に互いに近接して配置されることが望ましい。
この発明のフラッシュ装置によれば、それぞれの半導体レーザ素子から赤色、緑色、青色の蛍光が発せられるので、これらの蛍光を合成して白色光を得ることができる。なお、それぞれの半導体レーザ素子をパッケージ内で互いにできるだけ近接して配置した場合には、より広い領域を白色光で照明することが可能になる。
あるいは、上記目的を達成するため、本発明のカメラは、上記のような特徴を有するいずれかのフラッシュ装置を備えるカメラである。
この発明のカメラによれば、低消費電力かつ長寿命で高出力の照明が可能なフラッシュ装置を備えているので、カメラのフラッシュ撮影性能を向上させることができる。
あるいは、上記目的を達成するため、本発明の半導体レーザ装置は、六角柱レーザ素子と複数の反射部材とを有する半導体レーザ装置であって、前記六角柱レーザ素子の6面それぞれから放射されるレーザ光を直接外部に放射させるか、または前記反射部材での反射によってその方向を変えて外部に放射させることにより、前記六角柱レーザ素子の6面それぞれから放射されるレーザ光をすべて外部に放射させることを特徴とする。
この発明の半導体レーザ装置によれば、レーザ発振の効率が高い六角柱レーザ素子を使用するとともに、この六角柱レーザ素子の6面から放射されるレーザ光をすべて有効に利用できる。これにより、高出力・低消費電力の光源を実現できる。
あるいは、上記目的を達成するため、本発明の半導体レーザ装置は、六角柱レーザ素子と複数の反射部材とを有する半導体レーザ装置であって、前記六角柱レーザ素子の6面の各端面コート上には、前記六角柱レーザ素子から放射されるレーザ光により励起されて赤色、緑色、青色の蛍光をそれぞれ発する複数種類の蛍光体がそれぞれ塗布されており、前記六角柱レーザ素子の6面に塗布された前記蛍光体からそれぞれ発せられる赤色、緑色、青色の蛍光を直接外部に放射させるか、または前記反射部材での反射によってその方向を変えて外部に放射させることにより、これらの蛍光が合成された白色光を外部に放射させることを特徴とする。さらに、前記六角柱レーザ素子の6面の各端面コート上に、前記六角柱レーザ素子の対向面同士が同一色の蛍光を発するように前記複数種類の蛍光体がそれぞれ塗布されていることを特徴としてもよい。
この発明の半導体レーザ装置によれば、レーザ発振の効率が高い六角柱レーザ素子を使用するとともに、この六角柱レーザ素子の6面から放射されるレーザ光により蛍光体が励起されて赤色、緑色、青色の蛍光が発せられ、それらの蛍光が合成されて白色光が得られる。これにより、高出力・低消費電力の白色光源を実現できる。
あるいは、上記目的を達成するため、本発明の半導体レーザ装置は、両端からレーザ光が放射される少なくとも1つの半導体レーザ素子を有する半導体レーザ装置において、前記半導体レーザ素子から半導体レーザ装置のステムの方向に向かって放射されるレーザ光を反射して外部に放射させる反射板が前記ステム上に備えられていることを特徴とする。
この発明の半導体レーザ装置によれば、半導体レーザ素子の両端から放射されるレーザ光を有効に利用できる。これにより、高出力・低消費電力の光源を実現できる。
あるいは、上記目的を達成するため、本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、半導体レーザ装置の製造方法であって、半導体レーザ素子の両端面コートに蛍光体を塗布する第1塗布工程と、前記第1塗布工程において両端面コートに蛍光体が塗布された半導体レーザ素子をサブマウント上にマウントする第1マウント工程とを備えることを特徴とする。
この発明の半導体レーザ装置の製造方法によれば、半導体レーザ素子の両端面から放射されるレーザ光をともに有効に利用して、端面に塗布されている蛍光体により蛍光を発することができる半導体レーザ装置を製造することができる。
あるいは、上記目的を達成するため、本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、半導体レーザ装置の製造方法であって、半導体レーザ素子の端面コートに赤色の蛍光を発する蛍光体を塗布する第2塗布工程と、半導体レーザ素子の端面コートに緑色の蛍光を発する蛍光体を塗布する第3塗布工程と、半導体レーザ素子の端面コートに青色の蛍光を発する蛍光体を塗布する第4塗布工程と、前記第2塗布工程において赤色の蛍光を発する蛍光体が塗布された半導体レーザ素子と、前記第3塗布工程において緑色の蛍光を発する蛍光体が塗布された半導体レーザ素子と、前記第4塗布工程において青色の蛍光を発する蛍光体が塗布された半導体レーザ素子とをサブマウント上にマウントする第2マウント工程とを備えることを特徴とする。
この発明の半導体レーザ装置の製造方法によれば、それぞれの半導体レーザ素子から発せられる赤色、緑色、青色の蛍光が合成されて白色光が得られる半導体レーザ装置を製造することができる。なお、それぞれの半導体レーザ素子をパッケージ内で互いにできるだけ近接してマウントした場合には、より広い領域を照明可能な白色光を発する半導体レーザ装置を製造することができる。
本発明のフラッシュ装置によれば、半導体レーザを使用することにより低消費電力かつ長寿命で高出力の照明が可能になる。
また、本発明のカメラによれば、低消費電力かつ長寿命で高出力の照明が可能なフラッシュ装置を備えているので、カメラのフラッシュ撮影性能を向上させることができる。
また、本発明の半導体レーザ装置によれば、高出力・低消費電力の光源を実現できる。
また、本発明の半導体レーザ装置の製造方法によれば、高出力・低消費電力の光源を実現できる半導体レーザ装置を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係るフラッシュ装置1に使用される半導体レーザ装置10の内部構造の概略図であり、フィルムの標準サイズ画面に対応する撮影領域を照明するための配置状態を示している。
図1に示すように、半導体レーザ装置10の円形状のステム14において、板状のサブマウント13(ヒートシンク)が垂直に配置されている。サブマウント13上部の一方の側面には、青レーザチップ11がマウントされ、この青レーザチップ11断面内の青レーザ発光点11aから青色レーザ光(波長450nm、GaN)が放射される。サブマウント13の青レーザチップ11がマウントされている側面には、さらに赤・赤外2波長モノリシックレーザ12が青レーザチップ11のやや下方にマウントされている。この赤・赤外2波長モノリシックレーザ12断面内の赤外レーザ発光点12aからは赤外レーザ光(790nm、GaAs)が放射され、赤レーザ発光点12bからは赤色レーザ光(657nm、InGaAlP)が放射される。
なお、青レーザチップ11と赤・赤外2波長モノリシックレーザ12とはできるだけ近接してマウントされていることが望ましい。
図2は本発明の第1実施形態に係るフラッシュ装置1に使用される半導体レーザ装置10によるレーザ光照射パターンとフィルム20の標準サイズ画面20aとの関係の説明図である。図3は本発明の第1実施形態に係るフラッシュ装置1を備えるカメラ2の外観図であり、フィルム20を標準サイズ画面20aで使用する場合のフラッシュ光照射パターン3を示している。
青レーザチップ11の青レーザ発光点11aから放射される青色レーザ光のニアフィールドパターンは垂直方向に広い楕円状であるが、ファーフィールドパターン11a1は図2に示すように水平方向に広い楕円状となる。同様に、赤・赤外2波長モノリシックレーザ12の赤外レーザ発光点12aから放射される赤外レーザ光のファーフィールドパターン12a1、および赤レーザ発光点12bから放射される赤色レーザ光のファーフィールドパターン12b1もそれぞれ水平方向に広い楕円状となる。フィルム20を標準サイズ画面20aで使用する場合は、標準サイズ画面20aの長辺側がフィルム20側端に沿うように並ぶので、水平方向の方が長い。そのため、標準サイズ画面20aに対応する撮影範囲内をできるだけ均一に照明するためには、上述のような水平方向に広い楕円状のファーフィールドパターンが適切である。
図3に示すカメラ2は、このような半導体レーザ装置10を内蔵するフラッシュ装置1を備えたものである。フィルム20を標準サイズ画面20aで使用する場合は、上述のように各レーザ光のファーフィールドパターンが水平方向に広い楕円状となるようにしておく。これによって、フラッシュ装置1からのフラッシュ光照射パターン3は、断面が水平方向に広い楕円錐状(フラッシュ装置1をその頂点とする)となり、標準サイズ画面20aに対応する撮影範囲内をできるだけ均一に照明することが可能になる。
なお、このカメラ2は、不図示の切り換えボタンを操作することにより、フィルム20を標準サイズ画面20aまたはハーフサイズ画面20b(図5参照)に切り換えて使用できるように構成されている。この切り換え機構は、例えば電動式でもよいし、機械式であってもよい。また、この画面切り換えに連動して、フラッシュ装置1に内蔵されている半導体レーザ装置10もその中心を回転軸として90度回転させるようにしておく。
図4は本発明の第1実施形態に係るフラッシュ装置1に使用される半導体レーザ装置10の内部構造の概略図であり、フィルムのハーフサイズ画面に対応する撮影領域を照明するための配置状態を示している。図5は本発明の第1実施形態に係るフラッシュ装置1に使用される半導体レーザ装置10によるレーザ光照射パターンとフィルム20のハーフサイズ画面20bとの関係の説明図である。図6は本発明の第1実施形態に係るフラッシュ装置1を備えるカメラ2の外観図であり、フィルム20をハーフサイズ画面20bで使用する場合のフラッシュ光照射パターン3を示している。
図4に示した半導体レーザ装置10の配置状態は、カメラ2においてフィルム20をハーフサイズ画面20bとして使用する場合のものであり、図1に示した配置状態から反時計回りに90度回転した状態である。なお、半導体レーザ装置10内の各構成要素の相対的な位置関係は図1の場合と変わりない。
このときは、図5に示すように、青レーザチップ11の青レーザ発光点11aから放射される青色レーザ光のファーフィールドパターン11a1は垂直方向に広い楕円状となる。同様に、赤・赤外2波長モノリシックレーザ12の赤外レーザ発光点12aから放射される赤外レーザ光のファーフィールドパターン12a1、および赤レーザ発光点12bから放射される赤色レーザ光のファーフィールドパターン12b1もそれぞれ垂直方向に広い楕円状となる。フィルム20をハーフサイズ画面20bで使用する場合は、ハーフサイズ画面20bの短辺側がフィルム20側端に沿うように並ぶので、垂直方向の方が長い。そのため、ハーフサイズ画面20bに対応する撮影範囲内をできるだけ均一に照明するためには、上述のような垂直方向に長い楕円状のファーフィールドパターンが適切である。
このようにすることで、カメラ2が備えるフラッシュ装置1からのフラッシュ光照射パターン3は、図6に示すように、断面が垂直方向に広い楕円錐状(フラッシュ装置1をその頂点とする)となり、ハーフサイズ画面20bに対応する撮影範囲内をできるだけ均一に照明することが可能になる。
図7は複数色の光を合成してフラッシュ用の白色光を作る原理の説明図である。
図7に示すように、楕円状の青色光パターン21aと緑色光パターン21bと赤色光パターン21cとが存在しているとき、3つのパターンの光が重なり合う領域(斜線部)では、光の三原色である青色・緑色・赤色それぞれの光の合成によって白色光パターン21dが得られる。本発明のように半導体レーザを使用するフラッシュ装置においても同様に、波長の異なる複数のレーザ光を合成することにより白色光を得ることが可能になる。
なお、この白色光パターン21dによってできるだけ広い範囲をなるべく均一に照明するためには、青色光パターン21aと緑色光パターン21bと赤色光パターン21cとの中心を互いにできるだけ近接させることで3つのパターンの光が重なり合う領域を広げておくことが望ましい。
また、半導体レーザは可干渉性が強く、発光面も微視的に見れば波打った形状となっている。発光した光が波打った面にも反射されて、見た目にも光にゆらぎが発生し、複数のレーザ光を合成した際にむらのある色になってしまう可能性がある。そこで、このような問題を回避するため、例えばレーザをパルス駆動にすることにより可干渉性を抑える方法を取ってもよい。あるいは、可干渉性の低いレーザの搭載により、複数のレーザ光の合成後のむらを抑えるという方法も挙げられるが、これらの方法に限るものではない。レーザをパルス駆動する場合、レーザ駆動回路によってパルス周期を変更すれば、カメラ2のシャッター(不図示)の開いている時間(例えば、1/100秒)に応じて対応できる。
図8は半導体レーザ装置におけるレーザチップの配置例であり、(a)は青、赤外、赤、それぞれ個別のレーザチップを使用する場合を示し、(b)は青レーザチップと赤・赤外2波長モノリシックレーザを使用する場合を示している。なお、これらの図では、各レーザチップおよびサブマウントのみを図示している。
図8(a)に示した配置例では、サブマウント30上に青レーザ発光点31aを有する青レーザチップ31と、赤外レーザ発光点32aを有する赤外レーザチップ32と、赤レーザ発光点33aを有する赤レーザチップ33とがこの順に近接してマウントされている。一方、図8(b)に示した配置例では、サブマウント30上に青レーザ発光点34aを有する青レーザチップ34と、赤外レーザ発光点35aおよび赤レーザ発光点35bを有する赤・赤外2波長モノリシックレーザ35とが近接してマウントされている。3つのレーザビームの発光点の距離は、図8(a)の配置例では青レーザ発光点31aと赤レーザ発光点33a間の距離d1であり、図8(b)の配置例では青レーザ発光点34aと赤レーザ発光点35b間の距離d2である。
青レーザチップ34の青レーザ発光点34a発光点は、レーザチップの幅方向の中心付近ではなく端に寄せて配置されており、また、赤外および赤については個別のレーザチップではなく赤・赤外2波長モノリシックレーザ35が用いられている。このため、距離d2の方が距離d1よりも短くなっている。したがって、図7を参照して説明したように、図8(b)の配置例によって得られる白色光の方がより広い領域を照明することができるということになる。
図9は半導体レーザから放射されるレーザ光束を反射板によって散乱させる原理の説明図である。
半導体レーザなどのレーザ光は出力が非常に強いため、レーザ光に直接触れたり、直視したりすると、人体に悪影響を与える可能性がある。そのため、人の目に触れるフラッシュ光として使用する場合には、レーザ光を何らかの方法により散乱させて危険がないようにする必要がある。
これには、例えば図9に示すように、サブマウント30上にマウントされたレーザチップ36から放射されるレーザ光束37をAg粗膜で形成された反射板38で散乱させるようにすればよい。なお、レーザ光の散乱に使用するものは上記反射板38に限るものではなく、他の拡散部材や散乱方法を代わりに使用してもよい。
このようにすることで、レーザ光束37が反射板38で散乱されられて散乱光39となり、人体に危険のない光とすることができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、半導体レーザ装置からの異なる波長の複数のレーザ光を合成して白色光を得るとともに、その白色光を反射板などによって散乱させることによりフラッシュ光としていた。第2実施形態は、赤色・緑色・青色それぞれに発光する3種類の蛍光体を反射板に塗布することによって単一波長のレーザ光から白色光を得るものである。なお、次に述べる点を除いては第1実施形態と同一であるので、相違点のみについて説明する。
図10は本発明の第2実施形態に係るフラッシュ装置に使用されるレーザ光散乱用の反射板の一例の概略図であり、(a)は反射板40全体を示し、(b)はその一部40aを拡大したものである。図11は本発明の第2実施形態に係るフラッシュ装置に使用されるレーザ光散乱用の反射板の他の例の概略図であり、(a)は反射板41全体を示し、(b)はその一部41aを拡大したものである。
図10(a)および(b)に示すように、反射板40の表面には、このフラッシュ装置に使用されている半導体レーザ装置の単一波長のレーザ光(例えば青色レーザ光)によって赤色・緑色・青色それぞれに発光する3種類の蛍光体が縦方向の極めて細いストライプ状に塗布されている。また、図11(a)および(b)に示すように、反射板41の表面には、同じ3種類の蛍光体が横方向の極めて細いストライプ状に塗布されている。
これらの蛍光体はレーザ光によって励起されてそれぞれ赤色・緑色・青色に発光し、これらの蛍光が合成されることにより白色光が得られる。
図12は本発明の第2実施形態に係るフラッシュ装置に使用されるレーザ光散乱用の反射板40における蛍光体の塗布方向とのレーザ光のファーフィールドパターン42との関係の説明図であり、(a)は反射板40全体を示し、(b)はその一部40aを拡大したものである。
図2および図5を参照して説明したように、レーザ光のファーフィールドパターンは楕円状である。そのため、ファーフィールドパターンと反射板表面に塗布されたストライプ状の蛍光体の伸びる方向との関係は大きく2つの場合があり得る。すなわち、蛍光体の伸びる方向に対して、ファーフィールドパターンの広い方向が並行になる場合と、直交する場合である。このうち、レーザ光を有効に使用できて白色発光の領域を広く取ることができるのは、図12(a)および(b)に示すように、蛍光体の伸びる方向に対してファーフィールドパターン42の広い方向が並行になる場合である。
なお、本発明の第2実施形態に係るフラッシュ装置を備えるカメラが、フィルムを標準サイズ画面あるいはハーフサイズ画面のいずれとして使用するかを切り換えることができるように構成されている場合、この画面切り換えに連動して、フラッシュ装置に内蔵されている半導体レーザ装置および反射板40も90度回転させるようにしておくことが望ましい。このようにすることで、フィルムを標準サイズ画面あるいはハーフサイズ画面のいずれとして使用する場合でも、レーザ光を有効に使用することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態は青色サファイヤ六角柱レーザを使用し、この青色レーザ光と、この青色レーザ光に励起されて赤色・緑色それぞれに発光する2種類の蛍光体による蛍光を合成することにより白色光を得るものである。なお、次に述べる点を除いては第2実施形態と同一であるので、相違点のみについて説明する。
図13は本発明の第3実施形態に係るフラッシュ装置に使用される青色サファイヤ六角柱レーザ50の概略図である。
図13に示すように、青色サファイヤ六角柱レーザ50は六角柱形状をしており、サファイヤ基板上でGaNを形成することによって得られる六方晶構造を有する結晶である。この青色サファイヤ六角柱レーザ50の隣接する3面から青色レーザ光51a、52a、53aが放射されるとともに、これらの3面にそれぞれ対向する面からも青色レーザ光51b、52b、53bが放射される。すなわち、この青色サファイヤ六角柱レーザ50の6面からそれぞれ青色レーザ光が放射される。
図14は本発明の第3実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置60の内部構造の概略図である。
図14に示すように、半導体レーザ装置60は箱形のパッケージ61を有しており、このパッケージ61の中央部に青色サファイヤ六角柱レーザ50が配置されている。また、パッケージ61の両側側面には、Ag粗膜が塗布されることにより反射板65がそれぞれ形成されている。
パッケージ61上部内面の2ヶ所には、反射板にミラー機能を持たせた放射方向収束ミラー62がそれぞれ配置され、青色サファイヤ六角柱レーザ50からパッケージ61上部方向に放射される青色レーザ光51aおよび53bはそれぞれパッケージ61側面中心に向けて反射される。同様に、パッケージ61下部内面の2ヶ所にも放射方向収束ミラー62がそれぞれ配置され、青色サファイヤ六角柱レーザ50からパッケージ61下部方向に放射される青色レーザ光53aおよび51bもそれぞれパッケージ61側面中心に向けて反射される。青色レーザ光51aの反射光51a1の光路上、および青色レーザ光53bの反射光53b1の光路上にはそれぞれ赤蛍光体が塗布された基板63が配置されている。これらの基板63に塗布されている赤蛍光体は、反射光51a1および反射光53b1によってそれぞれ励起されて赤色の蛍光を発し、この赤色の蛍光がパッケージ61両側面中心にそれぞれ到達する。同様に、青色レーザ光53aの反射光53a1の光路上、および青色レーザ光51bの反射光51b1の光路上にはそれぞれ緑蛍光体が塗布された基板64が配置されている。これらの基板64に塗布されている緑蛍光体は、反射光53a1および反射光51b1によってそれぞれ励起されて緑色の蛍光を発し、この緑色の蛍光がパッケージ61両側の側面中心にそれぞれ到達する。
したがって、パッケージ61両側の側面中心には、青色サファイヤ六角柱レーザ50から直接放射される青色レーザ光52aまたは52bと、基板63からの赤色の蛍光と、基板64からの緑色の蛍光とが到達し、これらの光が合成されて白色光となる。さらに、この白色光がパッケージ61両側面に形成されている反射板65によって散乱させられ、白色散乱光54aおよび54bとなって外部に放射される。
以上で説明した第3実施形態の構成によれば、青色サファイヤ六角柱レーザ50はレーザ発振の効率が高いので、フラッシュ装置のフラッシュ用光源として用いることにより、さらに高出力あるいは低消費電力の照明を実現することが可能となる。
<第4実施形態>
第4実施形態は青色サファイヤ六角柱レーザを使用し、この青色レーザ光に励起されて赤色・緑色・青色それぞれに発光する3種類の蛍光体による蛍光を合成することにより白色光を得るものである。なお、次に述べる点を除いては第3実施形態と同一であるので、相違点のみについて説明する。
図15は本発明の第4実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置70の内部構造の概略図である。なお、半導体レーザ装置70は、第3実施形態の半導体レーザ装置60(図14参照)の構成の一部のみを変更したものである。
図15に示すように、半導体レーザ装置70のパッケージ61の中央部に青色サファイヤ六角柱レーザ50が配置されている。この青色サファイヤ六角柱レーザ50の各端面には、赤色・緑色・青色それぞれに発光する3種類の蛍光体が、対向する端面同士が同じ種類の蛍光体となるようにコートされている。すなわち、端面50a1および端面50a2には赤蛍光体がコートされ、端面50b1および端面50b2には青蛍光体がコートされ、端面50c1および端面50c2には緑蛍光体がコートされている。
青色サファイヤ六角柱レーザ50の6面から青色レーザ光が放射されると、端面50a1および50a2から赤色の蛍光71aおよび71bがそれぞれ放射され、放射方向収束ミラー62によって反射された反射光71a1および71b1がパッケージ61両側面中心にそれぞれ到達する。端面50b1および50b2からは青色の蛍光73aおよび73bがそれぞれ放射され、そのままパッケージ61両側面中心にそれぞれ到達する。端面50c1および50c2からは緑色の蛍光73aおよび73bがそれぞれ放射され、放射方向収束ミラー62によって反射された反射光73a1および73b1がパッケージ61両側面中心にそれぞれ到達する。
したがって、パッケージ61両側の側面中心には、赤色・緑色・青色の3色の蛍光が到達し、これらの光が合成されて白色光となる。さらに、この白色光がパッケージ61両側面に形成されている反射板65によって散乱させられ、半導体レーザ装置60の場合と同様に白色散乱光54aおよび54bとなって外部に放射される。
<第5実施形態>
図16は本発明の第5実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置内部のレーザチップ80の概略図である。図17は本発明の第5実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置内部の概略図である。なお、次に述べる点を除いては第1実施形態と同一であるので、相違点のみについて説明する。
図16に示すように、レーザチップ80は両端面からレーザ光を放射できる角棒状のものであり、レーザチップ80両端面には蛍光体81が塗布されている。ここで、この蛍光体81は、赤色、青色、または緑色のいずれかの蛍光を発するものである。
この実施形態は、レーザチップ80の両端面からレーザ光が放射されるという性質を利用したものであり、両側の端面の端面コートの反射率を同一にすることで、両側の発光面から1:1の比率でレーザ光が放射される。なお、ここでいう端面コートとは、レーザに施すコートのことであり、蛍光体とは異なる。また、端面コートすること自体は、公知の事実である。
このようなレーザチップ80の構成により、レーザチップ80の両端面から蛍光体の種類に応じた蛍光を放射させることができる。蛍光体の種類を変更すれば、放射させる蛍光の色を変更することも可能である。
また、端面に塗布する蛍光体の種類を異ならせたレーザチップを複数使用することにより、白色光を得ることができる。例えば、図17に示すように、赤蛍光体82が端面に塗布されたレーザチップ80aと、青蛍光体83が端面に塗布されたレーザチップ80bと、緑蛍光体84が端面に塗布されたレーザチップ80cとを、サブマウント85上に互いに近接してマウントするような構成とすればよい。
なお、レーザチップ80a、80b、および80cはそれぞれの端面内でのレーザ発光点の位置が異なるものであり、3つの発光点の間隔が最小となるようにこれらのレーザチップを配置している。また、3種類の蛍光体をいずれのレーザチップにそれぞれ塗布するかは任意であり、図17に図示したものと同じ順番に並べる必要はない。レーザチップの配置数も3に限るものではなく、例えばさらに増やしてもよい。
<第6実施形態>
図18は本発明の第6実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置90の内部構造の概略図である。なお、次に述べる点を除いては第1実施形態と同一であるので、同じ構成部材には同じ参照符号を付すこととし、相違点のみについて説明する。
図18に示すように、半導体レーザ装置90の円形状のステム14上には、ステム14より小さい円形状の反射板91が同心配置されている。この反射板91により、サブマウント13にマウントされている青レーザチップ11および赤・赤外2波長モノリシックレーザ12の背面側から放射されるレーザ光がそれぞれ反射・散乱させられる。
このような構成により、レーザチップの正面側から放射されるレーザ光だけでなく、背面側から放射されるレーザ光も有効に利用できるので、フラッシュ装置のフラッシュ用光源として用いることにより、より高出力あるいは低消費電力の照明を実現することが可能となる。
<第7実施形態>
図19は本発明の第7実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置92の内部構造の概略図である。なお、次に述べる点を除いては第6実施形態と同一であるので、同じ構成部材には同じ参照符号を付すこととし、相違点のみについて説明する。
図19に示すように、半導体レーザ装置92のサブマウント13には、2つの青色2チャンネルモノリシックレーザ93が互いに近接してマウントされている。これらの青色2チャンネルモノリシックレーザ93の背面側から放射されるレーザ光も、ステム14上に配置されている反射板91によってそれぞれ反射・散乱させられる。
このような構成により、青色レーザ光の出力を向上させるとともに、レーザ発光点間距離を小さくして均一性の良好な白色光源を作ることができる。また、レーザチップの両面から放射されるレーザ光をともに有効利用できるので、フラッシュ装置のフラッシュ用光源として用いることにより、一層高出力あるいは低消費電力の照明を実現することが可能となる。
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明の第1実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置の内部構造の概略図であり、フィルムの標準サイズ画面に対応する撮影領域を照明するための配置状態を示している。 本発明の第1実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置によるレーザ光照射パターンとフィルムの標準サイズ画面との関係の説明図である。 本発明の第1実施形態に係るフラッシュ装置を備えるカメラの外観図であり、フィルムを標準サイズ画面で使用する場合のフラッシュ光照射パターンを示している。 本発明の第1実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置の内部構造の概略図であり、フィルムのハーフサイズ画面に対応する撮影領域を照明するための配置状態を示している。 本発明の第1実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置によるレーザ光照射パターンとフィルムのハーフサイズ画面との関係の説明図である。 本発明の第1実施形態に係るフラッシュ装置を備えるカメラの外観図であり、フィルムをハーフサイズ画面で使用する場合のフラッシュ光照射パターンを示している。 複数色の光を合成してフラッシュ用の白色光を作る原理の説明図である。 半導体レーザ装置におけるレーザチップの配置例であり、(a)は青、赤外、赤、それぞれ個別のレーザチップを使用する場合を示し、(b)は青レーザチップと赤・赤外2波長モノリシックレーザを使用する場合を示している。 半導体レーザから放射されるレーザ光束を反射板によって散乱させる原理の説明図である。 本発明の第2実施形態に係るフラッシュ装置に使用されるレーザ光散乱用の反射板の一例の概略図であり、(a)は反射板全体を示し、(b)はその一部を拡大したものである。 本発明の第2実施形態に係るフラッシュ装置に使用されるレーザ光散乱用の反射板の他の例の概略図であり、(a)は反射板全体を示し、(b)はその一部を拡大したものである。 本発明の第2実施形態に係るフラッシュ装置に使用されるレーザ光散乱用の反射板における蛍光体の塗布方向とのレーザ光のファーフィールドパターンとの関係の説明図であり、(a)は反射板全体を示し、(b)はその一部を拡大したものである。 本発明の第3実施形態に係るフラッシュ装置に使用される青色サファイヤ六角柱レーザの概略図である。 本発明の第3実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置の内部構造の概略図である。 本発明の第4実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置の内部構造の概略図である。 本発明の第5実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置内部のレーザチップの概略図である。 本発明の第5実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置内部の概略図である。 本発明の第6実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置の内部構造の概略図である。 本発明の第7実施形態に係るフラッシュ装置に使用される半導体レーザ装置92の内部構造の概略図である。
符号の説明
1 フラッシュ装置
2 カメラ
3 フラッシュ光照射パターン
10 半導体レーザ装置
11 青レーザチップ
11a 青レーザ発光点
12 赤・赤外2波長モノリシックレーザ
12a 赤外レーザ発光点
12b 赤レーザ発光点
13 サブマウント
14 ステム
20 フィルム
20a 標準サイズ画面
20b ハーフサイズ画面
21a 青色光パターン
21b 緑色光パターン
21c 赤色光パターン
21d 白色光パターン
30 サブマウント
31 青レーザチップ
31a 青レーザ発光点
32 赤外レーザチップ
32a 赤外レーザ発光点
33 赤レーザチップ
33a 赤レーザ発光点
34 青レーザチップ
34a 青レーザ発光点
35 赤・赤外2波長モノリシックレーザ
35a 赤外レーザ発光点
35b 赤レーザ発光点
36 レーザチップ
37 レーザ光束
38 反射板
39 散乱光
40、41 反射板
50 青色サファイヤ六角柱レーザ
50a1、50a2、50b1、、50b2,50c1、50c2 端面
51a、51b、52a、52b、53a、53b 青色レーザ光
54a、54b 白色散乱光
60 半導体レーザ装置
61 パッケージ
62 放射方向収束ミラー
63、64 基板
65 反射板
70 半導体レーザ装置
80、80a、80b、80c レーザチップ
81 蛍光体
82 赤蛍光体
83 青蛍光体
84 緑蛍光体
85 サブマウント
90 半導体レーザ装置
91 反射板
92 半導体レーザ装置
93 青色2チャンネルモノリシックレーザ

Claims (28)

  1. カメラに用いられるフラッシュ装置であって、
    フラッシュ用光源として半導体レーザ装置が使用されることを特徴とするフラッシュ装置。
  2. 請求項1に記載のフラッシュ装置において、
    このフラッシュ装置が用いられるカメラの撮像面の長手方向と、前記半導体レーザ装置から放射されるレーザ光のファーフィールドパターンの広い方向とが一致するように、前記半導体レーザ装置が配置されることを特徴とするフラッシュ装置。
  3. 請求項2に記載のフラッシュ装置において、
    このフラッシュ装置が用いられるカメラが、フィルムを標準サイズ画面またはハーフサイズ画面に切り換えて使用できるカメラであって、
    このカメラがフィルムをハーフサイズ画面に切り換えて使用する場合には、前記半導体レーザ装置から放射されるレーザ光がその光軸を中心として90度回転させられ、ハーフサイズ画面の長手方向と前記レーザ光のファーフィールドパターンの広い方向とを一致させることを特徴とするフラッシュ装置。
  4. 請求項1に記載のフラッシュ装置において、
    前記半導体レーザ装置は、波長の異なる複数のレーザ光を放射することを特徴とするフラッシュ装置。
  5. 請求項4に記載のフラッシュ装置において、
    前記半導体レーザ装置は複数の半導体レーザ素子を有し、これらの半導体レーザ素子がそれぞれ波長の異なるレーザ光を放射することを特徴とするフラッシュ装置。
  6. 請求項4に記載のフラッシュ装置において、
    前記半導体レーザ装置は複数の半導体レーザ素子を有し、これらの半導体レーザ素子の少なくとも1つはモノリシック2波長レーザであることを特徴とするフラッシュ装置。
  7. 請求項5または6に記載のフラッシュ装置において、
    前記複数の半導体レーザ素子が、前記半導体レーザ装置の1つのパッケージ内で互いに近接して配置されていることを特徴とするフラッシュ装置。
  8. 請求項1に記載のフラッシュ装置において、
    前記半導体レーザ装置がパルス駆動されることを特徴とするフラッシュ装置。
  9. 請求項1に記載のフラッシュ装置において、
    前記半導体レーザ装置から放射されるレーザ光を均一に散乱させるレーザ光散乱部材を備えることを特徴とするフラッシュ装置。
  10. 請求項9に記載のフラッシュ装置において、
    前記レーザ光散乱部材は反射板であることを特徴とするフラッシュ装置。
  11. 請求項10に記載のフラッシュ装置において、
    前記反射板はその反射面がAg粗膜で形成されていることを特徴とするフラッシュ装置。
  12. 請求項10に記載のフラッシュ装置において、
    前記半導体レーザ装置から放射されるレーザ光により励起されて赤色、緑色、青色の蛍光をそれぞれ発する複数種類の蛍光体が、前記反射板に塗布されていることを特徴とするフラッシュ装置。
  13. 請求項12に記載のフラッシュ装置において、
    前記複数種類の蛍光体が、所定順序の繰り返しでストライプ状に塗布されていることを特徴とするフラッシュ装置。
  14. 請求項13に記載のフラッシュ装置において、
    前記半導体レーザ装置から放射されるレーザ光のファーフィールドパターンの広い方向と、前記複数種類の蛍光体のそれぞれが塗布されているストライプ状領域の伸びる方向とを一致させることを特徴とするフラッシュ装置。
  15. 請求項1に記載のフラッシュ装置において、
    前記半導体レーザ装置は、六角柱レーザ素子を有していることを特徴とするフラッシュ装置。
  16. 請求項15に記載のフラッシュ装置において、
    前記半導体レーザ装置は複数の反射部材を有し、
    前記六角柱レーザ素子の6面それぞれから放射されるレーザ光を直接外部に放射させるか、または前記反射部材での反射によってその方向を変えて外部に放射させることにより、前記六角柱レーザ素子の6面それぞれから放射されるレーザ光をすべて外部に放射させることを特徴とするフラッシュ装置。
  17. 請求項15に記載のフラッシュ装置において、
    前記半導体レーザ装置は、複数の反射部材を有するとともに、
    前記六角柱レーザ素子の6面の各端面コート上には、前記六角柱レーザ素子から放射されるレーザ光により励起されて赤色、緑色、青色の蛍光をそれぞれ発する複数種類の蛍光体がそれぞれ塗布されており、
    前記六角柱レーザ素子の6面に塗布された前記蛍光体からそれぞれ発せられる赤色、緑色、青色の蛍光を直接外部に放射させるか、または前記反射部材での反射によってその方向を変えて外部に放射させることにより、これらの蛍光が合成された白色光を外部に放射させることを特徴とするフラッシュ装置。
  18. 請求項17に記載のフラッシュ装置において、
    前記六角柱レーザ素子の6面の各端面コート上に、前記六角柱レーザ素子の対向面同士が同一色の蛍光を発するように前記複数種類の蛍光体がそれぞれ塗布されていることを特徴とするフラッシュ装置。
  19. 請求項1に記載のフラッシュ装置において、
    前記半導体レーザ装置は少なくとも1つの半導体レーザ素子を有し、
    この半導体レーザ素子の両端面コート上に、同一色の蛍光を発する蛍光体がそれぞれ塗布されていることを特徴とするフラッシュ装置。
  20. 請求項1に記載のフラッシュ装置において、
    前記半導体レーザ装置は、端面コート上に赤色の蛍光を発する蛍光体が塗布されている第1半導体レーザ素子と、端面コート上に緑色の蛍光を発する蛍光体が塗布されている第2半導体レーザ素子と、端面コート上に青色の蛍光を発する蛍光体が塗布されている第3半導体レーザ素子とを有していることを特徴とするフラッシュ装置。
  21. 請求項20に記載のフラッシュ装置において、
    前記第1半導体レーザ素子と前記第2半導体レーザ素子と前記第3半導体レーザ素子とが、前記半導体レーザ装置の1つのパッケージ内に配置されることを特徴とするフラッシュ装置。
  22. 請求項1ないし21のいずれか1項に記載のフラッシュ装置を備えるカメラ。
  23. 六角柱レーザ素子と複数の反射部材とを有する半導体レーザ装置であって、
    前記六角柱レーザ素子の6面それぞれから放射されるレーザ光を直接外部に放射させるか、または前記反射部材での反射によってその方向を変えて外部に放射させることにより、前記六角柱レーザ素子の6面それぞれから放射されるレーザ光をすべて外部に放射させることを特徴とする半導体レーザ装置。
  24. 六角柱レーザ素子と複数の反射部材とを有する半導体レーザ装置であって、
    前記六角柱レーザ素子の6面の各端面コート上には、前記六角柱レーザ素子から放射されるレーザ光により励起されて赤色、緑色、青色の蛍光をそれぞれ発する複数種類の蛍光体がそれぞれ塗布されており、
    前記六角柱レーザ素子の6面に塗布された前記蛍光体からそれぞれ発せられる赤色、緑色、青色の蛍光を直接外部に放射させるか、または前記反射部材での反射によってその方向を変えて外部に放射させることにより、これらの蛍光が合成された白色光を外部に放射させることを特徴とする半導体レーザ装置。
  25. 請求項24に記載の半導体レーザ装置において、
    前記六角柱レーザ素子の6面の各端面コート上に、前記六角柱レーザ素子の対向面同士が同一色の蛍光を発するように前記複数種類の蛍光体がそれぞれ塗布されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  26. 両端からレーザ光が放射される少なくとも1つの半導体レーザ素子を有する半導体レーザ装置において、
    前記半導体レーザ素子から半導体レーザ装置のステムの方向に向かって放射されるレーザ光を反射して外部に放射させる反射板が前記ステム上に備えられていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  27. 半導体レーザ装置の製造方法であって、
    半導体レーザ素子の両端面コートに蛍光体を塗布する第1塗布工程と、
    前記第1塗布工程において両端面コートに蛍光体が塗布された半導体レーザ素子をサブマウント上にマウントする第1マウント工程とを備えることを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
  28. 半導体レーザ装置の製造方法であって、
    半導体レーザ素子の端面コートに赤色の蛍光を発する蛍光体を塗布する第2塗布工程と、
    半導体レーザ素子の端面コートに緑色の蛍光を発する蛍光体を塗布する第3塗布工程と、
    半導体レーザ素子の端面コートに青色の蛍光を発する蛍光体を塗布する第4塗布工程と、
    前記第2塗布工程において赤色の蛍光を発する蛍光体が塗布された半導体レーザ素子と、前記第3塗布工程において緑色の蛍光を発する蛍光体が塗布された半導体レーザ素子と、前記第4塗布工程において青色の蛍光を発する蛍光体が塗布された半導体レーザ素子とをサブマウント上にマウントする第2マウント工程とを備えることを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。

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