JP4457107B2 - 固定化方法およびそのためのキット - Google Patents

固定化方法およびそのためのキット Download PDF

Info

Publication number
JP4457107B2
JP4457107B2 JP2006507981A JP2006507981A JP4457107B2 JP 4457107 B2 JP4457107 B2 JP 4457107B2 JP 2006507981 A JP2006507981 A JP 2006507981A JP 2006507981 A JP2006507981 A JP 2006507981A JP 4457107 B2 JP4457107 B2 JP 4457107B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid support
target molecule
support surface
ligand
binding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2006507981A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006521559A (ja
JP2006521559A5 (ja
Inventor
ローベート・カールソン
アンダーシュ・シェーディン
Original Assignee
ジーイー・ヘルスケア・バイオ−サイエンシーズ・アーベー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from SE0300805A external-priority patent/SE0300805D0/xx
Application filed by ジーイー・ヘルスケア・バイオ−サイエンシーズ・アーベー filed Critical ジーイー・ヘルスケア・バイオ−サイエンシーズ・アーベー
Publication of JP2006521559A publication Critical patent/JP2006521559A/ja
Publication of JP2006521559A5 publication Critical patent/JP2006521559A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4457107B2 publication Critical patent/JP4457107B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54393Improving reaction conditions or stability, e.g. by coating or irradiation of surface, by reduction of non-specific binding, by promotion of specific binding

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

本発明は、固体支持体表面の製造、より特定には、標的分子を固体支持体表面に固定する方法に関する。本発明はまた、センサー表面をセンシタイズする方法、分析物を分析するためのセンシタイズされたセンサー表面の使用、および、前記方法を実行するための試薬キットに関する。
特に生体分子の検出および相互作用に向けられた分析という観点で、分子間の相互作用を特徴付けるために様々な分析技術が用いられている。例えば、生物学、免疫学および薬理学などの多くの分野で、抗体−抗原相互作用が基本的に重要である。この観点で、多くの分析技術は、抗体のような「リガンド」を、固体支持体に結合させること、続いて、リガンドと抗原のような「分析物」とを接触させることを含む。リガンドと分析物とを接触させた後、相互作用(例えば分析物に結合するリガンドの能力)を示すいくつかの特徴が測定される。場合によっては、相互作用の測定の後に、遊離のリガンドを「再生」させるために、リガンド−分析物対を解離させ、それによってさらなる分析測定にリガンド表面を再利用できるようにすることが望ましい。
リガンドを支持体に結合または固定化させることは、直接または間接的のいずれかが可能である。直接的な固定化において、リガンドは、典型的には共有結合で表面に直接的にカップリングされるが、間接的な固定化において、リガンドは、典型的には共有結合で表面に直接的にカップリングされる分子によって捕獲される(通常は非共有結合によって)。間接的な固定化は、表面にカップリングされる分子に適した結合部位またはタグを有するリガンドに限定されるが、間接的な固定化には数々の利点がある。例えば、非共有結合でのリガンドの固定化は、共有結合でのカップリングより簡単に実行することができ、このようなリガンドは純粋である必要はなく、粗サンプルから捕獲することができる。さらに、表面上で、全てのリガンドが予めわかっている一致した方向で固定される。通常、表面上で捕獲を繰り返し行うことができるように、一般的な再生条件でリガンド表面を再生することも可能である。典型的なキャプチャー分子としては、プロテインAおよびプロテインG(いずれも免疫グロブリン(抗体)のFc部分に結合する)、NTA金属キレート(ヒスチジンタグに結合する)、および、相補オリゴヌクレオチドタグにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドが挙げられる。
オリゴヌクレオチドのキャプチャー分子としての使用(例えばUS−A−5,648,213により詳細に開示されている)は、オリゴヌクレオチド配列を変えることによって、極めて特異的なオリゴヌクレオチド対を簡単に作製することができるというさらなる利点を有する。従って、固体支持体上の別々の表面エリアまたはスポットに結合するキャプチャーオリゴヌクレオチドの特異性は、異なるリガンドを異なるスポットに割り当てるのに用いることができる。その他の利点は、オリゴヌクレオチドキャプチャー表面を再生するのに、例えば変性しやすいタンパク質表面に比べて比較的粗い条件を用いることができることにある。しかしながら、オリゴヌクレオチドを固体支持体に固定することにおける問題は、オリゴヌクレオチドの比較的大きい負電荷であり、そのために、それらを負電荷を有する表面に固定することを難しくしている。この問題を克服するための従来のアプローチとしては、電荷を遮るための高い塩濃度の使用、または、低いpH条件などがあるが、これらは、下記の比較例で示されるように、失敗するか、または、固定化の程度が低いかのいずれかである。
遺伝子工学分野において、DNAを細胞に運搬するための非ウイルス性物質として、ポリカチオンが使用できることがこれまでに知られている。ポリカチオンは、負電荷を有するDNAに効率的に結合するが、実質的にDNAを圧縮させてしまう。また、形成された高分子電解質複合体が全体的に正電荷を有する場合、負電荷を有する細胞膜との相互作用を増加させる。形成されたDNA/高分子電解質複合体は、細胞表面と相互作用し、続いてDNAは、おそらくリソソームまたはエンドソームによって細胞に吸収される。
また、核酸を細胞に運搬するために、正電荷を有する、中性の、および負電荷を有するリポソーム、同様に、正電荷を有するミセルも用いられており、ミセルの場合においては、ミセルの正電荷に応じて、ポリアニオン性の核酸と、細胞のポリアニオン性の表面との間で「架橋」が提供される。例えば、US−A−6,210,717は、選択された核酸を宿主細胞に運搬するための、両親媒性のポリエステル−ポリカチオンコポリマーと、両親媒性ポリエステル−糖コポリマーとを含む混合型の高分子ミセルの使用を開示している。
本発明の目的は、オリゴヌクレオチドを負電荷を有する表面に固定する際の問題を克服することである。
上記の、およびその他の目的および利点は、標的分子を固体支持体表面に固定する新規の方法によって提供され、ここにおいて、まず、標的分子と、小胞構造との複合体を形成し、その後、この複合体と固体支持体とを接触させ、それにより標的分子を表面に結合させる。
それゆえに、一形態において、本発明は、標的分子を、標的分子と相互作用することができる固体支持体表面に固定する方法を提供し、本方法は、以下の工程を含む:
標的分子と、標的分子と解離可能な複合体を形成することができる小胞構造との複合体を形成する工程、
形成された複合体と、固体支持体表面とを接触させ、標的分子を固体支持体表面に結合させ、複合体を解離させる工程、および、
固体支持体表面から小胞構造を除去し、固体支持体表面に固定された標的分子を切り離す工程。
複合体が固体支持体表面に結合した際、解離されない場合、その後に処理または洗浄を行ってもよい。
その他の形態において、本発明は、固体支持体表面をリガンドでセンシタイズする方法を提供し、本方法は、上記の第一の方法の形態に従って、リガンドを結合させることができるキャプチャー物質を固体支持体表面に固定すること、および、続いて、前記表面と前記リガンドとを接触させ、前記リガンドを固定されたキャプチャー物質に結合させることを含む。
さらにその他の形態において、本発明は、表面上で少なくとも1種のリガンドに結合することができる少なくとも1種の分析物に関してサンプルを分析するために、または、表面上での、少なくとも1種の分析物と少なくとも1種のリガンドとの相互作用を研究するために、上記の第一の方法の形態に従って製造された固体支持体表面の使用をそれぞれ提供する。
さらにその他の形態において、本発明は、上述の本発明の方法および使用を行うために用いることができる試薬キットを提供する。
本発明の、上記の、およびその他の形態は、添付の図面と以下の詳細な説明を参照すれば明らかになるものと予想される。
図面の簡単な説明
図1は、ミセル/オリゴヌクレオチド複合体の図式的な説明である。
定義
本発明を説明し、特許請求するにあたり、以下の用語を以下に記載の定義に従って用いるものとする。
「固体支持体」は、1またはそれ以上の標的化合物を固定することが望ましいあらゆる固体(軟質または硬質の)基質を意味する。このような基質は、生物学的基質、非生物学的基質、有機基質、無機基質またはそれらの組合せが可能であり、ディスク、球体、円形などあらゆる都合のよい形を有する、粒子、ストランド、沈殿物、ゲル、シート、管類、球体、コンテナー、キャピラリー、パッド、切片、フィルム、プレート、スライドなどの形態であってもよい。
「複合体」は、通常は弱い静電力で連結された2(またはそれ以上)の種の化学的な結合体を意味する。複合体が2つの複合体形成種に解離し得る場合、そのような複合体は解離可能である。
「小胞構造」は、疎水性ドメインと親水性ドメインの両方を有する両親媒性(界面活性剤)分子の組織化された構造を意味し、例えば、リポソーム、ミセルまたは逆ミセルが挙げられる。リポソームは、水性の物体を包含する脂質(通常はリン脂質)の二重層で形成された球状の小胞体であり、ミセルおよび逆ミセルは、両親媒性分子のコロイド状の凝集体であり、これらは、臨界ミセル濃度(CMC)として知られるよく確立された濃度で(およびそれ以上の濃度で)生じる。ミセル中の凝集分子の典型的な数は、約50〜100個である。
「官能基」は、反応性を有する化学的な物体を意味する。固体支持体表面上に存在する場合、官能基は、結合物質(例えばキャプチャー物質またはリガンド)を固体支持体表面に連結させるように作用する。通常、官能基は、結合物質を固定するために活性化されている必要がある。官能基は、固体支持体に用いられる材料にもともと存在していてもよいし、または、官能基を含む適切な材料で支持体を処理またはコーティングすることによって提供されてもよい。また、官能基は、固体支持体表面と適切な化学物質とを反応させることによって導入されてもよい。
「活性化」は、官能基を、結合物質のカップリングを可能にする、または、結合物質のカップリングを高めるような反応性基に改変することを意味する。
「リガンド」は、所定の分析物に関して既知または未知の親和性を有する分子を意味する。リガンドは、天然に存在する分子でもよいし、合成された分子でもよい。リガンドは、そのままで用いてもよいし、または、その他の種との凝集体として用いてもよい。場合により、リガンドは細胞であってもよい。
「分析物」は、分子(例えばポリペプチドまたはポリヌクレオチドのような高分子、または、小さい分子も含む)を意味し、それらの存在、量および/または同一性が、測定が可能であり、または、例えば結合特性のようなその他の観点で特徴付けることもできる。分析物は、分析物/リガンド対を形成する特定のリガンドによって認識される。場合により、リガンドは細胞であってもよい。本発明で用いられるように、用語「分析物」はまた、分析物の類似体も含む。
「キャプチャー物質」は、固体支持体表面に固定され、その他の種(例えばリガンドまたは第二のキャプチャー物質)に結合することができる結合物質を意味する。
「特定の結合対」(略して「sbp」)は、分子の対(それぞれ特定の結合対の要素である)を意味し、これら分子は、天然に誘導されてもよいし、または、合成によって製造されてもよい。分子の対の一方は、その表面上で、その他の分子の特定の構造(例えば空間的な極性を有する構成)に特異的に結合する(それゆえに、特定の構造に相補的であると定義される)構造(例えばエリアまたは空隙)を有し、それによって、対は、互いに特異的に結合する特性を有するようになる。特定の結合対タイプの例は、タンパク質−タンパク質、抗原−抗体、抗体−ハプテン、ビオチン−アビジン、リガンド−受容体(例えばホルモン受容体、ペプチド−受容体、酵素−受容体)、炭水化物−タンパク質、炭水化物−脂質、レクチン−炭水化物、核酸−核酸(例えば、PNA−PNAが挙げられる;PNA=ペプチド核酸)、ヒスチジン残基−金属キレートである。
「抗体」は、免疫グロブリンを意味し、これらは、天然でもよいし、もしくは、部分的または完全に合成によって製造されてもよく、また、Fab抗原結合フラグメント、1価のフラグメントおよび2価フラグメントなどの活性フラグメントを含む。この用語はまた、免疫グロブリン結合ドメインに相同な結合ドメインを有するあらゆるタンパク質を含む。このようなタンパク質は、天然の源から誘導してもよいし、もしくは、部分的または完全に合成によって製造されてもよい。典型的な抗体は、免疫グロブリンアイソタイプ、ならびに、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFv、Fv、dAb、および、Fdフラグメントである。
「核酸」は、一本鎖または二本鎖型のいずれかの、デオキシリボヌクレオチドポリマー(DNA)またはリボヌクレオチドポリマー(RNA)を意味し、また、天然に存在する核酸と類似の様式で機能し得る合成によって製造された類似体を包含する。天然の核酸はリン酸主鎖を有するが、人工核酸は、その他のタイプの主鎖、ヌクレオチドまたは塩基を含んでもよい。これらとしては、例えば、以下が挙げられる:ペプチド核酸(PNA)、これは、例えばUS−A−5,948,902およびそこで引用された文献で引用された文献で説明されている;ピラノシル核酸(p−NA)、これは、例えばWO99/15540(p−RNA)、WO99/15539(p−RNA)、および、WO00/11011(p−DNA)で説明されている;ロックト核酸(LNA)、これは、例えばUS−A−6,316,198で説明されている;ならびに、ホスホチオネート、および、天然の核酸のリン酸主鎖のその他の変異体。
「オリゴヌクレオチド」は、約5〜約100個のヌクレオチドからなる一本鎖ヌクレオチド多量体(例えば、上記「核酸」に関して説明したような合成によって製造された類似体など)を意味する。
「ポリヌクレオチド」は、約100個のヌクレオチド(例えば、上記「核酸」に関して説明したような合成によって製造された類似体など)からなる一本鎖ヌクレオチド多量体を意味する。
「低分子量の有機化合物」は、約100〜約1000、通常約250〜約800の範囲の分子量を有する有機化合物を意味する。また、低分子量の化合物は、場合によっては「小分子」ともいう。
一般的に、「アレイ」は、不連続部位の直線状または二次元アレイを意味し、それぞれ限定されたエリアを有し、固体支持体の連続した表面上に形成され、そして1またはそれ以上の結合物質(例えばキャプチャー物質またはリガンド)を支持している。固体支持体上の核酸、タンパク質、小分子、細胞またはその他の物質の整列されたアレイは、複雑な生化学的なサンプルの平行解析を可能にする。「マイクロアレイ」において、不連続部位またはスポットの密度は、典型的には少なくとも100/cm2であり、不連続部位の直径は、典型的には、約10〜1000μm、通常は約10〜500μmの範囲であり、アレイ中のその他の領域とほぼ同じ距離で離れている。
「バイオセンサー」は、通常、固体状態の物理化学的な変換器と連結させた分子を認識するための成分(例えば固定化抗体を含む層)を用いるデバイスを意味する。
本明細書および添付の請求項において、単数形「a」、「an」および「the」は、特に指定がない限り、複数の場合を含むものとする。また、特に他の指定がない限り、本発明で用いられた技術的および科学的な用語は、本発明に関連する当業者が一般的に理解している用語と同じ意味を有する。
発明の詳細な説明
上述したように、本発明は、一般的に、固体支持体表面への標的分子の固定化に関する。このような固定された標的分子を含む固体支持体は、分析および分離技術などの様々な分野で用いられる。固体支持体への標的分子の固定化は、場合によっては、分子を固体支持体表面に結合(例えば共有結合)させることを含む。通常、固体支持体は、標的分子と反応し得る反応性化学基を有する。場合によっては、標的分子は電荷を有し、固体支持体表面が対立する電荷を有する場合、標的分子は、固体支持体表面に引きつけられ、分子と固体支持体表面との相互作用を促進すると予想される。一方で、固体支持体表面が、標的分子の電荷と同種の電荷を有する場合、固定化が減じられるか、または実質的な妨害も容易に観察される。後者の例は、オリゴヌクレオチド(一般的に負電荷を有する)の負電荷を有する表面への固定化である。
本発明によれば、標的分子がまず、標的分子の電荷と対立する電荷を有する小胞構造と複合体を形成すれば、続いて形成された複合体が固体支持体表面と接触するので、電荷を有する標的分子(特にオリゴヌクレオチドのような高分子)は、固体支持体表面が標的分子の電荷と同種の電荷を有する場合でも、固体支持体表面に効率的に固定する可能性があることがわかった。
あらゆる特定の理論に限定されないが、改善された固定化効率は、標的分子が固体支持体表面に十分近づき、標的分子が固体支持体表面と相互作用することを可能とさせる、標的分子/小胞構造複合体によると推測される。言い換えると、これは、一方で、例えば正電荷を有する小胞構造が、標的分子の対立する(例えば負)電荷を少なくとも部分的に中和し、一方で、例えばオリゴヌクレオチドのような高分子の場合、小胞構造によって高分子を圧縮させることによるものと推測される。また、圧縮することにより、表面への分子の拡散を、遊離分子の拡散に比べてより迅速にする可能性もある。仮定の好ましい標的分子の圧縮に関して、標的分子/小胞構造複合体の形成はまた、それらの中性の固体支持体表面への固定化を改善する可能性がある。また、固定され得る分子間の反発力を減少することによって、より高い固定化密度が生じる。
本発明の概念は、一般的に、電荷を有する、または、電荷を有しない小胞構造と解離可能な複合体を形成することができるあらゆる標的分子に適用可能である。しかしながら、標的分子は、好ましくは、生体分子(合成によって製造された生体分子、および、それらの類似体も含む)、例えば核酸(例えばプラスミドも含む)、タンパク質、ポリペプチド、脂質、および、炭水化物である。生体分子のより特定の例は、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、抗体および酵素である。標的分子はまた、低分子量の有機化合物でもよい。
小胞構造は、好ましくはリポソームまたはミセル、特にミセルである。リポソームまたはミセルは、混合リポソームまたは混合ミセルであってもよく、すなわち、それぞれ、2種(またはそれ以上)のリポソームおよびミセルを形成する成分を含む混合リポソームまたは混合ミセルであってもよい。
本発明の一実施形態において、核酸(特にヌクレオチド)は、正電荷を有するミセルまたはリポソームを用いて負電荷を有する固体支持体表面に固定される。オリゴヌクレオチド(20−mer)と、正電荷を有するミセル(CTAB)との複合体の図式的な説明を図1に示す。
本発明のその他の実施形態において、負電荷を有するタンパク質(特に抗体)は、正電荷を有するミセルまたはリポソームを用いて負電荷を有する固体支持体表面に固定される。
本発明のさらなるその他の実施形態において、負電荷を有する低分子量の有機化合物、例えばアデノシン三リン酸(ATP)またはニトリロ三酢酸(NTA)は、正電荷を有するミセルまたはリポソームによって負電荷を有する固体支持体表面に固定される。
さらにその他の実施形態において、正電荷を有する標的分子は、負電荷を有するミセルまたはリポソームを用いて正電荷を有する固体支持体表面に固定される。
用いられる標的分子、および、ミセルまたはリポソームの相対量は、特に、それぞれ特定の標的分子、および、ミセルまたはリポソームに依存するが、適切な比率は、当業者によって簡単に確立することができる。一般的に、ミセルまたはリポソームに対する標的分子の比率(ミセルの数に対する標的分子の数)として、約1:3〜約3:1、好ましくは約1:2〜約2:1、特に約1:1を用いてもよい。
ミセルおよびリポソームの製造は当業者周知であるため、本明細書ではそれほど詳細に説明する必要はない。それらの一般的な方法の説明については、以下を参照してもよい:例えば、Szoka,F.,Jr.およびPapahadjopoulos,D.,Annu.Rev.Biophys.Bioeng.9,467(1980年);および、Schwendener,R.A.,Ansanger,M.およびWeder,H.G.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,100,1055(1981年)(これらの開示は、参照により本発明に加入させる)。
正電荷を有するミセルを製造することができる両親媒性分子または界面活性剤の例としては、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム(DTAB)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)(その他の名前:臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム)、塩化ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウム、臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、臭化ドデシルエチルジメチルアンモニウム、臭化エチルヘキサデシルジメチルアンモニウム、臭化トリメチル(テトラデシル)アンモニウム、および、臭化トンゾニウムが挙げられる。
例えば、負電荷を有するミセルは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)から製造してもよい。
正電荷または負電荷を有するリポソームを製造することができる分子の例としては、ヘキサデシルジメチルアンモニウムプロパン−1−スルホネートが挙げられる。
通常、ミセルまたはリポソームの電荷の一部だけが標的分子によって中和されており、複合体形成後に残りの電荷が残され、複合体が対立する電荷を有する固体支持体表面と静電的に相互作用することを可能にすることが好ましい。
通常、標的分子と小胞構造との複合体は、自発的に形成される。次に、複合体と固体支持体とが接触すると、標的分子は、標的分子が固体支持体に固定されるように、固体支持体表面上で反応性の官能基またはその他の結合成分と相互作用する。これによって、同時に複合体の解離が起こることがある。しかしながら、通常、複合体を解離させ、小胞構造またはそれらの残留物を表面から除去するために、適切な溶液での処理または洗浄が必要であると予想される。それに必要な溶液/条件は、当業者周知のものであってもよいし、または、当業者によって容易に確立こともできる。
固体支持体は、好ましくは硬質の構造であり、異なる材料からなる表面層を有する基材を含んでもよい。固体支持体は粒子でもよいが、通常は、より大きい物体の表面、例えばウェルもしくはレセプタクルの内部表面、または、プレートもしくはスライドである。後者の種類の代表は、タンパク質またはDNA/RNAチップで用いられる固体支持体、バイオセンサーのようなセンサーデバイスにおけるセンシング表面である。
固体支持体の表面は、様々な材料で構成されていてもよく、このような材料としては、例えば、ポリマー、プラスチック、樹脂、多糖類、シリカまたはシリカベースの材料、炭素、金属、無機ガラス、メンブレンなどが挙げられる。適切な表面は、金属フィルム、例えば金、銀、または、アルミニウムであり、好ましくは金である。
標的分子を固定させるために、固体支持体表面は、標的分子と相互作用することができる基または分子を含む。このような基は、官能基でもよく、例えば、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、ホルミル、ヒドラジド、カルボニル、エポキシまたはビニルであり、これらは、標的分子上で官能基と共有結合を形成してもよい。通常、表面上または標的分子上の官能基は、標的分子との反応の前に、より反応性の高い基に活性化される。例えば、アミノヌクレオチドは、表面に結合したカルボキシ基にカップリングされ、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基に活性化されもよい。留意すべきは、活性化された官能基を有する表面(例えば、活性化の前は負電荷を有するが、活性化後は中性)は、固定化プロセス中に、活性化された基の加水分解と競合するため負電荷になる可能性があることである。
あるいは、固体支持体表面は、特定の結合対の一方の要素(sbp)を有し、特定の結合対の他方の要素は標的分子上である。オリゴヌクレオチドを固定するのに一般的に用いられるsbpは、ビオチン−アビジン(または、ストレプトアビジン)である。
特に、バイオセンサーという観点で、フローセルにおいて本発明の方法をインサイチュで実施できるように、固体支持体表面がフローセルの一部であってもよい。バイオセンサー分野で用いられるフローセルの例は、例えばUS−A−5,492,840、5,513,264、および、WO99/36766(これらのうち関連する開示は、参照により本発明に加入させる)で説明されている。
上述したように、標的分子は、例えば、分析物が結合しているリガンド、または、リガンドを結合させることができるキャプチャー物質が可能である。あるいは、キャプチャー物質は、結合物質と結合し、順に、リガンドと結合してもよい。一つのキャプチャー物質を、一つのリガンドを表面に結合させるのに用いてもよいし、または、異なるリガンドを表面の異なる別々のエリアに結合させ、リガンドアレイを提供してもよい。あるいは、リガンドアレイは、異なるリガンドをそれぞれ別々の表面エリアに提供された特定のキャプチャー物質に選択的に結合させることによって形成することもできる。リガンドの固体支持体表面(例えばセンサー表面)への結合は、場合によっては、表面を「センシタイズすること」ともいう。
リガンドの例としては、これらに限定されないが、細胞膜に関するアゴニストおよびアンタゴニスト、毒素および毒物、ウイルスエピトープ、抗原性決定子、ホルモンおよびホルモン受容体、ステロイド、ペプチド、酵素、基質、補因子、薬物、レクチン、糖、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖、タンパク質、糖タンパク質、細胞、細胞膜、細胞器官、細胞の受容体、ビタミン、ウイルスエピトープ、および、免疫グロブリン、例えばモノクローナルおよびポリクローナル抗体が挙げられる。
典型的なキャプチャー物質としては、核酸および抗体が挙げられ、特にオリゴヌクレオチドである。キャプチャー物質をオリゴヌクレオチドの形態で含む表面は、例えば、相補オリゴヌクレオチドタグと共役したリガンドを結合させるのに用いることができる。この方式において、異なるリガンドを表面の異なる別々のエリアに容易に固定することができる。上述したように、異なるオリゴヌクレオチドを異なる別々のエリアに固定することもでき、それにより、例えば、オリゴヌクレオチドを付したリガンドをそのようなエリアに差異的に捕獲することができる。それにより、異なるリガンド共役体を、異なるエリアに割り当てることができ、その上でさらに、キャプチャー表面を一般的な再生条件によって再生することができる。
通常、このようなオリゴヌクレオチドは、少なくとも6個の塩基の長さを有する。そのオリゴヌクレオチド対は、そのそれぞれの配列の少なくとも一部に完全に相補的であることがさらに好ましい。しかしながら、完全に相補的な配列が好ましい。
リガンド/オリゴヌクレオチド共役体(例えば抗体/オリゴヌクレオチド共役体)を製造するのに用いることができるヘテロ二官能性の物質は、当業者周知であり、当業者により容易に選択することができる。このようなヘテロ二官能性の物質の例としては、例えば、上述のUS−A−5,648,213(これらの開示は、参照により本発明に加入させる)を参照することができる。
オリゴヌクレオチド二本鎖を介して付着したリガンドを含む固体支持体表面を提供するための試薬キットは、第一のオリゴヌクレオチド(固体支持体にカップリングする機能を有する)、第二のオリゴヌクレオチド(第一のオリゴヌクレオチドに相補的で、かつ、リガンドに直接または間接的にカップリングする機能を有する)、および、界面活性剤を含んでもよい。例えば、第一および第二のオリゴヌクレオチドはいずれもアミノヌクレオチドでもよい。本キットにおいて、リガンドにカップリングされ得る(例えば共役され得る)アミノヌクレオチドは、直接的にカップリングするように製造されて提供されてもよいし、または、簡単に活性化され、活性化された基と反応する適切な機能を有するリガンドにカップリングできるような形態で提供してもよい。例えば、アミノヌクレオチドは、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネートと反応させ、続いて、3−(2−ピリジルジチオ)プロピオニル共役体を、ジチオスレイトール(DTT)またはトリス−(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)により還元することによって、間接的にチオール化されていてもよい。続いて、チオール官能基を、チオール反応性基(例えばマレイミド基)で修飾されたリガンドと反応させてもよい。後者は、例えば、スクシンイミジルトランス−4−(マレイミジルメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレートを用いてアミン部位に導入してもよい。
本試薬キットは、使用説明書を含んでもよく、例えば、キット内容物を含むパッケージ上のラベルの形態で、または、パッケージ内に挿入する形態で含ませることが挙げられる。このような説明書には、特に、界面活性剤と水性の液体(例えば緩衝液)とを混合して小胞構造(通常はミセルまたはリポソーム)を形成する方法に関する情報を記載することができる。
分析の対象となり得る分析物の例としては、これらに限定されないが、細胞膜受容体に対するアゴニストおよびアンタゴニスト、毒素および毒物、ウイルスエピトープ、ホルモン(例えばアヘン剤、ステロイドなど)、ホルモン受容体、ペプチド、酵素、酵素の基質、補因子、薬物、レクチン、糖、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖、タンパク質、および、モノクローナル抗体が挙げられる。分析物の分析は、分析物の定性または定量測定に加えて、例えば、分析物のその他の特徴付けのために、分析物とリガンドとの相互作用を研究すること、例えば、結合特性、例えば親和性および反応速度定数を決定することも含む。
表面上に結合した分析物の存在を検出する方法は、多種多様な検出技術から選択することができ、例えば、光度的および非光度的な検出方法、例えばマーカーに基づく技術(この場合、分析物または分析物特異的な試薬は、例えば放射標識、発色団、蛍光団、化学発光成分または遷移金属で標識される);同様に、標識を用いない技術が挙げられる。
多くの用途において、分析は、バイオセンサーを用いて行われる。バイオセンサーは、様々な検出方法に基づくものが可能である。典型的には、このような方法としては、これらに限定されないが、質量検出方法、例えば圧電的、光学的、熱的−光学的方法、および、表面弾性波(SAW)デバイス法、ならびに、電気化学法、例えば電位差、電気伝導、電流滴定およびキャパシタンス法が挙げられる。光学的な検出方法に関して、代表的な方法としては、反射光学的方法のような質量表面濃度を検出する方法が挙げられ、このような方法としては、内反射および外反射法、角度、波長または位相分解分光法、例えば楕円偏光法およびエバネッセント波分光分析(EWS)、例えば表面プラズモン共鳴(SPR)分光分析、ブルースター角屈折判定法、臨界角屈折判定法、漏れ全反射(FTR)、エバネッセント波の楕円偏光法、散乱全内部反射(STIR)、光導波路センサー、エバネッセント波に基づくイメージング、例えば臨界角分解イメージング、ブルースター角分解イメージング、SPR角度分解イメージングなどが挙げられる。さらに、例えばエバネッセント蛍光(TIRF)およびリン光に基づく光度的方法を用いてもよく、同様に、導波管干渉計を用いてもよい。また、原子間力顕微鏡(AFR)に基づく検出方法も挙げられる。
以下の実施例において、金の表面における表面プラズモン共鳴(SPR)検出に基づくバイオセンサー機器を用いて、表面に結合したリガンドと対象の分析物との結合相互作用の「リアルタイム」解析を、表面における質量センシングによって提供した。このタイプのバイオセンサー、同様に、SPR現象の技術的な形態の詳細な考察は、上述のUS−A−5,313,264を参照してもよい。バイオセンサーのセンシング表面のマトリックスコーティングに関するより詳細にな情報は、例えば、US−A−5,242,828、および、US−A−5,436,161に記載されている。加えて、バイオセンサー機器と共に用いられたバイオセンサーチップの技術的な形態の詳細な考察は、上述のUS−A−5,492,840を参照してもよい。(上記の特許の全開示は、参照により本発明に加入させる)。
以下の実施例において、説明のために本発明の様々な形態をより特定に開示するが、限定するものではない。
ビアコア(BIACORE)(R)3000機器(ビアコアAB,ウプサラ,スウェーデン)を用いた。この機器において、極めて高い精密度、かつ、わずかなサンプル量で、4つの個々に検出されるフローセルを介してマイクロフルイディックシステムにサンプルとランニング緩衝液を通過させる(一つずつ、または、連続して)。センサーチップとして、共有結合したカルボキシメチルで修飾したデキストランポリマーヒドロゲルを含む金の表面を有するセンサーチップCM5(ビアコアAB,ウプサラ,スウェーデン)が用いられた。ランニング緩衝液は、HBS−N[10mMのHEPES(pH7.4)、および、150mMのNaCl](ビアコアAB,ウプサラ,スウェーデン)であった。カルボキシ基によって、ヒドロゲルは陰イオンの特徴を有する。機器からのアウトプットは、「センサーグラム」であり、これは、時間の関数としての検出器の応答のプロット(「共鳴ユニット(RU)」で測定された)である。1000RUの増加は、センサー表面における約1ng/mm2の質量の増加に相当する
以下の2種の(相補)オリゴヌクレオチドを用いた(5’末端がアミノ基で化学修飾された):
5’TTT CCT CAG CAT CTT ATC CG3’(「BC1」と称する)
5’CGG ATA AGA TGC TGA GGA AA3’(「BC2」と称する)
ヌクレオチド配列BC1は、Persson,B.等(1997年)Anal.Biochem.246,34〜44で開示されている。
実施例1(比較)
高い塩濃度でのアミノで修飾されたオリゴヌクレオチドBC1の固定化
センサーチップCM5を、0.2MのN−エチル−N−ジメチルアミノ−プロピルカルボジイミド(EDC)、および、50mMのN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)によって(7または20分間、流速5μl/mmで)活性化し(EDCおよびNHSは、ビアコアAB(ウプサラ,スウェーデン)製)、デキストラン上のカルボキシル基の分画を、反応性N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基に変換した。次に、100μMのアミンで修飾されたオリゴヌクレオチドBC1(SGS DNA,コーピング,スウェーデン、または、DNAテクノロジー(DNA Technology),オールボー,デンマーク)のボレート(borate)8.5固定化緩衝液(ビアコアAB,ウプサラ,スウェーデン)溶液を、オリゴヌクレオチドBC1を表面に固定するために、13分間、5μl/分で注入した。エタノールアミンを3分間、5μl/分で注入することによって(それにより、ヒドロキシエチルアミドによって活性化された基を置き換える)、未反応のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基を不活性化した。固定化の手順は、オリゴヌクレオチドの負電荷から遮蔽するために1〜3Mの高いNaCl濃度で、および、表面への迅速なカップリングを実現するために比較的高いpH値7.0〜8.5で行われた。
それぞれ固定した後に、表面を50mMのNaOH、1MのNaClで1分間(流速5μl/分)で3回洗浄し、弱く結合したオリゴヌクレオチドを除去した。次に、3分間、流速5μl/分で、HBS−EP緩衝液(ビアコアAB,ウプサラ,スウェーデン)を用いて、相補的なアミノで修飾されたオリゴヌクレオチドBC2、同様に、非相補オリゴヌクレオチド(BC1)を、固定されたアミノ−ヌクレオチドBC1にハイブリダイズさせた。オリゴヌクレオチド濃度は、1〜10μMの範囲で変化させた。ハイブリダイゼーション間の表面の再生を、50mMのNaOH、1MのNaClを用いて1分行った。
結果を以下の表1に示す。
Figure 0004457107
表からわかるように、高い塩濃度は、アミノ−オリゴヌクレオチドの表面への固定化を増加させる効果はなかった。同様に、pHの変化またはNHS/EDC活性化時間の増加も固定化に影響しなかった。
実施例2(比較)
塩化テトラメチルアンモニウム存在下でのアミノで修飾されたオリゴヌクレオチドBC1の固定化
実施例1と同じ固定化プロトコールに従って、オリゴヌクレオチドBC1をCM5チップ表面に固定した[ただし、HBS−EP(ビアコアAB,ウプサラ,スウェーデン)を固定化緩衝液として用い、オリゴヌクレオチドの負電荷を遮蔽するために、NaClの代わりに、1M、0.75M、0.5Mまたは0.25Mの塩化テトラメチルアンモニウム(TMA−Cl)を用いたことを除く]。50mMのNaOH、1MのNaClで洗浄した後に、相補および非相補オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを、実施例1で説明したように行った。結果を以下の表2に示す。
Figure 0004457107
表からわかるように、TMA−Clは、オリゴヌクレオチドの表面への固定化に効果を有しなかった。
実施例3
臭化セチルトリメチルアンモニウムミセルとの複合体を形成することによる、アミノで修飾されたオリゴヌクレオチドBC1の固定化
センサーチップCM5を、上記の実施例1で説明したように活性化した。次に、様々な臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)濃度を含む、10〜50μMのアミンで修飾されたオリゴヌクレオチドBC1(SGS DNA,コーピング,スウェーデン、または、DNAテクノロジー,オールボー,デンマーク)の10mMのHEPES(pH7.4)(ビアコアAB,ウプサラ,スウェーデン)を、それらを表面に固定するために、10分間、5μl/分で注入した。未反応のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基を、エタノールアミンを5μl/分で3分間注入することによって不活性化した。50mMのNaOH、1MのNaClで洗浄した後に、相補および非相補オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを、実施例1で説明したように行った。結果を以下の表3に示す。
Figure 0004457107
表からわかるように、高い固定化およびハイブリダイゼーションレベルが達成された。最も適切なCTAB濃度は、オリゴヌクレオチドBC1濃度によって変化することは明らかである。用いられた固定化緩衝液中のCTABに関する臨界ミセル濃度(CMC)は、0.29mM付近のようである。平均的なCTABのミセルは61個の分子を含むため、表は、最適なミセル:オリゴ比が約1:1であることを示している(それぞれ、0.60mMのCTAB/10μMのBC1;1.50mMのCTAB/25μMのBC1;および、3.00mMのCTAB/50μMのBC1)。
実施例4
臭化ドデシルトリメチルアンモニウムミセルとの複合体を形成することによる、アミノで修飾されたオリゴヌクレオチドBC1の固定化
実施例3で説明された手順に従った(ただし、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム(DTAB)を臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)の代わりに用いたことを除く)。非相補オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションは起こらなかった。得られた結果を以下の表4に示す。
Figure 0004457107
以上から、当然のことながら、本明細書において、説明する目的で本発明の特定の実施形態を記載しているが、本発明の本質と範囲を逸脱しないで様々な改変を施すことができることが理解される。従って、本発明は、添付の請求の範囲によってのみ限定される。
ミセル/オリゴヌクレオチド複合体の図式的な説明である。

Claims (28)

  1. 標的分子を、標的分子と相互作用することができる固体支持体表面に固定する方法であって:
    標的分子と、標的分子と解離可能な複合体を形成することができる小胞構造との複合体を形成する工程、
    形成された複合体と、固体支持体表面とを接触させ、標的分子を固体支持体表面に結合させる工程、
    複合体を解離する工程、および
    固体支持体表面から小胞構造を除去し、固体支持体表面に固定された標的分子を切り離す工程、
    を含み、標的分子と小胞構造とは、対立する電荷を有し、かつ標的分子と固体支持体表面とは、同種の電荷を有する、上記方法。
  2. 小胞構造は、リポソームまたはミセルである、請求項1に記載の方法。
  3. 標的分子は、負電荷を有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 標的分子と固体支持体表面とはそれぞれ負電荷を有し、小胞構造は、正電荷を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. 標的分子は、分析物を結合させることができるリガンドである、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 標的分子は、リガンドまたはリガンド結合物質を結合させることができるキャプチャー物質である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 標的分子は、核酸または抗体である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 標的分子は、人工核酸である、請求項に記載の方法。
  9. 標的分子は、低分子量の有機化合物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 固体支持体表面は、標的分子の官能基と反応して共有結合を形成することができる反応性基を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 固体支持体表面は、特定の結合対の一方の要素を含み、その結合対の他方の要素は、標的分子またはその一部と共役している、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  12. 表面に結合した要素は、アビジンまたはストレプトアビジンであり、そして標的分子は、ビオチンタグを付されている、請求項11に記載の方法。
  13. 固体支持体表面は、ヒドロゲルを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. ヒドロゲルはデキストランベースのヒドロゲルであり、デキストランは、カルボキシメチル基を含む、請求項13に記載の方法。
  15. カルボキシメチル基が、活性化されて反応性基になる、請求項14に記載の方法。
  16. ミセルまたはリポソームに対する標的分子の割合は、約1:1である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 小胞構造は、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)を含むミセルである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. フローセルで行われる、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 固体支持体は、センサー表面である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. センサー表面は、質量センシングによる、センサー表面における事象の検出が可能である、請求項19に記載の方法。
  21. 固体支持体は、クロマトグラフィー用の粒子である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  22. 請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法に従ってリガンドを結合させることができるキャプチャー物質を表面に固定すること、続いて、該表面と該リガンドとを接触させ、該リガンドを固定された該キャプチャー物質に結合させることを含む、固体支持体表面をリガンドでセンシタイズする方法。
  23. キャプチャー物質はオリゴヌクレオチドであり、リガンドは、キャプチャーオリゴヌクレオチドに相補的なオリゴヌクレオチドと共役している、請求項22に記載の方法。
  24. 一般的なキャプチャー物質を支持している固体支持体表面の異なる別々のエリアを、選択的に異なるリガンドと接触させ、異なるリガンドのアレイを固体支持体表面に提供する、請求項22または23に記載の方法。
  25. 異なるキャプチャー物質をそれぞれ支持している固体支持体表面の異なる別々のエリアを、異なるリガンドと接触させ、異なるリガンドのアレイを固体支持体表面に提供する、請求項22または23に記載の方法。
  26. 固体支持体表面は、センサー表面である、請求項2225のいずれか一項に記載の方法。
  27. 請求項2226のいずれか一項に記載の方法で製造された固体支持体表面上で少なくとも1種のリガンドに結合することができる少なくとも1種の分析物に関してサンプルを分析するための、前記固体支持体表面の使用。
  28. 請求項2226のいずれか一項に記載の方法で製造された固体支持体表面上での、少なくとも1種の分析物と少なくとも1種のリガンドとの相互作用を研究するための、前記固体支持体表面の使用。
JP2006507981A 2003-03-25 2004-03-24 固定化方法およびそのためのキット Expired - Lifetime JP4457107B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US45750803P 2003-03-25 2003-03-25
SE0300805A SE0300805D0 (sv) 2003-03-25 2003-03-25 Immobilization method and kit therefor
PCT/SE2004/000447 WO2004086046A1 (en) 2003-03-25 2004-03-24 Immobilization method and kit therefor

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006521559A JP2006521559A (ja) 2006-09-21
JP2006521559A5 JP2006521559A5 (ja) 2007-04-19
JP4457107B2 true JP4457107B2 (ja) 2010-04-28

Family

ID=33100504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006507981A Expired - Lifetime JP4457107B2 (ja) 2003-03-25 2004-03-24 固定化方法およびそのためのキット

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1606620B1 (ja)
JP (1) JP4457107B2 (ja)
AT (1) ATE383576T1 (ja)
DE (1) DE602004011198T2 (ja)
ES (1) ES2298738T3 (ja)
WO (1) WO2004086046A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013119956A1 (en) * 2012-02-09 2013-08-15 Life Technologies Corporation Conjugated polymeric particle and method of making same
EP3317426B1 (en) 2015-07-02 2020-01-15 Life Technologies Corporation Conjugation of carboxyl functional hydrophilic beads
WO2017007774A1 (en) 2015-07-06 2017-01-12 Life Technologies Corporation Substrates and methods useful in sequencing

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4245664B2 (ja) * 1996-07-29 2009-03-25 ナノスフェアー インコーポレイテッド オリゴヌクレオチドを備えた金ナノ粒子を使用して標的該酸を検出する方法
CN1281355A (zh) * 1997-12-12 2001-01-24 三阳株式会社 用于基因递送的生物可降解性混合聚合胶束
AU2002243129B2 (en) * 2001-03-14 2007-07-19 Ge Healthcare Bio-Sciences Ab Method of preparing supported lipid film membranes and use thereof
EP1448991A2 (en) * 2001-04-09 2004-08-25 Fraunhofer-Gesellschaft Zur Förderung Der Angewandten Forschung E.V. Activated enzyme-linked detection systems for detecting and quantifying nucleid acids, antigens, antibodies and other analytes

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006521559A (ja) 2006-09-21
WO2004086046A1 (en) 2004-10-07
DE602004011198T2 (de) 2008-12-24
EP1606620B1 (en) 2008-01-09
EP1606620A1 (en) 2005-12-21
DE602004011198D1 (de) 2008-02-21
ATE383576T1 (de) 2008-01-15
ES2298738T3 (es) 2008-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Löfås et al. Methods for site controlled coupling to carboxymethyldextran surfaces in surface plasmon resonance sensors
AU713388B2 (en) Device and apparatus for the simultaneous detection of multiple analytes
US8093005B2 (en) Preparation and use of a reactive solid support surface
Lofas Dextran modified self-assembled monolayer surfaces for use in biointeraction analysis with surface plasmon resonance
US5556756A (en) Gold sol of less than 5 nm test method and reagent kit therefor
EP0874242B1 (en) Device and apparatus for the simultaneous detection of multiple analytes
US20060223113A1 (en) Immobilization of binding agents
JP2008522164A (ja) 生体分子を結合させるためのポリマー被覆基体およびその製造方法と使用方法
JPH09509056A (ja) 生物反応について高度に特異的な表面、それらの作製方法、およびそれらの使用方法
EP0442922A1 (en) SURFACE PLASMON RESONANCE SENSOR ASSEMBLY AND ITS USE IN BIOSENSOR SYSTEMS.
US20040253596A1 (en) Bioanalytical recognition surface with optimized recognition element density
EP0579619A1 (en) TREATMENT OF REAGENTS FOR ANALYSIS.
Kant et al. Relevance of adhesion in fabrication of microarrays in clinical diagnostics
JP4457107B2 (ja) 固定化方法およびそのためのキット
Niu et al. Surface modification methods to improve behavior of biosensor based on imaging ellipsometry
US20040241724A1 (en) Immobilization method and kit therefor
US7563587B2 (en) Method and kit for cell analyte assay
US20090036327A1 (en) Method for chemical treatment of porous silicon surface
JP2006030155A (ja) 分光法を用いたプレートアッセイ
Gajos et al. Covalent and non-covalent in-flow biofunctionalization for capture assays on silicon chips: white light reflectance spectroscopy immunosensor combined with TOF-SIMS resolves immobilization stability and binding stoichiometry
Herranz et al. Dextran–lipase conjugates as tools for low molecular weight ligand immobilization in microarray development
JP5205293B2 (ja) 抗体固定基板、並びに該抗体固定基板の製造方法及び利用
Zhao et al. A novel optical immunosensing system based on measuring surface enhanced light scattering signals of solid supports
Wang et al. Aspects of recent development of immunosensors
WO2004038415A1 (en) Assay with co-immobilized ligands

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070223

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070223

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100126

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130212

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4457107

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140212

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250