JP2005199636A - インクジェット記録媒体、インクジェット記録媒体の製造方法及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録媒体、インクジェット記録媒体の製造方法及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 インクジェットプリンターで印字した際に、インク吸収性に優れ、高速インクジェット印字適性を有すると同時に、高画質、高解像度で発色性に優れたインクジェット記録媒体、インクジェット記録媒体の製造方法及びインクジェット記録方法を提供することにある。
【解決手段】 支持体上に少なくとも1層のインク吸収層を有するインクジェット記録媒体において、該インク吸収層が粉砕分散された沈降法またはゲル法で製造されたシリカ微粒子を含有し、かつ、該インクジェット記録媒体の含水量が5〜30g/m2であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録媒体、インクジェット記録媒体の製造方法及びインクジェット記録方法に関し、詳しくは、インク吸収性に優れ、かつ、高画質、高解像度で発色性に優れたインクジェット記録媒体、インクジェット記録媒体の製造方法及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像・文字等の記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有している。
従来から問題となっていたノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インク及び装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンター、ファクシミリ、コンピュータ端末等、さまざまな分野に急速に普及している。
このインクジェット記録方式で使用される記録媒体としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が要求される。
これらの要求を解決するために、従来から非常に多くの技術が提案されている。例えば特開昭52−53012号に記載される低サイズ原紙に表面加工用の塗料を湿潤させた記録用紙、特開昭55−5830号に記載される支持体表面にインク吸収性の塗層を設けた記録用紙、特開昭56−157号に記載される被覆層中の顔料として非膠質シリカ粉末を含有する記録用紙、特開昭57−107878号に記載される無機顔料と有機顔料を併用した記録用紙、特開昭58−110287号に記載される二つの空孔分布ピークを有する記録用紙、特開昭62−111782号に記載される上下2層の多孔質層からなる記録用紙、特開昭59−68292号、同59−123696号及び同60−18383号等に記載される不定形亀裂を有する記録用紙、特開昭61−135786号、同61−148092号及び同62−149475号等に記載される微粉末層を有する記録用紙、特開昭63−252779号、特開平1−108083号、同2−136279号、同3−65376号及び同3−27976号等に記載される特定の物性値を有する顔料や微粒子シリカを含有する記録用紙、特開昭57−14091号、同60−219083号、同60−210984号、同61−20797号、同61−188183号、特開平5−278324号、同6−92011号、同6−183134号、同7−137431号、特許文献1等に記載されるコロイド状シリカ等の微粒子シリカを含有する記録用紙、及び特開平2−276671号、同3−67684号、同3−215082号、同3−251488号、同4−67986号、同4−263983号及び同5−16517号等に記載されるアルミナ水和物微粒子を含有する記録用紙等の多数が知られている。
上記提案されている方法でも、インク吸収性が十分でないため画質が低下するという課題がある。インクの吸収性を良好にするために、特開昭52−9074号、同58−72495号、同55−51583号等に開示されているような、合成シリカ等の比表面積の大きな顔料を主体としたインク受容層を一定膜厚以上に形成する方法によれば、高いインク吸収性を確保できるが、インクが深く浸透するため、印字濃度が低く、鮮明さに欠けた画像しか得られないという問題がある。別の方法として、特許文献2等に開示されているような表面の濡れ性をよくする方法では、解像度が低い等でインクの打ち込み量が少ない場合はある程度の吸収性は確保されるものの、解像度が高かったり、濃い画像を印字する場合等でインクの打ち込み量が多い場合は、本質的にインクの吸収量が不足しているため、インクが溢れて画像が滲んだり、ドットが大きくなるため、シャープさに欠けた画像しか得られないという問題がある。
特に近年、印字速度の高速化への要求が高まり、インクジェット記録方式の技術の進歩によってインク滴の打ち込み速度が向上し、より短い時間間隔でインクの打ち込みが行われるようになりつつある。こうした技術に対応するために、インクジェット記録媒体についてもより短い時間で打ち込まれたインクを吸収、定着できる性能を要求されることになり、例えば、特開平2−76774号、同4−49086号、特許文献3等に開示されているような一定時間におけるシート全体への水の転移量または吸収係数を規定する等の提案がなされたが、より高速な印字技術が実現されるようになり、これらに提案された物性を有する記録媒体を使用しても、上記の目的を必ずしも満足するものではなく、単に転移量または吸収速度のみならず紙物性が所期のインク吸収性の発現に対する重要な要因であることが示唆される。
最近では、含水量を規定した記録媒体等も開示され、媒染剤の不均一性を解消させインク吸収性を向上させる提案もなされているが(例えば特許文献4参照。)画質等の上記課題を満足させるに到ってないのが実情である。
特開平7−276789号公報 特開昭63−39373号公報 特開2001−130131号公報 特開2003−80827号公報
本発明は上記の実態に鑑みてされたものであり、本発明の目的は、インクジェットプリンターで印字した際に、インク吸収性に優れ、高速インクジェット印字適性を有すると同時に、高画質、高解像度で発色性に優れたインクジェット記録媒体、インクジェット記録媒体の製造方法及びインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
支持体上に少なくとも1層のインク吸収層を有するインクジェット記録媒体において、該インク吸収層が粉砕分散された沈降法またはゲル法で製造されたシリカ微粒子を含有し、かつ、該インクジェット記録媒体の含水量が5〜30g/m2であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
(請求項2)
前記インクジェット記録媒体の含水量が10〜25g/m2であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項3)
前記シリカ微粒子の平均粒径が100〜350nmであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項4)
前記シリカ微粒子の平均粒径をy(nm)、該シリカ微粒子1g中の10μm以上の粒子数をx(個)としたとき、前記シリカ微粒子が下式(1)の条件を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
式(1) 150<y+17×ln(x)<500
(請求項5)
支持体上に少なくとも1層のインク吸収層を有するインクジェット記録媒体の製造方法において、該インク吸収層が粉砕分散された沈降法またはゲル法で製造されたシリカ微粒子を含有し、かつ、該インクジェット記録媒体の含水量が5〜30g/m2になるように該インクジェット記録媒体に加湿処理を施して製造することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
(請求項6)
請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体に、水系インクをインクジェットヘッドより液滴として吐出し、記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明により、インクジェットプリンターで印字した際に、インク吸収性に優れ、高速インクジェット印字適性を有すると同時に、高画質、高解像度で発色性に優れたインクジェット記録媒体、インクジェット記録媒体の製造方法及びインクジェット記録方法を提供することができた。
本発明者は鋭意研究の結果、インク吸収層が粉砕分散された沈降法またはゲル法で製造されたシリカ微粒子を含有し、かつ、該インクジェット記録媒体の含水量が5〜30g/m2であるインクジェット記録媒体により、インクジェットプリンターで印字した際に、インク吸収性に優れ、高速インクジェット印字適性を有すると同時に、高画質、高解像度で発色性に優れたインクジェット記録媒体が得られることを見出した。
以下、本発明を詳細に説明する。
〈支持体〉
本発明のインクジェット記録媒体(以下、記録媒体とも言う)は、支持体上にインク吸収層を有する。
本発明の記録媒体に用いられる支持体は、吸水性支持体と非吸水性支持体の何れも用いることができるが、プリント後に皺の発生がなく、平滑性に差が生ぜずに高品位のプリントが得られること、また、容易に光沢面を形成できることから非吸水性支持体が好ましい。
吸水性支持体としては、特に天然パルプを主体とした紙支持体が代表的であるが、合成パルプと天然パルプの混合物であってもよい。非吸水性支持体としては、プラスチック樹脂フィルム支持体、または紙の両面をプラスチック樹脂フィルムで被覆した支持体が挙げられる。プラスチック樹脂フィルム支持体としては、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、セルローストリアセテートフィルム、ポリスチレンフィルムあるいはこれらの積層したフィルム支持体等が挙げられる。これらのプラスチック樹脂フィルムは透明、または半透明なものも使用できる。本発明で特に好ましい支持体は紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した支持体であり、最も好ましいのは紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体である。以下、特に好ましい支持体である、紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体について説明する。
支持体に用いられる紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKP(Lは広葉樹、Nは針葉樹、BKは硫酸塩晒し、BSは亜硫酸塩晒し、Pはパルプの略)の何れも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSP及び/またはLDPの比率は10〜70質量%が好ましい。
上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70質量%のものが好ましい。なお、4メッシュ残分は20質量%以下であることが好ましい。紙の坪量は50〜250gが好ましく、特に70〜200gが好ましい。紙の厚さは50〜210μmが好ましい。紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS P 8118)が一般的である。さらに原紙剛度はJIS P 8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては上記原紙中に添加できるのと同様のサイズ剤を使用できる。紙のpHはJIS P 8113で規定された熱水抽出法により測定した場合、5〜9であることが好ましい。
次に、紙の両面を被覆するポリオレフィン樹脂について説明する。この目的で用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレン等が挙げられるが、プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
以下、特に好ましいポリエチレンについて説明する。紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPE(直線状低密度ポリエチレン)やPP等も一部使用することができる。特に塗布層側のポリオレフィン層は、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリオレフィンに対して概ね1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%である。ポリオレフィン層中には、白地の調整を行うための耐熱性の高い顔料や蛍光増白剤を添加することができる。
着色顔料としては、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アンスラキノンブルー等が挙げられる。蛍光増白剤としては、ジアルキルアミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙げられる。
紙の表裏のPEの使用量は、インク吸収層の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿化でのカールを最適化するように選択されるが、一般にはポリエチレン層の厚さはインク吸収層側で15〜40μm、バック層側で10〜30μmの範囲である。表裏のPEの比率はインク吸収層の種類や厚さ、中紙の厚み等により変化するカールを調整するように設定されるのが好ましく、通常は表/裏のPEの比率は厚みで概ね3/1〜1/3である。さらに上記PEで被覆紙の支持体は以下(1)〜(7)の特性を有していることが好ましい。
(1)引っ張り強さは、JIS P 8113で規定される強度で縦方向が2〜30kg、横方向が1〜20kgである。
(2)引き裂き強度は、JIS P 8116で規定される強度で縦方向が10〜300g、横方向が20〜400gである。
(3)圧縮弾性率は9.8×107Pa以上である。
(4)不透明度は、JIS P 8138に規定された方法で測定した時に50%以上、特に85〜98%である。
(5)白さは、JIS Z 8729で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜95、a*=−3〜+5、b*=−6〜+2である。
(6)クラーク剛直度は、記録媒体の搬送方向のクラーク剛直度が20〜400cm3/100である。
(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜10質量%である。
本発明のインクジェット記録媒体は、上記支持体上にインク吸収層を有するものが好ましい。
(インク吸収層)
次に、インク吸収層について説明する。
本発明の記録媒体は少なくとも1層のインク吸収層を有し、該インク吸収層が、粉砕分散された沈降法またはゲル法で製造されたシリカ微粒子を含有することを特徴とし、かつ該記録媒体の含水量が5〜30g/m2であることを特徴とする。本発明者らが鋭意検討した結果、このような範囲に記録媒体の含水量を制御するすることで、インク吸収性と同時に記録画像の画質を向上させることを見出した。好ましくは記録媒体の含水量が10〜25g/m2である。前記含水量が、5g/m2未満であるとインク吸収性は向上せず、30g/m2を超えるとインク吸収性を阻害し、インク滲み等を生じて解像度低下の要因となる。
本発明における記録媒体の含水量は、含水状態で測定された記録媒体の質量から、該記録媒体を乾燥した後に測定された質量を減算すること(質量法)により容易に測定することができる。
前記ような含水量を制御した記録媒体の作製は、後述する支持体の種類、インク吸収層中の構成材料、添加剤の種類、その使用量等を制御すること及び/または記録媒体の製造過程で行うことができ、例えば、インク吸収層の塗布液を塗布、乾燥した後に記録媒体を加湿することにより、あるいは加湿せず上記含水量となる条件で乾燥させること等により、上記含水量の記録媒体とすることができる。詳細については後述する。
本発明の記録媒体は少なくとも1層のインク吸収層を有するが、インク吸収層の物性または構成材料等の異なる2層以上のインク吸収層を有してもよい。例えば、上層にインクに対する吸収係数が所望の値になるよう制御したインク吸収層、下層にインク吸収容量が大きくなるよう制御したインク吸収層を設けた多層構成のインク吸収層を用いることもできる。また、インク吸収層は支持体の片面のみでもよいが、両面に設けてもよい。この時、両面に設けられるインク吸収層は同じでも異なってもよい。インク吸収層は膨潤層型インク吸収層と空隙型インク吸収層に大別される、何れの場合であってもよい。また、膨潤型のインク吸収層と空隙型のインク吸収層を組み合わせてもよい。例えば、支持体に近い側に膨潤型インク吸収層を設け、支持体から離れた側に空隙型インク吸収層を設けた層構成やこの逆の層構成を用いることもできる。さらには支持体の両面にインク吸収層を設けた記録媒体の場合には、表裏で同じタイプの吸収層にしてもよく、異なるタイプのインク吸収層であってもよい。本発明で特に好ましいのは空隙型インク吸収層である。
空隙型インク吸収層は、無機または有機の微粒子と少量の親水性ポリマーから形成される空隙層を有する多孔質皮膜のものが好ましく、本発明においては、インク吸収性が良好なインク吸収層が形成できることから、粉砕分散された沈降法またはゲル法で製造されたシリカ微粒子を用いることが特徴である。
本発明でいう沈殿法とは、周知の通りであり、まずケイ酸ソーダと硫酸とを混合する。このときの混合条件(例えば、温度、シリカ濃度、時間等)を制御することにより、シリカを溶液中に析出させる。析出したシリカを沈殿させ、熟成させた後、濾過、水洗、乾燥、粉砕及び分級することにより、合成非晶質シリカを製造する方法である。
また、本発明でいうゲル化法とは、周知の通りであり、まずケイ酸ソーダと硫酸とを瞬時に混合してヒドロゾルからヒドロゲルに成長させる。成長したヒドロゲルを水洗した後、熱処理することにより、その表面積を制御した後、このヒドロゲルを乾燥し、分級することにより合成非晶質シリカを製造する方法である。
本発明で用いる沈降法またはゲル法で製造されたシリカは、粉砕分散した微粒子として用いることを特徴としており、粉砕分散とは、例えば、1.0〜50μm程度のシリカ凝集体を、分散媒体中で機械的手段により細分化することを意味する。粉砕分散前の平均粒径としては1.0〜10μmであることが好ましい。これらのシリカとしては、トクヤマ(株)社のファインシール、トクシールや日本シリカ工業(株)のNIPGEL、NIPSIL等が市販されている。
粉砕分散方法としては、予備分散工程と本分散工程を有することが好ましく、粉砕分散方法としては、高速攪拌分散機、超音波分散機、ローラミルタイプ、ニーダータイプ、ピンミキサータイプ、高圧式ホモジナイザー、湿式メディア型粉砕機(サンドミル、ボールミル)等を挙げることができる。
粉砕分散する際のシリカ濃度として、生産効率とハンドリング性を考慮して、20〜50質量%が好ましく、さらに好ましくは25〜40質量%である。粉砕分散されたシリカ微粒子は、粗大粒子を制御する工程を経てもよく、方法としては、遠心分離による方法、フィルターによる方法等を用いることができる。遠心分離の方法としては、例えば、クレテック社製のマイクロカット等が利用できる。フィルターとしては、例えば、日本ポール(株)製のプロファイル、アドバンテック東洋(株)製のTCPD等が挙げられる。
前記分散媒体としては、特に制限はないが、水性媒体が好ましい。水性媒体としては、水以外にカチオン性ポリマー、硬膜剤が含有されていることが好ましい。
前記カチオン性ポリマーとしては、例えば、特開2002−47454号、同2003−80827号、同2003−276307号公報等に記載されたカチオン性ポリマーを挙げることができる。
前記硬膜剤としては、一般的には前記親水性ポリマーと反応し得る基を有する化合物または親水性ポリマーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物が好ましく、親水性ポリマーの種類に応じて適宜選択して用いられる。硬膜剤の具体例としては、例えばエポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、イソシアネート系硬膜剤(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等)、硼酸、硼酸塩、硼砂、明礬等が挙げられる。
さらには親水性ポリマー、各種添加剤を、予め分散媒体または無機微粒子分散後の分散液に添加してもよく、例えばノニオンまたはカチオン性の各種界面活性剤、消泡剤、ノニオン性の親水性ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、各種の糖類、ゼラチン、プルラン等)、ノニオンまたはカチオン性のラテックス分散液、水混和性有機溶媒(酢酸エチル、メタノール、エタノール、i−プロパノール、プロパノール、アセトン等)、無機塩類、pH調整剤等、必要に応じて適宜使用することができる。
粉砕分散されたシリカ微粒子の平均粒径は、100〜350nmであることが好ましい。100nm以上であればインク吸収性が向上し、350nm以下であれば良好な光沢を得ることができる。また、本発明においては、粉砕分散されたシリカ微粒子の平均粒径y(nm)とシリカ微粒子1g中の10μm以上の粒子数x(個)の関係が、下式(1)を満足することが好ましい。
式(1) 150<y+17×ln(x)<500
式(1)で表されるy+17×ln(x)の値が150を超える値であれば、良好なインク吸収性が得られ、また、500未満であれば良好な光沢を得ることができる。ここで、シリカ微粒子の平均粒径は、例えば、マルバーン社製ゼータサイザー1000HSを用いて求めることができる。また、シリカ微粒子1g中の10μm以上の粒子数は、例えば、Pacific Scientific社製、HIAC/ROYCO Model8000A Particle Counterで測定して求めることができる。シリカ微粒子1g中の10μm以上の粒子数の測定は、具体的には、シリカ微粒子分散液を希釈してシリカ微粒子の濃度で0.25質量%の液を調製し、上記測定器で、0.25質量%液10ml中の10μm以上の粒子数を測定し、シリカ微粒子1g当たりの10μm以上の粒子数に換算して求める。測定レンジは、2〜100μmレンジで測定する。
式(1)の条件を満足するシリカ微粒子を得るには、上記シリカの製造法で述べたケイ酸ソーダとの混合条件、析出したシリカの熟成またはヒドロゾルのゲル化条件、粉砕条件を制御する。最終的には分級してこの範囲に入るシリカ微粒子を分取する。
本発明に係るインク吸収層には、上記説明した無機微粒子と共に、他の無機微粒子を含有してもよく、このような無機微粒子の例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。無機微粒子は、一次粒子のまま用いても、あるいは二次凝集粒子を形成した状態で使用することもできる。
本発明に係るインク吸収層に用いられる好ましい親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)である。ポリビリルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは平均重合度が300以上のものが好ましく、特に1000〜5000のものが好ましい。ケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。インク吸収層が空隙型である場合、親水性ポリマーと前記無機または有機の微粒子の質量比率は、通常1:10〜1:3であり、特に好ましくは1:8〜1:5である。
本発明に係るインク吸収層が、親水性ポリマーとしてポリビニルアルコール等を含有する場合には、皮膜の造膜性を改善し、皮膜の耐水性や強度を高めるために、硬膜剤を添加することが好ましい。硬膜剤としては、一般的には前記親水性ポリマーと反応し得る基を有する化合物あるいは親水性ポリマーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物が好ましく、親水性ポリマーの種類に応じて適宜選択して用いられる。硬膜剤の具体例としては、前記の化合物等が挙げられる。親水性ポリマーとしてポリビニルアルコールを使用する場合には、硼酸、硼酸塩またはエポキシ系硬膜剤から選ばれる硬膜剤を使用するのが好ましい。上記硬膜剤の使用量は親水性ポリマーの種類、硬膜剤の種類、シリカ微粒子の種類、親水性ポリマーに対する比率等により変化するが、通常、親水性ポリマー1g当たり5〜500mg、好ましくは10〜300mgである。また、複数の種類の硬膜剤を併用することもできる。
インク吸収層には、上記以外の各種添加剤を添加することができる。中でもカチオン媒染剤は、印字後の耐水性や耐湿性を改良するために好ましい。カチオン媒染剤としては、表面がカチオン性である無機顔料(アルミナ微粒子等)、水溶性金属化合物、塩基性塩化アルミニウム等の無機のイオン性ポリマー、第1〜3級アミノ基及び第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤等が用いられるが、経時での変色や耐光性の劣化が少ないこと、染料の媒染能が高いこと等から、第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好ましい。好ましいポリマー媒染剤は、上記第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重合体や、その他のモノマーとの共重合体または縮重合体として得られる。カチオン媒染剤の具体例は、例えば「インクジェットプリンター技術と材料」268〜269頁(シーエムシー社)、特開2003−80827号、同2003−276307号等に記載されている。
上記以外に、例えば特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載の退色防止剤、アニオン、カチオンまたは非イオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載の蛍光増白剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤等、公知の各種添加剤を含有することもできる。
本発明の記録媒体におけるインク吸収層面の光沢度としては、JIS Z 8741による75度鏡面光沢度測定で40〜80%が好ましい。この光沢度が小さいほど記録画像の鮮明度が低下しやすくなる。なお、光沢度は、本発明では75度で測定した場合に上記範囲内が好ましいが、より低い角度、例えば60度や45度で測定した場合には、より低い値になるのが一般的である。
(インクジェット記録媒体の製造方法)
本発明の記録媒体は、インク吸収層を形成する塗工液を前記支持体上に塗布することにより作製できる。ここで、インク吸収層に好ましく用いられる前記無機微粒子は分散媒体中で十分に分散してから、塗工液として用いることが好ましい。
インク吸収層を塗布するに当たっては、支持体表面と塗布層との間の接着強度を大きくする等の目的で、支持体にコロナ放電処理や下引層を設けることが好ましい。下引層としては、ゼラチンやポリビニルアルコール等の親水性ポリマーを必要に応じて硬化剤と併用して設けられる。好ましい下引層の厚さは0.01〜1μmの範囲である。
本発明の記録媒体が、片面にのみ記録する用途であるある場合、インク吸収層を有する側の反対側にカール防止や印字直後に重ね合わせた際のくっつきやインク転写をさらに向上させるために種々の種類のバック層を設けることができる。バック層の構成は支持体の種類や厚み、表側の構成や厚みによっても変わるが、一般には親水性バインダーや疎水性バインダーが用いられる。
バック層の厚みは、通常、0.1〜10μmの範囲である。また、バック層には他の記録媒体との「くっつき」防止、筆記性改良、さらにはインクジェット記録装置内での搬送性改良のために表面を粗面化できる。この目的で好ましく用いられるのは、粒径が0.5〜20μmの有機または無機の微粒子である。これらのバック層は予め設けていてもよく、反対側のインク吸収層を塗布した後で設けてもよい。
インク吸収層の塗布方式としては、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。支持体としてポリオレフィン樹脂コート紙を使用する場合には、乾燥は概ね0〜80℃の範囲で乾燥することが好ましい。80℃を超えると、ポリオレフィン樹脂が軟化して搬送を困難にしたり記録層表面の光沢にムラが出たりする。好ましい乾燥温度は0〜60℃である。
乾燥後に、前記界面活性剤、紫外線吸収剤、退色防止剤、硬膜剤、カチオン媒染剤、消泡剤、蛍光増白剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤等、公知の各種添加剤を含有する溶液をオーバーコートして再乾燥してもよい。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられるが、中でも陰イオン界面活性剤もしくは陽イオン界面活性剤を、それぞれ単独で用いるか、またはこれらを併用することが好ましい。
オーバーコート塗工液には、無機粒子及び/または有機粒子も添加できる。無機粒子としては、軽質または重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。また、有機粒子としては、アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。
インク吸収層上にオーバーコート層を設ける方法としては、特に限定されるものではなく、従来から公知のバーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等の塗工機や印刷機によって設けることができる。また、オーバーコート層の塗工量は、目的性能を満足させる限り不必要に多くする必要はなく、0.2〜5g/m2の範囲が好ましく用いられる。
上記乾燥工程を制御することにより、記録媒体の含水量が5〜30g/m2になる記録媒体を得ることができる。さらには含水量が前記範囲となるように記録媒体に加湿処理を施して含水量を調整することも好ましい態様の1つである。加湿処理の方法としては、特に制限はなく、例えば、低圧蒸気や高圧蒸気等により記録媒体を蒸気加湿する方法、インク吸収層が設けられた記録媒体を高湿雰囲気内を通過させる方法等により好適に行うことができる。このとき、記録媒体にあてる蒸気や高湿雰囲気の水分量(湿度)としては、記録媒体の含水量を上記範囲に調整し得るように適宜選択すればよい。
(インクジェット記録方法)
次に、本発明のインクジェット記録方法について説明する。
前記記録媒体に、水系インクを使用してインクジェット記録する方法は、特に限定されるものではなく、ピエゾ方式やサーマル方式のインクジェットプリンターを使用することにより印字または画像を得ることができる。記録方法の詳細は、例えば「インクジェット技術の動向」(日本科学情報社)に記載されている。
使用される水系インクとしては、特に限定されないが、例えば油性染料、分散染料、直接染料、酸性染料、水溶性染料及び塩基性染料等のうち少なくとも1種以上を色剤として含有するものが好ましく用いられる。これら上記した染料は、「染色ノート第21版」(色染社)等に記載されている。さらに適宜、従来公知の各種添加剤、例えば多価アルコール類のような湿潤剤、分散剤、シリコーン系等の消泡剤、クロロメチルフェノール系等の防黴剤及び/またはEDTA(エチレンジアミン四酢酸)等のキレート剤、また、亜硫酸塩等の酸素吸収剤等の助剤を含有する水性インクが好ましく用いられる。
本発明の記録方法で用いることのできるインクジェットヘッドとしては、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、インク吐出方式としては、電気−機械変換方式(シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(サーマルインクジェット型、バブルジェット(R)型等)、静電吸引方式(電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(スパークジェット型等)等を具体例として挙げることができるが、何れの吐出方式を用いても構わない。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。なお、特に断りない限り、実施例中の「%」は「質量%」を表す。
〈支持体1の作製〉
含水率6.5%、坪量170g/m2の写真用原紙の裏面に、溶融押し出し塗布法により密度0.92の低密度ポリエチレンを30μmの厚さで塗布した。次いで、表側にアナターゼ型酸化チタン5.5%を含有する密度0.92の低密度ポリエチレンを35μmの厚さで溶融押し出し法で塗布して、両面をポリエチレンで被覆した。表側にコロナ放電を行い、ゼラチン下引き層を厚さ0.3g/m2、裏面にもコロナ放電を行った後、ラテックス層を厚さ0.2g/m2になるように塗布し、支持体1を作製した。
〈酸化チタン分散液1の調製〉
平均粒径が約0.25μmの酸化チタン20kg(石原産業(株)製:W−10)を、pH=7.5のトリポリリン酸ナトリウム150g、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製:PVA235)500g、カチオンポリマー(P−1)150g及び消泡剤SN381(サンノブコ(株)製)を10g含有する水溶液90Lに添加し、高圧ホモジナイザー(三和工業(株)製)で分散した後、全量を100Lに仕上げて均一な酸化チタン分散液1を得た。
Figure 2005199636
〈蛍光増白剤分散液1の調製〉
チバガイギー(株)製の油溶性蛍光増白剤UVITEX−OBの400gを、ジイソデシルフタレートの9000g及び酢酸エチルの12Lに加熱溶解し、これを酸処理ゼラチン3500g、カチオンポリマー(P−1)0.8kg、サポニン50%水溶液6Lとを含有する水溶液65Lに添加混合し、三和工業(株)製の高圧ホモジナイザーで乳化分散し、減圧下で酢酸エチルを除去した後、全量を100Lに仕上げて、蛍光増白剤分散液1を調製した。
〈シリカ分散液1の調製〉
水系媒体(以後A液と称す)として、
水 80L
硼酸 0.27kg
硼砂 0.23kg
5%硝酸 0.4L
エタノール 1.8L
カチオン性ポリマー(P−1、25%水溶液) 6L
を混合、溶解した。シリカとして沈降法シリカ((株)トクヤマ製:商品名:T−32、平均2次粒径1.5μm、以後T−32と称す)32kgを用意し、以下のように分散し、シリカ分散液1を得た。A液を1.56kg/min、T−32を0.44kg/minの割合で分散機1としてフロージェットミキサー300型(ピンミキサータイプ、粉研パウテックス製、以下FJMと称す)に供給した。その後、分散機2としてファインフローミルFM−25(連続式高速撹拌型分散機、大平洋機工製、以下FMと称す)に供給した。その後、分散機3としてLMK−4(連続式湿式メディア型粉砕機、アシザワ製、以後LMKと称す)を用い、分散機2からでてきた分散液を、モノーポンプを用いLMKに2.0kg/minで供給した。FJMの条件は周速25m/sec、滞留時間20sec、FMの条件は周速25m/sec、滞留時間0.15sec、LMKの条件は、ビーズ径0.5mmジルコニア、滞留時間5min、ロータ回転周速11m/sec。その後、LMKからでてきた分散液を、フィルター処理を行った。フィルターは日本ポール社製のプロファイルを用いた。平均粒径と10μm以上の粒子数を測定し前記式(1)の値を求めた所、380であった。このときの平均粒径は200nmであった。
平均粒径はマルバーン社製ゼータサイザー1000HSで測定した。式(1)の値はy+17×ln(x)で算出した。但し、粉砕分散されたシリカ微粒子の平均粒径y(nm)、シリカ微粒子1g中の10μm以上の粒子数x(個)とする。10μm以上の粒子数は、PacificScientific社製、HIAC/ROYCO Model8000A ParticleCounterで測定した。10μm以上の粒子数の測定は、シリカ微粒子分散液を希釈してシリカ微粒子の質量濃度で0.25%の液を作り、前記測定器で前記0.25%液10ml中の10μm以上の粒子数を測定し、シリカ微粒子1g当たりの10μm以上の粒子数に換算した値である。測定レンジは2〜100μmレンジで測定した。
〈シリカ分散液2の調製〉
シリカ分散液1の調製において、LMKに2回通した以外は、シリカ分散液1と同様にしてシリカ分散液2を調製した。前記式(1)の値は210で、平均粒径は150nmであった。
〈シリカ分散液3の調製〉
シリカ分散液1の調製において、LMKのロータ回転周速を7m/secにした以外は、シリカ分散液1と同様にしてシリカ分散液3を調製した。前記式(1)の値は460で、平均粒径は280nmであった。
〈シリカ分散液4の調製〉
シリカ分散液1の調製において、フィルター処理を行わなかった以外は、シリカ分散液1と同様にしてシリカ分散液4を調製た。前記式(1)の値は520で平均粒径は220nmであった。
〈シリカ分散液5の調製〉
シリカ分散液1の調製において、LMKのロータ回転周速を15m/secにした以外は、シリカ分散液1と同様にしてシリカ分散液5を調製した。前記式(1)の値は350で平均粒径は170nmであった。
〈シリカ分散液6の調製〉
シリカ分散液1の調製において、LMKを高圧ホモジナイザーに代え、圧力を350kg/cm2で1回分散し、フィルター処理を行わなかった以外は、シリカ分散液1と同様にしてシリカ分散液6を調製した。前記式(1)の値は740で平均粒径は380nmであった。
〈シリカ分散液7の調製〉
シリカ分散液1の調製において、シリカをゲル法シリカ(日本シリカ社製、商品名:AZ−204、平均2次粒径1.3μm)に代えた以外は、シリカ分散液1と同様にしてシリカ分散液7を調製した。前記式(1)の値は420で、平均粒径は220nmであった。
〈シリカ分散液8の調製〉
シリカ分散液1の調製において、粉砕分散を行わず、ホモミキサーによる分散のみを行った以外は、シリカ分散液1と同様にしてシリカ分散液8を調製した。前記式(1)の値は1970で、平均粒径は1.5μmであった。
〈シリカ分散液9の調製〉
シリカ分散液1の調製において、シリカを気相法シリカ(日本アエロジル社製、商品名:A−300)に代えた以外は、シリカ分散液1と同様にしてシリカ分散液9を調製した。前記式(1)の値は、250で、平均粒径は170nmであった。
〔記録媒体1の作製〕
〈塗布液の調製〉
第1〜3層用塗布液を以下の手順で調製した。
(第1層用塗布液)
シリカ分散液1をシリカ濃度が10%になるように調整した分散液560mlに40℃で攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製:PVA203)の10%水溶液
0.6ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業(株)製:PVA235)の5%水溶液
150ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業(株)製:PVA245)の5%水溶液
100ml
蛍光増白剤分散液1 32ml
酸化チタン分散液1 30ml
ラテックスエマルジョン(第一工業(株)製:AE−803) 21ml
純水で全量を1000mlに仕上げる。
(第2層用塗布液)
シリカ分散液1をシリカ濃度が10%になるように調整した分散液630mlに40℃で攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
ポリビニルアルコール(クラレ工業(株)製:PVA203)の10%水溶液
0.6ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業(株)製:PVA235)の5%水溶液
150ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業(株)製:PVA245)の5%水溶液
100ml
蛍光増白剤分散液1 50ml
純水で全量を1000mlに仕上げる。
(第3層用塗布液)
シリカ分散液1をシリカ濃度が10%になるように調整した分散液640mlに40℃で攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
ポリビニルアルコール(クラレ工業(株)製:PVA203)の10%水溶液
0.6ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業(株)製:PVA235)の5%水溶液
150ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業(株)製:PVA245)の5%水溶液
100ml
シリコン分散液(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製:BY−22−839) 3.5ml
サポニン50%水溶液 4ml
フッ素系ノニオン性界面活性剤5%水溶液 2ml
純水で全量を1000mlに仕上げる。
〈塗布〉
上記のようにして得られた塗布液を、ポリエチレンで両面を被覆した前記支持体1の表側に、第1層(40μm)、第2層(110μm)、第3層(30μm)の順になるように各層を同時塗布した。かっこ内はそれぞれの湿潤膜厚を示す。塗布は、それぞれの塗布液を40℃で3層式カーテンコーターで同時塗布を行い、塗布直後に8℃に保持した冷却ゾーンで20秒間冷却した後、20〜30℃の風で60秒間、45℃の風で60秒間、50℃の風で60秒間順次乾燥した(恒率乾燥域における皮膜温度は8〜25℃であり、減率乾燥域で皮膜温度は徐々に上昇した)後、記録媒体の含水量が12.0g/m2となるように、23℃、相対湿度60〜80%で調湿して、記録媒体1を得た。
〔記録媒体2〜12の作製〕
記録媒体1の作製において、第1〜3層塗布液のシリカ分散液1をシリカ分散液2〜9に代え、記録媒体の含水量をそれぞれ5.5g/m2、8.0g/m2、18.0g/m2、16.0g/m2、28.5g/m2、12.0g/m2、23.5g/m2、12.0g/m2にした以外は記録媒体1の作製と同様にして、記録媒体2〜9を作製した。次に、第3層塗布液のシリカ分散液1をシリカ分散液7に代えた以外は記録媒体1の作製と同様にして、記録媒体10を得た。次に記録媒体の含水量をそれぞれ4.5g/m2、31.0g/m2にした以外は記録媒体1の作製と同様にして、記録媒体11、12を作製した。
下記表1に得られた記録媒体についてシリカの種類、粉砕分散の有無、分散後のシリカ平均粒径、式(1)の値、含水量を示す。
Figure 2005199636
〔インクジェット画像の評価〕
下記方法でインク吸収性、解像度、画質及び発色性の評価を行った。その結果を表2に示す。
〈インク吸収性〉
カラーインクジェットプリンターPM800C(セイコーエプソン社製)を用いて、前記作製した記録媒体1〜12に、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンのベタ画像を印字し、記録直後(約10秒後)にコピー紙を接触し、インクの記録媒体への吸収性及び紙への転写状況を目視観察し、下記に示す基準により4段階評価を行った。
A:インクの吸収速度が早く、インクがコピー紙に転写されなかった
B:インクの吸収は早いが、インクがわずかにコピー紙に転写された
C:インクの吸収がやや遅く、インクがコピー紙に転写された
D:インクの吸収が遅く、インク溢れが認められる
〈解像度〉
カラーインクジェットプリンターPM800C(セイコーエプソン社製)を用いて、前記作製した記録媒体1〜12に、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの幅100μmのラインを印字し、顕微鏡で50倍に拡大し、下記に示す基準により4段階評価を行った。
A:ドット形状が非常にシャープである
B:ドット形状がシャープである
C:ドット形状が一部崩れているが、実用上問題ないレベル
D:ドット形状を保持していない
〈画質の評価〉
カラーインクジェットプリンターPM800C(セイコーエプソン社製)を用いて、前記作製した記録媒体1〜12に、黄ベタに黒文字画像を印字し、目視にて下記に示す基準により4段階評価を行った。
A:文字の滲みが全くない
B:文字の滲みが僅かに認められるが実技上は問題ないレベル
C:文字の滲みが認められ実技上問題となるレベル
D:許容され得ないレベル
〈発色性の評価〉
カラーインクジェットプリンターPM800C(セイコーエプソン社製)を用いて、前記作製した記録媒体1〜12に、ブラックのベタ画像を印字し、濃度計(X−Rite社製X−Rite938)を用いて反射濃度測定を行った。
Figure 2005199636
表2より明らかなように、本発明のインクジェット用記録媒体を用いて記録したものは、インク吸収性に優れ、解像度、画質、発色性の全ての面で優れた効果を示すことが分かった。

Claims (6)

  1. 支持体上に少なくとも1層のインク吸収層を有するインクジェット記録媒体において、該インク吸収層が粉砕分散された沈降法またはゲル法で製造されたシリカ微粒子を含有し、かつ、該インクジェット記録媒体の含水量が5〜30g/m2であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 前記インクジェット記録媒体の含水量が10〜25g/m2であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 前記シリカ微粒子の平均粒径が100〜350nmであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
  4. 前記シリカ微粒子の平均粒径をy(nm)、該シリカ微粒子1g中の10μm以上の粒子数をx(個)としたとき、前記シリカ微粒子が下式(1)の条件を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
    式(1) 150<y+17×ln(x)<500
  5. 支持体上に少なくとも1層のインク吸収層を有するインクジェット記録媒体の製造方法において、該インク吸収層が粉砕分散された沈降法またはゲル法で製造されたシリカ微粒子を含有し、かつ、該インクジェット記録媒体の含水量が5〜30g/m2になるように該インクジェット記録媒体に加湿処理を施して製造することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体に、水系インクをインクジェットヘッドより液滴として吐出し、記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
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