JP2005206518A - N−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法 - Google Patents

N−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
操作が簡便で最終生成物の取扱いが容易であり、作業効率が良く、収率が高く、しかも安全なN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法を提供する。
【解決手段】
2−ブロモエチルアミン又はその塩とBoc化剤を水溶性溶媒中で水酸化ナトリウムの存在下に反応させ、反応溶液に晶析溶媒としての水及び種結晶を添加することによりN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの結晶を析出させることを特徴とするN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法。

Description

本発明はN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの新規な製造方法に関する。
N−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルは2−ブロモエチルアミン又はその塩とBoc化剤(例えば二炭酸ジ−tert−ブチル)を反応させて得られる化合物であり(下記化学反応式参照)、NO合成酵素阻害剤を合成するための反応中間体として有用な化合物である。
Figure 2005206518
N−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法としては例えば以下のものが従来知られている。
即ち、特開2002−201178号公報(特許文献1)の[0048]実施例6には6a)として2−ブロモエチルアミン臭化水素酸塩と二炭酸ジ−tert−ブチルをアセトニトリルと水の混合物中で水酸化ナトリウムの存在下に反応させるN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法が開示されている。特開2002−201178号公報の方法によれば、反応溶液は酢酸エチルで抽出され、洗浄、乾燥された後、濃縮されて油状物としてのN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルが得られる。
米国特許第6329523B1号公報(特許文献2)の第28欄の実施例11には2−ブロモエチルアミン臭化水素酸塩と二炭酸ジ−tert−ブチルをアセトニトリル中でトリエチルアミンの存在下に反応させるN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法が開示されている。米国特許第6329523B1号公報の方法によれば、反応溶液はエーテルで抽出され、乾燥された後、濃縮されて油状物としてのN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルが得られる。
米国特許第5741912号公報(特許文献3)の第33欄の実施例7にはA.として2−ブロモエチルアミン臭化水素酸塩と二炭酸ジ−tert−ブチルをジオキサンと水の混合物中で水酸化ナトリウムの存在下に反応させるN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法が開示されている。米国特許第5741912号公報の方法によれば、反応溶液はエーテルで抽出され、乾燥された後、濃縮されて油状物としてのN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルが得られる。
しかしながら、これらの従来技術のN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法はいずれも反応溶液からN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルを得るための工程として抽出、洗浄及び濃縮工程を含んでおり、操作が煩雑である上、収率が低い。また、これらの従来技術の製造方法により得られたN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルは油状物又は粘性のある液体であり、冷却すると塊状に固化してしまい、粉末にならないので取扱いが困難である。また、これらの油状物又は粘性のある液体はたとえ冷却下でも分解が進行してしまい、安定性が悪い。さらに、これらの方法では反応に用いる溶媒と抽出に用いる溶媒が全く異なるため、作業効率が悪い。
これに対し、V.G.Beylin & O.P.Goel(Organic Preparations and Procedures International 第19巻第1号第78頁〜第80頁(1987))(非特許文献1)には2−ブロモエチルアミン臭化水素酸塩と二炭酸ジ−tert−ブチルをジクロロメタンと水の混合物中で水酸化ナトリウムの存在下で反応させ、反応溶液をジクロロメタンで抽出し、洗浄、乾燥した後、濃縮し、そこに晶析溶媒としてのヘキサンを添加して−25〜−15℃で一晩撹拌することによりN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの結晶を析出させるN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法が開示されている。
しかしながら、V.G.Beylin & O.P.Goelに開示の方法は収率が71%と極めて低い。また、晶析溶媒としてヘキサンを用いるため、作業担当者に神経系傷害を与えるおそれがある上、静電気爆発を起こすおそれもあり、工業化には適さない。さらに、この方法でも反応に用いる溶媒と晶析に用いる溶媒が全く異なるため、作業効率が悪い。
従って、従来公知のN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法はいずれも操作の煩雑さ、最終生成物の取扱いの困難さ、作業効率の悪さ、収率の低さ、又は作業の危険さの点で満足の行くものではない。
特開2002−201178号公報 ([0048]) 米国特許第6329523B1号公報 (第28欄) 米国特許第5741912号公報 (第33欄) V.G.Beylin & O.P.Goel(Organic Preparations and Procedures International 第19巻第1号第78頁〜第80頁(1987))
本発明はかかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、操作が簡便で最終生成物の取扱いが容易であり、作業効率が良く、収率が高く、しかも安全なN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らはかかる目的を達成するため、反応溶液からのN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの効率的な回収方法について鋭意研究した結果、晶析溶媒として水を用いて反応溶液からN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルを結晶析出により回収することを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は2−ブロモエチルアミン又はその塩とBoc化剤を水溶性溶媒中で水酸化ナトリウムの存在下に反応させ、反応溶液に晶析溶媒としての水及び種結晶を添加することによりN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの結晶を析出させることを特徴とするN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法である。
本発明の製造方法の好ましい実施態様においては水溶性溶媒はアルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、環状エーテル(例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン)、ケトン(例えばアセトン)、アセトニトリル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましい水溶性溶媒はメタノールである。
本発明の製造方法の好ましい実施態様においては、Boc化剤は二炭酸ジ−tert−ブチル、Boc−ON,Boc−ONH,Boc−OCH(Cl)CCl,Boc−N,Boc−Cl,Boc−F、及びこれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましいBoc化剤は二炭酸ジ−tert−ブチルである。
本発明の製造方法の好ましい実施態様においては、N−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの結晶の析出は−15〜5℃の温度で行われる。
本発明の製造方法の好ましい実施態様においては、反応溶液に添加する水の量はBoc化剤の重量の1倍以上3倍以下であり、より好ましくは3倍である。
本発明の製造方法の好ましい実施態様においては、2−ブロモエチルアミン又はその塩とBoc化剤を水溶性溶媒と水の混合物中で水酸化ナトリウムの存在下に反応させる。また、製造方法は析出した結晶を濾過して回収し、水溶性溶媒及び水の混合物で洗浄して乾燥させる工程を更に含む。
本発明の製造方法によれば、反応溶液からのN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの回収は抽出、洗浄及び濃縮によるのではなく、晶析溶媒及び種結晶を反応溶液に添加して反応溶液からN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルを結晶として析出させることにより行われるため、操作が簡便である。また、晶析溶媒として水を用いるため、作業が安全であり、収率も高い。本発明の製造方法によれば、最終生成物は結晶状態で得られるため、取扱いが容易である。さらに、本発明の製造方法によれば、反応に用いる溶媒と晶析に用いる溶媒を共通にすることができるため、作業効率が良い。
発明の実施するための最良の形態
本発明のN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法は2−ブロモエチルアミン又はその塩とBoc化剤を水溶性溶媒中で水酸化ナトリウムの存在下に反応させてN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルを生成させる反応段階と、反応溶液に晶析溶媒としての水及び種結晶を添加することによりN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの結晶を析出させる反応生成物回収段階の二つの段階に分けることができる。以下、最初に前半の反応段階について説明し、次いで後半の反応生成物回収段階について説明する。
本発明の製造方法において原材料として用いる2−ブロモエチルアミンの塩としてはいかなる塩も用いることができるが、例えば臭化水素酸塩を用いることができる。また、Boc化剤としては二炭酸ジ−tert−ブチル、Boc−ON,Boc−ONH,Boc−OCH(Cl)CCl,Boc−N,Boc−Cl,Boc−F、及びこれらの混合物等の従来公知のいかなるBoc化剤も用いることができるが、工業的な入手容易性の観点からは二炭酸ジ−tert−ブチルを用いることが好ましい。
本発明の製造方法においては原材料の2−ブロモエチルアミン又はその塩とBoc化剤は水溶性溶媒中で水酸化ナトリウムの存在下に反応させられる。水溶性溶媒としてはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル、アセトン等のケトン、アセトニトリル、及びこれらの混合物を挙げることができるが、費用の観点からはメタノールを用いることが好ましい。また、水溶性溶媒に加えて水を添加してもよい。これは水酸化ナトリウムの洗い込みのためである。
本発明の製造方法においては反応溶液の調製は例えば以下の手順で行うことができる:2−ブロモエチルアミン又はその塩と水溶性溶媒をフラスコに仕込み、−30〜25℃、好ましくは−10〜0℃にまで冷却した後、Boc化剤を添加する;その後、−30〜30℃、好ましくは−20〜10℃で水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、続いて所望により水を添加する。また、本発明の製造方法においては反応は−30〜30℃、好ましくは−10〜10℃で5〜36時間行わせることが反応収率の観点から望ましい。
反応終了後、反応溶液から反応生成物を回収する。本発明の製造方法においては反応生成物の回収は反応溶液に晶析溶媒としての水及び種結晶を添加してN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの結晶を析出させることにより行われる。反応溶液に添加する水の量は特に制限されないが、Boc化剤の重量の1倍以上3倍以下であることが析出効率の観点から好ましい。反応溶液に添加する水の量がBoc化剤の重量の1倍未満であると、濾液ロスが大きくなりすぎるため好ましくない。濾液ロスは反応溶液に添加する水の量がBoc化剤の重量の1倍である場合は10〜12%であり、2倍である場合は3〜4%であり、3倍である場合は1〜2%である。Boc化剤の重量の3倍より多い量の水を反応溶液に添加しても濾液ロスはそれ以上小さくならず、効果に差がない。従って、特に好ましい水の量はBoc化剤の重量の3倍である。これらの水は一度に反応溶液に添加することもできるが、一度に添加すると目的物と溶媒が2層に分かれてしまい、結晶形が大きくなりすぎるおそれがあるため、複数回に分けて添加することが望ましい。例えばBoc化剤の重量の3倍の水を反応溶液に添加する場合、まず1倍量の水を添加して結晶の一部を析出させてから残余の2倍量の水を添加して結晶の全量を析出させればよい。
本発明の製造方法においてはN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの結晶の析出は−15〜5℃で行うことが好ましく、−5〜0℃で行うことが更に好ましい。析出時間は1〜48時間程度であることが好ましい。
析出したN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの結晶は例えば濾過により回収し、反応で用いたのと同じ水溶性溶媒と水の混合物で洗浄して乾燥させればよい。
以上の工程により、N−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルは取扱いが容易な結晶状態で、簡便な操作で、かつ良好な作業効率及び高収率で安全に製造することができる。
本発明の製造方法を以下、実施例によって更に具体的に説明する。なお、実施例の記載は純粋に発明の理解のためにのみ挙げるものであり、本発明はこれらによっては何ら限定されるものではない。
実施例1
(反応溶液に添加する水の量をBoc化剤の重量の3倍にした例)
2−ブロモエチルアミン臭化水素酸塩575gとメタノール765gをフラスコに仕込み、−5℃まで冷却した中に二炭酸ジ−tert−ブチル510gを添加した。その後、29%水酸化ナトリウム水溶液387gを滴下し、次いで水102gを加え−10〜10℃で5時間反応させた。次に、水510gを添加し3℃以下まで冷却し種結晶を投入した。さらに、3℃以下で水1020gを滴下し3℃以下で1時間保持し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をメタノール/水で洗浄して乾燥させ、N−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの結晶487g(収率93%、NMR純度100%)を得た。
実施例2
(反応溶液に添加する水の量をBoc化剤の重量の2倍にした例)
2−ブロモエチルアミン臭化水素酸塩575gとメタノール765gをフラスコに仕込み、−5℃まで冷却した中に二炭酸ジ−tert−ブチル510gを添加した。その後、29%水酸化ナトリウム水溶液387gを滴下し、次いで水102gを加え−10〜10℃で5時間反応させた。次に、水510gを添加し3℃以下まで冷却し種結晶を投入した。さらに、3℃以下で水510gを滴下し3℃以下で1時間保持し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をメタノール/水で洗浄して乾燥させ、N−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの結晶477g(収率91%、NMR純度100%)を得た。
実施例3
(反応溶液に添加する水の量をBoc化剤の重量の1倍にした例)
2−ブロモエチルアミン臭化水素酸塩575gとメタノール765gをフラスコに仕込み、−5℃まで冷却した中に二炭酸ジ−tert−ブチル510gを添加した。その後、29%水酸化ナトリウム水溶液387gを滴下し、次いで水102gを加え−10〜10℃で5時間反応させた。次に、水510gを添加し3℃以下まで冷却し種結晶を投入した。さらに、3℃で1時間保持し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をメタノール/水で洗浄して乾燥させ、N−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの結晶435g(収率83%、NMR純度100%)を得た。
比較例1(特開2002−201178号公報の実施例6の6aの追試)
2−ブロモエチルアミン臭化水素酸塩5gを水(30.5ml)とアセトニトリル(30.5ml)に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液(30.5ml)及び二炭酸ジ−tert−ブチル5.9gを加え15時間かき混ぜた。反応液を濃縮し残留液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、希硫酸水素カリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。抽出液を濃縮して油状物としてのN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチル5.0g(収率82%)を得た(ただし、NMRによる純度換算収率は65%)。
比較例2(米国特許第6329523B1号公報の実施例11の追試)
2−ブロモエチルアミン臭化水素酸塩5gをアセトニトリル(87.4ml)に溶解し、トリエチルアミン(3.6ml)と二炭酸ジ−tert−ブチル5.0gを加えた。反応液を窒素気流下において20〜25℃で12時間撹拌した後、飽和重曹水(70ml)を添加しエーテル(100ml)にて抽出した。エーテル層を分取し芒硝にて乾燥させた後、エバポレーターにて濃縮し油状物としてのN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチル4.8g(見掛け収率94%)を得た(ただし、NMRによる純度換算収率は82%)。
比較例3(米国特許第5741912号公報の実施例7のAの追試)
ジオキサン−水(2:1、49ml)に炭酸ナトリウム(2.6g)を分散させた中へ、2−ブロモエチルアミン臭化水素酸塩5gを添加し、0℃で15分撹拌した。次に、二炭酸ジ−tert−ブチル5.4gを添加し、0℃で1時間撹拌させた後20〜25℃で12時間反応させた。エバポレーターで溶媒を留去した後、水(65ml)を加え、エーテル(80ml)にて抽出した。エーテル層を水で洗浄後芒硝にて乾燥させ、再びエバポレーターにて濃縮し油状物としてのN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチル4.8g(見掛け収率94%)を得た(ただし、NMRによる純度換算収率は68%)。
実施例1〜3と比較例1〜3を比較すると明らかな通り、比較例の方法は反応溶媒からの抽出、洗浄及び濃縮によりN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルを回収しており、操作が煩雑である上、収率も低い。また、得られたN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルは油状物であるため、取扱いが困難である。さらに、比較例の方法では反応に用いる溶媒と抽出に用いる溶媒が全く異なるため、作業効率が極めて悪い。
これに対し、本発明による実施例の方法は反応溶液からの結晶析出によりN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルを回収するので、操作が簡便である上、収率も高い。また、得られたN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルは結晶状態であるため、取扱いが容易である。さらに、本発明による実施例の方法では反応に用いる溶媒(メタノール/水)と晶析に用いる溶媒(水)が一部共通するため、作業効率が良い。しかも、本発明による実施例の方法では晶析に用いる溶媒は水であるため、安全性が極めて高い。従って、本発明の製造方法によればNO合成酵素阻害剤を合成するための反応中間体として有用なN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルを工業的規模で効率的に製造することができる。

Claims (11)

  1. 2−ブロモエチルアミン又はその塩とBoc化剤を水溶性溶媒中で水酸化ナトリウムの存在下に反応させ、反応溶液に晶析溶媒としての水及び種結晶を添加することによりN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの結晶を析出させることを特徴とするN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法。
  2. 水溶性溶媒がアルコール、環状エーテル、ケトン、アセトニトリル、及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載のN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法。
  3. 水溶性溶媒がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項2記載のN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法。
  4. 水溶性溶媒がメタノールであることを特徴とする請求項3記載のN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法。
  5. Boc化剤が二炭酸ジ−tert−ブチル、Boc−ON,Boc−ONH,Boc−OCH(Cl)CCl,Boc−N,Boc−Cl,Boc−F、及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法。
  6. Boc化剤が二炭酸ジ−tert−ブチルであることを特徴とする請求項5記載のN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法。
  7. N−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの結晶の析出を−15〜5℃の温度で行わせることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載のN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法。
  8. 反応溶液に添加する水の量がBoc化剤の重量の1倍以上3倍以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載のN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法。
  9. 反応溶液に添加する水の量がBoc化剤の重量の3倍であることを特徴とする請求項8記載のN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法。
  10. 2−ブロモエチルアミン又はその塩とBoc化剤を水溶性溶媒と水の混合物中で水酸化ナトリウムの存在下に反応させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載のN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法。
  11. 析出した結晶を濾過して回収し、水溶性溶媒及び水の混合物で洗浄して乾燥させる工程を更に含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項記載のN−(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造方法。
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