JP2005199546A - 印刷版材料及びその現像方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鮮明な印刷画像を有し、機上現像性、耐刷性が良好であり、非画線部の汚れも無く、優れた印刷適性を有する印刷版材料及びその現像方法を提供する。
【解決手段】 表面粗さ(Ra)が50nm以上、400nm以下であり、酸化皮膜が3g/m2以上、10g/m2以下であるアルミニウム基材の上に画像形成層を有することを特徴とする印刷版材料及びその現像方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、印刷版材料及びその現像方法に関し、特にコンピューター・トゥー・プレート(CTP)方式により画像形成が可能な印刷版材料及びその現像方法に関する。
印刷データのデジタル化に伴い、安価で取り扱いが容易でPS版と同等の印刷適性を有したCTPが求められている。特に近年、特別な薬剤による現像処理が不要であって、ダイレクトイメージング(DI)機能を備えた印刷機に適用可能であり、また、PS版と同等の使い勝手を有する、汎用タイプのサーマルプロセスレスプレートへの期待が高まっている。
一般的に、サーマルプロセスレスプレートの画像形成に主として用いられるのは近赤外〜赤外線の波長を有するサーマルレーザー記録方式である。この方式で画像形成可能なサーマルプロセスレスプレートには、大きく分けて、後述するアブレーションタイプ、熱融着タイプ、相変化タイプ、及び重合/架橋タイプが存在する。
アブレーションタイプとしては、多数開示されて(例えば、特許文献1〜6参照。)いる。
これらは、例えば、基材上に親水性層と親油性層とをいずれかの層を表層として積層したものである。表層が親水性層であれば、画像様に露光し、親水性層をアブレートさせて画像様に除去して親油性層を露出することで画像部を形成することができる。
熱融着タイプとしては、親水性層もしくはアルミ砂目上に画像形成層に熱可塑性微粒子と水溶性の結合剤とを用いたもの(例えば、特許文献7参照。)が挙げられる。アグファ社製のThermo Liteはこのタイプのプロセスレスプレートである。この方式であれば融着させられるエネルギーが有れば良く、アブレーションタイプ、相変化タイプと比べて、画像形成に必要なエネルギーが少なくて済み、高出力のレーザーを用いれば高速化も可能である。
相変化タイプとしては、印刷時に除去されない親水性層中に、疎水化前駆体粒子を含有させ、露光部を親水性から親油性へと相変化させるというもの(例えば、特許文献8参照。)が挙げられる。
重合/架橋タイプも開示されて(例えば、特許文献9参照。)いる。この方法であればアルミ基材の砂目を利用でき、画像形成層は3次元架橋をする為強固にでき、更には画像層が強固である為にアンカー効果によりアルミ機材と画像形成層との接着性も強固になり、耐刷性が大幅に向上できる。
これらのCTP版材は特別な薬剤による現像処理を行わない方式であるが、現像処理のプロセスが無い分、基材の表面形状が、現像性、耐刷性及び地汚れに与える影響は、従来のPS版や現像処理の必要なサーマルタイプCTP、フォトポリマータイプCTP版と比較して格段に大きくなっている。従来の基材の表面性をそのまま用いると画像形成層の強度と機上現像性のバランスが保てず、印刷機上で現像できない、もしくは機上現像できても地汚れが多い、耐刷性が悪い等の影響が出てしまい、従来の基材表面の特性では印刷性能に限界があった。
機上現像方式の従来技術としては、下記のもの(例えば、特許文献10、11参照。)が挙げられる。
特開平8−507727号公報 特開平6−186750号公報 特開平6−199064号公報 特開平7−314934号公報 特開平10−58636号公報 特開平10−244773号公報 特許2938397号明細書 特開平11−240270号公報 米国特許第6,548,222号明細書 特開2001−260554号公報(第20〜22頁) 特開2001−322365号公報(第3〜4頁)
本発明の目的は、鮮明な印刷画像を有し、機上現像性、耐刷性が良好であり、非画線部の汚れも無く、優れた印刷適性を有する印刷版材料及びその現像方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
表面粗さ(Ra)が50nm以上、400nm以下であり、酸化皮膜が3g/m2以上、10g/m2以下であるアルミニウム基材の上に画像形成層を有することを特徴とする印刷版材料。
(請求項2)
該アルミニウム基材の上に光熱変換素材を含有する層を少なくとも一層有することを特徴とする請求項1に記載の印刷版材料。
(請求項3)
機上現像性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷版材料。
(請求項4)
請求項3に記載の印刷版材料を機上現像することを特徴とする現像方法。
本発明により、鮮明な印刷画像を有し、機上現像性、耐刷性が良好であり、非画線部の汚れも無く、優れた印刷適性を有する印刷版材料及びその現像方法を得た。
本発明を更に詳しく説明する。本発明の印刷版材料は、表面に粗面化処理を施したアルミニウム基材上に、画像形成層を塗設し、印刷機上で現像できる印刷版材料である。
本発明における機上現像とは、通常のオフセット印刷機に露光済みの印刷版材料を取り付けて印刷を行った際、版面に与えられた湿し水と印刷インクの作用により印刷版材料の未露光領域の画像形成層が印刷の初期に選択的に除去されることを意味している。
(基材)
基材としては、印刷版の基板として使用される公知のアルミニウム材料を使用することができる。基材の厚さとしては、印刷機に取り付け可能であれば特に制限されるものではないが、50〜500μmのものが一般的に取り扱いやすい。
アルミニウム板は、通常その表面に存在する圧延・巻取り時に使用されたオイルを除去するためにアルカリ、酸、溶剤等で脱脂した後に使用される。脱脂処理としては特にアルカリ水溶液による脱脂が好ましい。アルミニウム板は表面を粗面化したものを用いるのが普通である。アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。本発明において、酸化皮膜の量は3g/m2以上、10g/m2以下であることを特徴とする。3.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。また、10g/m2を超えるとレーザー光の乱反射によって熱の伝導が均一でなくなり、画像品質の劣化が顕著になる。
アルミニウム機材は陽極酸化処理のみでも構わないが、従来用いられてきた表面処理を行ってもよい。例えばベーマイト処理やポアワイド処理の単独処理及び下記に示すような組み合わせ処理を挙げることが出来る。ベーマイト化処理の条件としては、アルミニウム板に陽極酸化処理を行った後、熱水、水蒸気で処理を行うことも出来るが、好ましくは酢酸アンモニウム、ケイ酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、重クロム酸塩等の水溶液に浸漬することが好ましい。処理時の温度としては70〜100℃、好ましくは75〜90℃であり、処理時間は5〜120秒、好ましくは10〜90秒である。水溶液のpHとしては7〜11であり、好ましくは7.5〜10.5である。温度、時間が不足したり、pHが低かった場合はアルミニウム板の表面処理が十分に行われず、逆に温度、時間が多過ぎたり、pHが高過ぎる場合はアルミニウムの溶解が起こり、粗面化を行った効果が失われる。これらの条件の範囲内であればアルミニウム表面にベーマイト(Al23(H2O))の構造が形成される。
ポアワイド処理の条件としては、酸で処理を行う場合、硫酸、リン酸などの無機酸またはこれらの混合物の水溶液を用いることが好ましく、濃度としては10〜500g/Lが好ましく、20〜100g/Lがより好ましい。温度としては20〜90℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。浸漬時間は10〜300秒が好ましく、30〜120秒がより好ましい。また、アルカリ水溶液で処理を行う場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウムから選ばれた少なくとも1種類の水溶液を用いることが好ましく、水溶液のpHとしては11〜13が好ましく、11.5〜12.5がより好ましい。温度としては20℃〜90℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。浸漬時間としては10〜300秒が好ましく、30〜120秒がより好ましい。
また、本発明は各処理の後に、更に親水性化合物で浸漬処理を行っても良い。好適に用いられる親水性化合物としては、クエン酸、カルボキシメチルセルロース、キトサン、プルラン、アルギン酸、シュウ酸、フタル酸、ギ酸、フィチン酸、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム、グリシン、ポリビニルホスホン酸、その他糖類化合物、及びこれらのナトリウム塩を挙げることができる。pHは7〜11が好ましく、温度は60〜100℃が好ましく、処理時間は5〜120秒が好ましい。
本発明はこれらの処理を行った後の画像形成層の塗布前の表面粗さ(Ra)が50nm以上、400nm以下であることを特徴とする。本発明に用いる基材の表面粗さは、通常のPS版などよりも平滑性を高めている。これにより極短時間に少量の湿し水とインキにより飛躍的に機上現像性を向上させることが可能となる。50nm未満だと機上現像性は良好になるが、画像形成層の接着力が弱くなり耐刷性が劣化し、400nmを超えると画像形成層の接着性が上がり耐刷性は向上するが、機上現像性と地汚れが劣化してしまう。また、裏面のすべり性を制御する(例えば版胴表面との摩擦係数を低減させる)目的で、裏面コート層を設けた基材も好ましく使用することができる。
(親水性層)
本発明はアルミニウム基材と画像形成層の間に親水性層を有しても良い。親水性層は一層であっても良いし、複数の層から形成されていても良い。この親水性層を塗設することにより、従来よりもレーザー光を効率よく熱に変換することができ、親水性層と画像形成層との界面を強固に結合させ、なおかつ画像形成層自体を十分に硬化させることが可能となる。
親水性層の付量としては、0.1〜10g/m2が好ましく、0.2〜5g/m2がより好ましい。
親水性層に用いられる親水性素材としては、金属酸化物が好ましい。金属酸化物としては、金属酸化物微粒子を含むことが好ましい。例えば、コロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物のゾルが挙げられる。該金属酸化物微粒子の形態としては、球状、針状、羽毛状、その他の何れの形態でも良い。平均粒径としては、3〜100nmであることが好ましく、平均粒径が異なる数種の金属酸化物微粒子を併用することもできる。又、粒子表面に表面処理がなされていても良い。
上記金属酸化物微粒子はその造膜性を利用して結合剤としての使用が可能である。有機の結合剤を用いるよりも親水性の低下が少なく、親水性層への使用に適している。
本発明には、上記の中でも特にコロイダルシリカが好ましく使用できる。コロイダルシリカは比較的低温の乾燥条件であっても造膜性が高いという利点があり、炭素原子を含まない素材が91質量%以上というような層においても良好な強度を得ることができる。
上記コロイダルシリカとしては、平均粒径20nm以下の微粒子コロイダルシリカを含むことが好ましく、さらに、コロイダルシリカはコロイド溶液としてアルカリ性を呈することが好ましい。
また、コロイダルシリカは粒子径が小さいほど結合力が強くなることが知られており、本発明には平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカを用いることが好ましく、3〜15nmであることが更に好ましい。又、前述のようにコロイダルシリカの中ではアルカリ性のものが地汚れ発生を抑制する効果が高いため、アルカリ性のコロイダルシリカを使用することが特に好ましい。
平均粒径がこの範囲にあるアルカリ性のコロイダルシリカとしては日産化学社製の「スノーテックス−20(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−30(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−40(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−N(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス−S(粒子径8〜11nm)」、「スノーテックス−XS(粒子径4〜6nm)」が挙げられる。
本発明の印刷版材料の親水性層は金属酸化物として多孔質金属酸化物粒子を含むことが好ましい。多孔質金属酸化物粒子としては、後述する多孔質シリカ又は多孔質アルミノシリケート粒子もしくはゼオライト粒子を好ましく用いることができる。
(多孔質シリカ多孔質シリカ又は多孔質アルミノシリケート粒子)
多孔質シリカ粒子は一般に湿式法又は乾式法により製造される。湿式法ではケイ酸塩水溶液を中和して得られるゲルを乾燥、粉砕するか、中和して析出した沈降物を粉砕することで得ることができる。乾式法では四塩化珪素を水素と酸素と共に燃焼し、シリカを析出することで得られる。これらの粒子は製造条件の調整により多孔性や粒径を制御することが可能である。
多孔質シリカ粒子としては、湿式法のゲルから得られるものが特に好ましい。
多孔質アルミノシリケート粒子は例えば特開平10−71764号に記載されている方法により製造される。即ち、アルミニウムアルコキシドと珪素アルコキシドを主成分として加水分解法により合成された非晶質な複合体粒子である。粒子中のアルミナとシリカの比率は1:4〜4:1の範囲で合成することが可能である。又、製造時にその他の金属のアルコキシドを添加して3成分以上の複合体粒子として製造したものも本発明に使用できる。これらの複合体粒子も製造条件の調整により多孔性や粒径を制御することが可能である。
粒子の多孔性としては、分散前の状態で細孔容積で1.0ml/g以上であることが好ましく、1.2ml/g以上であることがより好ましく、1.8〜2.5ml/g以下であることが更に好ましい。
細孔容積は塗膜の保水性と密接に関連しており、細孔容積が大きいほど保水性が良好となって印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなるが、2.5ml/gよりも大きくなると粒子自体が非常に脆くなるため塗膜の耐久性が低下する。細孔容積が1.0ml/g未満の場合には、印刷時の汚れにくさ、水量ラチチュードの広さが不充分となる。
粒径としては、親水性層に含有されている状態で(例えば分散時に破砕された場合も含めて)、実質的に1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることが更に好ましい。不必要に粗大な粒子が存在すると親水性層表面に多孔質で急峻な突起が形成され、突起周囲にインクが残りやすくなって非画線部汚れやブランケット汚れが劣化する場合がある。
(ゼオライト粒子)
ゼオライトは結晶性のアルミノケイ酸塩であり、細孔径が0.3〜1nmの規則正しい三次元網目構造の空隙を有する多孔質体である。天然及び合成ゼオライトを合わせた一般式は、次のように表される。
(M1、M21/2)m(AlmSin2(m+n))・xH2
ここで、M1、M2は交換性のカチオンであって、M1はLi+、Na+、K+、Tl+、Me4+(TMA)、Et4+(TEA)、Pr4+(TPA)、C7152+、C816+等であり、M2はCa2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+、C8182 2+等である。また、n≧mであり、m/nの値つまりはAl/Si比率は1以下となる。Al/Si比率が高いほど固体酸点が多いと考えられるため極性が高く、従って親水性も高いといえる。好ましいAl/Si比率は0.4〜1.0であり、更に好ましくは0.8〜1.0である。xは整数を表す。
本発明で使用するゼオライト微粒子としては、Al/Si比率が安定しており、また粒径分布も比較的シャープである合成ゼオライトが好ましく、例えば、ゼオライトA:Na12(Al12Si1248)・27H2O;Al/Si比率1.0、ゼオライトX:Na86(Al86Si106384)・264H2O;Al/Si比率0.811、ゼオライトY:Na56(Al56Si136384)・250H2O;Al/Si比率0.412等が挙げられる。
Al/Si比率が0.4〜1.0である親水性の高い多孔質粒子を含有することで親水性層自体の親水性も大きく向上し、印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなる。又、指紋跡の汚れも大きく改善される。Al/Si比率が0.4未満では親水性が不充分であり、上記性能の改善効果が小さくなる。
多孔質無機粒子の粒径としては、親水性層に含有されている状態で、実質的に1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることが更に好ましい。
また、本発明の印刷版材料の親水性層は金属酸化物として、層状粘土鉱物粒子を含んでもよい。該層状鉱物粒子としては、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サボナイト等)、バーミキュライト、マイカ(雲母)、クロライトといった粘土鉱物及び、ハイドロタルサイト、層状ポリケイ酸塩(カネマイト、マカタイト、アイアライト、マガディアイト、ケニヤアイト等)等が挙げられる。中でも、単位層(ユニットレイヤー)の電荷密度が高いほど極性が高く、親水性も高いと考えられる。好ましい電荷密度としては0.25以上、更に好ましくは0.6以上である。このような電荷密度を有する層状鉱物としては、スメクタイト(電荷密度0.25〜0.6;陰電荷)、バーミキュライト(電荷密度0.6〜0.9;陰電荷)等が挙げられる。特に、合成フッ素雲母は粒径等安定した品質のものを入手することができ好ましい。又、合成フッ素雲母の中でも、膨潤性であるものが好ましく、自由膨潤であるものが更に好ましい。
又、上記の層状鉱物のインターカレーション化合物(ピラードクリスタル等)や、イオン交換処理を施したもの、表面処理(シランカップリング処理、有機バインダとの複合化処理等)を施したものも使用することができる。
平板状層状鉱物粒子のサイズとしては、層中に含有されている状態で(膨潤工程、分散剥離工程を経た場合も含めて)、平均粒径(粒子の最大長)が20μm以下であり、又平均アスペクト比(粒子の最大長/粒子の厚さ)が20以上の薄層状であることが好ましく、平均粒径が5μm以下であり、平均アスペクト比が50以上であることが更に好ましく、平均粒径が1μm以下であり、平均アスペクト比が50以上であることが更に好ましい。粒子サイズが上記範囲にある場合、薄層状粒子の特徴である平面方向の連続性及び柔軟性が塗膜に付与され、クラックが入りにくく乾燥状態で強靭な塗膜とすることができる。また、粒子物を多く含有する塗布液においては、層状粘土鉱物の増粘効果によって、粒子物の沈降を抑制することができる。粒子径が上記範囲をはずれると、引っかきによるキズ抑制効果が低下する場合がある。又、アスペクト比が上記範囲以下である場合、柔軟性が不充分となり、同様に引っかきによるキズ抑制効果が低下する場合がある。
層状鉱物粒子の含有量としては、層全体の0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。特に膨潤性合成フッ素雲母やスメクタイトは少量の添加でも効果が見られるため好ましい。層状鉱物粒子は、塗布液に粉体で添加してもよいが、簡便な調液方法(メディア分散等の分散工程を必要としない)でも良好な分散度を得るために、層状鉱物粒子を単独で水に膨潤させたゲルを作製した後、塗布液に添加することが好ましい。
本発明の親水性層にはその他の添加素材として、ケイ酸塩水溶液も使用することができる。ケイ酸Na、ケイ酸K、ケイ酸Liといったアルカリ金属ケイ酸塩が好ましく、そのSiO2とアルカリ金属の酸化物との比率はケイ酸塩を添加した際の塗布液全体のpHが13を超えない範囲となるように選択することが無機粒子の溶解を防止する上で好ましい。
また、金属アルコキシドを用いた、いわゆるゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーも使用することができる。ゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーの形成については、例えば「ゾル−ゲル法の応用」(作花済夫著/アグネ承風社発行)に記載されているか、又は本書に引用されている文献に記載されている公知の方法を使用することができる。
また、本発明は親水性層中に親水性有機樹脂を含有することも出来る。親水性有機樹脂としては、例えばポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられる。
又、カチオン性樹脂を含有しても良く、カチオン性樹脂としては、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンポリアミン等のようなポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙げられる。カチオン性樹脂は微粒子状の形態で添加しても良い。これは、例えば特開平6−161101号に記載のカチオン性マイクロゲルが挙げられる。
本発明のより好ましい態様としては、親水性層中に含有される親水性有機樹脂は水溶性であり、かつ、少なくともその一部が水溶性の状態のまま、水に溶出可能な状態で存在することが挙げられる。水溶性の素材であっても、架橋剤等によって架橋し、水に不溶の状態になると、その親水性は低下して印刷性能を劣化させる懸念がある。
本発明の親水性層に含有される水溶性素材としては、糖類が好ましい。親水性層に糖類を含有させることにより、後述する画像形成能を有する機能層との組み合わせにおいて、画像形成の解像度を向上させたり、耐刷性を向上させたりする効果が得られる。
糖類としては、後に詳細に説明するオリゴ糖を用いることもできるが、特に多糖類を用いることが好ましい。
多糖類としては、デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルランなどが使用可能であるが、特にメチルセルロース塩、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩等のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩がより好ましい。
これは、親水性層に多糖類を含有させることにより、親水性層の表面形状を好ましい状態に形成する効果が得られるためである。
親水性層の表面は、PS版のアルミ砂目のように0.1〜50μmピッチの凹凸構造を有することが好ましく、この凹凸により保水性や画像部の保持性が向上する。
このような凹凸構造は、親水性層に適切な粒径のフィラーを適切な量含有させて形成することも可能であるが、親水性層の塗布液に前述のアルカリ性コロイダルシリカと前述の水溶性多糖類とを含有させ、親水性層を塗布、乾燥させる際に相分離を生じさせて形成することがより良好な印刷性能を有する構造を得ることができ、好ましい。
凹凸構造の形態(ピッチ及び表面粗さなど)はアルカリ性コロイダルシリカの種類及び添加量、水溶性多糖類の種類及び添加量、その他添加材の種類及び添加量、塗布液の固形分濃度、ウエット膜厚、乾燥条件等で適宜コントロールすることが可能である。
凹凸構造のピッチとしては0.2〜30μmであることがより好ましく、0.5〜20μmであることが更に好ましい。又、ピッチの大きな凹凸構造の上に、それよりもピッチの小さい凹凸構造が形成されているような多重構造の凹凸構造が形成されていてもよい。
表面粗さとしては、Raで100〜1000nmが好ましく、150〜600nmがより好ましい。
また、親水性層の膜厚としては、0.01〜50μmであり、好ましくは0.2〜10μmであり、更に好ましくは0.5〜3μmである。
また、本発明の親水性層(の塗布液)には、塗布性改善等の目的で水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、又はF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。該界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
また、本発明の親水性層はリン酸塩を含むことができる。本発明では親水性層の塗布液がアルカリ性であることが好ましいため、リン酸塩としてはリン酸三ナトリウムやリン酸水素二ナトリウムとして添加することが好ましい。リン酸塩を添加することで、印刷時の網の目開きを改善する効果が得られる。リン酸塩の添加量としては、水和物を除いた有効量として、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%が更に好ましい。
(光熱変換素材)
本発明は、アルミニウム基材上に光熱変換素材を含有する層を有することが好ましい。本発明に用いられる光熱変換素材としては、下記のような素材を挙げることができる。
一般的な赤外吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、特開平11−240270号、特開平11−265062号、特開2000−309174号、特開2002−49147号、特開2001−162965号、特開2002−144750号、特開2001−219667号に記載の化合物も好ましく用いることができる。
顔料としては、カーボン、グラファイト、金属、金属酸化物等が挙げられる。
カーボンとしては特にファーネスブラックやアセチレンブラックの使用が好ましい。粒度(d50)は100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。
グラファイトとしては粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子を使用することができる。
金属としては粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子であれば何れの金属であっても使用することができる。形状としては球状、片状、針状等何れの形状でも良い。特にコロイド状金属微粒子(Ag、Au等)が好ましい。
金属酸化物としては、可視光域で黒色を呈している素材、または素材自体が導電性を有するか、半導体であるような素材を使用することができる。
前者としては、黒色酸化鉄や二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物が挙げられる。
後者としては、例えば、SbをドープしたSnO2(ATO)、Snを添加したIn23(ITO)、TiO2、TiO2を還元したTiO(酸化窒化チタン、一般的にはチタンブラック)などが挙げられる。また、これらの金属酸化物で芯材(BaSO4、TiO2、9Al23・2B2O、K2O・nTiO2等)を被覆したものも使用することができる。これらの粒径は0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。
これらの光熱変換素材のうち黒色酸化鉄や二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物がより好ましい素材として挙げられる。
黒色酸化鉄(Fe34)としては、平均粒子径0.01〜1μmであり、針状比(長軸径/短軸径)が1〜1.5の範囲の粒子であることが好ましく、実質的に球状(針状比1)であるか、もしくは、八面体形状(針状比約1.4)を有していることが好ましい。
このような黒色酸化鉄粒子としては、例えば、チタン工業社製のTAROXシリーズが挙げられる。球状粒子としては、BL−100(粒径0.2〜0.6μm)、BL−500(粒径0.3〜1.0μm)等を好ましく用いることができる。また、八面体形状粒子としては、ABL−203(粒径0.4〜0.5μm)、ABL−204(粒径0.3〜0.4μm)、ABL−205(粒径0.2〜0.3μm)、ABL−207(粒径0.2μm)等を好ましく用いることができる。
さらに、これらの粒子表面をSiO2等の無機物でコーティングした粒子も好ましく用いることができ、そのような粒子としては、SiO2でコーティングされた球状粒子:BL−200(粒径0.2〜0.3μm)、八面体形状粒子:ABL−207A(粒径0.2μm)が挙げられる。
黒色複合金属酸化物としては、具体的には、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sb、Baから選ばれる二種以上の金属からなる複合金属酸化物である。これらは、特開平8−27393号公報、特開平9−25126号公報、特開平9−237570号公報、特開平9−241529号公報、特開平10−231441号公報等に開示されている方法により製造することができる。
本発明に用いる複合金属酸化物としては、特にCu−Cr−Mn系またはCu−Fe−Mn系の複合金属酸化物であることが好ましい。Cu−Cr−Mn系の場合には、6価クロムの溶出を低減させるために、特開平8−27393号公報に開示されている処理を施すことが好ましい。これらの複合金属酸化物は添加量に対する着色、つまり、光熱変換効率が良好である。
これらの複合金属酸化物は平均1次粒子径が1μm以下であることが好ましく、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることがより好ましい。平均1次粒子径が1μm以下とすることで、添加量に対する光熱変換能がより良好となり、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲とすることで添加量に対する光熱変換能がより良好となる。ただし、添加量に対する光熱変換能は、粒子の分散度にも大きく影響を受け、分散が良好であるほど良好となる。したがって、これらの複合金属酸化物粒子は、層の塗布液に添加する前に、別途公知の方法により分散して、分散液(ペースト)としておくことが好ましい。平均1次粒子径が0.01未満となると分散が困難となるため好ましくない。分散には適宜分散剤を使用することができる。分散剤の添加量は複合金属酸化物粒子に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
これらの中で、本発明においては色素を用いることが好ましく、可視光での着色の少ない色素を用いることがより好ましい。
光熱変換素材は、アルミニウム基材上に単体で塗設しても良いし、親水性層や画像形成層中に含有させても良い。
(画像形成層)
画像形成層は、赤外線レーザーによる露光によって発生する熱により画像形成するものである。本発明の画像形成層は、親水性有機樹脂を含有することを特徴とする。
使用可能な素材としては、油変性アルキド樹脂、ビニル変性アルキド樹脂、エポキシ変性アルキド樹脂、メラミン樹脂、シリコン・アクリル樹脂、エポキシアクリル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、オリゴ糖、多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
本発明は、熱溶融性微粒子および熱融着性微粒子を含有させることもできる。これらは一般的にワックスとして分類される素材で形成された微粒子である。物性としては、軟化点40℃以上120℃以下、融点60℃以上150℃以下であることが好ましく、軟化点40℃以上100℃以下、融点60℃以上120℃以下であることが更に好ましい。融点が60℃未満では保存性が問題であり、融点が300℃よりも高い場合はインク着肉感度が低下する。
使用可能な素材としては、パラフィン、ポリオレフィン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、脂肪酸系ワックス等が挙げられる。これらは分子量800から10000程度のものである。又、乳化しやすくするためにこれらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基などの極性基を導入することもできる。更には、軟化点を下げたり作業性を向上させるためにこれらのワックスにステアロアミド、リノレンアミド、ラウリルアミド、ミリステルアミド、硬化牛脂肪酸アミド、パルミトアミド、オレイン酸アミド、米糖脂肪酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド又はこれらの脂肪酸アミドのメチロール化物、メチレンビスステラロアミド、エチレンビスステラロアミドなどを添加することも可能である。又、クマロン−インデン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー、これらの樹脂の共重合体も使用することができる。
これらの中でもポリエチレン、マイクロクリスタリン、脂肪酸エステル、脂肪酸の何れかを含有することが好ましい。これらの素材は融点が比較的低く、溶融粘度も低いため、高感度の画像形成を行うことができる。又、これらの素材は潤滑性を有するため、印刷版材料の表面に剪断力が加えられた際のダメージが低減し、擦りキズ等による印刷汚れ耐性が向上する。
又、熱溶融性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。平均粒径が0.01μmよりも小さい場合、熱溶融性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱溶融性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱溶融性微粒子の平均粒径が10μmよりも大きい場合には、解像度が低下する。
又、熱溶融性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。
被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
層中の熱溶融性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
本発明の熱融着性微粒子としては、熱可塑性疎水性高分子重合体微粒子が挙げられ、高分子重合体微粒子の軟化温度に特定の上限はないが、温度は高分子重合体微粒子の分解温度より低いことが好ましい。高分子重合体の質量平均分子量(Mw)は10、000〜1、000、000の範囲であることが好ましい。
高分子重合体微粒子を構成する高分子重合体の具体例としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−ブタジエン共重合体等のジエン(共)重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合成ゴム類、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、メチルアクリレート−(N−メチロールアクリルアミド)共重合体、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル(共)重合体、酢酸ビニル−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等及びそれらの共重合体が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ビニルエステル(共)重合体、ポリスチレン、合成ゴム類が好ましく用いられる。
高分子重合体微粒子は乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、気相重合法等、公知の何れの方法で重合された高分子重合体からなるものでもよい。溶液重合法又は気相重合法で重合された高分子重合体を微粒子化する方法としては、高分子重合体の有機溶媒に溶解液を不活性ガス中に噴霧、乾燥して微粒子化する方法、高分子重合体を水に非混和性の有機溶媒に溶解し、この溶液を水又は水性媒体に分散、有機溶媒を留去して微粒子化する方法等が挙げられる。又、何れの方法においても、必要に応じ重合あるいは微粒子化の際に分散剤、安定剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の界面活性剤やポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を用いてもよい。
又、熱融着性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。平均粒径が0.01μmよりも小さい場合、熱融着性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱融着性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱融着性微粒子の平均粒径が10μmよりも大きい場合には、解像度が低下する。
又、熱融着性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。
被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
層中の熱可塑性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
また、画像形成層には上述の光熱変換素材を含有させてもよい。さらに画像形成層には、水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、又はF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。該界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
さらに、pH調整のための酸(リン酸、酢酸等)またはアルカリ(水酸化ナトリウム、ケイ酸塩、リン酸塩等)を含有していても良い。
画像形成層の付き量としては、0.01〜10g/m2であり、好ましくは0.1〜3g/m2であり、さらに好ましくは0.2〜2g/m2である。
本発明は、波長が700〜1100nmのレーザーにより露光して画像形成層が親水性層表面に接着するものである。
(保護層)
画像形成層の上層として保護層を設けることもできる。保護層を積層することにより、取り扱い時に版面に衝撃を受けた際、版面を保護することができる。保護層に用いる素材としては、上述の水溶性樹脂、水分散性樹脂を好ましく用いることができる。
また、特開2002−019318号や特開2002−086948号に記載されている親水性オーバーコート層も好ましく用いることができる。
保護層の付き量としては、0.01〜10g/m2であり、好ましくは0.1〜3g/m2であり、さらに好ましくは0.2〜2g/m2である。
(機上現像)
本発明の印刷版材料の好ましい態様である、赤外線レーザーによる架橋又は重合方式の印刷版材料の画像形成層は、赤外線レーザー露光部が架橋又は重合により親油性の画像部となり、未露光部が除去されて非画像部となる。未露光部の除去は、水洗によっても可能であるが、印刷機上で湿し水およびまたはインクを用いて除去する、いわゆる機上現像することが好ましい。
印刷機上での画像形成層の未露光部の除去は、版胴を回転させながら水付けローラーやインクローラーを接触させて行うことができるが、下記に挙げる例のような、もしくは、それ以外の種々のシークエンスによって行うことができる。また、その際には、印刷時に必要な湿し水水量に対して、水量を増加させたり、減少させたりといった水量調整を行ってもよく、水量調整を多段階に分けて、もしくは、無段階に変化させて行ってもよい。
(1)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、インクローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
(2)印刷開始のシークエンスとして、インクローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
(3)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーとインクローラーとを実質的に同時に接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(基材A−1〜9)
標準的な基材の作製方法としては、次に示す条件で処理を行った。
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を、50℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、溶解量が2g/m2になるように溶解処理を行い水洗した後、25℃の0.1質量%塩酸水溶液中に30秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。
次いでこのアルミニウム板を、塩酸10g/L、アルミを0.5g/L含有する電解液により、正弦波の交流を用いて、ピーク電流密度が50A/dm2の条件で電解粗面化処理を行なった。この際の電極と試料表面との距離は10mmとした。電解粗面化処理は下記の回数に分割して行い、各回の粗面化処理の間に5秒間の休止時間を設けた。このようにして下記の表面粗さ(Ra)をそれぞれ得た。
2回処理:40nm、6回処理:250nm、10回処理:410nm
電解粗面化後は、50℃に保たれた1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、粗面化された面のスマット含めた溶解量が1.2g/m2になるようにエッチングし、水洗し、次いで25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。
次いで、20%硫酸水溶液中で、20Vの定電圧条件で下記の電気量となるように陽極酸化処理を行い、さらに水洗し下記の酸化皮膜を得た。
150C/dm2:2g/m2、450C/dm2:6g/m2、900C/dm2:12g/m2
次いで、水洗後の表面水をスクイーズした後、70℃に保たれた1質量%のリン酸二水素ナトリウム水溶液に30秒間浸漬し、水洗を行った後に80℃で5分間乾燥し、基材A−1〜9を得た。
(画像形成層の作製)
(画像形成層塗布液P−1)
水系ポリウレタン樹脂:タケラックW−615
(三井武田ケミカル社製)固形分35質量% 17.1質量部
水系ブロックイソシアネート:タケネートXWB−72−N67
(三井武田ケミカル社製)固形分45質量% 7.1質量部
ポリアクリル酸ナトリウム:アクアリックDL522
(日本触媒社製)の水溶液、固形分10質量% 5.0質量部
光熱変換色素:ADS830AT
(American Dye Source社製)のエタノール溶液、1質量%
30.0質量部
純水 40.8質量部
(画像形成層塗布液P−2)
画像形成層塗布液P−1からADS830ATを除いた以外は、P−1と同一。
(親水性層の作製)
下記組成の素材をホモジナイザを用いて十分に攪拌混合した後、濾過して、固形分15質量%の親水性層の塗布液を作製した。基材1の下引き面A上に親水性層の塗布液を、ワイヤーバーを用いて乾燥後の付量が2.0g/m2となるように塗布し、100℃で3分間乾燥した。次いで、60℃24時間のエイジング処理を行った。
(親水性層)
光熱変換機能を有する金属酸化物粒子
黒色酸化鉄粒子:ABL−207(チタン工業社製、八面体形状、平均粒子径:0.2μm、比表面積:6.7m2/g、Hc:9.95kA/m、σs:85.7Am2/Kg、σr/σs:0.112) 12.50質量部
コロイダルシリカ(アルカリ系) スノーテックス−XS
(日産化学社製、固形分20質量%) 60.62質量部
リン酸三ナトリウム・12水(関東化学社製試薬)の10質量%の水溶液
1.13質量部
水溶性キトサン フローナックS(共和テクノス社製)の10質量%の水溶液
2.50質量部
界面活性剤:サーフィノール465(エアプロダクツ社製)の1質量%の水溶液
1.25質量部
純水 22.00質量部
印刷版材料の作製
印刷版材料1〜10
表1に示す構成で印刷版材料を作製した。作製時の条件としては、画像層をワイヤーバーを用いて塗布を行い、乾燥し、その後エイジング処理を行ない、印刷版材料を得た。
画像形成層 :乾燥付き量1.50g/m2、乾燥条件55℃/3分
エイジング条件:40℃/24時間
(赤外線レーザー露光による画像形成)
得られた印刷版材料1〜10を露光ドラムに巻付け固定した。露光には波長830nm、スポット径が約20μmのレーザービームものを用い、露光エネルギーを250mJ/cm2として、2400dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)、175線で画像を形成した。露光した画像はベタ画像と1〜99%の網点画像とを含むものである。
(印刷方法)
印刷機:三菱重工業(株)製DAIYA1F−1を用いて、コート紙、湿し水:アストロマーク3(日研化学研究所製) 2質量%、インク(東洋インク社製TKハイユニティ紅)を使用して印刷を行った。印刷版材料は露光後そのままの状態で版胴に取り付け、PS版と同じ刷り出しシークエンスを用いて印刷した。
(評価方法)
刷り出し枚数
印刷版を印刷機にセットして印刷を開始するし、ベタ画像部、非画線部ともに濃度が安定した最初の印刷物の枚数を刷り出し枚数とした。10枚以下のものを合格とした。
耐刷性
3%網点画像が欠け始めた時点の印刷枚数を耐刷性の指標とした。100,000枚以上耐刷性のあるものを合格とした。
非画線部汚れ
印刷物のレーザーで露光していない部分(非画線部)の濃度を測定し、Macbeth RD918を用いてMのモードで測定した値が0.10未満であるものを合格とした。
Figure 2005199546
表1から、本発明の印刷版材料は鮮明な印刷画像を有し、機上現像性、耐刷性が良好であり、非画線部の汚れも無く、優れた印刷適性を有していることがわかる。

Claims (4)

  1. 表面粗さ(Ra)が50nm以上、400nm以下であり、酸化皮膜が3g/m2以上、10g/m2以下であるアルミニウム基材の上に画像形成層を有することを特徴とする印刷版材料。
  2. 該アルミニウム基材の上に光熱変換素材を含有する層を少なくとも一層有することを特徴とする請求項1に記載の印刷版材料。
  3. 機上現像性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷版材料。
  4. 請求項3に記載の印刷版材料を機上現像することを特徴とする現像方法。
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