JP2005200310A - 分子内クラウンエーテル環を有するフタロシアニン誘導体、及びその中間体 - Google Patents

分子内クラウンエーテル環を有するフタロシアニン誘導体、及びその中間体 Download PDF

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JP2005200310A JP2004005099A JP2004005099A JP2005200310A JP 2005200310 A JP2005200310 A JP 2005200310A JP 2004005099 A JP2004005099 A JP 2004005099A JP 2004005099 A JP2004005099 A JP 2004005099A JP 2005200310 A JP2005200310 A JP 2005200310A
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Ikuzo Nishiguchi
郁三 西口
Hiroshi Maekawa
博史 前川
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Abstract

【課題】 クラウンエーテル環内に不斉ビナフチル基を含み、フタロシアニン分子内の異なるベンゼン環にクラウンエーテル基が架橋した新規なフタロシアニン誘導体、及びその中間体となる新規なビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル誘導体を提供する。
【解決手段】 次の一般式(1)で表される、分子内クラウンエーテル環を有するフタロシアニン誘導体:
【化1】
Figure 2005200310

(式中、Xはそれぞれ独立して水素原子又はハロゲン原子;Yはそれぞれ独立して水素原子又はハロゲン原子;Rは炭素数1〜10のアルキル基;Mは2価の金属を表し;nは0、2又は3である)。
【選択図】 なし

Description

本発明は、分子内クラウンエーテル環内に不斉ビナフチル基を含む新規なフタロシアニン誘導体、及びその中間体となる新規なビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル誘導体に関する。
フタロシアニン類は、安価な原料から高収率で合成できること、可視部に大きな吸収を持ち、耐熱性、耐光性等が優れていることから、顔料、脱臭剤等として広く使用されている。また、近年有機溶媒に可溶なフタロシアニン類が開発されCD−R、EL材料や近赤外感光材料等の情報処理材料として幅広い用途に使用されている。
本発明者等は、先にフタロシアニン分子内の異なるベンゼン環にクラウンエーテル基を架橋させた新規な化合物を合成した。(特許文献1参照)
また、本発明者等は不斉ビナフチル基を含むクラウンエーテル環内のエチレンオキシド基が4個のフタロシアニン化合物を合成した。(非特許文献1参照)
特開2002−338577号公報 日本化学会第83春季年会(2003)、講演予稿集II、3G1−09
これらのフタロシアニン分子内の異なるベンゼン環にクラウンエーテル基を架橋させた化合物は、平面構造を持つ元のフタロシアニン環の窒素原子や2個の酸素を含めて9個の原子が同一平面内に存在するため、比較的大きさが安定した分子空間を形成していると考えられ、クラウンエーテル環内で金属カチオンや有機物カチオンを包接して捕捉できるものと期待されている。
そして、クラウンエーテル環内のエチレンオキシドの個数が異なれば、空孔の大きさが異なり、化合物の性質や機能が全く異なるものとなるために、クラウンエーテル環の大きさの異なる新規なフタロシアニン類が求められていた。
したがって、本発明はクラウンエーテル環内に不斉ビナフチル基を含み、フタロシアニン分子内の異なるベンゼン環にクラウンエーテル基が架橋した新規なフタロシアニン誘導体、及びその中間体となる新規なビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル誘導体を提供することを目的とする。
本発明によれば、下記1〜4の構成を有する新規なフタロシアニン誘導体、及びその中間体となる下記5〜7の構成を有する新規なビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル誘導体が提供される。
1.次の一般式(1)で表される、分子内クラウンエーテル環を有するフタロシアニン誘導体:
Figure 2005200310
(式中、Xはそれぞれ独立して水素原子又はハロゲン原子;Yはそれぞれ独立して水素原子又はハロゲン原子;Rは炭素数1〜10のアルキル基;Mは2価の金属を表し;nは0、2又は3である)
2.上記一般式(1)において、Mが銅又はコバルトであることを特徴とする1に記載のフタロシアニン誘導体。
3.上記一般式(1)において、X及びYがともに塩素であることを特徴とする1又は2に記載のフタロシアニン誘導体。
4.上記一般式(1)において、Rがn−ヘキシル基であることを特徴とする1〜3のいずれかに記載のフタロシアニン誘導体。
5.次の一般式(2)で表される、ビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル誘導体:
Figure 2005200310
(式中、Xはそれぞれ独立して水素原子又はハロゲン原子;Yはそれぞれ独立して水素原子又はハロゲン原子;Rは炭素数1〜10のアルキル基;nは0、2又は3である)
6.上記一般式(2)において、X及びYがともに塩素であることを特徴とする5に記載のビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル誘導体。
7.上記一般式(2)において、Rがn−ヘキシル基であることを特徴とする5又は6に記載のビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル誘導体。
上記一般式(1)で表される本発明のフタロシアニン誘導体、及びその中間体である上記一般式(2)で表されるビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル誘導体は、例えば次のような手順で製造することができる。
(工程1)
出発物質となるビナフトール(A)をアセトニトリルに溶解し、炭酸カリウムの存在下にモノトシル化されたエチレングリコール類(B)と反応させてビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチル体(C)を得る。
Figure 2005200310
(工程2)
ジクロルメタン中で、ビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチル体(C)をピリジンの存在下に塩化p−トルエンスルホニルと反応させて、ビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルジトシレート体(D)を得る。
Figure 2005200310
(工程3)
アセトニトリル中で、ビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルジトシレート体(D)と2,3−ジハロゲノ−5,6−ジシアノ−4−アルコキシヒドロキノン(E)を反応させて、ビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル体(2)を得る。
Figure 2005200310
(工程4)
n−ペンタノール中に、ビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル体(2)、金属塩化物MCl、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン)を加えて、攪拌しながら還流下で反応を行ない、目的とする一般式(1)で表されるフタロシアニン誘導体を得る。
Figure 2005200310
つぎに、実施例により本発明をさらに説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
(合成例1−1:工程1でn=0)
ビナフトール(8.58g、30mmol)を溶かしたアセトニトリル(100ml)溶液に炭酸カリウム(9.1g、66mmol)を加え、1時間攪拌した。この攪拌した溶液を窒素気流下、エチレングリコールモノトシレート(25.92g、120mmol)とアセトニトリル(50ml)を溶かした溶液に適下し、70−80℃で48時間加熱攪拌を行った。反応終了後、溶媒をロータリーエバポレーターにより留去し、酢酸エチルと水によって反応生成物を抽出し、最後に飽和食塩水にて洗浄し、有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥を行った。その後、酢酸エチル:ヘキサン=2:1を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製を行い、濃縮した後、薄黄色粉末を8.02g、収率71%で得た。
得られたビス(エチレングリコール)置換不斉ビナフチル体(C−1)の物性データを以下に示す。
H−NMR(400MH,CDCl
δ:7.95(d,J=8.2Hz,2H),7.86(d,J=8.2Hz,2H),7.41(d,J=8.2Hz,2H)7.33(dt,J=8.2Hz,J=1.2Hz,2H),7.22(dt,J=8.2Hz,J=1.2Hz,2H),7.12(d,J=8.2Hz,2H),4.18(ddd,J=10.2Hz,J=6.6Hz,J=2.7Hz,2H),3.99(ddd,J=10.8Hz,J=5.7Hz,J=2.7Hz,2H),3.60−3.46(m,4H),2.36(t,J=6.8Hz,4H)
13C−NMR(CDCl
δ:153.41,133.71,129.71,129.53,128.04,126.64,125.10,124.05,120.23,115.82,71.65,61.17:
IR(neat,cm−1):3405,3056,2937,2874,1620,1592,1507,1473,1453,1430,1355,1328,1262,1241,1147,1133,1085,1047,1020,980,901,865,808,774,749;
APCI−MS m/z 375(M
(合成例1−2:工程1でn=2)
合成例1−1において、エチレングリコールモノトシレートに代えてトリエチレングリコールモノトシレート(34.68g、120mmol)を使用した以外は、合成例1−1と同様に反応、処理を行ない、粘性の高い薄黄色透明の液体を10.23g、収率62%で得た。
得られたビス(トリエチレングリコール)置換不斉ビナフチル体(C−2)の物性データを以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ:7.91(d,J=8.2Hz,2H),7.84(d,J=8.2Hz,2H),7.40(d,J=8.2Hz,2H)7.30(t,J=8.2Hz,2H)7.20(t,J=8.2Hz,2H),7.14(d,J=8.2Hz,2H,)4.15−4.04(m,4H),3.61(brs,4H),3.52−3.40(m,8H),3.24−3.04(m,8H)2.92(s,2H)
13C−NMR(CDCl
δ:154.02,133.90,129.21,129.13,127.67,126.15,125.30,123.55,120.28,115.37,72.27,70.47,70.12,69.79,69.53,61.53,:
IR(neat,cm−1):3442,3056,2871,1619,1592,1506,1454,1326,1242,1063,982,936,867,808,749,;
APCI−MS m/z 551(M
(合成例1−3:工程1でn=3)
合成例1−1において、エチレングリコールモノトシレートに代えてテトラエチレングリコールモノトシレート(41.76g、120mmol)を使用した以外は、合成例1−1と同様に反応、処理を行ない、粘性の高い薄黄色透明の液体を14.37g、収率75%で得た。
得られたビス(テトラエチレングリコール)置換不斉ビナフチル体(C−3)の物性データを以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ:7.91(d,J=8.0Hz,2H),7.83(d,J=8.0Hz,2H),7.41(d,J=8.0Hz,2H)7.30(t,J=8.0Hz,J=1.2Hz,2H),7.19(t,J=8.0Hz,J=1.2Hz,2H),7.14(d,J=8.0Hz,2H),4.14−4.05(m,4H),3.67(brs,4H),3.57−3.53(m,8H),3.48−3.45(m,8H),3.23−3.06(m,8H),2.87(s,2H)
13C−NMR(CDCl
δ:154.10,133.90,129.22,129.10,127.66,126.12,125.34,123.53,120.33,115.51,72.41,70.37,70.26,70.14,69.83,69.50,61.57:
IR(neat,cm−1):3440,3057,2871,1620,1592,1507,1451,1328,1266,1128,937,869,809,751,;
APCI−MS m/z 639(M
(合成例2−1:工程2でn=0)
窒素気流下、氷浴下でジクロロメタン(100ml)に合成例1−1で得たビス(エチレングリコール)置換不斉ビナフチル体(C−1)(7.48g、20mmol)、ピリジン(3.79g、48mmol)を加えて−5〜0℃で攪拌し、ジクロロメタン(50ml)に溶解した塩化p−トルエンスルホニル(8.38g、44mmol)を反応温度が0℃を超えないようにゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温にて一晩攪拌した。ジクロロメタンと1Nの塩酸水溶液で抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥を行った。これを濾過し、溶媒をロータリーエバポレーターにより留去し得られた固体をジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶による精製を行い、クリーム色の結晶8.05g、収率59%で得た。
得られたビス(エチレングリコール)置換不斉ビナフチルジトシレート体(D−1)の物性データを以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ:7.94(d,J=8.1Hz,2H),7.89(d,J=8.1Hz,2H),7.38−7.32(m,8H)7.22(dt,J=8.1Hz,J=1.4Hz,2H),7.07(d,J=8.1Hz,2H),6.98(d,J=8.1Hz,4H),4.27(ddd,J=10.9Hz,J=7.5Hz,J=3.3Hz,2H),4.15(ddd,J=10.9Hz,J=4.7Hz,J=3.3Hz,2H),4.06(ddd,J=10.9Hz,J=4.7Hz,J=3.3Hz,2H),3.91(ddd,J=10.9Hz,J=7.5Hz,J=3.3Hz,2H),2.33(s,6H),
13C−NMR(CDCl
δ:155.48,153.56,144.43,133.89,132.19,129.58,129.52,127.92,127.69,126.46,125.43,123.89,120.24,115.71,68.34,67.08,21.61:
IR(neat,cm−1):3059,2951,2877,1620,1594,1508,1452,1400,1357,1267,1171,1150,1096,1023,986,927,870,812,778,753,691,663,577,554,;
APCI−MS m/z 682(M
(合成例2−2:工程2でn=2)
窒素気流下、氷浴下でジクロロメタン(100ml)に合成例1−2で得たビス(トリエチレングリコール)置換不斉ビナフチル体(C−2)(11.00g、20mmol)、ピリジン(3.79g、48mmol)を加えて−5〜0℃で攪拌し、ジクロロメタン(50ml)に溶解した塩化p−トルエンスルホニル(8.38g、44mmol)を反応温度が0℃を超えないようにゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温にて一晩攪拌した。ジクロロメタンと1Nの塩酸水溶液で抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥を行った。これを濾過し、溶媒をロータリーエバポレーターにより留去した。その後、酢酸エチル:ヘキサン=1:4を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製を行い、粘性の高い薄黄色透明な液体を10.46g、収率61%で得た。
得られたビス(トリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルジトシレート体(D−2)の物性データを以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ:7.91(d,J=8.2Hz,2H),7.83(d,J=8.2Hz,2H),7.76−7.73(m,4H),7.40(d,J=8.2Hz,2H),7.31−7.27(m,6H),7.17(dt,J=8.2Hz,J=1.4Hz,2H),7.11(d,J=8.2Hz,2H),4.08−4.01(m,8H),3.46−3.40(m,8H),3.12−2.5(m,8H),2.39(s,6H),
13C−NMR(CDCl
δ:154.58,154.10,144.60,133.91,132.83,129.66,129.14,127.79,127.69,126.13,125.32,123.56,120.32,115.47,70.41,70.30,69.82,69.53,69.16,68.32,67.08,21.60:
IR(neat,cm−1):3058,2873,1620,1594,1507,1454,1356,1267,1245,1176,1130,1095,1016,921,869,812,775,753,663,;
APCI−MS m/z 859(M
(合成例2−3:工程2でn=3)
合成例2−2において、ビス(トリエチレングリコール)置換不斉ビナフチル体に代えて合成例1−3で得たビス(テトラエチレングリコール)置換不斉ビナフチル体(C−3)(12.76g、20mmol)を使用した以外は、合成例2−2と同様に反応、処理を行ない、粘性の高い薄黄色透明な液体を10.61g、収率56%で得た。
得られたビス(テトラエチレングリコール)置換不斉ビナフチルジトシレート体(D−3)の物性データを以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ:7.91(d,J=8.2Hz,2H),7.83(d,J=8.2Hz,2H),7.77(d,J=8.2Hz,4H),7.41(d,J=8.2Hz,2H),7.30(d,J=8.2Hz,6H),7.18(t,J=8.2Hz,2H),7.12(d,J=8.2Hz,2H),4.12−4.07(m,8H),3.61(t,J=4.8Hz,4H),3.48−3.37(m,12H),3.21−3.04(m,8H),2.41(s,6H),
13C−NMR(CDCl
δ:154.12,144.64,133.90,132.79,129.69,129.23,129.12,127.82,127.68,126.12,125.34,123.54,120.33,115.52,70.54,70.38,70.32,70.18,69.80,69.50,69.18,68.54,21.64:
IR(neat,cm−1):3057,2872,1620,1593,1507,1454,1355,1267,1246,1176,1097,1017,986,922,869,813,776,754,663,;
APCI−MS m/z 947(M
(実施例1:工程3でn=0)
窒素気流下、アセトニトリル(120ml)に2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−4−n−アミール・ヒドロキノン(1.97g、6.6mmol)、合成例2−1で得たビス(エチレングリコール)置換不斉ビナフチルジトシレート体(D−1)(2.05g、3mmol)、炭酸カリウム(2.07g、15mmol)を加えて、攪拌しながら環流下で90時間反応を行った。反応終了後、溶媒をロータリーエバポレーターにより留去し、酢酸エチルと水により反応生成物を抽出し、最後に飽和食塩水にて洗浄を行った。有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、これを濾過し、濾液をロータリーエバポレーターにより濃縮し、得られた固体を、その後、酢酸エチル:ヘキサン=1:5を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製を行い、粘性の高い黄色透明な液体を1.57g、収率56%で得た。
得られたビス(エチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル体(2−1)の物性データを以下に示す。
N−NMR(400MHz,CDCl
δ:7.87(d,J=8.3Hz,2H),7.77(d,J=8.3Hz,2H),7.36(d,J=8.3Hz,2H),7.30(dt,J=8.3Hz,J=1.2Hz,2H),7.17(dt,J=8.3Hz,J=1.2Hz,2H),7.04(d,J=8.3Hz,2H),4.41(ddd,J=11.0Hz,J=6.7Hz,J=2.7Hz,2H),4.26(ddd,J=10.8Hz,J=5.3Hz,J=2.7Hz,2H),4.22−4.18(m,2H),4.15(t,J=6.8Hz,4H),4.03(ddd,J=11.0Hz,J=6.7Hz,J=2.7Hz,4H),1.90(quint,J=6.8Hz,4H),1.58−1.39(m,8H),0.97(t,J=7.2Hz,6H)
13C−NMR(CDCl
δ:154.78,154.56,153.70,134.81,134.38,133.34,129.51,129.23,127.86,126.34,125.06,123.98,120.10,115.61,112.21,111.94,108.38,107.93,76.45,74.59,69.40,29.69,27.78,22.41,14.03;
IR(neat,cm−1):3057,2956,2870,2236,1621,1592,1545,1507,1450,1427,1383,1359,1327,1265,1240,1148,1090,1040,988,952,925,869,809,778,751,732;
APCI−MS m/z 938(M
(実施例2:工程3でn=2)
実施例1において、ビス(エチレングリコール)置換不斉ビナフチルジトシレート体(D−1)に代えて、合成例2−2で得たビス(トリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルジトシレート体(D−2)(2.57g、3mmol)を使用した以外は、実施例1と同様に反応、処理を行ない、粘性の高い黄色透明な液体を1.84g、収率55%で得た。
得られたビス(トリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル体(2−2)の物性データを以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ:7.92(d,J=8.2Hz,2H),7.84(d,J=8.2Hz,2H),7.41(d,J=8.2Hz,2H),7.30(t,J=8.2Hz,2H),7.19(t,J=8.2Hz,2H),7.13(d,J=8.2Hz,2H),4.27(t,J=4.2Hz,4H),4.18(t,J=6.7Hz,4H),4.09(brs,4H),3.64(t,J=4.2Hz,4H),3.49−3.40(m,4H),3.19(brs,4H),3.10−2.98(m,4H),1.88(quint,J=6.7Hz,4H),1.53−1.35(m,8H),0.94(t,J=7.0Hz,6H);
13C−NMR(CDCl
δ:155.29,155.16,154.13,135.00,134.85,133.94,129.25,129.18,127.73,126.17,125.8,123.58,120.32,115.45,112.20,109.26,108.57,76.62,75.05,70.51,70.33,70.05,69.91,69.53,29.67,27.72,22.37,14.00;
IR(neat,cm−1):3057,2955,2870,2236,1620,1592,1543,1508,1450,1423,1353,1242,1129,1089,1025,948,869,809,783,750,;
APCI−MS m/z 1114(M
(実施例3:工程3でn=3)
実施例1において、ビス(エチレングリコール)置換不斉ビナフチルジトシレート体(D−1)に代えて、合成例2−3で得たビス(テトラエチレングリコール)置換不斉ビナフチルジトシレート体(D−3)(2.84g、3mmol)を使用した以外は、実施例1と同様に反応、処理を行ない、粘性の高い黄色透明な液体を2.20g、収率61%で得た。
得られたビス(テトラエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル体(2−3)の物性データを以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl
δ:7.92(d,J=8.1Hz,2H),7.84(d,J=8.1Hz,2H),7.41(d,J=8.1Hz,2H),7.30(t,J=8.1Hz,2H),7.19(t,J=8.1Hz,2H),7.13(d,J=8.1Hz,2H),4.36(t,J=4.4Hz,4H),4.19(t,J=6.7Hz,4H),4.09(t,J=4.4Hz,4H),3.58(t,J=4.4Hz,4H),3.47−3.41(m,8H),3.18−3.05(m,8H),1.88(quint,J=6.7Hz,4H),1.53−1.35(m,8H),0.94(t,J=7.2Hz,6H);13C−NMR(CDCl
δ:155.18,155.11,154.11,135.03,134.88,133.90,129.23,129.11,127.68,126.12,125.34,123.54,120.34,115.54,112.15,112.11,109.21,108.55,76.60,75.11,70.60,70.37,70.29,70.17,69.81,69.50,29.62,27.68,22.33,13.97;
IR(neat,cm−1):3063,2952,2870,2236,1621,1592,1547,1507,1453,1425,1354,1243,1091,1027,949,869,810,751,;
APCI−MS m/z 1202(M
(実施例4:工程4でn=0、M=Cu)
窒素気流下、n−ペンタノール(50ml)に実施例1で得たビス(エチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル体(2−1)(1.87g、2mmol)、95%含有の塩化第一銅(I)(0.145g、1.4mmol)、DBU(0.61g、4mmol)を加えて、攪拌しながら環流下で30時間反応を行った。反応終了後、室温に戻し、メタノールを加え結晶を析出させた。その後、吸引濾過にて結晶を濾取し、エタノール:クロロホルム=1:50を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて単離精製を行い、濃緑色の結晶を0.54g、収率28%で得た。
得られた分子内クラウンエーテル環を有するフタロシアニン誘導体(1−1)の物性データを以下に示す。
UV−VIS(CHCl)λmaxnm(logε):738(4.00)
FAB−MS m/z 1936(M
Figure 2005200310
(実施例5:工程4でn=2、M=Cu)
実施例4において、ビス(エチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル体(2−1)に代えて、実施例2で得たビス(トリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトル体(2−2)(2.23g、2mmol)を使用した以外は、実施例4と同様に反応、処理を行ない、濃緑色の結晶を1.10g、収率48%で得た。
UV−VIS(CHCl)λmaxnm(logε):740(4.03)
(実施例6:工程4でn=3、M=Cu)
実施例4において、ビス(エチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル体(2−1)に代えて、実施例3で得たビス(テトラエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトル体(2−3)(2.40g、2mmol)を使用した以外は、実施例4と同様に反応、処理を行ない、濃緑色の結晶を0.69g、収率28%で得た。
UV−VIS(CHCl)λmaxnm(logε):738(4.02)
(実施例7:工程4でn=0、M=Co)
窒素気流下、n−ペンタノール(50ml)に実施例1で得たビス(エチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル体(2−1)(1.87g、2mmol)、無水塩化第二コバルト(II)(0.182g、1.4mmol)、DBU(0.61g、4mmol)を加えて、攪拌しながら環流下で30時間反応を行った。反応終了後、室温に戻し、メタノールを加え結晶を析出させた。その後、吸引濾過にて結晶を濾取し、エタノール:クロロホルム=1:50を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて単離精製を行い、濃緑色の結晶を0.52g、収率27%で得た。
UV−VIS(CHCl)λmaxnm(logε):720(4.03)
(実施例8:工程4でn=2、M=Co)
実施例7において、ビス(エチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル体(2−1)に代えて、実施例2で得たビス(トリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトル体(2−2)(2.23g、2mmol)を使用した以外は、実施例7と同様に反応、処理を行ない、濃緑色の結晶を0.89g、収率39%で得た。
UV−VIS(CHCl)λmaxnm(logε):718(4.02)
(実施例9:工程4でn=3、M=Co)
実施例7において、ビス(エチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル体(1−1)に代えて、実施例3で得たビス(テトラエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトル体(3−3)(2.40g、2mmol)を使用した以外は、実施例7と同様に反応、処理を行ない、濃緑色の結晶を0.69g、収率28%で得た。
UV−VIS(CHCl)λmaxnm(logε):720(4.00)
本発明で得られる新規な分子内クラウンエーテル環を有するフタロシアニン誘導体に、中心金属の他にクラウンエーテル環に第2の金属を捕捉させることにより創製されるポリメタル型フタロシアニン化合物は、新規情報処理材料として光学的、電気的及び磁気的に興味深い挙動を示すことが期待される。さらに、不斉ビナフチル基の存在によるアミノ酸類等のヘテロ原子化合物の第4級アンモニウム塩の不斉分割剤や、遷移金属触媒の特異的な新規不斉配位子としての用途が期待され、その工業的意義は極めて大きいものである。






















Claims (7)

  1. 次の一般式(1)で表される、分子内クラウンエーテル環を有するフタロシアニン誘導体:
    Figure 2005200310
    (式中、Xはそれぞれ独立して水素原子又はハロゲン原子;Yはそれぞれ独立して水素原子又はハロゲン原子;Rは炭素数1〜10のアルキル基;Mは2価の金属を表し;nは0、2又は3である)
  2. 上記一般式(1)において、Mが銅又はコバルトであることを特徴とする請求項1に記載のフタロシアニン誘導体。
  3. 上記一般式(1)において、X及びYがともに塩素であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフタロシアニン誘導体。
  4. 上記一般式(1)において、Rがn−ヘキシル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフタロシアニン誘導体。
  5. 次の一般式(2)で表される、ビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル誘導体:
    Figure 2005200310
    (式中、Xはそれぞれ独立して水素原子又はハロゲン原子;Yはそれぞれ独立して水素原子又はハロゲン原子;Rは炭素数1〜10のアルキル基;nは0、2又は3である)
  6. 上記一般式(2)において、X及びYがともに塩素であることを特徴とする請求項5に記載のビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル誘導体。
  7. 上記一般式(2)において、Rがn−ヘキシル基であることを特徴とする請求項5又は6に記載のビス(ポリエチレングリコール)置換不斉ビナフチルビスフタロニトリル誘導体。


















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KR101535967B1 (ko) * 2007-09-14 2015-07-13 에실러에떼르나쇼날(꽁빠니제네랄돕띠끄) 렌즈를 에징하기 위해 오염-방지 코팅을 포함하는 렌즈의 표면을 처리하는 방법

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