JP2005206881A - 電鋳法によるメタルマスクの製造方法 - Google Patents

電鋳法によるメタルマスクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
メッキによる盛り上がりによる段差が生じることのない、エッチングの精度悪化を伴わない、母材を侵食することなく繰り返して再利用することが出来る、蒸着マスク等のメタルマスク等のプレート状の精密金属部品の製造方法を提供することが本発明の目的である。
【解決手段】
導電性母材表面上に所定パターンのみにレジストを付けた後、レジスト厚みに相当する高さまで第一の金属をメッキし、必要ならば剥離を容易にするための処理をした後、第一の金属の表面上にプレート状の精密金属部品を形成するための金属を電鋳法で形成し、第一の金属とレジストを除去することからなる。
【選択図】図1




Description

本発明は、蒸着マスク等として使用するメタルマスクや精密なスリットを有する金属プレートなどのプレート状の精密金属部品を電鋳法によって製造する方法に関する。
導電性の母材の表面上に所定パターンのみにレジストを付けた後、レジストに覆われていない導電性の母材の部分を利用して電鋳法によってメッシュ状の微細な孔等を有するプレート状の精密金属部品を製造する図2に示すような方法は知られている。しかし、十分な厚みのプレート状の精密金属部品を製作しようとすると、メッキされた金属はレジストの厚みを越えて盛り上がり、レジストが存在する部分にも一部覆いかぶさるように成長する。従って盛り上がり後の部分は盛り上がる前の部分よりも小さくなり、その違いによって段差が生じてしまう。このような段差は用途によっては問題にならないかもしれない。例えば特開平08-216414号の図7にはオーバーハングを有しているインクジェットノズル板が記載されている。しかし、より精度が求められる用途、例えば電子部品、例えば有機EL等の製造のための蒸着マスクのような用途では、そのような段差は微細な孔等の精度に悪影響を与え得る。
特開平08-216414号公報
この問題を解決するために、導電性の母材の表面をエッチングによりレジストの厚み分だけ選択的に除いた後、窪んだ部分をレジストで覆って、レジスト面とほぼ同じ高さの導電性の母材上にメッキ金属部を形成し、形成後母材から剥離してメタルマスク版とするメタルマスク版を製作する図3に示すような方法が知られている。しかし第一の問題点として、この方法では母材の表面上にエッチングで窪みを形成するから精度が悪化してしまう欠点がある。即ち、エッチングでは横方向にも侵食が生じるから窪みの厚みによって窪み部分の表面と平行な方向の精度も悪化してしまう。レジストの埋め込まれた精度の悪い窪みと窪みの間の導電性表面上に電鋳法で形成されるメタルマスクは精度の悪い孔を生じる。第二の問題点として、母材をエッチングで侵食してしまうから、母材は1つのパターンのものを製作するのに使用されると別のパターンのメタルマスクを製作するのには使用できない。従ってパターンが不要になったら母材も捨てなければならず、繰り返して再利用することが出来ず、資源の無駄とコスト増を生じる。
本発明は、上に述べたような段差を生じることがなく、しかもエッチングによる精度の悪化を生じることがなく、しかも母材を別のパターンのものを製作するのに再利用することが出来る、メタルマスク等のプレート状の精密金属部品の製造方法を提供しようとするものである。
本発明者は、上記の課題が、導電性の母材の表面上に所定パターンのみにレジストを付けた後、該レジストの厚みに相当する高さまで、レジストの付いていない該母材の表面上に第一の金属をメッキし、必要ならば剥離を容易にするための処理をした後、該レジストの表面と該第一の金属の表面により形成される面のうちの該第一の金属の表面上に、プレート状の精密金属部品を形成するための金属を電鋳法で形成し、形成されたプレート状の精密金属部品から該第一の金属と該レジストを除去することからなる、プレート状の精密金属部品の製造方法により解決できることを発見し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、1.「導電性の母材の表面上に所定パターンのみにレジストを付けた後、該レジストの厚みに相当する高さまで、レジストの付いていない該母材の表面上に第一の金属をメッキし、必要ならばレジスト面と該第一の金属面に対し剥離を容易にするための処理をした後、該レジストの表面と該第一の金属の表面により形成される面のうちの該第一の金属の表面上に、プレート状の精密金属部品を形成するための金属を電鋳法で形成し、形成されたプレート状の精密金属部品から該第一の金属と該レジストを除去することからなる、プレート状の精密金属部品の製造方法。」、及び2.「プレート状の精密金属部品が蒸着マスクとして使用するメタルマスクである上記1に記載の製造方法。」からなる。
本発明のプレート状の精密金属部品の製造方法によれば、電鋳法で形成されるメタルマスクは、レジストの上面と同じ高さのメッキ金属面上で形成される。従って、レジスト厚みを越える前の部分とレジスト厚みを越えて盛り上がった部分というものは存在しないから、それらの間の段差も存在しない。
それでも、母材をエッチングしてレジストを埋め込むものではなく、レジストと同じ高さまでメッキ金属で覆うものであるから、エッチングによる精度の悪化がない。
また、母材をエッチングしないということは、母材の再利用ができることを意味し、その点における資源の無駄とコスト増をなくする効果を有する。
ステンレス等の金属や合金製等の導電性の母材の平面上に塗布したレジストを、フォトリソグラフィー技術により微細な網目状など所定パターンのみに選択的に残す。その後、レジストの厚みに相当する高さまで、レジストの付いていない金属の母材の表面上にニッケル等の第一の金属をメッキする。剥離を容易にするため公知の離型剤等による処理を金属面に対して行う。その後、レジストの表面と第一の金属の表面により形成される面のうちの第一の金属の表面上に、メタルマスクとするニッケル層を電鋳法で形成する。形成されたメタルマスクから第一の金属とレジストとを除去すると、メタルマスクが製造される。
以下、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、プレート状の精密金属部品の製造方法を、工程の段階を部品の断面図で示したフローチャート又は説明図である。
ステンレス等の金属や合金製等の導電性の母材1の平面上にレジスト2を塗布する。次にレジスト2の層は、フォトリソグラフィー技術により、選択的に除く部分は除かれて、選択的に残す部分3のみとされ、微細な網目状などの所定パターンとなる。次にレジスト2の厚みdに相当する高さhまで、レジスト2の付いていない母材1の表面上に第一の金属4をメッキする。レジスト2と第一の金属4とで同一平面が形成されたら、その平面に対し剥離を容易にするために、例えば公知の離型剤での処理を行うのが好ましい。次に第一の金属4の表面上に、プレート状の精密金属部品を形成するための金属5(例えばニッケルやニッケルコバルト合金など)の層を電鋳法で形成する。レジスト2と第一の金属4を金属5から取り除くと、プレート状の精密金属部品6が出来る。
本発明の方法で製造されるプレート状の精密金属部品は、メタルマスク、特に次世代ディスプレイといわれている有機EL製造用の蒸着マスク等の用途を有するから、本発明の方法は産業上の利用が可能である。
本発明のプレート状の精密金属部品の製造方法を、工程の段階を部品の断面図で示したフローチャート又は説明図。 従来の段差が生じるプレート状の精密金属部品の製造方法を、工程の段階を部品の断面図で示したフローチャート又は説明図。 従来の段差は生じないが、エッチングを伴うために精度及び母材再利用に問題があった、プレート状の精密金属部品の製造方法を、工程の段階を部品の断面図で示したフローチャート又は説明図。 特開平08-216414号の図7
符号の説明
1 母材
2 レジスト
3 選択的に残す部分
4 第一の金属
5 プレート状の精密金属部品を形成するための金属
6 プレート状の精密金属部品

Claims (2)

  1. 導電性の母材の表面上に所定パターンのみにレジストを付けた後、該レジストの厚みに相当する高さまで、レジストの付いていない該母材の表面上に第一の金属をメッキし、必要ならばレジスト面と該第一の金属面に対し剥離を容易にするための処理をした後、該レジストの表面と該第一の金属の表面により形成される面のうちの該第一の金属の表面上に、プレート状の精密金属部品を形成するための金属を電鋳法で形成し、形成されたプレート状の精密金属部品から該第一の金属と該レジストを除去することからなる、プレート状の精密金属部品の製造方法。
  2. プレート状の精密金属部品が蒸着マスクとして使用するメタルマスクである請求項1に記載の製造方法。
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