JP2006206236A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 搬送路の結露を確実に除去することにより画像形成に影響を及ぼす要因を防止することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 複数枚の記録媒体Fが積載される記録媒体供給部Aから一枚ずつ記録媒体Fを取り出して、この記録媒体Fを搬送して画像を形成する画像形成装置であって、記録媒体Fの搬送路に生じる結露を検出する結露センサSと、結露センサSからの出力結果に応じて記録媒体Fの搬送を制御する制御部Eとを備え、制御部Eが、装置始動時のウォームアップ期間に結露センサSが結露の発生を検出した場合に、記録媒体供給部Aに積載された記録媒体Fのうち、最上層を含む少なくとも1枚の記録媒体Fを搬送路に沿って搬送させるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関し、特に画像形成装置内の結露による影響を防止する技術に関する。
従来より、結露の影響を防止する技術として、本体の内部温度が冷えた場合に、温度検出手段の検出信号により、光源や可動ミラーを支持するキャリアと可動ミラーを支持するキャリアとを往復駆動させ、可動ミラーや光源に相対的に風を与えて結露による曇りを除去しようとするものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、走査ユニット内を気流防止カバーと断熱壁とにより仕切ることにより、空間域間の空気流動を規制して加熱空気を低温の光学部品に到達しないようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開平04−237035号公報 特開平03−291674号公報
ところが、上記特許文献1及び上記特許文献2では、いずれも光学系の結露対策であり、搬送路に付着した露等に対しては、それを除去するまでには至らず、十分な対策とは言い難い。結露による影響は、画像形成装置を車載環境で使用する場合に特に顕著となる。
ところで、図10(a)に示すように、従来、搬送路に配置される一対のローラ501a,501bはゴム製であって、記録媒体502を上下に挟み込んだ状態で待機させており、その待機状態から所定のタイミングで記録媒体502の搬送が開始される。従って、記録媒体502は、ローラ501a,501bに挟み込まれたまま所定の一定時間待機することになる。このため、ローラ501a,501bの少なくともいずれかに結露が生じた場合、待機終了後にローラ501a,501bによって記録媒体502を搬送すると、図10(b)に示すように一本の水跡503が残るようになる。この水跡503は、記録媒体502を熱現像した際に、図11に示すように黒スジ等の誤像505が発生して、現像された記録媒体502の画質が低下する。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、搬送路の結露を確実に除去して、画像形成に影響を及ぼす要因を排除することのできる画像形成装置を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成できる。
(1) 複数枚の記録媒体が積載される記録媒体供給部から一枚ずつ記録媒体を取り出して、この記録媒体を搬送して画像を形成する画像形成装置であって、前記記録媒体の搬送路に生じる結露を検出する結露センサと、前記結露センサからの出力結果に応じて前記記録媒体の搬送を制御する制御部とを備え、前記制御部が、装置始動時のウォームアップ期間に前記結露センサが結露の発生を検出した場合に、前記記録媒体供給部に積載された記録媒体のうち、最上層を含む少なくとも1枚の記録媒体を前記搬送路に沿って搬送させることを特徴とする画像形成装置。
このように構成された画像形成装置においては、制御部が装置始動時のウォームアップ期間に結露センサが結露の発生を検出した場合に、少なくとも1枚の記録媒体を搬送路に沿って搬送させることにより、搬送路に生じた結露を、この記録媒体に付着(或いは吸着)させて除去することができる。これにより、結露によって形成する画像に画像欠陥が生じることを防止でき、画像形成装置のユーザが結露の有無を別段意識しなくとも、装置始動時のウォームアップ後に良好な画質で画像形成が行える。
(2) 形成する画像に応じて前記記録媒体へ露光処理する画像露光部を備え、前記制御部が、前記最上層の記録媒体を前記搬送路に沿って搬送させる際に、少なくとも前記画像露光部を通過させることを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
このように構成された画像形成装置においては、記録媒体を搬送する際に、画像露光部を通過させることで、画像露光部までの搬送路に生じた結露を確実に除去することができる。
(3) 形成する画像に応じて前記記録媒体に形成された潜像を顕増化する熱現像部を備え、前記制御部が、前記最上層の記録媒体を前記搬送路に沿って搬送させる際に、前記熱現像部を通さずに搬送させることを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
このように構成された画像形成装置においては、記録媒体を搬送する際に、熱現像部を通さずに搬送することにより、加熱中となる熱現像部に相対的に温度の低い記録媒体が搬入されて温度上昇速度が鈍り、温度分布が乱れることを未然に防止できる。もって、熱現像部の立ち上がり時間の遅延を防止して、タクトアップが図られる。
(4) 前記制御部が、前記記録媒体の先端が前記画像露光部を通過したときに、該記録媒体の搬送方向を逆転させて、この記録媒体を逆搬送することを特徴とする(2)又は(3)記載の画像形成装置。
このように構成された画像形成装置においては、画像露光部を通過した時に記録媒体の搬送方向を逆転させるスイッチバックを行うことにより、記録媒体が搬送される搬送路に対して往復2回の通過が行われ、結露の除去が一層確実となる。
(5) 前記記録媒体供給部とは別途に設けられ前記記録媒体を収容する収容トレイを備え、前記制御部が、前記ウォームアップ期間に搬送する前記記録媒体を前記搬送路に沿って搬送した後、前記収容トレイに搬出させることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成装置。
このように構成された画像形成装置においては、ウォームアップ期間に搬送される記録媒体を搬送路に沿って搬送した後に収容トレイに搬出することで、結露除去用に搬送した記録媒体を装置内から排出することをユーザが特に意識する必要がなくなり、使い勝手が向上する。
本発明の画像形成装置によれば、搬送路の結露を確実に除去して記録媒体に正確な画像を記録することができ、画像形成に影響を及ぼす要因を積極的に排除して、高画質の画像を形成することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
ここでは、画像形成装置の一例として熱現像記録装置を用いて説明する。熱現像記録装置とは、入力される両像信号に基づいて画像露光部の出力光を変調しつつ走査露光し、熱現像記録媒体上に潜像を形成した後、この熱現像記録媒体を加熱して熱現像処理するものである。
本発明は、熱現像記録装置における熱現像記録媒体の搬送路に生じ得る結露を、装置の起動時に除去することで、結露が画像形成に影響を及ぼすことを未然に防止するものである。
(第1実施形態)
図1に本発明に係る画像形成装置としての熱現像記録装置の概略構成図を示した。
まず、この熱現像記録装置100の構成から説明する。
熱現像記録装置100は、湿式の現像処理を必要としない熱現像感光材料又は感光感熱記録材料等からなる熱現像記録媒体を用い、レーザ光からなる光ビームによる走査露光によって熱現像記録媒体を露光して潜像を形成した後に、熱現像処理を行うことで可視像を得、その後、常温まで冷却する装置である。
従って、この熱現像記録装置100は、基本的に、熱現像記録媒体の搬送方向順に、熱現像記録媒体供給部Aと、画像露光部Bと、熱現像部Cと、冷却部Dとを備えており、また、各部間の要所に設けられ熱現像記録媒体を搬送するための搬送手段(搬送駆動部)と、各部を駆動し制御する電源/制御部Eを備えている。
この熱現像記録装置100では、最下段に電源/制御部E、その上段に熱現像記録媒体供給部A、更にその上段に画像露光部Bと熱現像部Cと冷却部Dとを配置した構成となっており、画像露光部Bと熱現像部Cとを隣接させた配置としている。
この構成によれば、露光工程と熱現像工程を短い搬送距離内で行うことができ、熱現像記録媒体の搬送パス長を最短化し、1枚の出力時間を短縮することができる。また、1枚の熱現像記録媒体に対して露光工程と熱現像工程との両工程を同時に実施することが可能となる。
熱現像記録媒体としては、前述の熱現像感光材料又は感光感熱記録材料等を使用することができる。熱現像感光材料は、光ビーム(例えば、レーザビーム)によって画像を記録(露光)し、その後、熱現像して発色させる記録材料である。また、感光感熱記録材料は、光ビームによって画像を記録し、その後、熱現像して発色させるか、あるいは、レーザビームのヒートモード(熱)によって画像を記録すると同時に発色させ、その後、光照射で定着する記録材料である。
熱現像記録媒体供給部Aは、フィルムシートである熱現像記録媒体Fを一枚ずつ取り出して、熱現像記録媒体Fの搬送方向の下流に位置する画像露光部Bに供給する部分であり、二つの装填部11,13を有する。各装填部11,13はそれぞれ同一構成であるので、一方の装填部11を説明すると、装填部11は、枚葉機構110と、不図示の搬送ローラ及び搬送ガイド(搬送駆動部)を有して構成される。そして、枚葉機構110は、装填部11において熱現像記録媒体Fを一枚ずつ取り出して搬送駆動部である上ローラ15と、上ローラ15に対向配置されて対をなす従動ローラである下ローラ17により熱現像記録媒体Fを搬送する。上ローラ15と下ローラ17の近傍には、結露センサSが配置されている。二段構成となっている各装填部11,13の内部には、異なる熱現像記録媒体F(例えば、B4サイズ、及び半切サイズ等)が収容されたマガジン19,21がマガジン受であるトレイ23,25内に収納され、各段に装填されたサイズや向きの、いずれかを選択的に使用できるようにしている。
なお、上記熱現像記録媒体Fは、シート状に加工され、通常、150枚等の所定単位の積層体(束)とされ、袋体や帯等で包装されてパッケージとされている。パッケージはそれぞれマガジンに収容されて熱現像記録媒体供給部Aの各段に装填される。
画像露光部Bは、熱現像記録媒体供給部Aから搬送されてきた熱現像記録媒体Fに対して光ビームLBを主走査方向に走査露光し、また、主走査方向に略直交する副走査方向(即ち、搬送方向)に搬送することで、所望の画像を熱現像記録媒体Fに記録して潜像を形成する。
熱現像部Cは、走査露光後の熱現像記録媒体Fを搬送しながら昇温処理して、熱現像を行う。そして、冷却部Dにおいて現像処理後の熱現像記録媒体Fを冷却して、排出トレイ27に搬出する。
ここで、熱現像記録媒体供給部Aと画像露光部Bとの間の搬送路には幅寄せ機構29が設けられており、熱現像記録媒体供給部Aから搬入されてきた熱現像記録媒体Fを、その幅方向端部を揃えた状態で画像露光部Bへ供給している。
次に、画像露光部Bについて具体的に説明する。
画像露光部Bは、光ビーム走査露光によって熱現像記録媒体Fを露光する部位であり、熱現像材料の搬送面からのばたつきを防止しつつ搬送するばたつき防止機構を有した副走査搬送部(副走査手段)31と、走査露光部(レーザ照射手段)33とを備えている。走査露光部33は、別途用意された画像データに従ってレーザの出力を制御しつつ、このレーザを走査(主走査)させる。このとき熱現像記録媒体Fを副走査搬送部31によって副走査方向に移動させる。
副走査搬送部31は、照射するレーザ光の主走査ラインを挟んで、軸線がこの走査ラインに対して略平行に配置された搬送駆動部である2本の駆動ローラ35,37と、これら駆動ローラ35,37に対向して配置され、熱現像記録媒体Fを支持するガイド板39を備えている。ガイド板39は、各駆動ローラ35,37との間に挿入される熱現像記録媒体Fを、並設されたこれら駆動ローラ同士間の外側で該駆動ローラ周面の一部に沿って撓ませて、駆動ローラ同士間で熱現像記録媒体Fの撓みによる弾性反発力を当接して受け止めるようにしている。
この撓みにより熱現像記録媒体F自身に弾性反発力が発生する。この弾性反発力により、熱現像記録媒体Fと駆動ローラ35,37との間に所定の摩擦力が生じ、駆動ローラ35,37から熱現像記録媒体Fへ確実に搬送駆動力が伝達されて、熱現像記録媒体Fが搬送されるようになる。従って、熱現像記録媒体Fの搬送面からのばたつき、即ち、上下方向のばたつきが確実に抑制される。この駆動ローラ同士間の熱現像記録媒体Fに向けてレーザ光を照射することで、露光位置ずれのない良好な記録が行えることになる。
なお、駆動ローラ35,37は、図示しないモータ等の駆動手段の駆動力を、歯車やベルト等の伝達手段を介して受け、図1の時計回り方向へ回転するようになっている。
次に、熱現像部Cについて説明する。
熱現像部Cは、熱処理を適用されるタイプの被熱処理熱現像記録媒体を加熱するものであり、構成としては、図1に示すように、熱現像記録媒体Fを処理するのに必要な温度となる加熱体としての熱現像記録媒体の移送方向に並ぶ複数のプレートヒータ41,43,45を湾曲させ、かつ、これらのプレートヒータ41,43,45を一連の円弧状配置としている。
即ち、これらプレートヒータ41,43,45を含む熱現像部Cの構成としては、図示されるように、各プレートヒータに凹面を設け、熱現像記録媒体Fをこのプレートヒータの凹面に対して接触させつつ滑らせて、相対的に移動させる。このときの熱現像記録媒体Fの移送手段として、ローラ47と、各プレートヒータから熱現像記録媒体Fへの伝熱用でもある複数の押さえローラ49とを配設している。
押さえローラ49は、歯車51に噛合して歯車51の回転に従動して回転駆動される。これら押さえローラ49としては、金属ローラ、樹脂ローラ、ゴムローラ等が利用できる。この構成により、搬送されるシートフィルムFがプレートヒータ41,43,45に押し付けられつつ搬送されるので、シートフィルムFの座屈が防止される。
そして、熱現像部C内における熱現像記録媒体Fの搬送路の終端には、熱現像記録媒体Fを移送する排出ローラ53が配設されている。
勿論、上記の湾曲プレートヒータは一例であり、他の平坦なプレートヒータや加熱ドラムを用いてエンドレスベルトと剥離爪とを備える構成のものであってもよい。
そして、熱現像部Cから搬出された熱現像記録媒体Fは、冷却部Dによってシワが発生しないように、かつ湾曲ぐせが付かないように注意しながら冷却される。冷却部Dから排出された熱現像記録媒体Fは搬送路途中に設けられた冷却ローラ対55によりガイドプレート57内に案内され、さらに、排出ローラ対59から排出トレイ27に排出される。
このように冷却部D内には、複数の冷却ローラ対55が熱現像記録媒体Fの搬送経路に所望の一定曲率Rを与えるように配置されている。これは、熱現像記録媒体Fがその材料のガラス転移点以下に冷却されるまで一定の曲率Rにより搬送されるということであり、このように意図的に熱現像記録媒体Fに曲率を付けることで、ガラス転移点以下に冷却される前に余計なカールが付かなくなり、ガラス転移点以下となれば、新たなカールが付くこともなく、カール量がばらつかない。
また、冷却ローラ自体及び冷却部Dの内部雰囲気を温度調節している。このような温度調節は、熱処理装置の立ち上げ直後と十分にランニングを行った後との状態をなるべく同様なものにし、濃度変動を小さくすることができる。
排出トレイ27の上方には、ソーター機構61が取り付けられており、ソーター機構61によって、出力される熱現像記録媒体Fを任意に振り分けることができる。
なお、熱現像記録媒体Fに対する画像記録に関しては、詳しくは、例えば、国際公開番号WO95/31754号の公報、国際公開番号WO95/30934号公報に記載されているので、必要に応じて適宜参照されたい。
次に、熱現像記録装置100の主な制御系統について説明する。
図2に熱現像記録装置の制御系統のブロック構成図を示した。熱現像記録装置100は、電源/制御部Eが、所定の位置に配置された始動スイッチSWのオン操作により電源投入される。また、電源/制御部Eには、結露センサSが検出した電気信号が不図示の増幅回路等を通じて与えられる。そして、電源/制御部Eは、始動スイッチSWのオン操作をトリガとして、結露センサSの電気信号(電圧信号値)に応じた所定のウォームアップ処理を行う。ウォームアップ処理としては、熱現像部Cのプレートヒータ41,43,45を駆動させてプレートヒータ41,43,45を暖気運転させたり、画像露光部Bのレーザ出力を安定させること等が挙げられる。ウォームアップ処理が完了したところで、熱現像記録媒体供給部A、枚葉機構110を駆動させるとともに、画像露光部Bを駆動させる。このとき、ウォームアップ処理に最も長い時間を要するユニットは熱現像部Cとなる。
なお、結露センサSとしては、電気抵抗式、水晶振動子式、光学式等、適宜の方式のものが採用される。
次に、熱現像記録装置100の運転動作について、図3に基づいて説明する。
図3は熱現像記録装置の運転動作を説明するフローチャートである。
まず、始動スイッチSWがオン操作されることにより(S101)、ウォームアップ動作が開始される(S102)。このウォームアップ動作とは、熱現像部Cや画像露光部Bのレーザ装置等が直ちに実働可能となるようにウォームアップさせるため、ヒータのプレヒートや、レーザの安定化、ローラの空転駆動等を行う動作が含まれる。
ウォームアップ動作が開始されると、次に結露処理が実行される(S103)。結露処理とは、結露センサSが結露の発生を検出している場合に、記録媒体供給部Aに積載された熱現像記録媒体Fのうち、最上層を含む少なくとも1枚の熱現像記録媒体Fを搬送路に沿って空搬送させる処理である。即ち、枚葉機構110を駆動させることによりトレイ23(25)に積層されている最上層の1枚の熱現像記録媒体Fを取り出して、回転駆動している上ローラ15及び下ローラ17の間に挟み込んで搬送方向下流側へ搬送する。この熱現像記録媒体Fを記録媒体供給部Aから画像露光部B、熱現像部C、冷却部Dへ順次搬送した後に、排出トレイ27へ排出する。これにより、記録媒体供給部Aから、画像露光部B、熱現像部C、冷却部D、排出トレイ27までの間の搬送路に生じた結露を、この1枚の熱現像記録媒体Fに付着(或いは吸着)させて除去することができる。勿論、結露処理に用いる熱現像記録媒体Fは、最上層の1枚に限らず、2枚以上であっても良い。
結露処理が実行されている間は、熱現像部Cや画像露光部Bのウォームアップ動作も続行される。やがて、結露処理が完了して、画像露光部Bが安定状態に入り、続いて熱現像部Cが安定状態になると、ウォームアップ動作が終了される(S104)。ウォームアップ動作の完了は、各部の安定状態が確認されることに代えて、例えば、電源/制御部Eに内蔵されたクロックタイマがタイムアップすることにより簡便に判別することも可能である。
ウォームアップ動作が終了すると、通常の記録・現像プロセスを開始することができる。このとき、記録開始の信号が入力されると、通常の記録動作がなされる。即ち、枚葉機構110が駆動されて熱現像記録媒体Fが一枚取り出され、上ローラ15,下ローラ17等の駆動によって熱現像記録媒体Fが搬送され、画像露光部Bが駆動されることにより画像記録が行われる(S105)。
以上説明したように、本実施形態の熱現像記録装置100によれば、電源/制御部Eが装置始動時のウォームアップ期間に、結露センサSが結露の発生を検出した場合に、少なくとも1枚の熱現像記録媒体Fを搬送路に沿って空搬送させることにより、搬送路に生じた結露を、この熱現像記録媒体Fに付着(或いは吸着)させて除去することができる。これにより、結露によって画像欠陥が生じることを防止でき、熱現像記録装置100のユーザが結露の有無を別段意識しなくとも、装置始動時のウォームアップ後に良好な画質で画像形成が行える。
また、本実施形態の熱現像記録装置100によれば、熱現像記録媒体Fを搬送する際に、画像露光部Bまでを通過させることで、画像露光部Bまでの搬送路に生じた結露を確実に除去することができる。
次に、本実施形態の熱現像記録装置に対する第1変形例を説明する。
図4に本変形例における運転動作を説明するフローチャートを示した。本変形例においては、装置の始動時に、結露センサSが結露を検出している場合にのみ、搬送路に沿って1枚の熱現像記録媒体Fを搬送させて排出することにより、結露を除去するようにしている。
始動スイッチSWがオン操作されることによりウォームアップ動作が開始されると、次いで結露センサSの計測が実行される(S201)。結露センサSの計測により、搬送路で結露が発生したか否かが判別される(S202)。
結露センサSが結露を検出した場合、枚葉機構110を駆動させることによりトレイ23(又は25)に積層されている最上層の1枚の熱現像記録媒体Fを取り出す(S203)。
そこで、上ローラ15及び下ローラ17が回転駆動され、取り出された1枚の熱現像記録媒体Fを上ローラ15,下ローラ17により挟み込んで搬送し、記録媒体供給部Aから、画像露光部B、熱現像部C、冷却部Dへと搬送方向下流側に搬送する(S204)。これにより、記録媒体供給部Aから、画像露光部B、熱現像部C、冷却部Dまでの間の搬送路に生じた結露を、この1枚の熱現像記録媒体Fに付着(或いは吸着)させて除去することができる。
そして、搬送されてきた熱現像記録媒体Fを排出トレイ27へ排出する(S205)。
これにより、結露が発生したときだけに結露除去のための処理が行われ、結露の発生が認められない場合には、通常通りの運転を行うために、無駄に結露除去をすることがなくなり、運転効率が高められる。
(第2実施形態)
図5に本発明に係る画像形成装置の第2実施形態としての熱現像記録装置の概略構成図を示した。なお、本実施形態以降に説明する各実施態様において、既に説明した部材等と同様な構成・作用を有する部材等については、図中に同一の符号を付与することにより、説明を簡略化或いは省略する。
第2実施形態の熱現像記録装置300は、装置の始動時において、記録媒体供給部Aに積載された熱現像記録媒体Fのうち、最上層を含む少なくとも1枚の熱現像記録媒体Fを搬送路に沿って搬送させる際に、熱現像部Cを通さずに搬送させるようにしたものである。
図5に示すように、熱現像記録装置300は、熱現像部Cにおける複数のプレートヒータ41,43,45の搬送方向上流側に、始動時に最初に搬送されてきた熱現像記録媒体Fをプレートヒータ41,43,45側に搬送させず、ローラ47の下流側で装置の外に排出するためのガイド63と、ローラ47の下流側に配置されたドア67とを備えている。
ガイド65は、ローラ47とプレートヒータ41,43,45との間に配置されており、始動スイッチSWがオン操作された際に、ローラ47の下流側における搬送方向をドア67に向かうように回動され、始動スイッチSWがオン操作されてから1枚(或いは所定枚数)の熱現像記録媒体Fが通過した後に、ローラ47の下流側における搬送方向をプレートヒータ41,43,45に向かうように戻り回動される。
ドア67は、装置側方へ引き出して解放されることにより、ガイド65が搬送方向をドア67に向けた際に、ガイド65によってローラ47から搬送されてきた熱現像記録媒体Fを排出する。なお、ガイド65、ドア67は、制御部Eからの指示により自動的に動作させる他、手動で動作させてもよい。
本実施形態の熱現像記録装置300によれば、熱現像記録媒体Fを搬送する際に、画像露光部Bまでを通過させることで、画像露光部Bまでの搬送路に生じた結露を確実に除去することができる。また、熱現像部Cを通さずに搬送することにより、加熱途中となる熱現像部Cに相対的に温度の低い熱現像記録媒体Fが搬入されて温度上昇速度が鈍り、温度分布が乱れることを未然に防止できる。もって、熱現像部Cの立ち上がり時間の遅延を防止して、タクトアップが図られる。
次に、本実施形態の熱現像記録装置300の第1変形例について説明する。
図6に熱現像記録装置の第1変形例の概略構成図を示した。
本変形例では、装置の始動時に、最上層を含む少なくとも1枚(又は所定枚数)の熱現像記録媒体Fを搬送路に沿って搬送させる際、その熱現像記録媒体Fの先端が画像露光部Bを通過したときに、熱現像記録媒体Fの搬送方向を逆転させ、熱現像部Cを通過させることなく、この熱現像記録媒体Fを排出するようにしている。
この場合の熱現像記録装置300は、装置の始動時に最初に搬送されてきた熱現像記録媒体Fを画廊露光部Bの位置で逆送させるタイミングを設定する必要がある。そのタイミングは、通常運転時の画像記録に際しては、熱現像記録媒体Fの始端位置を検出して、この始端位置情報に基づいて画像記録位置が設定されるので、ここでもその始端位置情報を利用して画像露光部Bを通過するタイミングを逆送開始タイミングとして設定すればよい。
また、これに限らず、画像露光部Bにおける駆動ローラ35,37のうち下流側に配置された駆動ローラ37の下流側に先端検出センサ73を設けた構成としてもよい。先端検出センサ73は、始動スイッチSWがオン操作されてから1枚の熱現像記録媒体Fが通過するタイミングを検出して、これを受けた制御部Eが駆動ローラ35,37及び搬送ローラ対79を逆回転駆動させる。
本熱現像記録装置300はさらに、画像露光部Bから熱現像記録媒体供給部Aまでの搬送路途中に配置されたガイド81と、ガイド81から分岐される搬送路の先に配置されたドア77を備えている。ドア77は、装置側方へ引き出して解放されることにより、駆動ローラ35,37、及び搬送ローラ対79により逆方向に搬送されてきた熱現像記録媒体Fを、ガイド81を搬送路に突き出してガイド81の外周面に沿って搬送方向を変更することで、ドア77に向かわせ排出する。なお、これらの動作は、自動、或いは手動で行われる。
本変形例によれば、熱現像記録媒体Fの先端が画像露光部Bを通過した時に熱現像記録媒体Fの搬送方向を逆転させるスイッチバック動作を行うことにより、熱現像記録媒体Fが搬送される搬送路に対して往路と復路との2回の通過が行われ、結露の除去が一層確実となる。
次に、熱現像記録装置300の第2変形例について説明する。
図7に本変形例の概略構成図を示した。この場合は、装置の始動時に、最上層を含む少なくとも1枚(又は所定枚数)の熱現像記録媒体Fを搬送路に沿って搬送させる際に、その熱現像記録媒体Fの先端が画像露光部Bを通過したときに、熱現像記録媒体Fの搬送方向を逆転させて、熱現像部Cを通過させずに通り越して、この熱現像記録媒体Fを通常の排出口である排出トレイ27に排出している。この場合の搬送路の途中には、回動自在なガイド板87が配設され、このガイド板87により、記録媒体供給部Aから画像露光部B、画像露光部Bから排出トレイ27への搬送路を形成している。
スイッチバックして逆搬送される熱現像記録媒体Fは、ガイド板87が搬送路から外れた位置に待避することで、記録媒体供給部Aには向かわずに排出トレイ27に向けて搬送される。
ガイド板87は、搬送方向上流において逆搬送されてきた熱現像記録媒体Fを排出トレイ27に向けて搬送させるために回動され、1枚の熱現像記録媒体Fが逆搬送された後に、初期位置に回動して戻される。これにより、記録媒体供給部Aから搬送されてくる熱現像記録媒体Fを画像露光部へと搬送可能にする。なお、これらの動作は、自動、或いは手動で行われる。
本変形例によれば、専用の排出口を特に設ける必要がないために、装置の外形が大きくなることがなく、省スペース化を図ることができる。また、熱現像記録装置のユーザの立場からすると、熱現像記録媒体Fの排出口が1箇所で纏まるため、使い勝手を高められる。
次に、熱現像記録装置300の第3変形例について説明する。
図8に本変形例の概略構成図を示した。本変形例では、装置の始動時に、最上層を含む少なくとも1枚(又は所定枚数)の熱現像記録媒体Fを搬送路に沿って搬送させる際、その熱現像記録媒体Fの先端が画像露光部Bを通過したときに、熱現像記録媒体Fの搬送方向を逆転させて、熱現像部Cを通過させずに、この熱現像記録媒体Fをトレイ23側に戻してから排出するようにしている。排出口となるドア97は、装填部11の側部に配置されており、装置側方へ引き出すことで解放される。
図8に示すように、この場合の熱現像記録装置300も第1、第2変形例と同様に、装置の始動時に最初に搬送されてきた熱現像記録媒体Fを画像露光部Bの位置で逆搬送させる。
そして、逆搬送されてきた熱現像記録媒体Fは、ガイド93を搬送路内に突き出してガイド93の外周面に沿って搬送方向を変更することで、記録材料供給部Aの上段位置に戻され、ドア97から排出する。なお、これらの動作は、自動、或いは手動で行われる。
本変形例によれば、熱現像記録媒体Fの搬送路の略全体に渡って往路、復路の2回の搬送が行われることになり、搬送路に生じた結露をより確実に除去することができる。
次に、熱現像記録装置300の第4変形例について説明する。
図9に本変形例の概略構成図を示した。本変形例では、記録媒体供給部Aとは別途に設けられ熱現像記録媒体Fを収容する収容トレイ101を備え、ウォームアップ期間に最上層を含む少なくとも1枚(又は所定枚数)の熱現像記録媒体Fを搬送路に沿って搬送した後に、熱現像部Cを通過させずに画像露光部Bの駆動ローラ35,37等で逆搬送して収容トレイ101に搬出させるようにしている。
図9に示すように、熱現像記録装置300は、装填部11,13の下側に収容トレイ101を独立して設けてある。そして、第1〜第3変形例と同様に、装置の始動時に最初に搬送されてきた熱現像記録媒体Fを画像露光部Bの位置で逆搬送させ、この逆搬送される熱現像記録媒体Fが、収容トレイ101まで搬送されて、排出される。なお、これらの動作は、自動、或いは手動で行われる。
本変形例によれば、ウォームアップ期間に搬送される熱現像記録媒体Fを搬送路に沿って搬送した後に収容トレイ101に搬出することで、結露除去用に搬送した熱現像記録媒体Fを装置内から排出する際に、予め排出口となるドアを開ける等の準備作業を行う必要がなくなる。また、結露除去用に熱現像記録媒体Fが空搬送されることをユーザが特に意識する必要がなくなり、使い勝手が向上する。
なお、本発明の画像形成装置は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
例えば、各実施形態におけるガイドの構成は、図示したものに限定されることはなく、適用される装置の特性に応じた構造を組み込むことができる。
本発明に係る画像形成装置の第1実施形態である熱現像記録装置の概略構成図である。 図1に示した熱現像記録装置の制御系統のブロック構成図である。 図1に示した熱現像記録装置の運転動作を説明するフローチャートである。 図1に示した熱現像記録装置の第1変形例における運転動作を説明するフローチャートである。 本発明に係る画像形成装置の第2実施形態である熱現像記録装置の概略構成図である。 図5に示した熱現像記録装置の第1変形例の概略構成図である。 図5に示した熱現像記録装置の第2変形例の概略構成図である。 図5に示した熱現像記録装置の第3変形例の概略構成図である。 図5に示した熱現像記録装置の第4変形例の概略構成図である。 (a),(b)は従来構造を説明するそれぞれローラの外観斜視図である。 従来構造により形成された画像の説明図である。
符号の説明
100,300 熱現像記録装置(画像形成装置)
101 収容トレイ
A 熱現像記録媒体供給部(記録媒体供給部)
B 画像露光部
C 熱現像部
E 電源/制御部(制御部)
F 熱現像記録媒体(記録媒体)
S 結露センサ

Claims (5)

  1. 複数枚の記録媒体が積載される記録媒体供給部から一枚ずつ記録媒体を取り出して、この記録媒体を搬送して画像を形成する画像形成装置であって、
    前記記録媒体の搬送路に生じる結露を検出する結露センサと、
    前記結露センサからの出力結果に応じて前記記録媒体の搬送を制御する制御部とを備え、
    前記制御部が、装置始動時のウォームアップ期間に前記結露センサが結露の発生を検出した場合に、前記記録媒体供給部に積載された記録媒体のうち、最上層を含む少なくとも1枚の記録媒体を前記搬送路に沿って搬送させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 形成する画像に応じて前記記録媒体へ露光処理する画像露光部を備え、
    前記制御部が、前記最上層の記録媒体を前記搬送路に沿って搬送させる際に、少なくとも前記画像露光部を通過させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 形成する画像に応じて前記記録媒体に形成された潜像を顕増化する熱現像部を備え、
    前記制御部が、前記最上層の記録媒体を前記搬送路に沿って搬送させる際に、前記熱現像部を通さずに搬送させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部が、前記記録媒体の先端が前記画像露光部を通過したときに、該記録媒体の搬送方向を逆転させて、この記録媒体を逆搬送することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記記録媒体供給部とは別途に設けられ前記記録媒体を収容する収容トレイを備え、
    前記制御部が、前記ウォームアップ期間に搬送する前記記録媒体を前記搬送路に沿って搬送した後、前記収容トレイに搬出させることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の画像形成装置。
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