JP4468875B2 - 表面プラズモン共鳴スペクトル測定用のプリズム・液溜め一体型チップ、その製造方法、およびそれを用いた表面プラズモン共鳴測定装置 - Google Patents

表面プラズモン共鳴スペクトル測定用のプリズム・液溜め一体型チップ、その製造方法、およびそれを用いた表面プラズモン共鳴測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、表面プラズモン共鳴測定に関し、より詳細には、表面プラズモン共鳴スペクトル測定用のプリズム・液溜め一体型チップ、その製造方法、およびそれを用いた表面プラズモン共鳴測定装置に関する。
表面プラズモン共鳴測定は、金、銀、あるいは同薄膜が形成されたプリズムへ全反射条件となるように光を入射させ、反射光の角度スペクトルを求め、スペクトル中に現れる吸収ピークから、金属薄膜に接している物質の屈折率あるいはその変化を測定する手法である。
例えば、イオノフォア、抗体、酵素、分子インプリントポリマー等の分子特異的な反応を生じる物質を金属薄膜上に固定すれば、測定対象物と固定された分子特異性を有する物質との間の選択的反応が屈折率変化を生じさせることから、表面プラズモン共鳴センサを用いてイオン、抗原、酵素の基質、あるいはそのほかの物質の濃度を測定することができる。
従来の表面プラズモン共鳴測定装置は、高価で正確な研磨を施したプリズムを用い、そのプリズムを不動あるいは稼動可能な台の上に固定し、光源およびカメラ等の検出器を適正に配置させた構成をもっている。センシング機能を持たせるため、分子特異性を有する物質を金属薄膜上に形成することが必要であるが、プリズム上に直接修飾していては安価な測定ができない。そこで、プリズムと同じ素材の基板を用意し、基板上に金属薄膜および修飾層の形成を行い、基板をオイルあるいはフィルムを介して、プリズムと接着させる手法が一般的に行われている。一方で、このオイルやフィルムによる接着層の厚さ、および接着具合は表面プラズモン共鳴スペクトルに影響を与えるため、実測時には、基板のプリズムへのマウント時におけるオイルおよびフィルム厚さの正確な制御が必要である。
これに対し、プリズムとプリズム上に液溜めを可能とするカップ構造の液体保持部とを一体としたチップ(以下、プリズム・液溜め一体型チップともいう)及びそれを用いた表面プラズモン共鳴測定装置が提案されている(例えば、非特許参考文献1参照)。このプリズム・液溜め一体型チップを使い捨て可能な部品とし、交換と同時にプリズムそのものも交換してしまうことから、従来問題であったプリズムと基板との間の接着層に起因する測定誤差がなくなる。この以前から提案されているプリズム・液溜め一体型チップは、四角錘の頂点を切り取った形状を持っており、光の入射・出射は、四角錐の平面部分で行われる。
特開2004−117955号公報 納谷昌之,外4名,"高感度SPRセンサ",光設計研究グループ第31回研究会,社団法人応用物理学会分科会 日本光学会,2004年12月,p.21−25
しかしながら、従来のプリズム・液溜め一体型チップを用いた表面プラズモン共鳴測定装置は、測定のたびにプリズム・液溜め一体型チップを表面プラズモン共鳴測定装置へ入れ替えることによって、光入射面が平面の場合、入射光の光路が平面の法線からずれてしまい、入射光の反射成分および散乱成分が増加するという問題があった。また、入れ替えられたプリズム・液溜め一体型チップの間に測定誤差が生じるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、表面プラズモン共鳴測定装置への入れ替えの際に、高精度な位置決めを不要とするプリズム・液溜め一体型チップ提供することにある。また、安価なプリズム・液溜め一体型チップを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、座刳りを有するフランジと、前記座刳りと対向する面に設けられた液溜め部と、前記液溜め部の底部に形成された金属薄膜と、前記座刳りに形成された半円球プリズムとを備え、前記半円球プリズムは、前記座刳りに樹脂を滴下し硬化させて形成されたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記液溜め部は、カップ構造を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の液溜め部は、インレットおよびアウトレットを備えたフローセル構造を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1,2,または3に記載の半円球プリズムは、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルおよびビニルシクロヘキサンジオキサイドを主成分とする樹脂であって、屈折率が1.46乃至1.67であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1,2,または3に記載の半円球プリズムは、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびメタクリレートを主成分とするアクリル系樹脂であって、屈折率が1.46乃至1.67であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、表面プラズモン共鳴測定装置であって、着脱可能な、請求項1乃至5のいずれかに記載のプリズム・液溜め一体型チップと、前記半円球プリズムの直径より大きく、前記フランジの直径より小さな開口部を有し、当該開口部に前記半円球プリズムを収めて前記プリズム・液溜め一体型チップを保持するホルダーと、光源および検光部を含み、前記光源からの光が前記半円球プリズムへ入力され前記フランジと前記金属薄膜との界面で全反射するように調整された光学系とを備えたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、プリズム・液溜め一体型チップの製造方法であって、座刳りを有するフランジと、前記フランジの前記座刳りと対向する面に設けられたカップ構造の液溜め部を作製するステップと、ディスペンサまたはインクジェットを用いて樹脂を前記座刳りに滴下するステップと、滴下した前記樹脂を硬化させて半円球プリズムを形成するステップと、前記カップ構造の液溜め部の底部に金属薄膜を形成するステップとを含むことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、プリズム・液溜め一体型チップの製造方法であって、座刳りを有するフランジを作製するステップと、ディスペンサまたはインクジェットを用いて樹脂を前記座刳りに滴下するステップと、滴下した前記樹脂を硬化させて半円球プリズムを形成するステップと、前記フランジの前記座刳りと対向する面に金属薄膜を形成するステップと、フローセル構造の液溜め部を前記フランジの前記座刳りと対向する面に結合するステップとを含むことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の樹脂は、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルおよびビニルシクロヘキサンジオキサイドを主成分とし、当該樹脂の組成は、硬化後の屈折率が1.46乃至1.67となるように調製されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項7または8に記載の樹脂は、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびメタクリレートを主成分とするアクリル系樹脂であって、当該樹脂の組成は、硬化後の屈折率が1.46乃至1.67となるように調製されていることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、表面プラズモン共鳴測定装置への入れ替えの際に、高精度な位置決めを不要とするプリズム・液溜め一体型チップ提供することができる。また、安価なプリズム・液溜め一体型チップを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
本発明に係るプリズム・液溜め一体型チップは、座刳りを有するフランジと、前記座刳りと対向する面に設けられた液溜め部と、液溜め部の底部に形成された金属薄膜と、座刳りに形成された半円球プリズムとを備える。
また、本発明に係るプリズム・液溜め一体型チップを用いた表面プラズモン共鳴測定装置は、着脱可能なプリズム・液溜め一体型チップと、該プリズム・液溜め一体型チップを保持する、半円球プリズムの直径より大きな開口部、及び半円球プリズムの半径よりも長い足を有するホルダーと、光源、光源からの光を反射し、半円球プリズムに入力するミラー、半円球プリズム平面で反射され出力された光を透過する偏光子、及び偏光子を透過した光を反射し検光部へ入力するミラーから構成される光学系とを備える。
[第1の実施形態]
図3を参照して、本発明に係るプリズム・液溜め一体型チップの第1の実施形態を説明する。図3(a),(b),(c)はそれぞれ、本実施形態のプリズム・液溜め一体型チップを上から見た図、垂直方向の断面図、下から見た図である。
プリズム・液溜め一体型チップは、座刳り12を有するフランジ10と、座刳りと対向するフランジの面に設けられたカップ構造の液溜め部4と、カップ構造の液溜め部の底部に形成された金属薄膜9と、座刳りに形成された半円球プリズム5とを備える。
フランジ10には、プリズム・液溜め一体型チップを以下に説明する表面プラズモン共鳴測定装置のホルダーに安定に設置することができるように、切り欠き11a,11b,及び11cが設けられている。
フランジ10は、カップ構造の液溜め部4に溶液等を注入する際等に起こり得る、溶液による半円球プリズムの汚染を防ぐ機能も有している。
プリズム・液溜め一体型チップを用いて表面プラズモン共鳴測定を行う場合には、金属薄膜9に固着するように修飾層が形成され、カップ構造の液溜め部4に、イオン、抗原、酵素の基質等の物質が含む溶液が注入出される。
金属薄膜9は、金、銀または銅などの薄膜であり、蒸着法、スパッタ法、あるいはウェット法により形成される。金属薄膜の厚さは、光学計算から求められる最適厚さで作製される。
半円球プリズム5は、安価で使い捨てに適したプラスチック製である。プラスチック製の半円球プリズムの製作方法は、以下に説明する。
なお、本実施形態では、プリズム・液溜め一体型チップを以下に説明する表面プラズモン共鳴測定装置のホルダーに容易に設置することができるように、フランジ10に切り欠きが3つ(11a,11b,及び11c)設けられている例を示したが、切り欠きの数はこれに限定されるものはなく、あるいは、図7(c)に示すように切り欠きに代えてオリフラを設けても良い。
(本実施形態のプリズム・液溜め一体型チップの作製方法)
図2を参照して、本実施形態のプリズム・液溜め一体型チップの作製方法を説明する。
(1)まず、金型を用いて、座刳り12を有するフランジ10と、座刳りと対向する面に設けられたカップ構造の液溜め部4とを作製する。
(2)次いで、半円球プリズム5の材料である樹脂(ポリマー溶液)をディスペンサに充填して座刳りに滴下する。
(3)座刳りに滴下した樹脂を硬化させる。
(4)次いで、金属薄膜を形成する。
フランジ10及びカップ構造の液溜め部4の材料には、ビニルエーテル系樹脂(1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル)および脂環型エポキシ樹脂(ビニルシクロヘキサンジオキサイド)を主成分とする、硬化後屈折率が1.513となる樹脂を用いることができる。
半円球プリズム5の材料としては、使用波長に対して透明で、硬化収縮率の低い材料が好ましく、例えば、エポキシ樹脂やアクリル樹脂を用いることが適当である。特に、エポキシ樹脂は、開環重合により硬化するため、副生物を生成せず、硬化収縮率も1〜5%と小さく好適である。ピスフェノールA系エポキシ樹脂をベースとして、反応性希釈剤であるビニルシクロヘキサンや、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等を混合させることで、成形に適した粘度にすることができる。これらの樹脂材料は、溶剤を含まず、100%が硬化成分から構成されるため、硬化後の形状変化が少なく、なめらかな表面を得ることができる。プリズムとして使用する本実施形態では、表面粗さはプリズムの集光特性に大きく影響を及ぼすため、これらの樹脂材料を用いることは特に大きな利点となる。
なお、通常、これらの樹脂材料はポリアミンなどの硬化剤を添加して熱硬化で使用することが多いが、適当な光重合開始剤を添加することで、紫外線硬化とすることも容易である。また、フッ素原子もしくはイオウ原子を含有することによって屈折率を調整することができる。フッ素原子含有量を0〜30%混合することで、屈折率を1.46程度まで下げることができ、また反対に、硫黄原子を混合することで、屈折率を1.67程度まで上げることができる。屈折率は、それらの原子含有量に比例するため、0.01以下の屈折率精度で正確に調整することが可能である。
半円球プリズムの屈折率が表面プラズモン共鳴測定に用いる光の波長および光学系の構成から算出される最適値になるように、材料は調製する必要がある。
半円球プリズム5の材料に用いるエポキシ樹脂は、例えば、ビニルエーテル系樹脂(1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル)、脂環型エポキシ樹脂(ビニルシクロヘキサンジオキサイド)およびスルフォニウム塩系光重合開始剤からなる紫外線硬化樹脂(粘度が6cps程度)とすることができる。ディスペンサでは、高粘度材料も吐出できるため、ビスフェノールA系樹脂をそのまま滴下することもできる。
また、ディスペンサの代わりにインクジェットを用いて半円球プリズムの材料である樹脂を座刳りに滴下することもできる(例えば、特許参考文献1参照)。半円球プリズムを作製する際に、インクジェットを用いる場合には、吐出可能な樹脂粘度が低いため、上記の反応性希釈剤を用いた低粘度化樹脂のほかに、ビニルエーテル系樹脂(1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル)を用いることも有効である。
半円球プリズム5の材料に用いる樹脂を、エポキシ樹脂に代えて、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびメタクリレートを主成分とするアクリル系樹脂とすることができる。上記と同様に屈折率を1.46乃至1.67の範囲で0.01以下の屈折率精度で正確に調整することが可能である。
上記のとおり、半円球プリズムの材料の組成に添加剤を加えることにより、熱硬化紫外線硬化させることができる。
上記(1)乃至(4)にしたがって作製したプリズム・液溜め一体型チップを例示する。作製したプリズム・液溜め一体型チップの液溜め部4は、底が円形で、深さ約8mmの、約300μLの溶液を保持できるカップ構造である。また、フランジ10は直径7mmで、底の中央部分にはフランジの厚み分に相当する円形の座刳り12を有している。
半円球プリズムの材料には、ビニルエーテル系樹脂(1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル)および脂環型エポキシ樹脂(ビニルシクロヘキサンジオキサイド)およびスルフォニウム塩系光重合開始剤からなる紫外線硬化樹脂を用い、これをディスペンサに充填し、ノズルから2.25μLをフランジの座刳りの中央部に滴下させた。
さらに、滴下した紫外線硬化樹脂に100mWcm−2の紫外線を照射し硬化させたところ、フランジ10の座刳り部に直径3mmの半球状のプリズム(硬化後の屈折率1.513)を有するプリズム・液溜め一体型チップを作製することができた。
作製したプリズム・液溜め一体型チップの半円球プリズムについては、表面粗さが0.1μm以下、形状精度が1μm以下の良好な球面が形成されたことを確認することができた。
なお、フランジに設けられた座刳りの形状を円形とすることにより、座刳りの中央部に滴下された樹脂は自然にフランジの中心に半円球を形成するとなり半円球プリズムの偏芯を小さく抑えることが容易となる。これにより、入力される光の集光位置のばらつきが小さくなり、微小量の試料も効率よく測定することができる。
[第2の実施形態]
次に図4を参照して、本発明に係るプリズム・液溜め一体型チップの第2の実施形態を説明する。図4(a),(b),(c)はそれぞれ、本実施形態のプリズム・液溜め一体型チップを上から見た図、垂直方向の断面図、下から見た図をそれぞれ示す。
プリズム・液溜め一体型チップは、座刳り12を有するフランジ10と、座刳りと対向するフランジの面に設けられたフローセル構造の液溜め部16と、フローセル構造の液溜め部の底部に形成された金属薄膜9と、座刳りに形成された半円球プリズム5とを備える。
フローセル構造の液溜め部16は、フランジの面ともに空洞13を形成し、該空洞内に金属薄膜9が形成されている。また、フローセル構造の液溜め部16は、空洞13に繋がるインレット/アウトレット14a及び14bが設けられている。インレット/アウトレット14a及び14bの一方に、チューブを介して送液ポンプあるいはシリンジを接続し、イオン、抗原、酵素の基質等の物質を含む溶液を連続的に空洞13に送り、また溶液を入れ替えることができる。
フランジ10には、プリズム・液溜め一体型チップを以下に説明する表面プラズモン共鳴測定装置のホルダーに安定に設置することができるように、切り欠き11a,11b,及び11cが設けられている。
(本実施形態のプリズム・液溜め一体型チップの作製方法)
図5を参照して、本実施形態のプリズム・液溜め一体型チップの作製方法を説明する。
(1)まず、金型を用いて、座刳り12を有するフランジ10を作製する。
(2)次いで、半円球プリズム5の材料である樹脂(ポリマー溶液)をディスペンサに充填して座刳りに滴下する。
(3)座刳りに滴下した樹脂を硬化させる。
(4)次いで、金属薄膜を形成する。
(5)次いで、フローセル構造の液溜め部16をフランジ10に結合する。
フローセル構造の液溜め部16は、ポリジメチルシロキサンやアクリル等のポリマー材料で作製することができる。
[第3の実施形態]
図1及び図6を参照して、本発明に係るプリズム・液溜め一体型チップを用いた表面プラズモン共鳴測定装置の実施形態を説明する。図1(a),(b)はそれぞれ、本実施形態の表面プラズモン共鳴測定装置を上から見た図、垂直方向の断面図である。本実施形態の表面プラズモン共鳴測定装置は、第1の実施形態で説明したプリズム・液溜め一体型チップ(図3)を用いた表面プラズモン共鳴測定装置である。
本実施形態のプリズム・液溜め一体型チップを用いた表面プラズモン共鳴測定装置は、着脱可能なプリズム・液溜め一体型チップと、プリズム・液溜め一体型チップを保持する、半円球プリズム5の直径より大きく、フランジ10の直径より小さな開口部、及び半円球プリズムの半径よりも長い足を有するホルダー15と、光源1、光源からの光を反射し、半円球プリズムに入力するミラー2a、半円球プリズムに入力されフランジと金属薄膜との界面(本明細書中で、半円球プリズム平面ともいう)で反射され半円球プリズムから出力された光を透過する偏光子6、及び偏光子を透過した光を反射し検光部3へ入力するミラー2bから構成される光学系とを備える。検光部3にはパーソナルコンピュータ(PC)が接続されている。
図6(a),(b)はそれぞれ、図1(b)の一部を示す図、ホルダー15を下から見た図である。ホルダー15は、開口部に半円球プリズムを収め、プリズム・液溜め一体型チップを垂直に保持する。また、ホルダー15には、プリズム・液溜め一体型チップのフランジ10に切り欠きと嵌接する凸部8a,8b,及び8cが設けられている。
光学系は、光源1からの光が半円球プリズム5に入射され、フランジ10と金属薄膜9との界面で光の全反射がおこるように調整されている。
本発明にかかるプリズム・液溜め一体型チップでは、半円球プリズム5に対し、光源1からの光7が半円球を半分とした側(図6(a)の矢印Aで示した範囲)のどこに照射されたとしても、必ず光は中心点に結合する。よって、プリズム・液溜め一体型チップの入れ替えの際に生じうる光軸のずれが原因となる、散乱光・反射光の増大は生じない。このことは、光がプリズム・液溜め一体型チップのプリズム平面の中心点にかならず結合するということを意味し、この結果、光の利用効率が上がり、表面プラズモン共鳴測定における感度向上が図れる。
プリズム・液溜め一体型チップを用いた表面プラズモン共鳴測定装置の他の実施形態では、図7に示すフランジ10にオリフラを設けたプリズム・液溜め一体型チップを用いることができる。この場合、図8(a)に示すように、ホルダー15には、プリズム・液溜め一体型チップのフランジ10のオリフラに接する長方形のストリップが設けられている。なお、図7(a),(b),(c)はそれぞれ、フランジ10にオリフラを設けたプリズム・液溜め一体型チップを上から見た図、垂直方向の断面図、下から見た図である。また、図8(a),(b)はそれぞれ、フランジ10にオリフラを設けたプリズム・液溜め一体型チップを用いた表面プラズモン共鳴測定装置を上から見た図、垂直方向の断面図である。
(表面プラズモン共鳴測定装置の動作)
次に図1を参照して、表面プラズモン共鳴測定装置の動作を説明する。 光源1から出力された光7は、ミラー2aで反射され、半円球プリズム5へ入射され、半円球プリズム平面で反射される。半円球プリズムから出力された光は偏光子6を透過し、ミラー2bで反射され検光部3へ入力され受光される。
カメラ等の検光部3で受光した光に関するデータは、PCへ送信され、データ処理が行われてSPRシグナルを得る校正となっている。
(SPRデータ)
図9に、本実施形態の表面プラズモン共鳴測定装置を用いて、プリズム・液溜め一体型チップのカップ構造の液溜め部4に水を注入して得られた表面プラズモン共鳴スペクトルを示す。
例えば、CCD素子など複数の受光素子を用いたカメラで検光部3を実装する場合、PCで得られるデータの各々は、各受光素子における光強度に相当する。あらかじめ、カメラの受光素子と、フランジと金属薄膜の界面へ入射する光の角度との関係を求めておくことで、図9に示すような、縦軸が光強度、横軸が角度である表面プラズモン共鳴スペクトルを得ることができる。
(a)は本発明の実施形態の表面プラズモン共鳴測定装置を上から見た図、(b)は垂直方向の断面図である。 本発明の実施形態のプリズム・液溜め一体型チップの作製方法を説明するための図である。 (a)は本発明の実施形態のプリズム・液溜め一体型チップを上から見た図、(b)は垂直方向の断面図、(c)は下から見た図である。 (a)は本発明の実施形態のプリズム・液溜め一体型チップを上から見た図、(b)は垂直方向の断面図、(c)は下から見た図である。 本発明の実施形態のプリズム・液溜め一体型チップの作製方法を説明するための図である。 (a)は図1(b)の一部を示す図、(b)は図1(b)のホルダーを下から見た図である。 (a)は本発明の実施形態のフランジにオリフラを設けたプリズム・液溜め一体型チップを上から見た図、(b)は垂直方向の断面図、(c)は下から見た図である。 (a)は本発明の実施形態のフランジ10オリフラを設けたプリズム・液溜め一体型チップを用いた表面プラズモン共鳴測定装置を上から見た図、(b)は垂直方向の断面図である。 本発明の実施形態の表面プラズモン共鳴測定装置を用いて得られた表面プラズモン共鳴スペクトルである。
符号の説明
1 光源
2a,2b ミラー
3 検光部
4 カップ構造の液溜め部
5 半円球プリズム
6 偏光子
7 光
8,8a,8b,8c 凸部
9 金属薄膜
10 フランジ
11a,11b,11c 切り欠き
12 座刳り
13 空洞
14a,14b インレット/アウトレット
15 ホルダー
16 フローセル構造の液溜め部

Claims (10)

  1. 座刳りを有するフランジと、
    前記座刳りと対向する面に設けられた液溜め部と、
    前記液溜め部の底部に形成された金属薄膜と、
    前記座刳りに形成された半円球プリズムと
    を備え
    前記半円球プリズムは、前記座刳りに樹脂を滴下し硬化させて形成されたことを特徴とするプリズム・液溜め一体型チップ。
  2. 前記液溜め部は、カップ構造を有することを特徴とする請求項1に記載のプリズム・液溜め一体型チップ。
  3. 前記液溜め部は、インレットおよびアウトレットを備えたフローセル構造を有することを特徴とする請求項1に記載のプリズム・液溜め一体型チップ。
  4. 前記半円球プリズムは、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルおよびビニルシクロヘキサンジオキサイドを主成分とする樹脂であって、屈折率が1.46乃至1.67であることを特徴とする請求項1,2,または3に記載のプリズム・液溜め一体型チップ。
  5. 前記半円球プリズムは、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびメタクリレートを主成分とするアクリル系樹脂であって、屈折率が1.46乃至1.67であることを特徴とする請求項1,2,または3に記載のプリズム・液溜め一体型チップ。
  6. 着脱可能な、請求項1乃至5のいずれかに記載のプリズム・液溜め一体型チップと、
    前記半円球プリズムの直径より大きく、前記フランジの直径より小さな開口部を有し、当該開口部に前記半円球プリズムを収めて前記プリズム・液溜め一体型チップを保持するホルダーと、
    光源および検光部を含み、前記光源からの光が前記半円球プリズムへ入力され前記フランジと前記金属薄膜との界面で全反射するように調整された光学系と
    を備えたことを特徴とする表面プラズモン共鳴測定装置。
  7. 座刳りを有するフランジと、前記フランジの前記座刳りと対向する面に設けられたカップ構造の液溜め部を作製するステップと、
    ディスペンサまたはインクジェットを用いて樹脂を前記座刳りに滴下するステップと、
    滴下した前記樹脂を硬化させて半円球プリズムを形成するステップと、
    前記カップ構造の液溜め部の底部に金属薄膜を形成するステップと
    を含むことを特徴とするプリズム・液溜め一体型チップの製造方法。
  8. 座刳りを有するフランジを作製するステップと、
    ディスペンサまたはインクジェットを用いて樹脂を前記座刳りに滴下するステップと、
    滴下した前記樹脂を硬化させて半円球プリズムを形成するステップと、
    前記フランジの前記座刳りと対向する面に金属薄膜を形成するステップと、
    フローセル構造の液溜め部を前記フランジの前記座刳りと対向する面に結合するステップと
    を含むことを特徴とするプリズム・液溜め一体型チップの製造方法。
  9. 前記樹脂は、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルおよびビニルシクロヘキサンジオキサイドを主成分とし、当該樹脂の組成は、硬化後の屈折率が1.46乃至1.67となるように調製されていることを特徴とする請求項7または8に記載のプリズム・液溜め一体型チップの製造方法。
  10. 前記樹脂は、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびメタクリレートを主成分とするアクリル系樹脂であって、当該樹脂の組成は、硬化後の屈折率が1.46乃至1.67となるように調製されていることを特徴とする請求項7または8に記載のプリズム・液溜め一体型チップの製造方法。
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