JP2005203337A - 有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、および電子機器 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡便な構成で、全ての色の有機発光層において高輝度、高発光効率、高寿命特性を示すことができ、しかも熱等に対する保存安定性にも優れた有機EL装置を提供する。
【解決手段】 本発明の有機EL装置は、陽極23と陰極(50,52)との間に有機発光層60を含んでなる積層体を有し、前記有機発光層60が高分子発光材料からなるとともに、前記陰極(50,52)が、アルカリ金属のフッ化物又は酸化物、若しくはアルカリ土類金属のフッ化物又は酸化物、若しくは有機物との錯体又は化合物からなる第1層52と、マグネシウムの合金からなる第2層50とを、前記有機発光層60側からのこの順で含むことを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置とその製造方法、並びにこの有機エレクトロルミネッセンス装置を備えた電子機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置とも言う)として、例えば特許文献1には、陰極と陽極の間に有機発光層が設けられ、該有機発光層が高分子発光材料により形成された構成が開示されている。
特開2001−332388号公報
特許文献1に開示された有機EL装置では、有機発光層が高分子発光材料により形成され、陰極としてカルシウムなど仕事関数が3.0eV(エレクトロンボルト)以下の材料を含むものを用いている。一方、低分子発光材料を用いた有機EL装置において、一般的に有機発光層は最低空分子軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:LUMO)レベルが3.0eVから3.5eVの電子輸送性の有機材料で構成され、陰極としてはマグネシウムなど仕事関数が3.5eV程度の材料が用いられる。例えば、有機発光層はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alq3と示す)に各色に対応したドーパントをそれぞれ添加して構成され、Alq3のLUMOレベルは3.1eVである。一方、高分子発光材料を用いた有機EL装置に用いられる高分子発光材料のLUMOレベルは、同様の発光色の低分子発光材料に比して1.0eV程度低い。したがって、高分子発光材料では、低分子発光材料の場合と比して、陰極として仕事関数が比較的低く、すなわち、反応性が高い材料を用いる必要がある。
また、フルカラー有機EL装置に用いられる高分子発光材料のLUMOレベルは、発光色毎異なる。B(青色)発光を示す発光材料において、最高被占分子軌道(Highest Occupied Molecular Orbital:HOMO)が同じであるなら色純度を高めるためLUMOレベルを低くする必要がある。したがって、B(青色)発光を示す高分子発光材料では、LUMOレベルが2.0eV程度の材料は色純度がよく好ましい。このような結果として、B(青色)発光を示す発光材料のLUMOレベルは、G(緑色)発光を示す発光材料やR(赤色)発光を示す発光材料のLUMOレベルと比して低く構成される。ここで、カルシウムは電子注入を促進する役割を担っているが、高分子発光材料を用いたフルカラー有機EL装置にカルシウムなど仕事関数が3.0eV(エレクトロンボルト)以下の材料を含む陰極構成を適用した場合には、各色の発光を示す有機発光層のLUMOレベルが大きく異なるため、各色の発光を示す有機発光層に対して良好な特性が得られない課題があった。例えばR(赤色)発光を示す有機発光層とG(緑色)発光を示す有機発光層はLUMOレベルが3.3eV程度であり相対的に高効率、高寿命特性を示すが、B(青色)発光を示す有機発光層ははLUMOレベルが2.0eV程度であり効率及び寿命特性が相対的に低いものとなる。すなわち、カルシウムなど仕事関数が3.0eV以下の材料を用いて共通陰極を構成し、電子注入の促進を図ろうとすると、各発光色を示す有機発光層と陰極との仕事関数差に大きな違いが生じる。したがって、特にB(青色)発光を示す有機発光層において電子と正孔の注入バランスが崩れ、全ての色の有機発光層に対して高効率化及び高寿命化を実現することは困難であった。さらに、カルシウムなどのように仕事関数が低い材料を陰極として用いると、酸素、水分や有機発光層などと反応しやすくなり高寿命化を実現することは困難であった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、簡便な構成で、全ての色の有機発光層において高輝度、高発光効率、高寿命特性を示すことができ、しかも熱等に対する保存安定性にも優れた有機EL装置を提供することを目的とし、さらにこの有機EL装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、陽極と陰極との間に有機発光層を含んでなる積層体を有する複数の有機発光素子とを備える有機エレクトロルミネッセンス装置であって、前記有機発光層が高分子発光材料からなり、前記複数の有機発光素子は、該複数の有機発光素子を構成する有機発光材料のうち、最もLUMOレベルが高い第1のLUMOレベルを有する第1の有機発光材料を備えた第1の有機発光素子と、該複数の有機発光素子を構成する有機発光材料のうち、最もLUMOレベルが低い第2のLUMOレベルを有する第2の有機発光材料を備えた第2の有機発光素子とを含み、前記陰極は、前記第1の有機発光素子と前記第2の有機発光素子とに共通で形成されており、アルカリ金属のフッ化物又は酸化物、若しくはアルカリ土類金属のフッ化物又は酸化物、若しくは有機物との錯体又は化合物からなる第1層と、その仕事関数と前記第1のLUMOレベルとの差が0.7eV以内である原子を含む第2層とを、前記有機発光層側からのこの順で含むことを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の発明において、前記第1のLUMOレベルは3.0eVから3.5eVの範囲にあり、前記第2のLUMOレベルは2.0eVから2.5eVの範囲にあり、前記第2層が、仕事関数が3.0eVから4.0eVである原子を含むことを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の発明において、前記第1層はフッ化リチウムであり、前記第2層を構成する少なくとも一つの原子の仕事関数と前記第2のLUMOレベルとの差が2.0eV以内であることを特徴とする。
かかる構成にすることにより、複数の有機発光層のうちLUMOレベルが最も高い有機発光層に第2層から電子を注入する際の障壁を緩和させることができる。したがって、高分子発光材料を用いたフルカラー有機EL装置に適用した場合に、各色の発光を示す有機発光層のLUMOレベルが大きく異なっていても、各色の発光を示す有機発光層において高輝度、高発光効率、高寿命特性を示すことができる。
さらに、かかる構成とすることにより、高分子発光材料を用いた有機EL装置において第2層としてカルシウムなどと比して反応性が低いマグネシウムなどの材料を用いることができる。したがって、水分、酸素、有機発光層などとの反応による有機EL装置の劣化を低減することができ、高輝度、高発光効率、高寿命特性を示すことができ、しかも熱等に対する保存安定性にも優れた有機EL装置を実現することができる。
このように、有機EL装置において陰極を第1層と第2層の積層構造として構成し、しかも第2層を仕事関数が3.0eVから4.0eVの原子を含む合金、好ましくは仕事関数が3.5eV(エレクトロンボルト)から4.0eVの原子を含む合金にて構成することで、有機発光層の色に拘らず、高輝度、高発光効率、高寿命特性を示す有機EL装置を提供することができるようになる。また、有機発光層の色毎に材料を異ならせる必要もなく、各色に対して共通の陰極構造にて、上記のような良好な輝度、効率、寿命特性を得ることができ、非常に簡便な構成で、製造コスト削減にも寄与可能となる。つまり、有機発光層が画素単位毎に異なる色の有機発光層を含む構成である場合に、陰極を各色の有機発光層に共通の構成にて形成した場合にも、高輝度、高発光効率、高寿命特性を示す有機EL装置を提供できるようになる。仕事関数が3.0eVから4.0eVの原子としては、マグネシウム(仕事関数3.66eV)、スカンジウム(仕事関数3.5eV)、イットリウム(仕事関数3.1eV)、ランタン(仕事関数3.5eV)、ひ素(仕事関数3.75eV)などを挙げることができ、マグネシウムが最も好ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の発明において、前記陰極を構成する第2層は、マグネシウムと銀の合金、マグネシウムとアルミニウムの合金、マグネシウムとクロムの合金の中から選択される1又は2以上の合金からなるものとすることができる。これらの合金は、特に熱安定性に優れるため、当該有機EL装置の保存安定性を一層高めることが可能となる。
また、本発明の有機EL装置において、前記陰極を構成する第2層が、前記積層体の最外層を構成しているものとすることができる。この場合、陰極の最外層が第2層にて構成されるため、当該第2層の厚さ次第で、特に第2層を薄膜に形成すればトップエミッション型の有機EL装置を提供することができ、厚膜に形成すればボトムエミッション型の有機EL装置を提供することができるようになる。なお、本明細書では、陰極の有機発光層側を内側と言い、これとは反対側を外側と言うものとしている。さらに、第2層が積層体の最外層を構成した場合であっても、第2層を反応性が低い材料にて構成することができるため、水分、酸素、有機発光層などと陰極との反応を低減することでき、高分子発光材料を用いた有機EL装置の安定性や信頼性を一層向上させることができる。
或いは、前記第2層の外層側に透明電極を具備させても良い。陰極の第2層を薄膜にしてトップエミッション型の有機EL装置を構成する場合、該陰極の抵抗が大きくなり発光効率の低下を生じる惧れがあるが、その外側にITO等の透明電極を具備させることで、透光性を備えたまま、該陰極の低抵抗化を実現することができるようになる。さらに、第2層としてカルシウムなどと比して反応性が低いマグネシウムなどの材料を用いることができるため、第2層の外層側に透明電極が具備されてなる場合であっても、ITO等の透明電極と陰極との反応を低減させることができ、高分子発光材料を用いた有機EL装置の安定性や信頼性を一層向上させることができる。
その他にも、前記第2層の外層側に、SiOxy(x,yは整数)にて表される保護膜を具備させても良い。この場合、陰極に対する保護効果があり、保存安定性が一層向上することとなる。また、第2層としてカルシウムなどと比して反応性が低いマグネシウムなどの材料を用いることができるため、第2層の外層側に透明電極が具備されてなる場合であっても、SiOxy(x,yは整数)にて表される保護膜と陰極との反応を低減させることができ、高分子発光材料を用いた有機EL装置の安定性や信頼性を一層向上させることができる。
また、前記第2層が、その外層側に向けてマグネシウムの組成比が減少する勾配を有しているものとすることができる。このようにマグネシウムの組成比が陰極の外側に向けて減少する構成を採用することで、陰極の抵抗をその厚さ方向に異ならしめることが可能となる。なお、第2層において、マグネシウムとその他の金属との重量比は例えば10:1〜1:10程度とすることができ、マグネシウムが多すぎると保存安定性に劣り、マグネシウムが少なすぎると陰極の機能が低下する惧れがある。
また、本発明の電子機器は、上述の有機エレクトロルミネッセンス装置を備えたことを特徴とする。これにより、長寿命で且つ明るい表示が可能な電子機器を提供することができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、陽極と陰極との間に有機発光層を含んでなる積層体を有する有機発光素子とを備える有機エレクトロルミネッセンス装置であって、前記有機発光層が高分子発光材料からなり、前記有機発光素子は、LUMOレベルが2.0eVから2.5eVの範囲にある有機発光層を有し、前記陰極は、フッ化リチウムからなる第1層と、マグネシウムと銀の合金、マグネシウムとアルミニウムの合金、マグネシウムとクロムの合金の中から選択される1又は2以上の合金からなる第2層とを、前記有機発光層側からのこの順で含むことを特徴とする。
従来、LUMOレベルが2.0eVから2.5eVの範囲にある有機発光層に対して陰極としてカルシウムなどの比較的反応性が高い材料を用いる必要があった。本発明では、かかる構成とすることにより、高分子発光材料を用いた有機EL装置において、第2層としてカルシウムなどと比して反応性が低いマグネシウムなどの材料を用いることができる。したがって、水分、酸素、有機発光層などとの反応による有機EL装置の劣化を低減することができ、高輝度、高発光効率、高寿命特性を示すことができ、しかも熱等に対する保存安定性にも優れた有機EL装置を実現することができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、基板上に陽極を形成する工程と、前記陽極上に有機発光層を含む機能層を液相法により形成する工程と、前記機能層上にアルカリ金属のフッ化物又は酸化物、若しくはアルカリ土類金属のフッ化物又は酸化物、若しくは有機物との錯体又は化合物からなる陰極第1層を形成する工程と、陰極第1層上にマグネシウムと銀の合金、マグネシウムとアルミニウムの合金、マグネシウムとクロムの合金の中から選択される1又は2以上の合金から陰極第2層を形成する工程とを有する。
マグネシウム単体にて構成する場合に比してマグネシウム合金を用いた場合には、第1層に用いられる例えばフッ化リチウムとの反応を低減することができ、液相法により形成された有機発光層内に第1層を構成する原子が拡散するのを低減させることができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、電子機器に上記のいずれか1つに記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を備えたことを特徴とする。この発明によれば、高輝度、高発光効率、高寿命特性を示すことができ、しかも熱等に対する保存安定性にも優れた電子機器を提供することができる。
<有機エレクトロルミネッセンス装置>
以下、図面を参照しながら、本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)の一実施の形態について説明する。
図1は本実施形態の有機EL装置の配線構造を模式的に示す図である。
有機EL装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下ではTFTと略記する)を用いたアクティブマトリクス型の表示装置である。
この有機EL装置1は、図1に示すように、複数の走査線101…と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102…と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103…とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査線101…と信号線102…の各交点付近に、画素領域X…が設けられている。
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続されている。
さらに、画素領域X各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT112と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から供給される画素信号を保持する保持容量113と、該保持容量113によって保持された画素信号をゲート電極に供給するための駆動用TFT123と、この駆動用TFT123を介して電源線103に電気的に接続したときに該電源線103から駆動電流が流れ込む画素電極(陽極)23と、陰極第1層と陰極第2層50とからなる陰極と、この画素電極23と陰極との間に挟持された機能層110とが設けられている。画素電極23と陰極と機能層110により、積層体たる有機発光素子(有機EL素子)が構成されている。
この有機EL装置1によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT112がオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量113に保持され、該保持容量113の状態に応じて、駆動用TFT123のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT123のチャネルを介して、電源線103から画素電極23に電流が流れ、さらに機能層110を介して陰極第2層50に電流が流れる。機能層110は、これを流れる電流量に応じて発光する。
次に、本例の有機EL装置1の具体的な構成を図2〜図5を参照して説明する。
まず、図2に基づいて、本実施形態の有機ELの平面構造について説明する。本例の有機EL装置1は、電気絶縁性を備えた基板20と、スイッチング用TFT(図示せず)に接続された画素電極が基板20上にマトリックス状に配置されてなる画素電極域(図示せず)と、画素電極域の周囲に配置されるとともに各画素電極に接続される電源線(図示せず)と、少なくとも画素電極域上に位置する平面視ほぼ矩形の画素部3(図2中一点鎖線枠内)とを具備して構成されている。なお、本発明においては、基板20と後述するようにこれの上に形成されるスイッチング用TFTや各種回路、及び層間絶縁膜などを含めて、基体と称している。
画素部3は、中央部分の実表示領域4(図2中二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5(一点鎖線および二点鎖線の間の領域)とに区画されている。実表示領域4には、それぞれ画素電極を有する表示領域R、G、BがA−B方向およびC−D方向にそれぞれ離間してマトリックス状に配置されている。また、実表示領域4の図2中両側には、走査線駆動回路80、80が配置されている。これら走査線駆動回路80、80は、ダミー領域5の下側に配置されている。
さらに、実表示領域4の図2中上側には、検査回路90が配置されている。この検査回路90は、有機EL装置1の動作状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する検査情報出力手段(図示せず)を備え、製造途中や出荷時の表示装置の品質、欠陥を検査できるようになっている。なお、この検査回路90も、ダミー領域5の下側に配置されている。
走査線駆動回路80および検査回路90は、その駆動電圧が、所定の電源部から駆動電圧導通部310(図3参照)および駆動電圧導通部340(図4参照)を介して、印加される。また、これら走査線駆動回路80および検査回路90への駆動制御信号および駆動電圧は、この有機EL装置1の作動制御を行う所定のメインドライバなどから駆動制御信号導通部320(図3参照)および駆動電圧導通部350(図4参照)を介して、送信および印加されるようになっている。なお、この場合の駆動制御信号とは、走査線駆動回路80および検査回路90が信号を出力する際の制御に関連するメインドライバなどからの指令信号である。
次に、図3〜図5に基づいて本有機EL装置の断面構造について説明する。図3,図4は、図2のA−B線に沿う断面図であり、図5はその要部を拡大して示す図である。本有機EL装置1は、図3及び図4に示すように、基板20と封止基板30とが封止樹脂40を介して貼り合わされてなるものである。
基板20としては、いわゆるボトムエミッション型の有機EL装置の場合、基板20側から発光光を取り出す構成であるので、透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特に、安価なソーダガラス基板が好適に用いられる。
また、いわゆるトップエミッション型の有機EL装置の場合には、この基板20の対向側である封止基板30側から発光光を取り出す構成であるので、基板20には透明基板及び不透明基板のいずれを用いることもできる。不透明基板としては、例えば、アルミナ等のセラミック、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したものの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。
封止基板30には、例えば、電気絶縁性を有する板状部材を採用することができる。特にトップエミッション型の場合には、この封止基板30として、ガラス,石英,樹脂等の透明基板が採用される。また、封止樹脂40は、例えば、熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂からなるものであり、特に熱硬化樹脂の一種であるエポキシ樹脂よりなることが好ましい。
また、基板20上には、画素電極23を駆動するための駆動用TFT123などを含む回路部11が形成されており、その上に発光素子が設けられている。この発光素子は、図5に示すように、画素電極23と、有機発光層60を主体とする機能層110(図1参照)と、陰極第1層(電子注入層)52と陰極第2層50とからなる陰極とが順に積層されてなるものである。
画素電極23は有機発光層60に対して正孔を供給する陽極として機能するものであり、この画素電極23には、例えばボトムエミッション型の場合、ITO(インジウム錫酸化物)や酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide :IZO(登録商標))(出光興産社製)等の透明導電材料が用いられる。また、トップエミッション型の場合には、このような透明導電材料に限らず、例えばアルミニウム(Al)や銀(Ag)等の光反射性或いは不透明な導電材料を用いることもできる。
有機発光層60には、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の高分子発光材料を用いている。具体的には、ポリフルオレン誘導体(PF)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリジアルキルフルオレン(PDAF)、ポリフルオレンベンゾチアジアゾール(PFBT)、ポリアルキルチオフェン(PAT)、ポリ(2,7−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン)−(1,4−フェニレン−((4−メチルフェニル)イミノ)−1,4−フェニレン−((4−メチルフェニル)イミノ)−1,4−フェニレン))(PFM)、ポリ(2,7−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン)−(1,4−フェニレン−((4−メトキシフェニル)イミノ)−1,4−フェニレン−((4−メトキシフェニル)イミノ)−1,4−フェニレン))(PFMO)、ポリ(2,7−(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン)−3,6−ベンゾチアジアゾール)(F8BT)や、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
青色の発光する高分子発光材料としては、例えば(化学式1)で示されるPFMや(化学式2)で示されるPFMOが好適に用いられ、LUMOレベルはそれぞれ2.1eV、2.0eVである。また、緑色の発光する高分子発光材料としては、例えば(化学式3)で示されるF8BTが好適に用いられ、LUMOレベルは3.4eVである。さらに、赤色の発光する高分子発光材料としては、例えば(化学式4)で示されるPATや(化学式5)で示されるポリ(2,5−ジアルコキシ−P−フェニレンビニレン(PO−PPV)が好適に用いられ、LUMOレベルはそれぞれ3.3eV、3.2eVである。
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なお、「高分子」とは、分子量が数百程度のいわゆる「低分子」よりも分子量の大きい重合体を意味し、上述の高分子材料には、一般に高分子と呼ばれる分子量10000以上の重合体の他に、分子量が10000以下のオリゴマーと呼ばれる低重合体が含まれる。本実施形態では、フルカラー表示を行なうべく、R(赤),G(緑),B(青)に対応した有機発光層60が1画素内に並置されている。
また、本実施形態では、必要に応じて画素電極23と有機発光層60との間に正孔注入/輸送層70(図5参照)を設けることができる。この正孔注入/輸送層を設けることにより、有機発光層60内を移動する電子が効率よくブロッキングされ、有機発光層60内での電子と正孔との再結合確率が高まる。この正孔注入/輸送層70には、画素電極23からの注入障壁が低く、正孔移動度の高い材料が好適に用いられる。このような材料としては、例えばポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体など、またはそれらのドーピング体などが用いられる。具体的には、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液、すなわち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させた分散液などが用いられる。
陰極第2層50は、図3〜図5に示すように、実表示領域4およびダミー領域5の総面積より広い面積を備え、それぞれを覆うように形成されている。この陰極第2層50は、仕事関数が3.0eVから4.0eVの原子を含む合金にて構成され、本実施形態では、マグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金を用いて構成されている。なお、その他にも、マグネシウム(Mg)とアルミニウム(Al)の合金、又はマグネシウム(Mg)とクロム(Cr)の合金を用いても良いが、クロム(Cr)との合金は蒸着が困難なため、安定性及び製造効率を考慮するとマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金が好適である。なお、陰極第2層50の厚さは50nm以上が好ましく、本実施形態では200nm程度に構成されている。また、陰極第2層50に用いる仕事関数が3.0eVから4.0eVの原子として、スカンジウム(仕事関数3.5eV)、イットリウム(仕事関数3.1eV)、ランタン(仕事関数3.5eV)、ひ素(仕事関数3.75eV)などを用いてもよい。
次に、本実施形態では、陰極第2層50から有機発光層60への電子注入効率を高めるために、陰極第2層50と有機発光層60との間に、陰極第1層(電子注入層)52が設けられている。陰極第1層(電子注入層)52は、アルカリ金属のフッ化物にて、具体的にはフッ化リチウム(LiF)を用いて構成されているが、その他にも、例えばアルカリ金属の酸化物、アルカリ金属の塩化物、若しくはアルカリ土類金属のフッ化物又は酸化物、若しくは有機物との錯体又は化合物を用いて構成することもできる。
これらの一例を挙げると、アルカリ金属のフッ化物としては、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化カリウム(KF)等を、アルカリ金属の酸化物としては、酸化リチウム(Li2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化カリウム(K2O)等を、アルカリ土類金属のフッ化物としては、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等を、アルカリ土類金属の酸化物としては、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)等を、有機物との錯体又は化合物としては、金属元素からなる中心原子をM、有機材料からなるキレート配位子をA、有機材料からなる中性配位子をBとして一般式MAnm(n:中心原子Mの価数、m:自然数)で示される有機金属化合物を例示でき、このような錯体としては、キレート錯体やクラウンエーテル錯体等、種々の構造の錯体を用いることができる。これらの化合物等から構成される陰極第1層(電子注入層)52の厚さは0.1nm〜10nm程度が好ましく、本実施形態では2nm程度に構成されている。
なお、本実施形態では、上記陰極第1層(電子注入層)52と陰極第2層50との積層構造にて、画素電極(陽極)23との間で有機発光層60を挟持する陰極が構成されている。ここで、ボトムエミッション型の場合には陰極構成は特に問題とならないが、トップエミッション型の場合、陰極第1層(電子注入層)52と陰極第2層50とからなる陰極を薄膜化(例えば膜厚5nm程度)するのが好ましい。
次に、図5に基づいて、この発光素子を駆動するために回路部の構成について説明する。前記の発光素子の下方には、図5に示したように回路部11が設けられている。この回路部11は、基板20上に形成されて基体を構成するものである。すなわち、基板20の表面にはSiO2を主体とする下地保護層281が下地として形成され、その上にはシリコン層241が形成されている。このシリコン層241の表面には、SiO2やSiNを主体とするゲート絶縁層282が形成されている。また、前記シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域がチャネル領域241aとされている。なお、このゲート電極242は、図示しない走査線101の一部である。一方、シリコン層241を覆い、ゲート電極242を形成したゲート絶縁層282の表面には、SiO2を主体とする第1層間絶縁層283が形成されている。
また、シリコン層241のうち、チャネル領域241aのソース側には、低濃度ソース領域241bおよび高濃度ソース領域241Sが設けられる一方、チャネル領域241aのドレイン側には低濃度ドレイン領域241cおよび高濃度ドレイン領域241Dが設けられて、いわゆるLDD(Light Doped Drain )構造となっている。これらのうち、高濃度ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール243aを介して、ソース電極243に接続されている。このソース電極243は、前述した電源線103(図1参照、図5においてはソース電極243の位置に紙面垂直方向に延在する)の一部として構成されている。一方、高濃度ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール244aを介して、ソース電極243と同一層からなるドレイン電極244に接続されている。
ソース電極243およびドレイン電極244が形成された第1層間絶縁層283の上層は、例えばアクリル系の樹脂成分を主体とする第2層間絶縁層284によって覆われている。この第2層間絶縁層284には、アクリル系の絶縁膜以外の材料、例えば、SiN、SiO2 などの珪素化合物を用いることもできる。このように第2層間絶縁膜282にガスバリア性の高い珪素化合物、特に珪素窒素化合物を用いると、基板本体20を透湿性の高い樹脂基板とした場合でも、基板側から有機発光層60へ酸素や水分等が浸入することを防止でき、発光素子の寿命を長くすることができる。そして、この第2層間絶縁層284の表面にはITOからなる画素電極23が形成されるとともに、この画素電極23は、該第2層間絶縁層284に設けられたコンタクトホール23aを介してドレイン電極244に接続されている。すなわち、画素電極23は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイン領域241Dに接続されている。
なお、走査線駆動回路80および検査回路90に含まれるTFT(駆動回路用TFT)、すなわち、例えばこれらの駆動回路のうち、シフトレジスタに含まれるインバータを構成するNチャネル型又はPチャネル型のTFTは、画素電極23と接続されていない点を除いて前記駆動用TFT123と同様の構造とされている。
画素電極23が形成された第2層間絶縁層284の表面には、画素電極23と、前記した親液性制御層25及び有機バンク層221とからなるバンク構造体が設けられている。親液性制御層25は、例えばSiO2 などの親液性材料を主体とするものであり、有機バンク層221は、例えばアクリルやポリイミドなどからなるものである。そして、画素電極23の上には、親液性制御層25に設けられた開口部25a、および有機バンク221に囲まれてなる開口部221aの内部に、正孔注入/輸送層70と有機発光層60とがこの順に積層されている。なお、本例における親液性制御層25の「親液性」とは、少なくとも有機バンク層221を構成するアクリル、ポリイミドなどの材料と比べて親液性が高いことを意味するものとする。以上に説明した基板20上の第2層間絶縁層284までの層が、回路部11を構成するものとなっている。
以上のような構成の有機EL装置1は、陰極第2層50と陰極第1層(電子注入層)52とから構成される陰極と、陽極たる画素電極23との間に、高分子発光材料からなる有機発光層60が挟持されてなるとともに、陰極第2層50がマグネシウムの合金から構成されている。このように、陰極を陰極第1層(電子注入層)52と陰極第2層50との積層構造として構成し、しかも陰極第2層50をマグネシウムの合金にて構成することで、有機発光層60の色に拘らず、つまり何れの色の有機発光層60においても高輝度、高発光効率、高寿命特性を示すものとなる。より具体的には、かかる構成とすることにより、LUMOレベルが2.0eV程度であるPFMやPFMOからなる有機発光層60への電子注入を良好にすると共に、LUMOレベルが3.3eV程度であるF8BT、PATやPO−PPVからなる有機発光層60へ電子を注入することができる。したがって、各色の発光を示す全ての有機発光層60において電子と正孔の注入バランスがとれ、高輝度、高発光効率を示すことができる。
また陰極のうち陰極第2層50をマグネシウム単体にて構成する場合に比して、本実施形態で用いたマグネシウム合金は酸化し難く、保存安定性にも優れたものとなる。また、有機発光層60の色毎に材料を異ならせる必要もなく、各色に対して共通の陰極構成にて、上記のような良好な輝度、効率、寿命特性を得ることができ、非常に簡便な構成で、製造コスト削減にも寄与可能となる。つまり、有機発光層60が画素単位毎に異なる色の有機発光層60を含む構成である場合にも、陰極を各色の有機発光層60に共通の構成にて形成した簡便な構成により、高輝度、高発光効率、高寿命特性を示すことができるものとされている。
また、複数の発光色にてそれぞれ発光する複数の有機発光層を有する有機EL装置において、複数の有機発光層のうちLUMOレベルが最も高い有機発光層を構成する材料のLUMOレベルと陰極第2層50を構成する材料の仕事関数が略同じであり、有機発光層60と陰極第2層50との間に陰極第1層(電子注入層)52は形成され、陰極第1層(電子注入層)52がアルカリ金属のフッ化物、アルカリ金属の酸化物、若しくはアルカリ土類金属のフッ化物又は酸化物、若しくは有機物との錯体又は化合物にて構成することが好ましい。また、複数の有機発光層のうちLUMOレベルが最も低い有機発光層を構成する材料のLUMOレベルと陰極第2層50を構成する材料の仕事関数の差が0.7eV以内であることが望ましい。かかる構成にすることにより、複数の有機発光層のうちLUMOレベルが最も高い有機発光層と最も低い有機発光層に対し陰極第2層50から電子を注入する際の障壁を緩和することができる。特に、陰極第1層(電子注入層)52の材料としてバンドギャップを有する半導体、絶縁体を用いることにより、上記の効果を助長することができる。陰極第2層50を構成する材料の仕事関数が複数の有機発光層のうちLUMOレベルが最も低い有機発光層を構成する材料のLUMOレベルより0.7eV以上高い場合には、複数の有機発光層のうちLUMOレベルが最も高い有機発光層への電子注入を効率的に行なうことができない。また、陰極第2層50を構成する材料の仕事関数が複数の有機発光層のうちLUMOレベルが最も低い有機発光層を構成する材料のLUMOレベルより0.7eV以上低い場合には、水分、酸素、有機発光層60などと陰極第2層50との反応により高分子発光材料を用いた有機EL装置の安定性や信頼性が劣化する。
より具体的には、LUMOレベルが最も高い有機発光層のLUMOレベルが3.3eV程度であり、LUMOレベルが最も低い有機発光層のLUMOレベルは2.0eV程度であるので、陰極第2層50は仕事関数が3.66eVであるマグネシウムを用いれば、このような条件を満たす。LUMOレベルが最も低い有機発光層のLUMOレベルと陰極第2層50の仕事関数の差が2.0eV以内であれば、陰極第1層(電子注入層)52としてフッ化リチウムを用いてその膜厚を最適化することにより電子を陰極第2層50から有機発光層60へ注入する際の障壁を緩和することができる。したがって、各色の発光を示す全ての有機発光層60において電子と正孔との注入バランスがとれ、高輝度、高発光効率を示すことができる。
さらに、かかる構成とすることにより、高分子発光材料を用いた有機EL装置において陰極第2層50としてカルシウムなどと比して反応性が低いマグネシウムなどの材料を用いることができる。したがって、水分、酸素、有機発光層60などとの反応による有機EL装置の劣化を低減することができ、高輝度、高発光効率、高寿命特性を示すことができ、しかも熱等に対する保存安定性にも優れた有機EL装置を実現することができる。さらに、トップエミッション型の場合、陰極第1層(電子注入層)52と陰極第2層50とからなる陰極を薄膜化(例えば膜厚5nm程度)した場合であっても、陰極第2層50を反応性が低い材料にて構成することができるため、水分、酸素、有機発光層60などと陰極との反応を低減することでき、高分子発光材料を用いた有機EL装置の安定性や信頼性を一層向上させることができる。
なお、上記実施の形態では、積層体からなる発光素子の最上層に、陰極第2層50を配設しているが、該陰極第2層50の更に外層側に透明電極を具備させても良い。つまり、図6に示すように、陰極第2層50を薄膜にしてトップエミッション型の有機EL装置を構成する場合、該陰極第2層50の抵抗が大きくなり発光効率の低下を生じる惧れがあるが、その外側にITO等の透明電極53を具備させることで、透光性を備えたまま、該陰極側電極の抵抗値の低下を実現することができるようになる。
また、図7に示すように、陰極第2層50の更に外層側にSiOxy(x,yは整数)にて表される絶縁膜54を具備させても良い。この場合、陰極第2層50に対する保護効果があり、保存安定性が一層向上することとなる。
さらに、陰極第2層50としてカルシウムなどと比して反応性が低いマグネシウムなどの材料を用いることができるため、ITO等の透明電極53やSiOxy(x,yは整数)にて表される絶縁膜54と陰極との反応を低減させることができ、高分子発光材料を用いた有機EL装置の安定性や信頼性を一層向上させることができる。
また、図8に示すように、陰極第2層50を、その外層側に向けてマグネシウムの組成比が減少する勾配を有する構成としても良い。このようにマグネシウムの組成比が陰極の外側に向けて減少する構成を採用することで、陰極の抵抗をその厚さ方向に異ならしめることが可能となる。なお、陰極第2層50において、マグネシウムとその他の金属との重量比は例えば10:1〜1:10程度とすることができ、マグネシウムが多すぎると保存安定性に劣り、マグネシウムが少なすぎると陰極の機能が低下する惧れがある。
<有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法>
次に、上記有機EL装置1の製造方法の一例を、図9〜図13を参照して説明する。ここで、図9〜図13に示す各断面図は、図2中のA−B線の断面図に対応している。
まず、図9(a)に示すように、基板20の表面に、下地保護層281を形成する。次に、下地保護層281上に、ICVD法、プラズマCVD法などを用いてアモルファスシリコン層501を形成した後、レーザアニール法又は急速加熱法により結晶粒を成長させてポリシリコン層とする。
次いで、図9(b)に示すように、ポリシリコン層をフォトリソグラフィ法によりパターニングし、島状のシリコン層241、251および261を形成する。これらのうちシリコン層241は、表示領域内に形成され、画素電極23に接続される駆動用TFT123を構成するものであり、シリコン層251、261は、走査線駆動回路80に含まれるPチャネル型およびNチャネル型のTFT(駆動回路用TFT)をそれぞれ構成するものである。
次に、プラズマCVD法、熱酸化法などにより、シリコン層241、251および261、下地保護層281の全面に厚さが約30nm〜200nmのシリコン酸化膜によって、ゲート絶縁層282を形成する。ここで、熱酸化法を利用してゲート絶縁層282を形成する際には、シリコン層241、251および261の結晶化も行い、これらのシリコン層をポリシリコン層とすることができる。
また、シリコン層241、251および261にチャネルドープを行う場合には、例えば、このタイミングで約1×1012cm-2のドーズ量でボロンイオンを打ち込む。その結果、シリコン層241、251および261は、不純物濃度(活性化アニール後の不純物にて算出)が約1×1017cm-3の低濃度P型のシリコン層となる。
次に、Pチャネル型TFT、Nチャネル型TFTのチャネル層の一部にイオン注入選択マスクを形成し、この状態でリンイオンを約1×1015cm-2のドーズ量でイオン注入する。その結果、パターニング用マスクに対してセルフアライン的に高濃度不純物が導入されて、図9(c)に示すように、シリコン層241及び261中に高濃度ソース領域241Sおよび261S並びに高濃度ドレイン領域241Dおよび261Dが形成される。
次に、図9(c)に示すように、ゲート絶縁層282の表面全体に、ドープドシリコンやシリサイド膜、或いはアルミニウム膜やクロム膜、タンタル膜という金属膜からなるゲート電極形成用導電層502を形成する。この導電層502の厚さは概ね500nm程度である。その後、パターニング法により、図9(d)に示すように、Pチャネル型の駆動回路用TFTを形成するゲート電極252、画素用TFTを形成するゲート電極242、Nチャネル型の駆動回路用TFTを形成するゲート電極262を形成する。また、駆動制御信号導通部320(350)、陰極電源配線の第1層121も同時に形成する。なお、この場合、駆動制御信号導通部320(350)はダミー領域5に配設するものとされている。
続いて、図9(d)に示すように、ゲート電極242,252および262をマスクとして用い、シリコン層241,251および261に対してリンイオンを約4×1013cm-2のドーズ量でイオン注入する。その結果、ゲート電極242,252および262に対してセルフアライン的に低濃度不純物が導入され、図9(d)に示すように、シリコン層241および261中に低濃度ソース領域241bおよび261b、並びに低濃度ドレイン領域241cおよび261cが形成される。また、シリコン層251中に低濃度不純物領域251Sおよび251Dが形成される。
次に、図10(e)に示すように、Pチャネル型の駆動回路用TFT252以外の部分を覆うイオン注入選択マスク503を形成する。このイオン注入選択マスク503を用いて、シリコン層251に対してボロンイオンを約1.5×1015cm-2のドーズ量でイオン注入する。結果として、Pチャネル型駆動回路用TFTを構成するゲート電極252もマスクとして機能するため、シリコン層252中にセルフアライン的に高濃度不純物がドープされる。従って、低濃度不純物領域251Sおよび251Dはカウンタードープされ、P型チャネル型の駆動回路用TFTのソース領域およびドレイン領域となる。
次いで、図10(f)に示すように、基板20の全面にわたって第1層間絶縁層283を形成するとともに、フォトリソグラフィ法を用いて当該第1層間絶縁層283をパターニングすることによって、各TFTのソース電極およびドレイン電極に対応する位置にコンタクトホールCを形成する。
次に、図10(g)に示すように、第1層間絶縁層283を覆うように、アルミニウム、クロム、タンタルなどの金属からなる導電層504を形成する。この導電層504の厚さは概ね200nmないし800nm程度である。この後、導電層504のうち、各TFTのソース電極およびドレイン電極が形成されるべき領域240a、駆動電圧導通部310(340)が形成されるべき領域310a、陰極電源配線の第2層が形成されるべき領域122aを覆うようにパターニング用マスク505を形成するとともに、当該導電層504をパターニングして、図11(h)に示すソース電極243、253、263、ドレイン電極244、254、264を形成する。 次いで、図11(i)に示すように、これらが形成された第1層間絶縁層283を覆う第2層間絶縁層284を、例えばアクリル系樹脂などの高分子材料によって形成する。この第2層間絶縁層284は、約1〜2μm程度の厚さに形成されることが望ましい。なお、SiN、SiO2により第2層間絶縁膜を形成する事も可能であり、SiNの膜厚としては200nm、SiO2の膜厚としては800nmに形成することが望ましい。
次いで、図11(j)に示すように、第2層間絶縁層284のうち、駆動用TFTのドレイン電極244に対応する部分をエッチングにより除去してコンタクトホール23aを形成する。その後、基板20の全面を覆うように画素電極23となる導電膜を形成する。そして、この透明導電膜をパターニングすることにより、図12(k)に示すように、第2層間絶縁層284のコンタクトホール23aを介してドレイン電極244と導通する画素電極23を形成すると同時に、ダミー領域のダミーパターン26も形成する、なお、図3、4では、これら画素電極23、ダミーパターン26を総称して画素電極23としている。
ダミーパターン26は、第2層間絶縁層284を介して下層のメタル配線へ接続しない構成とされている。すなわち、ダミーパターン26は、島状に配置され、実表示領域に形成されている画素電極23の形状とほぼ同一の形状を有している。もちろん、表示領域に形成されている画素電極23の形状と異なる構造であってもよい。なお、この場合、ダミーパターン26は少なくとも上記駆動電圧導通部310(340)の上方に位置するものも含むものとする。
次いで、図12(l)に示すように、画素電極23、ダミーパターン26上、および第2層間絶縁膜上に絶縁層である親液性制御層25を形成する。なお、画素電極23においては一部が開口する態様にて親液性制御層25を形成し、開口部25a(図3も参照)において画素電極23からの正孔移動が可能とされている。逆に、開口部25aを設けないダミーパターン26においては、絶縁層(親液性制御層)25が正孔移動遮蔽層となって正孔移動が生じないものとされている。続いて、親液性制御層25において、異なる2つの画素電極23の間に位置して形成された凹状部にBMを形成する。具体的には、親液性制御層25の上記凹状部に対して、金属クロムを用いスパッタリング法にて成膜する。
次いで、図12(m)に示すように、親液性制御層25の所定位置、詳しくは上記BMを覆うように有機バンク層221を形成する。具体的な有機バンク層の形成方法としては、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂などのレジストを溶媒に溶かしたものを、スピンコート法、ディップコート法などの各種塗布法により塗布して有機質層を形成する。なお、有機質層の構成材料は、後述するインクの溶媒に溶解せず、しかもエッチングなどによってパターニングし易いものであればどのようなものでもよい。
次いで、有機質層をフォトリソグラフィ技術などにより同時にエッチングして、有機質物のバンク開口部221aを形成し、開口部221aに壁面を備えた有機バンク層221を形成する。なお、この場合、有機バンク層221は少なくとも上記駆動制御信号導通部320の上方に位置するものを含むものとされる。
次いで、有機バンク層221の表面に、親液性を示す領域と、撥液性を示す領域とを形成する。本実施形態においてはプラズマ処理工程により、各領域を形成するものとしている。具体的には、該プラズマ処理工程は、予備加熱工程と、有機バンク層221の上面および開口部221aの壁面ならびに画素電極23の電極面23c、親液性制御層25の上面を親液性にする親インク化工程と、有機バンク層の上面および開口部の壁面を撥液性にする撥インク化工程と、冷却工程とを具備している。
すなわち、基材(バンクなどを含む基板20)を所定温度、例えば70〜80℃程度に加熱し、次いで親インク化工程として大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行なう。次いで、撥インク化工程として大気雰囲気中で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)を行い、その後、プラズマ処理のために加熱された基材を室温まで冷却することで、親液性および撥液性が所定箇所に付与されることとなる。
なお、このCF4プラズマ処理においては、画素電極23の電極面23cおよび親液性制御層25についても多少の影響を受けるが、画素電極23の材料であるITOおよび親液性制御層25の構成材料であるSiO2、TiO2などはフッ素に対する親和性に乏しいため、親インク化工程で付与された水酸基がフッ素基で置換されることがなく、親液性が保たれる。
次いで、図13(n)に示すように、正孔注入/輸送層70を形成するべく正孔注入/輸送層形成工程を行なう。正孔注入/輸送層形成工程では、液滴吐出法として、特にインクジェット法が好適に採用される。すなわち、このインクジェット法により、正孔注入/輸送層形成材料を電極面23c上に選択的に配し、これを塗布する。その後、乾燥処理および熱処理を行い、画素電極23上に正孔注入/輸送層70を形成する。正孔注入/輸送層70の形成材料としては、例えば前記のPEDOT:PSSをイソプロピルアルコールなどの極性溶媒に溶解させたものが用いられる。
ここで、このインクジェット法による正孔注入/輸送層70の形成にあたっては、まず、インクジェットヘッド(図示略)に正孔注入/輸送層形成材料を充填し、インクジェットヘッドの吐出ノズルを親液性制御層25に形成された前記開口部25a内に位置する電極面23cに対向させ、インクジェットヘッドと基材(基板20)とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された液滴を電極面23cに吐出する。次に、吐出後の液滴を乾燥処理し、材料中に含まれる分散媒や溶媒を蒸発させることにより、正孔注入/輸送層70を形成する。
このとき、吐出ノズルから吐出された液滴は、親液性処理がなされた電極面23c上にて広がり、親液性制御層25の開口部25a内に満たされる。その一方で、撥液処理された有機バンク層221の上面では、液滴がはじかれて付着しない。したがって、液滴が所定の吐出位置からずれて、液滴の一部が有機バンク層221の表面にかかったとしても、該表面が液滴で濡れることがなく、弾かれた液滴が親液性制御層25の開口部25a内に引き込まれる。なお、この正孔注入/輸送層形成工程以降では、各種の形成材料や形成した要素の酸化・吸湿を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
次いで、有機発光層層60を形成すべく有機発光層形成工程を行なう。この工程では、前記の正孔注入/輸送層70の形成と同様に、液滴吐出法であるインクジェット法が好適に採用される。すなわち、インクジェット法により、有機発光層形成材料を正孔注入/輸送層70上に吐出し、その後、乾燥処理および熱処理を行うことにより、有機バンク層221に形成された開口部221a内、すなわち画素領域上に有機発光層60を形成する。なお、この有機発光層形成工程では、正孔注入/輸送層70の再溶解を防止するために、有機発光層形成の際に用いる材料インクの溶媒として、正孔注入/輸送層70に対して不溶な無極性溶媒を用いる。また、有機発光層60の形成にあたっては、各色毎に行うようにする。
次に、有機発光層60上に陰極第1層(電子注入層)52を形成すべく陰極第1層形成工程を行なう。この陰極第1層(電子注入層)52にはアルカリ金属のフッ化物にて、具体的にはフッ化リチウム(LiF)を用いて構成されているが、その他にも、例えばアルカリ金属の酸化物、若しくはアルカリ土類金属のフッ化物又は酸化物、若しくは有機物との錯体又は化合物を用いて構成することもできる。特にフッ化リチウムは低温で形成でき、かつ、バンドギャップを有する半導体、絶縁体であるため好ましい。この陰極第1層(電子注入層)52の形成方法としては、真空蒸着法等の既知の方法を採用することができる。
続いて、図13(o)に示すように、陰極第2層50を形成すべく蒸着法により陰極第2層形成工程を行なう。この工程では、真空蒸着法等により、マグネシウムの合金を上記陰極第1層(電子注入層)52の露出部の全面に成膜するものとしている。マグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金は、製造途中において表面に析出したマグネシウムが酸素と反応して、水分や酸素に対するガスバリア性が向上する酸化マグネシウムとなり好ましい。また、陰極第2層として用いられる仕事関数が3.0eVから4.0eVの原子として、スカンジウム(仕事関数3.5eV)、イットリウム(仕事関数3.1eV)、ランタン(仕事関数3.5eV)、ひ素(仕事関数3.75eV)などを用いてもよい。そして最後に、封止基板30を形成すべく封止工程を行う。この封止工程では、封止基板30の内側に乾燥剤45を挿入しつつ、封止基板30と基板20とを接着剤40にて封止する。なお、この封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
また、マグネシウム単体にて構成する場合に比してマグネシウム合金を用いた場合には、陰極内における陰極第1層(電子注入層)52に用いられる例えばフッ化リチウムとの反応を低減することができ、陰極第1層(電子注入層)52を構成する原子が有機発光層60内に拡散するのを低減させることができる。特に、液滴吐出法などの液相法にて有機発光層60を形成する場合、溶媒を含む液状の有機発光層形成材料を正孔注入/輸送層70上に吐出し、その後、乾燥処理および熱処理により溶媒を除去して形成する。このように溶媒が除去されるときに、有機発光層60に微小孔が形成される。このため、陰極第1層(電子注入層)52を構成する原子が有機発光層60内に拡散しやすくなる。このように形成した有機発光層60に対して、陰極第1層(電子注入層)52をフッ化リチウムの薄膜を形成した上に陰極をマグネシウム合金にて構成することにより、液滴吐出法などの液相法で形成した有機発光層60に係る、陰極第1層(電子注入層)52を構成する原子が有機発光層60内に拡散し、有機EL素子の特性を不安定にさせる問題を一層抑制させることができる。
<実施例>
次に、有機EL装置1について、その発光効率及び寿命特性を評価した。
具体的には、陰極の構成として、第1層をカルシウムにて、第2層をアルミニウムにて形成した比較例1と、第1層をフッ化リチウム/カルシウムにて、第2層をアルミニウムにて形成した比較例2と、第1層をフッ化リチウムにて、第2層をマグネシウムと銀の合金にて形成した実施例1と、について、それぞれ各色(赤色(R)、緑色(G)、青色(B))の発光効率及び寿命特性を比較した。青色(B)の発光する高分子発光材料としてPFMを用いて、LUMOレベルは2.1eVである。また、緑色(G)の発光する高分子発光材料としてF8BTを用いて、LUMOレベルは3.4eVである。さらに、赤色(R)の発光する高分子発光材料としてPATを用いて、LUMOレベルは3.3eVである。その結果を表1(発光効率)及び表2(寿命特性)に示す。なお、各表において、発光効率については比較例1の赤色(R)を「1」としたときの相対値を、寿命特性については比較例2の青色(B)を「1」としたときの相対値を示した。
Figure 2005203337
Figure 2005203337
表1から分かるように、比較例1の陰極構成では青色(B)の発光効率が劣り、比較例2の陰極構成では赤色(R)の発光効率が劣る一方、実施例1の陰極構成では全ての色について優れた発光効率を示すことが分かった。また、表2から分かるように、比較例1の陰極構成では青色(B)の寿命が短く、比較例2の陰極構成では赤色(R)の寿命が短い一方、実施例1の陰極構成では全ての色について高い寿命特性を示すことが分かった。つまり、陰極をフッ化リチウム(第1層)とマグネシウム及び銀の合金(第2層)とにて形成した本実施の形態の有機EL装置1は、各色共通の陰極構成であっても、該各色において優れた発光効率及び寿命特性を示すことが分かった。
<電子機器>
次に、本発明の有機EL装置を備えた電子機器の具体例について説明する。本発明の電子機器は、前記の有機EL装置を表示部として有したものであり、具体的には図14に示すものが挙げられる。図14は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図14において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は前記の有機EL装置を用いた表示部を示している。図14に示す電子機器は、前記有機EL装置を有した表示部を備えているので、長寿命で且つ明るい表示が得られる。
本発明の一実施形態に係る有機EL装置の配線構造を示す模式図である。 同、有機EL装置の構成を模式的に示す平面図である。 図2のA−B線に沿う断面図である。 図2のC−D線に沿う断面図である。 図3の要部拡大断面図である。 発光素子の一変形例を示す要部拡大断面図である。 発光素子の一変形例を示す要部拡大断面図である。 発光素子の一変形例を示す要部拡大断面図である。 同、有機EL装置の製造方法を工程順に説明する断面図である。 図9に続く工程を説明するための断面図である。 図10に続く工程を説明するための断面図である。 図11に続く工程を説明するための断面図である。 図12に続く工程を説明するための断面図である。 本発明の電子機器の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1…有機EL装置、23…画素電極(陽極)、50…陰極第2層、52…陰極第1層(電子注入層)、60…有機発光層、20…基板、1000…携帯電話(電子機器)。

Claims (12)

  1. 陽極と陰極との間に有機発光層を含んでなる積層体を有する複数の有機発光素子とを備える有機エレクトロルミネッセンス装置であって、
    前記有機発光層が高分子発光材料からなり、
    前記複数の有機発光素子は、該複数の有機発光素子を構成する有機発光材料のうち、最もLUMOレベルが高い第1のLUMOレベルを有する第1の有機発光材料を備えた第1の有機発光素子と、該複数の有機発光素子を構成する有機発光材料のうち、最もLUMOレベルが低い第2のLUMOレベルを有する第2の有機発光材料を備えた第2の有機発光素子とを含み、
    前記陰極は、前記第1の有機発光素子と前記第2の有機発光素子とに共通で形成されており、アルカリ金属のフッ化物又は酸化物、若しくはアルカリ土類金属のフッ化物又は酸化物、若しくは有機物との錯体又は化合物からなる第1層と、その仕事関数と前記第1のLUMOレベルとの差が0.7eV以内である原子を含む第2層とを、前記有機発光層側からのこの順で含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  2. 前記第1のLUMOレベルは3.0eVから3.5eVの範囲にあり、
    前記第2のLUMOレベルは2.0eVから2.5eVの範囲にあり、
    前記第2層が、仕事関数が3.0eVから4.0eVである原子を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  3. 前記第1層はフッ化リチウムであり、
    前記第2層を構成する少なくとも一つの原子の仕事関数と前記第2のLUMOレベルとの差が2.0eV以内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  4. 前記第2層が、マグネシウムと銀の合金、マグネシウムとアルミニウムの合金、マグネシウムとクロムの合金の中から選択される1又は2以上の合金からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  5. 前記第2層が、前記積層体の最外層を構成していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  6. 前記第2層の外層側に、透明電極が具備されてなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  7. 前記第2層の外層側に、SiOxy(x,yは整数)にて表される保護膜が具備されてなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  8. 前記第2層が、その外層側に向けてマグネシウムの組成比が減少する勾配を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  9. 前記第2層において、マグネシウムとその他の金属との重量比が10:1〜1:10であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  10. 基板と、
    陽極と陰極との間に有機発光層を含んでなる積層体を有する有機発光素子とを備える有機エレクトロルミネッセンス装置であって、
    前記有機発光層が高分子発光材料からなり、
    前記有機発光素子は、LUMOレベルが2.0eVから2.5eVの範囲にある有機発光層を有し、
    前記陰極は、フッ化リチウムからなる第1層と、マグネシウムと銀の合金、マグネシウムとアルミニウムの合金、マグネシウムとクロムの合金の中から選択される1又は2以上の合金からなる第2層とを、前記有機発光層側からのこの順で含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  11. 請求項1、請求項2、又は請求項10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を備えたことを特徴とする電子機器。
  12. 基板上に陽極を形成する工程と、
    前記陽極上に有機発光層を含む機能層を液相法により形成する工程と、
    前記機能層上にアルカリ金属のフッ化物又は酸化物、若しくはアルカリ土類金属のフッ化物又は酸化物、若しくは有機物との錯体又は化合物からなる陰極第1層を形成する工程と、
    陰極第1層上にマグネシウムと銀の合金、マグネシウムとアルミニウムの合金、マグネシウムとクロムの合金の中から選択される1又は2以上の合金から陰極第2層を形成する工程とを有する有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
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