JP2005201139A - インジェクタ - Google Patents

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光 菊田
Yukinori Kato
幸範 加藤
Yoshihiro Sakuma
義弘 佐久間
Tomohiro Okubo
友弘 大久保
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Abstract

【課題】 筒部が磁性材料により形成されかつ部分的に浸炭処理が施されるインジェクタにおいて、弁を作動させるための十分な電磁力が得られるインジェクタを提供する。
【解決手段】 先端に燃料噴射孔4Bを持つ燃料通路を形成する筒部40と、該筒部40内において軸方向に移動可能に収容される可動鉄心38と、該可動鉄心38と連結されて前記燃料噴射孔4Bを開閉する弁体9と、該弁体9を開弁させるために前記筒部40の外周に配置されたソレノイドコイル18と、前記弁体9を閉弁側に付勢する圧縮スプリング36を備えるとともに、前記可動鉄心38の基端側の端部38Aと前記筒部40とが当接しあう近辺の表面Qには磁気回路Rの短絡を防ぐための浸炭処理が施されており、前記筒部40は、炭素含有量に対するチタン含有量の比の値が10以上でかつ15以下の電磁ステンレス材料により形成されたインジェクタ100。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ソレノイドコイルにより発生する電磁力を利用して燃料噴射孔を開閉するインジェクタに関する。
この種のインジェクタでは、筒部内に固定された固定鉄心と筒部内を軸方向に移動可能な可動鉄心を備え、この可動鉄心には筒部先端に形成された燃料噴射孔を開閉する弁が連結されている。この弁は付勢手段により閉弁位置に付勢されており、筒部外周に配置されたソレノイドコイルから発生する電磁力により可動鉄心が固定鉄心側に吸引されることで、閉弁位置から開弁位置に移動するように構成される。このような構造を有するインジェクタにおいて弁の応答性を向上させるためには、可動鉄心側から固定鉄心側(又は固定鉄心側から可動鉄心側)に流れる磁束を増加させ、可動鉄心と固定鉄心の間に作用する吸引力を大きくする必要がある。そこで、従来、筒部から可動鉄心、固定鉄心から筒部に磁束が流れる部分では筒部の透磁率を上げ、磁束が筒部で短絡することを防止するため可動鉄心と固定鉄心が当接しあう近辺では筒部の透磁率を下げる(磁気抵抗を大きくする)ようにしていた。
このように弁の応答性を向上する観点から筒部の一部分(可動鉄心と固定鉄心が当接しあう近辺)のみ透磁率を低くしたいという要求がある一方で、製造コストを低くする観点(溶接箇所を少なくする観点)からは筒部全体をできるだけ一体で製作したいという要求がある。したがって、従来から筒部の透磁率を部分的に改質する技術が開発されており、このような技術としては、例えば、特許文献1に開示されているように、磁性材料(電磁ステンレス材等)を用いて一体で製作した筒部(透磁率が高い)に浸炭処理を施すことにより、浸炭処理を施した部分の透磁率を下げる方法が知られている。
特開2001−329928号公報
しかしながら、筒部を磁性材料により一体に形成して部分的に浸炭処理を施す場合には、筒部として用いる磁性材料の製造ロット毎にその成分組成にバラツキ等があることに起因して、浸炭による非磁性化の度合いが一定にならず、インジェクタの弁を作動させるための十分な電磁力が得られないような場合があるので問題であった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、筒部が磁性材料により形成されかつ部分的に浸炭処理が施されるインジェクタにおいて、弁を作動させるための十分な電磁力が得られるインジェクタを提供することである。
課題を解決するための第1の発明は、先端に燃料噴射孔を持つ燃料通路を形成する筒部と、該筒部内において軸方向に移動可能に収容される可動鉄心と、該可動鉄心と連結されて前記燃料噴射孔を開閉する弁と、該弁を開弁させるために前記筒部の外周に配置されたソレノイドコイルと、前記弁を閉弁側に付勢する付勢手段を備えるインジェクタであって、前記可動鉄心の基端側の端部と前記筒部とが当接しあう近辺の表面には磁気回路の短絡を防ぐための浸炭処理が施されており、前記筒部は、炭素含有量に対するチタン含有量の比の値が15以下の磁性金属材料により形成されているインジェクタである。したがって、ソレノイドコイルの励磁によりインジェクタ内に磁気回路が構成されると、可動鉄心に対して弁を作動させる軸方向への電磁力が生ずるようになっている。
上記第1の発明において、筒部を形成する磁性材料としては、炭素含有量に対するチタン含有量の比の値が15以下である磁性金属材料が用いられる。ここで、炭素含有量とは、磁性金属材料中における炭素(C)の含有量(質量)のことである。チタン含有量とは、磁性金属材料中におけるチタン(Ti)の含有量(質量)のことである。炭素含有量に対するチタン含有量の比の値とは、チタン含有量を炭素含有量で割った値、つまり、Ti/Cの値のことである。Ti/Cの値が15以下であることにより、浸炭処理を施した部分における透磁率をより確実に低下させることが可能になる(その理由については後に詳述する)。これにより、筒部を形成する磁性金属材料の成分組成に製造ロット毎のバラツキ等がある場合であっても、弁を作動させるための十分な電磁力を確保できるようになる。
上記第1の発明のインジェクタにおいて、さらに、前記筒部は、炭素含有量に対するチタン含有量の比の値が10以上の磁性金属材料により形成されているのが好ましい(第2の発明)。炭素含有量に対するチタン含有量の比の値がこれよりも小さいと、磁性金属材料中における炭素量が相対的に不足となり、浸炭処理を施さない部分(防炭部)の透磁率が増加しない、あるいは、磁性金属材料を治具で固定して加熱炉内で浸炭処理を施す際に、治具の炭素成分と磁性金属材料とが反応して固着するなどの不具合が生ずることがある。
上記第1の発明または第2の発明において、さらに、前記筒部は、電磁ステンレス材料により形成されているのが好ましい(第3の発明)。電磁ステンレス材料は磁気特性及び耐食性に優れているので、応答性が良好でかつ故障の少ないインジェクタを実現することができるからである。
なお、上記「電磁ステンレス材料」とは、鉄を主成分とし、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)等を含有する合金であって(いわゆるステンレス鋼)、その中でも磁性を有するステンレス鋼(例えば、マルテンサイト系ステンレス、フェライト系ステンレス等)のことを指している。このような「電磁ステンレス材料」としては、例えば、特開平6−10101号公報、特開平6−10102号公報に開示された電磁ステンレス鋼を用いることができる。
本発明によれば、筒部が磁性材料により形成されかつ部分的に浸炭処理が施されるインジェクタにおいて、弁を作動させるための十分な電磁力が得られるインジェクタを実現することができる。
本発明を具現化した一実施例に係るインジェクタ100について図1を用いて説明する。図1はインジェクタ100の断面図である。図1に示すように、本実施例に係るインジェクタ100は、筒部40と、筒部40内に組付けられる弁機構(弁座体4、プレートオリフィス6、弁体9、可動鉄心38(アーマチュア)、圧縮スプリング36、スプリングピン32)と、弁機構を駆動するために筒部40の外周に配置された駆動機構(ソレノイドコイル18)等から構成される。
筒部40は、図1に示すようにパイプ状に形成された部材であり、その内部に燃料通路が形成される。この筒部40は、大別すると、その先端側に弁体9等を収納するバルブボディ部42と、後端側に燃料配管と接続される燃料コネクタ部46と、バルブボディ部42と燃料コネクタ部46とを連結する連結部34とで構成される。図1に示すように、連結部34は、バルブボディ部42と比較して小さい径とされている。したがって、連結部34とバルブボディ部42との境界には、バルブボディ部42の内周面から内側に突出する突出面35が形成される。この突出面35は、可動鉄心38が開弁側(基端側)に作動された際に可動鉄心38の基端側の端部38Aと当接し、可動鉄心38の開弁側への移動を規制するストッパ面の機能を果たす。
上述した筒部40の先端側(燃料噴射孔側)の内周には、円柱状の外形を有する弁座体4が圧入されている。この弁座体4には、後方から円柱状の孔4Dが開けられ、この円柱状の孔4Dの先端側に円錐面4Aが形成される。この円錐面4Aの先端は、弁座体4の先端面に開口し、この開口部が燃料噴射孔4Bとなる。弁座体4に設けられた円柱状の孔4Dは球状の弁体9を軸方向に案内するガイド面として機能し、円錐面4Aは球状の弁体9と当接して燃料噴射孔4Bを閉じるシール面として機能する。弁座体4の先端には、プレートオリフィス6が弁座体4に固定されている。プレートオリフィス6には複数の小孔6Aが形成されており、この小孔6Aによって弁座体4の燃料噴射孔4Bから噴射される燃料が霧化される。円柱状の孔4Dの回りには、周方向に等距離な3箇所の位置に、軸方向に伸びる燃料通路4Cが形成されている。
弁座体4の後方には、円筒状に形成された可動鉄心38が筒部40内において軸方向に移動可能に収容されている。可動鉄心38は、該可動鉄心38と一体に形成された軸部12を介して球状の弁体9と連結されている。軸部12には孔12Aが設けられており、この孔12Aを介して軸部12の内部から外部に燃料が通過できるように構成されている。軸部12及び可動鉄心38は磁性を有する金属材料で形成されており、筒部40によって半径方向には移動不能で軸方向に移動可能に案内されている。
連結部34の内部にはスプリングピン32が圧入され固定されている。このスプリングピン32と可動鉄心38との間には、圧縮スプリング36が圧縮状態で収容されている。したがって、可動鉄心38は圧縮スプリング36により先端側に付勢されて、その可動鉄心38と連結された弁体9が弁座体4の円錐面4Aに当接し燃料噴射孔4Bが閉じられる。なお、本実施例において、弁体9が本発明にいう「弁」に対応しており、圧縮スプリング36が本発明にいう「付勢手段」に対応している。
次に、筒部40の外周に組付けられる各部品について説明する。筒部40の外周には、図1に示すように円筒状のボビン20が組み付けられており、このボビン20の周りには銅線が巻き付けられてソレノイドコイル18を構成している。このソレノイドコイル18は、通電されることにより磁気力を発生し(励磁状態)、この磁気力により可動鉄心38を連結部34側に吸引することで、弁体9を円錐面4Aから離し(即ち弁を開いて)燃料を噴射孔4Bから噴射させる。ボビン20の後端側には、ソレノイドコイル18に電力を供給する端子28が設けられ、この端子28に対して電力供給用のハーネス(図示しない)が接続される。
外側コア16と、筒部40(バルブボディ部42、連結部34、燃料コネクタ部46)と、可動鉄心38は、それぞれ磁性金属材料で形成されている。ただし、筒部40のうち、突出面35の近辺の表面Q(図1中の網掛け部分)には、全周に亘って浸炭処理が施されており、この表面Qは他の部位と比較して透磁率が低下している。したがって、ソレノイドコイル18が通電により励磁されると、外側コア16から、筒部40(バルブボディ部42)、可動鉄心38、可動鉄心38と突出面35間の微小空間、筒部40(連結部34)を経て外側コア16に戻る磁気回路Rが構成される。このとき、浸炭処理が施された表面Qにおいて、磁気回路Rの短絡が防止されている。これにより、圧縮スプリング36の力に抗して弁体9が突出面35側に吸引され燃料噴射孔4Bが開けられる。
また、前述したように、燃料コネクタ部46の基端側の端部には、燃料(ガソリン等)を供給するための燃料配管が接続される。燃料コネクタ部46の内側には、燃料中に混入した夾雑物等を取り除くためのストレーナ47が設けられており、燃料コネクタ部46の外周には、インジェクタ100と燃料配管との接続部を機密に保つオーリング48が設けられている。
以上説明した本実施例のインジェクタ100において、筒部40は、炭素含有量に対するチタン含有量の比の値が10以上でかつ15以下の電磁ステンレス材料により形成される。ここで、前記炭素含有量とは、電磁ステンレス材料中における炭素(C)の含有量(質量)のことである。前記チタン含有量とは、電磁ステンレス材料中におけるチタン(Ti)の含有量(質量)のことである。炭素含有量に対するチタン含有量の比の値とは、チタン含有量を炭素含有量で割った値、つまり、Ti/Cの値のことである。Ti/Cが上記の範囲に設定されると、浸炭処理を施した表面Qにおける透磁率をより確実に低下させることが可能になる。その理由を以下に説明する。
まず、一般の鉄鋼材料に対して浸炭処理を施すことによる非磁性化のメカニズムについて簡単に説明する。
常温時、鉄は体心立方格子となっており、格子間距離が狭く、格子間内に炭素原子を固溶させることができない。しかし、鉄に対して熱を加えることにより、面心立方格子に変態し、格子間距離が広くなり、スパッタリング操作等によって炭素原子を固溶侵入させることが可能になる。炭素原子を格子間に侵入させてから鉄を冷却すると、格子間距離は元に戻ろうとするために歪みが発生する。その歪みにより、磁壁の移動が阻害されて鉄が非磁性化するものと考えられている。
電磁ステンレス材料は、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)等の各種の遷移金属元素を含有し、残部が鉄(Fe)及び不可避的不純物からなる鉄鋼材料である。電磁ステンレス材料は、耐食性の高い磁性金属材料であり、筒部40が電磁ステンレス材料で形成されると、錆びに強く故障の少ないインジェクタ100を実現することができる。磁性ステンレス材料に添加される遷移金属元素の量や種類は、磁気特性、耐食性、冷鍛性、切削性等を確保するために適宜調整される。
Ti/Cの値が15を超える電磁ステンレス材料では、金属成分中におけるチタン(Ti)の比率が過剰となっている。したがって、浸炭処理を施す際の前工程などにおいて、余剰のチタンと加熱炉内の酸素が結合し、電磁ステンレス材料の表面に酸化チタン(TiO)の被膜が形成される。電磁ステンレス材料の表面に酸化チタンの被膜が形成されると、格子間への炭素の固溶侵入が阻害されるので、浸炭処理による非磁性化が十分に達成されなくなる。浸炭処理による非磁性化が不十分であると、磁気回路Rの短絡により可動鉄心38に流れる磁束の量が少なくなるので、弁体9を開弁側に作動させるための十分な電磁力が得られなくなる。
電磁ステンレス材料の浸炭処理を施した部分(浸炭部)では、他の部分に比べて透磁率が低くなる。これとは反対に、電磁ステンレス材料の浸炭処理を施さない部分(防炭部)では、透磁率がある程度高くなる(回復する)。しかしながら、Ti/Cの値が10よりも小さいと、金属成分中におけるチタン(Ti)の比率が不足となり、防炭部において透磁率が回復しなくなる。透磁率が回復しない場合には、磁気回路Rを流れる磁束の量が低下し、弁体9を開弁側に作動させるための十分な電磁力が得られなくなる。
また、電磁ステンレス材料に部分的に浸炭処理を施す場合には、マスキング用の治具によって浸炭処理を施さない部分を覆った状態にする。そして、その治具によって電磁ステンレス材料を加熱炉内に固定し、希ガス雰囲気中でグロー放電等を生じさせることにより、マスキングを施していない部分の表面に浸炭処理を施すことができる。このとき、電磁ステンレス材料のTi/Cの値が10よりも小さい場合には、治具の炭素成分と電磁ステンレス材料とが接触部分において反応し、治具と電磁ステンレス材料が互いに固着する場合がある。
これらの理由から、筒部40を形成するための磁性金属材料としては、Ti/Cの値が10以上でかつ15以下の電磁ステンレス材料を用いることが好ましい。Ti/Cの値が15以下であることにより、電磁ステンレス材料の成分組成に製造ロット毎のバラツキ等がある場合であっても、浸炭部の透磁率をより確実に低下させることができる。また、Ti/Cの値が10以上であることにより、治具と電磁ステンレス材料の固着等の不具合を防止することができる。
なお、筒部40を形成するための磁性金属材料としては、電磁ステンレス以外の他の材料を用いることも可能である。例えば、筒部40を形成するための磁性金属材料として、いわゆるステンレス鋼に分類されない他の鉄鋼材料を用いることも可能である。
以上、本発明の好適な実施例に係るインジェクタ100について説明したが、これは例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。例えば、上述した実施例においては、浸炭処理を、燃料通路を形成する筒部40の全周に施したが、必ずしも全周に施す必要は無く、筒部40の内周面あるいは外周面の一部にのみ浸炭処理を施すようにしても良い。要するに、浸炭処理を施した部分の透磁率が低下し、可動鉄心38に流れる磁束が充分であればどのような形態で実施されても良い。
また、上記実施例においては、筒部と固定鉄心が一体に形成されているタイプのインジェクタについて説明したが、筒部と固定鉄心が別体に形成されているタイプのインジェクタに対しても本発明を適用することができる。例えば、特開2001−329928号公報に開示されているインジェクタのように、筒部の内部に固定鉄心が別体に圧入されているインジェクタに対して本発明を適用することができる。この場合、筒部と固定鉄心を合わせたものが本発明にいう「筒部」に対応し、可動鉄心の基端側の端部と前記「筒部」とが当接しあう近辺の表面に浸炭処理が施される。
以下、本発明を具現化した実施例について説明する。
電磁ステンレス材料(11Cr電磁ステンレス鋼)を用いてインジェクタの筒部を形成した。電磁ステンレス材料は、Ti/Cの値を4.0,10.4,13.4の3段階に変化させたものを用いた。そして、筒部に対して浸炭処理を施した後に、表層部における透磁率を測定した。筒部を形成するために用いた電磁ステンレス材料の成分組成を[表1]に示す。また、筒部に対して浸炭処理を施した際の条件を[表2]に示す。
Figure 2005201139
Figure 2005201139
図2には、Ti/Cの値を3段階に変化させた場合における、電磁ステンレス材料の表層の透磁率の測定結果をグラフで示す。
図2に示すように、Ti/C=4.0の場合には、防炭部における透磁率がほとんど回復しないことが判明した。これに対し、Ti/C=10.4,13.4の場合には、浸炭部における透磁率が浸炭前に比べて十分に低下し、防炭部における透磁率が浸炭前に比べて十分に回復していることが判明した。
図3には、Ti/Cの値を3段階に変化させた場合における、電磁ステンレス材料とマスキング用の治具との固着の発生率をグラフで示す。
図3に示すように、Ti/C=4.0の場合には、電磁ステンレス材料と治具との固着率が約90%であり、固着の発生率が極めて高いことが判明した。これに対し、Ti/C=10.4,13.4の場合には、電磁ステンレス材料とマスキング用の治具との固着率が約40%〜50%程度であり、固着の発生率を低く抑えることができることが判明した。
インジェクタの断面図である。 Ti/Cの値を3段階に変化させた場合における、電磁ステンレス材料の表層の透磁率の測定結果をグラフで示す。 Ti/Cの値を3段階に変化させた場合における、電磁ステンレス材料とマスキング用の治具との固着の発生率をグラフで示す。
符号の説明
4 弁座体
6 プレートオリフィス
9 弁体(弁)
16 外側コア
18 ソレノイドコイル
35 突出面
36 圧縮スプリング(付勢手段)
38 可動鉄心
38A 端部
40 筒部
100 インジェクタ
Q 表面
R 磁気回路

Claims (3)

  1. 先端に燃料噴射孔を持つ燃料通路を形成する筒部と、該筒部内において軸方向に移動可能に収容される可動鉄心と、該可動鉄心と連結されて前記燃料噴射孔を開閉する弁と、該弁を開弁させるために前記筒部の外周に配置されたソレノイドコイルと、前記弁を閉弁側に付勢する付勢手段を備えるインジェクタであって、
    前記可動鉄心の基端側の端部と前記筒部とが当接しあう近辺の表面には磁気回路の短絡を防ぐための浸炭処理が施されており、
    前記筒部は、炭素含有量に対するチタン含有量の比の値が15以下の磁性金属材料により形成されているインジェクタ。
  2. 請求項1に記載のインジェクタであって、
    前記筒部は、炭素含有量に対するチタン含有量の比の値が10以上の磁性金属材料により形成されているインジェクタ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のインジェクタであって、
    前記筒部は、電磁ステンレス材料により形成されているインジェクタ。
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WO2007023125A1 (de) * 2005-08-22 2007-03-01 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur herstellung eines festen gehäuses
CN102102608A (zh) * 2010-09-08 2011-06-22 柳州源创电喷技术有限公司 摩托车高速响应电磁阀式喷油器

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