JP2005197026A - 燃料電池と燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池に備え付けられるセパレータでのフラッディング回避と強度確保の両立を図る。
【解決手段】 MEA12に当接設置するセパレータ20に、MEA12と接する面(対向面)とその背面のそれぞれに流路を形成した。そして、対向面では、酸化ガスが流れる単セル内酸化ガス流路40とし、背面では、冷却水が流れるセル間冷却水流路41aと、冷却ガスが流れるセル間冷却ガス流路41bとした。セパレータ20は、セル間冷却ガス流路41bの形成箇所に、多孔質部位50を備える。多孔質部位50は、水分に対する耐食性を有するカーボン多孔質体であり、その他のセパレータ部位は、金属板からなる緻密質である。多孔質部位50は、単セル内酸化ガス流路40の水分をセル間冷却ガス流路41bの側に排出する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、燃料電池とこれに用いるセパレータに関する。
燃料電池では、電解質膜のカソード・アノードで進行する電気化学反応に伴って、カソードで水が生成される。この生成水は、電気化学反応に伴う熱により気化し、カソード側での酸化ガスと共にガス流路を流れる。この気化した生成水は、ガス流路において凝縮することで、酸化ガスの流れを阻害するフラッディングを引き起こす。このフラッディングが起きると、カソードへの酸化ガス供給が滞るので、電気化学反応が円滑に進まなくなり、発電効率の低下を来す。こうした観点から、生成水を除去する技術が種々提案されている。例えば、燃料電池を構成するセパレータを黒鉛粉末にて成形した多孔質体(カーボン多孔質体)とすることで、生成水をこの多孔質のセパレータに浸入させ、生成水をこのセパレータを経て燃料電池の冷却水路に排出することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特表平11−508726号公報
ところで、上記の生成水が水蒸気の状態によっては電解質膜を介してアノード側の燃料ガス流路に拡散することがある。また、電気化学反応の円滑進行を図る上で、アノードへの供給ガスである燃料ガス中に水蒸気を予め混入することが行われている。よって、上記したフラッディングの現象は、カソード側に限られるものではなく、アノード側でも多孔質セパレータによるフラッディング対策は有益である。
多孔質体を用いる燃料電池は、この他、下記の特許文献にも提案されている。
特開昭63−128558号公報 特開2003−7317号公報
しかしながら、上記の特許文献1で提案された技術では、次のような問題点が指摘されるに至った。
燃料電池は、電解質膜・電極を接合させた単電池セルを積層させているので、単電池セルの積層数に応じて起電力がほぼ定まる。よって、所望する起電力を得るためには単電池セルの積層数が決まるが、例えば燃料電池の車両搭載等の場合には、その設置スペース上の寸法的な制約を受ける。なお、こうした制約は、車載に限らず、地上設置式の発電システムでの燃料電池にも存在する。
こうした制約のため、電解質膜・電極の接合体のみならず、上記したセパレータについても薄肉化が求められている。カーボン多孔質体のセパレータでは、電解質膜・電極の接合体に面する面が全面に亘って多孔質であるためにフラッディング回避には有効であるものの、薄肉化に伴って強度不足を招きやすいことから、その改善が求められるに至った。なお、電解質膜・電極の接合体に面する面が全面に亘って多孔質の金属多孔質体とすることもできるが、多孔質領域が広いことから、カーボン多孔質体のものとほぼ同様の問題があった。
ところで、特許文献2は、電池セルの積層方向を横切る方向に有する耐食性金属層にてセル間のガス等の遮断を図るものの、多孔質カーボンのセパレータを用いている以上、上記した問題がある。また、特許文献3は、ステンレス製のセパレータを有するので、強度の点で優れる。しかし、当該セパレータに金属製多孔質体を重ねているに過ぎないので、セパレータの水分通過が起き得ず、上記したフラッディングについても対策とはならない。
本発明は、上記問題点を解決するためになされ、燃料電池に備え付けられるセパレータでのフラッディング回避と強度確保の両立を図ることを目的とする。
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の燃料電池では、電解質膜・電極の接合体に当接設置するセパレータに、このセパレータが接合体と接する面と、この面の背面とのそれぞれに流路を形成した。接合体と接する面は、当該接合体と対向することから、説明の便宜上、以下、対向面と称する。そして、この対向面では、電解質膜が関与する電気化学反応に用いる反応ガスが流れる反応ガス流路とし、背面では、冷却媒体が流れる冷却流路とした。
このように流路を形成する一方、セパレータの一部領域については、反応ガス流路の側から冷却流路の側へと水分が通過するように多孔質とされた多孔質部位とし、この多孔質部位を、反応ガス流路の側から通過する水に対しての腐食防止機能を有するものとした。
こうした構成を有する本発明の燃料電池では、反応ガスに混入した水分は、反応ガス流路の側での多孔質部位への吸収により、反応ガス流路の側から冷却流路の側へと通過する。これにより、反応ガス中の水分を冷却流路側に排出できるので、反応ガス流路での水分凝縮によるフラッディングを回避できる。この場合、多孔質部位は、上記した腐食防止機能を有するので、孔部が不用意に浸食されて広がることがない。よって、水分吸収、および水分排出を維持でき、継続してフラッディング回避を図ることができる。
しかも、こうしたフラッディング回避に加え、多孔質部位はセパレータの一部領域でしかないので、多孔質部位以外のセパレータ部位にて、セパレータの強度を確保できる。
上記した本発明の燃料電池は、種々の態様を採ることができ、例えば、多孔質部位を反応ガス流路における反応ガス流の下流側に配置することができる。こうすれば、次の利点がある。
一般に、反応ガス流路を反応ガスが流れると、反応ガスの流れの下流ほど、反応ガスに混入する水分量は増加する。従って、多孔質部位を反応ガス流路における反応ガス流の下流側とすれば、水分量が多い流路下流の側で水分除去(排出)が進むので、フラッディング回避の上で有益である。
また、少なくとも多孔質部位の接合体と接する面の背面において、セパレータの冷却流路に、冷却手段により、冷却ガスを冷却媒体として供給するようにすれば、冷却流路を通過する冷却ガス中に水分を排出できる。よって、次の利点がある。
少なくとも多孔質部位の背面における冷却流路に冷却媒体として水を流す場合には、反応ガス流路中の水分が冷却流路の水に流れ込む必要があるので、反応ガス流路の側と冷却流路の側とで差圧制御を必要とする。しかしながら、上記のように多孔質部位の背面における冷却流路中のガスに水分を流し込んで排出するのであれば、こうした差圧制御と当該制御のための機器が不要となるので、制御の簡略化、構成の簡略化を図ることができる。
また、多孔質部位以外の部位を、緻密質な部材から形成した緻密質部位として備え、多孔質部位については、緻密質部位に比して、耐食性に勝る材質の材料で形成することもできる。こうすれば、多孔質部位と緻密質部位を有するセパレータの構成が簡略化できる。例えば、緻密質部位を金属或いは合金を用いて形成し、多孔質部位をカーボン多孔質体とでき、簡便であり、カーボン多孔質体であることから、耐食性を好適に発揮でき好ましい。
この他、緻密質部位と多孔質部位の両者を金属或いは合金を用いて形成し、多孔質部位については、緻密質部位を形成する金属元素のイオン化傾向より小さい金属元素を含有する金属或いは合金を用いることもできる。こうすれば、次の利点がある。
まず第1に、緻密質部位と多孔質部位の両者が金属或いは合金であることから、カーボン多孔質体を用いた場合に比して、強度確保に有益である。また、緻密質部位と多孔質部位からセパレータを形成する上でも、同種材料であるので接合等が簡単である。更に、多孔質であるために緻密質部位に比して強度的に劣る多孔質部位にあっては、イオン化傾向の低い金属元素を含有することで耐食性を簡便に発揮できる。
また、多孔質の孔表面に耐食性を有する表面処理膜を形成することで、腐食防止機能を発揮する多孔質部位とすることもできる。こうすれば、多孔質部位の材料選択の余地が広がるので、材料選択によって多孔質でありながら強度を確保し、表面処理膜形成により、耐食性を確保できる。
以上説明した燃料電池としての形態の他、本発明は、燃料電池を形成するために電解質膜・電極の接合体に当接設置される燃料電池用セパレータにも、適用できる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.セパレータが備える多孔質部:
C.水分授受の動作:
D.効果:
E.変形例:
A.装置の全体構成:
図1は本発明の好適な一実施例である燃料電池を構成する基本単位である単セル10の構成を表わす分解斜視図、図2は単セル10を構成するセパレータ20の様子を表わす平面図、図3は単セル10の内部構成を図2の3−3線に沿った断面として模式的に表わす断面図、図4は単セル10の内部構成を図2の4−4線に沿った断面として模式的に表わす断面図である。
本実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であって、図1に示す単セル10を複数積層して直列に接続したスタック構造を有している。単セル10は、図1に示すように、電解質膜・電極の接合体である膜−電極アセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assembly )12を備える。このMEA12は、図3および図4に示すように、ガス拡散層13,14で挟持され、単セル10は、これらMEA12およびガス拡散層13,14をさらに両側からセパレータ20、22によって挟持することによって構成されている。
MEA12は、固体高分子電解質膜の両面に触媒層を形成することによって得られる。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。触媒層は、触媒としての白金または白金と他の金属からなる合金を有する層である。
ガス拡散層13,14は、ガス拡散性と導電性を備える。例えば、これらガス拡散層は、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロス、あるいはカーボンペーパまたはカーボンフエルトなどによって形成することができる。
セパレータ20,22は、MEA12と接する面(以下、この面を対向面と称する)と、この対向面の背面のそれぞれに流路を有する。つまり、上記ガス拡散層に挟持されたMEA12の側には、電気化学反応に供される反応ガスの流路を備え、隣接する単セル10を構成するセパレータの側には、冷却水或いは冷却ガス(本実施例では空気)が通過する冷却流路を備える。この冷却流路については、後述する。
セパレータ20とセパレータ22は、本実施例では、前者がカソード側、後者がアノード側であることから、セパレータ20は、ガス拡散層13を備えるMEA12との間の流路を、空気などの酸素を含有する酸化ガスが通過する単セル内酸化ガス流路40とする。セパレータ22は、ガス拡散層14を備えるMEA12との間の流路を、水素を含有する燃料ガスが通過する単セル内燃料ガス流路42とする。
また、セパレータ20は、隣接する単セル10を構成するセパレータ22との間の流路のうち、図3および図4における上部の流路を、冷却水が通過するセル間冷却水流路41aとし、下部の流路を、冷却ガスが通過するセル間冷却ガス流路41bとする。セパレータ22についても同様であり、このセル間冷却水流路41aとセル間冷却ガス流路41bは、隣り合うすべての単セル間に形成されている。この場合、複数のセル毎にこれら流路を形成するようにしても良い。
セパレータ20,22は、カーボンや金属などの導電性材料によって形成されており、ガスおよび水分が透過しない緻密質部位と、水分(液水あるいは水蒸気)の透過を許容する多孔質部位とから成る。この多孔質部位の配置については後述する。
図2(A),(B)は、セパレータ20をそれぞれの面から見た様子を表わす平面図である。図2(A)は、図1に示すセパレータ20において手前側に見えている面を表わす。図2中、A方向は水平方向を表わし、B方向は鉛直方向を表わす。図2に示すように、セパレータ20は、その外周近くに8個の孔を備えている。即ち、セパレータ20の水平方向の一辺の近傍には、この辺に沿って隣接する3つの孔である孔部26b,22a,24aが設けられており、この辺に対向する辺の近傍には、同じく隣接する孔部24b,22bが設けられている。また、セパレータ20の鉛直方向の一辺の近傍には、この辺に沿って隣接する2つの孔である孔部26a,28aが設けられており、この辺に対向する辺の近傍には、孔部28bが設けられている。図1に示すように、上記8個の孔部と同様の孔部は、セパレータ22の対応する位置にも設けられており、対応する位置に設けられた孔部は、スタック構造内で重なり合って、燃料電池の内部を単セル10の積層方向に貫通する流体流路を形成する。
セパレータ20,22に形成された孔部22aは、酸化ガス供給マニホールドを形成し、孔部22bは、酸化ガス排出マニホールドを形成する。酸化ガス供給マニホールドは、外部から酸化ガス(本実施例では空気)を供給されて、供給された酸化ガスを各単セル10に分配するための流路であり、酸化ガス排出マニホールドは、各単セルから排出された酸化ガスを集合させて、燃料電池の外部に導くための流路である。
孔部24aは燃料ガス供給マニホールドを形成し、孔部24bは、燃料ガス排出マニホールドを形成する。燃料ガス供給マニホールドは、外部から燃料ガスを供給されて、供給された燃料ガスを各単セル10に分配するための流路であり、燃料ガス排出マニホールドは、各単セルから排出された燃料ガスを集合させて、燃料電池の外部に導くための流路である。
孔部26aは、冷却水供給マニホールドを形成し、孔部26bは、冷却水排出マニホールドを形成する。冷却水供給マニホールドは、外部から冷却水を供給されて、供給された冷却水を各単セル10間の冷却水流路に分配するための流路であり、冷却水排出マニホールドは、各単セル間の冷却水流路から排出された冷却水を集合させて、燃料電池の外部に導くための流路である。
孔部28aは、冷却ガス供給マニホールドを形成し、孔部28bは、冷却ガス排出マニホールドを形成する。冷却ガス供給マニホールドは、外部から冷却ガスを供給されて、供給された冷却ガスを各単セル10間の冷却ガス流路に分配するための流路であり、冷却ガス排出マニホールドは、各単セル間の冷却ガス流路から排出された冷却ガスを集合させて、燃料電池の外部に導くための流路である。
セパレータ20の一方の面、即ちMEA12と対向する面には、孔部22aと孔部22bとを連絡する酸化ガス流路形成部30が設けられている(図2(A)参照)。酸化ガス流路形成部30は、ガス拡散層13を備えるMEA12との間に単セル内酸化ガス流路40(図3参照)を形成する。酸化ガス供給マニホールドから各単セル10に分配された酸化ガスは、上記単セル内酸化ガス流路40を通過して、酸化ガス排出マニホールドに集合する。単セル内酸化ガス流路40における酸化ガスの流れの方向を、図2(A)において矢印で示している。なお、酸化ガス流路形成部30は、この酸化ガスの流れに沿って凹凸を繰り返した形状をしているので、単セル内酸化ガス流路40は、図2(A)に矢印で示すガスの流れを分流するような流路とされている。
また、セパレータ20の他方の面(背面)には、孔部26aと孔部26bとを連絡する冷却水流路形成部32が設けられている(図2(B)参照)。セパレータ20は、隣接する他の単セルが備えるセパレータ22と接するように配設されるため、上記冷却水流路形成部32は、上記隣接するセパレータ22との間にセル間冷却水流路41a(図3、図4参照)を形成する。本実施例のセル間冷却水流路41aは、冷却水の流れが変更される折れ曲がり部を複数有するサーペンタイン流路である。なお、上記隣接するセパレータ22には、セパレータ20と接する面において、上記冷却水流路形成部32と対応する形状の冷却水流路形成部33が形成されており(図1参照)、この冷却水流路形成部33は、隣り合うセパレータ20に設けられた冷却水流路形成部32と共に、上記セル間冷却水流路41aを形成する。冷却水供給マニホールドから各セル間冷却水流路41aに分配された冷却水は、上記セル間冷却水流路41aを通過して、冷却水排出マニホールドに集合する。つまり、冷却水は、冷却水流路形成部32におけるセル間冷却水流路41aを、図2(B)に矢印で示すように流れる。
さらに、セパレータ20の他方の面(背面)には、孔部28aと孔部28bとを連絡する冷却ガス流路形成部34が設けられている(図2(B)参照)。この冷却ガス流路形成部34は、上記隣接するセパレータ22との間にセル間冷却ガス流路41b(図3、図4参照)を形成する。なお、セパレータ22には、セパレータ20と接する面において、上記冷却ガス流路形成部34と対応する形状の冷却ガス流路形成部35が形成されており(図1参照)、この冷却ガス流路形成部35は、隣り合うセパレータ20に設けられた冷却ガス流路形成部34と共に、上記セル間冷却ガス流路41bを形成する。冷却ガス供給マニホールドから各セル間冷却ガス流路41bに分配された冷却ガスは、上記セル間冷却ガス流路41bを通過して、冷却ガス排出マニホールドに集合する。つまり、冷却ガスは、冷却ガス流路形成部34におけるセル間冷却ガス流路41bを、図2(B)に矢印で示すように流れる。
なお、セパレータ22において、冷却水流路形成部33および冷却ガス流路形成部35が設けられた面と反対の面には、孔部24aと孔部24bとを連絡して、ガス拡散層14を備えるMEA12との間に単セル内燃料ガス流路を形成するための燃料ガス流路形成部が設けられている(図示せず)。燃料ガス供給マニホールドから各単セル10に分配された燃料ガスは、上記単セル内燃料ガス流路42を通過して、燃料ガス排出マニホールドに集合する。
ここで、図1および図2では、酸化ガス流路形成部30は、平坦な底面を有する凹部として表わしているが、酸化ガス流路形成部30および燃料ガス流路形成部は、所定の凹凸形状を設けて、凸部において隣り合う部材、即ちMEA12のガス拡散層と接することで、導電性を確保する。設ける凹凸形状は、例えば、酸化ガス流路形成部30について既述した略平行な複数の凹凸からなる溝状流路群としても良く、あるいは、凹部の底面から突出する複数の凸部を設けることとしても良い。また、酸化ガス流路形成部30および燃料ガス流路形成部は、平坦な底面をもつ凹部として形成し、この凹部内にガス拡散層をはめ込むことによって、ガス流路を形成することとしても良い。なお、冷却ガス流路形成部34においても同様に、所定の凹凸形状を設けることとしても良い。
B.セパレータが備える多孔質部:
図2の3−3線断面を表す図3に示すように、セパレータ20は、既述したセル間冷却ガス流路41bの形成箇所に、多孔質部位50を有する。この多孔質部位50は、本実施例では、カーボン粉末の形状やサイズ、あるいはバインダとの混合比率などを適宜選定することにより所望の気孔率にしたカーボン多孔質体である。つまり、多孔質部位50は、セル間冷却ガス流路41bを有するカーボン多孔質体として形成される。このように、多孔質部位50は、カーボン多孔質体であることから、単セル内酸化ガス流路40の側からセル間冷却ガス流路41bの側へと水分が通過することを可能とすると共に、この通過する水分および単セル内酸化ガス流路40を流れる酸化ガスに対して、耐食性を有することになる。この場合、多孔質部位50は、多孔質部位50以外の領域(以下、セパレータ基部という)が後述するように金属製であることから、このセパレータ基部に比して、耐食性に勝ることになる。なお、この多孔質部位50としては、所望の気孔率を有する焼結金属や金属メッシュなどの金属多孔質体とすることもできるが、この点については、後述する。
セパレータ20は、導電性を求められることから、プレス成形した金属板により形成される。そして、セパレータ20は、セパレータ基部を、水分およびガスが不透過な緻密質なものとし、多孔質部位50の上部を緻密質部位52とする。この緻密質部位52は、既述したセル間冷却水流路41aを有するよう、形成される。
セパレータ20の製造に当たっては、金属板のプレス成形の際、多孔質部位50の装着孔や孔部24a等の孔部、単セル内酸化ガス流路40、緻密質部位52およびセル間冷却水流路41aをプレス成形で形成し、別途用意したカーボン多孔質体の多孔質部位50を装着孔に嵌め込み固定する。固定方法としては、しまりばめとなるよう圧入したり、接着等の適宜手法をとることができる。こうして完成したセパレータ20において多孔質部位50が占める領域は、図1および図2では、水分授受領域53として、破線で囲んで示されている。
図3では、酸化ガス流路形成部30において、ガス拡散層13を備えるMEA12と、セパレータ20表面との間に、単セル内酸化ガス流路40が形成される様子が示されている。また、図3では、セパレータ20,22が備える孔部22aによって酸化ガス供給マニホールド44が形成され、セパレータ20,22が備える孔部22bによって酸化ガス排出マニホールド46が形成され、これらのマニホールドが単セル内酸化ガス流路40と連通している様子が示されている。既述した水分授受領域53は、単セル内酸化ガス流路40を流れる酸化ガスの下流側に当たり、当該ガスが排出される排出部、即ち、単セル内酸化ガス流路40における酸化ガス排出マニホールド46との接続部の近傍に対応する領域となっている。
セパレータ22は、本実施例では、セパレータ20と異なり多孔質部位50を有しないが、MEA12と対向する側に単セル内燃料ガス流路42を備え、その背面には、セル間冷却水流路41a、セル間冷却ガス流路41bを有する点でセパレータ20と同じである。なお、セパレータ20の多孔質部位50と向かい合うよう、この多孔質部位50と同じ多孔質部位をセパレータ22に組み込むようにすることもできる。
図3では、セパレータ20の酸化ガス流路形成部30によって所定の空間である単セル内酸化ガス流路40が形成され、セパレータ22の燃料ガス流路形成部によって所定の空間である単セル内燃料ガス流路42が形成される様子を示したが、既述したように、酸化ガス流路形成部30および燃料ガス流路形成部は、所定の形状の凸部、或いは凹凸により、図2(A)に矢印で示すガスの流れを凸部で分流させる。図4は、図3に示す断面と平行な断面であって、酸化ガス流路形成部30および燃料ガス流路形成部において、MEA12上のガス拡散層と接する凸部が形成される断面の様子を表わす。なお、図3および図4に示すように、セパレータ20のセパレータ基部では、冷却ガス流路形成部34および冷却水流路形成部32の周りにおいて、Oリングなどのシール部材38が配設されており、セル間冷却ガス流路およびセル間冷却水流路をシールしている。
本実施例では、多孔質部位50を、図3に示すように図中3筋のセル間冷却ガス流路41bを形成するに足りるものとしたが、図中の最下段のセル間冷却水流路41aをセル間冷却ガス流路41bとし、この流路も含むようにすることもできる。つまり、多孔質部位50の大きさは、図示するものに限られず、種々変更できる。
C.水分授受の動作:
燃料電池では、電気化学反応の進行に伴ってカソードで水が生じる。電気化学反応で生じた水は、単セル内酸化ガス流路40を通過する酸化ガス中に気化して、酸化ガスと共に下流に流れる。そのため、単セル内酸化ガス流路40においては、下流側ほどガス中の水分量が多くなる。よって、本実施例の燃料電池は、この水分量が多いガスの流れの下流側にて、単セル内酸化ガス流路40から多孔質部位50に水分を取り込み、その水分を多孔質部位50からセル間冷却ガス流路41bを流れる冷却ガス中に排出する。
ここで、単セル内酸化ガス流路40内を通過する酸化ガス中の水分量が飽和蒸気圧を下回っているときには、単セル内酸化ガス流路40から多孔質部位50を経てセル間冷却ガス流路41bへと移動する水分は、水蒸気の状態で移動する。これに対して、単セル内酸化ガス流路40を通過する酸化ガス中の水分量が多く、水が凝縮する場合には、凝縮水の状態で多孔質部位50に吸収され、セル間冷却ガス流路41bで水が気化することによって、水分授受が行なわれる。
単セル内酸化ガス流路40内の凝縮水は、カーボン多孔質体によって形成される多孔質部位50において、毛管吸引力によって容易に内部に取り込まれ、当該多孔質部位内を移動する。また、このように凝縮水が多孔質部位50に吸収される場合には、多孔質部位50が凝縮水を吸収することによってガスシールされ、単セル内酸化ガス流路40とセル間冷却ガス流路41bとの間でのガス混合が抑えられる。なお、このような酸化ガスからの水分の取り込みおよびセル間冷却ガス流路側への水分移動を促進するために、カーボン多孔質体である多孔質部位50は、親水処理を施して親水性を高めることが望ましい。例えば、カーボン多孔質体(多孔質部位50)を過酸化水素水中で煮沸処理して、カーボン表面に水酸基(−OH基)を導入することにより、容易に親水性を付与することができる。
本実施例の燃料電池では、冷却ガスに、酸化ガスとして電気化学反応に供する空気を用いている。図5に、本実施例の燃料電池における冷却ガスおよび酸化ガスの流れを模式的に表わす。図5では、セパレータ22の冷却ガス流路形成部35が形成される面を用いて流路の接続関係を説明している。
空気ポンプ16は、冷却ガスとして空気を圧送する。この空気は、孔部28aが形成する冷却ガス供給マニホールドから、冷却ガス流路形成部35が形成するセル間冷却ガス流路41bを通過して、孔部28bが形成する冷却ガス排出マニホールドへと流れる。このとき、セル間冷却ガス流路41bを通過する空気は、多孔質部位50内を移動する水分によって加湿される。冷却ガス排出マニホールドに集合した空気は、接続流路15に導かれて、孔部22aが形成する酸化ガス供給マニホールドに流入し、各単セル内酸化ガス流路40に分配される。ここで、冷却ガス排出マニホールドおよび酸化ガス供給マニホールドは、燃料電池を積層方向に貫通する流路であるため、接続流路15は、例えば、燃料電池の積層方向端部の一方において、冷却ガス排出マニホールド端部と酸化ガス供給マニホールド端部とを接続するように配設すればよい。あるいは、燃料電池を構成するスタック内で、各セル面内において、接続流路15を設けることも可能である。
また、図5に示すように、本実施例の燃料電池では、空気ポンプ16の下流に、冷却ガス供給マニホールドに至る流路から分岐した空気分岐路17を備える。よって、セル間冷却ガス流路を経由することなく空気を接続流路15に導くことができる。この空気分岐路17には、空気分岐路17を通過する空気量を調節するための流量調整弁18が設けられている。したがって、空気ポンプ16および流量調整弁18を制御することで、セル間冷却ガス流路41bを通過する空気量と、電気化学反応に供する空気量とを、それぞれ調節することができる。
なお、本実施例の燃料電池では、セパレータ22に多孔質部位50を有しないので、上記したように、単セル内燃料ガス流路42内を通過する燃料ガス中の水分については、積極的に流路から排出しない。しかし、MEA12で進行する電気化学反応は湿潤状態で進行することから、支障はない。ところで、セパレータ22にもセパレータ20と同様に多孔質部位50を組み込めば、単セル内燃料ガス流路42内での水の凝縮が起きた場合も、既述したようにその凝縮水を単セル内燃料ガス流路42からセル間冷却ガス流路41bに排出できるので、単セル内燃料ガス流路42での過剰な凝縮水の滞留を抑制できる。
D.効果:
以上のように構成された本実施例の燃料電池によれば、次の利点がある。
(1)多孔質部位50を経て、単セル内酸化ガス流路40からセル間冷却ガス流路41bへと水分を排出できるため、単セル内酸化ガス流路40内に水分が滞留することに起因する不都合を防止することができる。また、多孔質部位50は、カーボン多孔質体であることから、水分および単セル内酸化ガス流路40を流れる酸化ガスに対して耐食性を呈するので、上記した単セル内酸化ガス流路40からの水分吸収と、セル間冷却ガス流路41bへの水分排出を好適に維持できる。よって、単セル内酸化ガス流路40内に水分が滞留することに起因する不都合を継続して防止できる。
(2)セパレータ20は、多孔質部位50を除く部位をすべて緻密質な金属板としているので、セパレータ強度を高めることができる。
(3)本実施例では、多孔質部位50を単セル内酸化ガス流路40を流れる酸化ガスの下流に配置したので、水分量が多い状態のガス(酸化ガス)から水分を取り除く。よって、単セル内酸化ガス流路40からは効率よく水分を除去してセル間冷却ガス流路41bに水分を排出できる。このため、単セル内酸化ガス流路40内における水分滞留の抑制からも好ましい。
(4)本実施例では、水分が存在する単セル内酸化ガス流路40と冷却ガス(酸化ガス)が通過するセル間冷却ガス流路41bとの間に多孔質部位50を配置して、水分をセル間冷却ガス流路41bを通過する冷却ガス(酸化ガス)に排出する。よって、単セル内酸化ガス流路40中の水分を多孔質部位50を隔てた冷却水流路の水に排出する場合に比して、差圧制御といった複雑な制御を要しない。このため、こうした制御に必要な機器や制御装置が不要となるので、制御の簡略化や構成の簡略化を図ることができる。
(5)本実施例の燃料電池では、冷却ガスとして空気を用い、セル間冷却ガス流路41bを空気が通過することで、多孔質部位50からの排出水分で加湿する。そして、この加湿した空気を、酸化ガスとして各単セルの単セル内酸化ガス流路40に供給している。このため、電解質膜の乾燥を防ぐために予め供給酸化ガス(空気)を加湿する装置が不要となり、構成の簡略化を図ることができる。この場合、多孔質部位50からの排出水分での加湿が不十分なため、加湿装置が必要となっても、当該加湿装置を小型化することができる。
(6)本実施例の燃料電池では、単セル内酸化ガス流路40を流れる酸化ガスの下流側に対応する領域にセル間冷却ガス流路41bを設け、上流側に対応する領域にセル間冷却水流路41aを設けている。単セル内酸化ガス流路40では、上流側ほど、酸化ガスにおける電極活物質濃度(酸素濃度)が高く電気化学反応がより活発であるため、温度上昇しやすい。このように、温度上昇しやすい領域を冷却するために、気体ではなく液体の冷媒を用いることで、燃料電池を効率よく冷却することが可能となる。
E.変形例:
この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記した実施例では、多孔質部位50をカーボン多孔質体とし、この多孔質部位50以外を金属板から形成した緻密質としたが、次のように変形することができる。
多孔質部位50と、当該部位以外のセパレータ20(セパレータ基部)を共に金属或いは合金を用いて形成し、多孔質部位50と、緻密質部位52を含むセパレータ基部とで、材料の選定を行う。つまり、多孔質部位50を構成する材料を、その金属元素のイオン化傾向がセパレータ基部を構成する材料の金属元素のイオン化傾向により小さいものとする。例えば、セパレータ20や多孔質部位50に採用可能な金属、或いは合金には、元素記号でいうところのNa、Mg、Al、K、Ca、Mn、Zn、Cr、Fe、Ni、Sn、Pb、Cu、Ag、Pt、Au等の種々の金属元素を含むものがある。このうち、多孔質部位50をSn、Pb、Cu、Ag等のイオン化傾向の金属元素を含む金属材料或いは合金材料から形成すれば、セパレータ20(セパレータ基部)については、これよりイオン化傾向の大きいMg、Al、K、Ca、Mn、Zn、Cr、Fe、Niの金属元素を含む金属材料或いは合金材料から形成する。
この場合、上記した金属材料或いは合金材料を用いた多孔質部位50は、粉末焼結法による金属多孔質体や、発泡を利用した3次元網目構造の金属多孔質体として製造することができる。そして、製造した金属多孔質体の多孔質部位50を、既述したようにセパレータ20の装着孔にはめ込み、固定する。
多孔質部位50は、セパレータ基部に比して、上記のようにイオン化傾向の小さい金属元素を含む金属材料或いは合金材料から形成されていることから、単セル内酸化ガス流路40中の水分をセル間冷却ガス流路41bに排出する際、金属元素がイオンとなって溶出する程度が小さくなる。よって、上記した実施例におけるカーボン多孔質体の多孔質部位50と同様に、水分に対する耐食性を発揮する。
上記した変形例では、多孔質部位50とセパレータ20とか共に金属或いは合金であることから、多孔質部位50をカーボン多孔質体とした場合よりも、強度に優れる。また、金属多孔質体の多孔質部位50をセパレータ20の装着孔にはめ込み・固定するに当たっても、多孔質部位50をセパレータ20に溶接等の簡便な手法で確実に一体とでき、好ましい。更に、水分に対する耐食性を、イオン化傾向の小さい金属元素を含む金属材料或いは合金材料の選定という簡便な手法で、緻密質部位に比して強度的に劣る金属多孔質体の多孔質部位50に簡便に付与できる。
この他、次のようにして、多孔質部位50に耐食性を付与することもできる。
まず、適宜な金属或いは合金材料から金属多孔質体の多孔質部位50を製造する。そして、この多孔質部位50に、電気メッキ等の表面処理に処する。具体的には、水分に対して耐食性に優れる金属のイオンを含む水溶液に多孔質部位50を浸漬し、この多孔質部位50をカソードとして電流を流し、多孔質部位50に、詳しくは孔表面に耐食性を有する金属の膜を電解析出させる。こうした手法で孔表面に形成した耐食性の表面処理膜で、多孔質部位50に耐食性を付与する。こうすれば、多孔質部位50の材料選択の余地が広がるので、材料選択によって多孔質でありながら強度を確保し、表面処理膜形成により、耐食性を確保できる。
また、多孔質部位50の組み込みについても次のように変形できる。図6は変形例の多孔質部位50を説明するための図3相当図である。
図示するように、この変形例の多孔質部位50は、単セル内酸化ガス流路40の側に段部51を有する。そして、この多孔質部位50が嵌り込む側のセパレータ20に、この段部51に合わせた段を形成する。こうすれば、多孔質部位50を嵌め込んだ場合の接合面が増え、その後の溶接・接着等による一体化をより安定化することができる。
また、実施例では、冷却ガス流路形成部34を酸化ガス流路形成部30における酸化ガス流れの下流側領域に設けたが、異なる領域、あるいはより広い領域に設けることとしても良い。例えば、気体による冷却だけで充分であれば、冷却水流路形成部32を設けることなくセパレータ20の全面に冷却ガス流路形成部34(セル間冷却ガス流路41b)を設けることとしても良い。
なお、既述したように、セパレータ22についてもセパレータ20と同様に多孔質部位50を有するものとできる。この場合は、冷却ガスとしては、単セル内燃料ガス流路42に供給する前の燃料ガスをセパレータ22のセル間冷却ガス流路41bに流すことが望ましい。即ち、排水の対象となる反応ガスと同種のガスを冷却ガスとして用いることが望ましい。
実施例では、多孔質部位50を利用して水分を除去する対象となる反応ガス(酸化ガス)と同種のガスを冷却ガスとして用いているが、異種のガスを冷却ガスとして用いても良い。この場合には、反応ガスに混入しても電気化学反応に影響を与えないガスを冷却ガスとして選択することが望ましい。また、冷却ガス圧を反応ガス圧よりも低くするならば、冷却ガスが反応ガスに混入するのを効果的に防止できる。
実施例では、燃料電池は固体高分子型燃料電池としたが、異なる種類の燃料電池に適用することも可能である。セパレータを含む部材を積層して構成する燃料電池であって、発電中に反応ガス流路中の水分量が増加する燃料電池であれば、本発明を適用して同様の効果を得ることができる。
単セル10の構成を表わす分解斜視図である。 セパレータ20の様子を表わす平面図である。 単セル10の内部構成を図2の3−3線に沿った断面として模式的に表わす断面図である。 単セル10の内部構成を図2の4−4線に沿った断面として模式的に表わす断面図である。 冷却ガスおよび酸化ガスの流れを模式的に表わす説明図である。 変形例の多孔質部位50を説明するための図3相当図である。
符号の説明
10...単セル
12...MEA
13,14...ガス拡散層
13...ガス拡散層
14...ガス拡散層
15...接続流路
16...空気ポンプ
17...空気分岐路
18...流量調整弁
20,22...セパレータ
22a,22b...孔部
24a,24b...孔部
26a,26b...孔部
28a,28b...孔部
30...酸化ガス流路形成部
32...冷却水流路形成部
33...冷却水流路形成部
34...冷却ガス流路形成部
35...冷却ガス流路形成部
38...シール部材
40...単セル内酸化ガス流路
41a...セル間冷却水流路
41b...セル間冷却ガス流路
42...単セル内燃料ガス流路
44...酸化ガス供給マニホールド
46...酸化ガス排出マニホールド
50...多孔質部位
51...段部
52...緻密質部位
53...水分授受領域

Claims (8)

  1. 電解質膜・電極の接合体と、該接合体に当接設置されるセパレータとを備えた燃料電池であって、
    前記セパレータは、
    前記接合体と接する面に形成され、前記電解質膜が関与する電気化学反応に用いる反応ガスが流れる反応ガス流路と、
    前記接合体と接する面の背面に形成され、冷却媒体が流れる冷却流路とを備え、
    前記セパレータの一部領域には、前記反応ガス流路の側から前記冷却流路の側へと水分が通過するように多孔質とされた多孔質部位を設け、該多孔質部位は、通過する水分に対しての腐食防止機能を有する
    燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記多孔質部位は、前記反応ガス流路における前記反応ガスの流れの下流側に配置された
    燃料電池。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池であって、
    少なくとも前記多孔質部位の前記接合体と接する面の背面において、前記セパレータの冷却流路に、前記冷却媒体としての冷却ガスを供給する冷却手段を有する
    燃料電池。
  4. 請求項1ないし請求項3いずれかに記載の燃料電池であって、
    前記セパレータは、
    前記多孔質部位以外の部位を、緻密質な部材から形成した緻密質部位として備え、
    前記多孔質部位は、前記緻密質部位に比して、耐食性に勝る材質の材料で形成された
    燃料電池。
  5. 請求項4記載の燃料電池であって、
    前記緻密質部位は、金属或いは合金を用いて形成され、
    前記多孔質部位は、カーボン多孔質体とされた
    燃料電池。
  6. 請求項4記載の燃料電池であって、
    前記緻密質部位は、金属或いは合金を用いて形成され、
    前記多孔質部位は、前記緻密質部位を形成する金属元素のイオン化傾向より小さい金属元素を含有する金属或いは合金を用いて形成された
    燃料電池。
  7. 請求項1ないし請求項3いずれかに記載の燃料電池であって、
    前記セパレータは、
    前記多孔質部位は、多孔質の孔表面に耐食性を有する表面処理膜を形成することで、前記腐食防止機能を発揮する
    燃料電池。
  8. 燃料電池を形成するために、電解質膜・電極の接合体に当接設置される燃料電池用セパレータであって、
    前記接合体と接する面に形成され、前記電解質膜が関与する電気化学反応に用いる反応ガスが流れる反応ガス流路と、
    前記接合体と接する面の背面に形成され、冷却媒体が流れる冷却流路とを備え、
    セパレータの一部領域には、前記反応ガス流路の側から前記冷却流路の側へと水分が通過するように多孔質とされた多孔質部位を設け、該多孔質部位は、通過する水分に対しての腐食防止機能を有する
    燃料電池用セパレータ。
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