JP2005206667A - 防汚性水分散スラリー塗料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水性媒体中に、活性水素基を有する樹脂(a)からなる樹脂微粒子(A)、テトラアルコキシシラン(c1)及びテトラアルコキシシラン縮合物(c2)からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる親水性付与成分(C)、及び親水部と疎水部からなりイソシアネート基、ブロックイソシアネート基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有する反応性界面活性剤(B)を含有してなることを特徴とする防汚性水分散スラリー塗料。
【選択図】 なし
Description
すなわち本発明は、水性媒体中に、活性水素基を有する樹脂(a)からなる樹脂微粒子(A)、一般式(1)で示されるテトラアルコキシシラン(c1)及び一般式(2)で示されるテトラアルコキシシラン縮合物(c2)からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる親水性付与成分(C)、並びに親水部と疎水部からなりイソシアネート基、ブロックイソシアネート基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有する反応性界面活性剤(B)を含有してなることを特徴とする防汚性水分散スラリー塗料及び該塗料を塗布し、焼き付けることによって得られる塗膜である。
(R1O)4Si (1)
[式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基またはアルキルアリール基を示す。R1は同じでも異なっていてもよい。]
本発明において、親水性付与成分は表面自由エネルギーの小さいアルコキシ基がSi原子又はSi−O−Si分子鎖を取り囲むような分子構造を持つため疎水性であり、その性質から造膜時に塗膜表面に移行する。Si−OR基は空気中の水分との反応によりSi−OH基やSi−O−Si結合を形成し、塗膜表面を親水化することで付着した汚れを降雨により除去できるような効果を発現する。
本発明における親水性付与成分(C)は、上記一般式(1)で示されるテトラアルコキシシラン(c1)及び上記一般式(2)で示されるテトラアルコキシシラン縮合物(c2)からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる。
一般式(1)および(2)において、R1及びR2は共通して、炭素数は、1〜20、塗料の硬化塗膜の防汚性の観点から好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜14、とくに好ましくは1〜12である。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−およびi−プロピル基、2−エチルヘキシル基およびドデシル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基、オクテニル基およびドデセニル基などが挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、メトキシフェニル基およびナフチル基などが挙げられる。
アルキルアリール基としては、トルイル基およびエチルフェニル基などが挙げられる。
これらのうち、塗料の硬化塗膜の防汚性の観点から好ましいのは、アルキル基、さらに好ましいのはメチル基、エチル基、n−およびi−プロピル基、2−エチルヘキシル基およびドデシル基、特に好ましいのはメチル基およびエチル基である。R1、R2の炭素数が21以上の場合は十分な防汚性が得られない。
これらのうち、塗料の硬化塗膜の防汚性の観点から、一般式(2)においてR1がメチル基および/またはエチル基である縮合物が好ましい。
該縮合物の具体例としては、テトラメトキシシラン縮合物[商品名:メチルシリケート51、n=3、コルコート(株)製]およびテトラエトキシシラン縮合物[商品名:エチルシリケート40、n=5、コルコート(株)製]などが挙げられる。
酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸および無水ピロメリット酸が挙げられる。
熱潜在性触媒としては、例えば、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、リン酸エステル、アミンイミド化合物、オニウム化合物およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ルイス酸にはプロトン酸および非プロトン酸が含まれる。
プロトン酸としては、ハロゲノカルボン酸(炭素数2〜4、例えばモノ−、ジ−およびトリ−クロル酢酸、モノ−、ジ−およびトリ−ブロム酢酸、モノ−、ジ−およびトリ−ヨード酢酸)、スルホン酸(炭素数1〜14、例えばメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタリン−α−およびβ−スルホン酸)、硫酸モノエステル(炭素数1〜18、例えばメチル硫酸、エチル硫酸、ブチル硫酸、フェニル硫酸、ステアリル硫酸)、リン酸モノ−およびジ−エステル(炭素数1〜36、例えばリン酸モノ−およびジ−メチル、リン酸モノ−およびジ−エチル、リン酸モノ−およびジ−ブチル、リン酸モノ−およびジ−フェニル、リン酸モノ−およびジ−ステアリル)、ホウ酸モノ−およびジ−エステル(炭素数1〜36、例えばホウ酸モノ−およびジ−メチル、ホウ酸モノ−およびジ−エチル、ホウ酸モノ−およびジ−ブチル、ホウ酸モノ−およびジ−フェニル、ホウ酸モノ−およびジ−ステアリル)などが挙げられる。
[R2 3NR3]+・X− (8)
[R2 3PR3]+・X− (9)
[R2 2OR3]+・X− (10)
[R2 2SR3]+・X− (11)
[R2IR3]+・X− (12)
〔式中、R2は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基またはシクロアルキル基[ただし、2個のR2は互いに結合してN、P、OまたはSをヘテロ原子とする複素環(ピロール環、ピリジン環、フラン環、γ−ピラン環、チオフェン環など)を形成していてもよい。];R3はHまたは炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基;X−はSbF6 −、SbF4 −、AsF6 −、PF6 −またはBF4 −を表す。〕
ホスホニウム塩化合物としては、エチルトリフェニルホスホニウム六フッ化アンチモン、テトラブチルホスホニウム六フッ化アンチモンなど;
オキソニウム塩化合物としては、トリエチルオキソニウム四フッ化ホウ素など;
また、熱潜在性触媒のみを使用する場合、その使用量は、上記(c1)及び(c2)の重量に基づいて、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.02〜4重量%、とくに好ましくは0.02〜3重量%である。
酸無水物と熱潜在性触媒を併用する場合、その合計使用量は、上記(c1)及び(c2)の重量に基づいて、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.02〜5、とくに好ましくは0.03〜3であり、酸無水物と熱潜在性触媒の重量比は、好ましくは10/90〜50/50、さらに好ましくは20/80〜40/60である。
反応性界面活性剤(B)は該樹脂微粒子(A)の活性水素基と反応し、塗膜中に共有結合を介して組み込まれることにより、塗膜の耐水性が良好となる。
樹脂(a)としては例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
本発明の防汚性水分散スラリー塗料において、樹脂微粒子(A)の粒子形状は不定形であっても球状であっても良いが、塗膜の平滑性、均一性の点で球状の方が好ましい。ここで球状というのは粒子の長径/短径の比率が1.0〜1.5の範囲にあるものを指す。
また、該(A)の体積平均粒径は、塗膜の耐水性、塗装時の粘性の観点から、好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは0.8〜20μm、特に好ましくは1.0〜10μmである。粒径の測定法は電子顕微鏡測定、沈降法、エレクトロゾーン法、動的光散乱法等があるが、測定粒度範囲の適合性より、動的光散乱法での測定が好ましい。
脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサンなどが挙げられる。
ハロゲン系溶剤としては、例えば、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどが挙げられる。
エステル系またはエステルエーテル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
スルホキシド系溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
複素環式化合物系溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
このうち好ましいものは、アクリル樹脂(a−1)である。
上記(a)の活性水素当量は好ましくは100〜10,000、より好ましくは100〜5,000、さらに好ましくは100〜2000である。
アクリル樹脂(a−1)における(a−1−1)、(a−1−2)及び(a−1−3)の重量%比は、(0〜80)/(1〜100)/(0〜50)であり、好ましくは(1〜50)/(1〜50)/(0〜20)である。
上記(a−1)は溶液重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の重合法により製造され、重量平均分子量は1,000〜200,000、好ましくは2,000〜50,000、さらに好ましくは3,000〜20,000である。なお、本明細書中、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定することができる。すなわち、ポリスチレンゲルなどを充填したカラムに高分子溶液を流し、溶出液の高分子濃度および分子量を、溶出量の関数として検出するものである。
(a−1−1)としては、例えば、(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等]などが挙げられる。
これらのうち好ましいものはメチル(メタ)アクリレート、n―ブチル(メタ)アクリレートである。
(a−1−2)としてはヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)(メタ)アクリレート、たとえば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらのうち好ましいものは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
(a−1−3)としては、例えば、スチレン、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらのうち好ましいものは、スチレンである。
また、分子量1,000以下のポリアルキレンエーテルジオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリイソシアネートの具体例としては、下記に例示のものが挙げられる。
(1)炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族ジイソシアネート[例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等];
(2)炭素数4〜15の脂環族ジイソシアート[例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロへキセン等];
(3)炭素数6〜14の芳香族ジイソシアネート[例えば、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、粗製MDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート等];
(4)炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート[例えば、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等];
(5)これらのジイソシアネートの変性物[例えば、カーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基等を有するジイソシアネート変性物等];
(6)およびこれら(1)〜(5)の2種以上の混合物;
(7)上記に例示の有機ジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基またはオキサゾリドン基含有変性物など)、HDIイソシアヌレート、HDIビューレット、IPDIイソシアヌレート、IPDIビューレット、粗製MDI[粗製ジアミノジフェニルメタン{ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物:ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物}のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)など]、およびこれらのブロックイソシアネート化合物等が挙げられる。
これらのうち好ましいものはHDI、TDIおよびIPDIである。
これらのうち、好ましいものとしては、アルコール類、ラクタム類、オキシム類、フェノール類が好ましく、特にメタノール、エタノール、メチルエチルケトンオキシムが好ましい。
これらのAOのうちで好ましいものはEO単独、PO単独、THF単独、POおよびEOの併用、POおよび/またはEOとTHFの併用(併用の場合、ランダム、ブロックおよび両者の混合系)である。
さらに、本発明において前記芳香族系として、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、前記2反応物にポリオールも反応させて得られるグリシジル基含有ポリウレタン(プレ)ポリマーおよびビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)付加物のジグリシジルエーテル体も含む。
多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、およびソルビトールポリグリシジルエーテルが挙げられる。
多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体としては、ジグリシジルアジペートが挙げられる。
グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミンが挙げられる。
また、本発明において脂肪族系としては、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含む。
上記(B)は通常の界面活性剤を含有していてもよい。その重量は上記(B)の重量に対して好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下である。
上記反応性界面活性剤(B)は、親水部と疎水部からなり、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基(以下、イソシアネート基等(g)と記載する。)を有する。親水部としては、オキシエチレン基を含有することが好ましい。
また、上記(B)はオキシエチレン基を親水部の重量に対して好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは75重量%以上、特に好ましくは80重量%以上であり、好ましくは99重量%以下、さらに好ましくは98重量%以下、特に好ましくは97重量%以下である。オキシエチレン単位が70重量%以上99重量%以下であると、乳化力が強く、安定なスラリー塗料を得ることができる。
HLB=10×(無機性/有機性)
(BL2):ビスフェニル基(ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなど)、スチレン化(付加モル数1〜10)ビスフェニル基など
(BL3):フェノールノボラック樹脂(水酸基の価数1〜8)から水酸基を除いた残基、スチレン化(付加モル数1〜10)フェノールノボラック樹脂(水酸基の価数1〜8)から水酸基を除いた残基、クレゾールノボラック樹脂(水酸基の価数1〜8)から水酸基を除いた残基、スチレン化(付加モル数1〜10)クレゾールノボラック樹脂(水酸基の価数1〜8)から水酸基を除いた残基など
(BL4):ベンジルアルコールなど
これらの中で、好ましいものは、スチレン化(付加モル数1〜10)フェニル基、スチレン化(付加モル数1〜10)クメニル基である。
親水部(BH)としては、例えば、疎水部(BL)のフェノール性又はアルコール性水酸基に結合する以下の基(BH1)、(BH2)が挙げられる。(BH1):ポリオキシアルキレンエーテルから水素を除いた基、(BH2):ポリオキシアルキレンエーテルとジイソシアネートからなるウレタン樹脂から水素を除いた基。
好ましいものはビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルである。
これらのうち、好ましいものは、フェノール、クミルフェノールである。
脂肪族ビニル系炭化水素としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、前記以外のα−オレフィン等が、脂環式ビニル系炭化水素としては、例えば、シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等が、芳香族ビニル系炭化水素としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルケトン、トリビニルベンゼン等が挙げられる。
これらのうち、好ましいものは、スチレンである。
使用されるアルキレンオキサイド(炭素数1〜30)としては特に限定されず、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−又は2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、α−オレフィン(炭素数4〜30)オキサイド、エピクロロヒドリン、スチレンオキサイド、及び上記の2種以上の混合物等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、EOである。付加様式はランダム、及び/又はブロックが好ましい。
アルキレンオキサイドの付加モル数は、1〜100モル、好ましくは1〜50モル、更に好ましくは1〜30モルである。
フリーデルクラフツ反応の方法としては、公知の方法が使用でき、例えば、1価フェノール又は1価の芳香族アルコール(b1)に、必要に応じてビニルモノマー(b2)を、公知のルイス酸触媒(例えば、塩化鉄、塩化アルミニウム等)を用いて重付加させる方法等が挙げられる。
上記(b5)としては、例えば、末端水酸基のポリエーテルジオール(b5−1)、末端水酸基のポリエステルジオール(b5−2)、末端アミノ基のポリエーテルジアミン(b5−3)等が含まれ、ジオール成分のみ、ジアミン成分のみ、又は、ジオール成分及びジアミン成分の両方を使用することができる。
ジカルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸など)、これらのジカルボン酸のエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステルなど]及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
末端ヒドロキシル基をアミノ基に変成する方法としては、公知の方法が使用でき、例えば、上記(b5−1)の末端ヒドロキシル基をシアノアルキル化して得られる末端シアノアルキル基を還元しアミノアルキル化する方法(例えば、末端ヒドロキシル基を有する上記(b5−1)とアクリロニトリル又はノネンニトリルとを反応させ、得られるシアノエチル化物を水素添加する方法)等が挙げられる。
これらのうち、好ましいものは、上記(b5−1)の末端ヒドロキシル基をシアノアルキル化して得られる末端シアノアルキル基を還元しアミノアルキル化する方法である。
上記(b1)、(b2)、(b6)、及び(b7)は上記(B1)におけるものと同様であり、上記(b3’)におけるアルキレンオキサイドも、上記(B1)におけるものと同様である。
Q’−CONH−G−NHCO−Y (6)
Q’−Z (7)
式中、Q’は、1価フェノール又は1価の芳香族アルコール(b1)と必要によりビニルモノマー(b2)とからなる付加反応物のポリオキシアルキレンエーテル(b3’)の残基を、Gは、有機ジイソシアネート(b4)の残基を、Yは、ブロック化剤(b6)の残基を、Zはポリエポキシ化合物(b7)の残基を表す。
反応性界面活性剤(B3)の疎水部としては、たとえば、炭素数6〜100またはそれ以上、好ましくは8〜80の芳香環を含有する炭化水素基で、分子内に、イソシアネート基等(g)を含有するものが挙げられる。該芳香環を含有する炭化水素基としては、スチレン化フェニル基、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなど)の水酸基を除いた残基、およびこれら化合物にビニルモノマーを付加させたものなどが挙げられる。
これらのうち、好ましいものは、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートである。
イソシアネート基のブロック化剤としては、上記に挙げたものが用いられる。
フリーデルクラフツ反応の方法としては、公知の方法が使用でき、例えば、1価フェノール又は1価の芳香族アルコール(b1)に、ブロック化されていてもよいイソシアネート基を有するビニルモノマー(b2’)及び必要に応じてイソシアネート基を有さないビニルモノマーを、公知のルイス酸触媒(例えば、塩化鉄、塩化アルミニウム等)を用いて重付加させる方法等が挙げられる。
使用されるアルキレンオキサイド(炭素数1〜30)としては特に限定されず、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−又は2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、α−オレフィン(炭素数4〜30)オキサイド、エピクロロヒドリン、スチレンオキサイド、及び上記の2種以上の混合物等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、EOである。付加様式はランダム、及び/又はブロックが好ましい。
アルキレンオキサイドの付加モル数は、1〜30モル、好ましくは1〜10モル、更に好ましくは1〜5モルである。
上記(b5)は、上記(B1)におけるものと同様である。
上記(b10−1)としては、例えば、炭素数1〜18の飽和脂肪族1価アルコール(エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、2−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等)、炭素数1〜18の不飽和1価脂肪族アルコール(オレイルアルコール等)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは1価脂肪族アルコールおよび脂肪族モノアミンであり、特に好ましいものは1価脂肪族アルコールである。
(1)末端がイソシアネート基でブロック化されている場合は、通常のポリウレタン樹脂を製造する方法(ワンショット法または多段法)で、(b3)〜(b5)、(b6)をウレタン化反応させ、片末端がNCO基のポリウレタン樹脂を作成、最後にブロック化剤で末端のイソシアネート基をブロック化することにより得られる。反応温度は通常30〜200℃、好ましくは50〜180℃である。反応時間は通常0.1〜30時間、好ましくは0.1〜8時間である。
該反応は無溶剤系又はイソシアネートに不活性な有機溶剤中で行なうことが好ましい。該有機溶剤としてはアセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、トルエン、ジオキサン等が挙げられる。該有機溶剤は上記(B)を生成させたのち、蒸留法等により除去されるのが好ましい。
(1)末端がイソシアネート基でブロック化されている場合は、通常のポリウレタン樹脂を製造する方法(ワンショット法または多段法)で、(b3’)、(b4)、(b6)をウレタン化反応させ、片末端がNCO基の樹脂を作成、最後にブロック化剤で末端のイソシアネート基をブロック化することにより得られる。反応温度、反応時間、溶剤等の条件は上記と同様であってよい。
ここで、防汚性水分散スラリー塗料中の樹脂分とは、スラリー塗料約1.0gをはかり取り、120℃の循風乾燥機で1時間乾燥させた後に得られた樹脂の重量を、乾燥前のスラリー塗料の重量で除した値に100を乗じた値である。
また、本発明の防汚性水分散スラリー塗料中の樹脂粒子径は、水中での粒子の沈降が無く焼付け時の水分揮発および粘度調整が容易となることから好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは0.8〜20μm、最も好ましくは1.0〜10μmである。
硬化剤(D)としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、上記に例示の有機ジイソシアネート、並びに、上記に例示のこれらの変性物が挙げられる。
これらのうちで好ましいものはイソシアヌレート、特にHDIイソシアヌレートおよびIPDIイソシアヌレートである。
ブロック化剤としては、上記ブロック化剤(b6)に例示のブロック化剤、およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
(1)脱溶剤法[界面活性剤を含む水性媒体中に、親水性付与成分(C)、活性水素基を有する樹脂(a)および必要により硬化剤(D)を上記記載の有機溶剤に溶解させた溶液を加え、ホモミキサー等で反応容器に分散させ、必要により最高100℃まで加熱しながら、0.1〜15Torrまで減圧して、水を残存させるよう、上記の水以外の水性媒体及び有機溶剤だけを脱溶剤し、防汚性水分散スラリー塗料を得る方法];
(2)粉砕粒子分散法[親水性付与成分(C)、樹脂(a)、および必要により硬化剤(D)を溶融混練し、冷却、粉砕して得た樹脂粒子を、界面活性剤を含む水性媒体中に、ディスパーサー等で反応容器に分散させることで、防汚性水分散スラリー塗料を得る方法];
(3)異粒子混合法[上記脱溶剤法、粉砕粒子分散法を用いて界面活性剤を含む水性媒体中に樹脂(a)を分散し、分散液(j)を得る。また、それとは別に親水性付与成分(C)及び必要により硬化剤(D)を同様に水性媒体中に分散し、分散液(q)を得る。分散液(j)と分散液(q)を混合することにより、防汚性水分散スラリー塗料を得る方法]
上記(1)による製造における親水性付与成分(C)、(a)、および必要により(D)の合計量の、有機溶剤中での濃度は20〜75重量%、好ましくは40〜60重量%である。
上記(2)の製造法による(C)、(a)、および必要により(D)の合計量の、水性媒体中での濃度は5〜70重量%、好ましくは30〜60重量%である。
上記(3)の製造法による(j)、(q)の水性媒体中での濃度は5〜70重量%、好ましくは30〜60重量%である。また、(j)と(q)の混合物の水性媒体中での濃度は5〜70重量%、好ましくは30〜60重量%である。
塗膜形成方法は、被塗装物に対して、該水分散スラリー塗料を、ウェット膜厚を通常10以上200μm以下、好ましくは10μm以上50μm以下となるようにスプレー塗布し、これを通常100℃以上200℃以下、好ましくは120℃以上180℃以下の温度で、5分以上60分以下、好ましくは5分以上30分以下、さらに好ましくは5分以上20分以下の時間加熱することで塗膜を形成することができる。
本発明の塗料を塗布し、焼き付けることによって得られる塗膜の膜厚は通常10μm以上150μm以下、好ましくは15μm以上50μm以下である。
キシレンの250部を反応器に入れ、加熱して100℃とし、ついで、次に示されるような割合の混合物を約3時間滴下した。その間の反応は、窒素雰囲気下にて行った。この滴下終了後、2時間のあいだ、100℃に保持して、反応を続行した。
(1) スチレン 23 部
(2) メチルメタクリレート 23 部
(3) アクリル酸ブチル 20 部
(4) アクリル酸ヒドロキシエチル 33 部
(5) パーオキシD(日本油脂製、過酸化物) 1 部
反応終了後、減圧蒸留によって有機溶剤および残存モノマーを除去し、その後、真空乾燥させることにより、水酸基当量420、数平均分子量12,000(MW20,000)のアクリル系ヒドロキシ官能性樹脂(アクリル樹脂1)を得た。
反応器にネオペンチルグリコール200部、エチレングリコール93部、テレフタル酸355部を投入し、230℃に加熱し生成する水を留去しながら2時間反応を進めた。その後0.2部のジブチルチンオキサイドを添加し、酸価が0.5以下になるまで反応を続けることで、本発明の塗膜に用いる、両末端に水酸基を有する、数平均分子量7000(MW10,000)、水酸基価16.5mgKOH/gのポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂1)を得た。
攪拌機、滴下ロート、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却器を備えた反応容器に4−α−クミルフェノール53部およびルイス酸触媒(水澤化学工業社製、GalleonEarth)23部を仕込み、攪拌下、系内を窒素ガスで置換し、90℃に昇温した。同温度にてスチレン181部を3時間かけて滴下し、さらに同温度にて5時間反応させた。これを30℃に冷却後、触媒を濾別することにより、スチレン7モルを4−α−クミルフェノール1モルに付加したもの(MW900)(B0−1)を220部を得た。(B0−1)にEOを付加したもの(EO含量45%、MW1800)21.6部、ポリエチレングリコール(MW6,000)72.0部、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIと略記)5.3部、メチルエチルケトンオキシム(以下MEKオキシムと略記)1.1部を80℃で3時間反応させ、オキシエチレン単位含量72重量%、MW15,000、疎水部の炭化水素基の炭素数71、HLB16.5の反応性界面活性剤[B−1]100部を得た。
攪拌機、滴下ロート、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却器を備えた反応容器に4−α−クミルフェノール53部およびルイス酸触媒(水澤化学工業社製、GalleonEarth)23部を仕込み、攪拌下、系内を窒素ガスで置換し、90℃に昇温した。同温度にて3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートのエタノールブロック物410部を3時間かけて滴下し、さらに同温度にて5時間反応させた。これを30℃に冷却後、触媒を濾別することにより、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートエタノールブロック物7モルを4−α−クミルフェノール1モルに付加したもの(数平均分子量1,900)(B0−2)を463部を得た。(B0−2)にEOを付加したもの(EO含量45% MW1800)21.6部、ポリエチレングリコール(MW6,000)72.0部、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIと略記)5.3部、メチルエチルケトンオキシム(以下MEKオキシムと略記)1.1部を80℃で3時間反応させ、オキシエチレン単位含量72重量%、MW15,000、疎水部の炭化水素基の炭素数71、HLB16.5の反応性界面活性剤[B−2]100部を得た。
製造例1と同様のフリーデルクラフツ反応にて得られた、ヒドロキシル基含有炭化水素[スチレン7モルを4−α−クミルフェノール1モルに付加したものにEOを付加したもの(EO含量45%);MW1800]34.0部、ポリエチレングリコール(MW6000)61.5部、HDI4.5部を80℃でNCO基含量が0%となるまで3時間反応させ、オキシエチレン単位含量76.8重量%、MW15、000、疎水部の炭化水素基の炭素数71、HLB15.4の界面活性剤[B’−3]100部を得た。
製造例により得られた反応性界面活性剤[B−1]、[B−2]比較製造例により得られた界面活性剤[B’−3]、低分子量界面活性剤[B’−4](オクチルフェノールのEO付加物、数平均分子量1,000)、PVA[B’−5](部分ケン化ポリビニルアルコール、重合度1,700、ケン化度88%)のそれぞれ3部を水100部に分散し、分散液を得た。これを[分散液1]〜[分散液5]とする。
ビーカー内に、アクリル樹脂1の59部、MEKオキシムブロックされたHDIトリマー(旭化成製、スミジュール)41部、エチルシリケート40[エトキシシラン5モル縮合物、コルコート(株)製]7部および酢酸エチル100部を混合しておき、これを[分散液1]100部に添加した後、ウルトラディスパーサー(ヤマト科学製)を使用して、回転数9,000rpmで1分間混合し、平均粒径を5μmとした。混合後、攪拌棒および温度計をセットした4つ口フラスコにこの混合液を投入し、常温、減圧下で10時間脱溶剤した。次いでウレタン化触媒[「TEDA」、東ソー製]0.1部、耐光安定剤[「DIC−TBS」、大日本インキ化学工業製]0.1部、粘弾性付与剤[「SNシックナー−651」、サンノプコ社製]3.0部を加え、防汚性水分散スラリー塗料を得た。分散粒径4.7μmであった。
[分散液1]の代わりに[分散液2]を使用する以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒径4.4μmの防汚性水分散スラリー塗料を得た。
ビーカー内に、ポリエステル樹脂1の93部、MEKオキシムブロックされたHDIトリマー(旭化成製、スミジュール)7部、メチルシリケート51(メトキシシラン3モル縮合物、コルコート(株)製)15部およびテトラヒドロフラン100部を混合しておき、これを[分散液3]100部に添加した後、ウルトラディスパーサー(ヤマト科学製)を使用して、回転数9,000rpmで1分間混合し、平均粒径を5μmとした。混合後、攪拌棒および温度計をセットした4つ口フラスコにこの混合液を投入し、常温、減圧下で10時間脱溶剤した。次いでウレタン化触媒[「TEDA」、東ソー製]0.1部、耐光安定剤[「DIC−TBS」、大日本インキ化学工業製]0.1部、粘弾性付与剤[「SNシックナー−651」、サンノプコ社製]3.0部を加え、分散粒径5.1μmである、目的の防汚性水分散スラリー塗料を得た。
[分散液1]の代わりに[分散液2]を使用する以外は、実施例3と同様の操作を行い、分散粒径4.4μmの防汚性水分散スラリー塗料を得た。
エチルシリケート40を使用しないこと以外は、実施例1と同様にして防汚性水分散スラリー塗料を得た。分散粒径4.8μmであった。
エチルシリケート40を使用しないこと以外は、実施例2と同様にして防汚性水分散粉体スラリー塗料を得た。分散粒径4.7μmであった。
[分散液1]の代わりに[分散液3]を使用する以外は、実施例1と同様にして防汚性水分散粉体スラリー塗料を得た。分散粒径4.8μmであった。
[分散液1]の代わりに[分散液4]を使用する以外は、実施例1と同様にして防汚性水分散粉体スラリー塗料を得た。分散粒径4.7μmであった。
[分散液1]の代わりに[分散液5]を使用する以外は、実施例1と同様にして防汚性水分散粉体スラリー塗料を得た。分散粒径4.7μmであった。
リン酸亜鉛処理を施した厚さ0.8mmの冷延鋼板にエポキシ樹脂系カチオン電着塗料を塗装し(20μm)、170℃で30分加熱硬化させた後、自動車用黒色中塗り塗料をエアースプレー塗装し(30μm)、140℃で30分加熱硬化して得た試験板に、得られた水分散スラリー塗料をスプレー塗装し、60℃で10分間前焼付けした後、150℃で20分間焼付け乾燥して、膜厚約40μmの塗膜を得た。
(試験方法)
(1)接触角
塗膜の純水に対する接触角を評価する方法。
試験板を温度70℃、湿度95%RHの条件下に3日間静置した後、FACE自動接触角計[協和界面科学(株)製]により、接触角(度)を測定した。水は、TORAYPURE LV−50[東レ(株)製]にて純水としたものを1測定当たり50μl使用した。
(2)汚れ除去性
試験板を温度70℃、湿度95%RHの条件下に3日間静置した後、人工汚れ(カーボン/粘度物質=50/50重量比)の20wt%水分散液を調製し、スポイドを使用して直径が約3cmになるように人工汚れを付着させた。室温で24時間乾燥させた後、流水下スポンジにより20回擦り、塗膜表面に残る汚れを目視判定した。
○:汚れが完全に取れる
×:汚れが残る
(3)耐水性
試験板を温度40℃、24時間漬浸したのち、塗膜外観の変化を目視判定した。
○:外観変化無し
×:塗膜が白化する
Claims (11)
- 水性媒体中に、活性水素基を有する樹脂(a)からなる樹脂微粒子(A)、一般式(1)で示されるテトラアルコキシシラン(c1)及び一般式(2)で示されるテトラアルコキシシラン縮合物(c2)からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる親水性付与成分(C)、並びに親水部と疎水部からなりイソシアネート基、ブロックイソシアネート基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有する反応性界面活性剤(B)を含有してなることを特徴とする防汚性水分散スラリー塗料。
(R1O)4Si (1)
[式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基またはアルキルアリール基を示す。R1は同じでも異なっていてもよい。]
- 硬化剤(D)をさらに含有してなる請求項1記載のスラリー塗料。
- 前記反応性界面活性剤(B)が、1価フェノール又は1価の芳香族アルコール(b1)と必要によりビニルモノマー(b2)とからなる付加反応物又はそのアルキレンオキサイド付加物(b3)、有機ジイソシアネート(b4)、ポリオキシアルキレン鎖を有するジオール及び/又はジアミン(b5)、並びに、ブロック化剤(b6)又はポリエポキシ化合物(b7)を主要構成要素としてなり、前記(b3)及び/又は前記(b5)にオキシエチレン基を含有し、前記(b3)及び/又は前記(b5)にブロック化されていてもよいイソシアネート基又はエポキシ基が付加してなるウレタン樹脂である請求項1又は2記載のスラリー塗料。
- 前記(B)が、1価フェノール又は1価の芳香族アルコール(b1)とブロック化されていてもよいイソシアネート基を有するビニルモノマー(b2’)とからなる付加反応物又はそのアルキレンオキサイド付加物(b3’’)、有機ジイソシアネート(b4)、並びに、ポリオキシアルキレン鎖を有するジオール及び/又はジアミン(b5)を主要構成要素としてなる、ブロック化されていてもよいイソシアネート基を有するウレタン樹脂(L)からなる化合物である請求項1又は2記載のスラリー塗料。
- 前記(B)が、下記一般式(5)で表される化合物の1種又は2種以上からなる請求項5記載のスラリー塗料。
- 前記(a)がアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6いずれか記載のスラリー塗料。
- 前記(A)の体積平均粒径が0.5〜50μmである請求項1〜7いずれか記載のスラリー塗料。
- 前記(A)は、長径/短径比率が1.0〜1.5の球形である請求項1〜8いずれか記載のスラリー塗料。
- 前記(A)が、前記(a1)の溶剤溶液を水中に分散し、該溶剤を脱溶剤することによって得られてなる請求項1〜9いずれか記載のスラリー塗料。
- 請求項1〜10いずれか記載の塗料を塗布し、焼き付けることによって得られてなる塗膜。
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