JP2024061239A - 充電費用還元システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電力契約に係る電力使用が短時間で大きく上昇することを回避する充電方法を提供すること。【解決手段】EV車両への充電が行われた際の充電器の出力値である充電出力値を取得するステップ(S406)と、充電器の充電出力値に基づいて、充電に関する充電料金の少なくとも一部を還元するための還元料を決定するステップ(S408)と、決定された還元料を含む還元情報を出力するステップ(S410)と、を含む方法。【選択図】図10

Description

本発明は、EV車両の充電費用還元システムに関する。
近年において、電力によって走行するEV(電気自動車)車両が一般的になりつつあり、自動車のディーラーや小売店の店舗などにはEV車両を充電するための充電器を備えているところが増えてきている(例えば特許文献1)。
特開2014-193013号公報
ところで、現状においては、EV車両の充電料金はいくつかの事業者の充電専用のカード(充電カード)を用いるか、充電カードを保有していない場合はゲストとして予め定められた手続きによって発行されるパスワードを用いて支払う方法が主流である。また、充電料金は、充電器の電力出力値に関わらず、充電時間に応じて予め定められた金額が課金されるようになっている。例えば、A社の充電カードで充電する場合は15円/分、B社の充電カードで充電する場合は25円/分、ゲストで充電する場合は50円/分、というような具合である。一方で、充電器の電力出力は充電器によって異なる場合もあるが、電力出力値が小さくても大きくても時間によって課金される金額は変わらない。よって、充電器の電力出力値が小さかった場合にはユーザに不公平感が生じていた。また、将来充電カード以外の支払い方法が実現されたとしても、電力出力値に関わらず充電時間によって、または充電時間によらずとも、予め定められた金額が一律課金されるような料金体系であれば、同様の不公平感が生じることが予想される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、EV(電気自動車)車両への充電が行われた際の充電器の出力値である充電出力値を取得するステップと、前記充電器の充電出力値に基づいて、前記充電に関する充電料金の少なくとも一部を還元するための還元料を決定するステップと、前記還元料を含む還元情報を出力するステップと、を含む方法である。
本発明の他の態様は、上記の方法を実行するコンピュータ装置である。
本発明の他の態様は、上記の方法をコンピュータ装置に実行させるコンピュータプログラムである。
第1の実施形態に係る充電システムの構成の一例を示す図である。 第1の実施形態に係るサーバ装置の機能ブロックの一例を示す図である。 指示値の算出方法の説明に関するブロック線図である。 シミュレーションの結果を示す図である。 サーバ装置における指示値の出力に関するフローチャートの一例を示す図である。 サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る充電費用還元システムの概要を説明する図である。 第2の実施形態に係るサーバ装置の機能ブロックの一例を示す図である。 アプリケーション機能提供部によって提供されるアプリケーション画面の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る充電費用還元システムにおける充電料金の課金に関する処理シーケンス図の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る充電費用還元システムにおける充電費用の還元に関する処理シーケンス図の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
(第1の実施形態)
(充電システムの構成)
図1は、本実施形態に係る充電システムの構成の一例を示す図である。本実施形態に係る充電システム1は、EV車両60に充電する充電器10と、充電器10を設置している店舗の建屋20と、充電器10の電力出力を制御するサーバ装置30と、店舗(図1の例では充電器10および建屋20を含む)の電力を管理するBEMS(Building and Energy Management System)40と、充電料金の課金処理を実行する課金事業者のコンピュータ装置50と、を含んで構成されうる。
また、充電器10はリチウムイオン電池等の蓄電池11を備えており、充電しようとするEV車両60(60a、60b)の需要電力値に応じて、グリッド経由の電力の出力に加えて蓄電池11からの電力をEV車両60に供給することができる。充電器10は、処理部102と、グリッド経由の電力(系統電力)を供給するAC/DC部104と、蓄電池11経由の電力を供給するDC/DC部106とを含みうる。また、充電器10は系統電力を用いて蓄電池11の電池116を充電することができる。なお、充電器10は、いわゆる急速充電器であってもよいし、急速充電器でなくともよく、例えばAC充電器であってもよい。
蓄電池11は、複数のリチウム電池等の電池116を管理する複数のBMS(Battery Management System:バッテリーマネジメントシステム)114と、当該複数のBMS114を制御するMBMS(メインBMS)112と、を備えうる。蓄電池11は、電池116が保持する電力を充電器10に適宜供給しうる。なお、図1において図示される蓄電池11の構成はあくまで一例であり、他の構成が採用されてもよい。また、蓄電池11は、充電器10からの系統電力によって充電されうるが、例えば太陽光などの他のエネルギーによって充電されてもよいし、系統電力と他のエネルギーとによって充電されてもよい。
建屋20は、充電器10を設置している店舗の建屋である。店舗の一例として、車のディーラーの店舗や小売店の店舗などがありうる(ただし、これらに限定されない)。建屋20においては、照明、空調、冷蔵庫、テレビ、等の各電気機器によって系統電力が消費される。本実施形態においては、「店舗」は系統電力を使用するために電力会社との電力契約を行う1単位となる契約者の店舗を指す。ただし、本実施形態においては説明の便宜上「店舗」と称するが、一般的に「店舗」と呼ばれない営業形態であってもよく、充電器10と建屋20とをまとめて1つの電力契約によって電力を賄う営業主体が該当する。
また、「建屋20」は店舗の建屋を指す。充電器10において使用される系統電力の消費電力と、(充電器10の消費電力以外の)建屋20内の各電気機器等による系統電力の消費電力との合算値に基づいて電力会社との電力契約における契約容量が決定されうる。
また、図1においては説明を簡潔化するために1つの建屋20のみが示されているが、本実施形態に係る充電システム1には複数の店舗(電力契約者)の建屋20が含まれていてもよい。そして、サーバ装置30が各店舗の電力消費に関する情報を取得し、各店舗に対して個別独立に本実施形態に係るサーバ装置30の機能を提供しうる。同様に、図1においては充電器10は1台のみが示されているが、店舗は複数台の充電器10を設置していてもよい。同様に、図1においては蓄電池11は1台のみが示されているが、充電器10は蓄電池11を複数台備えていてもよい。
BEMS40は、店舗の電力管理を行うシステムであって、本例においては、建屋20の現在の消費電力を予め定められた間隔(例えば1秒毎)で出力する。BEMS40は、既存のBEMSシステムであってよい。なお、BEMS40は、いわゆる高機能なBEMSシステムでなくてもよく、例えば建屋20の現在の消費電力を予め定められた間隔で出力するセンサ機能を有する簡単な構成のデバイス等であってもよい。
サーバ装置30は、店舗全体(建屋20および充電器10)または建屋20の現在の消費電力をBEMS40から取得する。そして、サーバ装置30は、取得した店舗全体または建屋20の現在の消費電力を用いて、充電器10が契約電力内で使用可能な余剰電力を示す指示値を充電器10に出力することにより、充電器10の系統電力の出力の制御を行う。また、サーバ装置30は、各店舗の契約電力、充電器10の稼働状況に関連する情報、蓄電池11の稼働状況に関連する情報、等の情報を保持して管理する。
以下、本例の充電システム1における処理の概要を説明する。
BEMS40は、BEMSの標準プロトコルによって店舗全体または建屋20の電力使用状況を監視し(ST1)、店舗全体または建屋20の現在の消費電力を予め定められた時間間隔で定期的に出力する(ST2)。
サーバ装置30は、店舗の契約電力と、BEMS40から取得した店舗全体または建屋20の現在の消費電力とを用いて電力契約範囲内で充電器10(および蓄電池11)が使用可能な余剰電力を算出し、算出した余剰電力を指示値としてOCPP(Open Charge Point Protocol)によって充電器10に送信する。より具体的には、例えば、余剰電力=店舗の契約電力-建屋20の現在の消費電力、の式によって余剰電力が算出されうる(ST3)。充電器10は、サーバ装置30から指示値を受信すると、グリッド経由の電力の消費電力が当該指示値以下になるように動作する。例えば、AC/DC部104の系統電力の出力値が指示値以下になるように動作する。また、充電器10は、EV車両60の充電時におけるAC/DC部104の出力とDC/DC部106の出力との割合をスタンドアロンで決定する等の制御を行うことができる(ST4)。BEMS40とサーバ装置30は、ST1~ST3の処理を、予め定められた時間間隔(例えば1分毎)で繰り返し、その都度、サーバ装置30は余剰電力(指示値)を算出して充電器10に出力する。そして充電器10は、余剰電力(指示値)をサーバ装置30から受信すると、当該余剰電力(指示値)に応じて車両60への充電における出力値を決定することができる。
ところで、例えば一度に複数の車両60が充電しようとする場合などに充電器10は受信した余剰電力(指示値)よりも大きい電力を要求される場合がある。このような場合、充電器10は、蓄電池11経由の電力を供給するDC/DC部106から最大出力可能値を限度として出力電力を補うことができる。
充電器10は、車両60への充電が完了すると、当該充電費用の課金に関する充電情報をOCPPにてサーバ装置30にアップロードする(ST5)。サーバ装置30は、当該充電情報を課金事業者独自のプロトコルに変換する等して、課金事業者のコンピュータ装置50にアップロードする(ST6)。
その他、蓄電池11は、MBMS(メインBMS)112を介してサーバ装置30にメンテナンス情報などの必要な情報を適宜送信することができる(ST11)。また、蓄電池11は、CAN(Controller Area Network)の光通信、またはその他の有線または無線の通信によって使用可能なバッテリー残量などの情報を充電器10に適宜送信しうる(ST12)。
また、図1の構成例においては、BEMS40が含まれているが、店舗がBEMS40を導入していない場合もありうる。この場合、サーバ装置30は、例えば店舗の電気メータに備えられているセンサなどを介して、店舗の所定時間内の累計消費電力量を直接店舗から受信する場合もありうる。この場合、サーバ装置30は、サーバ装置30が保持している当該店舗の契約電力と、受信した累計消費電力量とを用いて電力契約内で充電器10が使用可能な余剰電力を算出し、算出した余剰電力を指示値として充電器10に出力する。
(サーバ装置の機能ブロック)
図2は、サーバ装置30の機能ブロックの一例を示す図である。図2に示されるサーバ装置30は、電力情報取得部302と、指示値算出部304と、指示値出力部306と、記憶部308と、充電情報取得部310と、充電情報送信部312と、を備える。
記憶部308は、店舗ごとの契約電力、EV車両60のユーザの充電器10の使用状況に関する情報、充電器10の稼働状況に関する情報、蓄電池11の稼働状況に関する情報、等の種々の情報を記憶する。なお、記憶部308に記憶している「店舗ごとの契約電力」については、ユーザが手動でサーバ装置30への入力操作を行うようになっていてもよいし、契約電力値を予め記憶あるいは設定されているBEMS40、各店舗が契約している電力会社のコンピュータシステム、または契約電力の情報を保持しているその他の機器から自動的に取得するようになっていてもよい。また、建屋20の電力使用量の増加によって店舗全体で使用している総電力値が契約電力値を超えて契約電力値が更改された場合、サーバ装置30(記憶部308)には、当該更改された契約電力値が新たな契約電力値として設定されうる。
また契約電力値は、実際に電力会社との契約を行っている値そのものでもよいし、異なる設定がなされてもよい(実際に契約している契約電力値から余裕を持たせた値を設定するなど)。これにより、次回の契約電力値は現在の契約電力値よりも多少増加する可能性があるものの、建屋20の電力機器(充電器10以外)への電力供給だけでなく、充電器10にも十分な電力を供給し安定稼働をさせることが可能となる。この場合、例えば予め定められた電力値(絶対値、相対値(現在の契約電力値に対する割合など))を契約中の契約電力値に加算した電力値が設定されるようになっていてもよい。なお、現在の契約電力値とは異なる値が設定される場合、本実施形態においては、当該設定される値を契約電力値に差し替えて同様の処理を行えばよい。
電力情報取得部302は、電力契約内で使用される電力に関する情報である電力情報を取得する。電力情報は、建屋20の消費電力、店舗全体(図1の例における建屋20および充電器10)の消費電力、店舗の消費電力の予め定められた時間内(例えば30分間)における累積消費電力量、等でありうる。「電力契約内(で使用される)」「電力契約範囲内」とは、店舗が電力会社と締結している電力契約の適用範囲内(で使用される)という意味である。
指示値算出部304は、記憶部308に記憶されている店舗の契約電力と、電力情報取得部302が取得した電力情報とを用いて、電力契約内で充電器10が使用可能な電力を示す指示値を算出する。例えば電力情報が建屋20の現在の消費電力である場合には、指示値算出部304は、店舗の契約電力-建屋20の現在の消費電力、という式により指示値を算出しうる。
指示値出力部306は、指示値算出部304によって算出された指示値を充電器10に出力する。また、充電器10は、指示値出力部306によって出力された指示値を受信すると、指示値の電力を上限として、充電器10の系統電力の出力値を決定する。なお、電力情報取得部302における電力情報の取得、指示値算出部304における指示値の算出、および指示値出力部306による当該指示値の出力は、予め定められた時間間隔で実行されうる。例えば、後述するように1分毎にこれらの処理は実行されうる。ただし、これに限定されない。例えば、電力情報取得部302において取得する最新の電力情報を記憶部308に記憶しておき、指示値算出部304においては電力情報の取得とは異なるタイミングにおいて、記憶部308に保持されている最新の電力情報を用いて指示値を算出するようになっていてもよい。
充電情報取得部310は、充電器10によるEV車両60への充電に関する充電情報を取得する。充電情報取得部310は、充電器10においてEV車両60への充電が完了すると当該充電への課金に関する充電情報を充電器10から取得しうる。充電情報は、例えば、EV車両60への充電に要した充電時間が該当する。より具体的には、例えば、EV車両60のユーザが充電器10が備えるリーダに課金事業者が発行した充電料金の支払い用の充電カードをかざすとユーザ認証が実行されて、充電器10が使用可能となる。そして、充電器10でEV車両60への充電が完了すると、当該充電に関する充電情報が課金事業者のコンピュータ装置50に出力され、課金事業者にて充電料金が決定される。そして、予め当該充電カードに紐づけられている支払い方法(クレジットカード払い等)によって充電料金がユーザへ課金される。
充電情報送信部312は、充電情報取得部310が取得した充電情報を課金事業者のコンピュータ装置50に送信する。課金事業者(コンピュータ装置50)は、受信した充電情報に基づいてユーザ61への課金処理を実行する。なお、充電カードは、後述するように課金事業者以外の事業者等が発行している場合もあるが、同様の処理によって充電料金の課金処理が実行されうる。
(指示値の算出方法)
電力情報取得部302が取得する電力情報が建屋20の現在の消費電力である場合には、指示値算出部304は、店舗の契約電力-建屋20の現在の消費電力、という式により指示値を算出しうる。
ところで、電力情報取得部302が取得する電力情報が店舗全体の現在の消費電力である場合に同様に指示値を算出すると、ある時点での指示値P1=店舗の契約電力R-店舗の現在の消費電力Q1、という式で指示値が算出されて、指示値P1は充電器10の出力値となる。そして、店舗の現在の消費電力Q1と充電器10の出力値P1との合算値が店舗全体の消費電力になり、この値は契約電力Rと同じになる。この状態で同様に次の指示値P2を算出すると、その時点で計算上は店舗の契約電力Rを使い果たしている状態になっているため、指示値P2は“0”と算出される。さらに次の指示値P3の算出を行うと、店舗全体の消費電力は、店舗のその時点の消費電力Q´+指示値P2(“0”)、と算出され、指示値P3=店舗の契約電力R-店舗のその時点の消費電力Q´となる。同様に、次の指示値P4を算出すると、計算上はその時点での店舗の契約電力Rを使い果たしている状態になっているため、指示値P4は“0”と算出され、指示値を算出するごとに、指示値が上下に変動することになる(以下、これを指示値が“振動する”という)。この点について、指示値が上下に振動することを抑制しうる指示値の算出方法について、以下、さらに説明する。
本説明において使用する変数の定義は以下の通りである。
[変数]
shop[k]:時刻kにおける建屋20の消費電力(kW)
EV[k]:時刻kにおける充電器10経由でEV車両への充電に消費した電力(kW)
EV_MAX[k]:時刻kにおけるサーバ装置30から充電器10への指示値(kW)
current[k]:時刻kにおける店舗(建屋20および充電器10)における消費電力(kW)
contract:契約電力(kW)(1時間換算)
set[k]:時刻kにおける店舗における1分間当たりの消費電力量の最大値(設定値)(kWh)
(またはq[k]と表記):時刻kにおける店舗における1分間当たりの消費電力量(kWh)
set(またはQ[k=30]と表記):店舗において30分間で使用可能な電力量(設定値)(kWh)
(またはQ[k]と表記):店舗における時刻kまでの累計消費電力量(kWh)
k:毎正時または毎30分を起点として(k=0)、起点からの経過時間(分)を表す変数(k=0~29の整数)。「時刻k」または「経過時間k」とは、直近の正時または30分からk分経過した時点を意味する。
C:比例ゲイン
[制御設計の前提]
背景:EEVとEshopの和がEcontractを超過しないようにEEV_MAXを設定する必要がある。
目的:以下2点を満たす制御系の設計。
(目的1)Ecurrent≦ Econtractを満たす範囲でEcurrenを最大化する。
(目的2)制御系の特性として、EEV_MAXが振動しないこと。
操作変数:EEV_MAX
外乱:Eshop
[制御設計の手順]
手順1:制御変数の決定
手順2:制御パラメータの設定
手順3:カスケード制御系の検討
手順4:カスケードループの設定値へのバッファー設定
[指示値の算出方法]
制御変数をqとする。
制御系:図3に示すControllerでは比例制御を行い、比例ゲインは30~60とする。
qsetはカスケードループによって適時更新する。
setにはバッファーを設ける。
[制御変数の決定]
制御変数としては、Ecurrentの使用、qの使用の2パターンが考えられる。Ecurrentを使用する場合、1次遅れ系となるが、離散システムのために遅れが制御系に大きな影響を与え、設計が難しくなる。一方、qを使用する場合、遅れのない系となり、設計が比較的容易となる。そのため、制御変数としてはqを使用する。
[制御系の選択]
基本的には比例制御(P制御)によって偏差がゼロになるよう制御をかけるが、比例制御では原理的にオフセットが発生してしまう。オフセットを除去する方法としては、比例積分制御(PI制御)を用いることも考えられるが、本制御系では制御設計が容易な比例制御とカスケード制御を用いて制御系の設計を行った。
[制御パラメータの設定]
本制御系では比例制御を用いるが、比例ゲインは応答性と外乱の影響のトレードオフを考慮し、30~60の間で設定することで、振動なく制御できる。比例ゲインが大きいと応答は速いが外乱の影響を直接的に受けるのに対し、比例ゲインが小さいと応答は遅くなるが外乱の影響を緩和できる。そのため、実装対象に応じて30~60の範囲で望ましい応答をする比例ゲインを設定することとなる。
なお、30未満の場合には極端に応答が遅くなる。これは制御ループが60秒間隔であるのに対し、60秒間の変化量の半分未満の指示値しか動かさないために応答が遅れるものである。
また、60を超える場合には振動が発生する。これは制御ループが60秒間隔であるのに対し、60秒間の変化量以上に指示値を動かすために振動が生じるものである。
[カスケード制御系の検討]
比例制御だけでは離散系由来の遅れによりEcurrent > Econtractとなるケースが存在する。これは遅れにより生じたqset超過分を考慮できないためである。そこで、カスケードループによって、qset超過分を考慮した値へと適時更新する。ここで、qsetの更新自体が外乱となってしまうが、更新回数を制限することでEEV_MAXへの影響を抑制する。
[カスケードループの設定値へのバッファー設定]
カスケードループによりEcontractの超過は抑制できるものの、最後にqsetを更新した後にqsetを超過するケースでは、Econtractを超過してしまう。そこで、最後のqset更新後の超過のワーストケースを想定し、Qsetにはバッファーを設ける。すなわち、Ecurrentから計算される消費電力値上限よりバッファー分小さい値をQsetとして用いる。
[用例]
上記の実装例を以下に記載する。
制御変数qは以下の式(1)で算出されうる。
q[k]=Q[k]-Q[k-1] ・・・式(1)
操作変数EEV_MAXは比例制御系を用いるため、式(2)で算出されうる。ここで比例ゲインCは30~60の間で設定される。
EV_MAX[k+1]=C(qset[k+1]-q[k+1])+EEV_MAX[k]
・・・式(2)
なお、EEV_MAXの初期値を式(3)とすることで30分スパンの切り替わり時にEEV_MAXのステップ変化を回避できうる。
Figure 2024061239000002
・・・式(3)
ここで設定値qsetはカスケード制御により、式(4)で算出されうる。
Figure 2024061239000003
・・・式(4)
また、Qsetへのバッファーは式(5)を用いることで考慮されうる。
set=Econtract/2-max(A,Econtract/2*B)
・・・式(5)
なお、AはEcurrentがEcontractを超えないようにするためのバッファーを設定するパラメータである。Bも同じくEcurrentがEcontractを超えないようにするためのバッファーを設定するパラメータである。
本用例を採用した構成について、シミュレーションが行われた。シミュレーションは以下の条件のもと行われた。
[条件]
-ゲイン:30~60
-外乱は以下の通り
・ランプ変化:10分から15分にかけて10kWずつ、Eshop=50kW→90kWまで増加
図4は、本シミュレーションの結果を示す図である。横軸は経過時間(分)であり縦軸は電力(kW)である。
以上をまとめると以下の通りである。
-カスケードループの効果
・現在電力の超過を防ぐことが可能になった。
・1度参照値を更新すれば、その時点までの超過分は解消することが可能である。
-カスケードループが与える入力への影響
・外乱の入力回数が更新回数だけ増えることと同等である。
ここで、上記までの検討によれば、最後の参照値の更新以降の超過分は反映されないことになるが、この点については、最後の参照値の更新以降の超過分がバッファーに反映されれば現在電力が契約電力を超えないことになる。よって、本出願の発明者らは、最後の参照値の更新以降で超過してしまう最悪のケースを想定し、バッファーを考慮したqsetを決定した。
(サーバ装置の処理フロー)
図5は、サーバ装置30における指示値の出力に関するフローチャートの一例を示す図である。
最初に、パラメータkが初期化される(ステップS100)。パラメータkが初期化される際の値は本処理フローが開始される時刻によって決定される。なお、パラメータkは、毎正時または毎30分を起点として(k=0)、各起点からの経過時間(分)を表す変数である。また、本処理フローにおいてはパラメータkがサーバ装置で管理されることとしたが、電力情報を出力するBEMS40または店舗側によってパラメータkの値とともに電力情報が出力されるようになっていてもよい。この場合、本処理フローにおけるパラメータkに関する処理ステップは不要となる。
電力情報取得部302が、BEMS40または店舗から時刻kにおいて出力された電力情報を取得する(ステップS102)。
指示値算出部304が、記憶部308に記憶されている店舗の契約電力と、ステップS102において取得された電力情報とを用いて指示値を算出する(ステップS104)。
指示値出力部306が、ステップS104において算出された指示値を出力する(ステップS106)。
エラーの発生、システムの中断、サーバ装置30のオペレータの指示入力、等の条件によって終了するまで本フローの処理が繰り返される(ステップS108)。
1分経過すると(ステップS110)、パラメータkが1インクリメントされる(ステップS112)。その結果、k>29となった場合(毎正時または毎30分)(ステップS114)kは“0”に設定され(ステップS116)、それ以外の場合はステップS102に戻る。
(ハードウェア構成)
上記説明されたサーバ装置30は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成によって実現可能である。図6は、サーバ装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。図6に示されるコンピュータ装置30´は、一例として、プロセッサ31と、RAM(Random Access Memory)32と、ROM(Read Only Memory)33と、内蔵のハードディスク装置34と、外付けハードディスク装置、CD、DVD、USBメモリ、メモリスティック、SDカード等のリムーバブルメモリ35と、ユーザがコンピュータ装置30´とデータのやり取りを行うための入出力ユーザインタフェース36(キーボード、マウス、タッチパネル、スピーカ、マイク、LED(light emitting diode)、等)と、他のコンピュータ装置と通信可能な有線/無線の通信インタフェース37と、ディスプレイ38と、を備える。RAM32、ROM33、ハードディスク装置34、およびリムーバブルメモリ35のいずれか、またはこれらの組合せは、記憶部308を構成しうる。本実施形態に係るサーバ装置30の各機能は、例えば、プロセッサ31が、ハードディスク装置34、ROM33、リムーバブルメモリ35、等の記憶領域に格納されているプログラムおよび処理に必要なデータを、RAM33等のメモリに適宜読み出して実行することで実現されうる。後述する実施形態におけるサーバ装置30も同様である。
なお、図6においては、コンピュータ装置30´は1つの装置として図示されているが、2つ以上のコンピュータ装置によって構成されていてもよい。なお、図6に示されるハードウェア構成はあくまで一例であって、これに限定されない。
また、本実施形態に係る充電器10、蓄電池11、建屋20、サーバ装置30、およびBEMS40は、それぞれ互いに有線または無線の通信によって各データを送受信することができる。
以上説明した本実施形態に係る充電システムおよび充電方法によれば、電力契約に係る電力使用が短時間で大きく上昇することによって将来の契約容量が大きくなり契約料金が高額になることを回避しうる。さらに、充電器10の使用可能電力(指示値)が上下に振動することを抑制することができるため、充電器10においてはEV車両のユーザに安定した電力供給を行うことができる。
また、上述した実施形態においては1つの電力契約において充電器10以外に契約電力を消費するのは建屋20においてのみであることとして説明したが、契約電力を消費する他の装置等が存在してもよい。この場合、例えば、当該他の装置等が消費する消費電力を、上記説明した建屋20に関する消費電力の中に組み込んで同一視することによって、同様に上述した実施形態が実現可能である。「他の装置等」としては、例えば本実施形態に係るサーバ装置30の管理外にある他の充電器もしくはエネルギーマネージメント(エネマネ)のための設備または装置、もしくは建屋20以外の建物に備えられた装置、等が想定される。さらに、建屋20に代えて、これらの充電器10以外の電力を消費する装置等の電力機器であってもよい。
また、上述した実施形態においては、充電器10は蓄電池11を備えていることとしたが、蓄電池11を備えていない場合でも上述の充電方法および充電システムは適用可能である。
(第2の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る充電システムに適用可能な充電費用還元システムについて説明する。なお、以下に説明する本実施形態に係る充電費用還元システムは、少なくとも第1の実施形態に係る充電システムと同じ構成を含むものとして説明する。
(充電費用還元システムの概要)
図7は、本実施形態に係る充電費用還元システムの概要を説明する図である。一般的に、充電器10の設置者(店舗)21は、充電器10を設置するにあたり、工事業者81には工事費用を支払うとともに、運営中は、電力会社82には電気料金を、保守会社83には保守費用を支払う。また、充電器およびサービスの提供会社(以下、略して「サービス提供会社」という)30aは、サーバ装置30を運営する企業等であり、サーバ装置30の機能を提供する企業等である。充電器10の設置者21は、サービス提供会社30aから充電器10を購入するとともに、サービス提供会社30aがサーバ装置30を用いて行うサービスの提供を受ける。これに伴い、設置者21は、充電器10の購入時には充電器10の本体費用を支払い、充電器10の運用中においてはサーバ装置30によるサービスに対してサービス費用をサービス提供会社30aに支払う。なお、本例においては、サービス提供会社30aが、充電器10の販売とサーバ装置30を用いて行うサービスの提供の両方を行うこととしているが、それぞれ別の企業等が行うようになっていてもよい。
また、EV車両60のユーザ61が充電器10での充電が完了すると、充電料金の課金に関する充電情報が課金事業者50´に通知される。ここで、日本国内の現状として、充電インフラを提供する充電インフラ提供会社80´と、充電インフラ提供会社80´が指定するプロバイダであって課金処理を行う課金事業者50´とが存在する。ユーザ61がEV車両60の充電を行おうとする場合、現状では主たる方法として、(1)充電インフラ提供会社80´が発行している充電カードを用いる方法、(2)OEM(Original Equipment Manufacturing:ここではEV車両メーカーを指す)会社85´が発行している充電カードを用いる方法、(3)課金事業者50´が提供する認証システムによって発行されるパスワードを使用してゲストとして充電する方法、が存在する。(1)~(3)のいずれの場合も、充電に係る充電料金に関する情報はサーバ装置30を介して充電器10から課金事業者50´(コンピュータ装置50)に、又は、さらに課金事業者50´(コンピュータ装置50)から充電から充電インフラ提供会社80´(のコンピュータ装置)に送信される。そして、充電料金は、(1)および(2)の場合は最終的に充電インフラ提供会社80´に支払われ、充電インフラ提供会社80´は、当該充電料金の一部を設置者21に充電対価として支払う。(3)の場合、充電料金は設置者21に支払われる。
ところで、EV車両の充電料金は充電時における充電器10の電力出力値(以下、「充電出力値」という)に関わらず、充電カードまたはゲスト利用ごとに、充電時間に応じて予め定められた金額が課金されるようになっている。例えば、A社の充電カードで充電する場合は15円/分、B社の充電カードで充電する場合は25円/分、ゲストで充電する場合は50円/分、というような具合である。充電器の出力値が小さくても大きくても時間によって課金される金額は変わらないため、充電器10の充電出力値が小さかった場合等は、充電を行うユーザ61にとって不公平感が生じていた。本実施形態に係る充電費用還元システムは、このようなユーザが感じうる不公平感を軽減することが可能なシステムである。
(サーバ装置の機能ブロック)
図8は、本実施形態に係るサーバ装置30の機能ブロックの一例を示す図である。図8に示されるサーバ装置30は、電力情報取得部302と、指示値算出部304と、指示値出力部306と、記憶部308と、充電情報取得部310と、充電情報送信部312と、出力値取得部314と、還元料決定部316と、還元情報出力部318と、アプリケーション機能提供部320と、を備える。出力値取得部314、還元料決定部316、還元情報出力部318、およびアプリケーション機能提供部320以外の構成については図2と同様であるので、ここでの説明は省略する。
出力値取得部314は、充電器10から充電が行われた際の充電器10の充電出力値を取得する。取得された充電出力値は記憶部308に記憶される。この充電出力値をZ´と定義すると、出力値取得部314は、通常、充電器内部の電流計・電圧計などのセンサーから定期的に(例えば1分毎)、この充電出力値Z´を取得しうる。より具体的には、充電器10が少なくともn個の充電用ポートを備えており、n台のEV車両60を同時に充電可能であるとすると、出力値取得部314は、各充電用ポートの充電時における実際の充電出力値Z´1、Z´2、・・・Z´nを充電器10から取得することができる。
還元料決定部316は、出力値取得部314において取得された充電器10の実際の充電出力値に基づいて、充電料金の少なくとも一部を還元するための還元料を決定する。
還元料決定部316における還元料決定方法について、以下説明する。なお、以下に説明される各数式について、サーバ装置30は各数式を算出するために必要な各データの値を充電器10および/または充電池11から取得する等して算出しうる。
(還元ロジック1)
まず、充電器10全体で出力可能な電力Cは、以下の式によって算出されうる。

C=AC/DC部104の充電可能電力(指示値)+蓄電池11の放電可能電力またはDC/DC部106の充電可能電力

ここで、指示値はサーバ装置30において最新の指示値を記憶部308に保持しておき、当該最新の指示値を用いる等となっていればよい。また、本実施形態に係る充電システムは蓄電池11を備えていない場合も適用可能であり、その場合、上記式の「蓄電池11の放電可能電力またはDC/DC部106の充電可能電力」の値は“0”として算出すればよい。そして、蓄電池11の放電可能電力またはDC/DC部106の充電可能電力の値が充電器10からサーバ装置30に送信されて、サーバ装置30は電力値Cを算出してもよいし、電力値Cは充電器10にて算出されてサーバ装置30に送信されてもよい(以下同様に、各数式の算出の一部が充電器10において実行されて、算出結果がサーバ装置30に送信される等となっていてもよい)。
また、各充電用ポートでの充電可能電力(kW)(各充電用ポートが出力可能な最大電力)Z1、Z2、・・・Znは、値Cを用いて、以下のような式で表すことができる(n:充電用ポートの数)。

Z1=α1×C
Z2=α2×C
・・・
Zn=αn×C

ただし、必ずしもZ´i=Ziとなるとは限らない。充電可能電力Zi(i=1、2、・・・n)は、充電器10の各充電用ポートで提供可能な(最大)電力であるが、例えば、EV車両60のコンディションなどによって、EV車両60がZiよりも小さい出力値しか求めない場合もあるからである。この場合は、充電用ポートの実際の充電出力値Z´i<充電可能電力Ziとなりうる。
α1、α2、・・・αnは各充電用ポートにどのような割合で出力可能な電力値Cが割り当てられるかを示す係数であり、α1+α2+・・・+αn=1.0である。この係数αは全て同一の定数であってもよいし(α1=α2=・・・=αn=1/n;すなわち全てのEV車両に対して同じ充電可能電力値を割り当てる)、動的に変更される値であってもよい。後者の場合、例えば、バッテリ容量が大きい車両に充電を行う充電ポートについては係数αを大きい値とし、バッテリ容量が小さい車両車両に充電を行う充電ポートについては係数αを小さい値とする、等となっていてもよい。このような動的な制御により、バッテリ容量が大きい車両に対しては大きな出力値で電力を供給し、バッテリ容量が小さい車両に対しては小さい出力値で電力を供給することになり、より合理的な充電サービスを提供することができる。なお、パラメータαiの値は、サーバ装置30が決定するようになっていてもよいし、充電器10が決定するようになっていてもよい。充電器10がパラメータαiの値を決定する場合には、パラメータαiの値が変化するたびにパラメータαiの値をサーバ装置30に送信するようになっていてもよい。
また、既存のEV車両の充電システムでは、充電時においてEV車両は充電器に対して、充電器に出力してほしい電力(要求電力riとする)を要求する。これに対し、充電器は出力可能な電力(充電可能電力Zi)をEV車両に通知する。充電可能電力Ziが要求電力riよりも小さい場合には、EV車両は通知された充電可能電力Ziが上限となるように要求電力riを変更する。このようなやり取りによって、最終的には、充電器10が各EV車両60に対して充電可能電力Zi=EV車両60の要求電力ri、となり、この値が実際の充電出力値Z´iとなる。すなわち、この時、充電出力値Z´i=Ziである。
つまり、Z´i<Ziである場合は、そもそもEV車両60の要求電力riがZiよりも小さいというEV車両60側の理由によって充電器10の出力値Z´i(=ri)が小さくなったと想定することができる。一方で、Z´i=Ziである場合は、充電器10(充電用ポート)の能力を最大まで使い切っている状態であり、EV車両60が充電器10の出力能力(充電可能電力Zi)に合わせて要求電力riを下げている可能性が高い。このような場合には、充電器10がEV車両60の要求に応えられなかったという状況であるので、充電料金の還元を行うべきである。
これらを前提として、本実施形態においては、以下の場合に充電出力値Z´iで充電したユーザに充電料金の少なくとも一部を還元する。例えば、還元条件は以下の通りである。
還元条件1
条件(1):Z´i=Zi(=αi×C)
条件(2):Z´i>予め定められた閾値(例えば25kw)
条件(3):条件(1)かつ条件(2)の状態が予め定められた時間継続した

条件(1)は、元々EV車両60が小さい出力値しか求めなったことを想定した条件である。条件(2)を満たしているだけでは上述したように充電器10の充電可能電力Ziが小さいために要求電力riが小さくなるようにEV車両60に調整させたのか、そもそもEV車両60が要求する要求電力値riが小さかったために充電器10の出力値Z´iが小さい値となったのか(この場合は充電料金を還元する必要はない)が不明であるので、条件(1)によって前者であることを判断する。また、条件(3)は、ある程度長い時間、条件(1)かつ条件(2)が成立した場合のみ還元を行うための条件である。
なお、要求電力riはEV車両60の状態などによって充電中に変動する場合がありうる。また、還元料決定部316は、常時、条件(1)かつ条件(2)が成立するか判断するようになっていてもよい。そして、例えば、条件(1)および条件(2)が成立していた時間の合計が予め定められた時間よりも長くなった場合には、ユーザに充電料金の少なくとも一部を返還するようになっていてもよいし、条件(1)かつ条件(2)が成立していた状態が継続した時間が予め定められた時間よりも長くなった場合に、ユーザに充電料金の少なくとも一部を返還するようになっていてもよい。また、これらの時間条件についてはいくつかの段階的な閾値を設けてもよく、条件(1)かつ条件(2)が成立した状態の合計時間または継続時間が長いほど還元料もより多くなる、等となっていてもよい。また、還元料は予め固定の金額で定められていてもよいし、充電料金全体に対する割合で決定されていてもよい。
(還元ロジック2)
上述した還元ロジックでは、充電器10の出力能力(充電可能電力Zi)に応じてEV車両60が要求電力riを調整するようになっており、最終的にはZ´i=Ziとなることが想定されていた。よって、EV車両60が本当に希望する出力値が不明となっていた。しかしながら、例えばEV車両60が本当に希望する出力値(充電器10との調整を行う前の出力値)を別途、サーバ装置30に対して無線通信などによって出力する構成を有している場合には、当該希望する出力値(以下、希望出力値Riとする)を用いて以下のような還元条件を採用してもよい。
還元条件2
条件(1):Zi(=Z´i)<Ri
条件(2):条件(1)の状態が予め定められた時間継続した

なお、希望出力値Riは、EV車両60の状態などによって充電中に変動する場合がありうる。還元料決定部316は、例えば、RiとZiとの差(Ri-Zi)の大きさに応じて還元料を変化させるようになっていてもよい。例えば、還元料決定部316は、当該差についていくつかの段階的な閾値を設けて、当該差が大きいほど還元料もより多くなるように還元料を決定してもよい。そして、例えば、条件(1)が成立していた時間の合計が予め定められた時間よりも長くなった場合には、ユーザに充電料金の少なくとも一部を返還するようになっていてもよいし、条件(1)が成立していた状態が継続した時間が予め定められた時間よりも長くなった場合に、ユーザに充電料金の少なくとも一部を返還するようになっていてもよい。また、これらの時間条件についてはいくつかの段階的な閾値を設けてもよく、条件(1)が成立した状態の合計時間または継続時間が長いほど還元料もより多くなる、等となっていてもよい。また、還元料は予め固定の金額で定められていてもよいし、充電料金全体に対する割合で決定されていてもよい。
還元情報出力部318は、還元料決定部314において決定された還元料を含む還元情報を出力する。
また、本実施形態に係る充電費用還元システムは、アプリケーションサーバ装置32をさらに含む。アプリケーションサーバ装置32は、サーバ装置30の還元情報出力部318から出力される還元情報を受信する。アプリケーションサーバ装置32は、例えばユーザ61の端末にインストールされるユーザ向けアプリケーションの機能を提供するサーバ装置である。具体的には、アプリケーションサーバ装置32は、ユーザの電子マネー等の口座と充電カード(ユーザID)とをユーザに登録させて、これらの情報を関連付けて保持する。これにより、充電カードで充電したことによって発生するユーザ向けアプリケーション専用のポイント等(例えば、充電料金の支払いに充当したり、景品と交換できるようなポイントなど)が、充電カード(ユーザID)と紐づけられている電子マネー等の口座に加算されるというようなサービスを提供することができる。このような仕組みにより、ユーザに対してより付加価値のあるサービスを提供することができる。
アプリケーション機能提供部320は、サービス提供会社30aのオペレータの端末、充電器10の設置者21の端末、およびユーザ61の端末に対してアプリケーションの機能を提供するサーバの機能を有する。アプリケーションは、Webブラウザ上で利用可能なWebアプリケーションであってもよいし、各端末にインストールされたアプリケーション(ネイティブアプリケーション等)であってもよい。
なお、図8において説明された構成は機能的要素ごとに説明されたものであり、よって、図8に示される2つ以上の構成が共通のハードウェア要素またはソフトウェア要素によって実現されてもよい。例えば、指示値出力部306と充電情報取得部310とは共通のOCPP通信機能によって実現されるようになっていてもよい。また、本実施形態に係るサーバ装置30の各機能は、クラウドネットワーク上のサーバ装置として提供されてもよい。図2についても同様である。
図9は、アプリケーション機能提供部320によって提供されるアプリケーション画面の一例を示す図である。図9の画面例においては、ある地域の地図上に充電器10が設置されている場所が、アルファベットA、B、C・・・が付された円によって示されている。ユーザ61がいずれかの円をクリック操作やタップ操作等すると、各充電器を設置している店舗名、左右の各充電用ポートのその時点における充電可能電力値または使用の可否、等が表示される。図9のようなアプリケーションによれば、例えばユーザ61がある地域をEV車両60にて走行中に充電を行うために充電器を探している場合に、各充電器の位置を知るだけでなく、各充電器が使用可能な状態であるか、および各充電用ポートのその時点での充電可能電力を知ることができるため非常に便利である。特に第1の実施形態に係る充電システムの場合は充電可能電力が充電するタイミングによって変動するため、ユーザ端末の画面上で充電可能電力が確認できることはユーザの利便性に資する。なお、このような機能のために、充電器10は、例えば予め定められた時間期間ごとに各充電用ポートの充電可能電力をサーバ装置30にフィードバックすることで、サーバ装置30はアプリケーション画面上の各充電器の充電用ポートの充電可能電力を更新することができる。
また、アプリケーション機能提供部320は、サービス提供会社30aのオペレータの端末および充電器10の設置者(店舗)21の端末において動作するアプリケーションの機能を提供することもできる。サービス提供会社30aのオペレータ向けのアプリケーションは、例えばサービス提供会社30aがサービスを提供している各店舗21の充電器10の稼働状況が分かる管理画面をオペレータの端末に表示するようになっていてもよい。稼働状況として、各店舗21の各充電器10が正常に稼働していること、故障が発生していること、等が表示されるようになっていてもよい。これによりサービス契約の相手である各店舗21に対してさらに充実したサービスを提供することができる。また、設置者(店舗)21に対して提供されるアプリケーションは、例えば当該店舗に設置されている各充電器10の稼働状況(正常、故障、等)、使用状況(使用中、未使用、等)、および充電出力値、蓄電池11の稼働状況、使用状況、および充電可能電力値、等が設置者(店舗)21の端末に表示するようになっていてもよい。さらに、充電器10の消費電力および建屋20の消費電力の変化がグラフによって表示されるようになっていてもよい。なお、充電器10に関する情報はOCPPプロトコルによって充電器10から直接するか、または他の装置を介して間接的に取得しうる。蓄電池11に関する情報はTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコルによって蓄電池11から直接するか、または他の装置を介して間接的に取得しうる。
サーバ装置30の他の構成については、第1の実施形態に係るサーバ装置30と同様であるので詳細は省略する。
(充電費用還元システムの処理シーケンス)
図10は、本実施形態に係る充電費用還元システムにおける充電料金の課金に関する処理シーケンス図の一例を示す図である。
EV車両60を充電しようとするユーザ61は、まず、充電器10のリーダにユーザ61が所持している充電カードをかざす。充電器10のリーダは、当該充電カードに関連付けられているユーザIDを読み出す(ステップS300)。充電器10は、読み出したユーザIDをサーバ装置30に送信する(ステップS302)。さらに、サーバ装置30は当該ユーザIDを課金事業者50´のコンピュータ装置50に送信する(ステップS304)。課金事業者50´のコンピュータ装置50は、受信したユーザIDが課金事業者50´で契約された充電カードのユーザIDであるかのユーザ認証を行う(ステップS306)。ここで、ユーザIDが課金事業者50´で契約された充電カードのユーザIDである場合には、コンピュータ装置50は充電開始指示を充電器10に送信する(ステップS308)。ユーザIDが課金事業者50´で契約された充電カードのユーザIDではない場合には、コンピュータ装置50は、当該ユーザIDを充電インフラ提供会社80´のコンピュータ装置80に送信する(ステップS310)。充電インフラ提供会社80´のコンピュータ装置80は、受信したユーザIDが充電インフラ提供会社80´で契約された充電カードのユーザIDであるかのユーザ認証を行う(ステップS312)。ユーザIDが充電インフラ提供会社80´で契約された充電カードのユーザIDである場合には、コンピュータ装置80は充電開始指示を充電器10に送信する(ステップS314)。充電器10は、コンピュータ装置50またはコンピュータ装置80から充電開始指示を受信すると、EV車両60への充電を開始する。
ユーザ61が充電器10に対して充電終了操作をすることにより、またはEV車両60の指示により(例えば満充電時やエラー停止時)充電器10において充電完了処理が実行されると(ステップS316)、充電時間および充電電力量(kWh)等の充電料金の課金処理に必要な情報を含む充電情報が充電器10からサーバ装置30を介して課金事業者50´のコンピュータ装置50へ送信される(ステップS320)。ステップS306のユーザ認証においてユーザIDが課金事業者50´で契約された充電カードのユーザIDであったとの判定結果であった場合には、充電についての充電対価が課金事業者50´から設置者21に支払われるとともに(ステップS322)、充電カードについて予め指定された支払い方法に応じてユーザ61に対して充電料金の課金処理が実行される(ステップS324)。また、ユーザIDが充電インフラ提供会社80´で契約された充電カードのユーザIDであった場合には(ステップS310、S312)、充電情報がコンピュータ装置50からコンピュータ装置80へ送信される(ステップS326)。そして、充電についての充電対価が充電インフラ提供会社80から設置者21に支払われるとともに(ステップS328)、充電カードについて予め指定された支払い方法に応じてユーザ61に対して充電料金の課金処理が実行される(ステップS330)。
図21は、本実施形態に係る充電費用還元システムにおける充電費用の還元に関する処理シーケンス図の一例を示す図である。
まず、充電器10はサーバ装置30から指示値を受信する(ステップS402)。なお、当該ステップS402は説明の便宜上、図21のシーケンス図にステップS402として記載しているが、ステップS402は予め定められた時間間隔(例えば1秒おき)で後述するステップS404以降の処理とは独立して繰り返される。
EV車両60への充電中において、EV車両60と充電器10との間で充電器10の充電用ポートの出力値Z´iが決定される。すなわち、EV車両60から充電器10に対して、要求電力値ri(充電時に充電器10に出力してほしい電力値)が送信される。これに対し、充電器10はEV車両60に対して当該充電用ポートの充電可能電力Ziを送信する(Zi=αi×C;C=AC/DC部104の充電可能電力(指示値)+蓄電池11の放電可能電力またはDC/DC部106の充電可能電力;指示値は、例えば充電の時点でサーバ装置30から受信した指示値(ステップS402)のうち最新のものを用いる)。ri<Ziであれば、EV車両60はriの値をri=Ziに変更して充電器10に送信する。充電器10は、このriの値を充電時の当該充電用ポートの出力値Z´iとしてEV車両60への充電を継続する(ステップS404)。充電器10は出力値Z´iを算出するたびにサーバ装置30へ送信する(ステップS406)。サーバ装置30は、出力値Z´iを受信するたびに出力値Z´iを記憶部308に保持しておく。ステップS404およびステップS406は、例えばEV車両60から充電器10へ要求電力値riが出力されるたびに実行される。EV車両60の充電が完了すると、サーバ装置30は記憶部308に保持しておいた各出力値Z´iを用いて、上述した還元料ロジック1にて還元料を決定する(S408)。
なお、係数αがサーバ装置30によって決定される場合には、充電器10がEV車両60からriの値を受信するたびに、充電器10からサーバ装置30に対して出力可能な電力値Cが出力されるようになっていてもよい。そして、サーバ装置30は受信した電力値CとαiによってZiの値を算出し、このZiの値を充電器10に送信することによって最終的にEV車両60と充電器10との間で出力値Z´iが決定されるようになっていてもよい。そして、出力値Z´iが決定されるたびに当該出力値Z´iが充電器10からサーバ装置30に送信されるようになっていてもよい。
ステップS408においてサーバ装置30が還元料を決定すると、当該還元料を含む還元情報がアプリケーションサーバ装置32に送信される(ステップS410)。アプリケーションサーバ32は、さらに還元情報を決済機関に転送し(ステップS412)、決済機関は、例えば電子マネーやポイントの形態によってユーザ61に当該還元料を還元する(ステップS414)。
また、サーバ装置30が各EV車両60からEV車両60が本当に希望する出力値(充電器10との調整を行う前の出力値)を取得することができる場合には、サーバ装置30は上述した還元ロジック2によってステップS408の還元料の決定を実行してもよい。
なお、図21に示されたシーケンス図は一例であり、充電料金の還元処理は他の方法によって実行されてもよい。
また、本実施形態においてはサーバ装置30とアプリケーションサーバ装置32とは別々の装置として説明したが、これらの装置はまとめて1つの装置として実現されてもよい。また、サーバ装置30とアプリケーションサーバ装置32との各構成が上記説明した実施例とは異なるように複数の装置に分散されて実現されてもよい。
以上説明した本実施形態に係る充電費用還元システムおよび充電費用還元方法によれば、充電時における充電器10の充電出力値が小さい場合でも、充電費用の一部がユーザ61に還元されうるため、ユーザが感じる不公平感を軽減することが可能である。また、既存の充電システムでは充電カードで充電費用を支払うことが主流ではあるが、他の支払い方法が可能である場合においても、充電器10の充電出力値に関わらず予め定められた金額が一律課金される料金体系であれば本実施形態に係る充電費用還元システムおよび充電費用還元方法を適用可能であり、同様の効果が期待できる。本実施形態に係る充電費用還元システムは、支払い方法の如何を問わず、充電器10の充電出力値に関係なく予め定められた金額が一律課金される料金体系において、広く適用可能である。また、上記説明した充電費用還元システムは、第1の実施形態に係る充電システムを前提として説明したが、これに限定されない。他の充電システムにおいても同様に、充電器10の充電出力値に関係なく予め定められた金額が一律課金される充電システムにおいて適用可能である。
(付記)
なお、以下のような構成も本発明の技術的範囲に属する。
(1A)
EV(電気自動車)車両に充電を行う充電器の電力出力を制御する方法であって、前記充電器における消費電力と、電力を消費する前記充電器以外の電力機器の消費電力と、に基づいて電力契約における契約電力が決定される、方法であり、
電力契約内で使用される電力に関する情報である電力情報を取得するステップと、
前記電力契約の契約電力と、前記電力情報と、を用いて、前記電力契約内で前記充電器が使用可能な電力を示す指示値を算出するステップと、
前記指示値を前記充電器に出力するステップと、
を含む、方法。
(2A)
前記電力情報は、前記電力機器の消費電力であり、
前記指示値は、前記契約電力から前記電力機器の消費電力を減算することによって算出される、(1A)に記載の方法。
(3A)
前記電力情報は、前記電力機器および前記充電器の消費電力の予め定められた時間内の累積消費電力量を含む、(1A)に記載の方法。
(4A)
前記指示値を算出するステップにおいて、
時刻k+1における前記指示値であるEEV_MAX[k+1]は、前記累積消費電力量を用いて以下の式(1)によって算出される、(3A)に記載の方法。

EV_MAX[k+1]=C(qset[k+1]-q[k+1])+EEV_MAX[k]
・・・式(1)

ただし、上記式(1)において、
EV_MAXの初期値は、
Figure 2024061239000004
であり、
q[k]=Q[k]-Q[k-1]
Figure 2024061239000005
set=Econtract/2-max(A,Econtract/2*B)
であり、
shop[k]:外乱、時刻kにおける建屋20の消費電力(kW)
EV[k]:時刻kにおける充電器10経由でEV車両への充電に消費した電力(kW)
EV_MAX[k]:時刻kにおけるサーバ装置30から充電器10への指示値(kW)
current[k]:時刻kにおける店舗(建屋20および充電器10)における消費電力(kW)
contract:契約電力(kW)(1時間換算)
set[k]:時刻kにおける店舗における1分間当たりの消費電力量の最大値(設定値)(kWh)
(またはq[k]と表記):時刻kにおける店舗における1分間当たりの消費電力量(kWh)
set(またはQ[k=30]と表記):店舗において30分間で使用可能な電力量(設定値)(kW)
(またはQ[k]と表記):店舗における時刻kまでの累計消費電力量(kW)
k:毎正時または毎30分を起点として(k=0)、起点からの経過時間(分)を表す変数(k=0~29の整数)。「時刻k」または「経過時間k」とは、直近の正時または30分からk分経過した時点を意味する。
C:比例ゲイン、C=30~60
である。
(5A)
前記電力情報は、前記建屋および前記充電器の消費電力を含む、(1A)に記載の方法。
(6A)
前記充電器による前記EV車両への充電に関する充電情報を取得するステップと、
前記取得された充電情報の一部または全てを課金事業者のコンピュータ装置に送信するステップと、
をさらに含む、(1A)に記載の方法。
(7A)
(1A)から(6A)のいずれか一項に記載の方法を実行するコンピュータ装置。
(8A)
(1A)から(6A)のいずれか一項に記載の方法をコンピュータ装置に実行させるコンピュータプログラム。
(9A)
EV(電気自動車)車両に充電を行う充電器によって実行される方法であって、
電力契約内で使用される電力に関する情報である電力情報と、前記電力契約の契約電力と、を用いて算出される、前記電力契約内で前記充電器が使用可能な電力を示す指示値を取得するステップと、
前記指示値に基づいて前記EV車両への充電時に出力可能な電力値である充電可能電力値を決定するステップと、
を含む、方法。
(10A)
前記充電器は蓄電池を備え、
前記充電可能電力値を決定するステップは、前記EV車両が充電時に要求する要求電力値が前記充電器が単体で出力可能な電力値よりも大きい場合には、前記蓄電池からの電力を使用して前記充電可能電力値を決定する、(10A)に記載の方法。
(11A)
(9A)または(10A)に記載の方法を実行する充電器。
(12A)
(9A)または(10A)に記載の方法を充電器に実行させるコンピュータプログラム。
(1B)
EV(電気自動車)車両への充電が行われた際の充電器の出力値である充電出力値を取得するステップと、
前記充電器の充電出力値に基づいて、前記充電に関する充電料金の少なくとも一部を還元するための還元料を決定するステップと、
前記還元料を含む還元情報を出力するステップと、
を含む方法。
(2B)
前記還元料を決定するステップは、前記充電器の前記充電出力値と、前記充電器が出力可能な電力値である充電可能電力値と、に基づいて前記還元料を決定する、(1B)に記載の方法。
(3B)
前記還元料を決定するステップは、前記充電器の前記充電出力値と前記充電可能電力値とが等しい場合に、前記還元料を決定する、(2B)に記載の方法。
(4B)
前記EV車両が充電時に希望する前記充電器の出力値である希望出力値を取得するステップをさらに含み、
前記還元料を決定するステップは、前記充電器の前記充電出力値と、前記希望出力値と、に基づいて前記還元料を決定する、(1B)に記載の方法。
(5B)
前記還元料を決定するステップは、前記充電器の前記充電出力値が前記希望出力値の最大値よりも小さい場合に、前記還元料を決定する、(4B)に記載の方法。
(6B)
ユーザ端末に、地図情報とともに、前記充電器の所在地と、前記充電器が出力可能な電力値である充電可能電力値と、を出力するステップをさらに含む、(1B)に記載の方法。
(7B)
充電料金の課金のための情報である充電情報を前記充電器から取得するステップをさらに含む、(1B)に記載の方法。
(8B)
前記取得された充電情報の一部または全てを課金事業者のコンピュータ装置に出力するステップをさらに含む、(7B)に記載の方法。
(9B)
(1B)から(8B)のいずれか一項に記載の方法を実行するコンピュータ装置。
(10B)
(1B)から(8B)のいずれか一項に記載の方法をコンピュータ装置に実行させるコンピュータプログラム。
ここまで、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
また、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
10…充電器
102…処理部
104…AC/DC部
106…DC/DC部
11…蓄電池
112…MBMS
114…BMS
116…電池
20…建屋
30…サーバ装置
30a…サービス提供会社
32…アプリケーションサーバ装置
40…BEMS
50…課金事業者のコンピュータ装置
60…EV車両
80…充電インフラ提供会社のコンピュータ装置
302…電力情報取得部
304…指示値算出部
306…指示値出力部
308…記憶部
310…充電情報取得部
312…充電情報送信部
314…出力値取得部
316…還元料決定部
318…還元情報出力部
320…アプリケーション機能提供部
還元条件1
条件(1):Z´i=Zi(=αi×C)
条件(2):Z´i予め定められた閾値(例えば25kw)
条件(3):条件(1)かつ条件(2)の状態が予め定められた時間継続した

条件(1)は、元々EV車両60が小さい出力値しか求めなったことを想定した条件である。条件(2)を満たしているだけでは上述したように充電器10の充電可能電力Ziが小さいために要求電力riが小さくなるようにEV車両60に調整させたのか、そもそもEV車両60が要求する要求電力値riが小さかったために充電器10の出力値Z´iが小さい値となったのか(この場合は充電料金を還元する必要はない)が不明であるので、条件(1)によって前者であることを判断する。また、条件(3)は、ある程度長い時間、条件(1)かつ条件(2)が成立した場合のみ還元を行うための条件である。
11は、本実施形態に係る充電費用還元システムにおける充電費用の還元に関する処理シーケンス図の一例を示す図である。
まず、充電器10はサーバ装置30から指示値を受信する(ステップS402)。なお、当該ステップS402は説明の便宜上、図11のシーケンス図にステップS402として記載しているが、ステップS402は予め定められた時間間隔(例えば1秒おき)で後述するステップS404以降の処理とは独立して繰り返される。
EV車両60への充電中において、EV車両60と充電器10との間で充電器10の充電用ポートの出力値Z´iが決定される。すなわち、EV車両60から充電器10に対して、要求電力値ri(充電時に充電器10に出力してほしい電力値)が送信される。これに対し、充電器10はEV車両60に対して当該充電用ポートの充電可能電力Ziを送信する(Zi=αi×C;C=AC/DC部104の充電可能電力(指示値)+蓄電池11の放電可能電力またはDC/DC部106の充電可能電力;指示値は、例えば充電の時点でサーバ装置30から受信した指示値(ステップS402)のうち最新のものを用いる)。riZiであれば、EV車両60はriの値をri=Ziに変更して充電器10に送信する。充電器10は、このriの値を充電時の当該充電用ポートの出力値Z´iとしてEV車両60への充電を継続する(ステップS404)。充電器10は出力値Z´iを算出するたびにサーバ装置30へ送信する(ステップS406)。サーバ装置30は、出力値Z´iを受信するたびに出力値Z´iを記憶部308に保持しておく。ステップS404およびステップS406は、例えばEV車両60から充電器10へ要求電力値riが出力されるたびに実行される。EV車両60の充電が完了すると、サーバ装置30は記憶部308に保持しておいた各出力値Z´iを用いて、上述した還元料ロジック1にて還元料を決定する(S408)。

Claims (10)

  1. EV(電気自動車)車両への充電が行われた際の充電器の出力値である充電出力値を取得するステップと、
    前記充電器の充電出力値に基づいて、前記充電に関する充電料金の少なくとも一部を還元するための還元料を決定するステップと、
    前記還元料を含む還元情報を出力するステップと、
    を含む方法。
  2. 前記還元料を決定するステップは、前記充電器の前記充電出力値と、前記充電器が出力可能な電力値である充電可能電力値と、に基づいて前記還元料を決定する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記還元料を決定するステップは、前記充電器の前記充電出力値と前記充電可能電力値とが等しい場合に、前記還元料を決定する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記EV車両が充電時に希望する前記充電器の出力値である希望出力値を取得するステップをさらに含み、
    前記還元料を決定するステップは、前記充電器の前記充電出力値と、前記希望出力値と、に基づいて前記還元料を決定する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記還元料を決定するステップは、前記充電器の前記充電出力値が前記希望出力値の最大値よりも小さい場合に、前記還元料を決定する、請求項4に記載の方法。
  6. ユーザ端末に、地図情報とともに、前記充電器の所在地と、前記充電器が出力可能な電力値である充電可能電力値と、を出力するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 充電料金の課金のための情報である充電情報を前記充電器から取得するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記取得された充電情報の一部または全てを課金事業者のコンピュータ装置に出力するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行するコンピュータ装置。
  10. 請求項1から8のいずれか一項に記載の方法をコンピュータ装置に実行させるコンピュータプログラム。
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