JP2005203656A - 薄膜トランジスタ及び薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ及び薄膜トランジスタの製造方法 Download PDF

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亨 菊池
Yukinori Hashimoto
征典 橋本
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Abstract

【課題】 薄膜トランジスタの半導体層として、多結晶シリコン膜を形成しようとする場合、熱CVDを用いると多結晶シリコン膜の成長速度が遅く、生産性が悪い。また、CAT−CVDを用いると、結晶が柱状に成長して膜質が悪くなり、所望の移動度が得られない。
【解決手段】 熱CVDまたはCAT−CVDにより多結晶シリコン膜を形成し、この多結晶シリコン膜上にプラズマCVDによりアモルファスシリコン膜を形成して、薄膜トランジスタの半導体層を得るようにする。
【選択図】 図5


Description

本発明は、薄膜トランジスタ及びその薄膜トランジスタの製造方法に関する。
薄膜トランジスタ(TFT)は、例えば、アクティブマトリクス構造を有する液晶やエレクトロルミネッセンス等を用いた平面ディスプレイの画素の制御や、マトリクス回路の駆動回路に利用される。この薄膜トランジスタは、ガラスなどの基板表面に形成した絶縁膜上に半導体層を有する。この場合、半導体層として多結晶シリコン膜を用いた薄膜トランジスタは、半導体層としてアモルファスシリコン膜を用いたものと比較して導電率、移動度がはるかに大きくなることが知られており、トランジスタの動作速度が早くでき、高速動作が要求される薄膜トランジスタとして利用できる(特許文献1)。
多結晶シリコン膜の形成には、例えばシラン及びジシランから選ばれた水素化ケイ素を原料ガスとしたプラズマCVDが用いられる。このプラズマCVDにより多結晶シリコン膜を成長させるとき、結晶成長を促進するエネルギーを補うために、アモルファスシリコン膜を成長させる場合と比較して高いプラズマ密度が必要になる。この場合、高いRFパワーを投入することになり、下地の絶縁膜がダメージを受けると共に、形成される多結晶シリコン膜自体も欠陥が多い膜となってしまうという問題が生じる。このため、絶縁膜にダメージを与えずかつ欠陥のない多結晶シリコン膜を形成するためには、プラズマを用いない熱CVDやCAT−CVD(Catalytic Chemical Vapor Deposition)を用いることが考えられる。
特開平2001−102593号公報(例えば、従来技術の記載)。
しかしながら、熱CVDによって多結晶シリコン膜を形成する場合、多結晶シリコン膜の成長速度を高めるには基板温度を高く設定する必要がある。ところが、量産に使用する基板がガラス製であることから、基板温度は通常500℃程度が限界である。このように基板温度が低いと、熱CVDによる多結晶シリコン膜の成長速度は、プラズマCVDによるものと比較して一桁以上遅くなり、生産性が悪い。
また、CAT−CVDによって多結晶シリコン膜を形成する場合、所定膜厚以上に多結晶シリコン膜を成長させると、結晶が柱状に成長して膜質が悪くなる。さらに、大気雰囲気に曝されたときに、大気中の酸素や炭素が多結晶シリコン膜内に混入し、薄膜トランジスタを形成した後に移動度の劣化をもたらす等の問題が生じる。
そこで、上記点に鑑み、本発明の課題は、アモルファスシリコン膜のみの半導体層を有するものと比較して移動度が大きい薄膜トランジスタ及びその薄膜トランジスタの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の薄膜トランジスタは、基板表面に形成した絶縁膜上に半導体層を有する薄膜トランジスタであって、前記半導体層を、多結晶シリコン膜と、この多結晶シリコン膜上に形成したアモルファスシリコン膜とから構成したことを特徴とする。
この薄膜トランジスタでは、絶縁膜上の半導体層の初期層に、多結晶シリコン膜を所定の膜厚で形成しているので、半導体層をアモルファスシリコン膜のみから構成したものと比較して導電率や移動度を大きくできる。
この場合、前記多結晶シリコン膜が熱CVDまたはCAT−CVDにより形成されたものであり、前記アモルファスシリコン膜がプラズマCVDにより形成されたものとすればよい。
また、前記多結晶シリコン膜の膜厚が10〜50nmとすればよい。
また、本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板表面に形成した絶縁膜上に半導体層を有する薄膜トランジスタの製造方法であって、熱CVDまたはCAT−CVDにより多結晶シリコン膜を形成し、この多結晶シリコン膜上にプラズマCVDによりアモルファスシリコン膜を形成して前記半導体層を得ることを特徴とする。
この薄膜トランジスタの製造方法によれば、誘電率、移動度等の薄膜トランジスタの特性に影響が大きい初期層として、熱CVDまたはCAT−CVDにより多結晶シリコン膜を形成し、次いで、この多結晶シリコン膜上に、成長速度の早いプラズマCVDによりアモルファスシリコン膜を形成して半導体層を得る。これにより、半導体層の形成時間を短くして生産性を高めることができる。また、絶縁膜上に多結晶シリコン膜を成長させる場合にプラズマを用いないので、下地の絶縁膜にダメージを与えることはなく、さらに、形成される多結晶シリコン膜自体も欠陥のないものとなる。
この場合、前記多結晶シリコン膜の形成と前記アモルファスシリコン膜の形成とを、真空雰囲気内で連続して行うようにすれば、後工程で大気雰囲気に曝されたときにアモルファスシリコン膜が多結晶シリコン膜内に酸素や炭素が混入するのを防止する保護層として機能する。
前記多結晶シリコン膜を熱CVDによって形成する場合、プラズマCVDによるゲート絶縁膜の形成と、この熱CVDによる多結晶シリコン膜の形成とを同一チャンバ内で連続して形成すれば、さらに生産性が高められる。
また、前記多結晶シリコン膜を10〜50nmの範囲の膜厚で形成するのがよい。10nm未満の膜厚では、高速動作が要求されるTFTに利用できる程度の導電率、移動度が得られず、50nmを超えた膜厚では、多結晶シリコン膜の形成時間が長くなって生産性が悪い。
前記多結晶シリコン膜を形成する際に、シラン及びジシランから選ばれた水素化ケイ素を原料ガスとし、この原料ガスに、多結晶シリコンの結晶成長を促進するガスを添加すれば結晶性が改善できる。
この場合、前記原料ガスに添加するガスは、例えばF、SiF、NFのいずれかを含むものとすればよい。
以上説明したように本発明によれば、アモルファスシリコン膜やプラズマCVDにより形成した多結晶シリコン膜と比較して移動度が大きい薄膜トランジスタが得られるという効果を奏する。
図1には、本発明の形成方法を用いて製造した薄膜トランジスタ1が示されている。この薄膜トランジスタ1は、所定の位置にクロムから構成されるゲート電極12が形成されたガラス製の基板11を有し、このゲート電極12の表面を含むガス基板11の表面全体には、窒化シリコンからなるゲート絶縁膜13が形成されている。このゲート絶縁膜13は酸化シリコンから形成することもできる。
ゲート絶縁膜13上には半導体層14が形成されている。この半導体層14を形成する場合、形成時間が短くて生産性がよいと共に、高速動作が要求されるTFTに利用できる程度の移動度が得られるようにする必要がある。本実施の形態では、半導体層14を、ゲート絶縁膜13上に形成した多結晶シリコン膜14aと、この多結晶シリコン膜14a上に形成したアモルファスシリコン膜14bとから構成した。尚、多結晶シリコン膜14aには、粒径が50nm以下の微結晶からなる多結晶シリコン膜が含まれる。
この半導体層14の上面には、n型アモルファスシリコン膜から構成されるオーミックコンタクト層15a、15bが形成されている。一方のオーミックコンタクト層15aの上面には、アルミニウムやモリブデンから構成されるドレイン電極16aが形成されている。他方のオーミックコンタクト層15bの上面には、アルミニウムやモリブデンから構成されるソース電極16bが形成されている。そして、ドレイン電極16a及びソース電極16bの表面を含むゲート絶縁膜13上には窒化シリコンからなるオーバーコート層(図示せず)が形成される。
次に、本発明の薄膜トランジスタ1の製造方法を説明する。基板11表面の所定位置に、公知の方法によって、クロムから構成されるゲート電極12を形成し、このゲート電極12の表面を含む基板11上面にゲート絶縁膜13を形成する。次いで、シラン及びジシランから選ばれた水素化ケイ素を原料ガスとして、熱CVDにより多結晶シリコン膜14aを形成し、この多結晶シリコン膜14a上にプラズマCVDによりアモルファスシリコン膜14bを形成して半導体層14を得る。この場合、多結晶シリコン膜14aとアモルファスシリコン膜14bの形成を同一チャンバ内で連続して積層する。尚、ゲート絶縁膜13をプラズマCVDにより形成する場合、このゲート絶縁膜13の形成も多結晶シリコン膜14aとアモルファスシリコン膜14bの形成と共に、同一チャンバ内で連続して積層できる。
図2は、上記半導体層14を形成するプラズマCVD成膜室2を示す。このプラズマCVD成膜室2は、プラズマCVD及び熱CVDの両プロセスが実行できるように構成され、真空排気手段(図示せず)に通じる排気通路21aの設けられた真空チャンバ21を有する。この真空チャンバ21内には、ゲート電極12及びゲート絶縁膜13の形成された基板11を載置するサセプタ22が設けられ、図示しない公知の加熱ユニットを介してサセプタ22上の基板11を所定温度に加熱することができる。
サセプタ22に対向して真空チャンバ21の上面には、高周波電源23aに接続されたカソード電極23が設けられ、このカソード電極23の真空チャンバ21内に突出した先端部23bには、ガス拡散室24を画成するように、複数のガス噴出口25aを設けたシャワープレート25が取付けられている。このガス拡散室24は、ガス配管26を介して図示しないガス源に接続されている。
熱CVDにより多結晶シリコン膜14aを形成する場合、原料ガスとして、シラン及びジシランから選ばれた水素化ケイ素(Si2n+2)、例えばSi 、Siを用い、基板11の温度を400℃〜550℃、好ましくは450℃に設定する。そして、チャンバ21内の圧力が50〜1000Paの範囲、好ましくは400Paに保持されるように原料ガスをシャワープレート25を介してチャンバ21内に導入して多結晶シリコン膜14aを成長させる。この場合、多結晶シリコン膜14aを10〜50nmの範囲の膜厚で形成する。10nm未満の膜厚では、高速動作が要求されるTFTに利用できる程度の移動度が得られず、50nmを超えた膜厚では、成長速度が10nm/min前後であるため、多結晶シリコン膜14aを形成する時間が長くなって生産性が悪い。また、多結晶シリコン膜14aの結晶性を改善するために、原料ガスに、多結晶シリコン膜14aの結晶成長を促進するF、SiF、NFなどのガスを添加するのがよい。
次いで、原料ガスを切換えると共に、高周波電源23aを作動させてプラズマCVDによりアモルファスシリコン膜14bを形成する。プラズマCVD用の原料ガスとして、例えばSiHを用い、これにキャリアガスとしてHを添加して混合ガスとし、チャンバ21内の圧力が50〜300Paの範囲、好ましくは150Pa前後の圧力に保持されるように混合ガスを導入してアモルファスシリコン膜14bを成長させる。この場合、アモルファスシリコン膜14bを、多結晶シリコン膜14bの膜厚を加えた全膜厚が50nm〜300nmの範囲の膜厚になるように形成する。尚、アモルファスシリコン膜14bの成長速度は、多結晶シリコン膜14aの場合より早く、例えば約150nm/minである。
これにより、薄膜トランジスタの特性に影響がある半導体層14の初期層として、多結晶シリコン膜14aを形成しているので、アモルファスシリコン膜のみから半導体層を構成したものと比較して移動度を大きくできる。また、ゲート絶縁膜13上に多結晶シリコン膜14aを成長させる場合にプラズマを用いないので、下地のゲート絶縁膜13にダメージを与えることはなく、形成される多結晶シリコン膜14a自体も欠陥の少ないものとなり、半導体層14の形成時間を短縮して生産性を高めることができる。さらに、後工程で大気雰囲気に曝されたときにアモルファスシリコン膜14bが多結晶シリコン膜14a内に酸素や炭素が混入するのを防止する保護層として機能する。
次いで、この半導体層14上にn型アモルファスシリコン膜15a、15b、アルミニウム膜を連続して成膜する。次いで、アルミニウム膜の上面の所定位置に、ドレイン電極16a及びソース電極16bを形成するために、スピンコータによりレジストを塗布し、フォトリソグラフィ工程でレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとして、アルミニウム膜及びn型アモルファスシリコン膜をエッチングした後、このフォトレジスト膜を剥離すると、レジストパターンの下側に位置した部分に、ドレイン電極16aとソース電極16b及びオーミックコンタクト層15a、15bが形成され、これにより、薄膜トランジスタ1が形成される。
本実施の形態では、熱CVDにより多結晶シリコン膜14aを形成する場合について説明したが、CAT−CVDにより多結晶シリコン膜14aを形成してもよい。図3は、CAT−CVD成膜室3を示す。このCAT−CVD成膜室3は、真空排気手段(図示せず)に通じる排気通路31aの設けられた真空チャンバ31を有する。この真空チャンバ31内には、ゲート電極12及びゲート絶縁膜13の形成された基板11を載置するサセプタ32が設けられ、図示しない公知の加熱ユニットを介してサセプタ32上の基板11を所定温度に加熱できる。
このサセプタ32に対向して真空チャンバ31の上面には、ガス拡散室33を画成するように複数のガス噴出口34aを設けたシャワープレート34が取付けられ、ガス拡散室33はガス配管33aを介して図示しないガス源に通じている。また、シャワープレート34のサセセプタ32側には、電源35aに接続されたタングステン製の触媒線35が基板11に対して平行に設けらている。
そして、CAT−CVD用の原料ガスとして、例えばSiHを用い、これにキャリアガスとしてHを添加して混合ガスとし、シャワープレート34を介してチャンバ31内に導入して多結晶シリコン膜14aを成長させる。この場合、基板11の温度を100℃〜350℃、好ましくは300℃前後の温度に設定する。また、チャンバ内の圧力が0.1〜50Paの範囲、好ましくは1Pa前後の圧力に保持されるように混合ガスをチャンバ11内に導入すると共に、電源35aを介して触媒線35に通電して、1500〜2000℃の範囲、好ましくは、1700℃前後の温度に加熱し、多結晶シリコン膜を10〜50nmの範囲の膜厚で成長させる。
ところで、CAT−CVD成膜室3では、装置構成が大幅に相違することから、CAT−CVDによる多結晶シリコン膜14aの形成と、プラズマCVDによるアモルファスシリコン膜の形成とを相互に異なるチャンバ内で行うのがよい。図4には、多結晶シリコン膜14aの形成とアモルファスシリコン膜14bの形成とを、真空雰囲気内で連続して行うことができるCVDシステム4を示す。このCVDシステム4は、真空排気手段を設けた略六角柱の搬送室41を有し、搬送室41の各側面には、CAT−CVD成膜室3及びプラズマCVD成膜室2がゲートバルブ41aを介して装着されている。また、搬送室41の他の側面には、ロードロックチャンバ42や基板の予加熱を行う加熱チャンバ43などが適宜設けられる。そして、真空雰囲気に保持された搬送室4内の基板搬送手段44を介して、基板11を順次搬送してCAT−CVDによる多結晶シリコン膜14aの形成と、プラズマCVDによるアモルファスシリコン膜14bの形成とが行われる。
図2に示すCVD成膜室2によって、クロムから構成されるゲート電極の形成されたガラス基板11上に評価用の薄膜トランジスタ(TFT1)を形成した。先ず、基板11上にプラズマCVDによりSiNのゲート絶縁膜を240nmの膜厚で形成し、このゲート絶縁膜上に半導体層14を形成した。この場合、初期層として、熱CVDにより30nmの膜厚で多結晶シリコン膜14aを形成した。このときの成膜条件として、基板温度を450℃に設定し、原料ガスとしてSiとSiFとの混合ガスを使用し、この混合ガスを、チャンバ11内の圧力が400Paに保持されるようにチャンバ11内に導入した。このときの成膜速度は約10nm/minであった。
次いで、原料ガスを切換えると共に、高周波電源23aを作動させてプラズマCVDによりアモルファスシリコン膜14bを多結晶シリコン膜14a上に200nmの膜厚で積層した。この場合、高周波電源23aの出力を、1100Wに設定し、原料ガスとして、SiHにHを添加した混合ガスを用い、チャンバ21内の圧力が150Paに保持されるように混合ガスを導入してアモルファスシリコン膜14bを成長させた。このときの成長速度は約150nm/minであった。尚、230nmの膜厚で半導体層14を形成するのに要した時間は6分であった。そして、アモルファスシリコン膜14a上に、SiH、HにPHを加えた混合ガスを用い、この混同ガスをチャンバ内に導入してプラズマCVDによりn型アモルファスシリコン膜を50nmの膜厚で積層して評価用の薄膜トランジスタ(TFT)を形成した。
比較例として比較評価用の薄膜トランジスタ(TFT2、TFT3)を作成した。この場合、クロムから構成されるゲート電極を形成したガラス基板11上に、プラズマCVDにより、ゲート絶縁膜13であるSiNを240nm、非多結晶シリコン膜のみから構成される半導体層14を230nm、そして、n型アモルファスシリコン膜を50nmの各膜厚で順次積層して、比較評価用の薄膜トランジスタ(TFT2)を形成した。
また、クロムから構成されるゲート電極を形成したガラス基板11上に、プラズマCVDにより、ゲート絶縁膜であるSiNを240nmの膜厚で形成した後、さらにプラズマCVDにより、粒径が50nm以下の微結晶からなる多結晶シリコン膜のみから構成される半導体層14を230nmの膜厚で形成し、そして、n型アモルファスシリコン膜を50nmで順次積層して、別の比較評価用の薄膜トランジスタ(TFT3)を形成した。
図5は、各薄膜トランジスタ(TFT1、TFT2、TFT3)の移動度の測定結果を示す。これによれば、半導体層14としてアモルファスシリコン膜のみから構成した薄膜トランジスタ(TFT2)では、移動度が0.7cm/V・secであった。それに対して、本発明の方法で形成した薄膜トランジスタ(TFT1)では、移動度が約5.0cm/V・secであり、約7倍大きくなった。尚、プラズマCVDにより形成した微結晶シリコン膜を有する薄膜トランジスタ(TFT3)では、移動度が0.5cm/V・secであった。これは、プラズマCVDにより微結晶シリコン膜を成長させると、その結晶粒界がぼそぼそになるために、結果として移動度が改善しないと考えられる。
図4に示すCVD装置4を用いて、クロムから構成されるゲート電極を形成したガラス基板11上に評価用の薄膜トランジスタ(TFT4)を形成した。先ず、プラズマCVD成膜室2において、基板11上にプラズマCVDによりSiNのゲート絶縁膜13を230nmの膜厚で形成し、そして、この基板をCAT−CVD成膜室3に移動して、ゲート絶縁膜13上に、半導体層14の初期層である多結晶シリコン膜14aを30nmの膜厚で形成した。
このときの成膜条件として、電源35aを介して触媒線35に通電して約1700℃に加熱すると共に基板温度を300℃に設定し、原料ガスとしてSiHとHの混合ガスを用い、チャンバ31内の圧力が1Paに保持されるように混合ガスを導入して多結晶シリコン膜14aを成長させた。次いで、この多結晶シリコン14aを形成した基板11を、基板搬送手段44によって再度プラズマCVD成膜室2に移動し、多結晶シリコン膜14a上にアモルファスシリコン膜14bを200nmの膜厚で積層した。この場合、高周波電源23aの出力を1100Wに設定し、原料ガスとして、SiHとHとの混合ガスを用い、チャンバ21内の圧力が150Paに保持されるように混合ガスを導入してアモルファスシリコン膜14bを成長させた。そして、アモルファスシリコン膜14b上に、プラズマCVDによりn型アモルファスシリコン膜を50nmの膜厚で積層して評価用の薄膜トランジスタ(TFT4)とした。
図6は、この薄膜トランジスタ(TFT4)の移動度の測定結果を示す。比較例として上記実施例1で作成した薄膜トランジスタ(TFT2、TFT3)を併記している。これによれば、薄膜トランジスタDでは、移動度が約3.2cm/V・secであり、薄膜トランジスタ(TFT2)と比較して約5倍大きくなった。
本発明の薄膜トランジスタは、例えば、高速動作が要求される有機EL用アレイなどの表示素子の駆動パネルや高精彩テレビの駆動回路に利用できる。
本発明の薄膜トランジスタを概略的に説明する断面図。 多結晶シリコン膜の形成を行うCVD装置を概略的に説明する配置図。 CAT−CVD装置を概略的に説明する配置図。 CVDシステムを概略的に説明する配置図。 本発明に方法及び従来の方法で形成した薄膜トランジスタの移動度を示すグラフ。 本発明に方法及び従来の方法で形成した薄膜トランジスタの移動度を示すグラフ。
符号の説明
1 薄膜トランジスタ
11 ガラス基板
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁膜
14 半導体層
14a 多結晶シリコン膜
14b アモルファスシリコン膜

Claims (9)

  1. 基板表面に形成した絶縁膜上に半導体層を有する薄膜トランジスタであって、前記半導体層を、多結晶シリコン膜と、この多結晶シリコン膜上に形成したアモルファスシリコン膜とから構成したことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 前記多結晶シリコン膜が熱CVDまたはCAT−CVDにより形成されたものであり、前記アモルファスシリコン膜がプラズマCVDにより形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記多結晶シリコン膜の膜厚が10〜50nmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の薄膜トランジスタ。
  4. 基板表面に形成した絶縁膜上に半導体層を有する薄膜トランジスタの製造方法であって、熱CVDまたはCAT−CVDにより多結晶シリコン膜を形成し、この多結晶シリコン膜上にプラズマCVDによりアモルファスシリコン膜を形成して前記半導体層を得ることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 前記多結晶シリコン膜及び前記アモルファスシリコン膜の形成を、真空雰囲気内で連続して行うことを特徴とする請求項4記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 前記多結晶シリコン膜を熱CVDによって形成する場合、プラズマCVDによるゲート絶縁膜の形成と、この熱CVDによる多結晶シリコン膜の形成とを同一チャンバ内で連続して形成することを特徴とする請求項4または請求項5記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 前記多結晶シリコン膜を10〜50nmの範囲の膜厚で形成することを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 前記多結晶シリコン膜を形成する際に、シラン及びジシランから選ばれた水素化ケイ素を原料ガスとし、この原料ガスに、多結晶シリコンの結晶成長を促進するガスを添加することを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 前記原料ガスに添加するガスは、F、SiF、NFのいずれかを含むことを特徴とする請求項8記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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