JP2005208044A - 生体関連物質選択付着性基板 - Google Patents

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浩一郎 中村
Kenichi Nakama
健一 仲間
Noriyuki Kawata
規之 川太
Yasutomo Arima
靖智 有馬
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Abstract


【課題】 微量な特定の生体関連物質を微少領域に付着、保持するため基板を提供する。とくに微量の生体関連物質を基板上の複数箇所に高密度に保持することができ、その量のばらつきが小さく、また繰り返し再現性が良好な生体関連物質選択付着性基板を提供する。
【解決手段】 平板状基板10の表面に所定の規則で配列された凹部20を形成する。この凹部表面と凹部と凹部の間の平坦部30の表面における付着係数の比が10を越えるようにする。とくに水性の液体を対象とする場合には、平坦部30に撥水性被膜40を形成することにより、液体を凹部20に安定に保持でき、隣接凹部への漏れ出しも防止することができる。
【選択図】 図2


Description

本発明は、生体関連分野で使用される微少領域に選択的に特定物質を付着または保持する機能を有する生体関連物質選択付着性基板に関する。
有機材料あるいは生体関連材料の電子工学分野への応用においては、分子エレクトロニクス、分子メモリー、ナノバイオテクノロジー等の技術を応用した製品の実用化への期待が高まっている。このため基板(チップ)上への機能素子の高密度集積化が要求されるだけでなく、基板表面の所定箇所に特定物質を選択的に付着させたり保持させたりする機能の高度化が求められている。
さらに、生命科学の分野では、マイクロ化学反応器、ゲノム解析用チップ、プロテイン解析用チップなどを用いた超微少量、超高感度分析のため、機能素子の高集積化、高密度アレイ化が進み、これらに用いられる基板についても、選択付着性が要求されている。これらの基板では、微少量の生体関連物質溶液等の液体試料を選択的に所定箇所に保持し、分析や反応に供することができる。
このような機能は基板表面に特定の物質の分子と結合する機能を有する箇所(機能性結合サイト)を高密度に形成することによって実現できる。これらの技術については、例えば特許文献1〜6などに開示されている。とくに特許文献6にはアミノシランカップリング剤によりプラスチック基板やガラス基板表面にアミノ基を導入し、DNAマイクロアレイを形成する技術が開示されている。
特表平9−500568号公報 特開2002−131327号公報 特開2002−307801号公報 特開2002−283530号公報 特開2003−121442号公報 特開2003−279572号公報
しかしながら、上記特許文献に開示されている方法は、いずれも基板の平坦な表面上へのパターンを形成する方法であり、機能性結合サイトが平坦部にあるため、微量の液体試料を、基板表面の複数箇所に保持する際に、保持量のばらつきが大きく、また繰り返し再現性が悪いという問題があった。また結合部位を高密度化すると、近接する結合部位同士の距離が近くなり、隣接する液体試料が混入するという問題があった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、微量の特定物質を微少領域に高密度に再現性よく付着、保持できる選択付着性基板を提供することを目的とする。
本発明の生体関連物質選択付着性基板はその表面に所定の規則で配列された凹部を有する。この凹部表面の所定部分とその部分を除く基板表面の生体関連物質に対する付着係数の比を10より大とする。
ここで、付着係数は付着面積と付着膜厚の積で定義され、上記付着係数の比をRとすると、Rは次式で表される。
R =(A1×D1)/(A2×D2
ただし、A1は凹部表面における付着面積、D1は凹部表面における付着膜厚であり、A2は平坦部表面における付着面積、D2は平坦部表面における付着膜厚である。
この手段により、特定の生体関連物質を、基板の凹凸と付着係数の差異の効果により、基板の所定の部位に安定に付着させ、または保持させることができる。
上記凹部表面の所定部分は、共有結合、水素結合、静電相互作用、双極子−双極子相互作用、スタッキング相互作用から選ばれた少なくとも一種類の相互作用で生態関連物質と結合していることが望ましい。これらの相互作用により、特定の生体関連物質を基板の所定の部位に安定に付着させ、または保持させることができる。
さらに凹部表面の所定部分はアミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、アルキル基、フェニル基から選ばれた少なくとも1種類の官能基を有することが望ましい。これらの官能基の存在により、特定の生体関連物質を基板の所定の部位に安定に付着させ、または保持させることができる。
上記凹部表面の所定部分を除く基板表面は撥水性であることが望ましい。これにより水性の生体関連物質は基板の凹部に保持されやすくなる。
この撥水性の表面は、アルキル基あるいはアリール基を含有するシラン化合物またはフルオロアルキル基を含有するシラン化合物から選ばれた少なくとも1種類で被覆されていることが望ましい。これらの化合物により、優れた撥水性を有する表面を得ることができる。
また上記凹部表面の所定部分とその部分を除く基板表面の水に対する接触角の差は、20度より大きいことが望ましい。基板表面の凹凸の効果により、より小さい接触角の差によっても水性の生体関連物質を基板の所定の部位に安定に保持することができる。
また、表面に所定の規則で配列された凹部を有し、この凹部間の基板表面に平坦部を有する生体関連物質選択付着性基板においては、凹部の表面と平坦部の表面における表面張力が異なるようにする。とくに凹部の表面張力を、平坦部の表面張力より大きくする。これによって生体関連物質は安定に凹部に保持される。
本発明の選択付着性基板は、表面に凹部を所定の規則にしたがって配列し、凹部とそれ以外の部分の濡れ性または表面張力を異なるものとすることにより、凹部に微量の特定物質を安定に付着または保持させることができ、隣接した凹部へ混入することを防止できる。また付着物質の量のばらつきが低減され、繰り返し再現性も向上させることができ、優れた付着、保持機能を有する選択付着性基板を提供することができる。
以下に本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の基板に用いる材料としては、ガラス、セラミックス、半導体、金属、樹脂等をあげることができる。利用できるガラスの種類としては、石英ガラス(線膨張係数α=0.5ppm/K)、無アルカリガラス、ソーダライムガラスなどを例示できる。さらに、ゼロデュア(登録商標、例えばショット社の製品で、α=−2ppm/K)、ネオセラム(登録商標、例えば日本電気硝子社の製品で、α=0.15ppm/K)などのような低膨張結晶化ガラス、パイレックス(登録商標)(例えばコーニング社の製品で、α=3.25ppm/K)、BK7(ショット社の製品、α=7.1ppm/K)などが挙げられる。
またウェハ形態で提供されているシリコン、InP、GaAsなどの半導体材料も使用可能である。樹脂材料については、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素系樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、耐熱性、透明性、化学的安定性に優れたガラスを用いることがもっとも好ましい。
本発明の選択付着性基板の一例を図1に示す。平板状基板10の表面に、生体関連物質溶液等の液体材料を保持するための複数の凹部20が形成されている。この例では隣接する凹部と凹部の間はもとの平板状基板表面である平坦部30が存在する。そしてこの凹部表面と、それ以外の基板の平坦部表面とに、特定の生体関連物質試料に対する付着力に差異を与える処理を施すことにより、凹部20における試料の保持性能を向上させることができる。
図2は凹部20を有する平板状基板10の断面図である。凹部内の表面に被膜40が形成され、凹部間の平坦部表面には被膜40とは異なる材質の被膜42が形成されている。凹部の被膜40は生体関連物質に対して大きな付着力を有し、平坦部の被膜42は逆に生体関連物質に対して付着力が小さい材質を選ぶことにより、生体関連物質を凹部内に安定して保持できる。
本発明の生体関連物質選択付着性基板はその表面に所定の規則で配列された凹部を有する。この凹部表面の所定部分とその部分を除く基板表面の生体関連物質に対する付着係数の比を10より大とする。
ここで、付着係数は付着面積と付着膜厚の積で定義され、上記付着係数の比をRとすると、Rは次式で表される。
R=(A1×D1)/(A2×D2) (1)
ただし、A1は凹部表面における付着面積、D1は凹部表面における付着膜厚であり、A2は平坦部表面における付着面積、D2は平坦部表面における付着膜厚である。
上記の要件を満足するために、本発明においては凹部表面の所定部分を除く基板表面を撥水性とする手段を用いることができる。また凹部表面の所定部分は、生体関連物質およびそれらを結合する化合物を選択的に固定するための官能基を配する。
生体関連物質とは、DNA、RNAなどの核酸類、たんぱく質、脂質、糖類、ビタミン、ホルモン、酵素などであり、これらの物質を選択的に固定することができる官能基としてはつぎのような基を例示できる。すなわち、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、アルキル基、フェニル基などである。このような官能基を有することにより、生体連物質およびそれらを結合する化合物を選択的に基板に固定することができる。
アミノ基を有する化合物としては、リシン、ポリアミン、アミノシランなどを例示できる。アミノシラン化合物としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、N−3−[(アミノ(ポリプロピレノキシ)アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルシラントリオール、(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミンなどを例示できる。これらのアミノシラン化合物は、加水分解した縮合体であってもよい。
メルカプト基を有する化合物としては、アルキルチオール、メルカプトシランなどを例示できる。メルカプトシラン化合物としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランを例示できる。また、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドを用いてもよい。これらのシラン化合物は、加水分解した縮合体として用いることもできる。
カルボキシル基を有する化合物をしては、アルキルカルボン酸、カルボキシルシラン、例えば、カルボキシエチルシラントリオールナトリウム塩を例示できる。
ヒドロキシル基を有する化合物としては、N−(ヒドロキシエチル)−N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、2−[ヒドロキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]ジフェニルケトン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)グルコンアミド、N−(トリエトキシシリルプロピル)―O―ポリエチレンオキシドウレタンを例示できる。これらのシラン化合物は、加水分解した縮合体として用いることもできる。
フェニル基を有するシラン化合物としては、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリクロロフェニルシラン、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシランを例示できる。これらのシラン化合物は、加水分解した縮合体として用いることもできる。
アミノ基、カルボキシル基、およびその他の官能基を同時に有する化合物としては、アミノ酸およびそれらのオリゴマー体であるオリゴペプチド、ポリペプチドを例示できる。アミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、ヒスチジン、アルギニンなどを例示できる。
基板表面の凹凸とそれに対応した部分的に異なる付着力を表面に付与することにより、マイクロエレクトロニクス分野や生体関連技術分野に用いられる機能素子を搭載する基板として優れた特性を提供できる。
本発明の選択付着性基板は、その表面状態を制御することにより、選択付着する対象物質も広範に選択できる。生体関連物質溶液その他の化学物質溶液のほか、これらに細胞など生体組織が混在している試料などにも適用できる。
本発明の基板の付着力を制御する方法として、基板の凹部表面に、特定の生体関連物質に対して付着性の高い化合物を、単独でもしくは複合して被覆する方法が望ましい。さらに基板の凹部以外の平坦部表面にはこの生体関連物質に対して付着性の低い化合物を被覆することが望ましい。一般に生体関連物質は水性であるので、付着力の小さい材料としては撥水性材料を選ぶことができる。
本発明の基板の平坦部表面に撥水性を与える材料としては、撥水性基を有するテトラフルオロエチレン、環状パーフルオロポリマー、フルオロアルキルシラン、アルキルシラン、シリコーン、ポリシランなどを例示することができる。これらの材料によって基板の平坦部を被覆することにより、凹部に対して平坦部で水に対する付着力の小さい基板を提供することができる。
撥水性基を有する化合物としては撥水性基を有するシラン化合物が好ましく使用される。その例として、1個または2個以上の撥水性基、例えばアルキル基、フルオロアルキル基などを分子内に有するシラン化合物を挙げることができる。
アルキル基を有するシラン化合物としては、
CH3(CH230SiCl3、CH3(CH220SiCl3
CH3(CH218SiCl3、CH3(CH216SiCl3
CH3(CH214SiCl3、CH3(CH212SiCl3
CH3(CH210SiCl3、CH3(CH29SiCl3
CH3(CH28SiCl3、CH3(CH27SiCl3
CH3(CH26SiCl3、CH3(CH25SiCl3
CH3(CH24SiCl3、CH3(CH23SiCl3
CH3(CH22SiCl3、CH3CH2SiCl3
(CH3CH22SiCl2、(CH3CH23SiCl、
CH3SiCl3、(CH32SiCl2、(CH33SiCl、
のようなアルキル基含有クロロシラン、
CH3(CH230Si(OCH33、CH3(CH220Si(OCH33
CH3(CH218Si(OCH33、CH3(CH216Si(OCH33
CH3(CH214Si(OCH33、CH3(CH212Si(OCH33
CH3(CH210Si(OCH33、CH3(CH29Si(OCH33
CH3(CH28Si(OCH33、CH3(CH27Si(OCH33
CH3(CH26Si(OCH33、CH3(CH25Si(OCH33
CH3(CH24Si(OCH33、CH3(CH23Si(OCH33
CH3(CH22Si(OCH33、CH3CH2Si(OCH33
(CH3CH22Si(OCH32、(CH3CH23SiOCH3
CH3Si(OCH33、(CH32Si(OCH32、(CH33SiOCH3
CH3(CH230Si(OC253、CH3(CH220Si(OC253
CH3(CH218Si(OC253、CH3(CH216Si(OC253
CH3(CH214Si(OC253、CH3(CH212Si(OC253
CH3(CH210Si(OC253、CH3(CH29Si(OC253
CH3(CH28Si(OC253、CH3(CH27Si(OC253
CH3(CH26Si(OC253、CH3(CH25Si(OC253
CH3(CH24Si(OC253、CH3(CH23Si(OC253
CH3(CH22Si(OC253、CH3CH2Si(OC253
(CH3CH22Si(OC252、(CH3CH23SiOC25
CH3Si(OC253、(CH32Si(OC252、(CH33SiOC25
のようなアルキル基含有アルコキシシラン、
CH3(CH230Si(OCOCH33、CH3(CH220Si(OCOCH33
CH3(CH218Si(OCOCH33、CH3(CH216Si(OCOCH33
CH3(CH214Si(OCOCH33、CH3(CH212Si(OCOCH33
CH3(CH210Si(OCOCH33、CH3(CH29Si(OCOCH33
CH3(CH28Si(OCOCH33、CH3(CH27Si(OCOCH33
CH3(CH26Si(OCOCH33、CH3(CH25Si(OCOCH33
CH3(CH24Si(OCOCH33、CH3(CH23Si(OCOCH33
CH3(CH22Si(OCOCH33、CH3CH2Si(OCOCH33
(CH3CH22Si(OCOCH32、(CH3CH23SiOCOCH3
CH3Si(OCOCH33、(CH32Si(OCOCH32
(CH33SiOCOCH3
のようなアルキル基含有アシロキシシラン、
CH3(CH230Si(NCO)3、CH3(CH220Si(NCO)3
CH3(CH218Si(NCO)3、CH3(CH216Si(NCO)3
CH3(CH214Si(NCO)3、CH3(CH212Si(NCO)3
CH3(CH210Si(NCO)3、CH3(CH29Si(NCO)3
CH3(CH28Si(NCO)3、CH3(CH27Si(NCO)3
CH3(CH26Si(NCO)3、CH3(CH25Si(NCO)3
CH3(CH24Si(NCO)3、CH3(CH23Si(NCO)3
CH3(CH22Si(NCO)3、CH3CH2Si(NCO)3
(CH3CH22Si(NCO)2、(CH3CH23SiNCO、
CH3Si(NCO)3、(CH32Si(NCO)2
(CH33SiNCO、
のようなアルキル基含有イソシアネートシランを例示することができる。
フロオロアルキル基を有するシラン化合物としては、
CF3(CF211(CH22SiCl3
CF3(CF210(CH22Si(Cl)3
CF3(CF29(CH22SiCl3
CF3(CF28(CH22SiCl3
CF3(CF27(CH22SiCl3
CF3(CF26(CH22SiCl3
CF3(CF25(CH22SiCl3
CF3(CF24(CH22SiCl3
CF3(CF23(CH22SiCl3
CF3(CF22(CH22SiCl3
CF3CF2(CH22SiCl3
CF3(CH22SiCl3、
のようなフロオロアルキル基含有トリクロロシラン、
CF3(CF211(CH22Si(OCH33
CF3(CF210(CH22Si(OCH33
CF3(CF29(CH22Si(OCH33
CF3(CF28(CH22Si(OCH33
CF3(CF27(CH22Si(OCH33
CF3(CF26(CH22Si(OCH33
CF3(CF25(CH22Si(OCH33
CF3(CF24(CH22Si(OCH33
CF3(CF23(CH22Si(OCH33
CF3(CF22(CH22Si(OCH33
CF3CF2(CH22Si(OCH33
CF3(CH22Si(OCH33
CF3(CF211(CH22Si(OC253
CF3(CF210(CH22Si(OC253
CF3(CF29(CH22Si(OC253
CF3(CF28(CH22Si(OC253
CF3(CF27(CH22Si(OC253
CF3(CF26(CH22Si(OC253
CF3(CF25(CH22Si(OC253
CF3(CF24(CH22Si(OC253
CF3(CF23(CH22Si(OC253
CF3(CF22(CH22Si(OC253
CF3CF2(CH22Si(OC253
CF3(CH22Si(OC253
のようなフロオロアルキル基含有トリアルコキシシラン、
CF3(CF211(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF210(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF29(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF28(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF27(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF26(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF25(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF24(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF23(CH22Si(OCOCH33
CF3(CF22(CH22Si(OCOCH33
CF3CF2(CH22Si(OCOCH33
CF3(CH22Si(OCOCH33 、
のようなフロオロアルキル基含有トリアシロキシシラン、
CF3(CF211(CH22Si(NCO)3
CF3(CF210(CH22Si(NCO)3
CF3(CF29(CH22Si(NCO)3
CF3(CF28(CH22Si(NCO)3
CF3(CF27(CH22Si(NCO)3
CF3(CF26(CH22Si(NCO)3
CF3(CF25(CH22Si(NCO)3
CF3(CF24(CH22Si(NCO)3
CF3(CF23(CH22Si(NCO)3
CF3(CF22(CH22Si(NCO)3
CF3CF2(CH22Si(NCO)3
CF3(CH22Si(NCO)3、
ようなフロオロアルキル基含有トリイソシアネートシランを例示することができる。
これらの中でフロオロアルキル基含有トリアルコキシシラン、特にフッ素原子の数が13〜22のフロオロアルキルトリメトキシシラン、フロオロアルキルトリエトキシシランが好ましく用いられる。
ここに例示した化合物を用いて、本発明の基板の平坦部の表面を単独もしくは異なる物質を組み合わせて被覆することで、平坦部には生体関連物質が付着しにくくなり、例え凹部間が接近していても生体関連物質試料は隣接凹部へ混入しにくくなる。
本発明の選択付着性基板は、上記特許文献1〜5などが開示されている基板とは異なり、あらかじめ基板表面に凹部を有しており、この凹部自身がとくに液体を保持する機能をもつ。この液体の保持機能は固体基板表面における液体の接触角で評価できる。接触角θは図3に示すように固体基板12表面に滴下した液滴100が基板表面と接触する角度で定義される。
本発明においては、平坦部と凹部の接触角の差を20度より大きくすることで、定量性、再現性に優れ、高密度な結合部位を有する選択付着性基板を提供することができる。凹部のない平坦な基板表面においては、より大きな接触角の差が必要であり、本発明により撥水性材料の選択範囲が広くなる。接触角の差は、さらに好ましくは、50度より大きく、より好ましくは、80度より大きくする。これによりさらに選択的に優れた、選択付着性基板を提供することができる。
なお、接触角の最大値は180度である。この場合、液体は基板をまったく濡らさず、球状の液滴となる。本発明の選択付着性基板においても撥水性を付与した部分では理想的な接触角は180度である。
また本発明の選択付着性基板は凹部表面に比して平坦部表面の表面張力が大きいことを特徴とする。このように、表面張力の差異を付与する方法としては、つぎのような方法がある。
例えば、ガラスの臨界表面張力は、約100mN/mであるので、撥水基を有する化合物で、平坦部を被覆することで達成できる。撥水性基の具体例としては、エチレン基(臨界表面張力:31mN/m)、メチル基(20mN/m)、トリフルオロメチル基(6mN/m)などが例示できる。このような化合物で被覆することにより、基板表面の表面張力を、好ましくは20mN/mより大きく、より好ましくは40mN/mより大きく、最も好ましくは60mN/mより大きくすることにより、液体材料を選択的に保持する基板を提供できる。ガラスに対して、表面張力を小さくする化合物としては、前記、撥水性基を有する化合物を例示することができる。
本発明の基板は、規則的に配列された凹部を疎水性基を有する化合物で被覆し、平坦部を、それより表面張力の小さな撥水基を有する化合物で被覆してもよい。このような基板は、疎水性基を有する生体関連物質を選択的に凹部に付着することができる。例えば、凹部を前記アルキルシラン化合物またはその加水分解物で被覆し、平坦部をフルオロアルキルシラン化合物またはその加水分解物で被覆することで達成できる。このような基板を用いることにより、疎水性基を有する生体関連物質と疎水性アルキルシラン化合物で被覆した凹部表面との間の疎水性相互作用を利用することにより、付着選択性に優れた基板を提供できる。
さらに、本発明の基板は、規則的に配列された凹部を撥水基を有する化合物で被覆し、平坦部に、それより表面張力の小さな撥水基を有する化合物で被覆してもよい。このような基板も、疎水性基を有する生体関連物質を選択的に凹部に付着することができる。このような構成は、例えば、凹部を、エーテル基を有する環状パーフルオロポリマーで被覆し、平坦部をフルオロアルキルシラン化合物またはその加水分解物で被覆することで達成できる。エーテル基を有する環状パーフルオロポリマーとしては、CYTOP(旭硝子社製)などを例示できる。
本発明の基板は規則的に配列された凹部を有することが特徴である。凹部の形状、高さ、幅、密度は、本発明の基板が用いられる機能デバイスに応じて必要な形態をとればよい。凹部の形状としては、球面窪み状、円錐状、三角錐状、四角錐状、溝状、円柱状、線状、Y分岐線状などが挙げられる。配列された凹部が球面窪み状、円錐状、三角錐状、四角錐状、溝状、円柱状などである場合については、1cm2当り4個以上、好ましくは、100個以上、さらに好ましくは、10,000個以上とする。また、線状凹部の場合は線幅を3,000マイクロメートル以下、好ましくは、10マイクロメートル以下とする。これにより、高密度の微細パターン構造を有する基板を得ることができる。
また、本発明の選択付着性基板の構造は図1に示す例には限られない。図4に示すように基板10表面に凸部50を形成した構造の基板であってもよい。例えば、基板表面に適当な厚みの層を堆積し、この層を部分的に除去することにより、このような構造を形成することができる。このような構造の場合についても同様に、凸部表面52と底部または斜面部54の特定物質に対する付着力を異なるものとすることにより、本発明の基板として用いることができる。
また、本発明の基板の凹部の一部が撥水性であってもよい。例えば図5は基板表面部分の拡大断面図であるが、図5(a)に図示するように平坦部30だけでなく凹部20内の上部まで撥水性膜44を設けてもよい。
以上の例では基板表面に平坦部が存在したが、図5(b)のように凹部20を稠密に設けた場合、平坦部はないが、尖った頂部32の部分に撥水性膜46を設けることもできる。このように基板表面の凹部が接近して高密度化され、撥水性を有する部分の面積が相対的に小さくなった場合にも、定量性、再現性に優れた結合部位を有する選択付着性基板を提供することができる。
次に本発明の選択付着性基板の製造方法について説明する。基本的には基板表面の凹部を予め加工し、その後に凹部あるいは平坦部にそれぞれ所望の付着性を備えた材質の被膜を形成する。
規則的に配列された凹部を有する基板の製造方法としては、フォトリソグラフィ、電子線リソグラフィー、陽子線リソグラフィー、X線リソグラフィーなどによるマスクパターンの形成とレーザアブレージョン法、ウェットエッチング法などによる凹部形成を組み合わせた方法を例示できる。
基板表面に被膜を形成する方法としては、湿式法と乾式法(真空法)を例示できる。
湿式法については、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、フローコート法、メニスカスコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、ナノインプリンティング法、ソフトリソグラフィー法、マイクロコンタクトプリンティング法などを例示できる。とくにソフトリソグラフィー法は凹部を有する基板表面の平坦部にのみ選択的に溶液を付着させる方法として、簡便で低コストな方法である。
乾式法(真空法)については、蒸着法、スパッタ法、イオンビーム法、CVD法、MOCVD法などがあげられる。これらの方法を組み合わせることにより、基板表面の所定部分に所定の材質の被膜を形成することができる。
以下に具体的な実施例について説明する。
石英ガラス基板(厚み2mm、寸法50mm×50mm)上に、Cr膜を、次いでAu膜をスパッタリング法により成膜し、さらにフォトレジストをスピンコート法により塗布した。つぎにこのフォトレジスト膜を、縦方向に50個、横方向に50個、合計2500個の開口部が碁盤の目状に配列したパターンで露光し、露光部分のフォトレジストを現像、除去した。このフォトレジスト膜をマスクとしてAu膜とCr膜をエッチングし、開口を形成した。
このマスク付きガラス基板を、超純水(比抵抗値:18MΩ・cm)で洗浄した後、49%フッ化水素酸を用いてエッチングを行った。この後、超純水で後洗浄した後、NaOH水溶液によりフォトレジスト膜を剥離した。さらに、ヨウ素/ヨウ化アンモニウム水溶液を用いて、Auマスクを剥離除去した後、硝酸2アンモニウムセリウム水溶液を用いて、Crマスクを剥離除去した。
得られた選択付着性基板は概略図1に示すような形状であり、断面形状は模式的に図6(a)で示される。球状凹部の直径は50μmであり、密度は100個/cm2であった(以下これを基板Aという)。
この基板Aの平坦部に、つぎに示すようなソフトリソグラフィー法により、撥水層を形成した。
表面が平坦で厚さ約1mmの板状ポリジメチルシロキサン(PDMS)をスタンパとして用いる。フルオロアルキルシランを酸触媒と水により加水分解したアルコール溶液を平皿状の容器に入れ、スタンパの一方の表面をこの液に接触させる。次に、スタンパを基板Aの表面に接触させてスタンパ表面の液を、基板Aの表面に転写した。引き続き室温で、24時間乾燥した。以上により図6(b)に示すような平坦部に撥水性の被膜が形成された基板が得られる(基板B)。
この基板表面の水の接触角を測定すると、平坦部の表面では105度であり、凹部の表面は10度であり、凹部と平坦部の水に対する接触角の差が、95度であった。
つぎにアミノプロピルトリエトキシシランを加水分解したエタノール溶液を用意し、基板Bをこの溶液に浸漬し(いわゆるディップコーティング法)、図6(c)に示すような凹部にのみ選択的にアミノ基を導入した(基板C)。
凹部にのみ選択的にアミノ基を導入した基板Cを1%グルタルアルデヒド水溶液に4℃で1時間浸漬し、アミノシラン基を架橋した後、リン酸緩衝液中で、FITC化プロテインA(Zymed Lab.社製)を30時間、4℃で反応させた。FITC化プロテインAを固定化した基板(基板C1)をリン酸緩衝液中で10秒間、超音波洗浄し、純水で洗浄し、乾燥させた。基板C1の凹部内と平坦部を蛍光顕微鏡で観察したところ、凹部内の95%以上の面積で蛍光が確認されたのに対し、平坦部から蛍光が観測されたのは、その1%未満の面積であった。付着層の膜厚は、単分子単位の積層体であるため、凹部直径に比べて、著しく小さい。このため、(1)式のRはA1/A2と近似でき、R>95とみなすことができる。
上記基板Cは凹部にのみ選択的にアミノ基を導入したが、アミノプロピルトリエトキシシランの代わりに、メルカプトプロピルトリメトキシシランを用いて、凹部にメルカプト基を導入することができる。また、カルボキシエチルシラントリオールナトリウム塩あるいはカルボキシルプロピルトリメトキシシランを用いてカルボキシル基を、ヒドロキシルメチルトリメトキシシランを用いて、ヒドロキシル基を導入することができる。
また、プロピルトリメトキシシランを用いてプロピル基を、フェニルトリメトキシシランを用いてフェニル基を導入することができる。
実施例1とは異なる方法で基板の凹部にのみ選択的にアミノ基を導入する。上述のアミノシラン化合物のなかから次の6種類をアミノシランカップリング剤として用いた。
(1)3−アミノプロピルトリエトキシシラン
(2)N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン
(3)N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリメトキシシラン
(4)(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン
(5)N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン
(6)(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン
アミノ基の導入は以下の手順によって行った。
基板はガラス製の96穴マイクロタイタープレートを用いた。また比較のために樹脂製のプレートも使用した。それぞれの凹部に酸溶液(濃硫酸:30%過酸化水素水=7:3)を分注し12時間静置する。次いでイオン交換水で10回洗浄し、超純水で1回洗浄する。つぎに95%エタノールに対して3%アミノシランカップリング剤を溶解し、この溶液200μlを各凹部へ分注する。室温で1時間、反応させた後、エタノールで5回洗浄する。その後115℃で1時間焼成する。最後に95%エタノールで洗浄し、乾燥させる(基板D)。
(接触角測定)
一般的にアミノ基が導入された表面の接触角は増大する。これはアミノ基を支持するアルキル鎖の疎水性のためである。基板Dの凹部の接触角の測定結果を、アミノシラン(1)〜(6)について表1に示す。基板Dの凹部の接触角は80°前後とガラス基板表面に比べて大きくなっており、アミノ基が導入されていることがわかる。
(表1)
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アミノシラン (1) (2) (3) (4) (5) (6)
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接触角(度) 82 82 86 83 72 74
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(表面元素分析)
基板Dの表面に存在する元素をX線光電子分光法(XPS)により検出した。表2にアミノシラン(2)と(6)で処理した基板上の元素の濃度を示す。アミノシランの成分である炭素(C1s)、窒素(N1s)、酸素(O1s)、珪素(Si2p)が観測された。このことは、基板D表面にアミノ基が存在することを示している。
(表2)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
アミノシラン C1s N1s O1s Si2p
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(2) 27.0 6.2 44.7 22.1
(6) 32.9 4.9 42.2 20.0
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(タンパク質の吸着)
ガラス表面にアミノ基を導入することにより、タンパク質の吸着量を増加させることができる。以下に6種類のアミノシランカップリング剤によりコートした表面に対するタンパク質の吸着について説明する。吸着タンパク質としてペルオキシダーゼ(POD)を用いた。吸着量の指標として、反応生成物の発色による吸光度(波長:450nm)の増加を用いた。
PODの吸着は以下の手順によって行った。
まず基板Dの各凹部に、0.05μg/mlのPODをpH7.4のリン酸緩衝液(PBS)に溶解した溶液100μlを分注し、10分間静置する。つぎにPOD溶液を取り除き、pH7.4のPBS150μlで3回洗浄する。その後、PODの基質溶液(3,3’、5,5’−テトラメチルベンジダイン(TMBZ)、住友ベークライト製)100μlを各凹部に分注する。10分後、各凹部に反応停止液(住友ベークライト製)100μlを各凹部に分注する。
この処理後、波長450nmにおける吸光度を測定した。吸光度の測定は、フルオロスターオプティマ(マイクロプレートリーダ)により行った。表3に未処理の場合とアミノシラン(1)〜(6)による処理後の測定結果を示す。またこの吸光度から見積もったPODの吸着量の未処理表面に対する比を表4に示す。以上の結果から、本発明で用いたほとんどのシランカップリング剤において(1)の3−アミノプロピルトリエトキシシランよりも、そして樹脂にコートした場合よりも吸着量が増加することがわかる。
(表3)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
アミノシラン 未処理 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
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ガラスプレート 0.42 0.39 0.58 0.58 1.02 0.53 1.41
樹脂プレート 0.30 0.67 0.09 0.10 0.60 0.40 0.25
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(表4)
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アミノシラン (1) (2) (3) (4) (5) (6)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ガラスプレート 0.94 1.38 1.39 2.46 1.26 3.38
樹脂プレート 2,27 0.32 0.33 2.02 1.33 0.85
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バイオリアクターなど、より多くのタンパク質を基板に吸着させなければならない場合、本発明により多くのタンパク質を吸着させることができる。この吸着量の増加は、アミノ基の導入により表面に正電荷が付与され、タンパク質の負電荷と引き合うことによる。
上記の処理方法は、ペルオキシダーゼだけでなく他のタンパク質においても用いることができる。特に、表面に負電荷を多く持つ酸性タンパク質を用いたときに吸着量が増大すると考えられる。また、タンパク質だけでなくDNAを吸着することもできる。DNAは負電荷を帯びているため、正電荷を帯びたアミノ基と強く結合することができる。このDNAの結合によって、より高感度なDNAの検出キットへの応用が可能である。
(タンパク質の固定)
ガラス表面にアミノ基を導入することによりタンパク質を共有結合により固定化することができる。以下に6種類のアミノシランカップリング剤によりコートした表面に対するタンパク質の結合による固定について説明する。結合量の指標として、反応生成物の発色による吸光度(波長:450nm)の増加を用いた。
上記同様、PODを例にその結合方法を以下に説明する。アミノ基を導入した基板Dの各凹部に、pH7.4のPBSに対するグルタルアルデヒドの2%溶液を100μl分注し、その後37℃で2時間静置する。この凹部を超純水150μlで3回凹部を洗浄する。
つぎに各凹部にpH7.4のPBSに対して0.1mg/mlのビオチンヒドラジド溶液を100ml分注し、37℃で2時間静置する。この凹部を超純水150μlで3回洗浄する。
次いで各凹部にpH7.4のPBSに対する3%スキムミルク溶液を150μl分注し、この凹部を0.05%Tween20を含むpH7.4のPBS200μlで3回洗浄する。この後、各凹部にPODが架橋結合しているストレプトアビジン(0.05mg/ml)100mlを分注し、この凹部を0.05%Tween20を含むpH7.4のPBS200μlで3回洗浄する。さらにPODの基質溶液(TMBZ)100μlを各凹部に分注する。10分後、各凹部に反応停止液100μlを分注する。
この後、波長450nmにおける吸光度を測定し、未処理の場合に対するPODの固定化量の割合を求めた。吸光度の測定結果を表5に、POD固定化量の割合を表6に示す。
(表5)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
アミノシラン 未処理 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
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ガラスプレート 0.69 0.75 0.93 0.36 1.28 0.46 1.13
樹脂プレート 0.43 0.05 0.13 0.13 0.27 0.18 0.71
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(表6)
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アミノシラン (1) (2) (3) (4) (5) (6)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ガラスプレート 1.09 1.35 0.53 0.41 0.67 1.64
樹脂プレート 0.11 0.31 0.31 0.62 0.40 1.64
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本発明で用いたほとんどのアミノシランカップリング剤において樹脂にコートした場合よりもペルオキシダーゼ固定量が増加した。とくに(2)と(6)のシランカップリング剤については3−アミノプロピルトリエトキシシランよりも増加した。
本発明の方法により、樹脂プレートより多くのタンパク質を共有結合により固定化することができる。この固定化量の増加は、より効率的に基板表面にアミノ基が導入されたことによる。
上記の例ではビオチン−アビジン結合反応を用いてペルオキシダーゼを固定化したが、抗原または抗体を酵素で標識化するELISA(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay)
法等への応用が可能である。上記の結果より、より高感度なELISAを開発できる。また、高効率DNAマイクロアレイへの応用が期待できる。
実施例2の最後に共有結合によりアミノ基にタンパク質を固定解する例を示したが、本実施例では、より高効率なタンパク質を固定化のための手順を示す。
アミノシランカップリング剤としては、(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミンを用いた。
基板凹部に酸溶液(濃硫酸:30%過酸化水素水=7:3)を分注し3時間静置する。次いでイオン交換水で10回洗浄し、超純水で1回洗浄する。つぎに95%エタノールに対して3%アミノシランカップリング剤を溶解し、この溶液200μlを各凹部へ分注する。室温で1時間、反応させた後、エタノールで5回洗浄する。その後115℃で1時間焼成する。最後に95%エタノールで洗浄し、乾燥させる(基板E)。
タンパク質としてはPODを用い、固定化およびその評価は、実施例2と同様の方法で行った。吸光度と固定化量の評価結果を表7に示す。本実施例の場合、より多くタンパク質を固定化することができることがわかる。
固定化量の増加により、バイオマイクロリアクターではより大量に目的生成物が得られ、ELISAなどの検査キットではより高感度に検出することができる。
(表7)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
未処理 処理後
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
吸光度 0.58 2.11
固定化量の比 − 3.65
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
石英ガラス基板(厚み2mm、寸法50mm×50mm)上に、Cr膜をスパッタリング法により成膜し、さらにフォトレジストをスピンコート法により塗布した。つぎにこのフォトレジスト膜を、縦方向に50個、横方向に50個、合計2500個の開口部が碁盤の目状に配列したパターンで露光し、露光部分のフォトレジストを現像、除去した。このフォトレジスト膜をマスクとしてCr膜をエッチングし、開口を形成した。
このマスク付きガラス基板を、超純水(比抵抗値:18MΩ・cm)で洗浄した後、49%フッ化水素酸を用いてエッチングを行った。この後、超純水で後洗浄した後、NaOH水溶液にてフォトレジスト膜を剥離した。
この基板の表面全体にスパッタリング法でAu膜を成膜した。つぎに硝酸2アンモニウムセリウム水溶液を用いて、Crマスクを剥離除去し、球状凹部の内部のみAu膜で被覆された基板を得た。この平坦部に、フルオロアルキルシランを酸触媒と水により加水分解したアルコール溶液を、PDMSをスタンパとしたソフトリソグラフィー法により成膜した。室温で24時間乾燥した後、水の接触角を測定すると、平坦部の表面では105度であった(基板F)。
この基板Fの凹部内に次のような過程で、チオール誘導体およびアビジンを介して5’末端にビオチン修飾したDNAを固定した。まず、1ミリモル濃度の3,3’−ジチオジプロピオン酸水溶液3mlに基板Fを30分間浸漬した。これによってAu膜表面はカルボキシル基が導入される。
つぎに100mg/mlの濃度のN−ヒドロキシコハク酸イミドと塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドの混合水溶液に浸漬し、基板表面のカルボキシル基と30分間反応させた後、乾燥させた。
次いでアビジンを緩衝液(pH=8.0、10mlのトリスー塩酸、0.2モル塩化ナトリウム)を0.2mg/mlとなるように調製し、その1mlに基板を1時間浸漬した。1モル濃度のエタノールアミン水溶液1mlに基板を30分間浸して未反応のカルボキシル基を不活性化した。以上により、凹部内のAu膜上がアビジン修飾される。
この基板を、緩衝液(pH=8.0、10mlのトリスー塩酸、0.2モル塩化ナトリウム)にビオチン化DNAを1マイクロモルになるようにした1mlの溶液に25℃で30分間浸漬し、ビオチン修飾DNAを固定した基板(基板G)を得た。
つぎに蛍光強度を増強して観察するため、DNA同士を結合させる。FITC修飾したDNAを緩衝液(pH=7.9、10mlのトリスー塩酸、0.2モル塩化ナトリウム)で希釈した溶液1mlに基板Eを60℃で30分間浸漬させてDNA同士を結合させた。
結合したDNAは、蛍光顕微鏡(励起光450〜490nm、吸収光515〜565nm)により蛍光を観察して確認した。基板Gの凹部内と平坦部を蛍光顕微鏡で観察したところ、凹部内の90%以上の面積で蛍光が確認されたのに対し、平坦部から蛍光が観測されたのは、その1%未満の面積であった。付着層の膜厚みについては、単分子単位の積層体であるため、凹部直径に比べて、著しく小さい。このため、(1)式のRはA1/A2と近似でき、R>90であった。
上記の基板Dの凹部表面に、次のような方法で疎水性アルキル基を導入した。0.5wt%のオクタデシルトリクロロシランのエタノール溶液を酸と水で加水分解して凹部をコーティングする溶液とした。この溶液に、基板Dを浸漬させることにより、凹部に選択的にオクタデシルトリクロロシランの加水分解物を付着させた。これを大気中で、24時間乾燥させて凹部が疎水性で、平坦部が撥水性の基板(基板H)を得た。
つぎに付着性を評価するため、疎水基を有するタンパクを0.2モルの塩化ナトリウムを加えた10mlのトリスー塩酸で希釈した溶液1mlに、基板Fを60℃で30分間浸漬させた。結合した疎水基を有するタンパクは、蛍光顕微鏡(励起光450〜490nm、吸収光515〜565nm)により蛍光を観察して確認した。基板Hの凹部内と平坦部を蛍光顕微鏡で観察したところ、凹部内の88%以上の面積で蛍光が確認されたのに対し、平坦部から蛍光が観測されたのは、その1%未満の面積であった。付着層の膜厚みについては、単分子単位の積層体であるため、凹部直径に比べて、著しく小さい。このため、(1)式のRはA1/A2と近似でき、R>88であった。
上記基板Fの凹部を、次のような方法でエーテル基を有するパーフルオロ環状ポリマーで修飾した。CYTOP(旭硝子製)を溶媒で100倍(重量比)に希釈した溶液を、基板Dの凹部に滴下し、85℃で1時間乾燥させた。室温に冷却し、凹部に選択的にエーテル基を有するパーフルオロ環状ポリマーを被覆した。このようにして、凹部よりも平坦部表面の表面張力が小さい基板(基板I)を得た。
つぎに付着性を評価するため、疎水基を有するタンパクを0.2モルの塩化ナトリウムを加えた10mlのトリスー塩酸で希釈した溶液1mlに、基板Gを60℃で30分間浸漬させた。結合した疎水基を有するタンパクは、蛍光顕微鏡(励起光450〜490nm、吸収光515〜565nm)により蛍光を観察して確認した。基板Iの凹部内と平坦部を蛍光顕微鏡で観察したところ、凹部内の85%以上の面積で蛍光が確認されたのに対し、平坦部から蛍光が観測されたのは、その1%未満の面積であった。付着層の膜厚みについては、単分子単位の積層体であるため、凹部直径に比べて、著しく小さい。このため、(1)式のRはA1/A2と近似でき、R>85であった。
本発明の生体関連物質選択付着性基板の一例を示す斜視図である。 本発明の生体関連物質選択付着性基板の一例の断面模式図である。 液滴の接触角を説明する図である。 生体関連物質選択付着性基板の他の例を示す斜視図である。 凹部の撥水性膜による被覆状態を示す図である。 本発明の生体関連物質選択付着性基板の製造過程を説明する図である。
符号の説明
10 基板
20 凹部
30 平坦部
40、42 被膜
44、46 撥水性膜
50 凸部
100 液滴

Claims (8)

  1. 表面に所定の規則で配列された凹部を有する生体関連物質選択付着性基板において、前記凹部表面の所定部分とその部分を除く基板表面の生体関連物質に対する付着係数の比が10より大であることを特徴とする生体関連物質選択付着性基板。
  2. 前記凹部表面の所定部分が、共有結合、水素結合、静電相互作用、双極子−双極子相互作用、スタッキング相互作用、疎水性相互作用から選ばれた少なくとも一種類の相互作用で生態関連物質と結合していることを特徴とする請求項1に記載の生体関連物質選択付着性基板。
  3. 前記凹部表面の所定部分はアミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、アルキル基、フェニル基、エーテル基から選ばれた少なくとも1種類の官能基を有することを特徴とする請求項2に記載の生体関連物質選択付着性基板。
  4. 前記凹部表面の所定部分を除く基板表面が撥水性であることを特徴とする請求項1に記載の生体関連物質選択付着性基板。
  5. 前記撥水性の表面が、アルキル基あるいはアリール基を含有するシラン化合物またはフルオロアルキル基を含有するシラン化合物から選ばれた少なくとも1種類から被覆されたことを特徴とする請求項4のいずれか一項に記載の生体関連物質選択付着性基板。
  6. 前記凹部表面の所定部分とその部分を除く基板表面の水に対する接触角の差が、20度より大きいことを特徴とする請求項1〜5に記載の生体関連物質選択付着性基板。
  7. 表面に所定の規則で配列された凹部を有し、該凹部間の前記基板表面に平坦部を有する平板状基板において、前記凹部の表面と前記平坦部の表面における表面張力が異なることを特徴とする生体関連物質選択付着性基板。
  8. 前記凹部の表面張力が、平坦部の表面張力より大きいことを特徴とする請求項6に記載の生体関連物質選択付着性基板。
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