JP2005195258A - 冷凍システム及び真空成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】沸点が互いに異なる複数種類の冷媒を混合した混合冷媒を用いる超低温冷凍機Rにおいて、過冷却器31に対する液冷媒の流量を確保し、クライオコイル32の冷却効率を増大させる。
【解決手段】クライオコイル32及びキャピラリチューブ29が設けられた主冷媒回路38と、上流端が上記主冷媒回路38の上流端に分岐接続され、キャピラリチューブ28が設けられた副冷媒回路39とに対し、副冷媒回路39の高さ位置を主冷媒回路38の高さ位置よりも低くする。過冷却器31の1次側31aから吐出された気液混合状態の冷媒の副冷媒回路39に流入する流量を主冷媒回路38への流量よりも多くして、副冷媒回路39への液冷媒の流量を主冷媒回路38よりも増加させる。
【選択図】図1
【解決手段】クライオコイル32及びキャピラリチューブ29が設けられた主冷媒回路38と、上流端が上記主冷媒回路38の上流端に分岐接続され、キャピラリチューブ28が設けられた副冷媒回路39とに対し、副冷媒回路39の高さ位置を主冷媒回路38の高さ位置よりも低くする。過冷却器31の1次側31aから吐出された気液混合状態の冷媒の副冷媒回路39に流入する流量を主冷媒回路38への流量よりも多くして、副冷媒回路39への液冷媒の流量を主冷媒回路38よりも増加させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷凍システム及びそれを備えた真空成膜装置に関し、特に、冷凍システムの過冷却器の1次側から吐出された液冷媒を主冷却器と過冷却器の2次側とに分岐させるときに流量の不均等化を図るための対策に関する。
従来より、−100℃以下の超低温の寒冷を発生させるための冷凍システムとして、沸点温度が異なる複数種類の冷媒を混合してなる非共沸混合冷媒を冷媒回路内に封入したものは知られている。この冷凍システムの冷媒回路は、例えば複数段の熱交換器、複数の気液分離器、及び複数の減圧手段を備えており、各気液分離器では、各熱交換器により凝縮された冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離し、その分離された液冷媒を減圧手段で減圧させた後に上記各段の熱交換器で蒸発させ、この蒸発熱により上記気液分離器からのガス冷媒を冷却して凝縮する。つまり、各段の熱交換器においてそれぞれ上記混合冷媒を高い沸点の冷媒から低い沸点の冷媒まで順に凝縮させる。さらに、最低温度の沸点を有する液冷媒をキャピラリチューブ等の減圧手段で減圧させた後に蒸発させる冷却器が設けられていて、この冷却器での最低沸点の液冷媒の蒸発により−100℃以下の超低温の寒冷を発生させ、この冷却部の寒冷により冷却対象を冷却するようになっている(例えば特許文献1参照)。
そして、上記減圧手段及び冷却器が設けられた主冷媒回路とは並列に副冷媒回路が分岐接続され、この副冷媒回路に、上記冷却器を主冷却器とする過冷却器(サブクーラ)と、上記減圧手段を主冷却器用減圧手段とする過冷却器用減圧手段とが設けられている。上記過冷却器は、上記凝縮器から吐出された冷媒が流れる1次側と、この1次側の冷媒と熱交換可能な冷媒が流れる2次側とを有する熱交換器からなるもので、1次側の冷媒を2次側の冷媒との熱交換により冷却する。一方、過冷却器用減圧手段は、上記過冷却器の2次側に熱交換のために供給される液冷媒を減圧するものである。
実用新案登録第2559220号公報
ところで、このように主冷却器と過冷却器とが並列に接続されている冷凍システムでは、通常、主冷却器と過冷却器の2次側とに流れる冷媒の流量が互いに同じになるように設定されている。
しかし、主冷媒回路及び副冷媒回路の分岐部を通って主冷却器と過冷却器の2次側とに向かう冷媒は全て液冷媒で構成されているのではなく、一部にガス冷媒を含んだ気液混合状態の冷媒が供給されており、上記のように主冷却器及び過冷却器へ流れる冷媒の流量が互いに同じになるように設定されているとはいえ、過冷却器の2次側への液冷媒の流量が少ない場合、その1次側のガス冷媒に対する冷却不足が生じ、その分、過冷却器により液化される液冷媒の流量が減少して主冷却器の冷却効率の低下を招く。その結果、主冷却器により冷却される冷却対象の負荷変動があると、その負荷変動に抗して冷却対象を安定して冷却できなくなったり、或いは主冷却器により冷却対象を常温から超低温レベルに冷却するまでのクールダウン時間が長くなったりする等の問題が生じる。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、上記の主冷却器と過冷却器の2次側とに対する各冷媒流量を適正に調整することで、過冷却器に対する液冷媒の流量を安定して十分に確保し、主冷却器の冷却効率を増大させて、冷却対象を負荷変動に抗して安定して冷却し、冷却対象を常温から超低温レベルに冷却するまでのクールダウン時間を短縮することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、主冷却器及び過冷却器への液冷媒の流量に差異を付け、過冷却器の2次側に流れる液冷媒の流量を主冷却器よりも多くするようにした。
具体的には、請求項1の発明の冷凍システムは、冷媒を圧縮する圧縮機と、この圧縮機から吐出された冷媒を冷却して凝縮する凝縮手段と、この凝縮手段から吐出された冷媒が流れる1次側、及び該1次側から吐出されかつ過冷却器用減圧手段により減圧された冷媒が流れる2次側を有し、1次側の冷媒を2次側の冷媒との熱交換により冷却する過冷却器と、この過冷却器の1次側から吐出されかつ主冷却器用減圧手段により減圧された冷媒を蒸発させて冷却対象を冷却する主冷却器と、上記過冷却器の1次側から吐出された冷媒のうち、過冷却器の2次側に流れる液冷媒の流量を主冷却器への液冷媒の流量よりも多くする過冷却器冷媒流量増加手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明の冷凍システムは、沸点が互いに異なる複数種類の冷媒を混合した混合冷媒を圧縮する圧縮機と、この圧縮機から吐出された混合冷媒のうちの高沸点冷媒を冷却して凝縮する凝縮器と、この凝縮器から吐出された混合冷媒を高沸点冷媒から低沸点冷媒へ順に液冷媒とガス冷媒とに分離する複数段の気液分離器と、この各気液分離器で分離されたガス冷媒を、該各気液分離器で分離された後に減圧手段で減圧された液冷媒との熱交換により冷却する複数段のカスケード熱交換器と、この最終段のカスケード熱交換器から吐出された低沸点冷媒が流れる1次側、及び該1次側から吐出されかつ過冷却器用減圧手段により減圧された低沸点冷媒が流れる2次側を有し、1次側の低沸点冷媒を2次側の低沸点冷媒との熱交換により冷却する過冷却器と、この過冷却器の1次側から吐出されかつ主冷却器用減圧手段により減圧された低沸点冷媒を蒸発させて冷却対象を超低温レベルに冷却する主冷却器と、上記過冷却器の1次側から吐出された冷媒のうち、過冷却器の2次側に流れる液冷媒の流量を主冷却器への液冷媒の流量よりも多くする過冷却器冷媒流量増加手段とを備えたことを特徴とする。
これら各発明の構成によると、過冷却器の2次側に流れる液冷媒の流量が主冷却器への液冷媒の流量よりも多いので、その過冷却器の1次側のガス冷媒に対する十分な冷却が保たれ、この過冷却器により液化される液冷媒の流量が増加して主冷却器の冷却効率が向上する。このことから、主冷却器により冷却される冷却対象の負荷変動があっても、その冷却対象を安定して冷却できるとともに、冷却対象を常温から超低温レベルに迅速に冷却してクールダウン時間を短縮することができる。
請求項3の発明では、上記過冷却器冷媒流量増加手段は、主冷却器及び主冷却器用減圧手段が設けられた主冷媒回路と、上流端が該主冷媒回路の上流端に分岐接続され、過冷却器用減圧手段が設けられた副冷媒回路とに対し、上記副冷媒回路の最小断面積が主冷媒回路の最大断面積よりも大きい構造を有することを特徴とする。
このことで、過冷却器の1次側から吐出された冷媒が主冷媒回路及び副冷媒回路に分かれて流れる際、その副冷媒回路の最小断面積が主冷媒回路の最大断面積よりも大きいので、全体から見て、気液混合状態の冷媒の副冷媒回路に流入する流量が主冷媒回路に流入する流量よりも多くなり、それに比例して副冷媒回路への液冷媒の流量が主冷媒回路への流量よりも増加する。従って、過冷却器の1次側のガス冷媒に対する十分な冷却が得られ、この過冷却器で液化される液冷媒の流量が増加して主冷却器の冷却効率が向上する。
請求項4の発明では、過冷却器冷媒流量増加手段は、主冷却器及び主冷却器用減圧手段が設けられた主冷媒回路と、上流端が該主冷媒回路の上流端に分岐接続され、過冷却器用減圧手段が設けられた副冷媒回路とに対し、上記主冷媒回路と副冷媒回路との分岐部における上記副冷媒回路の最高高さ位置が主冷媒回路の最低高さ位置よりも低い構造を有することを特徴とする。
こうすれば、過冷却器の1次側から吐出された冷媒が主冷媒回路及び副冷媒回路に分かれて流れる際、それらの分岐部における副冷媒回路の最高高さ位置が主冷媒回路の最低高さ位置よりも低いので、気液混合状態の冷媒のうちの液冷媒が、相対的に高さの低い副冷媒回路に多く流入するようになり、副冷媒回路への液冷媒の流量が主冷媒回路への流量よりも増加する。従って、過冷却器の1次側のガス冷媒に対する十分な冷却が保たれ、この過冷却器で液化される液冷媒の流量が増加して主冷却器の冷却効率が向上する。
また、主冷媒回路及び副冷媒回路に高さの差異を付けるだけでよく、断面積の異なる通路を形成しなくてもよいので、簡単な構造で上記効果が得られる。
請求項5の発明では、上記請求項3の冷凍システムにおいて、過冷却器冷媒流量増加手段は、主冷媒回路と副冷媒回路との分岐部における副冷媒回路の最高高さ位置が主冷媒回路の最低高さ位置よりも低い構造を有する。このことで、上記請求項3及び4の発明の作用効果を相乗的に奏することができ、主冷却器の冷却効率をさらに一層向上させることができる。
請求項6の発明の真空成膜装置は、請求項1〜5のいずれか1つの冷凍システムを備え、この冷凍システムの主冷却器により真空チャンバ内の気体及び水分を冷却により凍結させるように構成されていることを特徴とする。このことで、真空成膜装置における真空チャンバ内の気体及び水分を凍結して、安定した真空状態が得られるとともに、クールダウン時間の短縮により真空チャンバ内を短時間で排気して成膜効率を向上させることができる。
以上説明したように、請求項1又は2の発明によると、冷却対象を冷却する主冷却器と、1次側の冷媒を2次側の冷媒で冷却する過冷却器とを備えた冷凍システムに対し、過冷却器の2次側に流れる液冷媒の流量を主冷却器への液冷媒の流量よりも多くする過冷却器冷媒流量増加手段を設けたことにより、過冷却器の1次側のガス冷媒に対する十分な冷却を確保して、主冷却器の冷却効率を向上させることができ、冷却対象の冷却安定化や冷却対象の超低温レベルまでのクールダウン時間の短縮化等を図ることができる。
請求項3の発明によれば、主冷却器及び主冷却器用減圧手段が設けられた主冷媒回路と、この主冷媒回路に分岐接続され、過冷却器用減圧手段が設けられた副冷媒回路とに対し、副冷媒回路の最小断面積を主冷媒回路の最大断面積よりも大きくしたことにより、過冷却器の1次側から吐出された冷媒が主冷媒回路及び副冷媒回路に分かれて流れる際、気液混合状態の冷媒の副冷媒回路への流量を主冷媒回路への流量よりも多くして、副冷媒回路に流入する液冷媒の流量を主冷媒回路よりも増加でき、上記過冷却器冷媒流量増加手段を具体化することができる。
請求項4の発明によると、主冷却器及び主冷却器用減圧手段が設けられた主冷媒回路と、この主冷媒回路に分岐接続され、過冷却器用減圧手段が設けられた副冷媒回路とに対し、主及び副冷媒回路の分岐部における副冷媒回路の最高高さ位置を主冷媒回路の最低高さ位置よりも低くしたことにより、過冷却器の1次側から吐出された冷媒が主冷媒回路及び副冷媒回路に分かれて流れる際、気液混合状態の冷媒のうちの液冷媒を、相対的に高さの低い副冷媒回路に流入させて、副冷媒回路への液冷媒の流量を主冷媒回路よりも増加でき、簡単な構造でもって、上記過冷却器冷媒流量増加手段を具体化することができる。
請求項5の発明によると、上記請求項3の冷凍システムにおいて、主冷媒回路と副冷媒回路との分岐部における副冷媒回路の最高高さ位置を主冷媒回路の最低高さ位置よりも低くしたことにより、上記請求項3及び4の発明の作用効果が相乗的に得られ、主冷却器の冷却効率をさらに一層向上させることができる。
請求項6の発明の真空成膜装置によると、上記冷凍システムの主冷却器により真空チャンバ内の気体及び水分を冷却により凍結させるようにしたことにより、真空成膜装置における真空チャンバ内の真空状態の安定化、及びクールダウン時間、排気時間の短縮による成膜効率の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
図4は本発明の実施形態に係る真空成膜装置Aのレイアウトの一例を示し、50は内部が真空状態に保たれて基板(図示せず)が成膜される真空チャンバで、この真空チャンバ50には、開閉扉51により開閉される搬入出口(図示せず)が開口されており、開閉扉51を開いた状態で、成膜しようとする基板を真空チャンバ50内に搬入し或いは成膜後の基板を真空チャンバ50内から搬出する。真空チャンバ50には連通路52を介して真空ポンプ53が接続され、連通路52の真空チャンバ50との接続部には、開閉により両者を連通状態又は連通遮断状態に切り換わるゲートバルブ54が配設されており、開閉扉51を閉じかつゲートバルブ54を開いた状態で真空ポンプ53の作動により真空チャンバ50内を真空引きするようになっている。
図4は本発明の実施形態に係る真空成膜装置Aのレイアウトの一例を示し、50は内部が真空状態に保たれて基板(図示せず)が成膜される真空チャンバで、この真空チャンバ50には、開閉扉51により開閉される搬入出口(図示せず)が開口されており、開閉扉51を開いた状態で、成膜しようとする基板を真空チャンバ50内に搬入し或いは成膜後の基板を真空チャンバ50内から搬出する。真空チャンバ50には連通路52を介して真空ポンプ53が接続され、連通路52の真空チャンバ50との接続部には、開閉により両者を連通状態又は連通遮断状態に切り換わるゲートバルブ54が配設されており、開閉扉51を閉じかつゲートバルブ54を開いた状態で真空ポンプ53の作動により真空チャンバ50内を真空引きするようになっている。
上記真空成膜装置Aには本発明の冷凍システムを構成する超低温冷凍機Rが設けられており、この超低温冷凍機Rの後述するクライオコイル32により、真空ポンプ53の真空引きの状態で真空チャンバ50内の冷却対象としての気体(空気やガス)及び水分を直接に超低温レベルまで冷却することにより、その気体等を凍結させて真空チャンバ50内の真空レベルを上げるようになっている。
一方、図5は真空成膜装置Aのレイアウトの他の例を示し、冷凍機Rのクライオコイル32は真空チャンバ50内ではなくて連通路52の途中に配設されており、真空ポンプ53による真空引きの状態で超低温冷凍機Rにより連通路52内の気体や水分、つまり間接的に真空チャンバ50内の気体や水分を冷却して凍結させることで、真空チャンバ50内の真空レベルを高めるようにしている。その他の構造は図4に示す真空成膜装置Aと同じである。
上記超低温冷凍機Rは、冷媒として沸点温度が互いに異なる5種類又は6種類の冷媒を混合してなる非共沸混合冷媒を用いて−100℃以下の超低温レベルの寒冷を発生させるものである。
すなわち、図3は超低温冷凍機Rの全体構成を示し、1は上記混合冷媒が封入された閉サイクルの冷媒回路で、この冷媒回路1は以下に説明する各種の機器を冷媒配管2で接続してなる。5はガス冷媒を圧縮する圧縮機で、この圧縮機5の吐出部には油分離器6が接続されている。この油分離器6は、圧縮機5から吐出されたガス冷媒中に混入されている圧縮機用潤滑油をガス冷媒から分離するものであり、この分離された潤滑油は図外の油戻し管を経て圧縮機5の吸入側に戻される。上記油分離器6の冷媒吐出部には、圧縮機5からの吐出ガス冷媒を冷却水通路7の冷却水との熱交換により冷却して凝縮する水冷コンデンサ8(凝縮器)が接続されている。水冷コンデンサ8の吐出部には、冷媒中のコンタミネーションを除去するストレーナ9を介して補助コンデンサ10(凝縮器)の1次側が接続されており、この補助コンデンサ10において、水冷コンデンサ8からのガス冷媒を圧縮機5に吸入される低温度の2次側の還流冷媒と熱交換して冷却し凝縮する。この実施形態では、水冷コンデンサ8と補助コンデンサ10とで凝縮器を構成しており、これら両コンデンサ8,10により、混合冷媒のうち沸点温度が最高温度のガス冷媒を凝縮させて液化するようになっている。
上記補助コンデンサ10における1次側の吐出部には第1気液分離器12が接続され、この第1気液分離器12で、上記補助コンデンサ10からの気液混合の冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する。この第1気液分離器12のガス冷媒吐出部にはカスケードタイプの第1熱交換器18の1次側が、また液冷媒吐出部には、減圧手段としての第1キャピラリチューブ24を介して同じ第1熱交換器18の2次側がそれぞれ接続されており、第1気液分離器12で分離された液冷媒を第1キャピラリチューブ24で減圧させた後に第1熱交換器18の2次側に供給して蒸発させ、この蒸発により1次側のガス冷媒を冷却して、混合冷媒のうち沸点温度が2番目に高い温度のガス冷媒を凝縮させて液化するようになっている。
さらに、上記第1熱交換器18における1次側の吐出部には第2気液分離器13が接続されており、この第2気液分離器13において、第1熱交換器18からの気液混合の冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する。この第2気液分離器13のガス冷媒吐出部にはカスケードタイプの第2熱交換器19の1次側が、また液冷媒吐出部には、減圧手段としての第2キャピラリチューブ25を介して同じ第2熱交換器19の2次側がそれぞれ接続されており、第2気液分離器13で分離された液冷媒を第2キャピラリチューブ25で減圧させた後に第2熱交換器19の2次側に供給して蒸発させ、この蒸発により1次側のガス冷媒を冷却して、混合冷媒のうち沸点温度が3番目に高い温度のガス冷媒を凝縮液化する。
さらに、上記接続構造と同様にして、上記第2熱交換器19における1次側の吐出部には、第3気液分離器14、第3熱交換器20及び第3キャピラリチューブ26が、また当該第3熱交換器20における1次側の吐出部には、第4気液分離器15、第4熱交換器21及び第4キャピラリチューブ27がそれぞれ接続されており(これらの接続構造は上記第1気液分離器12、第1熱交換器18及び第1キャピラリチューブ24の接続構造と同じであるので、その詳細な説明は省略する)、第3気液分離器14で分離された液冷媒を第3キャピラリチューブ26で減圧させた後に第3熱交換器20の2次側に供給して蒸発させ、その蒸発により1次側のガス冷媒を冷却して、混合冷媒のうち沸点温度が4番目に高い温度のガス冷媒を凝縮させて液化するとともに、第4気液分離器15で分離された液冷媒を第4キャピラリチューブ27で減圧させた後に第4熱交換器21の2次側に供給して蒸発させ、この蒸発により1次側のガス冷媒を熱交換により冷却して、混合冷媒のうち沸点温度が最も低い温度のガス冷媒を凝縮させて液化するようにしている。
そして、上記第4熱交換器21における1次側の吐出部には熱交換器からなる過冷却器31(サブクーラ)の1次側31aが接続され、この過冷却器31の1次側31aの吐出部に接続されている冷媒配管2は、途中の分岐管35で主冷媒配管2aと副冷媒配管2bとに分岐されている。
上記副冷媒配管2bの途中には第5キャピラリチューブ28(過冷却器用減圧手段)が接続されている。また、副冷媒配管2bの下流端は同じ過冷却器31の2次側31bに接続され、この過冷却器31の2次側31bは冷媒配管2を介して上記第4熱交換器21の2次側に接続されており、第4熱交換器21から吐出された冷媒を、過冷却器31の1次側31aに通過させた後、その一部を副冷媒配管2bの第5キャピラリチューブ28で減圧させ、その液冷媒を過冷却器31の2次側31bに供給して蒸発させ、その蒸発熱により1次側31aのガス冷媒を冷却するようにしている。
一方、上記主冷媒配管2aの途中には、主冷却器用減圧手段としての第6キャピラリチューブ29とクライオコイル32とがそれぞれ上流側から直列に接続されている。上記クライオコイル32は主冷却器を構成するもので、図4又は図5に示すように、上記真空チャンバ50内の冷却対象としての気体(空気やガス)や水分を冷却する。主冷媒配管2aの下流端は、上記第4熱交換器21の2次側と過冷却器31の2次側31bとの間の冷媒配管2に接続されており、過冷却器31の1次側31aから吐出された冷媒の残部を主冷媒配管2aの第6キャピラリチューブ29で減圧させた後にクライオコイル32に供給して蒸発させ、その蒸発熱により真空チャンバ50内の気体や水分(冷却対象)を−100℃以下の温度の超低温レベルに冷却し、その気体や水分を凍結させて真空レベルを高めるようにしている。
また、上記過冷却器31の2次側(及びクライオコイル32)と、第4熱交換器21、第3熱交換器20、第2熱交換器19、第1熱交換器18及び補助コンデンサ10の各2次側とは記載順に直列に冷媒配管2により接続され、補助コンデンサ10の2次側は圧縮機5の吸入側に接続されており、混合冷媒において蒸発によってガス化した各冷媒を圧縮機5に吸入させるようにしている。
尚、上記クライオコイル32を真空チャンバ50内に配置して、そのクライオコイル32により真空チャンバ50内の気体等を直接冷却するようにしているが、クライオコイル32に代えてブラインクーラ(放熱部)を設け、このブラインクーラを真空チャンバ50内に位置する吸熱部とブライン回路により接続し、このブラインクーラにおいてブライン回路内のブラインを超低温レベルに冷却して、そのブラインにより真空チャンバ50内の吸熱部に同温度レベルの寒冷を付与するようにしてもよい。
また、上記コンデンサ8,10、熱交換器18〜21及び過冷却器31は、2重管構造のもの、プレート構造のもの、シェルアンドチューブ構造のもののいずれを用いてもよい。また、キャピラリチューブ24〜29の代わりに他の減圧手段、例えば膨張弁等を用いることもできる。
本発明の特徴は上記分岐管35の配置構造にある。すなわち、図1及び図2に拡大して示すように、分岐管35は集合部35aと、この集合部35aから2股状に分岐された主側及び副側の1対の分岐部35b,35cとからなり、集合部35aには、過冷却器31の1次側31aの吐出部に接続された冷媒配管2の下流端がロウ付け等により気密状に接合されている。また、主側分岐部35bには上記主冷媒配管2aの上流端が、また副側分岐部35cには副冷媒配管2bの上流端がそれぞれロウ付け等により気密状に接合され、これら主冷媒配管2a及び副冷媒配管2bはいずれも略水平面に沿って延びており、主側分岐部35bの内部及び主冷媒配管2aの内部に主冷媒回路38が、また副側分岐部35cの内部及び副冷媒配管2bの内部に副冷媒回路39がそれぞれ形成されている。
そして、上記分岐管35の主側分岐部35bと副側分岐部35cとは互いに同じ径(外径及び内径)を有し、主側分岐部35bに接続される主冷媒配管2aと、副側分岐部35cに接続される副冷媒配管2bとは互いに同じ内径を有する配管からなっているが、主側分岐部35b及び副側分岐部35cは、副側分岐部35cが主側分岐部35bの下側に位置するように略鉛直面に沿って上下方向に並んだ状態で配置されており、副側分岐部35c及びそれに接続される副冷媒配管2bは、主側分岐部35b及びそれに接続される主冷媒配管2aよりも所定高さhだけ低い高さ位置に配置されている。よって、上記副冷媒回路39全体の高さ位置が主冷媒回路38の全体の高さ位置よりも低く設定されている。
尚、図1中、42は分岐管35の副側分岐部35cと第5キャピラリチューブ28との間に直列に接続されたストレーナ(図3には示していない)である。また、図3中、43はバッファタンクで、冷凍機Rの運転開始時に凝縮が不十分なガス冷媒により圧縮機5の吐出圧の異常上昇を防ぐためのものである。
さらに、44は上記第6キャピラリチューブ29とクライオコイル32との間の主冷媒配管2aに接続された電磁開閉弁、45は該電磁開閉弁44及びクライオコイル32の間の主冷媒配管2aと、油分離器6及び水冷コンデンサ8の間の冷媒配管2との間に接続されたデフロスト回路、46は該デフロスト回路45の途中に接続された電磁開閉弁であり、真空成膜装置Aの真空チャンバ50を真空状態にして基板に成膜する通常運転時には、電磁開閉弁46の閉弁によりデフロスト回路45を閉じかつ電磁開閉弁44の開弁により主冷媒配管2aを開くことで、クライオコイル32で低沸点冷媒を蒸発させ、真空チャンバ50内の気体や水分を冷却して凍結させる一方、開閉扉51を開いて真空チャンバ50を大気に開放し基板に成膜を行わない状態のデフロスト運転時には、電磁開閉弁46の開弁によりデフロスト回路45を開きかつ電磁開閉弁44の閉弁により主冷媒配管2aを閉じることで、圧縮機5から吐出された高温のガス冷媒(ホットガス)をそのままデフロスト回路45を経てクライオコイル32に供給して、クライオコイル32での気体等の凍結を戻すようにしている。
したがって、この実施形態においては、真空成膜装置Aの真空チャンバ50内で基板を成膜するときには、超低温冷凍機Rが運転されて、真空チャンバ50内部(又は連通路52内部)の気体等が−100℃以下の超低温レベルまで冷却されて凍結され、真空チャンバ50内が真空状態にされる。この超低温冷凍機Rの運転時、電磁開閉弁46の閉弁によりデフロスト回路45が閉じられかつ電磁開閉弁44の開弁により主冷媒配管2aが開かれる。このことで、圧縮機5から吐出された混合冷媒は水冷コンデンサ8により冷却された後に補助コンデンサ10で圧縮機5へ戻る2次側の冷媒により冷却され、混合冷媒のうち沸点温度が最高温度のガス冷媒が凝縮されて液化する。この冷媒は第1気液分離器12においてガス冷媒と液冷媒とに分離され、液冷媒は第1キャピラリチューブ24で減圧された後に第1熱交換器18の1次側で蒸発し、この蒸発熱により第1気液分離器12からのガス冷媒が冷却され、混合冷媒のうち沸点温度が2番目に高い温度のガス冷媒を凝縮されて液化する。以後、同様にして、第2〜第4熱交換器19〜21でそれぞれ混合冷媒のうちの沸点温度が高い温度から順にガス冷媒が凝縮されて液化し、この第4熱交換器21では沸点温度が最も低いガス冷媒が凝縮されて液化する。
上記第4熱交換器21の1次側から吐出された冷媒は気液混合状態となり、この気液混合の冷媒は、過冷却器31の1次側31aを通過した後に分岐管35で主冷媒回路38(主冷媒配管2a)と副冷媒回路39(副冷媒配管2b)との2経路に分離される。そして、副冷媒回路39に流れた冷媒は第5キャピラリチューブ28で減圧された後に過冷却器31の2次側31bに供給されて蒸発し、この蒸発熱により上記第4熱交換器21から過冷却器31の1次側31aに供給された気液混合状態の冷媒がさらに冷却されて液冷媒の量が増加する。
また、過冷却器31の1次側31aから吐出された後に主冷媒配管2aに流れる気液混合状態の冷媒の残部は第6キャピラリチューブ29で減圧され、その減圧後にクライオコイル32において蒸発して真空チャンバ50内の気体や水分に例えば−100℃以下の寒冷を付与する。この−100℃以下の温度の寒冷により真空チャンバ50内の気体や水分が凍結して真空チャンバ50内の真空レベルが上昇する。
そして、上記第4熱交換器21から過冷却器31の1次側31aを経由した気液混合状態の冷媒が分岐管35で主冷媒回路38(主冷媒配管2a)及び副冷媒回路39(副冷媒配管2b)に分岐されて流れるとき、上記副冷媒回路39の高さ位置が主冷媒回路38の高さ位置よりも低いことから、気液混合状態の冷媒のうちの液冷媒が、相対的に高さの低い副冷媒回路39に多く流入するようになり、その副冷媒回路39への液冷媒の流量が主冷媒回路38への流量よりも増加する。従って、過冷却器31の1次側31aのガス冷媒に対する冷却を十分に行うことができ、この過冷却器31で液化される液冷媒の流量が増加してクライオコイル32の冷却効率を向上させることができるとともに、成膜状態で真空チャンバ50内の熱負荷に変動があっても、その真空チャンバ50内を安定して冷却することができ、真空チャンバ50内の真空状態を安定に保って、基板の成膜品質の向上を図ることができる。
また、成膜装置Aの真空チャンバ50を大気に開放して基板の成膜を行わない状態のデフロスト運転時には、電磁開閉弁46の開弁によりデフロスト回路45が開かれかつ電磁開閉弁44の閉弁により主冷媒配管2aが閉じ、このことで、圧縮機5から吐出された高温のガス冷媒がデフロスト回路45を経てクライオコイル32に供給されて、クライオコイル32での気体等の凍結が解除される。そして、このデフロスト運転の後に、再度真空チャンバ50内を真空状態にするときには、上記と同様にして、電磁開閉弁46の閉弁によりデフロスト回路45が閉じられかつ電磁開閉弁44の開弁により主冷媒配管2aが開かれ、過冷却器31の1次側31aから出た低沸点冷媒が分岐管35で主冷媒回路38及び副冷媒回路39に分かれるが、この場合にも、上記した主冷媒回路38と副冷媒回路39との高さの差hにより、過冷却器31の2次側31bに流入する液冷媒の流量がクライオコイル32への流量よりも多くなるので、真空チャンバ50内を常温から超低温レベルに迅速に冷却して、クールダウン時間を短縮することができ、延いては真空チャンバ50内の排気時間や成膜処理の工程時間の短縮化及び高効率化を図ることができる。
さらに、このようにクライオコイル32の冷却効率を向上させるに当たり、主冷媒回路38及び副冷媒回路39に高さの差異を付けるだけでよいので、簡単な構造で上記効果が得られる。
尚、この実施形態では、主冷媒配管2a及び副冷媒配管2bをいずれも水平面に沿って延びるようにすることで、副冷媒回路39の全体の高さ位置を主冷媒回路38の全体よりも低くしているが、副冷媒回路39及び主冷媒回路38の全体に亘り高さの差を設ける必要はなく、少なくとも主冷媒回路38と副冷媒回路39との分岐部において、副冷媒回路39の最高高さ位置が主冷媒回路38の最低高さ位置よりも低くなっていればよい。
(実施形態2)
図6は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1〜図5と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、上記実施形態1では副冷媒回路39の高さ位置を主冷媒回路38よりも低くすることで、過冷却器31の2次側31bに流れる液冷媒の流量をクライオコイル32への液冷媒の流量よりも多くしているのに対し、副冷媒回路39及び主冷媒回路38の高さ位置を互いに同じにした上で、副冷媒回路39の断面積を主冷媒回路38よりも大きくしたものである。
図6は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1〜図5と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、上記実施形態1では副冷媒回路39の高さ位置を主冷媒回路38よりも低くすることで、過冷却器31の2次側31bに流れる液冷媒の流量をクライオコイル32への液冷媒の流量よりも多くしているのに対し、副冷媒回路39及び主冷媒回路38の高さ位置を互いに同じにした上で、副冷媒回路39の断面積を主冷媒回路38よりも大きくしたものである。
すなわち、この実施形態では、実施形態1とは異なり、分岐管35の集合部35aと、主側分岐部35b及びそれに接続された主冷媒配管2aと、分岐管35の副側分岐部35c及びそれに接続された副冷媒配管2bとは同じ水平面内に位置して、互いに同じ高さ位置に配置されている。
そして、分岐管35の主側分岐部35b及び副側分岐部35cは、実施形態1と同様に互いに同じ径を有するが、その主側分岐部35bに接続される主冷媒配管2aは、副側分岐部35cに接続される副冷媒配管2bよりも小径のものが用いられており、このことで、副側分岐部35cの内部及び副冷媒配管2bの内部に形成される副冷媒回路39の断面積が、主側分岐部35bの内部及び主冷媒配管2aの内部に形成される主冷媒回路38の断面積よりも大きくなっている。
その他の構成は実施形態1と同じである。尚、図6にはストレーナ42及び第5キャピラリチューブ28は示していないが、実施形態1と同様の構造となっている(図1参照)。
この実施形態の場合、主冷媒配管2aとして、管径が副冷媒配管2bよりも細いものが用いられて、副冷媒回路39の断面積が主冷媒回路38の断面積よりも大きくなっているので、過冷却器31の1次側31aから吐出された冷媒が主冷媒回路38及び副冷媒回路39に分かれる際、全体として、気液混合状態の冷媒の副冷媒回路39に流入する流量が主冷媒回路38に流入する流量よりも多くなり、それに比例して副冷媒回路39に流入する液冷媒の流量も主冷媒回路38への流量に比べ増加する。このため、過冷却器31の1次側31aのガス冷媒に対する十分な冷却が保たれ、この過冷却器31で液化される液冷媒の流量が増加して主冷却器の冷却効率が向上し、よって上記実施形態1と同様の作用効果が得られる。
尚、この実施形態2では、副冷媒配管2bは実施形態1と同様の通常の管径のものを用い、それよりも小径の配管を主冷媒配管2aとして用いることで、副冷媒配管2bを主冷媒配管2aよりも大径としているが、逆に、主冷媒配管2aは通常の管径のものを用い、それよりも大径の配管を副冷媒配管2bとして用いることで、同様の目的を達成してもよい。
また、この実施形態2においても、副冷媒回路39全体の断面積を主冷媒回路38全体よりも大きくしているが、副冷媒回路39及び主冷媒回路38の全体に亘り断面積の差を設ける必要はなく、副冷媒回路39の最小断面積が主冷媒回路38の最大断面積よりも大であればよい。
(実施形態3)
図7及び図8は実施形態3を示し、上記実施形態1及び実施形態2の技術事項を組み合わせたものである。すなわち、この実施形態では、上記実施形態1と同様に、分岐管35の主側分岐部35b及び副側分岐部35cは、副側分岐部35cが主側分岐部35bの下側に位置するように略鉛直面に沿って上下方向に並んだ状態で配置され、副側分岐部35c及びそれに接続される副冷媒配管2bは、主側分岐部35b及びそれに接続される主冷媒配管2aよりも低い高さ位置に配置されている。それと同時に、実施形態2と同様に、分岐管35の主側分岐部35bに接続される主冷媒配管2aは、副側分岐部35cに接続される副冷媒配管2bよりも小径のものが用いられていて、副冷媒回路39の断面積が、主側分岐部35bの内部及び主冷媒配管2aの内部に形成される主冷媒回路38の断面積よりも大きくなっている。その他は実施形態1又は2と同様の構成である。
図7及び図8は実施形態3を示し、上記実施形態1及び実施形態2の技術事項を組み合わせたものである。すなわち、この実施形態では、上記実施形態1と同様に、分岐管35の主側分岐部35b及び副側分岐部35cは、副側分岐部35cが主側分岐部35bの下側に位置するように略鉛直面に沿って上下方向に並んだ状態で配置され、副側分岐部35c及びそれに接続される副冷媒配管2bは、主側分岐部35b及びそれに接続される主冷媒配管2aよりも低い高さ位置に配置されている。それと同時に、実施形態2と同様に、分岐管35の主側分岐部35bに接続される主冷媒配管2aは、副側分岐部35cに接続される副冷媒配管2bよりも小径のものが用いられていて、副冷媒回路39の断面積が、主側分岐部35bの内部及び主冷媒配管2aの内部に形成される主冷媒回路38の断面積よりも大きくなっている。その他は実施形態1又は2と同様の構成である。
したがって、この実施形態においては、実施形態1及び実施形態2の作用効果が相乗的に奏され、クライオコイル32の冷却効率をさらに一層向上させることができる。
尚、この場合も、実施形態1と同様に、少なくとも主冷媒回路38と副冷媒回路39との分岐部において、副冷媒回路39の最高高さ位置が主冷媒回路38の最低高さ位置よりも低くなっていればよい。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、5種類又は6種類の冷媒を混合してなる非共沸混合冷媒を用いているが、5種類又は6種類とは異なる種類数の冷媒を混合した混合冷媒を用いる冷凍システムに対しても適用できるのは勿論である。また、上記各実施形態は、複数種類の冷媒を混合してなる非共沸混合冷媒を用いている冷凍システムに適用したものであるが、混合冷媒を用いない冷凍システムに対しても本発明は適用することができ、要は主冷却器の他に過冷却器を有するものであればよい。また、上記各実施形態では、真空成膜装置Aの真空チャンバ50内の気体等を冷却するために用いているが、その他の冷却対象を冷却するための冷凍システムでもよい。
上記各実施形態では、5種類又は6種類の冷媒を混合してなる非共沸混合冷媒を用いているが、5種類又は6種類とは異なる種類数の冷媒を混合した混合冷媒を用いる冷凍システムに対しても適用できるのは勿論である。また、上記各実施形態は、複数種類の冷媒を混合してなる非共沸混合冷媒を用いている冷凍システムに適用したものであるが、混合冷媒を用いない冷凍システムに対しても本発明は適用することができ、要は主冷却器の他に過冷却器を有するものであればよい。また、上記各実施形態では、真空成膜装置Aの真空チャンバ50内の気体等を冷却するために用いているが、その他の冷却対象を冷却するための冷凍システムでもよい。
以上説明したように、本発明は、主冷却器と共に過冷却器を有する冷凍システムに対し、その過冷却器により液化される液冷媒の流量を増加させて主冷却器の冷却効率を向上させ、負荷変動があっても冷却対象を安定して冷却できるとともに、冷却対象を常温から超低温レベルに迅速に冷却してクールダウン時間を短縮できるという実用性の高い効果が得られることから、極めて有用で産業上の利用可能性は高い。
A 真空成膜装置
R 超低温冷凍機
1 冷媒回路
2 冷媒配管
2a 主冷媒配管
2b 副冷媒配管
5 圧縮機
8 水冷コンデンサ(凝縮器)
10 補助コンデンサ(凝縮器)
12〜15 第1〜第4気液分離器
18〜21 第1〜第4熱交換器
24〜27 第1〜第4キャピラリチューブ(減圧手段)
28 第5キャピラリチューブ(過冷却器用減圧手段)
29 第6キャピラリチューブ30(主冷却器用減圧手段)
31 過冷却器
31a 1次側
31b 2次側
32 クライオコイル(主冷却器)
35 分岐管
h 高さ
38 主冷媒回路
39 副冷媒回路
50 真空チャンバ
52 連通路
R 超低温冷凍機
1 冷媒回路
2 冷媒配管
2a 主冷媒配管
2b 副冷媒配管
5 圧縮機
8 水冷コンデンサ(凝縮器)
10 補助コンデンサ(凝縮器)
12〜15 第1〜第4気液分離器
18〜21 第1〜第4熱交換器
24〜27 第1〜第4キャピラリチューブ(減圧手段)
28 第5キャピラリチューブ(過冷却器用減圧手段)
29 第6キャピラリチューブ30(主冷却器用減圧手段)
31 過冷却器
31a 1次側
31b 2次側
32 クライオコイル(主冷却器)
35 分岐管
h 高さ
38 主冷媒回路
39 副冷媒回路
50 真空チャンバ
52 連通路
Claims (6)
- 冷媒を圧縮する圧縮機と、
上記圧縮機から吐出された冷媒を冷却して凝縮する凝縮手段と、
上記凝縮手段から吐出された冷媒が流れる1次側と、該1次側から吐出されかつ過冷却器用減圧手段により減圧された冷媒が流れる2次側とを有し、1次側の冷媒を2次側の冷媒との熱交換により冷却する過冷却器と、
上記過冷却器の1次側から吐出されかつ主冷却器用減圧手段により減圧された冷媒を蒸発させて冷却対象を冷却する主冷却器と、
上記過冷却器の1次側から吐出された冷媒のうち、過冷却器の2次側に流れる液冷媒の流量を主冷却器への液冷媒の流量よりも多くする過冷却器冷媒流量増加手段とを備えたことを特徴とする冷凍システム。 - 沸点が互いに異なる複数種類の冷媒を混合した混合冷媒を圧縮する圧縮機と、
上記圧縮機から吐出された混合冷媒のうちの高沸点冷媒を冷却して凝縮する凝縮器と、
上記凝縮器から吐出された混合冷媒を高沸点冷媒から低沸点冷媒へ順に液冷媒とガス冷媒とに分離する複数段の気液分離器と、
上記各気液分離器で分離されたガス冷媒を、該各気液分離器で分離された後に減圧手段で減圧された液冷媒との熱交換により冷却する複数段のカスケード熱交換器と、
上記最終段のカスケード熱交換器から吐出された低沸点冷媒が流れる1次側と、該1次側から吐出されかつ過冷却器用減圧手段により減圧された低沸点冷媒が流れる2次側とを有し、1次側の低沸点冷媒を2次側の低沸点冷媒との熱交換により冷却する過冷却器と、
上記過冷却器の1次側から吐出されかつ主冷却器用減圧手段により減圧された低沸点冷媒を蒸発させて冷却対象を超低温レベルに冷却する主冷却器と、
上記過冷却器の1次側から吐出された冷媒のうち、過冷却器の2次側に流れる液冷媒の流量を主冷却器への液冷媒の流量よりも多くする過冷却器冷媒流量増加手段とを備えたことを特徴とする冷凍システム。 - 請求項1又は2の冷凍システムにおいて、
過冷却器冷媒流量増加手段は、主冷却器及び主冷却器用減圧手段が設けられた主冷媒回路と、上流端が該主冷媒回路の上流端に分岐接続され、過冷却器用減圧手段が設けられた副冷媒回路とに対し、上記副冷媒回路の最小断面積が主冷媒回路の最大断面積よりも大きい構造を有することを特徴とする冷凍システム。 - 請求項1又は2の冷凍システムにおいて、
過冷却器冷媒流量増加手段は、主冷却器及び主冷却器用減圧手段が設けられた主冷媒回路と、上流端が該主冷媒回路の上流端に分岐接続され、過冷却器用減圧手段が設けられた副冷媒回路とに対し、上記主冷媒回路と副冷媒回路との分岐部における上記副冷媒回路の最高高さ位置が主冷媒回路の最低高さ位置よりも低い構造を有することを特徴とする冷凍システム。 - 請求項3の冷凍システムにおいて、
過冷却器冷媒流量増加手段は、主冷媒回路と副冷媒回路との分岐部における副冷媒回路の最高高さ位置が主冷媒回路の最低高さ位置よりも低い構造を有することを特徴とする冷凍システム。 - 請求項1〜5のいずれか1つの冷凍システムを備え、
上記冷凍システムの主冷却器により真空チャンバ内の気体及び水分を冷却により凍結させるように構成されていることを特徴とする真空成膜装置。
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