JP2005207881A - マイクロ化学システム用チップとそれを用いる光熱変換分光分析方法およびマイクロ化学システム用チップの製造方法 - Google Patents

マイクロ化学システム用チップとそれを用いる光熱変換分光分析方法およびマイクロ化学システム用チップの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
ウェットエッチング法により微小流路が形成されたマイクロ化学システム用チップは、流路の断面形状が半円状であるため、熱レンズを用いる光熱変換分光分析のチップとし使用すると、出力光の再現安定性に問題があり、高精度の分析、測定を実施するのが困難であった。
【解決手段】
試料溶液を流す流路となる溝が成形加工された一方の基板に、その溝を覆うように他方の基板を貼り合わせることにより得られる内部に流路を有するマイクロ化学システム用チップで、流路のうち光学的手段により測定する評価部について、少なくともその底面が研削により後加工されている。評価部の断面形状は略矩形であり、底面の面平均粗さがRa値で60nm以下の平滑性を有する。さらに研磨加工を施して一層平滑化される。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ化学システム用チップ及びその製造方法に関し、さらにそのマイクロ化学システム用チップを用いて行う光熱変換分光分析法に関する。
従来、化学反応を微小空間で行うための集積化技術が、化学反応の高速性や微少量での反応、オンサイト分析等の観点から注目されており、そのための研究が、世界的に精力的に進められている。
化学反応の集積化技術の1つとして微細な流路の中で試料溶液の混合、反応、分離、抽出、検出、分析等を行う所謂マイクロ化学システムがある。このマイクロ化学システムで行われるものとしては、反応の例としてジアゾ化反応、ニトロ化反応、抗原抗体反応などがあり、抽出、分離の例として溶媒抽出、電機泳動分離、カラム分離などがある。マイクロ化学システムは、分離だけを目的とした単一の機能のみで用いられても良く、また複合的に用いられても良い。
上記の機能のうち、分離のみを目的としたものとして、極微量のタンパクや核酸等を分析する電気泳動装置が提案されている(例えば特詐文献1参照)。これは互いに接合された2つのガラス基板からなるマイクロ化学システム用チップを備えている。この部材は板状であるので、断面が円形又は角形のガラスキャピラリーチューブに比べて破損しにくく、取り扱いが容易である。
これらのマイクロ化学システムでは試料溶液が極微量であるので、高感度な検出方法が必須である。このような方法として、微細な流路内の試料溶液に励起光を照射する前後の検出光の信号強度の差(以下「TLM出力」という)を検出する光熱変換分光分析法が確立され、これによりマイクロ化学システムの実用化の道が開かれている。
光熱変換分光分析法は、具体的には励起光の照射により熱レンズが形成される前後で試料溶液に検出光を照射し、そのときの信号強度の差であるTLM出力を検出するものであり、極微量の試料溶液の濃度を検出するのに適している。
マイクロ化学システムにおいては、マイクロ化学システム用チップが対物レンズ(集光レンズ)の下方に配置されており、励起光源から出力された所定波長の励起光が対物レンズに入射して、このレンズによりマイクロ化学システム用チップの流路内の試料溶液に集光照射される。これにより、集光照射位置を中心として試料溶液中の屈折率分布の発生に基づく熱レンズが形成される。
光熱変換分光分析法を実施するためのマイクロ化学システム用チップとしては、ガラス部材や熱可塑性樹脂製部材が多く用いられており、その流路はガラス部材の場合はエキシマレーザによる加工やウェットエッチングによる加工等によって形成され(例えば特許文献2参照)、チップの部材に熱可塑性樹脂を用いる場合は射出成形等によって形成される(例えば特許文献3参照)。
また、流路がガラス部材や樹脂部材であるとき、金型を使用した熱プレス法により形成される場合がある(例えば特許文献4参照)。
特開平8−178897号公報 特開平12−298109号公報 特開平13−165939号公報 特開平15−275575号公報
しかしながら、TLM出力は検出光の信号強度が小さいと精度よく検出できない。樹脂の光線透過率は一般に悪いため、熱可塑性樹脂を部材として使用することは、高精度な測定を行うのは困難であるという問題点がある。
ガラスの光線透過率は一般によいため上記問題は生じないが、エキシマレーザによる加工でガラス部材に流路を形成すると加工速度が非常に遅く、さらに加工装置が高価であるという間題点がある。
また、フッ化水素酸を主成分とする水溶液を用いるウェットエッチング加工でガラス部材に流路となる溝を形成すると、等方的なエッチングが行われるため溝の断面形状が半円に近い形状となる。そのため集光照射される光の流路の深さ方向に対する焦点位置や、流路の幅方向に対する焦点位置がわずかにずれるだけでTLM出力が大きく変動し、再現性のある安定した測定を行うのは困難であるという大きな問題点がある。
また、熱プレス成型によりガラス部材に流路となる溝を形成する場合は、プレス型による成形面の粗さが影響して、TLM出力が低いという問題点がある。
本発明の目的は、光学的手段を用いて流路内の試料溶液の溶質の濃度測定などの測定を高精度で且つ安定的に(再現性よく)行うことができるマイクロ化学システム用チップを提供することにある。
上記の課題を達成するために、請求項1に記載のマイクロ化学システム用チップは、試料溶液を流す流路となる溝が成形加工された一方の基板に、前記溝を覆うように他方の基板を貼り合わせて得られる内部に流路を有するマイクロ化学システム用チップにおいて、前記流路のうち光学的手段により測定する評価部について、少なくともその底面が研削により後加工されていることを特徴とする。
請求項1に記載のマイクロ化学システム用チップによれば、流路の評価部の底面が平面形状であり、かつその表面が平滑であるので、試料溶液の微小領域に入射し、流路の底面の微小領域から出射する光量を高精度でかつ安定的に(再現性よく)検出することができる。また評価部の出射光量を効果的にかつ再現性よく検出することができる。
請求項2に記載のマイクロ化学システム用チップは、請求項1において、前記流路の評価部の底面が研削の後加工に引き続き研磨加工により平滑化されていることを特徴とする。
請求項2に記載のマイクロ化学システム用チップによれば、評価部の底面の面粗さが一層平滑化されるので、出射する光量を一層安定的に(再現性よく)検出することができる。
請求項3に記載のマイクロ化学システム用チップは、請求項1又は2において、評価部の断面形状が略矩形であることを特徴とする。
請求項3に記載のマイクロ化学システム用チップによれば、試料溶液に入射した光により形成される熱レンズを流路内に収納させることができ、出射する光量を効果的に検出することができる。
請求項4に記載のマイクロ化学システム用チップは、請求項1〜3のいずれかにおいて、評価部の底面の面粗さが、平均粗さRa値で60nm以下であることを特徴とする。
請求項4によれば、出射する光量の再現性を一層確実に向上させることができ、もって測定を安定的に行うことができる。
請求項5に記載のマイクロ化学システム用チップは、請求項4において、評価部の面の面粗さが平均粗さRa値で、30nm以下であることを特徴とする。
マイクロ化学システム用チップを用いて光熱変換分光分析を行うとき、検出される光量のバラツキの原因となるものには、用いる光源の出射光量の変動や経時変化、受光器の感度の経時変化、チップの光路中への挿入位置精度(流路の深さ方向、幅方向)、チップの流路の断面形状や寸法などの種々の要因がある。チップの評価部の底面の粗さをRa値で30nm以下とすることにより、チップの底面粗さに起因するバラツキは極めて小さくなる。25nm以下とすることにより後述するように実質的になくなる。
請求項6に記載のマイクロ化学システム用チップは、請求項1〜3のいずれかにおいて、評価部の流路の断面のアスペクト比が0.7以上であることを特徴とする。ここで断面のアスペクト比とは、流路の深さ方向の寸法の幅方向の寸法に対する比率(深さ寸法/幅寸法)をいう。
流路の断面のアスペクト比が0.7以上であると、流路中に熱レンズ全体を生成することができる。これにより、少ない試料の量で測定を高精度にかつ安定的に行うことができる。
請求項7に記載のマイクロ化学システム用チップは、請求項6において、評価部の流路の断面のアスペクト比が1.1以上であることを特徴とする。
断面のアスペクト比が1.1以上であると、流路中に熱レンズ全体を余裕をもって生成することができ、これにより測定を一層高精度かつ安定的に行うことができる。
請求項8に記載の化学マイクロシステム用チップは、請求項1〜7のいずれかにおいて、評価部の深さ方向寸法が90μm以上であることを特徴とする。
評価部の深さ方向寸法が90μm以上であることにより、試料溶液中に生成する熱レンズのほぼ全体を流路中に納めることができ、光熱変換分光分析を実施するとき、マイクロ化学システム用チップの入射光の光軸方向の設定位置の許容範囲が大きくなる。すなわち、入射光(励起光)の焦点位置が流路の深さ方向に少量ずれても、TLM出力が大きく変動するのを防止することができる。
請求項9に記載のマイクロ化学システム用チップは、請求項8において、評価部の深さ方向寸法が150μm以上であることを特徴とする。
評価部の深さ方向寸法が150μm以上であることにより、熱レンズ全体を確実に流路内に収容して生成させることができる。これにより、入射光(励起光)の焦点位置が流路の深さ方向にずれてもTLM出力が変動するのを防止することができ、マイクロ化学システム用チップの光軸方向の設定位置の許容範囲が一層大きくなる。
請求項10に記載のマイクロ化学システム用のチップの製造方法は、試料溶液を流すための流路となる溝を成形加工して一方のガラス基板とし、前記溝を覆うように他方のガラス基板を貼り合わせて内部に流路を有するマイクロ化学システム用チップを製造する方法であって、前記溝を化学エッチングにより成形加工し、その後流路の評価部となる溝の一部を研削により成形加工することを特徴とする。
請求項10のマイクロ化学システム用チップの製造方法によれば、流路となる溝全体を化学的エッチングにより成形加工し、その後評価部となる溝の部分的のみを研削加工(二次加工)をする。研削加工をする部分は溝全体の一部であるため短時間で加工できる。評価部に研削加工を付加することにより、その部分の流路底面について平面性と平滑性が確保されたチップとすることができる。また評価部の流路の断面のアスペクト比を高くすることができる。さらに評価部の断面形状を略矩形にすることができる。溝の研削仕上げ加工に用いる砥石の仕様、研削条件を適当に設定することにより、流路断面の形状、大きさを、生成する熱レンズの形状に合わせて最適化して調整することができる。
請求項11に記載のマイクロ化学システム用チップの製造方法は、試料溶液を流すための流路となる溝を成形加工して一方のガラス基板とし、前記溝を覆うように他方のガラス基板を貼り合わせて内部に流路を有するマイクロ化学システム用チップを製造する方法であって、前記溝を熱プレス法により成形加工し、その後流路の評価部となる部分のみを研削により成形加工することを特徴とする。研削後研磨加工を付加することにより評価部の底面を一層平滑にすることができる。
請求項11のマイクロ化学システム用チップの製造方法によれば、溝の全体の加工を、所定形状の凸部を有する押し型を加熱したガラス基板に圧力を加えて圧入させて成形加工し、その後評価部となる部分のみを研削加工(二次加工)をする。研削加工をする部分は溝全体の一部であるため短時間で加工できる。また、評価部に研削加工を付加することにより、その部分の流路底面について平面性と平滑性が確保されたチップとすることができる。評価部の流路の断面アスペクト比を高くすることができる。さらに評価部の断面形状を略矩形に成形加工することができる。溝の研削仕上げ加工に用いる砥石の仕様、研削条件を適当に設定することにより、流路断面の形状、大きさを、生成する熱レンズの形状に合わせて最適化して調整することができる。研削後研磨加工を付加することにより評価部の底面を一層平滑にすることができる。
請求項12に記載のマイクロ化学システム用チップの製造方法は、請求項10又は11において、評価部の研削成形加工に円盤状砥石を用いる加工であることを特徴とする。
評価部の溝の底面と側面とを同時に研削成形することができる。この方法は、溝の断面形状を略矩形にするのに好都合である。
請求項13に記載のマイクロ化学システム用チップの製造方法は、請求項10又は11において、評価部の研削成形加工に小径円筒砥石を用いる加工であることを特徴とする。小径円筒砥石は安価に入手できるので、加工コストの低減に好都合である。
請求項14に記載の光熱変換分析方法は、請求項1〜9のいずれかに記載のマイクロ化学システム用チップの流路に試料溶液を注入し、前記流路の評価部における試料溶液中に熱レンズを形成して行うことを特徴とする光熱変換分光分析方法である。
試料溶液中に生じる屈折率分布に起因する熱レンズの形成を、流路の底面が平面でかつ平滑な部分で行うので、流路より出射する光量を精度よく再現性よく検出することができる。
本発明のマイクロ化学システム用チップは、研削の後加工仕上げにより評価部の流路の底面が平面性と平滑性を有しているので、流路から出射する光量を正確かつ再現性よく検出することができる。これにより、たとえば試料溶液中の溶質の濃度測定を高精度で安定的に行うことができる。また、本発明のマイクロ化学システム用チップは、評価部の流路の断面アスペクト比が大きいチップであり、評価部の流路の深さ方向の寸法が形成される熱レンズの大きさを考慮して形成されたチップであるので、熱レンズを効果的に流路内に収容して生成させることができ、TLM出力レベルを大きくすることができ、もって測定感度を高めることができる。
本発明のマイクロ化学システク用チップの製造方法は、流路となる溝の加工を、溝全体を成形加工する工程とその後評価部となる溝の一部を研削による後加工する工程を有する。すなわち、高精度かつ再現性のよい測定をするための流路の底面形状として必要な平面性と平滑性を評価部のみついて加工するので、加工コストを低廉にすることができる。また、測定、分析に応じて評価部の流路の断面形状を研削加工条件を選ぶことにより設定することができる。
本発明のマイクロ化学システム用チップを用いて、試料溶液中に熱レンズを形成させる光熱変換分光分析は、マイクロ化学システム用チップに起因する検出光量へのバラツキが少なく、高精度で再現性のよい分析測定を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1(a)は、本発明のマイクロ化学システム用チップの一実施例の断面図及び分解図であり、図1(b)は本発明のマイクロ化学システム用チップの流路の配置を説明するための他の実施例の図である。
本発明のマイクロ化学システム用チップ20は、2層に貼り合わせ接着されたガラス基板201、202からなる。一方のガラス基板201(上板:中央の図)には、注入孔203aと排出孔203bが設けられ、他方のガラス基板(下板:下側の図)にはガラス基板の一方の表面に2枚のガラス基板が貼り合わせられて流路204となる溝204が成形加工されている。溝204の一部は貼り合わせ後評価部の流路となる溝204aを有する。ガラス基板201と202が貼り合わされて、上図の断面図で示されるマイクロ化学システム用チップとなる。
マイクロ化学システム用チップ20は、内部にガラス基板の貼り合わせにより生じる流路204を有する。流路204は、注入部204bとそれに続く評価部204aとからなり、注入孔203aから流路204内に注入された試料溶液は注入部204bに導入され、評価部204aにおいて図1(a)の上図の上方向から照射される励起光(図示されない)により評価部204aにおける試料溶液中で生成する熱レンズにより溶質の濃度、流速測定等が行われる。本発明のマイクロ化学システム用チップを用いて、試料溶液の混合、撹絆、合成、分離、抽出、検出等の単位操作を微小スケールで行うことができる。
マイクロ化学システム用チップ20の部材としては、耐久性、耐薬品性、光透過牲の面からガラスが望ましく、細胞等の生体試料、例えばDNA解析用としての用途を考慮すると、耐酸性、耐アルカリ性の高いガラス、具体的には硼珪酸、ソーダライムガラス、アルミノ硼珪酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が好ましい。
ガラス基板201,202同士を接着させる接着剤には、例えば紫外線硬化型、熱硬化型、2液硬化型のアクリル系やエポキシ系の有機接着剤及ぴ無機接着剤等が例示できる。また熱融着によってガラス基板201と202を融着させてもよい。
図1(b)は、一つのチップに複数の流路が配設されている例である。試料注入部207に、独立した複数の注入孔205,・・・が設けられ、各注入孔に連通する流路204、・・・は、評価部204a、・・・で互いに近接配置されている。試料排出部208には各流路に共通の排出孔206が設けられている。評価部204の流路204、・・・間のピッチは、試料注入部207の流路204、・・・間のピッチより狭くなっている。このような形状に流路204が形成されることにより、試料溶液の注入を空間的に容易にすることができ、また複数本の流路を横断して励起光をスキャンする距離を短くすることができる。以て測定時間を短く、測定を高精度で且つ安定的に行うことができる。
図8は、本発明のマイクロ化学システム用チップを用いて光熱変換分光分析を実施するマイクロ化学システム(光熱変換分光分析装置)の要部構成図である。図8において、マイクロ化学システム用チップ20は、マイクロ化学システム1の励起光及び検出光の光路内に設置固定され、流路20に照射された励起光により試料溶液内に熱レンズ(図示されない)が生成する。一方同時に流路ないに入射された検出光が、流路204内に生成した熱レンズによりその方向が曲げられて通過し、流路204から出射して、光電変換器401によりその光量が測定される。
図8において、マイクロ化学システム1は、マイクロ化学システム用チップ20内に形成された流路204中の試料溶液に励起光及び検出光を照射する照射部1aと共に、マイクロ化学システム用チップ20を通過し検出光を受光する受光部1bとから成る。照射部1aは、波長532nmの励起光を出力する励起光用光源106と、波長635nmの検出光を出力する検出光用光源107と、励起光用光源106が出力する励起光を変調する変調器108と、励起光用光源106及ぴ検出光用光源107に夫々光ファイバを介して接続され、励起光用光源106からの励起光と検出光用光源107からの検出光を合波する2波長合波索子109と、合波された光をフェルール104を介して受光すると共に、内部に流路204が形成されるマイクロ化学システム用チップ20に合波された光を先端のロッドレンズ101から照射するレンズ付き光ファイパ10と、レンズ付き光ファイバ10の位置をマイクロ化学システム用チップ20の流路204に面するように調整・保持する治具102とから成る。
レンズ付き光ファイバ10の先端にある対物レンズ(集光レンズ)としてのロッドレンズ101は、合波された光を約20度の集光角度で集光する。また、フェルール104は、光ファイバ103の外径をロッドレンズ101の外径と等しくするものであり、ロッドレンズ101とは密着していてもよいし、隙聞があっても良い。
このように照射部1aを構成することにより、励起光と検出光とが合波された光をマイクロ化学システム用チップ20に照射でき、且つ、励起光及ぴ検出光の焦点が流路204の中に位置するように調整することができる。
受光部1bは、マイクロ化学システム用チップ20を通過した励起光及ぴ検出光を受光すると共に、検出光のみを選択的に濾波する波長フィルタ402と、濾波された検出光の信号強度を検出する光電変換器401と、光電変換器401から検出光の信号強度を変調器108と同期させるロックインアンプ403と、この信号を解析するコンビュータ404とから成る。
図8のマイクロ化学システム1により、励起光を流路204における評価部204a内の試料溶液に照射する前後の検出光の信号強度の差(以下TLM出力という)を測定する。即ち、試料溶液に熱レンズが形成される前後における検出光の信号強度を光電変換器401で検出することで光熱変換分光分析が行われる。
次に、本発明のマイクロ化学システム用チップの製造方法について説明する。図6は、本発明のマイクロ化学システム用チップ20の製造工程のフロ一チャートである。ガラス基板201,202を同一の寸法の板状部材となるよう切断加工(ステップS601)後、ガラス基板201にドリル等により注入孔を形成する(ステップS602)。次にフォトリソグラフィーによりガラス基板202の表面にフォトレジストを流路のパターン形状に応じた形状にマスキング材として施し、フッ化水素酸水溶液を主成分とするエッチング液を用いてエッチング処理する。
たとえば、ガラス基板の表面をクロム(Cr)や金(Au)からなる金属皮膜でマスキング処理し、さらにこの上に感光性樹脂からなるフォトレジストを均一に塗布した後に乾燥させ、表面を被覆する。ついで、表面に所望の流路となる溝の形状と相補的な形状に切り欠かれたネガマスクを配し、この表面側から紫外光を照射してフォトレジストを感光、現像により溝形状を持つ金属皮膜を露出させる。その後、金属皮膜をエッチングして、ガラス面を露出させる。このガラスの露出部分をフッ化水素酸水溶液を主成分とするエッチング液を用いてエッチング処理することで、半円形状断面の流路を有するマイクロ化学システム用チップ部材が形成される。すなわち半円状の断面形状をもつ溝をガラス基板表面に加工する(ステップS603)。
次に溝のうち流路の評価部となる部分について、研削加工により半円形状の溝を矩形状に成形加工する(ステップS604)。これにより次の接合工程で評価部204aが形成される。その後流路204が加工されたガラス基板202の加工面とガラス基板1とを注入孔と溝とが連通するように、加熱融着又は接着剤により貼り合わせて、ガラス基板201と202を接合する(ステップS605)。
本発明のマイクロ化学システム用チップの製造方法は、ガラス基板に対して何らかの方法で溝を形成した後に、熱レンズ等による光学的に評価を行う評価部に選択的に研削加工により、断面略矩形状で鏡面に近い表面平滑性を与えることができる。たとえば、フォトリソグラフィーとウェットエッチングにより成形加工された断面形状が半円形状である流路や熱プレスにより加工された表面凹凸が粗い流路を、断面アスペクト比が高く、断面矩形状で、その表面が鏡面にすることができる。
流路204における評価部204aの流路の断面は、ステップS603の直後では幅100μm、深さ40μmの半円形状である場合、ステップS604の直後では幅が200μm、深さ220μm程度の略矩形(断面アスペクト比が約1.1)にすることができる。研削加工の条件を選択することにより断面アスペクト比を2.0以上に高めることが可能である。この場合、測定をより高糖度で且つ安定的に行うことができる。
ガラス基板202に形成する溝の加工をウェットエッチング法により行うことにより、溝の断面形状は半円状になるが、研削加工を付加することにより、評価部204aの深さを90μm〜150μmであって、その断面アスペクト比を0.7以上にすることができる。
また、評価部204aの底面に、励起光により生じる熱レンズの光軸方向と垂直な部分を確実に含ませることができ、以て、励起光の照射位置が評価部204aの幅方向に関してずれても、TLM出力が変動するのを防止することができる。
図6のステップS603の溝の成形加工を、加熱したガラスに所定の凸部を有する押し型を押圧する熱プレス法等他の方法によっても、本発明のマイクロ化学システム用チップを製造することができる。溝成形加工の第一段階を熱プレス法で行う場合、熱プレス後の溝の底面粗さをRa値で3μm〜5μm程度にすることが可能であり、第二段階の研削に加工によりその値を60nm程度以下に平滑化することができる。
(研削加工の詳細1)
次に本発明のマイクロ化学システム用チップの評価部を形成する研削加工について詳述する。図9は研削加工に用いる研削加工装置の概略平面図及び断面図である。図9に示す加工装置は加工テーブルとスピンドルにより構成され、加工テーブルはX、Yおよびθ方向に移動させることができ、X軸移動方向が円盤状薄刃砥石302の回転面と平行になっている。円盤状薄刃砥石302はスピンドル軸に取り付けられており、Z軸方向に移動可能である。スピンドルに固定された円盤状薄刃砥石302は、図示しないモーターにより回転しながら、ガラス基板202に押し当てられ研削加工が行われる。なお、研削加工中は加工箇所に図示しないノズルより研削液を供給する。
ガラス基板202を加工テーブル上に載置し、θ軸回転により形成する溝の方向をX軸移動方向と平行に調整する。研削加工装置には、加工テーブルにZ軸周りに回転可能なθ軸調整機構が付与されているが、θ軸調整機構が付与されていない場合でも、冶具等により溝方向と加工テーブルのX軸移動方向との平行度を調整することが可能である。次に、流路の評価部204aとなる位置と円盤状薄刃砥石302との位置合わせをおこない、研削加工を行う。図1(b)に複数本の流路を有するマイクロ化学システム用チップを製造する場合は、各流路(各溝)に対応させて加工テーブルをY軸方向に送り、それぞれの溝に対して研削加工を行えばよい。
たとえば、φ72mm、0.2mm厚み、#1200ダイヤモンド砥粒のレジンボンドによる円盤状薄刃砥石を使用(砥石厚みは、ウェットエッチングに形成された溝幅よりも広いため、薄刃砥石が溝幅に対してセンター振り分けになるように位置調整する)し、回転数10,000rpm、切り込み量100μmの2回切り込み、送り速度0.5mm/secとし、3mmの長さだけX軸方向に送る条件で研削加工を行うことにより、ウェットエッチングで幅100μm、深さ50μmの半円形状の溝の評価部(相当部)の断面形状は、幅200μm、深さ200μmの矩形状にすることができる。そして溝の底面の粗さRa値は50nm程度であった。円盤状薄刃砥石302の砥粒粒度を#2000とすることにより、加工面粗さRaを20nm程度に平滑度を向上させることができる。研削加工後、厚み0.2mmの円盤状ウレタンパッドを回転させて、酸化セリウムを砥粒として研磨加工をすることにより、流路の表面粗さをRa値で1nm程度の、より平滑度が向上した面が得られる。上記の研削加工を、溝ピッチに合わせたマルチブレードタイプの薄刃砥石を用いれば、多数の溝を一括して加工することが可能である。
(研削加工の詳細2)
図10は、本発明のマイクロ化学システム用チップの製造に用いる研削加工装置の概略平面図及び断面図である。
図9の研削加工装置とは、円盤状薄刃回転砥石を小径円筒状砥石に置き換えたこと以外は同じである。たとえば、小径円筒状砥石(φ200μmの#1200のダイヤモンド砥粒のレジンボンド砥石)を砥石径が溝幅よりも広いため、溝に対してセンター振り分けになるように位置調整をおこない、加工条件として回転数40000rpm、切り込み量100μmの2回切り込み、送り速度は0.5mm/secとし、3mmの長さだけX軸方向に送り、成型研削加工を行うことにより、ウェットエッチングによる溝形成加工で幅100μm、深さ50μmの半円形状の溝の評価部(相当部)の断面形状を、幅200μm、深さ200μmの矩形状で、溝の底面の粗さRa値を50nm程度にすることができる。円盤状薄刃砥石302の砥粒粒度を#2000とすることにより、面粗さがRa値で20nm程にの平滑度を向上させることができる。研削加工後、φ0.2mm径のウレタンビットを回転させて、酸化セリウムを砥粒として研磨加工をすることにより、面粗さがRa値で1nm程度にすることができる。
(実験1)
フッ化水素酸水溶液によるウェットエッチング法で一方のガラス基板の表面に溝を加工し、その後図9に示す研削加工装置を用いて熱レンズが形成される評価部について、幅200μm、深さ200μmの略矩形の断面形状をもつように研削加工をした。研削加工した部分の溝の底面粗さはRa値で50nmであった。このガラス基板と、注入孔及び排出孔を加工したガラス基板とを接着剤で貼り合わせて固定してガラス製チップを作製した。このガラス製チップを用いて、評価部の流路の深さがTLM出力に与える影響を調べた。
このガラス製チップを図8で示されるマイクロ化学システム1に、検出光の光軸が評価部の幅方向に関して中央に位置するように、ロッドレンズ101の位置を調整してセットした。その後、図2に示すように、ロッドレンズ101をTLM出力がゼロの位置から検出光の焦点位置が評価部内を通過する方向(光軸方向)に移動させ、再度TLM出力がゼロになる位置で停止させた。図2は、検出光の焦点位置がY1となるようにロッドレンズ101の光軸方向の位置を調整したときのTLM出力がI1であることを示す。
TLM出力は、図2で示されるようにロッドレンズ光軸方向の一方向に対してピーク値を有し、ピーク位置となる焦点位置の範囲をA(μm)とし、評価部の深さ200μmからAの値を引いた値を評価部内に形成されている熱レンズの光軸方向の長さLとした。熱レンズを形成する試料溶液は、サンセットイエローの種々の濃度の水溶液を用いた。
図3(横軸の濃度の表示単位1.00E−05は1.00×10-5を意味する)に示すように、熱レンズの光軸方向の長さLは、試料溶液の溶質の濃度が大きいほど大きくなり、10-7〜10-4mol/l(mol/dm3)の広範囲の濃度で、90μmから150μmへと増加し、ほぼ150μmで飽和した。この結果から、評価部の深さは、流路が熱レンズの大部分を収容し、90μm以上であるのがよく、実質的に全部を余裕をもって収容するには、150μm以上であるのがより好ましいことが判明した。
ロッドレンズ101を通過した励起光の焦点位置が流路の深さ方向のずれ、あるいはチップの光軸方向のセット位置にずれたても、評価部の流路の深さ方向寸法が90μm以上好ましくは150μm以上であれば、TLM出力が大きく変動するのを防止することができ、再現性よくTLM出力を得ることができる。
(実験2)
次に、ロッドレンズから集光照射される検出光の評価部での幅方向の位置とTLM出力との関係について調べた。チップを図1に示すマイクロ化学システム内のチップステージ(図示されない)上にセットし、検出光が溝を幅方向に横切るようにチップを相対的に移動させながらTLM出力を計測した結果を図4に示す。
図4(b)は、実施例1で用いたチップと同じチップについての結果を示し、図4(a)は、実施例1で用いたチップとは、評価部に研削加工をしないことの他は同じようにして作製したチップ(ウェットエッチング加工のみで流路を形成したチップ)についての結果である。すなわち図4(a)で示す測定結果は、図5(a)に示すように、断面形状が幅100μm、深さ50μmの半円状の流路を有するガラス製チップの測定結果であり、図4(b)で示す測定結果は、図5(b)に示すように、断面形状が幅200μm、深さ200μmの略矩形状の流路(評価部)を有するガラス製チップの測定結果である。試料溶液には、いずれの実験にもサンセットイエローの水溶液(5×10-6mol/dm3:熱レンズの軸方向の長さが約150μm)を用いた。
具体的には、検出光の光軸が流路の幅方向に関して中央に位置したときに、検出光の焦点位置が試料溶液中に位置するようにロッドレンズ101の位置を調整し、その後、ロッドレンズをTLM出力がゼロとなる位置からチップを移動させ、再度TLM出力がゼロになった位置で停止させ、所定の位置でのTLM出力を測定した。
図4(a)に示すように従来のチップでは、流路の底面が半円状であるので、ロッドレンズ101の位置が変化して励起光の照射位置が評価部の幅方向にずれることによりTLM出力は大きく変化するのに対し、図4(b)の本発明のチップでは、評価部の流路断面が矩形状で、底面が励起光の光軸方向と垂直な平面部分を有するので、ロッドレンズ101の位置が変化して励起光の照射位置が評価部204の幅方向にずれても、TLM出力が変化せずに、一定の値となる範囲を有することが分かる。
これは、図3で上述したように、熱レンズの光軸方向の長さLは90μm〜150μm程度あるため、図5に示すように励起光が照射されることにより試料溶液中に形成される熱レンズの大きさは、評価部の溝深さに依存するからである。
なお、評価部の溝深さが150μm以上である部分が溝の幅方向に一定の長さ以上に確保できれば、底面が半円状であっても、検出光の照射位置が変化してもTLM出力が変動せず本発明の目的を一応達成することができる。
しかしながら、ウェットエッチングのみの溝加工で評価部を形成(断面アスペクト比は通常0.5以下となる)すると、深さ150μm以上の評価部を形成しようとすると、その流路の幅は300μm上と大きくする必要があり、一つのチップに流路を複数配設する場合、流路のピッチが広くなるため高密度化が難しくなる。また微少流量で分析などの単位操作ができなくなるので好ましくない。
(実験3)
評価部の溝の底面の粗さがTLM出力値の再現性(バラツキ)に及ぼす影響について調べた。用いたガラス製チップは、実施例1のチップと同様ウェットエッチングによる溝加工とそれに続く研削後加工により作製した。評価部の底面の粗さは、研削加工時に用いる円盤状薄刃砥石の砥粒の大きさにより調整してチップサンプルを作製した。TLM出力値の安定性の指標としてCV値を用いた。CV値(%)は、(TLM出力の標準偏差)/(TLM出力の平均値)×100で求め、CV値が小さい程、再現性がよく安定した測定ができることを示している。
評価部の流路の底面の粗さが、Ra値で15nm〜110nmの範囲の値を有するガラス製チップについて、評価部を溝幅方向に複数点スキャンし、各位置で得られたTLM出力値からCV値を算出し、CV値と流路の底面の粗さ(Ra値)との関係を求めた。結果を図7に示す。図7に示すように、評価部の面粗さが良好な程CV値が小さくなった。評価部底面の面粗さRaが60nm以下であれば安定した計測が可能であり、Raが30nmであればより安定した計測が可能である。
CV値の大きさ(測定の安定性)に与える因子としては、励起光源や検出光源の出力光の安定性、光電変換器の感度の安定性等の光学的因子、チップの流路形状に関する形状因子、チップの励起光や検出光に対するセット位置の正確さに関係する位置決め機構的因子などが考えられる。図7において、流路の低面の粗さが30nm以下にすることができた。20nmにすることにより、CV値が2%という小さな値にまで減少した。この値は、チップの形状以外の因子、たとえば光学的なふらつきなどのチップの溝形状以外のバラツキ因子によるものと考えられる。
本発明のマイクロ化学システム用チップは、微少流量の試料溶液を流すチップとして用いられ、試料溶液中に生成する熱レンズを利用する光熱変換分光分析を実施するのに用いられる。
図1(a)は本発明のマイクロ化学システム用チップの一実施例の断面図及び平面図であり、図1(b)は他の実施例の流路形状を示す図である。 本発明のマイクロ化学システム用チップを用いる光熱変換分光分析法における励起光の焦点位置とTLM出力の関係を示す図である。 マイクロ化学システム用チップを用いる光熱変換分光分析法において形成される熱レンズの光軸方向の長さと試斜溶液濃度との関係を示す図である。 図4(a)は、従来技術のマイクロ化学システム用チップの励起光の焦点位置とTLM出力の関係を示す図であり、図4(b)は、本発明のマイクロ化学システム用チップの励起光の焦点位置とTLM出力の関係を示す図である。 図5(a)は、従来技術のマイクロ化学システム用チップの評価部の断面形状と形成される熱レンズとの位置関係を示す図であり、図5(b)は、本発明のマイクロ化学システム用チップの評価部の断面形状と形成される熱レンズとの位置関係を示す図である。 本発明のマイクロ化学システム用チップの製造工程のフローチャートである。 マイクロ化学システム用チップの評価部の底面の面粗さと検出信号強度の再現性(CV値)を示す図である。 本発明のマイクロ化学システム用チップを用いる光熱変換分光分析装置の概略構成図である。 評価部の研削加工に用いる研削加工装置の概略構成図である。 評価部の研削加工に用いる研削加工装置の概略構成図である。
符号の説明
1:マイクロ化学システム
1a:照射部
1b:受光部
10:レンズ付き光ファイバ
101:ロッドレンズ
106:励起光用光源
107:検出光用光源
108:変調器
20:マイクロ化学システム用チップ
201、202:基板
203a:注入孔
203b:排出孔
204:流路
204a:評価部
205:注入孔
206:排出孔
207:試斜溶液注入部
208:試料溶液排出部
301:円盤状砥石を使用した研削装置
302:円盤状砥石
305:小径円筒砥石を使用した研削装置
306:小径円筒砥石
401:光電変換器

Claims (14)

  1. 試料溶液を流す流路となる溝が成形加工された基板に、前記溝を覆うように他方の基板を貼り合わせて得られる内部に流路を有するマイクロ化学システム用チップにおいて、前記流路のうち光学的手段により測定する評価部について、少なくともその底面が研削により後加工されていることを特徴とするマイクロ化学システム用チップ。
  2. 前記流路の評価部の底面が前記研削の後加工に引き続き研磨加工により平滑化されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ化学システム用チップ。
  3. 前記評価部の断面形状が略矩形であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロ化学システム用チップ。
  4. 前記評価部の底面の面粗さが平均粗さRa値で60nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロ化学システム用チップ。
  5. 前記評価部の底面の面粗さが平均粗さRa値で30nm以下であることを特徴とする請求項4に記載のマイクロ化学システム用チップ。
  6. 前記評価部の流路の断面のアスペクト比が0.7以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロ化学システム用チップ。
  7. 前記評価部の流路の断面のアスペクト比が1.1以上であることを特徴とする請求項6に記載のマイクロ化学システム用チップ。
  8. 前記評価部の深さ方向の寸法が90μm以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のマイクロ化学システム用チップ。
  9. 前記評価部の深さ方向の寸法が150μm以上であることを特徴とする請求項8に記載のマイクロ化学システム用チップ。
  10. 試料溶液を流すための流路となる溝を成形加工して一方のガラス基板とし、前記溝を覆うように他方のガラス基板を貼り合わせて内部に流路を有するマイクロ化学システム用チップを製造する方法において、前記溝をウェットエッチングにより成形加工し、その後流路の評価部となる溝の一部を研削により成形加工することを特徴とするマイクロ化学システム用チップの製造方法。
  11. 試料溶液を流すための流路となる溝を成形加工して一方のガラス基板とし、前記溝を覆うように他方のガラス基板を貼り合わせて内部に流路を有するマイクロ化学システム用チップを製造する方法において、前記溝を熱プレス法により成形加工し、その後流路の評価部となる溝の一部を研削により成形加工することを特徴とするマイクロ化学システム用チップの製造方法。
  12. 前記評価部の研削による成形加工が円盤状砥石を用いる加工であることを特徴とする請求項10又は11に記載のマイクロ化学システム用チップの製造方法。
  13. 前記評価部の研削による成形加工が小径円筒砥石を用いる加工であることを特徴とする請求項10又は11に記載のマイクロ化学システム用チップの製造方法。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載のマイクロ化学システム用チップの流路に試料溶液を供給し、前記流路の評価部を流れる試料溶液中に熱レンズを形成させることを特徴とする光熱変換分光分析方法。
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