JP2005198431A - インバータ装置、省エネルギサービス提供システム、および省エネルギサービス提供方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 顧客が使用するインバータ装置60に、演算処理部73と演算結果を出力する出力部77,78とを備え、インバータ制御運転データを演算すると共に、インバータ導入前の消費電力データを取得して、省消費電力に応じたメリット料金データを上記演算処理部73にて演算して出力部77,78より出力することにより、サービス提供者側の遠隔監視装置を要することなく料金の演算が行え、顧客は速やかに料金を確認して支払処理が行える。
【選択図】 図1
Description
以下、この発明の実施の形態1による省エネルギサービス提供システムを図に基づいて説明する。図1は、省エネルギサービス提供システムを説明する図であり、契約者Aと契約者Bとファイナンス会社との会社間おける対象機器の運転情報、相互の契約と費用支払い、保守作業等の流れを示す。
省エネルギサービス提供契約において、契約者Aは、電動機3、4を含む対象負荷設備を保有し、省エネルギサービス(以下、省エネサービスと称す)を希望する顧客(ユーザ)である。対象負荷設備とは、工場などで使用されるファンあるいはブロア1、ポンプ2などを有する設備で、これらは生産や製造の主要設備でなく、消費電力が大きいにもかかわらず、省エネ対策が比較的遅れている部分でもある。これらの設備には各種の電動機3、4が駆動源として使用されている。そこで、契約者Aはこれらの設備や機器にできるだけ投資をしないで省エネを図りたいという希望を持っている。また契約者Bは、省エネルギ用設備の設計、製造者で、契約者Aへの省エネサービス提供者である。契約者当事者の一方である契約者Bは、インバータ装置60(60a、60b)と新しい電動機3、4の組合せ、または、インバータ装置60単独を、省エネを希望する契約者Aに搬入する(矢印71)。この場合、契約者Aと契約者Bとが合意すれば、インバータ装置60、電動機3、4のみならず、それとともに使用されるポンプ2、ファンあるいはブロア1なども新設備に交換することができる。
なお、矢印63は、契約者A側のインバータ装置60からファイナンス会社へのメリット料金データの伝送処理を示し、65はファイナンス会社に備えられた料金請求側処理装置としての処理装置で、インバータ装置60と図示しない通信システムにより接続される。そして、この処理装置65から支払確認書を契約者Aに送付する料金確認処理(矢印66)を行う。なお、メリット料金データについての詳細は後述する。
図に示すように、系統31からの電力は、遮断機32、降圧用変圧器33を介して電動機3に供給される。電動機3に供給される電流、電圧は、CT42、PT43から計測される。また、負荷設備1に備えられた風量検出器36により負荷の風量が検出される。これらの計測された信号、検出された信号は、インバータ装置導入前の消費電力量計測用に仮設置された制御装置79aの演算回路73に入力される。この制御装置79aは、後述するインバータ装置60の制御装置79と同一又は同一機能の装置である。収集された各種データは、演算回路73にて集計され、消費電力量が計算され、そのデータに基づきインバータ装置導入前の制御量(風量又は流量)に対する消費電力稼動データが計算され、その結果は、メンテナンスツール(PC)74と記憶回路76に送られ記憶される。
演算された消費電力稼動データは、通信システム、例えば出力部としてのモデム(modem)77あるいは契約者AのLAN78を介してe−mailまたは、インターネットにより契約者Aが保有するWebモニタ等の、受信装置80及び表示装置81を備えた処理装置82に送られ、契約者Aに伝えられる。この自動送信は1回/日で充分であるが、時々刻々行うようにしてもよい。
図に示すように、系統31からの電力は、遮断機32、降圧用変圧器33を介してインバータ装置60に入力される。インバータ装置60は、整流回路51、コンデンサ52およびインバータ53で構成される電力変換回路と制御装置79とを備えて、電動機3をインバータ制御による可変速駆動して風量制御運転を行い、制御装置79内の演算回路73にて、このときの消費電力を求める。なお上述したように、インバータ導入前のデータ計測に用いた制御装置79aは、ここで用いる制御装置79と同じものを用いて、制御装置79内のインバータ制御に係わる部分を動作させないで、制御装置79aに相当する部分のみを動作させても良い。
また、演算回路73は、メンテナンスツール(PC)74に予め記憶されていたインバータ導入前の消費電力稼動データを入力して、導入後との消費電力差に応じたメリット料金データを演算する。
さらに、メリット料金は出力部77、78から出力され、図1に示すように、ファイナンス会社に備えられた処理装置65に送信される。
また、ファイナンス会社に備えられた処理装置65では、メリット料金データを受信し、予め設定された契約内容に基づいて請求料金データを演算し、支払料金の確認のために、この請求料金データをユーザ処理装置91に送信する。
契約者Bであるサービス提供者は、省エネを希望する契約者A(顧客)の設備に対し、インバータ装置60を導入する前の消費電力を、インバータ装置60内の制御装置79を用い、あるいは同様の制御装置79aを仮設置して測定する。あるいは種々の変動要因を考慮してその消費電力を修正し、メンテナンスツール74を用いてこの設備の現状の消費電力と制御量(風量又は、流量)の関係パターンを求める。このデータ及び計算結果を契約者Aに示す。演算回路73で収集、演算した契約者Aの消費電力データに基づいて、インバータ装置導入前の制御量と設備の消費電力パターンをメンテナンスツール74で演算し規定する。この特性がインバータ装置導入前の契約条件となる。
省エネルギ運転設備としてインバータ装置60を導入した後は、インバータ装置60による電動機3、4の回転数制御による新しい設備、機器の消費電力量は、インバータ装置60の制御装置79内の演算回路73によって計算され、制御量(風量又は、流量)と電力使用量の関係がインバータ制御運転データから求められる。この運転データとインバータ装置導入前の消費電力量パターンに基づいて、省消費電力量に応じたメリット料金が求められる。
以上のように、演算回路73により設備の稼動状況を示すパラメータ(例:風量、流量等)と、その時の消費電力とを収集、演算し、その結果から図5に示すような省エネ前の契約条件カ−ブを作成し、契約条件とする。図5は、風量(%)と電力KWとの関係を示し、省エネ前の契約条件例となる。
そして、省消費電力量に単位当りの電力料金を掛けることによってメリット料金を求め、このメリット料金に対して、契約者A、B、ファイナンス会社との間で取り決めた内容を反映した形でメリット料金を配分する。
さらに、ファイナンス会社が所有する処理装置にメリット料金データを伝送するため、ファイナンス会社は、料金確認処理が速やかに行える。また、顧客は、表示手段を備えた処理装置にて、顧客自身が使用するインバータ装置からメリット料金データを取得でき、支払料金を容易に確認できるため、支払処理が速やかに行える。
また、契約者Bがファイナンス会社に設備を売却して、ファイナンス会社を介して契約者Aにインバータ設備を導入すると、契約者Bは設備売却時に一括して利益を得られ、保守管理などを除けばその後の手間がかからず、契約者Bにとって効率的に利益を上げられるシステムとなる。
60(60a,60b) インバータ装置、63 メリット料金伝送処理、
65 料金請求側処理装置としての処理装置、66 料金確認処理、73 演算回路、
77,78 出力部、79,79a 制御装置、90 表示装置、
91 ユーザ処理装置。
Claims (8)
- 電動機を含む対象負荷設備に導入し該電動機の制御運転を行うインバータ装置において、該インバータ装置導入前の上記対象負荷設備の消費電力データを推定演算する手段、および上記電動機のインバータ制御運転データを演算し、該インバータ制御運転データと上記推定演算された消費電力データとに基づいて両者の消費電力差による省消費電力に応じたメリット料金データを演算する手段を有した演算処理部と、上記メリット料金データを出力する出力部とを備えたことを特徴とするインバータ装置。
- 電動機を含む対象負荷設備に導入し該電動機の制御運転を行うインバータ装置において、上記電動機のインバータ制御運転データを演算し、該インバータ装置導入前の上記対象負荷設備の消費電力データを外部から取得して、該消費電力データと上記インバータ制御運転データとに基づいて両者の消費電力差による省消費電力に応じたメリット料金データを演算する演算処理部と、上記メリット料金データを出力する出力部とを備えたことを特徴とするインバータ装置。
- 顧客が所有する電動機を含む対象負荷設備に導入された請求項1または2記載のインバータ装置と、該インバータ装置と通信システムを介して接続された料金請求側処理装置と、出力された上記メリット料金データを上記料金請求側処理装置に上記通信システムを介して伝送する伝送手段とを備えたことを特徴とする省エネルギサービス提供システム。
- 出力された上記メリット料金データと予め設定された契約内容とに基づいて支払料金を演算する手段と、該支払料金データあるいは、該支払料金データと上記メリット料金データとの双方を表示する表示手段とを備えた顧客側処理装置を備えたことを特徴とする請求項3記載の省エネルギサービス提供システム。
- 料金請求側処理装置は、取得した上記メリット料金データと予め設定された上記契約内容とに基づいて請求料金データを演算する手段と、該請求料金データを上記顧客側処理装置に送信する料金確認手段とを備えたことを特徴とする請求項4記載の省エネルギサービス提供システム。
- 上記料金請求側処理装置は、ファイナンス会社が有し、予め設定された上記契約内容は、該ファイナンス会社、上記インバータ装置の導入者、及び上記顧客の間で取り決められた内容であることを特徴とする請求項4または5記載の省エネルギサービス提供システム。
- 顧客が所有する電動機を含む対象負荷設備の稼働状況から消費電力データを演算するステップと、上記対象負荷設備に演算処理部を備えたインバータ装置を導入し、該インバータ装置による上記電動機の制御運転を行ってインバータ制御運転データを求めて、該インバータ制御運転データと上記消費電力データとに基づいて両者の消費電力差による省消費電力に応じたメリット料金データを上記演算処理部にて演算するステップと、上記メリット料金データを通信システムを介して上記インバータ装置から料金請求側処理装置に伝送するステップとを備えて、予め設定された契約内容に基づいて上記メリット料金データの反映された料金請求を行う省エネルギサービス提供方法。
- 上記料金請求側処理装置は、ファイナンス会社が有し、予め設定された上記契約内容は、該ファイナンス会社、上記インバータ装置の導入者、及び上記顧客の間で取り決められた内容であることを特徴とする請求項7記載の省エネルギサービス提供方法。
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