JP2005202388A - 熱現像記録装置の加熱制御方法及び熱現像記録装置 - Google Patents

熱現像記録装置の加熱制御方法及び熱現像記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 前回起動時から今回起動時までの熱変動の挙動に基づき判断が可能な熱現像記録装置の加熱制御方法及び熱現像記録装置を提供し、必要最小限の待ち時間で濃度低下の防止を図る。
【解決手段】 熱現像記録装置150の起動後に熱現像部Cを目標温度までプレートヒータ51a,51b,51cによって加熱する加熱ステップと、プレートヒータ51a,51b,51cが目標温度に達した後に目標温度を所定時間保持する温度保持ステップとを有し、目標温度を所定時間保持した後に熱現像部Cを記録可能状態に設定する熱現像記録装置150の加熱制御方法であって、熱現像記録装置150の起動後に起動時からの稼働履歴情報を収集し、この稼働履歴情報に応じて今回起動時における目標温度に達した後の温度保持時間を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、潜像が形成された感光性及び感熱性記録材料を搬送しながら加熱して現像する熱現像記録装置の加熱制御方法及び熱現像記録装置に関する。
近年、医療分野において環境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージセッター又はレーザー・イメージャーにより効率的に露光させることができ、高解像度及び鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる医療診断用及び写真技術用途の光感光性熱現像写真材料に関する技術が必要とされている。これら光感光性熱現像写真材料では、溶液系処理化学薬品の使用をなくし、より簡単で環境への配慮に影響を与えない熱現像処理システムを市場に供給することができる。
そのため近年、湿式処理を行う必要がないドライシステムによる熱現像記録装置が注目されている。このような熱現像記録装置では、感光性及び感熱性記録材料(感光感熱記録材料)や熱現像感光材料のフィルムが用いられる。以下、この材料を「熱現像記録材料」(場合により「感材」)と称する。このドライシステムによる熱現像記録装置では、露光部において熱現像記録材料にレーザ光を照射(走査)して潜像を形成し、その後、熱現像部において熱現像記録材料を加熱手段に接触させて熱現像を行い、その後、冷却し、画像が形成された熱現像記録材料を装置外に排出している。このようなドライシステムは、湿式処理に比べて廃液処理の問題を解消することができる。
この熱現像記録装置は、主要な構成として、潜像形成後の熱現像記録材料を搬送するコンベアと、熱現像部に相当する加熱部と、加熱部によって熱現像された熱現像記録材料を徐冷する徐冷部とで構成されている。加熱部は、熱板と複数の押さえローラとを配置した加熱ユニットを熱現像記録材料の搬送方向に沿って複数配置して構成される。熱現像記録材料は、熱板と押さえローラとで挟持され、搬送されながら、現像温度に加熱されて徐冷部側へと移送される。徐冷部は、複数のローラ対で構成され、現像後の熱現像記録材料を所定の冷却速度で室温程度にまで徐冷する。
上記のように構成された熱現像記録装置によれば、熱現像記録材料に急激な温度変化(急激な温度下降)を生じさせることなく、現像が円滑かつ確実に行われ、現像ムラや、急激な温度低下によるシワの発生や画質の低下が防止される。
特開平9−307767号公報
感材の熱現像時における濃度は、熱現像温度の上昇と共に上昇する。従って、安定した濃度を得るには、熱現像温度と、実質的に現像が開始されて終了するまでの時間(実質熱現像時間)を精密に管理する必要がある。その一方で、熱現像記録装置には、一日の最初の装置立ち上げ時においても、立上温度の即応性と温度安定性が要求される。ところが、通常のPID制御やオン・オフ制御では、ヒータに近接する部位の温度は早く安定するが、ヒータから離れた部位の温度は熱伝導、熱容量、放熱等によって応答が遅くなる。例えば、装置立ち上げ直後に、熱現像部が十分温まる前に記録を行うと濃度が低下するという現象が生じる。これはヒータが目標温度に達していても、周辺の押さえローラ等が十分に暖まっていないためである。このため、装置起動後ヒータが目標温度に達した後も、一定時間待ってから記録可能状態とすることが必要がある。しかし、押さえローラ等の温度は、装置の稼働履歴に依存するため、待ち時間を特定することは困難であった。また、起動直後のヒータ温度を高く設定することも考えられるが、この場合においても装置の稼働履歴に依存するため、どの程度の温度まで昇温させてよいのかを特定することは困難であった。
即ち、熱現像記録装置を蓄熱体と考えた場合、その蓄熱量は稼働履歴によって変化し、温度センサから離れた部位の温度はこの変動する蓄熱温度に影響を受けるため、熱現像部における正確な温度制御を困難にさせていた。
これに対して多数の温度センサを配設することも考えられるが、装置が複雑となるとともに、制御処理の負担も増大して現像処理時間を遅延させることとなった。また、各種の補正処理によって露光量を補正して濃度低下に対応することも考えられるが、この場合においても制御処理の負担が増大して現像処理時間を遅延させることとなった。さらに、安定化した非常に大きな蓄熱体を加熱手段として備えた装置構成とすることも考えられるが、このような蓄熱体を備えて熱現像記録装置を構成すれば、装置全体が大型化するとともに、装置コストが高価となる。これに対し、熱現像温度の精密な管理を怠れば、安定した濃度が得られず、濃度ムラ等の画質低下が生じた。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、前回起動時から今回起動時までの熱変動の挙動に基づき判断が可能な熱現像記録装置の加熱制御方法及び熱現像記録装置を提供し、もって、必要最小限の待ち時間で濃度低下の防止を図ることを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1記載の熱現像記録装置の加熱制御方法
は、熱現像記録装置の起動後に熱現像部を目標温度までヒータによって加熱する加熱ステップと、前記ヒータが目標温度に達した後に前記目標温度を所定時間保持する温度保持ステップとを有し、前記目標温度を所定時間保持した後に前記熱現像部を記録可能状態に設定する熱現像記録装置の加熱制御方法であって、熱現像記録装置の起動後に前回起動時からの稼働履歴情報を収集し、該稼働履歴情報に応じて今回起動時における前記目標温度に達した後の温度保持時間を求めることを特徴とする。
この熱現像記録装置の加熱制御方法では、前回起動時から今回起動時までの熱変動が稼働履歴情報として収集され、この稼働履歴情報が参照されることで、熱変動の挙動に基づく判断が可能となる。つまり、従来では判断の対象に含まれなかった、熱履歴(即ち、時間経過に伴う熱の増減)が分るようになる。これにより、ヒータによって装置に加えられた総熱量と放熱量との差である装置蓄熱量も把握可能となり、より正確な温度保持時間が決定可能となる。
請求項2記載の熱現像記録装置の加熱制御方法は、前記温度保持時間を、前回の稼働終了時からの経過時間が短い場合に短く、前回の稼働終了時からの経過時間が長い場合に長く設定することを特徴とする。
この熱現像記録装置の加熱制御方法では、稼働終了時間からの経過時間が短い場合には、前回の稼働による蓄熱が今回の温度保持時間の短縮に寄与され、稼働終了時からの経過時間が長い場合には、放熱によって低下する熱量相当分が補われる。
請求項3記載の熱現像記録装置の加熱制御方法は、前記温度保持時間を、前回に設定された温度保持時間に応じて設定することを特徴とする。
この熱現像記録装置の加熱制御方法では、前回設定された温度保持時間が参照されることで、前回の温度保持時間を設定するために参照された前々回起動時の稼働履歴情報も判断対象の範囲となり、装置熱変動の挙動がさらに長い稼働履歴情報で判断される。
請求項4記載の熱現像記録装置の加熱制御方法は、前記温度保持時間を、前回起動時において目標温度到達後に温度保持時間が経過したか否かに応じて設定することを特徴とする。
この熱現像記録装置の加熱制御方法では、前回起動時における温度保持時間経過の有無が判断の対象に加えられ、想定蓄熱量(実際の測定量でない想定の蓄熱量)が把握可能となる。つまり、前回、温度保持時間の経過前に装置が起動停止されていれば蓄熱量が小さく、温度保持時間が経過していれば蓄熱量が大きい。これにより、単に目標温度に到達したか否かのみを判断の対象としていた従来の加熱制御方法では考慮することのできなかった装置蓄熱量も加味されるようになる。
請求項5記載の熱現像記録装置は、熱現像記録装置の起動後に熱現像部が目標温度までヒータによって加熱されるとともに、前記ヒータが目標温度に達した後には前記目標温度が所定時間保持されて、前記熱現像部が記録可能状態に設定される熱現像記録装置であって、少なくとも前記ヒータの温度を検出する温度センサと、前記熱現像記録装置の起動・停止情報及び前記温度センサの検出値を経過時間と共に稼働履歴情報として記憶する履歴情報記憶部と、該履歴情報記憶部に記憶された前記稼働履歴情報に応じて今回起動時における前記目標温度に達した後の温度保持時間を演算する制御部とを具備したことを特徴とする。
この熱現像記録装置では、履歴情報記憶部に記憶された稼働履歴情報に応じ制御部によって温度保持時間が演算される。この演算は、例えばヒータ温度と相関する基本待ち時間を補正曲線や関数として求めておき、任意のヒータ温度により特定される基本待ち時間の値を得ることによって行われる。従って、前回起動時から今回起動時までの熱変動の挙動に基づいた温度保持時間の設定判断が可能となる。これにより、従来では判断の対象に含まれなかった装置蓄熱量も加味されることとなり、温度センサでは直接的に検出することのできない、稼働履歴に依存するその他の部位(例えば温度センサから離れた位置に設置されている押さえローラ等)の温度も加熱制御可能となる。
請求項6記載の熱現像記録装置は、前記熱現像部の前記ヒータに熱現像記録材料を押し付ける押さえローラが設けられ、該押さえローラが前記熱現像記録装置の起動中に回転駆動されることを特徴とする。
この熱現像記録装置では、押さえローラが起動中に回転駆動されることで、押さえローラがまんべんなく温められ、温度の不均一がなくなる。これにより、特に装置立ち上げ直後に、押さえローラの低温部位が接触することによる熱現像記録材料の温度低下が防止される。
請求項7記載の熱現像記録装置は、前記押さえローラが断続的に駆動されることを特徴とする。
この熱現像記録装置では、押さえローラが連続的に駆動される場合に比べ、断続駆動される分、押さえローラの駆動消費電力が低減され、かつ押さえローラ温度の均一化も可能となる。
本発明に係る熱現像記録装置の加熱制御方法によれば、熱現像記録装置の起動後に前回起動時の稼働履歴情報を収集し、この稼働履歴情報に応じて今回起動時における目標温度に達した後の温度保持時間を求めるので、前回起動時から今回起動時までの熱変動の挙動に基づき判断が可能となり、従来では判断の対象に含まれなかった装置蓄熱量も加味されることとなって、正確な温度保持時間を求めることができる。この結果、装置立ち上げ直後に生じ易い濃度低下を防止し、かつ必要最小限の待ち時間で熱現像記録装置を起動させることができるようになる。
本発明に係る熱現像記録装置によれば、少なくともヒータの温度を検出する温度センサと、熱現像記録装置の起動・停止情報及び温度センサの検出値を経過時間と共に稼働履歴情報として記憶する履歴情報記憶部と、この履歴情報記憶部に記憶された稼働履歴情報に応じて今回起動時における目標温度に達した後の温度保持時間を演算する制御部とを備えたので、履歴情報記憶部に記憶された稼働履歴情報に応じ制御部が演算を行うことで、前回起動時から今回起動時までの熱変動の挙動に基づき判断が可能となる。従って、従来では判断の対象に含まれなかった装置蓄熱量も加味されることとなり、温度センサでは直接的に検出することのできない、稼働履歴に依存するその他の部位の温度も推測可能となる。この結果、より正確な温度保持時間を求めることができるようになり、装置立ち上げ直後に生じ易い濃度低下を防止し、かつ必要最小限の待ち時間で熱現像記録装置を起動させることができる。
以下、本発明に係る熱現像記録装置の加熱制御方法及び熱現像記録装置の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る熱現像記録装置の概略構成図である。
熱現像記録装置150は、湿式の現像処理を必要としない熱現像記録材料を用い、レーザ光からなる光ビームによる走査露光によって熱現像記録材料を露光して潜像を形成した後に、熱現像を行って可視像を得、その後常温まで冷却する装置である。この熱現像記録装置150は、基本的に、熱現像記録材料の搬送方向順に、熱現像記録材料供給部Aと、画像露光部(レーザ記録装置100)Bと、熱現像部Cと、除冷部Dとを備えており、また、各部間の要所に設けられ熱現像記録材料を搬送するための搬送手段と、各部を駆動し制御する電源/制御部Eを備えている。
この熱現像記録装置150では、最下段に電源/制御部E、その上段に熱現像記録材料供給部A、更にその上段に画像露光部Bと熱現像部Cと除冷部Dとを配置した構成となっており、画像露光部Bと熱現像部Cとを隣接させた配置としている。この構成によれば、露光工程と熱現像工程を短い搬送距離内で行うことができ、熱現像記録材料の搬送パス長を最短化し、1枚の出力時間を短縮することができる。また、1枚の熱現像記録材料に対して露光工程と熱現像工程との両工程を同時に実施することが可能となる。
熱現像記録材料としては、熱現像感光材料又は感光感熱記録材料を使用することができる。熱現像感光材料は、光ビーム(例えば、レーザビーム)によって画像を記録(露光)し、その後、熱現像して発色させる記録材料である。また、感光感熱記録材料は、光ビームによって画像を記録し、その後、熱現像して発色させるか、あるいは、レーザビームのヒートモード(熱)によって画像を記録すると同時に発色させ、その後、光照射で定着する記録材料である。
熱現像記録材料供給部Aは、熱現像記録材料を一枚ずつ取り出して、熱現像記録材料の搬送方向の下流に位置する画像露光部Bに供給する部分であり、三つの装填部10a,10b,10cと、各装填部にそれぞれ配置される供給ローラ対13a,13b,13cと、不図示の搬送ローラ及び搬送ガイドとを有して構成される。また、三段構成となっている各装填部10a,10b,10cの内部には、異なる熱現像記録材料(例えば、B4サイズ、及び半切サイズなど)が収容されたマガジン15a,15b,15cが挿入され、各段に装填されたサイズや向きの、いずれかを選択的に使用できるようにしている。
なお、上記熱現像記録材料は、シート状に加工され、通常、100枚等の所定単位の積層体(束)とされ、袋体や帯等で包装されてパッケージとされている。パッケージはそれぞれマガジンに収容されて熱現像記録材料供給部Aの各段に装填される。
画像露光部Bは、熱現像記録材料供給部Aから搬送されてきた熱現像記録材料に対して光ビームLを主走査方向に走査露光し、また、主走査方向に略直交する副走査方向(即ち、搬送方向)に搬送することで、所望の画像を熱現像記録材料に記録して潜像を形成する。
熱現像部Cは、走査露光後の熱現像記録材料を搬送しながら昇温処理して、熱現像を行う。そして、除冷部Dにおいて現像処理後の熱現像記録材料を冷却して、排出トレイ16に搬出する。
ここで、レーザ記録装置100である画像露光部Bについて具体的に説明する。図2にレーザ記録装置100におけるシート状の熱現像記録材料を搬送するための副走査搬送部と、走査露光部の概略構成を示す構成図を示した。
レーザ記録装置100である画像露光部Bは、光ビーム走査露光によって熱現像記録材料を露光する部位であり、熱現像材料の搬送面からのばたつきを防止しつつ搬送するばたつき防止機構を有した副走査搬送部(副走査手段)17と、走査露光部(レーザ照射手段)19とを備えている。走査露光部19は、別途用意された画像データに従ってレーザの出力を制御しつつ、このレーザを走査(主走査)させる。このとき熱現像記録材料を副走査搬送部17によって副走査方向に移動させる。
副走査搬送部17は、照射するレーザ光の主走査ラインを挟んで、軸線がこの走査ラインに対して略平行に配置された2本の駆動ローラ21,22と、これら駆動ローラ21,22に対向して配置され、熱現像記録材料3を支持するガイド板23を備えている。ガイド板23は、各駆動ローラ21,22との間に挿入される熱現像記録材料3を、並設されたこれら駆動ローラ同士間の外側で該駆動ローラ周面の一部に沿って撓ませるスロープ部25,26と、駆動ローラ同士間で熱現像記録材料の撓みによる弾性反発力を当接して受け止める略水平な面からなる押し当て部29が設けられている。
スロープ部25は、押し当て部29との境界部分で屈曲して接続された傾斜面であり、このスロープ部25と押し当て部29との交差角度φは、0゜〜45゜の範囲に設定されている。そして、搬送下流側のスロープ部26についても同様に形成され、押し当て部29に対して上記交差角度φの傾斜面が設けられている。なお、0゜より大きな交差角度φで屈曲させた傾斜面は少なくとも搬送方向上流側に設けてあればよい。
駆動ローラ21は、図示しないモータ等の駆動手段の駆動力を、歯車やベルト等の伝達手段を介して受け、図2の時計回り方向へ回転するようになっている。なお、この駆動ローラ21と同一構成の駆動ローラ22を、スロープ部26と押し当て部29との境界位置に、熱現像記録材料3の排出用として設けている。
ここで、駆動ローラ21を例に取り説明すると、駆動ローラ21は押し当て部29とスロープ部25との境界部分である屈曲部31に対向配置されている。この駆動ローラ21のガイド板23に対する配置位置は、ガイド板23の屈曲部(角度変更点)31を通り、ガイド板の内角(180゜−φ)を2等分する直線と、駆動ローラ21の外周が接する範囲であることが好ましい。なお、駆動ローラ21の直径とガイド板23の長さの関係については別段制約はない。
また、駆動ローラ21は、その周面がガイド板23との間で所定の隙間Gが形成されるように配置されている。この隙間Gは、熱現像記録材料3の肉厚寸法tに対して同一乃至10倍の厚さ(t≦G≦10t)とすることが好ましい。
上記副走査搬送部17の構成において、スロープ部25の先端から熱現像記録材料3が進入すると、ガイド板23と駆動ローラ21との間に熱現像記録材料3の先端が入り込む。このとき、ガイド板23の押し当て部29とスロープ部25とが所定の角度φで屈曲されているため、熱現像記録材料3がスロープ部25から押し当て部29に移るときに撓み、この撓みにより熱現像記録材料自身に弾性反発力が発生する。この弾性反発力により、熱現像記録材料3と駆動ローラ21との間に所定の摩擦力が生じ、駆動ローラ21から熱現像記録材料3へ確実に搬送駆動力が伝達され、熱現像記録材料3が搬送される。
なお、熱現像記録材料3がガイド板23と駆動ローラ21との間に入り込む際、時計回りに駆動される駆動ローラ21とガイド板23との隙間Gが、熱現像記録材料3の肉厚寸法t〜10tに設定されているために、外乱による駆動ローラ21の振動等が熱現像記録材料3の搬送に影響を及ぼすことがなくなる。即ち、上記外乱が生じた場合は、熱現像記録材料3の弾性力(肉厚方向の変位)により吸収されるため、搬送に影響が及ぶことはない。
そして、スロープ部26及び駆動ローラ22により、ガイド板23からの熱現像記録材料3の排出時においても、熱現像記録材料3の屈曲による弾性反発力により駆動ローラ22との間で所定の摩擦力が生じ、確実に搬送されるようになる。また、押し当て部29においては、熱現像記録材料3の弾性反発力によって熱現像記録材料3が押し当て部29に押し付けられて、熱現像記録材料3の搬送面からのばたつき、即ち、上下方向のばたつきが抑制される。この駆動ローラ同士間の熱現像記録材料3に向けてレーザ光を照射することで、露光位置ずれのない良好な記録が行えることになる。
一方、走査露光部19は、図2に示すように、画像信号に応じて変調したレーザ光Lを主走査方向に偏向して、所定の記録位置Xに入射するものであって、熱現像記録材料の分光感度特性に応じた狭帯波長域のレーザ光(波長350nm〜900nm)を出射するレーザ光源35と、レーザ光源35を駆動する記録制御装置37と、シリンドリカルレンズ39と、光偏光器であるポリゴンミラー41と、fθレンズ43と、立ち下げ用のシリンドリカルミラー45とを備えている。
なお、走査露光部19には、これ以外にもレーザ光源35から出射された光ビームを成形するコリメータレンズやビームエキスパンダ、面倒れ補正光学系、光路調整用ミラー等、公知の光ビーム走査露光装置に配置される各種光学系部材が必要に応じて配置される。また、レーザ光の熱現像記録材料3上における記録ビーム径は、φ50〜φ200μmに設定している。特に副走査方向の記録ビーム径は、干渉領域を縮小するため小さい方が好ましい。
ここで、露光方式としてはパルス幅変調によって画像記録を行う。記録制御装置37は、記録画像に応じてレーザ光源35をパルス幅変調して駆動し、記録画像に応じてパルス幅変調された光ビームを出射させる。レーザ光源35から出射されたレーザ光Lは、ポリゴンミラー41によって主走査方向に偏向され、fθレンズ43によって記録位置Xで結像するように調光され、シリンドリカルミラー45によって光路を選択されて記録位置Xに、所定の入射角度θiで入射される。即ち、熱現像記録材料3の法線方向と副走査方向(搬送方向)に平行な面内で、熱現像記録材料3の法線から副走査方向へ4゜〜15゜の傾斜を有する入射角度θiで、熱現像記録材料3に向けてレーザ光Lを照射する。
CTやMRI等の画像データ供給源Rからの画像データは、画像処理装置80に送られる。画像処理装置80は、各種の画像処理回路やメモリが組み合わされたものであり、濃度補正を行う濃度補正部86と、鮮鋭度補正等の各種の画像処理を行う画像処理部88とを有して構成され、画像データ供給源Rからの画像データ(画像情報)を受け、各種の補正や処理を施して、感熱記録に応じた感熱記録画像データとする。また、濃度補正部86には、内蔵濃度計測定値補正部90(以下、測定値補正部90と称す)が接続される。測定値補正部90には入力手段98が接続され、入力手段98は外部濃度計によって測定された基準チャートの濃度測定結果を測定値補正部90へ入力可能としている。
濃度補正部86は、画像データ供給源Rから記録する画像の画像データを受け、この画像データに濃度補正を施して画像処理部88に出力する。また、この濃度補正部86は、濃度校正条件設定のための基準チャートの出力、並びに、装置内に配置された内蔵濃度計による基準チャートの濃度測定結果に応じた濃度校正条件の設定も行う。
次に、熱現像部Cについて説明する。
熱現像部Cは、熱処理を適用されるタイプの被熱処理熱現像記録材料を加熱するものであり、構成としては、図1に示すように、熱現像記録材料3を処理するのに必要な温度となる加熱体としての熱現像記録材料の移送方向に並ぶ複数のプレートヒータ51a,51b,51cを湾曲させ、かつ、これらのプレートヒータ51a,51b,51cを一連の円弧状配置としている。
即ち、このプレートヒータ51a,51b,51cを含む熱現像部Cの構成としては、図示されるように、各プレートヒータに凹面を設け、熱現像記録材料3をこのプレートヒータの凹面に対して接触させつつ滑らせて、相対的に移動させる。このときの熱現像記録材料3の移送手段として、供給ローラ53と、各プレートヒータから熱現像記録材料3への伝熱用でもある複数の押さえローラ55とを配設している。
図3は熱現像部の押さえローラ駆動機構部の拡大図である。
ここで各プレートヒータ51a,51b,51cとそれに対応する押さえローラ55との構造とは同一であるので、以下はプレートヒータ51aを例にして説明する。押さえローラ55は軸線方向の端部が支持部材60によって支持され、軸端には従動歯車61が備えられている。押さえローラ55の円弧配置の中心には押さえローラ駆動歯車52が図示しないフレームに回転自在に軸支され、押さえローラ駆動歯車52は従動歯車61と噛合している。この押さえローラ駆動歯車52は、熱現像部Cの下方でフレームに支持される図示しない主駆動歯車によって回転される。
押さえローラ55は、加熱体側板62に固定された支持部材60の軸受け64によって回転自在に支持されている。この支持部材60と軸受け64において、押さえローラ55の軸は所定量だけプレートヒータ51a方向への進退移動が可能な構成となっている。そして、熱現像記録材料3が押さえローラ55とプレートヒータ51aとの間に搬送されると、この間隔が広がり、一方で付勢部材66により軸受け64はプレートヒータ51a方向へ付勢されているので、熱現像記録材料3に所望の押圧力を与え、プレートヒータ51aとの隙間のない接触を可能としている。この構成により、搬送される熱現像記録材料3がプレートヒータ51a,51b,51cに押し付けられつつ搬送されるので、熱現像記録材料3の座屈を防止することができる。そして、熱現像部C内における搬送路の終端には、熱現像記録材料3を移送する排出ローラ57が配設されている。
熱現像記録材料3が搬入されない状態の時、押さえローラ駆動歯車52と従動歯車61とは近接してはいるが噛み合わない位置関係で配置されている。そして、熱現像記録材料3が搬入されると、前述のように押さえローラ55とプレートヒータ51aとの間隔が開き、逆に、従動歯車61が押さえローラ55のピッチ円上で噛み合うようになる。このような配置によって、熱現像記録材料3を挟んでいない押さえローラ55は回転されないこととなり、押さえローラ駆動歯車52の駆動負荷を減らすことかできる。熱現像記録材料3が搬入されない状態で維持される押さえローラ55とプレートヒータ51aとの間隔は、熱現像記録材料3の厚みより若干狭く設定される。例えば、熱現像記録材料3の厚みが0.2mmであれば、0.15mm程度が適当で、この場合、押さえローラ55の軸の進退移動可能量としては、0.05〜0.65mm程度が好ましい。
ここで、プレートヒータ51aのヒータ部分の構造としては、押さえローラ55に対向する金属プレートを備え、その対向面の裏面において、電熱線パターンを間に挟んで層状とされたシリコンラバーヒータを貼り付ける構成が挙げられる。これらの接着は、金属プレートと末加硫のシリコンラバーヒータを一体にモールドすることで、シリコンラバーヒータの加硫と金属プレートヘの接着を一気に行う。このような工程により、シリコンラバーヒータと金属プレートとを隙間なく均一に密着させることができる。従って、隙間空間が入り込んだ場合に発生する異常加熱により、シリコンラバーが溶けたり、燃えるといったことが発生しない。
図4はプレートヒータの拡大斜視図である。
プレートヒータ51aはアルミ製ガイド板74とシリコンラバーヒータ75と温度センサである複数のサーミスタ76(図5参照)とヒータ端子プロテクタ77と押さえローラ55とを備えている。アルミ製ガイド板74は、熱現像記録材料3の進行方向に対して凹面に形成されており、このアルミ製ガイド板74の幅方向に亘って押さえローラ55が複数本(7本)、進行方向に対して等間隔に配設されており、凹面上に移送されてきた熱現像記録材料3を凹面に押し付けながら搬送する働きをしている。
図5はアルミ製ガイド板の裏側を表す斜視図である。
シリコンラバーヒータ75はアルミ製ガイド板74の裏側(反凹面側)に3枚幅方向に付設されている。それぞれのシリコンラバーヒータ75の縁にはサーミスタ76が取り付けられている。即ち、プレートヒータ51a,51b,51cの1つについて、それぞれ3枚、合計9枚のシリコンラバーヒータ75が用いられ、それぞれのシリコンラバーヒータ75に1個ずつサーミスタ76が設けられている。そして、各シリコンラバーヒータ75はそれぞれに対応したサーミスタ76によって9個独立して制御される。
勿論、上記の湾曲プレートヒータは一実施例であり、他の平坦なプレートヒータや加熱ドラムを用いてエンドレスベルトと剥離爪とを備える構成のものであってもよい。即ち、熱現像部Cは、例えば図6に示すように、同一平面上の直線方向に間隔を有して配設された複数の面状ヒータ71a,71b,71cと、この面状ヒータ71a,71b,71cに対向配設され熱現像記録材料3を表裏から挟んで直線方向に移送する複数組のローラ群73a,73b,73cとを備えて成るものであってもよい。
熱現像部Cから搬出された熱現像記録材料3は、除冷部Dによってシワが発生しないように、かつ湾曲ぐせが付かないように注意しながら冷却される。除冷部D内には、複数の冷却ローラ対59が熱現像記録材料3の搬送経路に所望の一定曲率Rを与えるように配置されている。これは、熱現像記録材料3がその材料のガラス転移点以下に冷却されるまで一定の曲率により搬送されるということであり、このように意図的に熱現像記録材料3に曲率を付けることで、ガラス転移点以下に冷却される前に余計なカールがつかなくなり、ガラス転移点以下となれば、新たなカールが付くこともなく、カール量がばらつかない。
また、冷却ローラ対59自体及び徐冷部Dの内部雰囲気は温度調節される。このような温度調節は、装置立ち上げ直後と、十分にランニングを行った後との状態をなるべく同様なものにし、濃度変動を小さくするのに有効となる。
そして、徐冷部Dでガラス転移点以下にまで冷却された熱現像記録材料3は、徐冷部Dに設けられた冷却プレート61内に案内され、ここでさらに冷却されて手にしても火傷をしない温度にまで下げられ、排出ローラ対63から排出トレイ16に排出される。
図7は電源/制御部のブロック図である。
電源/制御部Eは、電源部111と、CPUを有した制御部113とに大別される。電源部111は、制御部113や、その他の駆動部へ電源を供給する。制御部113は、CTやMRI等の画像データ供給源Rから供給された画像データを中継して画像処理装置80へ送出する。また、制御部113は、熱現像記録材料供給部A、画像露光部B、熱現像部C、徐冷部D、搬送駆動系の各駆動制御のほか、起動時における目標温度に達した後の温度保持時間を演算可能としている。制御部113には、上記のサーミスタ76のほか、徐冷部Dの温度を検出する徐冷部センサ115と、装置フレームの温度を検出する装置フレームセンサ117と、装置周囲温度を検出する周囲センサ119とが接続され、これらセンサからの温度検出信号が入力されるようになっている。
また、制御部113には履歴情報記憶部121が接続され、履歴情報記憶部121は熱現像記録装置150における過去の起動・停止情報及び各温度センサの検出値を経過時間と共に稼働履歴情報として記憶する。制御部113は、この履歴情報記憶部121に記憶された稼働履歴情報に応じて今回起動時における目標温度に達した後の温度保持時間を演算する。制御部113には補正テーブル記憶部123が接続され、補正テーブル記憶部123は演算によって得られた補正関数、例えばヒータ温度と基本待ち時間との相関で表せる補正カーブや、各種補正係数を記憶可能としている。そして、制御部113には駆動制御部125が接続され、駆動制御部125は制御部113から駆動制御信号を受け、演算された温度保持時間が確保されるように、プレートヒータ51a,51b,51c、押さえローラ駆動機構等へ駆動制御信号を送出する。
なお、熱現像記録材料3に対する画像記録に関しては、詳しくは、例えば、国際公開番号WO95/31754号の公報、国際公開番号WO95/30934号公報に記載されているので、必要に応じて適宜参照されたい。
この熱現像記録装置150では、起動後に熱現像部Cが目標温度までプレートヒータ51a,51b,51cによって加熱されるとともに、プレートヒータ51a,51b,51cが目標温度に達した後には目標温度が所定時間保持されて、熱現像部Cが記録可能状態に設定される。目標温度が所定時間保持される時間を本明細書中では「温度保持時間」と称す。温度保持時間は、履歴情報記憶部121に記憶された稼働履歴情報に応じ制御部113によって演算される。この演算は、例えばヒータ温度と相関する基本待ち時間を補正曲線や関数として求めておき、任意のヒータ温度により特定される基本待ち時間の値を得ることによって行われる。従って、前回起動時から今回起動時までの熱変動の挙動に基づいた温度保持時間の設定判断が可能となる。これにより、従来では判断の対象に含まれなかった装置蓄熱量も加味されることとなり、温度センサでは直接的に検出することのできない、稼働履歴に依存するその他の部位(例えばサーミスタ76から離れた位置に設置されている押さえローラ55等)の温度も加熱制御可能となる。
この熱現像記録装置150によれば、少なくともプレートヒータ51a,51b,51cの温度を検出する温度センサ(サーミスタ76)と、熱現像記録装置150の起動・停止情報及び温度センサの検出値を経過時間と共に稼働履歴情報として記憶する履歴情報記憶部121と、この履歴情報記憶部121に記憶された稼働履歴情報に応じて今回起動時における目標温度に達した後の温度保持時間を演算する制御部113とを備えたので、履歴情報記憶部121に記憶された稼働履歴情報に応じ制御部113が演算を行うことで、前回起動時から今回起動時までの熱変動の挙動に基づき判断が可能となる。従って、従来では判断の対象に含まれなかった装置蓄熱量も加味されることとなり、温度センサでは直接的に検出することのできない、稼働履歴に依存するその他の部位の温度も推測可能となる。この結果、より正確な温度保持時間を求めることができるようになり、装置立ち上げ直後に生じ易い濃度低下を防止し、かつ必要最小限の待ち時間で熱現像記録装置150を起動させることができる。
次に、このように構成された熱現像記録装置150による加熱制御方法を説明する。
図8は加熱制御方法の手順を表すフローチャートである。
この加熱制御方法は、基本手順として、熱現像記録装置150の起動後に熱現像部Cを目標温度までプレートヒータ51a,51b,51cによって加熱する加熱ステップと、プレートヒータ51a,51b,51cが目標温度に達した後に目標温度を所定時間保持する温度保持ステップとを有する。そして、目標温度を所定時間保持した後に、熱現像部Cを記録可能状態に設定する。本発明の特徴となる今回起動時における目標温度に達した後の温度保持時間の設定は、以下に詳述するように、熱現像記録装置150の起動後に収集した稼働履歴情報に応じて行われる。
即ち、熱現像記録装置150の電源がオンされると(st1)、先ず、制御部113によって、サーミスタ76、徐冷部センサ115、装置フレームセンサ117、周囲センサ119を介し装置温度が検出される(st2)。制御部113は、この温度検出値と、起動・停止情報とを経過時間と共に稼働履歴情報として履歴情報記憶部121に記憶する。履歴情報記憶部121に記憶された稼働履歴情報は、記憶の完了の後、制御部113の情報収集処理によって再び読み出される(st3)。
制御部113は、読み出した稼働履歴情報に基づき今回起動時における目標温度に達した後の温度保持時間(「待ち時間tw」とも称す)を設定する(st4)。待ち時間twは、(1)式によって求められる。
tw=α・t0 …(1)
但し、ここでαは前回終了時からの経過時間と相関する補正係数、t0はこれらの変動要素を除いた基本待ち時間である。
図9は基本待ち時間とヒータ温度との相関を表したグラフである。
基本待ち時間t0は、サーミスタ76によって検出されるプレートヒータ51a,51b,51cの温度と図9に示す相関(補正カーブLm)を有する。基本待ち時間t0は、ヒータ温度の上昇と共に短くなり、目標温度である例えば120℃に達したときに最小となる。また、この補正カーブLmは、徐冷部センサ115、装置フレームセンサ117、周囲センサ119の温度検出値によって変化する。即ち、これらのセンサによる検出値が高い場合にはLd側にシフトされ、検出値が低い場合にはLu側にシフトされる。これらの補正カーブは、補正テーブル記憶部123に記憶される。
図10は補正係数と経過時間との相関を表したグラフである。
前回終了時からの経過時間と相関する補正係数αは、補正カーブLaとして表され、経過時間が短いと小さい値となり、経過時間の増大に伴って1に近い値となる。つまり、経過時間が短いほど、待ち時間twを短縮させるよう影響する。これにより、温度保持時間を、前回の稼働終了時からの経過時間が短い場合に短く、前回の稼働終了時からの経過時間が長い場合に長く設定することが可能となる。このような補正に基づき設定を行うことで、前回の稼働による蓄熱を今回の温度保持時間の短縮に寄与させることができる一方、その他方で放熱によって低下する熱量相当分を補って、起動直後の濃度低下を防止することができる。
図11は待ち時間(温度保持時間)まで待った場合の温度変化のタイムチャート、図12は待ち時間まで待たなかった場合の温度変化のタイムチャートである。
温度保持時間は、前回起動時において目標温度到達後に温度保持時間が経過したか否かに応じて設定することが好ましい。即ち、図11に示すように、前回の起動時に所定の待ち時間twが待たれた場合と、図12に示すように、目標温度にまで昇温した後、所定の待ち時間twまで待たなければならないのに、待ち時間taで装置がオフされてしまった場合とでは装置蓄熱量が異なる。従来制御では、目標温度まで昇温されたか否かのみを判断していたため、この蓄熱量の差異は加味されなかった。
これに対し、前回起動時において目標温度到達後に温度保持時間が経過したか否かに応じて、温度保持時間が設定されることで、前回起動時における温度保持時間経過の有無が判断の対象に加えられ、想定蓄熱量(実際の測定量でない想定の蓄熱量)が把握可能となる。つまり、前回、温度保持時間の経過前に装置が起動停止されていれば蓄熱量が小さく、温度保持時間が経過していれば蓄熱量が大きい。これにより、単に目標温度に到達したか否かのみを判断の対象としていた従来の加熱制御方法では考慮することのできなかった装置蓄熱量も加味されるようになる。その結果、例えば前回、温度保持時間の経過前に装置が起動停止されることによって発生した想定蓄熱量の不足状況が把握可能となり、熱量不足による起動直後の濃度低下が防止できるようになる。
図13は前々回の装置オフ後、冷えきらないうちに前回装置オンされた場合の温度変化のタイムチャートである。
さらに、温度保持時間は、前回に設定された温度保持時間に応じて設定することが好ましい。これにより、前回設定された温度保持時間が参照されることで、前回の温度保持時間を設定するために参照された前々回起動時の稼働履歴情報も判断対象の範囲となり、装置熱変動の挙動がさらに長い稼働履歴情報で判断される。例えば、図13に示すように、前々回のオフの後、装置が冷えきらないうちに、前回オンされれば、前回の待ち時間tbは通常の待ち時間twより短くなり、これを参照して今回の待ち時間tcが設定されることとなる。
このように、温度保持時間を、前回に設定された温度保持時間に応じて設定すれば、前回の温度保持時間を設定するために参照された前々回起動時の稼働履歴情報までもが考慮されることとなり、装置熱変動の挙動がさらに長い稼働履歴情報で判断され、より正確な温度保持時間の設定が可能となる。
以上のようにして待ち時間twが設定されたなら、制御部113は、駆動制御部125へヒータ駆動信号を送出し、駆動制御部125から駆動信号を受けたプレートヒータ51a,51b,51cは加熱を開始する(st5)。
次いで、各センサによって目標温度に到達したことが判定されると(st6)、待ち時間twのカウントが開始され、待ち時間twの経過が完了すると(st7)、制御部113から駆動制御部125へReady表示の出力信号が送出され(st8)、熱現像記録装置150の操作パネルにReady表示がなされ、熱現像部Cが記録可能状態に設定される。
この熱現像記録装置150の加熱制御方法では、前回起動時から今回起動時までの熱変動が稼働履歴情報として収集され、この稼働履歴情報が参照されることで、熱変動の挙動に基づく判断が可能となる。つまり、従来では判断の対象に含まれなかった、熱履歴(即ち、時間経過に伴う熱の増減)が分るようになる。これにより、ヒータによって装置に加えられた総熱量と放熱量との差である装置蓄熱量も把握可能となり、より正確な温度保持時間が決定可能となる。この結果、装置立ち上げ直後に生じ易い濃度低下を防止し、かつ必要最小限の待ち時間で熱現像記録装置150を起動させることができるようになる。
次に、熱現像記録装置の他の実施の形態を説明する。
図14は他の実施の形態による熱現像記録装置の動作を説明するフローチャートである。なお、図8に示した処理と同一の処理には同一のステップ符号(st)を付し、重複する説明は省略する。
この実施の形態による熱現像記録装置は、熱現像記録材料3を熱現像部Cのプレートヒータ51a,51b,51cに押し付けるために配設された押さえローラが、熱現像記録装置の起動中に回転駆動される(st10)。回転駆動は、装置の立ち上げと同時に、制御部113から駆動制御部125へ駆動開始信号が送出され、この駆動開始信号を受けた駆動制御部125によって駆動制御される。
従って、押さえローラ55が起動中に回転駆動されることで、押さえローラ55がまんべんなく温められ、温度の不均一がなくなる。これにより、特に装置立ち上げ直後に、押さえローラ55の低温部位が接触することによる熱現像記録材料3の温度低下が防止される。
また、押さえローラ55は、断続的に駆動されるものであってもよい。このような断続駆動制御がなされれば、押さえローラ55が連続的に駆動される場合に比べ、断続駆動される分、押さえローラ55の駆動消費電力が低減され、かつ押さえローラ温度の均一化も可能となる。
この熱現像記録装置によれば、押さえローラ55が熱現像記録装置150の起動中に回転駆動されるので、押さえローラ55がまんべんなく温められ、装置立ち上げ直後の温度低下による濃度低下現象を大幅に改善することができる。この結果、連続駆動の場合に比べ駆動消費電力を低減でき、特に百ボルト機(電源部111へ供給される一次側電圧が100V程度である熱現像記録装置)等の場合のように、電気容量上の制約から全ての駆動部を同時通電できない場合の制御として有効となる。
なお、熱現像記録装置150では、百ボルト機等の場合、プレートヒータ51a,51b,51cの全部オンが容量上できないときがある。このような場合、Ready後の通常の温度制御は、できるだけ細かくオン・オフ制御を行いたい。一方、装置立上時では、複数のプレートヒータ51a,51b,51cをあまり細かく交互にオン・オフ制御すると、熱伝達の効率が落ちてしまい、装置起動時間が遅くなるという問題が生じる。
これに対し、上記した熱現像記録装置150によれば、稼働履歴情報に基づき、通常の温度制御時と装置立上時の温度制御時とでオン・オフ周期を変えることが可能となる。例えば、通常の温度制御時には1.2秒周期のオン・オフ、装置立上時は6秒周期のオン・オフとする。こうすることにより、通常時は精度よく温度制御ができ、装置立上時は短時間に起動することができるようになる。
本発明に係る熱現像記録装置の概略構成図である。 図1に示した熱現像記録装置の画像露光部の詳細説明図である。 熱現像部の押さえローラ駆動機構部の拡大図である。 プレートヒータの拡大斜視図である。 アルミ製ガイド板の裏側を表す斜視図である。 熱現像部の変形例を表す構成図である。 電源/制御部のブロック図である。 加熱制御方法の手順を表すフローチャートである。 基本待ち時間とヒータ温度との相関を表したグラフである。 補正係数と経過時間との相関を表したグラフである。 待ち時間(温度保持時間)まで待った場合の温度変化のタイムチャートである。 待ち時間まで待たなかった場合の温度変化のタイムチャートである。 前々回の装置オフ後、冷えきらないうちに前回装置オンされた場合の温度変化のタイムチャートである。 他の実施の形態による熱現像記録装置の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
3 熱現像記録材料
51a,51b,51c プレートヒータ(ヒータ)
55 押さえローラ
76 サーミスタ(温度センサ)
113 制御部
115 徐冷部センサ(温度センサ)
117 装置フレームセンサ(温度センサ)
119 周囲センサ(温度センサ)
121 履歴情報記憶部
150 熱現像記録装置
C 熱現像部
tw 待ち時間(温度保持時間)

Claims (7)

  1. 熱現像記録装置の起動後に熱現像部を目標温度までヒータによって加熱する加熱ステップと、前記ヒータが目標温度に達した後に前記目標温度を所定時間保持する温度保持ステップとを有し、前記目標温度を所定時間保持した後に前記熱現像部を記録可能状態に設定する熱現像記録装置の加熱制御方法であって、
    熱現像記録装置の起動後に前回起動時からの稼働履歴情報を収集し、
    該稼働履歴情報に応じて今回起動時における前記目標温度に達した後の温度保持時間を求めることを特徴とする熱現像記録装置の加熱制御方法。
  2. 前記温度保持時間を、前回の稼働終了時からの経過時間が短い場合に短く、前回の稼働終了時からの経過時間が長い場合に長く設定することを特徴とする請求項1記載の熱現像記録装置の加熱制御方法。
  3. 前記温度保持時間を、前回に設定された温度保持時間に応じて設定することを特徴とする請求項1記載の熱現像記録装置の加熱制御方法。
  4. 前記温度保持時間を、前回起動時において目標温度到達後に温度保持時間が経過したか否かに応じて設定することを特徴とする請求項1記載の熱現像記録装置の加熱制御方法。
  5. 熱現像記録装置の起動後に熱現像部が目標温度までヒータによって加熱されるとともに、前記ヒータが目標温度に達した後には前記目標温度が所定時間保持されて、前記熱現像部が記録可能状態に設定される熱現像記録装置であって、
    少なくとも前記ヒータの温度を検出する温度センサと、
    前記熱現像記録装置の起動・停止情報及び前記温度センサの検出値を経過時間と共に稼働履歴情報として記憶する履歴情報記憶部と、
    該履歴情報記憶部に記憶された前記稼働履歴情報に応じて今回起動時における前記目標温度に達した後の温度保持時間を演算する制御部とを具備したことを特徴とする熱現像記録装置。
  6. 前記熱現像部の前記ヒータに熱現像記録材料を押し付ける押さえローラが設けられ、該押さえローラが前記熱現像記録装置の起動中に回転駆動されることを特徴とする請求項5記載の熱現像記録装置。
  7. 前記押さえローラが断続的に駆動されることを特徴とする請求項6記載の熱現像記録装置。
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