JP2005197450A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光アニールを用いた場合でも、ゲート電極に熱的ダメージを与えることなく、不純物を十分に活性化することのできる半導体装置の製造方法を提案すること。
【解決手段】 多結晶シリコンTFT1を製造するにあたって、波長が300〜700nmにおける平均反射率が50%以上の導電材料としての銀を用いてゲート電極6を形成する。次に、ゲート電極6が形成されている側から高強度の光を照射して、ゲート絶縁膜5を介して多結晶シリコン膜4をアニールし、多結晶シリコン膜4に導入した不純物を活性化する。ゲート電極6は、光の大部分を反射するので、熱的ダメージを受けることがない。
【選択図】 図1
【解決手段】 多結晶シリコンTFT1を製造するにあたって、波長が300〜700nmにおける平均反射率が50%以上の導電材料としての銀を用いてゲート電極6を形成する。次に、ゲート電極6が形成されている側から高強度の光を照射して、ゲート絶縁膜5を介して多結晶シリコン膜4をアニールし、多結晶シリコン膜4に導入した不純物を活性化する。ゲート電極6は、光の大部分を反射するので、熱的ダメージを受けることがない。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体装置の製造方法に関するものである。更に詳しくは、半導体膜に導入した不純物を高強度光の照射により活性化する工程を含む半導体装置の製造方法に関するものである。
液晶装置(LCD)やエレクトロルミネッセンス(EL)装置等の表示装置としては、マトリクス状に配置された多数の画素を画素毎に駆動するために、各画素毎に薄膜トランジスタ(以下、TFTという)を設けたアクティブマトリクス型の表示装置が知られている。かかる用途に用いられるTFTとしては、半導体層に多結晶シリコン膜を用いた多結晶シリコンTFTが広く用いられている。また、多結晶シリコンTFTの製造プロセスとして、能動層を比較的低温にて製造することが可能な低温プロセスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような低温プロセスを採用した多結晶シリコンTFTの製造方法では、一般に、ガラス基板の表面側に非晶質シリコン膜を成膜した後、この非晶質シリコン膜にレーザ光を照射し、レーザアニールを施し、このレーザアニールにより、非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜とする。次に、多結晶シリコン膜を所定形状にパターニングした後、この多結晶シリコン膜を含むガラス基板全面にゲート絶縁膜を形成する。次に、アルミニウム膜やアルミニウム合金膜等の導電膜を形成した後、この導電膜をパターングし、ゲート電極を形成する。次に、ゲート電極などをマスクとして多結晶シリコン膜に不純物を打ち込んでソース・ドレイン領域を形成した後、エキシマレーザなどの高強度の光を多結晶シリコン膜に照射して多結晶シリコン膜に導入した不純物を活性化させる。このような製造方法によれば、処理温度が600℃以下の比較的低温で済むため、非晶質シリコンTFTと同様、比較的安価なガラス基板を用いながら、高性能のTFTを得ることができる。
また、近年、微細化に伴う断線防止を目的に、アルミニウムやアルミニウム合金等の導電膜の上層側および下層側にチタンや窒化チタン等の薄膜を積層した構造の導電膜が用いられることがある。
特開昭59−75670号公報
しかしながら、従来のTFTの製造方法、とりわけ、ゲート電極の最表面にチタン膜や窒化チタン膜等の薄膜を形成した場合には、高強度光の照射により光アニールを行って多結晶シリコン膜に導入した不純物を活性化させる際、チタン膜や窒化チタン膜が光を吸収して高温になるために、融点が660℃程度であるアルミニウム膜に融解等といった損傷が発生するという問題点がある。かといって、アルミニウム膜の損傷を防止することを目的に、不純物の活性化条件を緩和すると、不純物を十分に活性化できないという問題点がある。
以上の問題に鑑みて、本発明の課題は、光アニールを用いた場合でも、ゲート電極に熱的ダメージを与えることなく、不純物を十分に活性化することのできる半導体装置の製造方法を提案することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、基板とゲート電極との間に能動層となる半導体膜およびゲート絶縁膜を有する半導体装置の製造方法であって、前記基板の表面側に能動層となる前記半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、前記半導体膜の表面側に前記ゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、前記ゲート絶縁膜の表面側の所定位置に、波長が300nm〜700nmにおける平均反射率が50%以上の導電材料、好ましくは、反射率が80%以上の導電材料を用いてゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、前記ゲート絶縁膜を介して前記半導体膜に不純物を導入してソース・ドレイン領域を形成する不純物導入工程と、前記半導体膜に高強度光を照射し、前記半導体膜に導入した前記不純物を活性化させる不純物活性化工程とを有することを特徴とする。
本発明では、ゲート電極を形成するのに、スパッタ法等の通常の半導体作製工程で用いられる方法で成膜した場合に、波長が300nm〜700nmにおける平均反射率が50%以上となる導電材料を用いる。このため、不純物活性化工程において、高強度の光を照射する光アニールを行った際、ゲート電極に届いた光については、その大部分が反射される。従って、ゲート電極が光を吸収して高温になることが無いので、ゲート電極が熱的ダメージを受けることがない。それ故、不純物を十分、活性できる高強度の光を照射することができるので、低温プロセスを採用した場合でも、良好なトランジスタ特性、例えば実用上十分なコンダクタンスを備えたTFTを製造することができる。さらに、ゲート電極を形成するのに、前記平均反射率が80%以上となる導電材料を用いた場合には、より高強度の光照射により不純物の活性化を行うことが出来る。この場合、高温アニールで不純物の活性化を行った場合に近いコンダクタンスを備えたTFTを製造することが可能である。
本発明において、前記不純物活性化工程で用いる前記高強度光の光源は、例えば、エキシマレーザ、固体レーザ、フラッシュランプである。このような光源のうち、エキシマレーザは、レーザ光が半導体層に効率良く選択的に吸収されるので、局所的に温度を上げることが可能である。このため、基板にダメージを与えること無く活性化率を上げることができるという利点がある。また、フラッシュランプは、装置が比較的安価で、かつ処理能力が高いという利点がある。固体レーザは、直線性と波面精度が良く、安定しているので、不純物の活性化を効率よく、かつ、面内で均一に行えるという利点がある。
本発明において、前記ゲート電極形成工程では、前記導電材料として、銀または銀を主成分とする合金を用いて前記ゲート電極を形成することが好ましい。銀あるいはその合金は、反射率が高く、例えば、波長が300nm〜700nmの光に対する平均反射率が90%以上である。このため、ゲート電極が照射された光を効率よく反射するので、ゲート電極への光の侵入を防止することができる。また、ゲート電極が高温となることがないので、熱的ダメージを受けることもない。さらに、銀は融点が960℃と高いため、より高強度の光で照射してもゲート電極が熱的ダメージを受けることがないので、不純物を十分に活性化することができる。
本発明において、前記ゲート電極形成工程では、前記導電材料を前記基板の全面に形成した後、当該導電材料の上層に反射防止層を形成し、この状態で、フォトリソグラフィ技術を用いて、前記反射防止層および前記導電材料をパターニングし、しかる後に、前記反射防止層を除去することが好ましい。このような方法を用いると、反射率の高い導電膜をフォトリソグラフィ技術によりパターニングする際でも露光時に導電膜からの反射光の影響を受けることが無く、高いパターン精度を得ることができる。また、段差部分などにおいてもパターンの細りを防止することができるので、配線などの微細化を実現することができる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した半導体装置の製造方法の例を説明する。
[実施形態1]
(半導体装置の構成および製造方法)
図1は、本発明の実施形態1に係るLDD(Lightly Doped Drain)構造のnチャネル型の多結晶シリコンTFTの構成を示す断面図である。
(半導体装置の構成および製造方法)
図1は、本発明の実施形態1に係るLDD(Lightly Doped Drain)構造のnチャネル型の多結晶シリコンTFTの構成を示す断面図である。
図1に示すように、本形態の半導体装置では、ガラス基板2の全面に、シリコン酸化膜等の絶縁膜からなる下地保護膜3が形成され、この下地保護膜3上のTFT1が形成されている。すなわち、下地絶縁膜3上のTFT形成領域に多結晶シリコン膜4(半導体膜)が形成されている。また、下地保護膜3、および多結晶シリコン膜4の表面側には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等からなるゲート絶縁膜5が形成されている。
多結晶シリコン膜4には、不純物イオンが導入されていないチャネル領域4aと、このチャネル領域4aの両側の低濃度ソース領域4bおよび低濃度ドレイン領域4cと、これらの低濃度ソース領域4bおよび低濃度ドレイン領域4cの両側の高濃度ソース領域4dおよび高濃度ドレイン領域4eとが形成されている。ゲート絶縁膜5の上層側には、チャネル領域4aとゲート絶縁膜5を介して対向する領域にゲート電極6が形成されている。
本形態において、ゲート電極6は、後述する理由から、銀膜で形成されている。
ゲート電極6の上層側には、ゲート電極6およびゲート絶縁膜5を覆うようにシリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜8が形成され、この層間絶縁膜8の高濃度ソース領域4dおよび高濃度ドレイン領域4eに対応する部分にはコンタクトホール11、12がそれぞれ形成されている。層間絶縁膜8の上層にはソース電極13およびドレイン電極14が形成されており、ソース電極13およびドレイン電極14は各々、コンタクトホール11、12を介して高濃度ソース領域4dおよび高濃度ドレイン領域4dに接続されている。
図2〜図4を参照して、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図2〜図4は、いずれも、本発明の実施形態1に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
本形態の半導体装置の製造方法では、まず、図2(a)に示すように、超音波洗浄等により清浄化したガラス基板2を用意し、基板温度が150〜450℃の条件下で、プラズマCVD法等により、このガラス基板2の全面にシリコン酸化膜等の絶縁膜からなる下地保護膜3を、例えば500nm程度の厚さに形成する(下地保護膜形成工程)。この下地保護膜形成工程において用いられる原料ガスとしては、モノシラン(SiH4)と一酸化二窒素(N2O)との混合ガス、TEOS(テトラエトキシシラン;Si(OC2H5)4)と酸素との混合ガス、ジシラン(Si2H6)とアンモニア(NH3)との混合ガス等が好適である。
次に、図2(b)に示すように、基板温度が150〜450℃となる条件下で、下地保護膜3を形成したガラス基板2の全面に、プラズマCVD法等により、厚さが20〜1000nmの非晶質シリコン膜21を成膜する(半導体膜形成工程)。この半導体膜形成工程において用いる原料ガスとしては、ジシランやモノシランが好適である。
次に、図2(c)に示すように、非晶質シリコン膜21に、XeClエキシマレーザ(波長:308nm)あるいはKrFエキシマレーザ(波長:249nm)等のレーザ装置を用いてレーザ光22を照射し、レーザアニールを行う。このレーザアニールにより、非晶質シリコン膜21は多結晶シリコン膜23となる。なお、非晶質シリコン膜21をパターニングしてからレーザアニールを行うことにより、多結晶シリコン膜23を形成しても良い。
次に、図2(d)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて、多結晶シリコン膜23をパターニングし、島状の多結晶シリコン膜4を形成する。それには、図示を省略するが、多結晶シリコン膜23上にフォトレジストを塗布した後、フォトレジストを露光、現像してレジストマスクを形成し、しかる後に、多結晶シリコン膜23のエッチング、レジストマスクの除去を順次行う。
次に、図3(a)に示すように、350℃以下の温度条件下で、多結晶シリコン膜4および下地保護膜3の表面側、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等からなるゲート絶縁膜5を50〜150nmの厚さに形成する(ゲート絶縁膜形成工程)。このゲート絶縁膜形成工程において用いる原料ガスとしては、TEOSと酸素ガスとの混合ガス等が好適である。
次に、図3(b)に示すように、ゲート絶縁膜5の全面に、スパッタ法等により、厚さが100〜500nmの銀膜61を成膜した後、フォトリソグラフィー技術を用いてパターニングし、図3(c)に示すように、ゲート電極6を形成する(ゲート電極形成工程)。それには、図3(b)に示すように、銀膜61の上層側にフォトレジストを塗布した後、フォトレジストを露光、現像してレジストマスク610を形成し、しかる後に、銀膜61のエッチング、レジストマスク610の除去を順次行う。
次に、図4(a)に示すように、ゲート電極6をマスクとして多結晶シリコン膜4に、約0.1×1013〜約10×1013/cm2のドーズ量で低濃度の不純物イオンを打ち込み、ゲート電極6に対して自己整合的に低濃度ソース領域4b、および低濃度ドレイン領域4cを形成する(不純物導入工程)。ここで、nチャネル型の多結晶シリコンTFTを作製する場合には、前記不純物イオンとして、リンなどのドナー型の不純物イオンを用い、pチャネル型の多結晶シリコンTFTを作製する場合には、前記不純物イオンとして、ボロンなどのアクセプター型の不純物イオンを用いる。また、ゲート電極6の直下に位置し、かつ不純物イオンが導入されなかった領域はチャネル領域4aとなる。
次に、図4(b)に示すように、ゲート電極6より幅広のレジストマスク620を形成し、この状態で、多結晶シリコン膜4に高濃度の不純物イオン(Pイオン)を約0.1×1015〜約10×1015/cm2のドーズ量で打ち込み、高濃度ソース領域4d、および高濃度ドレイン領域4eを形成する(不純物導入工程)。しかる後に、レジストマスク620を除去する。なお、LDD構造のソース領域およびドレイン領域を形成する代わり、低濃度の不純物の打ち込みを行わずにゲート電極6より幅広のレジストマスクを形成した状態で高濃度の不純物(Pイオン)を打ち込み、オフセット構造のソース領域およびドレイン領域を形成しても良い。また、ゲート電極6をマスクとして高濃度の不純物を打ち込み、セルフアライン構造のソース領域およびドレイン領域を形成しても良い。
次に、図4(c)に示すように、ゲート電極6をマスクとして、多結晶シリコン膜4に瞬間強光アニールを施し、多結晶シリコン膜4の低濃度ソース領域4b、低濃度ドレイン領域4c、高濃度ソース領域4d、および高濃度ドレイン領域4e中の不純物(Pイオン)を活性化する(不純物活性化工程)。
ここで、瞬間強光アニールとは、高強度のレーザ光を発光するエキシマレーザ、フラッシュランプや固体レーザを用いて、ゲート電極6の側からゲート絶縁膜5を介して多結晶シリコン膜4に高強度の光31を照射することにより、多結晶シリコン膜4を瞬間的に高温とし、多結晶シリコン膜4中の不純物(Pイオン)を活性化する方法である。その際、ガラス基板2は光31を透過するため、多結晶シリコン膜4のみが高温にアニールされるので、ガラス基板2は熱的ダメージを受けることがない。
また、高強度の瞬間光31を多結晶シリコン膜4に照射する代わりに、固体CW(continuous wave)レーザからの高強度の光310に対してガラス基板2を相対的に瞬間的に走査し、多結晶シリコン膜4に瞬間強光アニールを施してもよい。このような方法においても、多結晶シリコン膜4中の不純物(Pイオン)は活性化される。
このような光源のうち、エキシマレーザは、レーザ光が半導体層に効率良く選択的に吸収されるので、局所的に温度を上げることが可能である。このため、基板にダメージを与えること無く活性化率を上げることができるという利点がある。また、フラッシュランプは、装置が比較的安価で、かつ処理能力が高いという利点がある。固体レーザは、直線性と波面精度が良く、安定しているので、不純物の活性を効率よく、かつ、面内で均一に行えるという利点がある。
次に、図4(d)に示すように、ゲート電極6の表面側にCVD法等によりシリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜8を300〜800nmの厚さに成膜する。この層間絶縁膜8の成膜工程に用いる原料ガスとしては、TEOSと酸素ガスとの混合ガス等が好適である。
次に、この層間絶縁膜8上に所定のパターンのレジストマスク(図示略)を形成した後、このレジストマスクを介して層間絶縁膜8にドライエッチングを施し、高濃度ソース領域4dに対応する領域にコンタクトホール11を形成し、高濃度ドレイン領域4eに対応する領域にコンタクトホール12を形成する。
次に、スパッタ法等により、層間絶縁膜8の全面に、アルミニウム、チタン、窒化チタン、タンタル、モリブデン等の金属を主成分とする導電材料32を成膜した後、この導電材料32をフォトリソグラフィ技術によりパターニング化し、400〜800nmの厚さのソース電極13およびドレイン電極14を形成する。それには、図示を省略するが、導電材料32上にフォトレジストを塗布した後、フォトレジストを露光、現像してレジストマスクを形成し、しかる後に、導電材料32のエッチング、レジストマスクの除去を順次行うことにより、導電材料32をパターニングし、ソース電極13およびドレイン電極14を形成する。以上により、nチャネル型の多結晶シリコンTFT1を備えた半導体装置を製造することができる。
(本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態では、ゲート電極6を形成するのに、波長が300nm〜700nmにおける平均反射率が50%以上の導電材料を用いたため、不純物活性化工程において、高強度の光を照射する光アニールを行った際、ゲート電極に届いた光については、その大部分を反射する。従って、ゲート電極6が光を吸収して高温になることが無いので、熱的ダメージを受けることがない。それ故、不純物を十分、活性できる高強度の光を照射することができるので、低温プロセスを採用した場合でも、良好なトランジスタ特性を備えたTFTを製造することができる。特に、本形態では、ゲート電極6を形成するのに、波長が300nm〜700nmの光に対する平均反射率が90%以上の銀膜を用いている。従って、ゲート電極6に照射された光を効率よく反射するので、ゲート電極6への光の侵入を防止することができる。また、ゲート電極6が高温となることがないので、熱的ダメージを受けることもない。さらに、銀は融点が960℃と高いため、より高強度の光で照射してもゲート電極6が熱的ダメージを受けることがないので、多結晶シリコン膜4に導入した不純物を十分に活性化することができる。
以上説明したように、本実施形態では、ゲート電極6を形成するのに、波長が300nm〜700nmにおける平均反射率が50%以上の導電材料を用いたため、不純物活性化工程において、高強度の光を照射する光アニールを行った際、ゲート電極に届いた光については、その大部分を反射する。従って、ゲート電極6が光を吸収して高温になることが無いので、熱的ダメージを受けることがない。それ故、不純物を十分、活性できる高強度の光を照射することができるので、低温プロセスを採用した場合でも、良好なトランジスタ特性を備えたTFTを製造することができる。特に、本形態では、ゲート電極6を形成するのに、波長が300nm〜700nmの光に対する平均反射率が90%以上の銀膜を用いている。従って、ゲート電極6に照射された光を効率よく反射するので、ゲート電極6への光の侵入を防止することができる。また、ゲート電極6が高温となることがないので、熱的ダメージを受けることもない。さらに、銀は融点が960℃と高いため、より高強度の光で照射してもゲート電極6が熱的ダメージを受けることがないので、多結晶シリコン膜4に導入した不純物を十分に活性化することができる。
なお、ゲート電極6については、銀に代えて、平均反射率が80%以上の銀合金膜を用いても、ゲート電極6の熱的ダメージを確実に防止することができる。それ故、ゲート電極6を構成する導電材料としては、波長が300nm〜700nmにおける平均反射率が50%以上、好ましくは80%以上の導電材料が好ましい。
[実施形態2]
図5は、本発明の実施形態2に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。なお、本実施形態2は、TFTの構成、およびその製造方法の基本的な構成が実施形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図5は、本発明の実施形態2に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。なお、本実施形態2は、TFTの構成、およびその製造方法の基本的な構成が実施形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
本形態では、実施形態1と同様に、図2(a)〜図2(d)を参照して説明した工程を行い、図5(a)に示すように、350℃以下の温度条件下で、多結晶シリコン膜4および下地保護膜3の表面側にゲート絶縁膜5を形成する。
次に、図5(b)に示すように、ゲート絶縁膜5の全面に、スパッタ法等により、厚さが100〜500nmの銀膜61を形成する。
次に、図5(c)に示すように、銀膜61の上層に反射防止膜7を形成する。それには、例えば、ポリチタノキサンをオルガノポリシロキサンなどで変性させた変性ポリチタノキサンなどを有機溶剤に溶かしたものをスピンコート法で塗布した後、ベークする方法などを採用することができる。
次に、図5(d)に示すように、反射防止膜7の上層側にフォトレジストを塗布した後、フォトレジストを露光、現像してレジストマスク610を形成する。次に、この状態で、エッチングを行い、レジストマスク610から露出している反射防止膜7を除去する。続いて、レジストマスク610から露出している銀膜61を除去する。次に、レジストマスク610、およびレジストマスク610で覆われていた反射防止膜7を除去する。その結果、図5(e)に示すように、実施形態1と同様、ゲート絶縁膜5の上層に銀膜からなるゲート電極6を形成することができる。しかる後には、実施形態1において、図4(a)〜図4(d)を参照して説明した工程を行って、nチャネル型の多結晶シリコンTFT1を製造する。すなわち、不純物導入工程や、光アニールを利用した不純物活性化工程などを行う。
このように本形態でも、ゲート電極6を形成するのに銀膜を用いたため、不純物活性化工程において、高強度の光を照射する光アニールを行っても、ゲート電極6が熱的ダメージを受けることがないなど、実施形態1と同様な効果を奏する。
また、本形態では、レジストマスク610を形成する前にその下地として、反射防止膜を形成する。このため、反射率の高い銀膜61をフォトリソグラフィ技術によりパターニングする際でも、そのレジストマスク610を露光する際、導電膜からの反射光の影響を受けることが無い。すなわち、レジストマスク610を形成する際、フォトレジストに照射される紫外線の下層側からの乱反射や、反射光の干渉等のトラブルを防止することができる。それ故、レジストマスク610を高い精度で形成することができるので、銀膜61を高い精度でパターニングでき、ゲート電極6を高い精度で形成することができる。よって、ゲート電極6を構成する導電材料の光反射率が高い場合でも、段差部分でのパターンの細りなどを防止することができ、その微細化を図ることができる。
[その他の実施形態]
ゲート電極6については、銀単体に代えて、銀を主成分とする銀合金でゲート電極6を形成してもよい。また、例えば、アルミニウム合金等、波長光300〜700nmにおける平均反射率が50%以上の材料を用いてゲート電極6を形成しても、熱的ダメージを抑制、防止することができる。さらに、上記実施形態では、ゲート電極を銀膜を主成分とする一層構造としたが、銀膜の下にチタン膜等を成膜して積層構造としてもよく、それらの膜の材質および積層する層数は必要に応じて適宜変更可能である。
ゲート電極6については、銀単体に代えて、銀を主成分とする銀合金でゲート電極6を形成してもよい。また、例えば、アルミニウム合金等、波長光300〜700nmにおける平均反射率が50%以上の材料を用いてゲート電極6を形成しても、熱的ダメージを抑制、防止することができる。さらに、上記実施形態では、ゲート電極を銀膜を主成分とする一層構造としたが、銀膜の下にチタン膜等を成膜して積層構造としてもよく、それらの膜の材質および積層する層数は必要に応じて適宜変更可能である。
また、上記の各実施形態では、nチャネル型のTFTのゲート電極を例にあげて説明したが、ゲート電極だけでなく、データ線等の他の配線にも、同様な導電材料を用いてもよい。また、pチャネル型のTFTを作製する場合にも本発明を適用してもよい。また、不純物活性化工程については、層間絶縁膜8を形成した後、行ってもよい。
また、実施形態2では、反射防止膜7を用いて、導電膜からの反射光の影響を防止したが、実施形態1において、ダイ入りのフォトレジストを用いてレジストマスク610を形成することにより、導電膜からの反射光の影響を防止してもよい。
[本発明を適用可能な電気光学装置の構成]
本発明を適用した半導体装置の製造方法は、図6および図7を後述するように、特に基板上に多数のTFTを形成するアクティブマトリクス型の液晶装置やエレクトロルミネッセンス(EL)装置等の表示装置を作製する場合に好適に適用することができる。
本発明を適用した半導体装置の製造方法は、図6および図7を後述するように、特に基板上に多数のTFTを形成するアクティブマトリクス型の液晶装置やエレクトロルミネッセンス(EL)装置等の表示装置を作製する場合に好適に適用することができる。
図6は、画素スイッチング素子としてTFTを用いたアクティブマトリクス型液晶装置からなる電気光学装置の構成を模式的に示すブロック図である。図7は、電気光学物質として電荷注入型の有機薄膜を用いたエレクトロルミネセンス素子を備えたアクティブマトリクス型電気光学装置のブロック図である。
図6に示すように、画素スイッチング素子としてTFTを用いたアクティブマトリクス型液晶装置からなる電気光学装置101bでは、TFT素子基板(電気光学装置用基板)において、マトリクス状に形成された複数の画素の各々に、画素電極109a、および画素電極109aを制御するための画素スイッチング用のTFT130bが形成されており、画素信号を供給するデータ線106bが当該TFT130bのソースに電気的に接続されている。データ線106bに書き込む画素信号は、データ線駆動回路102bから供給される。また、TFT130bのゲートには走査線131bが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線131bにパルス的に走査信号が走査線駆動回路103bから供給される。画素電極109aは、TFT130bのドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT130bを一定期間だけそのオン状態とすることにより、データ線106bから供給される画素信号を各画素に所定のタイミングで書き込む。このようにして画素電極109aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号は、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
ここで、保持された画素信号がリークするのを防ぐことを目的に、画素電極109aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量170b(キャパシタ)を付加することがある。この蓄積容量170bによって、画素電極9aの電圧は、例えば、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ保持される。これにより、電荷の保持特性は改善され、コントラスト比の高い表示を行うことのできる電気光学装置が実現できる。なお、蓄積容量170bを形成する方法としては、容量を形成するための配線である容量線132bとの間に形成する場合、あるいは前段の走査線131bとの間に形成する場合もいずれであってもよい。
図7に示すように、電荷注入型有機薄膜を用いたエレクトロルミネセンス素子を備えたアクティブマトリクス型電気光学装置は、有機半導体膜に駆動電流が流れることによって発光するEL(エレクトロルミネッセンス)素子、またはLED(発光ダイオード)素子などの発光素子をTFTで駆動制御するアクティブマトリクス型の表示装置であり、このタイプの表示装置に用いられる発光素子はいずれも自己発光するため、バックライトを必要とせず、また、視野角依存性が少ないなどの利点がある。
ここに示す電気光学装置200pでは、素子基板(電気光学装置用基板)上に、複数の走査線203pと、この走査線203pの延設方向に対して交差する方向に延設された複数のデータ線206pと、これらのデータ線206pに並列する複数の共通給電線223pと、データ線206pと走査線203pとの交差点に対応する画素215pとが構成されている。データ線206pに対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ線駆動回路201pが構成されている。走査線203pに対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査線駆動回路204pが構成されている。
また、画素215pの各々には、走査線203pを介して走査信号がゲート電極に供給される第1のTFT231pと、この第1のTFT231pを介してデータ線206pから供給される画像信号を保持する保持容量233pと、この保持容量233pによって保持された画像信号がゲート電極に供給される第2のTFT232pと、第2のTFT232pを介して共通給電線223pに電気的に接続したときに共通給電線223pから駆動電流が流れ込む発光素子240pとが構成されている。
ここで、発光素子240pは、画素電極の上層側には、正孔注入層、有機エレクトロルミネッセンス材料層としての有機半導体膜、リチウム含有アルミニウム、カルシウムなどの金属膜からなる対向電極が積層された構成になっており、対向電極は、データ線206pなどを跨いで複数の画素215pにわたって形成されている。
また、上述した電気光学装置として、プラズマディスプレイ装置、FED(フィールドエミッションディスプレイ)装置、LED(発光ダイオード)表示装置、電気泳動表示装置、薄型のブラウン管、液晶シャッター等を用いた小型テレビ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いた装置などの各種の電気光学装置に適用できる。
また、上記の電気光学装置は、携帯電話機やモバイルコンピュータなどといった各種の電子機器において表示部として用いることができる。
1 多結晶シリコンTFT、2 ガラス基板、3 下地保護膜、4、23 多結晶シリコン膜、5 ゲート絶縁膜、6 ゲート電極、7 反射防止膜、8 層間絶縁膜、13 ソース電極、14 ドレイン電極、21 非晶質シリコン膜、31 高強度の光
Claims (4)
- 基板とゲート電極との間に能動層となる半導体膜およびゲート絶縁膜を有する半導体装置の製造方法であって、
前記基板上に能動層となる前記半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、
前記半導体膜の表面側に前記ゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、
前記ゲート絶縁膜の表面側の所定位置に波長が300nm〜700nmにおける平均反射率が50%以上の導電材料を用いてゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
前記ゲート絶縁膜を介して前記半導体膜に不純物を導入してソース・ドレイン領域を形成する不純物導入工程と、
前記半導体膜に高強度光を照射し、前記半導体膜に導入した前記不純物を活性化させる不純物活性化工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1において、前記不純物活性化工程において、前記高強度光の光源は、エキシマレーザ、固体レーザ、フラッシュランプのうちのいずれかであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 請求項1または2において、前記ゲート電極形成工程では、前記導電材料として、銀または銀を主成分とする合金を用いて前記ゲート電極を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記ゲート電極形成工程では、前記導電材料を前記基板の全面に形成した後、当該導電材料の上層に反射防止層を形成し、この状態で、フォトリソグラフィ技術を用いて、前記反射防止層および前記導電材料をパターニングし、しかる後に、前記反射防止層を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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