JP2005199991A - 自動変速機のシフト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動部材に関する可動スペースが小さく、特にインスツルメントパネルに取り付けるに当たりインスツルメントパネルの形状に関する設計の自由度が大きくなる自動変速機のシフト装置を提供する。
【解決手段】自動変速機に設定された複数のレンジの内のいずれかを選択するシフトノブ2と、前記自動変速機側に連結されたケーブル8とを備え、シフトノブ2のシフト操作に伴いケーブル8がプッシュプルされることにより変速が行われるシフト装置1であって、車体に固定される太陽ギア3と、太陽ギア3に噛合する遊星ギア4と、遊星ギア4に噛合する内歯ギア5とを有し、太陽ギア3及び内歯ギア5が円周方向に関して局部的に形成されてなる遊星ギア機構6を備え、ケーブル8に連結するキャリア7に遊星ギア4を回転自在に取り付けると共に、シフトノブ2を内歯ギア5に取り付ける構成とした。
【選択図】 図2
【解決手段】自動変速機に設定された複数のレンジの内のいずれかを選択するシフトノブ2と、前記自動変速機側に連結されたケーブル8とを備え、シフトノブ2のシフト操作に伴いケーブル8がプッシュプルされることにより変速が行われるシフト装置1であって、車体に固定される太陽ギア3と、太陽ギア3に噛合する遊星ギア4と、遊星ギア4に噛合する内歯ギア5とを有し、太陽ギア3及び内歯ギア5が円周方向に関して局部的に形成されてなる遊星ギア機構6を備え、ケーブル8に連結するキャリア7に遊星ギア4を回転自在に取り付けると共に、シフトノブ2を内歯ギア5に取り付ける構成とした。
【選択図】 図2
Description
本発明は、自動変速機のシフト装置に関するものである。
自動変速機が搭載された車両では、車室内に延出されたシフトレバーを運転者がシフト操作することにより自動変速機の変速レンジの選択を行うシフトレバー装置が一般に使用されている。この種のシフトレバー装置は、シフトレバーのシフト操作に伴ってケーブル等の索状部材を押し引き(プッシュプル)させることで、自動変速機の変速レンジを切り換えるという構造が一般的である。具体的には、シフトレバーの下端側にケーブルを直接取り付けたり、或いはシフトレバーに対してリンク機構や連結部材を介して索状部材を取り付ける構造等が挙げられ、これらの構造については特許文献1や特許文献2、特許文献3に記載されている。
特開平6−323412号公報(段落0014、0015、図7)
特開平8−326880号公報(段落0016、図6)
実開昭58−25731号公報(第6頁、第2図、第3図)
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載されている構造はいずれもシフトレバーを所定の回転軸回りに回動させる構造であるため、シフトレバーの回動スペースを確保する必要があり、装置が大型化しやすいという問題がある。また、特許文献3には、シフトレバーを直線的にスライドさせる構造が記載されているものの、シフトレバーと索状部材との間にはコネクティングレバーが配設されており、このコネクティングレバーの軸回りの回動スペースを必要とする分、やはり装置が大型化しやすいという問題がある。
本発明は、このような問題を解消するために創作されたものであり、可動部材に関する可動スペースが小さく、特にインスツルメントパネルに取り付けるに当たりインスツルメントパネルの形状に関する設計の自由度が大きくなる自動変速機のシフト装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決するため、本発明は、自動変速機に設定された複数のレンジの内のいずれかを選択するシフト操作部材と、前記自動変速機側に連結された索状部材とを備え、前記シフト操作部材のシフト操作に伴い前記索状部材がプッシュプルされることにより変速が行われるシフト装置であって、車体に固定され、前記シフト操作部材の移動方向に沿って歯が形成される固定ギアと、該固定ギアと所定の間隔をおいて配設され、該固定ギアの歯と対向するように歯が形成されるスライドギアと、前記固定ギアと前記スライドギアとの間に介在してそれぞれの歯に噛合し、前記スライドギアの移動に伴って回転しながら移動する伝動ギアと、を有したギア機構を備え、前記索状部材に連結するキャリアに前記伝動ギアを回転自在に取り付けると共に、前記シフト操作部材を前記スライドギアに取り付ける構成とした。
当該構成によれば、スライドギアやキャリアがシフト操作部材の移動方向に沿ってスライド移動する構造となるため、従来のシフトレバーの回動スペースやリンク部材の回動スペースを要する構造に比して可動スペースが小さくて済み、シフト装置の小型化が可能となる。また、例えばインスツルメントパネルの開口部にスライドギアを貫通させる構造とした場合、このスライドギアはスライド移動することから、前記開口部の開口面積が小さくて済む。さらに、ギア機構をシフト操作部材に対してほぼ横の位置に配設することが可能となり、インスツルメントパネルの形状設計の自由度が広がる。
また、本発明は、前記ギア機構を、前記固定ギアが太陽ギアからなり、前記伝動ギアが遊星ギアからなり、前記スライドギアが内歯ギアからなる、円周方向に関して局部的に形成された遊星ギア機構として構成した。
当該構成によれば、内歯ギアやキャリアが遊星ギア機構の軸を中心に円周方向に沿って移動するため、従来のシフトレバーの回動スペースやリンク部材の回動スペースを要する構造に比して可動スペースが小さくて済み、シフト装置の小型化が可能となる。また、例えばインスツルメントパネルの開口部に内歯ギアを貫通させる構造とした場合、この内歯ギアは円周方向に沿ってスライド移動することから、前記開口部の開口面積が小さくて済む。また、内歯ギアに取り付けられるシフト操作部材が円弧状の移動軌跡を描くことになるので、シフト操作する際の運転者の腕の動きがスムースになり、シフト操作性が向上する。
本発明によれば、従来のシフトレバーの回動スペースやリンク部材の回動スペースを要する構造に比して可動スペースが小さくて済み、シフト装置の小型化が可能となる。また、インスツルメントパネルの開口部にスライドギアを貫通させる構造とした場合、このスライドギアはスライド移動することから、開口部の開口面積が小さくて済む。
本発明に係る自動変速機のシフト装置(以降、単にシフト装置という)について図面を参照しながら説明する。図1は車室側から見たシフト装置1の外観斜視図、図2はシフト装置の側面説明図、図3はシフト装置の側面作用説明図である。
シフト装置1は、例えば運転席と助手席との間におけるインスツルメントパネルIPに配設されており、図ではインスツルメントパネルIPの一部を車両後方側に突出させ、この突出部位にシフト装置1を取り付けた場合を示している。インスツルメントパネルIPには直接的に或いは図示しないエスカッションカバーを介して開口部Paが形成されており、この開口部Paから後に詳述する内歯ギア5が車室側に突出し、その先端に、運転者が把持するシフト操作部材としてのシフトノブ2が固設されている。
シフト装置1は、車体に固定され、前記シフトノブ2の移動方向に沿って歯が形成される固定ギアと、該固定ギアと所定の間隔をおいて配設され、該固定ギアの歯と対向するように歯が形成されるスライドギアと、前記固定ギアと前記スライドギアとの間に介在してそれぞれの歯に噛合し、前記スライドギアの移動に伴って回転しながら移動する伝動ギアと、を有したギア機構を備えている。本実施形態では、図2に示すように、当該ギア機構を、前記固定ギアが太陽ギア3からなり、前記伝動ギアが遊星ギア4からなり、前記スライドギアが内歯ギア5からなる、円周方向に関して局部的に形成された遊星ギア機構6として構成している。
具体的に説明すると、先ず太陽ギア3は、車幅方向(図2における紙面奥−手前方向)を軸方向とし、インスツルメントパネルIPの下方に位置する仮想軸Xを中心として形成されている。そして、太陽ギア3は本来であれば円周方向360度にわたって形成されるところ、本発明ではインスツルメントパネルIP内に収装可能となるように、円周方向に関して断片的に、つまり局部的に形成されており、上面側をシフトノブ2の移動方向に沿った歯の形成部として、図示しないブラケット等を介して車体に固定されている。太陽ギア3の曲率半径や円周方向に関する太陽ギア3の長さ寸法、仮想軸Xの位置等は適宜に決定されるものである。例えば、曲率半径を無限大(=直線)としたり、仮想軸Xを遊星ギア機構6に対して上方に位置させても良い。
太陽ギア3の上部には、円弧形状のキャリア7に対して回転自在に軸支された複数の遊星ギア4が噛合している。キャリア7は太陽ギア3の円弧形状に沿うように、つまり前記仮想軸Xを中心として形成され、前下がりとなる前端部には図示しない自動変速機側に連結する索状部材としてのケーブル8が取り付けられている。そして、遊星ギア4の上部には内歯ギア5が噛合する。内歯ギア5も本来であれば円周方向360度にわたって形成されるところ、本発明ではインスツルメントパネルIP内に収装可能となるように、円周方向に関して断片的に、つまり局部的に形成されており、その下面側を歯の形成部として遊星ギア4に噛合するものである。内歯ギア5の後端側は前記したように、インスツルメントパネルIPの開口部Paから車室側に突出し、その端部にはシフトノブ2が固設される。また、内歯ギア5の外周面には、内歯ギア5の移動軌跡をガイドするためのガイドローラ9が配設される。なお、キャリア7および内歯ギア5は図示しないガイド部材によって車幅方向に移動不能に構成されている。
図3を参照してシフト装置1の作用について説明する。図では運転者から見てシフトノブ2を車両前方側に最も押した状態がパーキングレンジ(Pレンジ)とした場合を示しており、以下後方側に向け順に後進レンジ(Rレンジ)、ニュートラルレンジ(Nレンジ)、ドライブレンジ(Dレンジ)、ローレンジ(Lレンジ)となっている。運転者がこれら各レンジを選択するようにシフトノブ2を押し引きしてシフト操作すると、このシフトノブ2に固設された内歯ギア5が円弧軌跡を描いてスライド移動し、インスツルメントパネルIP内においては、内歯ギア5に噛合する遊星ギア4が遊星運動、つまり回転しながら円弧軌跡を描いて移動することによりキャリア7が移動し、その前端に取り付けられたケーブル8のプッシュプル動作がなされる。本実施形態では、シフトノブ2を前方に押したときにケーブル8が押され、シフトノブ2を引いたときにケーブル8が引かれる態様となっている。
以上のように、車体に固定され、前記シフト操作部材の移動方向に沿って歯が形成される固定ギアと、該固定ギアと所定の間隔をおいて配設され、該固定ギアの歯と対向するように歯が形成されるスライドギアと、前記固定ギアと前記スライドギアとの間に介在してそれぞれの歯に噛合し、前記スライドギアの移動に伴って回転しながら移動する伝動ギアと、を有したギア機構を備え、ケーブル8に連結するキャリア7に伝動ギアを回転自在に取り付けると共に、シフトノブ2をスライドギアに取り付ける構成とすれば、スライドギアやキャリアがシフト操作部材の移動方向に沿ってスライド移動する構造となるため、従来のシフトレバーの回動スペースやリンク部材の回動スペースを要する構造に比して可動スペースが小さくて済み、シフト装置の小型化が可能となる。
また、本実施形態のように、インスツルメントパネルIPの開口部Paにスライドギアを貫通させる構造とした場合、スライドギアはスライド移動することから、開口部Paの開口面積が小さくて済むこととなる。さらに、特許文献1や特許文献2に記載されているように、シフトレバーを回転軸回りに回動させるような構造を想定して、仮に図2においてシフトノブ2の軸上の下方にその回転軸PVを配設したとすると、少なくともこの回転軸PVを掩蔽するようにインスツルメントパネルIPを、仮想線で示すように車両後方側に張り出させる必要があり、インスツルメントパネルの形状設計に制約が加わりやすくなってしまう。これに対して、本発明は、このようなシフトレバーの下方に位置する実体的な回転軸を要せず、主要部となるギア機構をシフトノブ2に対してほぼ横の位置に配設することが可能となるものである。これにより、インスツルメントパネルIPの形状設計の自由度が広がることとなる。
また、ギア機構を、前記固定ギアが太陽ギア3からなり、前記伝動ギアが遊星ギア4からなり、前記スライドギアが内歯ギア5からなる、円周方向に関して局部的に形成された遊星ギア機構6として構成すれば、シフトノブ2の移動軌跡が直線状ではなく円弧状の軌跡となるので、運転者にとってシフト操作性に優れることとなる。特に図3から判るように、車両後方のレンジに向かうにしたがってシフトノブ2の位置が下がるように配設することにより、運転者の腕がスムースに追従することになり、シフト操作性が向上するものである。また、勿論、内歯ギア5やキャリア7は遊星ギア機構6の軸(前記仮想軸X)を中心に円周方向に沿って移動するため、従来のシフトレバーの回動スペースやリンク部材の回動スペースを要する構造に比して可動スペースが小さくて済み、シフト装置の小型化が可能となる。
また、本発明の第1変形例として、図4に示すようにシフトノブ2を車両前方側に押した状態をパーキングレンジとして独立させ、他のレンジは全て車両後方側に引いた状態でシフトノブ2を内歯ギア5に対して回転軸11回りに回動させる構造とすることも可能である。この場合、例えばパーキングレンジ以外のレンジの検出は図示しないスイッチ等により電気的に検出される。
さて、以上に説明した形態は、内歯ギア5の移動距離と遊星ギア4の軸の移動距離との比(以降、これをレバー比という)が2:1となるが、これから説明する第2変形例は、操作荷重の軽減等を目的としてレバー比を任意な値に設定可能とする構造を備えている。図5は第2変形例の説明図であり、(a)は側面説明図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。なお、本図において、既述した実施形態と同一構成の部材については同一の符号を付してその説明は省略する。
この第2変形例は、遊星ギアとして、太陽ギア3に噛合する第1ギア部12aと内歯ギア5に噛合する第2ギア部12bとが同軸状に形成された2段遊星ギア12を備えた点を特徴とする。操作荷重の軽減等を目的としてレバー比を高める場合には勿論、第2ギア部12bの方を大径化、つまり歯数を多くする。当該構造によれば、第1ギア部12a、第2ギア部12bの各歯数をZ1、Z2、2段遊星ギア12の回転軸13の移動距離をL1、内歯ギア5の移動距離をL2とすると、「L2=L1・(1+Z2/Z1)」となるから、「レバー比(L2/L1)=(Z1+Z2)/Z1」を得ることができる。したがって、第1ギア部12aと第2ギア部12bのギア比を適宜に設定することで、所望のレバー比を得ることができる、つまり、シフトノブ2のストロークとケーブル8のストロークを容易に所望する比率に設定できるものである。
次いで図2及び図3で示したシフト装置1の構造変形例について図6を参照して説明する。図6(a)、(b)、(c)はそれぞれシフト装置21の側面説明図、断面説明図、分解斜視図である。シフト装置21は、図2及び図3で示したシフト装置1の場合と同様に、車体に固定され、シフトノブ22の移動方向に沿って歯が形成される固定ギアと、該固定ギアと所定の間隔をおいて配設され、該固定ギアの歯と対向するように歯が形成されるスライドギアと、前記固定ギアと前記スライドギアとの間に介在してそれぞれの歯に噛合し、前記スライドギアの移動に伴って回転しながら移動する伝動ギアと、を有したギア機構を備えている。そして、このギア機構は、前記固定ギアが太陽ギア23からなり、前記伝動ギアが遊星ギア24からなり、前記スライドギアが内歯ギア25からなる、円周方向に関して局部的に形成された遊星ギア機構26として構成されている。
太陽ギア23は、車幅方向(図6(a)における紙面奥−手前方向)を軸方向とし、インスツルメントパネルIPの外側下方に位置する仮想軸Xを中心として形成されている。太陽ギア23は、インスツルメントパネルIP内に収装可能となるように、円周方向に関して断片的に、つまり局部的に形成され、上面側をシフトノブ22の移動方向に沿った歯の形成部としている。符号30は車体に対して固定されるブラケットを示し、車幅方向に関して対称形をなし、同方向に互いに離間する一対の部材として配設されている。ブラケット30の基面となる基板部30aは、後に詳述するガイド溝30bや逃げ溝30cの形成により局部的な凹凸があるものの、概ね車両の略前後方向に沿う鉛直面に沿って形成され、その延設方向は仮想軸Xを中心とした円周方向に沿う。この基板部30aの互いに対向する内面側において、車両後方寄りの下部に、それぞれ互いに近接するように前記太陽ギア23が突設されている。
各太陽ギア23には、互いに離間して回転軸31に固設された(若しくはセレーション等により少なくとも回転軸31に対して回転不能に取り付けられた)一対の遊星ギア24が噛合する。基板部30aの内面には、回転軸31の端部を挿嵌させる逃げ溝30cが形成されており、仮想軸Xを中心として円弧状に形成されている。回転軸31の中央部には連結部材32の一端側が回転自在に外嵌されている。この回転軸31との連結部よりも前方、かつ下方に位置する連結部材32の他端側には、図示しない自動変速機側に連結する索状部材としてのケーブル28が取り付けられている。連結部材32は、図2及び図3で示したシフト装置1におけるキャリア7と同様の機能を担う部材であり、請求項に記載の「キャリア」に相当する。なお、回転軸31上における連結部材32と各遊星ギア24との間にはスペーサの機能を担うカラー33が外嵌されている。
そして、一対の遊星ギア24の上部には内歯ギア25が噛合する。この内歯ギア25はスライド部材34の下面に一対として局部的に形成されている。スライド部材34は、仮想軸Xを中心とする円周方向に沿って形成された部材であり、両側部にはそれぞれ一対のガイドピン34aが形成されている。基板部30aの内面には、仮想軸Xを中心とする円周方向に沿ってガイド溝30bが形成されており、ガイドピン34aがこのガイド溝30bに挿嵌することで、仮想軸X回りのスライド部材34の円弧移動がガイドされる。スライド部材34の後端側はインスツルメントパネルIPの開口部Paから車室側に突出し、その端部にはシフトノブ22が固設されている。
シフト装置21は以上の構成からなり、運転者が各レンジを選択するようにシフトノブ22を押し引きしてシフト操作すると、スライド部材34に形成された内歯ギア25が円弧軌跡を描いて移動し、内歯ギア25に噛合する遊星ギア24が遊星運動、つまり回転しながら円弧軌跡を描いて移動することにより、回転軸31に連結された連結部材32が移動する。これにより、連結部材32に取り付けられたケーブル28のプッシュプル動作がなされる。本実施例では、シフトノブ22を前方に押したときにケーブル28が押され、シフトノブ22を引いたときにケーブル28が引かれる態様となっている。
本実施例は、ブラケット30が、太陽ギア23としての機能と、遊星ギア24やスライド部材34(スライドギアとしての内歯ギア25)等の可動部材に対する位置決めガイドとしての機能を兼用する構造となる。これにより部品点数の低減化が図れ、組み付け作業の容易なシフト装置21となる。特に、一対のブラケット30は遊星ギア機構26を内装する筐体としての機能を担うので、両ブラケット30を図示しない連結材により連結することで、シフト装置21を単体としてユニット化できる。これにより車両に対する組み付け作業の効率が向上する。
本実施例のシフト装置21の構造では、図2及び図3で示したシフト装置1の場合と同様、内歯ギア25の移動距離L2と回転軸31の移動距離L1との比(レバー比)が2:1として決定される。しかし、シフト操作性にとって重要な因子となるシフトノブ22の移動距離(シフトストローク)L3は、「L3=L2・(R2/R1)」(但し、R1、R2はそれぞれ内歯ギア25の円弧軌跡の半径距離、シフトノブ22の把持部における円弧軌跡の半径距離)の関係にあることから、「R2/R1」の値を適宜に設定することにより、移動距離L1、つまりケーブル28のプッシュプルストロークに対してシフトノブ22の移動距離(シフトストローク)L3を自由に設定できる。
また、本実施例のシフト装置21や図2及び図3で示したシフト装置1は、後記するシフト装置41や図5で説明したシフト装置1のように遊星ギア部が2段遊星ギア機構ではなく単独遊星ギア機構として構成されているので、装置の小型化が可能となり、特に車幅方向に関する寸法を小さくできる。
次に図7を参照してシフト装置41について説明する。図7(a)、(b)、(c)はそれぞれシフト装置41の側面説明図、断面説明図、分解斜視図であり、前記シフト装置21の各部材と同一構成の部材については同一の符号を付している。シフト装置41は遊星ギア部を2段遊星ギア機構とした点でシフト装置21と相違する。回転軸31の両端側には太陽ギア23に噛合する第1遊星ギア24a、24aが固設され、回転軸31の中央部寄りには内歯ギア25に噛合し、第1遊星ギア24aと歯数の異なる第2遊星ギア24b、24bが固設されている。なお、回転軸31上において第2遊星ギア24b、24b間に連結部材32が取り付けられ、第1遊星ギア24a、第2遊星ギア24b間にカラー33が取り付けられている。
このシフト装置41によれば、図5で説明したシフト装置1と同様の効果が奏される。すなわち、第1遊星ギア24a、第2遊星ギア24bの各歯数をZ1、Z2、回転軸31の移動距離をL1、内歯ギア25の移動距離をL2とすると、「L2=L1・(1+Z2/Z1)」であるから、「レバー比(L2/L1)=(Z1+Z2)/Z1」となる。したがって、例えば操作荷重の軽減等を目的としてレバー比を高める場合には、第2遊星ギア24bの方の歯数Z2を多くする。このようにシフト装置41によれば、第1遊星ギア24aと第2遊星ギア24bのギア比を適宜に設定することで所望のレバー比を得ることができ、シフト装置21で説明した「L3=L2・(R2/R1)」の関係に基づく設定とも併せて、シフトノブ22のシフトストロークとケーブル28のプッシュプルストロークを容易に所望する比率に設定できる。また、図5に示したシフト装置1では、第1ギア部12aと第2ギア部12bとを一体の部材として形成したが、図7で示したシフト装置41では、第1遊星ギア24a、第2遊星ギア24bを別体の部材として回転軸31に取り付ける構成としたので、例えば車種別にレバー比を設定変更するような場合、一方のギア側のみを変更すれば良く、部品の共用性において有利な構造となる。
また、図2及び図3に示したシフト装置1においても説明したが、本発明のシフト装置1、21、41は、従来のシフトレバーの下方に位置する実体的な回転軸を有さない構造となるため、高さ方向に関して薄型化が可能となる。したがって、シフト装置1、21、41をインスツルメントパネルIPに取り付ける態様の場合、インスツルメントパネルIPの形状設計の自由度が広がり、該装置の下方の空間を有効に利用できることとなる。具体的な利用法としては例えば次の通りである。
(1)シフト装置1、21、41の下方に位置するインスツルメントパネルIPを車両前方側にへこますことで、足回りの空間を広げることができる。これにより、運転席側と助手席側との行き来、いわゆるウォークスルー性が向上する。特に、図3や図4に示したように、シフトノブ2を車両前方側に最も押した状態をパーキングレンジとした場合、パーキング時にはシフトノブ2がインスツルメントパネルIP寄りに位置するので、ウォークスルー性がより向上するものである。
(2)シフト装置1、21、41の下方に位置するインスツルメントパネルIP内の空間を、収納ポケットや灰皿、電装操作系等のユーティリティの設置に活用できる。
(1)シフト装置1、21、41の下方に位置するインスツルメントパネルIPを車両前方側にへこますことで、足回りの空間を広げることができる。これにより、運転席側と助手席側との行き来、いわゆるウォークスルー性が向上する。特に、図3や図4に示したように、シフトノブ2を車両前方側に最も押した状態をパーキングレンジとした場合、パーキング時にはシフトノブ2がインスツルメントパネルIP寄りに位置するので、ウォークスルー性がより向上するものである。
(2)シフト装置1、21、41の下方に位置するインスツルメントパネルIP内の空間を、収納ポケットや灰皿、電装操作系等のユーティリティの設置に活用できる。
図8は本発明のシフト装置1(図8では、図2及び図3に示したシフト装置1に準じて図示してあり、太陽ギア3及び内歯ギア5の曲率半径を大きく設定した場合を示している)をフロアコンソールパネルFP内の上部に取り付けた場合の側面説明図である。この場合、シフト装置1の高さ方向に関する薄型化により、フロアコンソールパネルFPの形状設計の自由度が広がるとともに、フロアコンソールパネルFP内の下方空間が空くので、該空間を前記したユーティリティの設置として活用できる。例えば図9(車両の前後方向から見たフロアコンソールパネルFP周りの断面説明図)に示すように、フロアコンソールパネルFPの側面部に開閉蓋FPaを設ける構造とすることで、フロアコンソールパネルFP内の下方空間を収納ポケットや灰皿等として利用できる。
また、近年の車両では運転席のシートに、主に格納式のアームレストを備えたものがあり、図10は本発明のシフト装置1をこのアームレスト35内に取り付けた場合を示している。通常、アームレスト35の高さ寸法はそれ程大きくないため、下方に実体的な回転軸を有する従来のシフトレバー装置では、アームレスト35内に収めることが実質的に不可能であった。これに対して、本発明のシフト装置1は、高さ方向に関する薄型化の実現によりアームレスト35内に収めることが可能となるものである。このように、シフト装置1をアームレスト35に取り付ける構造とすることで、従来のシフト装置1の取り付け箇所(インスツルメントパネルやフロアコンソールパネル)に関し、形状設計の自由度が広がるとともに、前記したユーティリティの設置として有効に活用できる。前記したウォークスルー性も向上する。
1 シフト装置
2 シフトノブ(シフト操作部材)
3 太陽ギア(固定ギア)
4 遊星ギア(伝動ギア)
5 内歯ギア(スライドギア)
6 遊星ギア機構
7 キャリア
8 ケーブル(索状部材)
12 2段遊星ギア
IP インスツルメントパネル
FP フロアコンソールパネル
2 シフトノブ(シフト操作部材)
3 太陽ギア(固定ギア)
4 遊星ギア(伝動ギア)
5 内歯ギア(スライドギア)
6 遊星ギア機構
7 キャリア
8 ケーブル(索状部材)
12 2段遊星ギア
IP インスツルメントパネル
FP フロアコンソールパネル
Claims (2)
- 自動変速機に設定された複数のレンジの内のいずれかを選択するシフト操作部材と、前記自動変速機側に連結された索状部材とを備え、前記シフト操作部材のシフト操作に伴い前記索状部材がプッシュプルされることにより変速が行われるシフト装置であって、
車体に固定され、前記シフト操作部材の移動方向に沿って歯が形成される固定ギアと、該固定ギアと所定の間隔をおいて配設され、該固定ギアの歯と対向するように歯が形成されるスライドギアと、前記固定ギアと前記スライドギアとの間に介在してそれぞれの歯に噛合し、前記スライドギアの移動に伴って回転しながら移動する伝動ギアと、を有したギア機構を備え、
前記索状部材に連結するキャリアに前記伝動ギアを回転自在に取り付けると共に、前記シフト操作部材を前記スライドギアに取り付ける構成としたことを特徴とする自動変速機のシフト装置。 - 前記ギア機構は、前記固定ギアが太陽ギアからなり、前記伝動ギアが遊星ギアからなり、前記スライドギアが内歯ギアからなる、円周方向に関して局部的に形成された遊星ギア機構として構成されることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機のシフト装置。
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-
2004
- 2004-08-03 JP JP2004226272A patent/JP2005199991A/ja active Pending
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