JP2018021730A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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信義 川瀬
Nobuyoshi Kawase
信義 川瀬
正記 宇野
Masaki Uno
正記 宇野
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【課題】圧縮機の吐出温度の上昇を抑えることが可能な冷凍サイクル装置を提供する。【解決手段】冷媒を圧縮する圧縮機1と、圧縮機1より吐出したガス冷媒を凝縮する凝縮器2と、凝縮器2により凝縮した液冷媒を減圧する膨張弁3と、膨張弁3で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器4と、凝縮器2と膨張弁3との間から分岐され、圧縮機1のインジェクションポートFへ冷媒を流すインジェクション経路24と、凝縮器2から膨張弁3へ流れる冷媒と、インジェクション経路24を流れる冷媒との間で熱交換を行わせるエコノマイザ6と、インジェクション経路24上であってエコノマイザ6の上流側に設けられ、インジェクション経路24を流れる冷媒を減圧する流量調整弁5とを備え、冷媒は、擬似共沸冷媒を除く非共沸冷媒であり、二相状態で圧縮機1のインジェクションポートFへインジェクションされる。【選択図】図2

Description

本発明は、空気調和装置および冷凍冷蔵庫等に用いられる冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクル装置では、蒸発温度を低下させる必要があるため、圧縮機の吸込み側の冷媒圧力と吐出側の冷媒の圧力との差が大きくなる。これに伴って圧縮過程において冷媒の温度が高温(たとえば100℃以上)となる場合がある。圧縮機は、冷媒が高温となると効率が低下し、また故障の原因にもつながる。そこで一般的に、圧縮機の圧縮過程の途中にインジェクションポートを設け、そこにエンタルピの低い状態の冷媒を流し込み圧縮機の吐出温度を低減するインジェクションが行われている。
また、インジェクションの量が多すぎても装置全体の冷凍効率が低下するため、圧縮過程の冷媒の温度が低温にならないよう、インジェクションの流量調整が行われている。
また、装置全体の冷凍効率を向上させるため,凝縮器を通過し液化した後の冷媒の一部を分岐し、減圧により温度を下げ、主流の液冷媒の温度を低下させる過冷却熱交換器(エコノマイザ)を使用している。エコノマイザにより冷媒の過冷却を大きくとることで、同じ蒸発能力でも冷媒の循環量を減らすことができる。冷媒の循環量が低下すれば、配管部の圧力損失が低下し、圧縮機の動力も小さくすむため冷凍サイクルの省エネにつながる。
特許文献1では、凝縮器出口からエコノマイザを通過し過冷却させた冷媒を、主冷媒回路から分岐させて膨張弁により減圧しエコノマイザの冷却に使用し、さらに圧縮機のインジェクションに利用している。
また、特許文献2では、主冷媒回路を流れる冷媒をエコノマイザの手間で分岐させ、分岐させた冷媒をエコノマイザに通過させた後、圧縮機にインジェクションしている。
特開2010‐7975号公報 特開2010‐71614号公報
特許文献1には、エコノマイザを経由した後に分岐してインジェクションを行うだけの回路では、過熱域でのみ効果が発揮できる旨が記載されている。しかし、過熱域で圧縮機にインジェクションを行うと圧縮機の吸入と吐出の圧力差が高い場合は吐出温度を抑えることはできない。また、吐出温度を抑えるために飽和域でインジェクションを行うと、飽和域の温度は一定であるため、特許文献2のようなエコノマイザを経由する前にインジェクションを行う回路でも変わらない。
そこで、本発明の課題は、圧縮機の吐出温度の上昇を抑えることが可能な冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る冷凍サイクル装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機より吐出したガス冷媒を凝縮する凝縮器と、前記凝縮器により凝縮した液冷媒を減圧する膨張弁と、前記膨張弁で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記凝縮器と前記膨張弁との間から分岐され、前記圧縮機のインジェクションポートへ冷媒を流すインジェクション経路と、前記凝縮器から前記膨張弁へ流れる冷媒と、前記インジェクション経路を流れる冷媒との間で熱交換を行わせるエコノマイザと、前記インジェクション経路上であって前記エコノマイザの上流側に設けられ、前記インジェクション経路を流れる冷媒を減圧する流量調整弁と、を備え、冷媒は、擬似共沸冷媒を除く非共沸冷媒であり、二相状態で前記圧縮機の前記インジェクションポートへインジェクションされる。
本発明によれば、圧縮機の吐出温度の上昇を抑えることが可能な冷凍サイクル装置を提供することができる。
冷凍サイクル装置の構成を示す図である。 冷凍サイクル装置の冷凍サイクルのP−h線図である。 冷媒温度と等温線勾配との関係を示す図である。 実施形態に係るエコノマイザを通過する冷媒の熱交換(温度変化)の様子を示す図である。 変形例に係るエコノマイザを通過する冷媒の熱交換(温度変化)の様子を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る冷凍サイクル装置20について、図1〜図4を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る冷凍サイクル装置20の構成を示す図である。
冷凍サイクル装置20は、冷凍冷蔵庫等に用いられ、図1に示すように、一般的に室外に配置される冷凍機21と、一般に屋内にある冷蔵ケース、冷蔵庫内等を冷却する蒸発ユニット22と、を備える。冷凍機21と蒸発ユニット22とは、配管により互いに接続されている。
冷凍機21は、圧縮機1と、凝縮器2と、流量調整弁5と、エコノマイザ(過冷却熱交換器)6と、制御装置7と、ガス温度センサ8と、液温センサ9と、インジェクション温度センサ10とを備える。蒸発ユニット22は、膨張弁3と、蒸発器4とを備える。そして、圧縮機1と、凝縮器2と、エコノマイザ6と、膨張弁3と、蒸発器4と、が順次連結されて、主冷媒回路23を構成している。また、冷凍サイクル装置20は、エコノマイザ6と膨張弁3との間から分岐され、圧縮機1のインジェクションポートFへ冷媒を流すインジェクション経路24を備える。エコノマイザ6では、凝縮器2から膨張弁3へ流れる(主冷媒回路23を流れる)冷媒と、インジェクション経路24を流れる冷媒との間で熱交換が行われる。流量調整弁5は、インジェクション経路24上であってエコノマイザ6の上流側に設けられている。
圧縮機1は、吸入口Aと吐出口BとインジェクションポートFとを有しており、インジェクションポートFは、一般的に圧縮室の圧縮過程中間程度とつながる構造となっている。本実施形態の冷凍サイクル装置20は一般的な空気調和装置と異なり、外気が高い条件においても、冷蔵冷凍のために蒸発温度を低く保つ必要がある。このため冷媒の圧縮機1の吸入圧力と吐出圧力の差が大きくなりやすい。吸入圧力と吐出圧力の差が大きい場合、圧縮過程でガス冷媒が温度上昇しやすく、条件によっては、たとえば100℃を超えてしまうことがある。圧縮機1は、一般に吐出ガスの温度上限が決められており、その上限を超えると最悪の場合故障に至ることも考えられる。そこで、冷凍サイクル装置20では、吐出温度を下げるために、圧縮過程の途中とつながっているインジェクションポートFへエンタルピの低い冷媒を流す、インジェクションを行っている。
凝縮器2は、たとえば、ファンによって外気を流し空気に放熱するフィンチューブ熱交換器、外部の水を利用したプレート式熱交換器、またはシェルアンドチューブ式熱交換器等の熱交換器が用いられる。凝縮器2を出た冷媒が配管や容器通過などの圧力損失等で少なくともすぐにフラッシュしない程度、凝縮器2においてサブクールを取るのが一般的である。
膨張弁3は、温度式膨張弁や電子式膨張弁等の膨張弁である。蒸発器4は、凝縮器2と同様の構成である。
流量調整弁5は、冷媒の流量または圧力を調整して、冷媒を減圧し蒸発温度を低減可能なものであればどんなものでもよく、温度式膨張弁または電子式膨張弁等の膨張弁、またはキャピラリーチューブと電磁弁等の組合せでもよい。エコノマイザ6には、プレート熱交または二重管等が用いられる。エコノマイザ6は、主冷媒回路23を流れる冷媒と、分岐部より分流し流量調整弁5による減圧により蒸発温度を下げた冷媒を隣り合わせて流すことで熱交換させ、主冷媒回路23を流れる冷媒の温度を下げ大きな過冷却度を得ることを目的とした熱交換器である。
ガス温度センサ8は、圧縮機1の吐出配管に設けられ、圧縮機1から吐出される冷媒の温度を検知する。液温センサ9は、エコノマイザ6と膨張弁3とを連結する配管に設けられ、当該配管を流れる冷媒の温度を検知する。インジェクション温度センサ10は、インジェクション経路24において、エコノマイザ6と圧縮機1とを接続する配管に設けられ、当該配管を流れる冷媒の温度を検知する。
制御装置7は、これらの温度センサの情報から流量調整弁5を制御する。制御装置7は、ガス温度センサ8により検知される温度が所定の温度以上になった場合に、流量調整弁5を開方向に動作させ、ガス温度センサ8により検知される温度が所定の温度未満になった場合に、流量調整弁5を閉方向に動作させる。これにより、圧縮機1から吐出される冷媒の温度を所定の温度に保つようにしている。また、制御装置7は、インジェクション温度センサ10により検知される温度が所定の温度(ガス温度センサ8に対する所定の温度とは異なる)以上になった場合に、流量調整弁5を開方向に動作させ、インジェクション温度センサ10により検知される温度が所定の温度未満になった場合に、流量調整弁5を閉方向に動作させてもよい。これによっても、圧縮機1から吐出される冷媒の温度を所定の温度に保つことができる。
また、制御装置7は、液温センサ9により検知される温度が所望の温度以上になった場合に、流量調整弁5を開方向に動作させ、液温センサ9により検知される温度が所望の温度未満になった場合に、流量調整弁5を閉方向に動作させる。これにより、蒸発ユニット22へ供給される液冷媒の温度を所望の温度に保つようにしている。この結果、液冷媒が冷えすぎて結露が発生するのを防止することができる。
本実施形態の冷凍サイクル装置20において用いられる冷媒は、擬似共沸冷媒を除く非共沸冷媒である。ここで、非共沸冷媒とは、複数の冷媒からなる混合冷媒であって、全組成範囲に渡って、露点と沸点が分離した単なる混合物としての性質しか有しない冷媒である。擬似共沸冷媒は、非共沸冷媒のうち、構成する成分の冷媒特性が近似するため、気液の組成変化が小さい混合冷媒であり、実用的には共沸冷媒と同様に取扱われる冷媒である。擬似共沸冷媒は、例えば、R404A、R410A等であり、非共沸冷媒は、例えば、R407C、R448A、R449A等である。
次に、冷凍サイクル装置20の冷凍サイクルの動作について説明する。
図1の矢印は冷媒の流れを示している。蒸発器4でガス化した冷媒は、室外の冷凍機21の吸込み側入口より圧縮機1の吸入口Aへ流れる。圧縮機1での圧縮工程により昇圧され温度上昇したガス冷媒は、圧縮機1の吐出口Bより吐出される。圧縮機1より吐出されガス冷媒は、凝縮器2により凝縮される。凝縮器2にて凝縮した冷媒は、エコノマイザ6を通過して冷却され、蒸発ユニット22内の膨張弁3に至る。膨張弁3により減圧された冷媒は、蒸発器4にて蒸発することで対象を冷却し、ガス化する。蒸発器4でガス化した冷媒は、再び冷凍機21の吸込み入口に至る。
また、主冷媒回路23においてエコノマイザ6を通過し、インジェクション経路24へ分岐した冷媒は、流量調整弁5により減圧され、エコノマイザ6を通過した後、圧縮機1のインジェクションポートFからインジェクションされる。
次に、本実施形態に係る冷凍サイクル装置20の冷凍サイクルのP−h線図について説明する。
図2は、冷凍サイクル装置20の冷凍サイクルのP−h線図である。
図2における、大文字のアルファベットは、それぞれ図1に示した大文字のアルファベットに位置に対応している。すなわち、図2の「A」は、圧縮機1の吸入口A(蒸発器4の出口から圧縮機1の吸込口の間の位置)に、「B」は、圧縮機1の吐出口B(圧縮機1の吐出口から凝縮器2の入口の間の位置)に、「C」は、凝縮器2の出口と主冷媒回路23におけるエコノマイザ6の入口との間の位置に、「D」は、主冷媒回路23におけるエコノマイザ6の出口と主冷媒回路23からインジェクション経路24へ分岐する点との間の位置に、「D1」は、主冷媒回路23からインジェクション経路24へ分岐する点と膨張弁3の入口の間の位置に、「D2」は、主冷媒回路23からインジェクション経路24へ分岐する点と流量調整弁5の入口の間の位置に、「D2’」は、流量調整弁5の出口とエコノマイザ6の入口の間の位置に、「E」は、膨張弁3の出口と蒸発器4の入口との間の位置に、「F」は、圧縮機1のインジェクションポートF(エコノマイザ6の出口と圧縮機1のインジェクションポートとの間の位置)に対応する。なお、「G」は、圧縮機1内部の昇圧過程におけるインジェクション直前に、「H」は、圧縮機1内部においてインジェクションされた直後に対応する。また、「C’」は、本実施形態のようにインジェクション経路24を、エコノマイザ6を通過した後で主冷媒回路23から分岐させるのではなく、エコノマイザ6の手前で分岐させた場合における流量調整弁5の出口とエコノマイザ6の入口の間の位置に対応する。
図2において、ガス冷媒(状態A)から、圧縮機1内部での圧縮工程により昇圧、昇温され中間圧となったガス冷媒(状態G)に、インジェクションポートFの二相状態の冷媒(状態F)が注入され、混合したガス冷媒(状態H)が圧縮機1内部でさらに昇圧、昇温され高温・高圧のガス冷媒(状態B)となる。高温・高圧のガス冷媒(状態B)が凝縮器2に入り、凝縮器2で外気と熱交換を行い凝縮され、飽和蒸気線を通過し、飽和液線まで到達して、凝縮器2の出口から液冷媒(状態C)となって流出する。なお、液冷媒(状態C)では多少の過冷却状態となってもよい。
液冷媒(状態C)をエコノマイザ6において温度を下げ、状態Cの液冷媒よりも低い比エンタルピの液冷媒(状態D)とする。液冷媒(状態D)のうち、主冷媒回路23を流れる液冷媒(状態D1)は、膨張弁3により減圧されて飽和液線を通過して二相状態の冷媒(状態E)となる。二相状態の冷媒(状態E)は、蒸発器4において蒸発され、本装置の冷却対象から吸熱し、飽和蒸気線を通過してガス冷媒(状態A)になる。ガス冷媒(状態A)は、再び圧縮機1による圧縮工程に入る。
一方、液冷媒(状態D)のうち、インジェクション経路24に分岐した液冷媒(状態D2)は、流量調整弁5により減圧されて飽和液線を通過して二相状態の冷媒(状態D2’)となる。その後、二相状態の冷媒(状態D2’)は、エコノマイザ6において、状態Cから状態Dへ冷却される液冷媒と熱交換を行い、比エンタルピが高い二相冷媒(状態F)となる。二相状態の冷媒(状態F)は、圧縮機1内部の中間圧となったガス冷媒(状態G)に注入されて、ガス冷媒(状態G)を冷却する。これにより、ガス冷媒は、図2におけるc分だけ冷却される。また、二相状態の冷媒(状態F)の圧力は、ガス冷媒(状態G)の圧力より高く構成される。これにより、状態Fにおける冷媒を圧縮機1内への流入しやすくなる。
状態Cから状態Dへの液冷却量である比エンタルピ差a1、状態D2’から状態Fへのエコノマイザ6を通過する冷媒の比エンタルピ変化量である比エンタルピ差a、状態Gから状態Hへのインジェクションによる圧縮機1内の冷媒の比エンタルピ変化量である比エンタルピ差b1、および、インジェクションされる状態Fの冷媒とインジェクション後の圧縮機1内の状態Hの冷媒と比エンタルピ差b2は、冷媒量との間に相関性がある、状態Gと状態Hとの間の冷媒量をXとし、状態D2’と状態Fとの間および状態Fと状態Hとの間の冷媒量をYとし、状態Cと状態Dとの間の冷媒量をZとすると、Z=X+Yであるため、a1・(X+Y)=a・Y、かつ、b1・X=b2・Y、となる。
一般的に、蒸発ユニット22の蒸発器4での運転状態は一定に保たれるため、状態Eから状態Gまでの変化も一定となる。このため、比エンタルピ差a、b1、b2の和が一定になる。一方、前述のように、冷凍機21は、圧縮機1における吸入圧力と吐出圧力との差が大きい場合には、圧縮過程でガス冷媒が温度上昇しやすい。このため、仮に冷却能力を一定とした場合において、蒸発器4側の冷媒量Xを一定のまま、エコノマイザ6の容量を大きくし、比エンタルピ差a1を確保しながらインジェクション冷媒量に相当する冷媒量Yを減らして、エコノマイザ6の出口で冷媒がガス状態になるまで熱交換すると、a1・(X+Y)=a・Yであるため、比エンタルピ差aが増大する。状態Fで冷媒がガス状態となるまで熱交換すると、比エンタルピ差a、b1、b2の和が一定であるため、比エンタルピ差b1とb2との和は減少する。さらに、b1・X=b2・Yの関係があるため、前述の冷媒量Xを一定のまま冷媒量Yが減少すると比エンタルピ差b2に対して比エンタルピ差b1の比率が減少するため、冷媒の合流部である状態Hが状態Gに近づき、状態Bにおいて必要な冷却量cが確保できない可能性がある。そのため状態Fは、二相状態もしくは温度が低く保たれている事が望ましい。このように、二相状態の冷媒を圧縮機1にインジェクションすることにより、冷却量cを十分に確保することができ、圧縮機1の吐出温度の上昇を抑えることができる。
本実施形態の冷凍サイクル装置20では、前述のように冷媒に擬似共沸冷媒を除く非共沸冷媒を用いているが、仮にR410AおよびR404A等の擬似共沸冷媒を用いた場合には、P−h線図において二相状態の温度勾配は極めて少なく、圧力一定である状態D2’と状態Fにおいて、温度も一定またはほぼ一定となる。このため、状態Fが飽和蒸気線上にあったとしても状態D2’および状態Fの圧力が一定であれば両者は同一温度となる。また、本実施形態ではインジェクション経路24を状態Dから分岐させ、状態D2’からエコノマイザ6への流入とインジェクションを行っているが、特許文献2のように状態Cからインジェクション経路へ分岐して状態C’からエコノマイザへの流入とインジェクションを行っても、冷却量と過熱量の関係はa1とaになるため、状態Dと状態Fと状態Gに差はほぼない。
本実施形態における冷媒は、擬似共沸冷媒を除く非共沸冷媒であるので、P−h線図の二相状態での等温線が、マイナスの勾配を有する。詳細には、本実施形態における冷媒は、冷媒温度(℃)と等温線勾配との関係を示す図3の実線の曲線で示すように、冷媒温度が−30℃以上において、ΔP/Δh≦−0.2kPa・(KJ・Kg−1−1の関係を満たす非共沸冷媒である。このように、−0.2よりも急なマイナス勾配を有することにより、後述のように、エコノマイザ6入口での冷媒温度を低くすることができ、主冷媒回路23を流れる冷媒との温度差を大きくすることができるので、主冷媒回路23を流れる冷媒を十分に冷却することができる。また、インジェクションに用いる冷媒の温度範囲が−30℃より大きいため、インジェクションに用いる冷媒の温度を使用範囲内に収めることができる。
図2のP−h線図の二相状態の領域に、本実施形態の非共沸冷媒の等温線を破線で示している。冷媒がマイナスの勾配を有することにより、圧力が一定の場合には、比エンタルピ差が低い位置にある方がより温度が低くなる。すなわち、圧力が等しい状態D2’と状態C’において、状態D2’の冷媒温度の方が低くなるため、インジェクション経路24におけるエコノマイザ6の入口の冷媒温度をより低くすることができる。
図4は、本実施形態のエコノマイザ6を通過する冷媒の熱交換(温度変化)の様子を示す図である。
図4では、左の軸から右の軸に向かう矢印が、インジェクション経路24を流れる冷媒の温度変化を示し、右の軸から左の軸に向かう矢印が、主冷媒回路23を流れる冷媒の温度変化を示している。また、図4では、状態Fにおける冷媒温度が一定となるようにしている。左の軸から右の軸に向かう3本の矢印において、実線の矢印は、擬似共沸冷媒を除いた非共沸冷媒(温度勾配を有する)が状態D2’でエコノマイザ6に流入した時の温度変化を示し、破線の矢印は、擬似共沸冷媒を除いた非共沸冷媒(温度勾配を有する)が状態C’でエコノマイザ6に流入した時の温度変化を示し、一点鎖線の矢印は、擬似共沸冷媒(温度勾配なし)がエコノマイザ6に流入した時の温度変化を示している。
図4に示すように、温度勾配のない冷媒(一点鎖線の矢印)を用いた場合は、主冷媒回路23を流れる冷媒と熱交換を行ったとしても、理論上、温度変化しないため、主冷媒回路23を流れる冷媒との温度差(ΔTD−F)を大きくとることができず、主冷媒回路23を流れる冷媒を十分に冷却することができない。なお、温度勾配のない冷媒(一点鎖線の矢印)は、図4において温度が減少しているが、これはエコノマイザ6における圧力損失によるものである。
これに対し、温度勾配を有する冷媒を用いた場合は、エコノマイザ6入口での冷媒温度を低くすることができ、主冷媒回路23を流れる冷媒との温度差を大きくすることができる。本実施形態のように、温度勾配を有する冷媒を状態D2’でエコノマイザ6に流入させることにより、エコノマイザ6入口での冷媒温度を状態C’よりもより低くすることができ、主冷媒回路23を流れる冷媒との温度差(ΔTD−D2’)をより大きくすることができるので、主冷媒回路23を流れる冷媒を十分に冷却することができる。この結果、エコノマイザ6において高い熱交換性能を発揮させることができ、エコノマイザ6の小型化を図ることができ、ひいては冷凍機21の小型化を図ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。
例えば、本実施の形態では、エコノマイザ6において、主冷媒回路23を流れる冷媒の方向と、インジェクション経路24を流れる冷媒の方向を、対向流としたが、並行流としてもよい。かかる構成によっても、図5に示すように、温度勾配を有する冷媒を状態D2’でエコノマイザ6に流入させることにより、エコノマイザ6入口での冷媒温度を状態C’よりもより低くすることができ、主冷媒回路23を流れる冷媒との温度差(ΔTC−D2’)をより大きくすることができるので、主冷媒回路23を流れる冷媒を十分に冷却することができる。この結果、エコノマイザ6において高い熱交換性能を発揮させることができる。
また、ガス温度センサ8を、圧縮機1の吐出配管ではなく、圧縮機1自体に設けてもよい。また、ガス温度センサ8およびインジェクション温度センサ10を設けたが、いずれか一方のみであってもよい。
1…圧縮機
2…凝縮器
3…膨張弁
4…蒸発器
5…流量調整弁
6…エコノマイザ
7…制御装置
8…ガス温度センサ
9…液温度センサ
10…インジェクション温度センサ
20…冷凍サイクル装置
21…冷凍機
22…蒸発ユニット
23…主冷媒回路
24…インジェクション経路

Claims (5)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機より吐出したガス冷媒を凝縮する凝縮器と、
    前記凝縮器により凝縮した液冷媒を減圧する膨張弁と、
    前記膨張弁で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    前記凝縮器と前記膨張弁との間から分岐され、前記圧縮機のインジェクションポートへ冷媒を流すインジェクション経路と、
    前記凝縮器から前記膨張弁へ流れる冷媒と、前記インジェクション経路を流れる冷媒との間で熱交換を行わせるエコノマイザと、
    前記インジェクション経路上であって前記エコノマイザの上流側に設けられ、前記インジェクション経路を流れる冷媒を減圧する流量調整弁と、を備え、
    冷媒は、擬似共沸冷媒を除く非共沸冷媒であり、二相状態で前記圧縮機の前記インジェクションポートへインジェクションされることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 冷媒は、P−h線図上において二相状態での等温線が、冷媒温度が−30℃以上において、ΔP/Δh≦−0.2[kPa・(KJ・Kg−1−1]の関係を満たす非共沸冷媒であることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記インジェクション経路から前記圧縮機の前記インジェクションポートへインジェクションされる直前の冷媒の圧力は、前記インジェクションポートからインジェクションされる冷媒と混合する前記圧縮機の内の冷媒の圧力よりも高いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記圧縮機もしくは前記圧縮機と前記凝縮器との間、または、前記エコノマイザと前記圧縮機との間に設けれ、冷媒の温度を検知する冷媒温度センサと、
    前記冷媒温度センサにより検知される温度が所定の温度以上になった場合に、前記流量調整弁を開方向に動作させ、前記冷媒温度センサにより検知される温度が前記所定の温度未満になった場合に、前記流量調整弁を閉方向に動作させる制御装置と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記エコノマイザと前記膨張弁との間に設けられ、冷媒の温度を検知する液温センサと、
    前記液温センサにより検知される温度が所望の温度以上になった場合に、前記流量調整弁を開方向に動作させ、前記液温センサにより検知される温度が前記所望の温度未満になった場合に、前記流量調整弁を閉方向に動作させる制御装置と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
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