JP2005513503A - 結合物質の固定化 - Google Patents

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Abstract

固体支持体表面上に離散し局限された結合物質−支持領域のアレイを調製する方法、ならびにその方法で調製されたアレイを開示する。その方法は、複数の予め規定された離散した領域に官能基を担持し、第1の表面特性状態である固体支持体を提供する工程と、官能基を反応基へ活性化させて、任意の活性化された表面エリアを、第1の表面特性状態とは実質的に異なる第2の表面特性状態に転換する工程と、それぞれの予め規定された離散した領域に、結合物質を含む所定の体積の液媒体を選択的に分注して結合物質を反応基と結合させる工程と、未反応の反応基を不活性化し、それによって固体支持体表面の第1の表面特性状態を回復する工程とを含む。分子の相互作用を研究するため、および1個またはそれ以上の検体のアッセイを実施するための方法の使用も開示する。

Description

本発明は、結合物質の支持体表面上への空間的にアドレスできる固定化に関し、より具体的には、支持体表面上の予め規定された領域(predefined region)に結合物質を空間的に固定化することによってアレイをもたらす方法、それによって調製されたアレイ、調製されたアレイの使用、そのアレイを含むバイオセンサ、および結合物質を結合できる活性化された固体支持体表面に関する。
結合物質、例えばオリゴヌクレチオドおよびペプチドなどのリガンドのアレイを、固体支持体上に提供するアレイ技術は、特に遺伝子発現分析、薬物スクリーニング、核酸配列決定、突然変異分析などを含む反復される検体アッセイおよび検体スクリーニングを実行するための手段として、バイオテクノロジー分野および薬剤学的な分野で益々重要になってきている。
アレイ上の離散した場所に結合物質を分注するまたは「スポッティング」するのにこれまで使用されてきた技術の中では、圧電マイクロピペッティング(「インクジェット」)、マイクロコンタクトプリンティング、キャピラリスタンピング、電気的アドレス指定、およびマイクロドロップの慣性駆動射出を挙げることができる。いわゆるマイクロアレイ技術の総説としては、例えば、Tibtech、1996年、14:401〜407頁およびTibtech、1996年、16:301〜306頁を参照できる。
マイクロアレイの調製で重要な工程は、支持体表面上への結合物質の固定化である。生体分子を固体支持体に結合させる(attach)ために、支持体表面への共有結合、および表面との生体分子の非共有結合的相互作用を含む非常に多くの方法が知られている。
結合方法の概説が、例えば、Affinity Techniques.Enzyme
Purification:Part B.Methods in Enzymology、第34巻、W.B.Jacoby、M.Wilchek編、Acad.Press、N.Y.(1974年)およびImmobilized Biochemicals and Affinity Chromatography,Advances in Experimental Medicine and Biology、第42巻、R.Dunlop編、Plenum Press、N.Y.(1974年)に記載されている。例示的な結合方法は以下の出版物にも開示されている。
米国特許第A−4,681,870号にはシリカマトリックス上への遊離のアミノ基もしくはカルボキシル基の導入方法が記載されている。続いてこれらの基はカルボジイミドの存在下で、例えばタンパク質または他のリガンドに共有結合で結合されてよい。あるいは、シリカマトリックスをアルカリ性の条件下でハロゲン化シアンによる処理によって活性化させることができる。活性化された表面への添加で、リガンドが共有結合で表面に結合する。
米国特許第A−4,282,287号には、多層のビオチン、アビジンおよびエクステンダーの連続塗布によってポリマー表面を改変する方法が記載されている。
米国特許第A−4,762,881号には、ポリペプチド鎖中に感光性非天然アミノ酸基を組み入れて生成したものを低エネルギー紫外線に曝すことによって、固体基板にポリペプチドを結合させる方法が記載されている。
マイクロアレイの調製における親水性特性および疎水性特性の点での表面性質の改変も従来技術で説明されてきた。
例えば国際特許出願第WO98/42730号は、第1の状態で親水性であり、第2の状態で疎水性であり、その結果、基板を水性媒体中でも有機媒体中でも使用できる支持体表面の調製を開示している。基板表面は容易に保護され、かつ脱保護され得る複数の親水性部位を含む。その部位の一部を保護することによって表面に疎水性の状態が提供され、それによって保護されていない部位が有機薬剤と有機溶媒を用いて行われる有機合成プロセスに参画できる。合成に続いて、保護された親水性部位を脱保護化し、水性薬剤を用いて基板表面を、例えば水性媒体で行われるスクリーニングおよび/または分離手順で使用するために親水性の形態に再生する。
米国特許第A−6,127,129号は金属基板上に生体分子または細胞のアレイを作製する方法を開示している。ω−修飾アルカンチオール単分子層を、金属基板上にデポジットして親水性表面を形成する。次いで、単分子層を疎水性の保護基と反応させ、表面を光パターン化して、露光された金属表面エリアのアレイを作り出す。続いて、露光された金属基板のエリアでω−修飾アルカンチオールをデポジットして、生体分子または細胞が結合する非保護ω−修飾アルカンチオールの離散した親水性スポットのアレイが得られる。次いで保護基を固定化された生体分子または細胞で離散したスポットを取り囲む疎水性バックグラウンドから除去し、例えば、PEG部分をそれに結合させることによって、非特異的タンパク質結合に対する抵抗性が単分子層にもたらされる。
欧州特許第A−895082号は、支持体表面上のマレイミド基をインクジェット法で加えられたチオール基含有核酸プローブと反応させることを含む、固体支持体上にプローブをスポッティングする方法を開示している。代替可能な結合対は、表面上のエポキシ基と核酸プローブ上のアミン基である。表面に対する非特異的結合は、BSA溶液での遮蔽または未反応マレイミド基の分解によって防止される。核酸プローブの結合後に、未反応エポキシ環をエタノールアミンで開環してヒドロキシ基を形成させることによって、エポキシ基を含む表面を親水性にすることができる。
国際特許出願第WO98/55593号は、例えばインクジェットプリンティング送達技術を用いて、固体支持体を合成核酸分子でパターン化することを開示している。支持体表面をシラン化して、固体支持体表面上の特異的で局限された場所に、高プローブ密度であってもプローブ相互の交差汚染のないオリゴヌクレチオドプローブの小滴を形成させるようにする、非常に疎水性の表面を提供する。
国際特許出願第WO98/39481号は、スルフヒドリルもしくはジスルフィド修飾核酸分子をメルカプトシランのスルフヒドリル基に結合させることによって形成される可逆的ジスルフィド結合による、固体メルカプトシラン化疎水性表面への核酸分子の共有結合的で特異的な固定化の方法を開示している。交差汚染を伴わないで高プローブ密度が得られる。
米国特許第A−6,066,448号はパターンによるマルチアレイでマルチ特異性の表面を作製する方法を開示している。マルチアレイ表面上の結合ドメインは疎水性であっても親水性であってもよく、周囲表面は、結合ドメインの特性に対してその反対の特性(親水性または疎水性)を有してよい。そうした親水性/疎水性の境界を用いることは、作製された結合ドメインを、表面上の離散したエリアに限定する助けとなる。疎水性および親水性結合ドメインは、マイクロコンタクトプリンティングによって生成させることができる。
米国特許第A−5,474,796号は、フォトレジスト物質でガラスプレートをコーティングし、露光させて、被露光フォトレジストコーティング表面のパターン化された表面を得、その露光表面を疎水性の薬剤と反応させ、フォトレジストを除去し、露光表面エリアを親水性結合領域に転換することによるアレイプレートの調製を開示している。別法では、誘導体化された親水性表面から出発して、直接的に最終工程で親水性結合領域を得る。
米国特許第A−5,985,551号は共有結合で結合した層を有していないcm2当たり10〜104部位のアレイを規定する、共有結合した不活性シロキサンの層を有する支持体表面を含むアレイプレートの調製を開示している。表面張力によって、化学反応物溶液は直径が約50〜2000ミクロンである部位に局限される。
米国特許第A−6,171,797号は固体支持体の表面に共有結合した異なるポリマーのアレイを作製する方法を開示している。ポリマーに存在する基と付加環化反応で反応してポリマーと支持体表面との間に共有結合を生成できる表面上の付加環化反応基によって、核酸などの少なくとも2つの異なるポリマーを、支持体表面に共有結合で結合させる。多くの実施形態において、付加環化反応基の接触角は、基板表面上にデポジットした流体に極端に小さい液滴の広がり(spreading)をもたらすのに十分である。
国際特許出願第WO01/94946号はタンパク質−結合物質のアレイの調製を開示している。1つの実施形態では、金で表面処理した顕微鏡用スライドをアミノチオール層でコーティングする。次いで、このアミノチオール層をタンパク質結合物質のアンカー官能基、例えばチオール官能基と結合することになる基で官能化する。タンパク質結合物質を、全体的に(generally)親水性である官能化された表面にデポジットさせた後、表面上の未反応マレイミドを、化学的に、例えば親水性チオールで遮蔽して、タンパク質のバックグラウンドの非特異的結合を最小化することができる。表面を、ヒト血清アルブミン(HSA)などのタンパク質を用いて遮蔽することもできる。
米国特許第5,624,711号は単一化合物のオリゴマーアレイの固相合成用の支持体の調製を開示している。ガラススライドまたは他の支持体をアミノアルキルシランで誘導化して、アミン官能基の表面を提供する。次いで、この表面を連結分子(例えばニトロベラトリルオキシカルボニル−アミノカプロン酸)と希釈分子(例えば保護されたアミノ酸)の混合物で処理して、予め選択された密度で開始部位を有する表面を提供する。連結分子は表面の正味の疎水性もしくは親水性の性質に寄与し、連結分子を特定の受容体、タンパク質または薬物への、その表面上に合成されたポリマーの提示を改善するように選択することができる。基板表面に疎水性または親水性特性を付与するように、希釈分子を選択することもできる。例えば、希釈分子としてのo−t−ブチルセリンは、ポリマー合成の際に疎水性の表面を提供するが、酸での処理の際にエーテル開裂によってアッセイのためのより親水性の表面がもたらされる。
米国特許第6,329,209号は例えば、有機性薄膜で被膜された、金などからなる離散したパッチ上に固定化された、様々なタンパク質捕捉物質のアレイを開示している。タンパク質捕捉物質のパッチの間の表面または境界領域を、タンパク質および他の検体に対して低い非特異的結合特性を有する種々の有機性薄膜、例えば整列したアルキル鎖の疎水性の単分子層に結合した親水性鎖の単分子層で被覆することができる。
Tibtech 1996、14:401〜407頁 Tibtech 1996、16:301〜306頁 Affinity Techniques. Enzyme Purification:Part B.Methods in Enzymology, Vol.34, ed. W.B.Jacoby, M.Wilchek, Acad. Press, N.Y.(1974) Immobilized Biochemicals and Affinity Chromatography, Advances in Experimental Medicine and Biology, vol.42, ed. R.Dunlop, Plenum Press, N.Y.(1974) 米国特許第A−4,681,870号 米国特許第A−4,282,287号 米国特許第A−4,762,881号 国際特許出願第WO98/42730号 米国特許第A−6,127,129号 欧州特許第A−895082号 国際特許出願第WO98/55593号 国際特許出願第WO98/39481号 米国特許第A−6,066,448号 米国特許第A−5,474,796号 米国特許第A−5,985,551号 米国特許第A−6,171,797号 国際特許出願第WO01/94946号 米国特許第5,624,711号 米国特許第6,329,209号 米国特許第A−4,877,745号 米国特許第A−5,338,688号 米国特許第A−5,474,996号 米国特許第A−5,658,802号 米国特許第A−6,165,417号 国際特許出願第WO00/56455号 国際特許出願第WO00/56433号 国際特許出願第WO00/56442号 国際特許出願第WO98/51999号 米国特許第5,313,264号 米国特許第5,242,828号 米国特許第5,436,161号 米国特許第5,492,840号
しかし、一般に結合物質を表面に結合させるための従来技術の方法は、いくつかの点で不十分である。欠点には、低い反応効率、および複数の結合物質を表面に局部的および選択的に結合させることが一般に容易にできないことが含まれる。また、従来技術の方法によって調製されたリガンド−支持表面を用いてスクリーニングおよびアッセイを実施した場合、表面への検体の高い非特異的結合がしばしば観察される。したがって、アレイの調製において、より効率的でより簡単に結合物質の固定化を実施する方法が必要である。そうした方法は、選択された結合物質の、予め規定された表面領域への安定した結合を提供しなければならないが、結合は厳密に予め規定された領域に限定されなければならない。調製された表面を用いてアッセイおよびスクリーニングを実施する場合も、検体の表面への非特異的結合は低いまたは無視できるものでなければならない。上記の必要性は、さらに関連した利点を提供する本発明によって実現される。
簡単に言えば、本発明は、結合物質のアレイの調製に関しており、官能基を活性化して反応性(またはより反応性)の基にすることを利用し、それによって官能基担持固体支持体表面の親水性/疎水性特性を一時的に変更するという考え方に基づいている。表面上の
予め規定された領域もしくはスポットを、結合物質を含有する液媒体と接触させて、固定化された結合物質のアレイを形成させた後、表面の不活性化によって表面を、その元の親水性または疎水性の状態に戻す。表面特性のそうした一時的変更を、所望のアレイの形成を改善するために様々な形で用いることができる。
例えば、親水性表面エリア(少なくとも予め規定されたその領域もしくはスポット)上の官能基を活性化して、ほとんど親水性ではない、好ましくは疎水性である反応基にし、次いで、予め規定された領域もしくはスポットの表面エリアを表面上に固定化される結合物質を含有する1種またはそれ以上の水性液体と接触させることによって、全体的に親水性である支持体表面エリアを一時的に、実質的により親水性の低い、または疎水性にさえもすることは、表面上の液体の広がりまたは拡張(extension)を低減することができ、結合物質の固定化を予め規定された領域に効果的に限定することができる。任意の未反応の反応基を、より親水性の基に転換または不活性化した後、表面の元の全体的に親水性である性質が取り戻され、続いて分析のために表面を使用する場合、表面への非特異的結合が最少化される。
同様に、全体的に疎水性である表面エリア上の疎水性官能基を親水性基へ活性化させて、表面上の規定された領域もしくはスポットでの結合物質の結合を可能にし、次いで、未反応の反応基を転換または不活性化して疎水性基にする。
したがって、1つの態様では、本発明は、
(i)その上の少なくとも複数の予め規定された離散した領域に、官能基を担持する表面を有する固体支持体であって、表面が第1の表面特性状態である固体支持体を提供する工程と、
(ii)固体支持体表面の少なくとも予め規定された離散した領域上の官能基を活性化剤と反応させる工程であって、該活性化剤は任意の活性化された表面エリアが、第1表面特性状態とは実質的に異なる第2の表面特性状態をもたらすような極性の反応基に該官能基を活性化するために選択される工程と、
(iii)固体支持体表面上のそれぞれの予め規定された離散した領域に、結合物質を含む所定の体積の液媒体を選択的に分注して結合物質を反応基と結合させる工程と、
(iv)固体支持体表面上の未反応の反応基を不活性化して、固体支持体表面の第1の表面特性状態を回復する工程
とを含む固体支持体表面上に離散し局限された結合物質−支持領域のアレイを調製する方法を提供する。
1つの実施形態では、実質的に官能基担持固相表面全体を活性化状態に曝す。他の実施形態では、官能基の活性化を支持体表面上の予め規定された離散した領域に限定する。
本発明の好ましい実施形態では、
(i)第1の状態での表面が親水性であるように、官能基を担持する表面を有する固体支持体を提供する工程と、
(ii)固体支持体表面上に複数の予め規定された離散した領域を規定する工程と、
(iii)固体支持体表面の少なくとも予め規定された離散した領域上の官能基を、官能基を活性化して極性のより小さい反応基にするように選択された活性化剤と反応させ、それによって、任意の活性化された表面エリアに少なくとも実質的に第1の状態より親水性が低い第2の状態をもたらす工程と、
(iv)固体支持体表面上のそれぞれの予め規定された離散した領域に、所定の体積の結合物質含有水性液体を選択的に分注して、結合物質を反応基に結合させ、その支持体表面に施された場合に、活性化された表面領域の第2のより親水性の低い状態が、水性液体を含有する結合物質の拡張および広がりを実質的に防止する工程と、
(v)固体支持体表面上の未反応の反応基を不活性化して、固体支持体表面の第1の親水性状態を回復する工程
とを含む固体支持体表面上に離散し局限された結合物質−支持領域のアレイを調製する方法を提供する。
他の態様では、本発明は、第1の態様による方法で調製された、1種またはそれ以上の結合物質のアレイを提供する。
本発明の他の態様は、それぞれ、分子相互作用を研究するため、および1個またはそれ以上の検体のアッセイを実施するための、第1の態様による方法で調製されたアレイの使用を提供する。
本発明のさらに他の態様は、第1の態様による方法で調製されたアレイを含むバイオセンサに関する。
本発明のさらに他の態様は、結合物質を結合できる活性化された固体支持体表面に関する。
定義
本発明を説明し特許請求の範囲を請求するにあたって、以下の用語を以下に設定した定義によって使用する。
本明細書では、「アレイ」という用語は、一般に離散した領域の線状または二次元のアレイであって、それぞれが固体支持体の連続した表面上に形成された有限なエリアを有し、1種またはそれ以上の結合物質を支持するアレイに関する。固体支持体上の核酸、タンパク質、小分子、細胞または他の物質の整列したアレイによって、複雑な生物化学的サンプルの並行分析が可能になる。「マイクロアレイ」では、離散した領域もしくはスポットの密度は一般に少なくとも100/cm2であり、離散した領域は一般に約10〜1000μm、通常約10〜500μmの範囲の直径を有していて、アレイ内で他の領域からほぼ同一距離で隔てられている。
本明細書では、「予め規定された領域」という用語は、固体支持体表面上の局限されたエリアに関する。予め規定された領域は、円形、長方形、楕円形などの任意の所望の形状を有してよく、以下ではしばしば「スポット」と称する。
本明細書では、「固体支持体」という用語は、1種またはそれ以上の結合物質のアレイをその上に施すことを所望される任意の固体(弾力性または剛性の)基板を含むことを意味する。基板は、生物性、非生物性、有機性、無機性またはそれらの組合せであってよく、ディスク、球、円などを含む任意の好都合な形を有する粒子、ストランド、沈殿物、ゲル、シート、チューブ、球、コンテイナー、キャピラリ、パッド、スライス、フィルム、プレート、スライド等の形状であってよい。アレイを支持する基板表面は二次元構造を有してよく、例えば階段(steps)、隆起、ねじれ、テラス(terraces)などを含むことができ、基板の残りの部分とは異なる材料からなる層の表面であってよい。
本明細書では、「官能基」という用語は、結合物質を表面に連結する働きをする反応性のある化学的実体を意味する。通常、結合物質を固定化するために官能基を活性化する必要がある。官能基は、固体支持体に使用する材料中に本来備わって存在してよい、あるいは、支持体を適切な材料で処理またはコーティングして提供してもよい。固体支持体表面を適切な化学剤と反応させることによって官能基を導入してもよい。
本明細書では、「活性化」という用語は、結合物質が表面に結合するのを可能にするための、固体支持体表面上の官能基の改変を意味する。
本明細書では、「結合物質」という用語は、例えばタンパク質もしくはその断片などのポリペプチド、オリゴヌクレチオド、ポリヌクレチオドなどの核酸等を含む特異的な結合対のメンバーである任意の剤を意味する。結合物質はリガンドであることも多い。
本明細書では、「リガンド」という用語は、所与の検体に対して既知または未知の親和性を有し、表面の予め規定された領域上に固定化され得る分子を意味する。リガンドは天然に存在する分子でもよく、または合成されたものでもよい。リガンドはそれ自体で使用しても、他の種との集合体として使用してもよい。場合により、リガンドは細胞であってもよい。
本明細書では、「検体」という用語は、その有無を決定する、それを定量するかつ/または何であるかを決定すべき、分子、一般的にはポリヌクレチオドまたはポリペプチドなどの巨大分子である。検体は検体/リガンド対を形成する特定のリガンドによって認識される。場合により、リガンドは細胞であってもよい。
本明細書では、「表面特性」という用語は、表面の親水性または疎水性の性質に関する。
本明細書では、「疎水性」を水反発性と定義でき、他方、「親水性」を水吸引性と定義できる。表面に関して、疎水性および親水性という用語を平らな固体表面上の液体の小滴に対する接触角によって定義でき、接触角は表面に三相境界線で正接する表面の平面から測定される。したがって、親水性液体は親水性表面上で小さい接触角を有し、他方、疎水性液体は大きい接触角を有することになる。例えば、疎水性の表面は一般に水で40〜110°の範囲の接触角を有し、他方、親水性表面に対する水での接触角は一般に1〜25°の範囲である。したがって、表面に施された水性媒体の小滴が、施された小滴のエリアサイズを実質的に越えて広がらない場合、支持体表面は疎水性であり、表面は小滴との疎水性の相互作用によって、表面に施された小滴の広がりを防止する働きをする。
本明細書では、表面特性状態に関して「実質的に異なる」という用語は、1つの状態での表面が、他の状態より、実質的により親水性が低い、または実質的により疎水性が低いことを意味する。
本明細書では、「実質的により親水性が低い」という用語は、通常少なくとも約10°、好ましくは少なくとも約15°の接触角の増加分による親水性の減少を意味する。例えば、表面を実質的により低い親水性にするといった場合、これはもちろん親水性表面が疎水性にされてよいことも含む。同様に、表面を実質的により低い疎水性にするといった場合、これはもちろん疎水性表面が親水性にされてよいことも含む。
本明細書では、「極性」という用語は化学基の極性/非極性の特性を指す。「極性」および「非極性」は親水性および疎水性という用語と関連する。極性基は親水性であり、非極性基は疎水性である。ヒドロキシ基は極性基の例であり、アルキル基は非極性基の例である。例えば、ある基が「極性がより小さい」といった場合、これはもちろんその基が非極性であることも含み、またその逆もいえる。
本明細書では、「水性液媒体」という用語は、約50体積%未満の有機溶媒、より好ましくは約10体積%未満の有機溶媒、最も好ましくは約0体積%の有機溶媒を含有する液
媒体を指す。
本明細書では、「非水性液媒体」および「有機性液媒体」という用語は、約50体積%未満の水、より好ましくは約10体積%未満の水、最も好ましくは約0体積%の水を含有する液媒体を指す。
本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形の「a」「an」および「the」は、別段の記述がない限り複数形の言及を含むことを意味する。また別段の定義がない限り、本明細書で使用する技術的および科学的用語は、本発明に関連して当分野の技術者に一般に理解されているのと同様の意味を有している。
上記のように、本発明は、予め規定された領域もしくはスポットで、リガンドなどの結合物質を、固体支持体表面上の官能基と結合させ、それによって、結合物質のアレイを表面上に調製することに関する。通常、アッセイでアレイ表面を使用する場合、アレイ表面が、全体的に親水性である性質を示すものであって、生体分子検体のその表面への非特異的結合を防止することが望ましい。他方、アレイ表面上の少なくとも予め規定された領域が、アレイ表面の残りの部分より実質的により親水性が低い性質、好ましくは全体的に疎水性の性質を有し、結合物質を表面に結合させるために、表面をそれと接触させる場合に、結合物質を含有する水性液体の小滴の広範な広がりを防止することも望ましい。
本発明は、選択された活性化剤を用いて、好都合に官能基を反応基へ活性化させることを利用して、結合物質を含有する液体小滴と接触することになる実質的により親水性の低い、好ましくは疎水性の表面を提供する。こういう仕方で、親水性表面を一時的に親水性を大幅に低く、または疎水性にもすることができ、それによって上記のどちらの必要性も満足させる。すなわち、結合物質の結合に対して少なくともほとんど疎水性である性質を示し、表面上での結合物質の広がりを実質的に低減するまたは排除し、かつ結合後に非結合エリアの所望の親水性の性質を提供して、非特異的結合を低減するかまたは排除する。活性化された表面エリア上での広がりが少ないことによって、結合物質支持領域を限定し、かつ十分規定することができ、望むなら、水をベースとした結合物質含有液体を使用した場合でも、高密度の結合物質領域もしくはスポットが可能である。
結合物質を含有する媒体が有機性液媒体である場合、本発明の考え方を反対の仕方、すなわち、疎水性の表面上に、親水性表面または親水性スポットを一時的に生成させて、表面上のデポジットされた非水性(有機性)小滴を濃縮させ、それによって、表面上の結合物質の広がりを低減するかまたは排除する仕方で用いることができる。しかし、疎水性表面上での、そうした親水性表面または親水性スポットの一時的な生成は、結合物質を含有する水性液媒体の小滴をデポジットさせる場合にも用いられる。その1つの例として、疎水性脂質の単層もしくは二層を支持する表面へのタンパク質の固定化を挙げることができる。
本発明の1つの方法の実施形態では、表面上の予め規定されたスポットの官能基の選択的な活性化によって、表面上の官能基を反応基に転換する。次いで、各スポットに結合物質を含む所定の液体積を分注することによって、活性化された反応基を、リガンドなどの結合物質を予め規定されたスポットで固定化するのに使用する。この手順を表面上の異なる部位で反復し、それによって、同じまたは異なる結合物質を含有する表面上に、複数のスポットを備えた表面を提供することができる。結合物質が、1個または複数の検体に対して特別の親和性を有するリガンドである場合、スクリーニングおよびアッセイを、以下でさらに説明するように、リガンドを含有する表面の領域で実行することができる。いくつかの実施形態では、固体支持体表面に結合した第1の結合物質は、リガンドであってよい第2の結合物質の捕捉剤として働く。望むなら、アレイの調製のあと、後の使用のため
に表面を乾燥して保存することができる。
他の方法の実施形態では、予め規定されたスポットだけでなく、表面全体の官能基を活性化し、次いで結合物質を、予め規定されたスポットに選択的に結合させる。
予め規定されたスポットへの所定の液体積の選択的な分注は、好ましくは、以下でさらに述べるように、デポジット装置で実施することができる。
したがって、本発明による活性化の使用は結合物質の(好ましくは共有結合での)結合を可能にし、同時に、固定化領域もしくはスポットに、所望の一時的な表面特性、例えば活性化された領域と接触した場合に、結合物質の水性溶液の広がりを防止するために、親水性表面を実質的により低い親水性にすることなどを提供する。これは、結合物質の固定化を予め規定された領域に集中し限定する助けとなる。本発明の方法の概略説明を例を挙げて以下に示す。
固体基板の表面(S)上の官能基(F)の活性化(A)は、一般に以下の式によって説明できる。
S−F+A→S−F−A
予め規定された領域で、活性化混合物を選択的に分注(デポジット)して、官能基を活性化された基に転換することによって、表面上の予め規定された領域もしくはスポット(Si)を、予め規定された領域でのリガンドの最終的な固定化のために活性化することができる。そのプロセスは次の式で示される。
i−F+A→Si−F−A
表面の予め規定された領域でのリガンド(Li)の固定化は次の式で示される。
i−F−A+Li→Si−F−Li
表面の異なる領域(Sj)での異なるリガンド(Lj)の固定化は以下の式で表すことができる。
j−F−A+Lj→Sj−F−Lj
表面の異なる領域での上記工程の反復によって、基板表面上に固定化されたリガンドのマトリックスが作製される。そうしたマトリックスは、リガンドの所望の任意のパターンを有してよい。
表面上の固定化されたリガンドは、特定の検体(An)に対して特異的な結合親和性を有するであろう。液媒体中で検体(An’)の存在を調べるための、表面の予め規定された領域での直接アッセイの例は以下の式で示される。
i−F−Li+An’→Si−F−Li−An’
官能基を担持する基板表面の本来の親水性または疎水性の性質を、(i)官能基だけ、(ii)官能基と基板表面材料の両方、または(iii)基板表面材料だけによって提供することができる。最初に述べたケース(i)では、例えば親水性表面に対して、官能基は比較的親水性であるべきであり、これに対してケース(ii)では、官能基は中程度の親水性または低い親水性を有してもよい。ケース(iii)では、基板表面材料が他方で表面を全体的に親水性にするのに十分な親水性を有している限り、官能基は、若干疎水性であってもよい。
当分野の技術者によく知られた広い範囲の活性化可能な官能基を、本発明で使用するこ
とができる。そうした親水性基の例を若干挙げると、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボニル、ホルミル、アミノおよびメルカプト基がある。
官能基を活性化する方法は当分野の技術者には容易に明らかであり、広い範囲から選択することができる。表面が最初に親水性である場合、例えば、活性化剤を実質的に低下した親水性を有する活性化された表面、または活性化された表面領域、好ましくは疎水性のものを提供するように選択する。そうした活性化された表面または活性化された表面領域は、好ましくは約20〜約100°、特に約40〜約100°、特に約60〜100°の範囲の接触角(上記に規定した)を有しているべきである。
もちろん、使用できる活性化剤および方法は、活性化しようとする官能基および活性化によって得ようとする所望の反応基によって決まる。親水性表面のための官能基/活性化剤の組合せの例には、ヒドロキシスクシンイミドエステル、ニトロおよびジニトロフェニルエステル、トシラート、メシラート、トリフラートならびにジスルフィドを導入するものが含まれる。例えば、ヒドロキシ基は、ジスクシニックカーボナートと反応させて活性化されたエステルにすることができ、あるいは、ジエポキシドと反応させてエポキシドにすることができる。カルボキシ基は、N−ヒドロキシスクシンイミドおよびカルボジイミドと反応させることによって、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルへ活性化することができ、あるいは、ジニトロフェノールと反応させることによって、ジニトロフェニルエステルへ活性化することができる。チオール(メルカプト)基をジピリジルジスルフィドと反応させることによって、ジスルフィド基へ活性化することができる。
表面上で結合物質を固定化するためには、上記のように、活性化された官能基(予め規定された領域だけに存在してよく、あるいは表面全体に存在してよい)を、1種または複数の結合物質と予め規定された領域で選択的に反応させる。時間、温度、pH、溶媒、添加剤等を含む必要な反応条件は、とりわけ使用される個々の種に応じて決まることになり、個別の状況に妥当な条件は当分野の技術者には容易に明らかであろう。
固体支持体の表面上に、所定体積の液体を選択的にデポジットすることによって、結合物質を含有する液媒体、通常はその溶液を、それぞれの予め規定された領域に施すことができる。そうしたデポジットは、ピペットなどの手動によって、または自動機械もしくは装置の使用によって実施することができる。支持体表面の正確な位置上に水性溶液を分注またはデポジットするための様々な装置、いわゆる「アレイヤー」が、当分野の技術者に知られており、それらを本発明で使用することができる。そうした装置には、「インクジェット」プリンティング装置(圧電式および熱式装置を含む)、「ピン・アンド・リング」装置、マイクロコンタクトプリンティング用装置、キャピラリスタンピング用装置等が含まれる。例えば、米国特許第A−4,877,745号、同A−5,338,688号、同A−5,474,996号、同A−5,658,802号、同A−6,165,417号、国際特許出願第WO00/56455号、同WO00/56433号、同WO00/56442号および同WO98/51999号を参照することができる。これらの開示を参照により本明細書に組み込む。市販のアレイヤーは、例えば、Packard、Biorobotics、Affymetrix、Techan、Cartesian Technologies、Gene Machines、Molecular DynamicsおよびHSG−IMITを含む多くの供給メーカーから入手できる。
個々の表面領域もしくはスポット上に分注される所定の液体体積は、とりわけ、スポットサイズ、官能基の密度、結合物質およびその濃度、デポジット装置等に応じて決まり、当分野の技術者は個々の状態に適した液体体積を容易に選択できる。
例えば、親水性表面を一時的により低い親水性にした場合、活性化された官能基を支持
している表面領域のより低い親水性、あるいは疎水性でさえある性質は、表面上にデポジットされた水性流体に極端に小さい広がりしかもたらさないことになる。したがって、表面上の固定化された結合物質の得られるスポットはかなり小さく、通常約1mm未満、特に約500μm以下、特に約200μmを超えない直径を有する。他方、スポット直径は、約1μm以上、より好ましくは約5μm以上、特に約10μm以上が好ましい。もちろん、上記のことは、一時的に親水性にされた疎水性の表面上に非水性流体をデポジットする場合にもあてはまる。
調製するアレイの目的とする用途に応じて、同一または異なる結合物質、あるいは異なる結合物質の基を、固体支持体表面上の複数の予め規定された領域に結合させることができる。
表面に1種または複数の結合物質を固定化した後、すべての残存反応基を適切な洗浄溶液で処理して不活性化し、表面の全体的に親水性である性質を回復することができる。そうした不活性化剤は当分野の技術者によく知られており、表面上の個々の反応基に応じて容易に選択することができる。
固体支持体は剛性の構造体であることが好ましく、異なる材料の表面層を有する基板を含んでよい。基板材料の例としては、ラングミュアーブロジェットフィルム、機能化ガラス、Si、Ge、GaAs、GaP、SiO2、SiN4、改質シリコン、および(ポリ)テトラフルオロエチレン、(ポリ)ビニリデンフルオリドまたはこれらの組合せなどの広い範囲のポリマーがある。多くの用途のための好ましい基板材料は平板ガラスである。
表面が官能基を支持できるという条件で、固体支持体の表面は、例えば、ポリマー、プラスチックス、樹脂、多糖類、シリカもしくはシリカをベースとした材料、炭素、金属、無機性ガラス、膜等の様々な材料からなっていてよい。適切な表面は金属フィルム、例えば金、銀またはアルミニウム、好ましくは金のフィルムである。
固体支持体表面にポリマーの層を備えることができる。そうした場合、ポリマーが活性化される官能基を担持することになる。ポリマーは、若干挙げれば、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミド、多糖類、ポリペプチドまたはポリヌクレチオドなどの適切な部類の化合物から選択できる。支持体表面へのポリマーの結合は、当分野の技術者には容易に明らかである、様々な方法によって実行することができる。例えば、トリクロロシリルもしくはトリスアルコキシ基を担持するポリマーを、基板表面上のヒドロキシル基と反応させて、シロキサン結合を形成できる。金もしくは銀表面への結合はポリマー上のチオール基によって行われる。あるいは、ポリマーをアルカンチオールの自己組織化単分子層などの中間種によって結合させることができる。したがって、選択されるポリマーのタイプおよびポリマーを表面に結合させるために選択される方法は、基板表面に結合するための適切な反応性を有するポリマーおよび特にタンパク質への非特異的な吸着に関するポリマーの特性によって決まる。
官能基はポリマー上に存在してもよく、あるいは、単一または多数の官能基の添加によってポリマーに加えられてもよい。そうした官能基は、ポリマー上の反応基と反応するように適合させた一方の末端と、活性化剤と反応するように適合させた他方の末端を有するヘテロ二官能基であることが好ましい。官能基を結合させるための方法は、当分野の技術者には容易に明らかであり、広い範囲のグループから選択することができる。その方法の例としては、ポリマー上のアミン基のコハク酸によるアミド化、およびポリマー上のヒドロキシ基のブロム酢酸との反応がある。
上記のように、結合物質は通常リガンド、すなわち溶液中で特定の検体を認識できる分子である。リガンドの例には、これらに限定されないが、細胞膜の作用薬および拮抗薬、毒素および毒液、ウイルスエピトープ、抗原決定基、ホルモンおよびホルモン受容体、ステロイド、ペプチド、酵素、基質、補助因子、薬物、レクチン、糖、オリゴヌクレチオド、オリゴ糖、タンパク質、グリコタンパク質、細胞、細胞膜、細胞小器官、細胞の受容体、ビタミン、ウイルスエピトープ、ならびにモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体などの免疫グロブリンが含まれる。
特に興味のあるリガンドの中では、特定の検体との結合に対する生物学的機能を媒介するものを挙げることができる。適切なリガンドは、特異的な結合特性を示す補助因子などの、比較的小さい単分子であることが多い。一般に、リガンドは約100D、特に約1kDを超えるサイズとなる。(最近)興味をもたれているリガンドの他の例には、これらに限定されないが、細胞の表面膜に付随する通常のクラスの受容体が含まれ、また免疫学的に重要なB細胞、T細胞、マクロファージ等の受容体が含まれる。
アッセイを受けることができる検体には、これらに限定されないが、細胞膜受容体の作用薬および拮抗薬、毒素および毒液、ウイルスエピトープ、ホルモン(例えばアヘン剤、ステロイド等)、ホルモン受容体、ペプチド、酵素、酵素基質、補助因子、薬物、レクチン、糖、オリゴヌクレチオド、オリゴ糖、タンパク質およびモノクローナル抗体が含まれる。
上記した本発明の方法によって調製されるアレイ表面は、固定化されたリガンドに対して親和性を有する検体をスクリーニングするために使用することができる。そうしたスクリーニングアッセイは、検体(または複数の検体)を含有する溶液を適切な時間、表面と接触させることによって行うことができる。検体が表面と接触した時に、検体(または複数の検体)が会合する表面上のそれらの領域を測定することによって、検体に親和性を有するリガンドを特定することができる。
表面に結合した検体の存在を検出するための方法は、例えば、検体または検体特異性薬剤を、例えば、放射線同位体ラベル、発色団、蛍光発色団、化学発光部分または遷移金属などで標識化する、マーカーをベースとした技術を含む広い範囲の検出技術から選択することができる。
多くの応用分野で、バイオセンサを用いたアッセイが行われる。バイオセンサは広い範囲の検出方法を基にしてよい。一般にそうした方法には、これらに限定されないが、圧電式、光学的、熱光学的および表面音波(SAW)装置法などの質量検出法、ならびに電位差測定法、伝導度測定法、電流測定法および電気容量測定法などの電気化学的方法が含まれる。光学的検出法の代表的な方法には質量表面濃度を検出する方法があり、例えば、内部反射および外部反射法の両方を含む反射光学法、および角度、波長または位相分解能による、例えば偏光解析法および消衰波分光法(EWS)などがある。後者には、表面プラスモン共鳴(SPR)分光法、ブルースター(Brewster)角度屈折計法、内角屈折計法、減衰全反射(FTR)法、消衰波偏光解析法、散乱全内部反射法(STIR)、光学波ガイドセンサセンサ法、消衰波ベース画像法、例えば内角分解能画像法、ブルースター角度分解能画像法、SPR角度分解能画像法などが含まれる。さらに、例えば、消衰波蛍光(TIRF)および消衰波燐光に基づく光度測定法、ならびに導波管干渉計も使用することができる。
SPR−ベースのバイオセンサの例示的なタイプは、BIACORE(R)(以下「BIACORE機器」と称する)という商品名でBiacore AB(Uppsala、スウェーデン)から市販されている。これらのバイオセンサは、SPRベースの質量検出技術を利用して、表面に結合したリガンドと当該の検体との間の、「リアルタイム」の結合相互作用分析を提供する。BIACORE機器からの典型的な出力が、応答(「共鳴単位」すなわち「RU」で測定される)の時間の関数としてのプロットである「センサグラム」である。1000RUの増加は約1ng/mm2のセンサ表面上の質量の増加に相当する。
BIACORE機器の技術的様相およびSPRの現象の詳細な考察が、米国特許第5,313,264号に記載されている。バイオセンサ検出表面のためのマトリックスコーティングについてのより詳細な情報は、例えば、米国特許第5,242,828号および同5,436,161号に記載されている。さらに、BIACORE機器に関連して使用されるバイオセンサチップの技術的様相の詳細な考察が、米国特許第5,492,840号に記載されている。上記の米国特許の開示全体を参照により本明細書に組み込む。
以下の実施例では、これらに限定されないが、説明のために本発明の様々な態様をより具体的に開示する。
センサ表面(表面全体)の活性化
センサチップCM5(共有結合で結合されたカルボキシメチル修飾デキストランポリマーヒドロゲルを有する金表面を備えたバイオセンサチップ;Biacore AB、Uppsala、スウェーデン)を脱イオン水ですすぎ洗いし、窒素流で乾燥させた。0.2M N−エチル−N’−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)と0.05M N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)の50μmの新鮮な溶液を表面に加えた。溶液は液体の薄膜として表面全体を覆った。表面からの蒸発を防止するために、EDC/NHS溶液を加えた後直ちに、センサチップを高湿度の気密ボックス中に入れた。20分後、センサチップを気密ボックスから取り出し、脱イオン水ですすぎ洗いして、窒素流で乾燥させた。乾燥したセンサチップを最大8時間の乾燥条件で貯蔵して固定化させた。
チップ表面の接触角を、接触角測定装置(FTA200、First Ten Angstrom、米国)で、NHS/EDC活性化の前後で測定した。センサチップCM5表面の接触角は、活性化前で10°であり、活性化後で24°であった。
センサ表面(予め規定された領域)の活性化
センサチップCM5(Biacore AB)をイオン化水ですすぎ洗いして、窒素流で乾燥し、ホルダーに取り付けた。インクジェット装置(AutoDrop−Micropipette AD−K−501、Microdrop、ドイツ)を用いて、0.2M
EDCと0.05M NHSの100×100plの新鮮な溶液を表面に加えた。EDC/NHS溶液を200μmのピッチで10×10マトリックスとして配置した。スポットの直径は約100μmであった。表面からの蒸発を防止するために、EDC/NHS溶液を加えた後直ちに、センサチップを高湿度の気密ボックス中に入れた。20分後、センサチップを気密ボックスから取り出し、脱イオン水ですすぎ洗いし、窒素流で乾燥させた。乾燥したセンサチップを最大4時間の乾燥条件で貯蔵して固定化させた。
活性化された表面への抗体の固定
上記の実施例1または実施例2によって活性化されたセンサチップCM5(Biacore AB)をホルダーに取り付けた。実施例2のインクジェット装置を用いて、pH5.0の10mM酢酸ナトリウム中に10mg/mlの抗ミオグロビン抗体の溶液を入れた溶液100plを表面に加えた。スポットの直径は約100μmであった。表面からの蒸発を防止するために、抗体溶液を加えた後直ちに、センサチップを高湿度の気密ボックス中に入れた。24時間後、センサチップを気密ボックスから取り出し、イオン化水ですすぎ洗いし、窒素流で乾燥させた。センサチップ上の固定されたスポットに対する応答と、固定されていない領域に対する応答とを比較した場合、約5000RUの差が得られ、これは固定された抗体の約5ng/mm2に相当した。
種々の活性化剤を用いたセンサ表面の活性化
NHS/EDCでなく他の活性化剤を用いたこと以外は実施例1に記載したのと同様にして、センサチップCM5(Biacore AB)を活性化させ、調製した表面の接触角を、実施例1で使用した測定装置で測定した。センサチップCM5表面の接触角は、活性化前で10°であった。種々の活性化剤を用いて活性化させた後に得られた接触角を以下の表1に示す。
Figure 2005513503
本発明は、上記の本発明の具体的な実施形態に限定されるものではないが、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定されることになることを理解されたい。

Claims (27)

  1. (i)その上の少なくとも複数の予め規定された離散した領域に、官能基を担持する表面を有する固体支持体であって、その表面が、親水性または疎水性の性質に関して第1の表面特性状態である固体支持体を提供する工程、
    (ii)固体支持体表面の少なくとも予め規定された離散した領域上の官能基を活性化剤と反応させる工程であって、該活性化剤は任意の活性化された表面エリアが、親水性または疎水性の性質に関して第1の状態とは実質的に異なる第2の表面特性状態をもたらすような極性の反応基に該官能基を活性化するために選択される工程、
    (iii)固体支持体表面上のそれぞれの予め規定された離散した領域に、結合物質を含む所定の体積の液媒体を選択的に分注して結合物質を反応基と結合させる工程、および
    (iv)固体支持体表面上の未反応の反応基を不活性化して、固体支持体表面の第1の表面特性状態を回復する工程
    を含む固体支持体表面上に、離散し局限された結合物質−支持領域のアレイを調製する方法。
  2. 実質的に固体支持体表面の全体が官能基を担持する請求項1に記載の方法。
  3. 固体支持体表面の第1の表面特性状態が、少なくとも部分的に官能基によって提供されている請求項1または2に記載の方法。
  4. 請求項1に記載の工程(ii)において、固体支持体表面上の予め規定された離散した領域だけが活性化を受ける請求項1、2または3に記載の方法。
  5. 請求項1に記載の工程(ii)において、実質的に官能基担持固体支持体表面全体が活性化を受ける請求項1、2または3に記載の方法。
  6. 結合物質が、活性化された官能基に共有結合で結合されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 第1の表面特性状態が親水性であり、第2の表面特性状態が第1の状態より実質的により低い親水性である請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 請求項1に記載の工程(iii)において、分注された液媒体が水性であり、表面に施された場合、表面の第2のより親水性の低い状態が、水性液媒体の拡張および広がりを実質的に防止する請求項7に記載の方法。
  9. 官能基を支持するそれぞれの固体支持体表面エリアがその活性化前に約20°未満の接触角を有し、活性化された各表面エリアが約30°超、好ましくは約50°超の接触角を有する請求項7または8に記載の方法。
  10. 官能基がカルボキシ、ヒドロキシ、ホルミル、アミノおよびメルカプト基から選択される請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 活性化剤が、官能基を活性化して、ヒドロキシスクシンイミドエステル、ニトロフェニルエステル、ジニトロフェニルエステル、トシラート、メシラート、トリフラートおよびジスルフィド基から選択される反応基にすることができる請求項7〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 第1の表面特性状態が疎水性であり、第2の表面特性状態が第1の状態より実質的に低
    い疎水性である請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  13. 予め規定された離散した領域が、約10〜約1000μmの範囲の直径を有するスポットである請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 固体支持体が金のフィルムを含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 固体支持体表面が、官能基を担持する伸長性ポリマー鎖を含む請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. ポリマーがヒドロゲルを形成する請求項15に記載の方法。
  17. 結合物質を含有する液媒体を、デポジット装置によって、予め規定された領域上にデポジットする請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. デポジット装置が、インクジェットプリンティング、マイクロコンタクトプリンティング、キャピラリスタンピングまたはマイクロドロップの慣性駆動射出をベースにする請求項17に記載の方法。
  19. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法によって調製された1種またはそれ以上の結合物質のアレイを有する固体支持体表面。
  20. センサ表面である請求項19に記載の固体支持体表面。
  21. 請求項20に記載のセンサ表面を含むバイオセンサ。
  22. ラベルフリー検出技術を使用する請求項21に記載のバイオセンサ。
  23. 検出技術が質量検出を含む請求項22に記載のバイオセンサ。
  24. 検出技術が消衰波検出、好ましくは表面プラスモン共鳴(SPR)を含む請求項23に記載のバイオセンサ。
  25. 1種またはそれ以上の分子種と1種またはそれ以上の固定化された結合物質との相互作用を研究するための請求項19または20に記載の固体支持体表面の使用。
  26. 1個またはそれ以上の検体のアッセイを実施するための請求項19または20に記載の固体支持体表面の使用。
  27. 選択された極性の活性化された官能基を担持し、結合物質を表面に結合させることが可能である、複数の予め規定された離散した領域をその上に有する表面を備えた固体支持体であって、ここで、予め規定された領域の外側の表面エリアが全体的に親水性であり、活性化された官能基の極性を、予め規定された領域が全体的に親水性であるエリアより実質的により低い親水性であるようにし、かつ活性化された官能基の不活性化によって全体的に親水性である性質に転換可能とするように選択する、上記固体支持体。
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