(1)実施形態
(1−1)概要
図1は、一実施形態の管理システム10を示す。管理システム10は、1以上のユーザによる1以上の移動体100の使用の管理をするシステムである。特に、本実施形態では、管理システム10が、複数のユーザによる複数の移動体100(100A〜100D)の使用の管理をするシステムである場合を想定する。管理システム10は、ユーザが、ユーザの要求(要望、希望)に合う移動体100を使用できるように、移動体100の管理を行う。なお、ここでいう「使用」は、料金の支払いを必要としない使用と、料金の支払いを必要とする使用とを含み得る。例えば、複数の移動体100が企業の所有物であり、当該企業の従業員であるユーザが移動体100を使用する場合には、料金の支払いは必要とされない。一方、企業が、当該企業の従業員ではないユーザに移動体100の使用を許諾する、つまり、移動体100を貸し出す場合、企業の従業員ではないユーザは移動体100の使用に対する対価を支払う。
本実施形態において、移動体100は、移動体100の動力源として用いられる蓄電池110を有する(図1参照)。蓄電池(バッテリ)110は、移動体100の駆動装置(例えばモータ)を駆動させるために用いられる。移動体100は、一例として、蓄電池110に蓄積された電気エネルギを用いて走行する電動車両である。電動車両の例としては、電動機の出力によって走行する電気自動車、又はエンジンの出力と電動機の出力とを組み合わせて走行するプラグインハイブリッド車が挙げられる。つまり、電動車両は、電気自動車(電気を動力源の全部又は一部として用いる自動車をいう)を意味し得る。移動体100は、電気自動車に限定されず、シニアカー、二輪車(電動バイク)、三輪車又は電動自転車であってもよい。以下では、説明を分かりやすくするために、移動体100が電気自動車であるとし、必要に応じて、移動体100を電気自動車100という。
管理システム10は、一例として、カーシェアリングサービスやレンタカーサービスに適用され得る。特に、本実施形態では、管理システム10は、企業等の法人が保有する車両をユーザに貸し出すサービスの提供に利用され得る。この場合、ユーザは、当該法人に属する人物(従業員等)に限らず、法人に属さない人物も含み得る。つまり、管理システム10は、当該法人に属する人物(従業員等)の使用予定がない車両を、法人に属さない人物に貸し出すサービスにも適用され得る。
管理システム10は、図1に示すように、充電管理システム20と、使用管理システム30と、電力供給システム40と、端末装置50と、を含む。充電管理システム20と、使用管理システム30と、電力供給システム40と、端末装置50とは、通信ネットワーク60に接続可能である。
端末装置50は、ユーザが電気自動車100の使用に関する要求を移動体管理システム11に与えるための装置である。
使用管理システム30は、1以上のユーザによる1以上の電気自動車100の使用を管理するシステムである。一例として、使用管理システム30は、ユーザからの要求に応じて、複数の電気自動車100からユーザの要求に合致する電気自動車100を選択し、ユーザに割り当てる。具体的には、使用管理システム30は、ユーザからの要求に基づいて、複数の電気自動車100について使用スケジュールを決定し、使用スケジュールを参照して、電気自動車100のユーザへの割り当てを行う。
充電管理システム20は、電力供給システム40による1以上の電気自動車100の充電を管理するシステムである。一例として、充電管理システム20は、1以上の電気自動車100の充電を適切に制御することで、必要とされる際に電気自動車100の蓄電池110の残量が不足する可能性を低減する。具体的には、充電管理システム20は、使用管理システム30から与えられる使用スケジュールを参照して複数の電気自動車100について充電スケジュールを決定し、充電スケジュールに従って電力供給システム40の制御を実行する。
電力供給システム40は、電気自動車100の充電に利用される1以上の充電器41(41A〜41D)を備える。各充電器41は、商用交流電源や分散型電源(太陽電池、蓄電池、燃料電池、風力発電機等)等の電源からの電力を利用して、電気自動車100の充電が可能である。電力供給システム40では、各充電器41が充電管理システム20からの指示に従って電気自動車100の充電を実行し、これによって、1以上の電気自動車100が充電スケジュール通りに充電される。
充電管理システム20と使用管理システム30とは、通信ネットワーク60に接続され、移動体管理システム11を構築している。移動体管理システム11は、1以上の電気自動車100の使用スケジュール及び充電スケジュールを含むスケジュール情報を管理し、スケジュール情報とユーザからの要求とに基づいて、ユーザにその要求に合った電気自動車100の割り当てを実行する。
図2は、管理システム10の動作の一例を示す。ユーザは、端末装置50を用いて、電気自動車100の使用の要求を行う(M11)。ユーザからの要求は、使用管理システム30に送られ、使用管理システム30は、ユーザからの要求に従って、要求情報を充電管理システム20に与える(M12)。要求情報は、一例として、電気自動車100の使用の要求期間を含む。充電管理システム20は、複数の電気自動車100についての使用スケジュールと要求情報とから得られる電気自動車100の要求期間における蓄電池110の利用可能電力量に基づいて、判定用情報を生成する(S11)。判定用情報は、複数の電気自動車100に要求期間に使用可能な電気自動車100があるかどうかを判定するための情報である。充電管理システム20は、判定用情報を使用管理システム30に与える(M13)。使用管理システム30は、ユーザからの要求と判定用情報とを参照して、電気自動車100の使用可否の判定(つまり、ユーザからの要求に合致する電気自動車100があるかどうかの判定)を行う(S12)。そして、使用管理システム30は、使用可能な電気自動車100があれば、使用可能な電気自動車100についての情報を端末装置50に送信し、使用可能な電気自動車100をユーザに提示する(M14)。ユーザが、使用可能な電気自動車100から使用を希望する電気自動車100を端末装置50にて選択すると、ユーザが選択した電気自動車100の情報が使用管理システム30に送られる(M15)。これに応答して、使用管理システム30は、ユーザが選択した電気自動車100の使用を確定し、電気自動車100の使用が確定したことを端末装置50と充電管理システム20とに通知する(M16,M17)。そして、使用管理システム30は、複数の電気自動車100についての使用スケジュールを更新する(S13)。また、充電管理システム20は、複数の電気自動車100についての充電スケジュールを更新する(S14)。
本実施形態の管理システム10では、このようにして、ユーザへの電気自動車100の割り当てが実行される。そして、管理システム10において、充電管理システム20は、電力供給システム40により複数の電気自動車100の充電を実行するための充電スケジュールを決定する充電システムとしての機能を有している。この充電システムとしての機能は、取得部231と、決定部233とで実現される(図3参照)。つまり、充電システムは、取得部231と、決定部233とを備える。取得部231は、動力源として用いられる蓄電池110を備える複数の電気自動車100の使用スケジュールを取得する。決定部233は、使用スケジュールから得られる複数の電気自動車100それぞれの充電可能期間に基づいて、複数の電気自動車100の使用スケジュールに基づく使用電力量を確保するための、複数の電気自動車100の充電スケジュールを決定する。
このような充電システムによれば、複数の電気自動車100の使用スケジュールに基づいて、充電スケジュールを決定することができる。そして、充電スケジュール通りに複数の電気自動車100の充電を実行することによって、複数の電気自動車100を使用スケジュール通りに運用することが可能となる。したがって、複数の電気自動車100の蓄電池110の充電の管理を容易に行える。
(1−2)詳細
以下、本実施形態の管理システム10について更に詳細に説明する。図1に示すように、管理システム10は、充電管理システム20と、使用管理システム30と、電力供給システム40と、端末装置50と、を含む。充電管理システム20と、使用管理システム30と、電力供給システム40と、端末装置50とは、通信ネットワーク60に接続可能である。特に、充電管理システム20と使用管理システム30とは、通信ネットワーク60に接続され、移動体管理システム11を構築している。
通信ネットワーク60は、インターネットを含み得る。通信ネットワーク60は、単一の通信プロトコルに準拠したネットワークだけではなく、異なる通信プロトコルに準拠した複数のネットワークで構成され得る。通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。図1では簡略化されているが、通信ネットワーク60は、リピータハブ、スイッチングハブ、ブリッジ、ゲートウェイ、ルータ等のデータ通信機器を含み得る。
端末装置50は、移動体管理システム11への情報の入力、及び、移動体管理システム11からの情報の表示に利用される。端末装置50は、図5に示すように、入出力部51と、通信部52と、処理部53と、を備える。端末装置50は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、又は、携帯端末(スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等)により実現され得る。本実施形態では、端末装置50は、スマートフォンである。
入出力部51は、端末装置50を操作するための入力装置を備える。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド等を含み得る。また、入出力部51は、情報を表示するための画像表示装置を備える。画像表示装置は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の薄型のディスプレイ装置を含み得る。
通信部52は、通信インターフェースである。通信部52は、通信ネットワーク60に接続可能であり、通信ネットワーク60を通じた通信を行う機能を有する。通信部52は、所定の通信プロトコルに準拠している。所定の通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。
処理部53は、端末装置50の全体的な制御、すなわち、入出力部51及び通信部52を制御するように構成される。処理部53は、上述した、入出力部51の操作に応じて、ユーザにより入力された情報を、通信部52から移動体管理システム11に通信ネットワーク60を通じて送信する機能を有している。また、処理部53は、通信ネットワーク60を通じて通信部52で受信した移動体管理システム11からの情報を、入出力部51によりユーザに提示する機能を有している。処理部53は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上の(コンピュータ)プログラム(アプリケーション)を実行することで、処理部53として機能する。プログラムは、ここでは処理部53のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
電力供給システム40は、電気自動車100の動力源として用いられる蓄電池110の充電のためのシステムである。電力供給システム40は、図1に示すように、施設400に設置される。施設400は、電気自動車100の駐車場410と、駐車場410に付設された建物420とを含み得る。なお、施設400の例としては、住宅(例えば、戸建住宅、集合住宅)、非住宅(例えば、工場、商業施設、アミューズメント施設、病院、事務所、ビル)が挙げられる。
図6に示すように、電力供給システム40は、電気自動車100の充電に利用される複数の充電器41(41A〜41D)と、電源設備42と、複数の電流センサ43と、ゲートウェイ44と、管理装置45と、を備える。
充電器41は、電源設備42に接続される。充電器41は、電源設備42から得られる電力によって、充電器41に接続されている電気自動車100の蓄電池110の充電が可能である。充電器41には、大別して、普通充電と急速充電との2種類の充電設備が利用可能である。本実施形態では、200V(又は100V)の単相交流の供給を受けて、蓄電池110の充電を行う普通充電用の充電設備が充電器41に利用される。また、普通充電のモードは、充電制御方式によって、「Mode1」、「Mode2」及び「Mode3」に分類される(IEC61851-1)。「Mode1」は、制御回路を持たない充電設備から車両に電力供給を行う方式である。「Mode2」は、充電ケーブルに制御回路を内蔵している方式である。「Mode3」は、充電設備に制御回路を内蔵している方式である。充電器41は、「Mode3」の方式を採用していることとする。なお、充電器41には、従来周知の構成を採用できるため、本実施形態では詳細に説明しない。
電源設備42は、電力系統200に接続され、商用交流電源210から電力を得ることが可能である。また、電源設備42は、分散型電源300に接続され、分散型電源300への給電又は分散型電源300から電力供給を受けることが可能である。分散型電源300は、交流電源又は直流電源である。交流電源の例としては、風力発電システム等の交流発電システムが挙げられる。直流電源の例としては、太陽電池、燃料電池、及び二次電池(蓄電池)が挙げられる。二次電池の例としては、例えば、ニッケル水素電池、及びリチウムイオン電池が挙げられる。電源設備42は、商用交流電源210や分散型電源300から受け取った電力を、各充電器41に分配することが可能である。なお、電源設備42には、従来周知の構成を採用できるため、本実施形態では詳細に説明しない。
複数の電流センサ43は、第1電流センサ431と、複数の第2電流センサ432A〜432Dを含む。第1電流センサ431は、電力系統200と電源設備42との間の電路に設置され、電力系統200から電源設備42に供給される電流の計測が可能である。第2電流センサ431A〜431Dは、電源設備42と充電器41A〜41Dの間の電路に設置され、電源設備42から充電器41A〜41Dに供給される電流の計測が可能である。なお、電流センサ43には、従来周知の構成を採用できるため、本実施形態では詳細に説明しない。
管理装置45は、複数の充電器41を制御可能である。具体的には、管理装置45は、図6に示すように、ゲートウェイ44に接続されており、複数の充電器41及び複数の電流センサ43とゲートウェイ44を介して通信する。これにより、管理装置45は、各充電器41を制御したり、電力供給システム40の動作状態を取得したりすることが可能である。本実施形態では、電力供給システム40の動作状態は、複数の電流センサ43(第1電流センサ431、複数の第2電流センサ432A〜432D)による電流測定の結果で表される。管理装置45は、充電管理システム20からの指示に従って各充電器41を制御する。これによって、電気自動車100を充電スケジュール通りに充電することが可能となる。
使用管理システム30は、1以上のユーザによる1以上の電気自動車100の使用を管理するシステムである。本実施形態では、使用管理システム30は、複数の電気自動車100について使用スケジュールを決定し、使用スケジュールを参照して、電気自動車100の使用を管理する。図7は、使用スケジュールの一例を示す。図7では、使用スケジュールは、複数(ここでは4)の電気自動車100A〜100Dの指定期間内の使用予定期間を示す。図7では、指定期間は一日である。なお指定期間は、一日である必要はなく、一週間、一か月、一年等であってもよく、管理システム10の運用状況に合わせて適宜設定され得る。使用予定期間は、電気自動車100のユーザによる使用が予定されている期間である。使用予定期間は、電気自動車100をユーザが保有する期間である。換言すれば、使用予定期間は、ユーザが電気自動車100を使用する権利を専有する期間である。よって、ユーザは、使用予定期間の間は、予め定めた契約の範囲内で電気自動車100を自由に使用できる。例えば、ユーザは、使用予定期間の間は、電気自動車100で移動したり、電気自動車100を駐車場に止めて食事や買い物をしたりしてよい。図7では、移動体100Aについては、08:00〜12:00の使用予定期間U11、及び、14:00〜18:00の使用予定期間U12が設定されている。移動体100Bについては、08:00〜10:00の使用予定期間U21、及び、16:00〜18:00の使用予定期間U22が設定されている。移動体100Cについては、08:00〜12:00の使用予定期間U31、及び、14:00〜16:00の使用予定期間U32が設定されている。移動体100Dについては、08:00〜18:00の使用予定期間U41が設定されている。また、使用管理システム30は、使用スケジュールに含まれる使用予定期間のそれぞれについて、使用予定量を保持している。使用予定量は、使用予定期間の電気自動車100の使用による蓄電池110の残量の減少量に対応する。なお、使用予定量は、必ずしも使用予定期間のあいだ電気自動車100を所定速度で移動させるのに必要な電力量である必要はなく、電気自動車100の属性情報等の種々の条件を考慮して、設定され得る。例えば、電気自動車100の属性情報は、種類、用途、初期位置、目的地、移動予定距離、移動予定人数、及び使用態様の少なくとも一つを含み得る。一例として、電気自動車100の属性情報の用途が買い物であれば、使用予定量は、使用予定期間のあいだ電気自動車100を所定速度で移動させるのに必要な電力量の50%に設定され得る。
使用管理システム30は、図4に示すように、通信部31と、記憶部32と、処理部33と、を備える。使用管理システム30は、サーバにより実現され得る。
通信部31は、通信インターフェースである。通信部31は、通信ネットワーク60に接続可能であり、通信ネットワーク60を通じた通信を行う機能を有する。通信部31は、所定の通信プロトコルに準拠している。所定の通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。
記憶部32は、処理部33が利用する情報を記憶するために用いられる。一例として、記憶部32には、使用スケジュールが記憶される。また、使用スケジュールとともに、使用スケジュールに含まれる使用予定期間それぞれの使用予定量が記憶される。記憶部32は、1以上の記憶装置を含む。記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。
処理部33は、使用管理システム30の動作を制御する制御回路である。処理部33は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上の(コンピュータ)プログラム(アプリケーション)を実行することで、処理部33として機能する。プログラムは、ここでは処理部33のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
処理部33は、図4に示すように、受付部331と、判定部332と、通知部333と、更新部334と、を備える。図4において、受付部331と、判定部332と、通知部333と、更新部334とは実体のある構成を示しているわけではなく、処理部33によって実現される機能を示している。受付部331と、判定部332と、通知部333と、更新部334とについては、後に説明する。
充電管理システム20は、1以上の電気自動車100の充電を管理するシステムである。本実施形態では、充電管理システム20は、複数の電気自動車100の充電に、電力供給システム40を利用する。電気自動車100の充電は、基本的には、使用予定期間外で行う。そのため、充電管理システム20は、使用管理システム30が生成する使用スケジュールを参照して充電スケジュールを決定する。そして、充電管理システム20は、決定した充電スケジュールに従い、電気自動車100の充電を制御する。図8は、図7の使用スケジュールを参照して決定された充電スケジュールの一例を示す。なお、図8では、使用スケジュールも示されている。図8では、充電スケジュールは、複数(ここでは4)の電気自動車100A〜100Dの指定期間内の充電予定期間を示す。図8では、指定期間は一日である。なお指定期間は、一日である必要はなく、一週間、一か月、一年等であってもよく、管理システム10の運用状況に合わせて適宜設定され得る。充電予定期間は、電気自動車100の充電が予定されている期間である。充電予定期間は、指定期間において、使用予定期間と重複しないように設定される。図8では、移動体100Aについては、00:00〜02:00の充電予定期間C11、12:00〜14:00の充電予定期間C12、及び20:00〜00:00の充電予定期間C13が設定されている。移動体100Bについては、00:00〜04:00の充電予定期間C21、10:00〜16:00の充電予定期間C22、18:00〜20:00の充電予定期間C23、及び22:00〜00:00の充電予定期間C24が設定されている。移動体100Cについては、00:00〜06:00の充電予定期間C31、12:00〜14:00の充電予定期間C32、及び16:00〜22:00の充電予定期間C33が設定されている。移動体100Dについては、02:00〜08:00の充電予定期間C41、及び18:00〜00:00の充電予定期間C42が設定されている。
充電管理システム20は、図3に示すように、通信部21と、記憶部22と、処理部23と、を備える。充電管理システム20は、サーバにより実現され得る。
通信部21は、通信インターフェースである。通信部21は、通信ネットワーク60に接続可能であり、通信ネットワーク60を通じた通信を行う機能を有する。通信部21は、所定の通信プロトコルに準拠している。所定の通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。
記憶部22は、処理部23が利用する情報を記憶するために用いられる。一例として、記憶部22には、充電スケジュールが記憶される。また、記憶部22には、使用管理システム30から取得した使用スケジュールが記憶される。記憶部22は、1以上の記憶装置を含む。記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。
処理部23は、充電管理システム20の動作を制御する制御回路である。処理部23は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上の(コンピュータ)プログラム(アプリケーション)を実行することで、処理部23として機能する。プログラムは、ここでは処理部23のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
処理部23は、図3に示すように、取得部231と、提示部232と、決定部233と、制御部234と、通知部235と、を備える。図3において、取得部231と、提示部232と、決定部233と、制御部234と、通知部235とは実体のある構成を示しているわけではなく、処理部23によって実現される機能を示している。
以下、充電管理システム20の取得部231、提示部232、決定部233、制御部234、及び通知部235と、使用管理システム30の受付部331、判定部332、通知部333、及び更新部334について説明する。図2に示すように、充電管理システム20と使用管理システム30とは相互に情報の送受信を行う。そのため、以下では、説明の分かりやすさを優先して、充電管理システム20と使用管理システム30の動作の流れにしたがって説明をする。
使用管理システム30の受付部331は、端末装置50から移動体100に関するユーザの要求を受け付ける。電気自動車100に関するユーザの要求は、少なくとも、電気自動車100の使用の要求期間を含む。要求期間は、ユーザが電気自動車100の使用を要求する期間である。電気自動車100に関するユーザの要求は、ユーザの属性情報、電気自動車100の属性情報を含み得る。ユーザの属性情報は、ユーザが法人に属するか否かについての情報であり得る。また、電気自動車100の属性情報は、種類、用途、初期位置、目的地、移動予定距離、移動予定人数、及び使用態様の少なくとも一つを含み得る。
使用管理システム30の判定部332は、電気自動車100に関するユーザの要求に合致する電気自動車100があるかどうかを判定する。本実施形態では、判定部332は、複数の電気自動車100からユーザの要求に合致する電気自動車100を選択する。判定部332は、複数の電気自動車100からユーザの要求に合致する電気自動車100を選択するにあたって、充電管理システム20から得られる判定用情報を参照する。判定部332は、充電管理システム20から判定用情報を得るために、充電管理システム20に要求情報を与える。要求情報は、電気自動車100の使用の要求期間を含む。本実施形態では、要求情報は、電気自動車100を要求期間の間利用するのに必要な必要電力量を含む。ここで、電気自動車100に関するユーザの要求は、ユーザの属性情報、電気自動車100の属性情報を含み得る。電気自動車100の属性情報は、種類、用途、初期位置、目的地、移動予定距離、移動予定人数、及び使用態様の少なくとも一つを含み得る。種類の例としては、電気自動車100の車種や、電気自動車100の種別(普通自動車、軽自動車等)が挙げられる。用途の例としては、旅行や、買い物、送迎、配達等が挙げられる。初期位置の例としては、使用予定期間の開始時に電気自動車100が配置されている場所が挙げられる。この場所は、電気自動車100の充電場所であってもよい。目的地の例としては、ユーザが電気自動車100を利用して訪れる場所が挙げられる。例えば、ユーザが電気自動車100を買い物に利用する場合には、ユーザが訪れる店舗が目的地となる。また、ユーザが電気自動車100を旅行に利用する場合には、ユーザが訪れる観光地や宿泊施設が目的地となる。移動予定距離は、ユーザが電気自動車100により移動する予定の距離である。例えば、初期位置と目的地との往復に必要な距離が、移動予定距離となる。移動予定人数は、電気自動車100により移動する予定の人数である。一例として、移動予定人数は、電気自動車100に乗る予定の人数である。使用態様は、電気自動車100の使用の態様である。ここでは、使用態様としては、企業の従業員が使用する態様(業務内の使用)や、企業の従業員以外が利用する態様(業務外の使用、カーシェアリングやレンタカー)を想定している。
判定部332は、電気自動車100の属性情報から、必要電力量を求めてよい。例えば、電気自動車100の属性情報が移動予定距離を含んでいれば、移動予定距離から、必要電力量を推定することが可能である。また、移動予定距離は、初期位置や目的地から推定されてもよい。例えば、電気自動車100の種類や移動予定人数は、電気自動車100の電費に影響し得る。電費は、必要電力量に影響し得る。よって、必要電力量は、移動体(電気自動車100)の種類に応じて変更されてよい。また、必要電力量は、移動体(電気自動車100)の用途に応じて変更されてよい。電気自動車100の用途の例としては、旅行や、買い物等が挙げられる。旅行は買い物よりも長距離の移動が想定されるため、用途が旅行であれば用途が買い物である場合よりも、必要電力量が多く設定され得る。また、要求情報は、電気自動車100に関するユーザの要求に含まれる、ユーザの属性情報、電気自動車100の属性情報を含んでいてもよい。つまり、必要電力量は、必ずしも要求期間のあいだ電気自動車100を動作(走行)させるのに必要な電力量である必要はなく、電気自動車100の属性情報等の種々の条件を考慮して、設定され得る。
充電管理システム20の取得部231は、それぞれ動力源として用いられる蓄電池110を備える複数の電気自動車100の使用を管理する使用管理システム30から電気自動車100の使用の要求期間を含む要求情報を取得する。本実施形態では、使用管理システム30の判定部332が要求情報を充電管理システム20に送信し、充電管理システム20の取得部231が通信ネットワーク60を通じて、要求情報を受け取る。また、取得部231は、使用管理システム30から電気自動車100の使用スケジュールを取得する。このとき、取得部231は、使用スケジュールに含まれる使用予定期間の使用予定量も使用管理システム30から取得する。
充電管理システム20の提示部232は、判定用情報を使用管理システム30に提示する。判定用情報は、要求期間に電気自動車100が使用可能であるかどうかを判定するための情報である。提示部232は、電気自動車100の要求期間における蓄電池110の利用可能電力量に基づいて判定用情報を生成する。本実施形態では、判定用情報は、基本情報を含む。基本情報は、電気自動車100の要求期間における利用可能電力量(第1利用可能電力量)を示す情報を含む。また、判定用情報は、必要に応じて影響情報を含む。影響情報は、要求期間における蓄電池110の利用可能電力量(第1利用可能電力量)を確保した際の1以上の使用予定期間での電気自動車100の使用への影響を表す情報である。特に、影響情報は、要求期間における蓄電池110の利用可能電力量(第1利用可能電力量)を確保した場合の1以上の使用予定期間における蓄電池110の利用可能電力量(第2利用可能電力量)を示す情報を含む。このように、提示部232は、基本情報と影響情報とを判定用情報に含めて使用管理システム30に提示し得る。
使用管理システム30の判定部332は、充電管理システム20の提示部232から得た判定用情報を利用して、電気自動車100に関するユーザの要求に合致する電気自動車100があるかどうかを判定する。判定部332は、電気自動車100の利用可能電力量(第1利用可能電力量)が電気自動車100を要求期間の間利用するのに必要な必要電力量以上である電気自動車100を、要求期間に使用可能な移動体(電気自動車)100の候補として選択する。ただし、第1利用可能電力量が必要電力量以上であっても、第2利用可能電力量が使用予定量未満になる場合には、要求期間に電気自動車100が使用可能としないほうがよい。よって、判定部332は、要求期間の後の使用予定期間の第2利用可能電力量が使用予定量未満となる移動体(電気自動車)100は、要求期間に使用可能な移動体(電気自動車)100の候補から除外する。なお、判定部332は、要求期間の後の使用予定期間の第2利用可能電力量が使用予定量未満となる移動体(電気自動車)100であっても、ユーザに提示する付帯条件付きで、要求期間に使用可能な移動体(電気自動車)100の候補としてよい。付帯条件は、ユーザが移動体100の第2利用可能電力量が使用予定量未満となることを了承することである。これは、ユーザが自身で移動体100を充電することを了承することであるともいえる。この場合、使用管理システム30は、ユーザが移動体100の第2利用可能電力量が使用予定量未満であることを了承するメリットとして、移動体100の使用に必要な料金のディスカウントを提示することができる。
このようにして、本実施形態では、判定部332は、判定用情報に基づいて、要求期間に使用可能な移動体(電気自動車)100を、電気自動車100に関するユーザの要求に合致する電気自動車100として選択する。
使用管理システム30の通知部333は、判定部332が選択したユーザの要求に合致する電気自動車100をユーザに通知するための通知情報を、端末装置50に送信する。これによって、端末装置50は、判定部332が選択したユーザの要求に合致する電気自動車100の情報を、入出力部51によりユーザに提示する。ユーザは、入出力部51を用いて、入出力部51に提示された電気自動車100から所望の電気自動車100を選択可能である。端末装置50は、ユーザが選択した電気自動車100の情報を、使用管理システム30に送信する。なお、ユーザの要求に合致する電気自動車100がない場合には、ユーザの要求に合致する電気自動車100がない旨の通知がされてよい。
使用管理システム30の更新部334は、ユーザが選択した電気自動車100の情報を、端末装置50から受け取る。更新部334は、ユーザが選択した電気自動車100で使用予定期間を確定することを、端末装置50及び充電管理システム20に通知する。更新部334は、使用スケジュールを変更して、ユーザが選択した電気自動車100について、要求期間に対応する期間を使用予定期間として設定する。このように、更新部334は、使用スケジュールを、ユーザの要求に合わせて変更(更新)する。更に、更新部334は、要求期間の必要電力量を、要求期間に対応する期間を使用予定期間の使用予定量として設定する。
充電管理システム20の決定部233は、充電スケジュールを決定する機能を有する。具体的には、決定部233は、使用スケジュールから得られる複数の電気自動車100それぞれの充電可能期間に基づいて、複数の電気自動車100の使用スケジュールに基づく使用電力量を確保するための、複数の電気自動車100の充電スケジュールを決定する。ここで、使用スケジュールは、上述したように、取得部321によって、使用管理システム30から取得される。つまり、充電管理システム20は、取得部321によって、使用管理システム30から使用スケジュールを取得する。
以下、充電スケジュールの決定の過程について更に詳細に説明する。決定部233は、取得部321によって使用スケジュールが取得されると、使用スケジュールから、複数の電気自動車100のそれぞれの充電可能期間を抽出する。充電可能期間は、電気自動車100の蓄電池110の充電に利用することが可能な期間である。本実施形態では、各電気自動車100において、使用予定期間と重ならない期間が、充電可能期間として抽出される。例えば、図7に示す使用スケジュールの場合、電気自動車100Aについては、00:00〜08:00、12:00〜14:00、18:00〜00:00の期間が使用予定期間U11,U12のいずれとも重複しないため、充電可能期間として抽出される。電気自動車100Bについては、00:00〜08:00、10:00〜16:00、18:00〜00:00の期間が使用予定期間U21,U22のいずれとも重複しないため、充電可能期間として抽出される。電気自動車100Cについては、00:00〜08:00、12:00〜14:00、16:00〜00:00の期間が使用予定期間U31,U32のいずれとも重複しないため、充電可能期間として抽出される。電気自動車100Dについては、00:00〜08:00、18:00〜00:00の期間が使用予定期間U41と重複しないため、充電可能期間として抽出される。
決定部233は、充電スケジュールの決定にあたっては、複数の電気自動車100それぞれにおいて、使用予定期間において蓄電池110の残量が使用予定量以上となるように、充電可能期間に充電予定期間を設定する。ここで、使用予定量は、上述したように、取得部321によって、使用管理システム30から取得される。つまり、充電管理システム20は、取得部321によって、使用管理システム30から使用予定期間の使用予定量を取得する。一例として、電気自動車100Aについて、使用予定期間U11での使用予定量が40%、使用予定期間U12での使用予定量が40%であるとする。電気自動車100Bについて、使用予定期間U21での使用予定量が20%、使用予定期間U22での使用予定量が20%であるとする。電気自動車100Cについて、使用予定期間U31での使用予定量が40%、使用予定期間U32での使用予定量が20%であるとする。電気自動車100Dについて、使用予定期間U41での使用予定量が100%であるとする。
充電予定期間は、蓄電池110を充電する期間(蓄電池110の充電を予定している期間)である。充電予定期間の長さは、蓄電池110の充電予定量と電気自動車100の蓄電池110の充電に用いられる充電器41の性能とで変化し得る。充電予定量は、電気自動車100の充電による蓄電池110の残量の増加量に対応する。使用予定期間の使用予定量は、取得部231によって使用管理システム30から取得される。なお、本実施形態では、使用予定量を蓄電池110の残量(残容量)を基準として表す。また、本実施形態では、蓄電池110の残量(残容量)をSOC(State of Charge)で表す。ただし、蓄電池110の残量は、SOC以外の指標で表されてもよい。蓄電池110の残量は、蓄電池110の残量の単位として周知の単位を利用して表されてよく、例えば、ワットアワー(Wh)、アンペアアワー(Ah)等が利用できる。また、蓄電池110の残量は、蓄電池110の残量に対応する指標により表されてよい。このような指標の例としては、蓄電池110の残量により移動可能な距離(km)が挙げられる。蓄電池110の残量を移動可能か距離により表すことで、ユーザが電気自動車100をどの程度利用できるのかを把握しやすくなる。
電気自動車100Aにおいて、使用予定期間U11,U12において蓄電池110の残量が使用予定量以上となるためには、08:00での蓄電池110の残量が40%以上であり、14:00での蓄電池110の残量が40%以上である必要がある。電気自動車100Bにおいて、使用予定期間U21,U22において蓄電池110の残量が使用予定量以上となるためには、08:00での蓄電池110の残量が20%以上であり、16:00での蓄電池110の残量が20%以上である必要がある。電気自動車100Cにおいて、使用予定期間U31,U32において蓄電池110の残量が使用予定量以上となるためには、08:00での蓄電池110の残量が40%以上であり、14:00での蓄電池110の残量が20%以上である必要がある。電気自動車100Dにおいて、使用予定期間U41において蓄電池110の残量が使用予定量以上となるためには、08:00での蓄電池110の残量が100%以上である必要がある。
決定部233は、充電予定量を決定するにあたって、複数の電気自動車100それぞれの基準時の蓄電池110の残量を利用する。つまり、決定部233は、複数の電気自動車100それぞれの基準時の蓄電池110の残量に基づいて、充電スケジュールを決定する。本実施形態では、基準時は、使用スケジュールの開始時(指定期間の開始時)である。図7の例では、右側の00:00が使用スケジュールの開始時であり、基準時として用いられる。一例として、電気自動車100Aの基準時の蓄電池110の残量が80%、電気自動車100Bの基準時の蓄電池110の残量が0%、電気自動車100Cの基準時の蓄電池110の残量が20%、電気自動車100Dの基準時の蓄電池110の残量が40%であるとする。なお、基準時は、上記の例に限らず、電気自動車100の蓄電池110の残量を取得可能な時点であってもよい。つまり、基準時は、電流センサ43等を利用して直接蓄電池110の残量を検出したり、電気自動車100内で計算されている蓄電池110の残量を通信ネットワーク60経由で充電管理システム20へ送ったり等して実際の蓄電池110の残量を得ることができるタイミングであり得る。このような電気自動車100の蓄電池110の残量を取得可能な時点の例としては、充電可能期間の前の電気自動車100の使用の開始時と終了時、及び、使用予定期間の前の電気自動車100の充電の開始時と終了時が挙げられる。よって、基準時は、充電可能期間の前の電気自動車100の使用の開始時と終了時の一方と、使用予定期間の前の電気自動車100の充電の開始時と終了時の一方と、定期的な時間と、所定期間のうちの所定時間等から選択されてもよいし、予め設定されていてもよい。
電気自動車100Aでは、00:00での蓄電池110の残量が80%であり、使用予定期間U11の使用予定量が40%であるから、00:00〜08:00の充電可能期間に必ずしも充電予定期間を設定する必要はない。ただし、使用予定期間U11の後に使用予定期間U12があるため、蓄電池110の充電をしておくことが好ましい。一例として、08:00において蓄電池110の残量が100%となるように、図8に示すように、00:00〜08:00の充電可能期間において、00:00〜02:00に充電予定量が20%の充電予定期間C11が設定され得る。この場合、使用予定期間U11の終了時(12:00)での蓄電池110の残量が60%となり、使用予定期間U12の使用予定量が40%であるから、12:00〜14:00の充電可能期間に必ずしも充電予定期間を設定する必要はない。ここでは、図8に示すように、12:00〜14:00の充電可能期間に、充電予定量が20%以上の充電予定期間C12が設定され得る。この場合、使用予定期間U12の終了時(18:00)での蓄電池110の残量が40%となる。翌日の00:00での蓄電池110の残量が所定値(例えば80%)となるように、18:00〜00:00の充電可能期間において、20:00〜00:00に充電予定量が40%の充電予定期間C13が設定され得る。
電気自動車100Bでは、00:00での蓄電池110の残量が0%であり、使用予定期間U21の使用予定量が20%であるから、00:00〜08:00の充電可能期間に充電予定量が20%以上の充電予定期間を設定する必要がある。一例として、図8に示すように、00:00〜04:00に、充電予定量が40%の充電予定期間C21が設定され得る。この場合、使用予定期間U21の終了時(10:00)での蓄電池110の残量が20%となり、使用予定期間U22の使用予定量が20%であるから、10:00〜16:00の充電可能期間に必ずしも充電予定期間を設定する必要はない。ここでは、一例として、図8に示すように、10:00〜16:00に、充電予定量が60%以上の充電予定期間C22が設定され得る。この場合、使用予定期間U22の終了時(18:00)での蓄電池110の残量が40%となる。翌日の00:00での蓄電池110の残量が所定値(例えば80%)となるように、18:00〜00:00の充電可能期間において、18:00〜20:00に充電予定量が20%の充電予定期間C23と、22:00〜00:00に充電予定量が20%の充電予定期間C24とが設定され得る。
電気自動車100Cでは、00:00での蓄電池110の残量が20%であり、使用予定期間U31の使用予定量が40%であるから、00:00〜08:00の充電可能期間に充電予定量が20%以上の充電予定期間を設定する必要がある。一例として、図8に示すように、00:00〜06:00に、充電予定量が60%の充電予定期間C31が設定され得る。この場合、使用予定期間U31の終了時(12:00)での蓄電池110の残量が20%となり、使用予定期間U32の使用予定量が20%であるから、12:00〜14:00の充電可能期間に必ずしも充電予定期間を設定する必要はない。ここでは、一例として、図8に示すように、12:00〜14:00に、充電予定量が20%の充電予定期間C32が設定され得る。この場合、使用予定期間U32の終了時(16:00)での蓄電池110の残量が20%となる。翌日の00:00での蓄電池110の残量が所定値(例えば80%)となるように、16:00〜00:00の充電可能期間において、16:00〜22:00に充電予定量が60%の充電予定期間C33が設定され得る。
電気自動車100Dでは、00:00での蓄電池110の残量が40%であり、使用予定期間U41の使用予定量が100%であるから、00:00〜08:00の充電可能期間に、充電予定量が60%の充電予定期間を設定すればよい。ここでは、図8に示すように、02:00〜02:00に、充電予定量が60%の充電予定期間C41が設定され得る。この場合、使用予定期間U41の終了時(18:00)での蓄電池110の残量が0%となる。翌日の00:00での蓄電池110の残量が所定値(例えば60%)となるように、18:00〜00:00の充電可能期間において、18:00〜00:00に充電予定量が60%の充電予定期間C42が設定され得る。
本実施形態では、決定部233は、複数の電気自動車100の充電に利用される電力の合計が閾値を超えないように、充電スケジュールを決定する。例えば、図8では、00:00〜02:00において、充電予定期間C11,C21,C31が重複しているが、電気自動車100A〜100Cの充電に利用される電力の合計値が閾値を超えないように調整される。同様に、20:00〜22:00において、充電予定期間C13,C33,C42が重複しているが、電気自動車100A,100C,100Dの充電に利用される電力の合計値が閾値を超えないように調整される。このようにして、充電スケジュールの全体に亘って、複数の電気自動車100の充電に利用される電力の合計が閾値を超えないように調整される。
本実施形態では、電力供給システム40は、商用交流電源210と分散型電源300とを含む複数の電源を利用して、複数の電気自動車100の充電を行うことができる。つまり、複数の電気自動車100の充電には、複数の電源が利用され得る。この場合、閾値は、複数の電源のうちの特定の電源からの電力が規定値以下となるように設定される。本実施形態では、特定の電源は、商用交流電源210である。規定値は、商用交流電源210からの電力のうち電気自動車100の充電に利用可能な電力の上限値であり得る。上限値は、例えば、電気事業者の電気料金プランの契約電力に基づいて設定され得る。例えば、施設400では、商用交流電源210からの電力が契約電力を超えないように、電気自動車100の充電に利用可能な電力の上限値が設定され得る。よって、閾値を設定することで、複数の電気自動車100の充電によって、商用交流電源210からの電力が契約電力を超えてしまうことが防止され得る。なお、閾値や規定値は時間帯によって変更されてよい。一例としては、昼間の時間帯は、深夜の時間帯よりも閾値や規定値が低く設定され得る。
また、決定部233は、複数の電気自動車100の優先順位に従って電力が供給されるように、充電スケジュールを決定してよい。つまり、優先順位が高い電気自動車100が優先的に充電されてよい。また、決定部233は、複数の移動体(電気自動車100)の優先順位に従って充電速度が変更されるように、充電スケジュールを決定してよい。つまり、優先順位が高い電気自動車100が単位時間当たりの充電量が大きく設定されてよい。例えば、優先順位が高い電気自動車100は急速充電用の充電器で充電され、優先順位が低い電気自動車100は普通充電用の充電器で充電されてよい。ここで、優先順位は、複数の電気自動車100の各々の使用態様、複数の電気自動車100の各々の使用頻度、及び複数の電気自動車100の各々の蓄電池110の残量の少なくとも一つに基づいて設定され得る。使用態様は、電気自動車100の属性情報から得られる。使用態様としては、上述したように、企業の従業員が使用する態様(業務内の使用)や、企業の従業員以外が利用する態様(業務外の使用、カーシェアリングやレンタカー)を想定している。例えば、業務内の使用の場合には優先順位が高く、業務外の使用の場合には優先順位が低く設定され得る。使用頻度は、例えば、一定期間内に電気自動車100が使用された回数であり得る。使用頻度は、使用管理システム30が、各電気自動車100の使用履歴から求めることが可能である。例えば、使用頻度が高いほど優先順位が高く、使用頻度が低いほど優先順位が低く設定され得る。蓄電池110の残量は、各電気自動車100から取得することが可能である。例えば、蓄電池110の残量が少ないほど優先順位が高く、蓄電池110の残量が多いほど優先順位が低く設定され得る。電気自動車100の優先順位は、適宜変更可能である。
充電管理システム20の決定部233は、ユーザが選択した電気自動車100で使用予定期間を確定することを更新部334から通知されると、この使用予定期間の確定に合わせた使用スケジュールの変更に伴い、充電スケジュールを決定する。つまり、使用スケジュールに新たな使用予定期間が増えることによって必要とされる際に電気自動車100の蓄電池110の残量が不足する可能性を低減するために、充電スケジュールの再設定を行う。一例として、使用スケジュールの終了時の蓄電池110の残量の減少分を補うように充電スケジュールを変更してよい。このように、決定部233は、充電スケジュールを、使用スケジュールの変更(更新)に合わせて、変更(更新)する。
例えば、図9では、12:00〜14:00の要求期間に対して、更新部334によって使用スケジュールの変更がされた例を示している。図9では、更新部334は、使用スケジュールを変更して、ユーザが選択した電気自動車100Aについて、要求期間(12:00〜14:00)に対応する期間を使用予定期間U13として設定している。なお、使用予定期間U13での使用予定量は一例として20%である。充電管理システム20の決定部233は、ユーザが選択した電気自動車100Aで使用予定期間を確定することを更新部334から通知されると、この使用予定期間U13の確定に合わせた使用スケジュールの変更に伴い、充電スケジュールを決定する。ここでは、決定部233は、使用スケジュールの終了時の電気自動車100Aの蓄電池110の残量の低下を補うように充電スケジュールを変更する。一例として、図10に示すように、電気自動車100Aについては、20:00〜00:00の充電予定期間C13を、18:00〜00:00の充電予定期間C14に変更する。この変更に伴い、電気自動車100Bについては、充電予定期間C23が取り消されている。この例では、電気自動車100Aのほうが電気自動車100Bより優先順位が高く、電気自動車100Bよりも電気自動車100Aの充電を優先した結果である。
例えば、図11では、図9と同様に12:00〜14:00の要求期間に対して、更新部334によって使用スケジュールの変更がされた例を示している。図11では、更新部334は、使用スケジュールを変更して、ユーザが選択した電気自動車100Cについて、要求期間(12:00〜14:00)に対応する期間を使用予定期間U33として設定する。そして、充電管理システム20の決定部233は、ユーザが選択した電気自動車100Cで使用予定期間を確定することを更新部334から通知されると、この使用予定期間U33の確定に合わせた使用スケジュールの変更に伴い、充電スケジュールを決定する。ここでは、決定部233は、使用スケジュールの終了時の電気自動車100Cの蓄電池110の残量の低下を補うように充電スケジュールを変更する。一例として、図12に示すように、電気自動車100Cについては、充電予定期間C33が、16:00〜22:00の期間から、16:00〜00:00の期間に変更される。この変更に伴い、電気自動車100Bについては、充電予定期間C24が取り消されている。この例では、電気自動車100Cのほうが電気自動車100Bより優先順位が高く、電気自動車100Bよりも電気自動車100Cの充電を優先した結果である。
例えば、図13では、図9、図11と同様に12:00〜14:00の要求期間に対して、更新部334によって使用スケジュールの変更がされた例を示している。図13では、更新部334は、使用スケジュールを変更して、ユーザが選択した電気自動車100Bについて、要求期間(12:00〜14:00)に対応する期間を使用予定期間U23として設定する。そして、充電管理システム20の決定部233は、ユーザが選択した電気自動車100Bで使用予定期間を確定することを更新部334から通知されると、この使用予定期間U23の確定に合わせた使用スケジュールの変更に伴い、充電スケジュールを決定する。ここでは、決定部233は、使用スケジュールの終了時の電気自動車100Bの蓄電池110の残量の低下を補うように充電スケジュールを変更する。一例として、図14に示すように、電気自動車100Bについては、充電予定期間C23,C24が、これらを含む充電予定期間C25(18:00〜00:00)に変更される。この変更に伴い、電気自動車100Cについては、充電予定期間C33が、充電予定期間C33より短い充電予定期間C35(16:00〜20:00)に変更される。この例では、電気自動車100Bのほうが電気自動車100Cより優先順位が高く、電気自動車100Cよりも電気自動車100Bの充電を優先したためである。
充電管理システム20の制御部234は、電力供給システム40の制御を行う。より詳細には、制御部234は、充電スケジュールに従って電力供給システム40の制御を実行する。つまり、制御部234は、充電スケジュールに従って複数の電気自動車100の蓄電池110の少なくとも一つの充電を制御する。具体的には、制御部234は、充電スケジュールの各充電予定期間において、対応する充電器41にて電気自動車100の充電を実行させる。これによって、電力供給システム40が、充電スケジュールに従って、電気自動車100の充電を実行することになる。
通知部235は、電気自動車100の充電に関する情報の通知を行う。例えば、通知部235は、電気自動車100の充電に関する情報を、通信ネットワーク60を通じて、使用管理システム30に送信する。使用管理システム30は、通知部235から送られてきた、電気自動車100の充電に関する情報に応じた処理を実行することができる。ここで、電気自動車100の充電に関する情報としては、複数の電気自動車100のうち充電スケジュール通りに運用できない電気自動車100の情報が挙げられる。一例として、通知部235は、電力供給システム40の動作状態と充電スケジュールとから、電気自動車100を充電スケジュール通りに充電できるかを判定してよい。例えば、充電スケジュールの充電予定期間において、電力供給システム40の動作状態が電力を供給していない異常状態であれば、電気自動車100を充電スケジュール通りに充電できないと判定する。この場合には、使用管理システム30は、電気自動車100を充電スケジュール通りに充電できないことを、端末装置50を通じてユーザに通知してよい。
(1−3)まとめ
以上述べたように、充電システムは、取得部231と、決定部233とを備える。取得部231は、動力源として用いられる蓄電池110を備える複数の移動体100の使用スケジュールを取得する。決定部233は、使用スケジュールから得られる複数の移動体100それぞれの充電可能期間に基づいて、複数の移動体100の使用スケジュールに基づく使用電力量を確保するための、複数の移動体100の充電スケジュールを決定する。充電システムによれば、複数の移動体100の蓄電池110の充電の管理を容易に行える。
換言すれば、充電システムは、図15に示すような方法(充電方法)を実行しているといえる。充電方法は、取得ステップS31と、決定ステップS32とを備える。取得ステップS31は、動力源として用いられる蓄電池110を備える複数の移動体100の使用スケジュールを取得するステップである。決定ステップS33は、使用スケジュールから得られる複数の移動体100それぞれの充電可能期間に基づいて、複数の移動体100の使用スケジュールに基づく使用電力量を確保するための、複数の移動体100の充電スケジュールを決定するステップである。充電方法によれば、充電システムと同様に、複数の移動体100の蓄電池110の充電の管理を容易に行える。
充電システムは、コンピュータシステムを利用して実現されている。つまり、充電システムが実行する方法(充電方法)は、コンピュータシステムがプログラムを実行することにより実現され得る。このプログラムは、1以上のプロセッサに、充電方法を実行させるためのコンピュータプログラムである。このようなプログラムによれば、充電システムと同様に、複数の移動体100の蓄電池110の充電の管理を容易に行える。
(2)変形例
本開示の実施形態は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、本開示の課題を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
一変形例では、決定部233は、使用管理システム30からの要求に応じて充電スケジュールを再決定してよい。例えば、判定部332が電気自動車100に関するユーザの要求に合致する電気自動車100がないと判定した場合に、判定部332は、決定部233に充電スケジュールの再決定を要求し得る。この場合、決定部233は、ユーザの要求に対応する要求期間を使用予定期間として仮に設定した使用スケジュールから、再度、充電スケジュールを決定してよい。これによって、使用スケジュールに含まれる使用予定期間において使用予定電力量が確保できれば、判定部332が電気自動車100に関するユーザの要求に合致する電気自動車100があるとの判定が可能となる。
一変形例では、充電可能期間において優先的に電気自動車100の蓄電池110を充電する期間を設けてもよい。一般に、深夜の時間帯は昼間の時間帯よりも電気料金が安い傾向にある。そのため、充電可能期間が深夜の時間帯と昼間の時間帯とを含む場合には、深夜の時間帯において昼間の時間帯よりも電気自動車100の蓄電池110の充電に利用する電力量を大きくしてよい。例えば、決定部233は、深夜の時間帯に属する充電予定期間での充電予定量を、昼間の時間帯に属する充電予定期間での充電予定量よりも大きく設定してよい。
一変形例では、決定部233は、複数の電気自動車100の各々の属性情報に基づいて複数の電気自動車100の蓄電池110の充電量を決定してよい。充電量は、一例として、充電可能期間における電気自動車100の蓄電池110の残量の上限値であり得る。例えば、属性情報は、上述したように、種類、用途、初期位置、目的地、移動予定距離、移動人数、及び使用態様の少なくとも一つを含み得る。これら属性情報の例については上述の通りである。例えば、属性情報に含まれる種類から電気自動車100の電費が比較的良いと判断される場合には、決定部233は、充電量を少なく設定してよい。また、属性情報に含まれる用途、初期位置、目的地、移動予定距離等から、電気自動車100の必要電力量が比較的少ないと判断される場合には、決定部233は、充電量を少なく設定してよい。また、属性情報に含まれる移動予定人数が多い場合には、決定部233は、充電量を多く設定してよい。また、決定部233は、業務内の使用の場合には充電量を多く設定し、業務外の使用の場合には充電量を低く設定してよい。このように充電量を電気自動車100の属性情報に応じて設定することで、電気自動車100の蓄電池110の充電を効率良く行えるようになる。
一変形例では、通知部235は、使用スケジュールに含まれる使用予定期間の終了時に移動体(電気自動車100)を配置する充電場所を通知してもよい。充電場所は、決定部233が充電スケジュールに基づいて決定してよい。例えば、電力供給システム40において、複数の充電器41が、急速充電が可能な充電器41(41A)を含む場合、充電スケジュールの決定の際に、特定の電気自動車100については充電器41Aによって急速充電が行われるように、充電予定期間が設定され得る。この場合には、特定の電気自動車100については、充電予定期間の開始時に、充電器41Aで充電可能な場所に配置されることが要求される。この場合には、通知部235は、使用スケジュールに含まれる使用予定期間の終了時に移動体(電気自動車100)を配置する充電場所を、使用管理システム30に通知する。そして、使用管理システム30は、端末装置50に、電気自動車100を充電場所に配置するための案内情報を送ってよい。これによって、ユーザに、使用予定期間の終了時に電気自動車100を充電場所に配置することを促すことが可能となる。また、充電場所は、電気自動車100が複数の電源のうちの特定の電源のみで充電されるように決定されてよい。特定の電源は、例えば、再生可能エネルギのみを利用する分散型電源300であり得る。例えば、電力供給システム40において、複数の充電器41が、再生可能エネルギを利用する分散型電源300からの電力のみで充電可能な特定の充電器41を含む場合、充電スケジュールの決定の際に、特定の電気自動車100については特定の充電器41によって充電されるように、充電場所が設定され得る。再生可能エネルギのみで充電された電気自動車100は二酸化炭素排出量の算定において有利な点があるため、電気自動車100の価値を高めることが可能となる。
一変形例では、決定部233は、複数の移動体(電気自動車)100の使用スケジュールに基づく使用電力量を確保可能な充電スケジュールを設定することができない場合、充電スケジュールを設定できない旨を、通知部235より使用管理システム30に通知してよい。これによって、使用管理システム30では、使用スケジュールの見直しが行われ得る。
本開示における充電管理システム20は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における充電管理システム20としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra LargeScale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、充電管理システム20における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは充電管理システム20に必須の構成ではなく、充電管理システム20の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、充電管理システム20の少なくとも一部の機能、例えば、処理部23の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
(3)態様
第1の態様は、充電システム(20)であって、取得部(231)と、決定部(233)と、を備える。前記取得部(231)は、動力源として用いられる蓄電池(110)を備える複数の移動体(100)の使用スケジュールを取得する。前記決定部(233)は、前記使用スケジュールから得られる前記複数の移動体(100)それぞれの充電可能期間に基づいて、前記複数の移動体(100)の使用スケジュールに基づく使用電力量を確保するための、前記複数の移動体(100)の充電スケジュールを決定する。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の管理を容易に行える。
第2の態様は、第1の態様に基づく充電システム(20)である。第2の態様では、前記使用スケジュールは、前記複数の移動体(100)の使用予定期間を含む。前記複数の移動体(100)の各々において、充電可能期間は、使用予定期間と重ならない期間である。前記決定部(233)は、前記充電スケジュールの決定にあたっては、前記複数の移動体(100)それぞれにおいて、使用予定期間において蓄電池(110)の残量が使用予定量以上となるように、充電可能期間に、蓄電池(110)を充電する充電予定期間を設定する。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の管理を容易に行える。
第3の態様は、第1又は第2の態様に基づく充電システム(20)である。第3の態様では、前記決定部(233)は、前記複数の移動体(100)の充電に利用される電力の合計が閾値を超えないように、前記充電スケジュールを決定する。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の際に電力の消費が過剰に増加することが抑制され得る。
第4の態様は、第3の態様に基づく充電システム(20)である。第4の態様では、前記複数の移動体(100)の充電には、複数の電源(210,300)が利用される。前記閾値は、前記複数の電源(210,300)のうちの特定の電源(210)からの電力が規定値以下となるように設定される。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の際に特定の電源からの電力の消費が過剰に増加することが抑制され得る。
第5の態様は、第1〜第4の態様のいずれか一つに基づく充電システム(20)である。第5の態様では、前記決定部(233)は、前記複数の移動体(100)の優先順位に従って電力が供給されるように、前記充電スケジュールを決定する。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の管理を容易に行える。
第6の態様は、第1〜第5の態様のいずれか一つに基づく充電システム(20)である。第6の態様では、前記決定部(233)は、前記複数の移動体(100)の優先順位に従って充電速度が変更されるように、前記充電スケジュールを決定する。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の管理を容易に行える。
第7の態様は、第6の態様に基づく充電システム(20)である。第7の態様では、前記優先順位は、前記複数の移動体(100)の各々の使用態様、前記複数の移動体(100)の各々の使用頻度、及び前記複数の移動体(100)の各々の蓄電池(110)の残量の少なくとも一つに基づいて設定される。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の管理を容易に行える。
第8の態様は、第1〜第7の態様のいずれか一つに基づく充電システム(20)である。第8の態様では、前記決定部(233)は、前記複数の移動体(100)の各々の属性情報に基づいて前記複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電量を決定する。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の管理を容易に行える。
第9の態様は、第8の態様に基づく充電システム(20)である。第9の態様では、前記属性情報は、種類、用途、初期位置、目的地、移動予定距離、移動人数、及び使用態様の少なくとも一つを含む。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の管理を容易に行える。
第10の態様は、第1〜第9の態様のいずれか一つに基づく充電システム(20)である。第10の態様では、前記充電システム(20)は、前記使用スケジュールに含まれる使用予定期間の終了時に移動体(100)を配置する充電場所を通知する通知部(235)を更に備える。この態様によれば、移動体(100)の充電を適切に行わせることが可能となる。
第11の態様は、第10の態様に基づく充電システム(20)である。第11の態様では、前記決定部(233)は、前記充電スケジュールに基づいて前記充電場所を決定する。この態様によれば、移動体(100)の充電を適切に行わせることが可能となる。
第12の態様は、第1〜第11の態様のいずれか一つに基づく充電システム(20)である。第12の態様では、前記決定部(233)は、前記複数の移動体(100)それぞれの基準時の蓄電池(110)の残量に基づいて、前記充電スケジュールを決定する。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の管理を容易に行える。
第13の態様は、第1〜第12の態様のいずれか一つに基づく充電システム(20)である。第13の態様では、前記充電システム(20)は、前記充電スケジュールに従って前記複数の移動体(100)の蓄電池(110)の少なくとも一つの充電を制御する制御部(234)を更に備える。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の管理を容易に行える。
第14の態様は、充電方法であって、取得ステップと、決定ステップと、を含む。前記取得ステップは、動力源として用いられる蓄電池(110)を備える複数の移動体(100)の使用スケジュールを取得するステップである。前記決定ステップは、前記使用スケジュールから得られる前記複数の移動体(100)それぞれの充電可能期間に基づいて、前記複数の移動体(100)の使用スケジュールに基づく使用電力量を確保するための、前記複数の移動体(100)の充電スケジュールを決定するステップである。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の管理を容易に行える。
第15の態様は、プログラムであって、1以上のプロセッサに、第14の態様の充電方法を実行させるための、プログラムである。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の管理を容易に行える。
第16の態様は、移動体管理システム(11)であって、第1〜第13の態様のいずれか一つの充電システム(20)と、前記使用スケジュールを保持する使用管理システム(30)と、を備える。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の管理を容易に行える。
第17の態様は、管理システム(10)であって、第16の態様の移動体管理システム(11)と、前記移動体管理システム(11)により制御される、前記移動体(100)の蓄電池(110)の充電のための電力供給システム(40)とを備える。この態様によれば、複数の移動体(100)の蓄電池(110)の充電の管理を容易に行える。
なお、第2〜第13の態様は、第15〜第17の態様にも適宜変更して適用することが可能である。