JP2005194564A - 電気分解生成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 各電解槽(Ci)の抵抗(Ri)が電解槽毎に異なっていても、より少ない電力で電気分解生成物を製造できる方法を提供する。
【解決手段】 各電解槽(Ci)について、各電解槽を流れる電解槽電流(Ii)の平均値(Iavr)に対して1.02倍〜1.1倍の電解槽電流上限値(Imax)と、0.98倍〜0.9倍の電解槽電流下限値(Imin)と、電解槽温度上限値(Tmax)とを設けておき、同一温度で測定された抵抗が最大を示す最大抵抗電解槽(Ch)の電解槽温度(Th)は、電解槽温度上限値(Tmax)とし、最大抵抗電解槽以外の他の電解槽(Cm)の電解槽温度(Tm)は、電解槽温度上限値(Tmax)以下の温度であって、当該他の電解槽の電解槽電流(Im)が前記電解槽電流上限値(Imax)以下となり、前記最大抵抗電解槽(Ch)の電解槽電流(Ih)が電解槽電流下限値(Imin)以上となる範囲で最大の温度として通電する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気分解生成物の製造方法に関し、詳しくは定電流直流電源に対して並列に接続された複数の電解槽で、電解質溶液を電気分解して電気分解生成物を製造する方法に関する。
例えば塩化ナトリウム(NaCl)水溶液などの電解質溶液を電気分解して、塩素(Cl2)、水素(H2)、水酸化ナトリウム(NaOH)などの電気分解生成物を製造する方法として、図2に示すように、定電流直流電源装置(B)と、この電源装置(B)に対して互いに並列に接続された2基以上、n個の電解槽(Ci、添字iは2〜nの整数を示す。)とを備えた電気分解装置(A')を用い、各電解槽(Ci)に電解質溶液を供給し、電源装置(B)から各電解槽(Ci)に直流電流を通電することで、電解槽(Ci)内で電解質溶液を電気分解して電気分解生成物を得る方法が広く知られている。ここで、電解槽(Ci)としては通常、イオン交換膜法電解槽が用いられ、これは電解槽温度(Ti)が高くなるに従って抵抗(Ri)が低下する。かかる方法によれば、定電流直流電源装置(B)から一定の出力電流(I)で直流電流が出力されるので、この出力電流(I)に見合った速度で、電気分解生成物を製造することができる〔特許文献1:特開平8−74082号公報〕。
このような製造方法では、定電流直流電源(B)からは、出力電流(I)が一定となるように電圧(V)を変化させながら直流電流が出力されるので、より少ない電力で目的の電気分解生成物を得るには、電解槽(Ci)に印加される電圧(V)が低いほどよい。電解槽(Ci)に印加される電圧(V)を低くするには、電解槽の抵抗(Ri)を低くすればよいが、電解槽の抵抗(Ri)は電解槽温度(Ti)が高くなるほど低下する。このため、各電解槽(Ci)の電解槽温度(Ti)は、電解槽温度上限値(Tmax)を超えない範囲で、できるだけ高い温度に調整することが好ましい。電解槽温度(Ti)は、各電解槽(Ci)に備えられた温度調整装置(Ei)によって、必要により電解槽(Ci)を冷却または加熱することで、調整できる。
ところで、各電解槽(Ci)の抵抗(Ri)は、たとえ同じ規格で製作された電解槽(Ci)であっても、個体差によるばらつきがあり、同じ温度で測定しても電解槽毎に異なるのが通常である。また抵抗(Ri)は使用中の劣化等によって徐々に増加するが(特許文献1)、この増加の程度も電解槽毎に異なる。このため、全ての電解槽(Ci)について電解槽温度(Ti)を等しくすると、抵抗(Ri)が低い電解槽(Ci)では電解槽電流(Ii)が大きくなる。電解槽電流(Ii)が大きいと発熱量も大きくなるので、電解槽温度(Ti)が上昇し易くなり、更に抵抗(Ri)が低くなって、電解槽温度(TI)が急激に上昇する畏れがある。このため、各電解槽温度(Ti)は通常、上限値(Tmax)を超えない範囲で、全ての電解槽(Ci)で電解槽電流(Ii)が等しくなるように、具体的には振れ幅±0.1%以下の範囲に調整されていた。
特開平8−74082号公報
しかし、全ての電解槽で電解槽電流が等しくなるように電解槽温度を調整する従来の製造方法では、個体差により抵抗が大きい電解槽や、劣化等によって抵抗が大きくなった電解槽があると、比較的多くの電力を要するという問題があった。
そこで本発明者は、個体差や劣化などによって抵抗が大きな電解槽があっても、電解槽温度が急激に上昇する畏れなく、より少ない電力で電気分解生成物を製造できる方法を開発するべく鋭意検討した結果、平均電解槽電流に対して1.02倍〜1.1倍の電解槽電流上限値と、0.98倍〜0.9倍の電解槽電流下限値とを設け、同じ温度で測定したときに抵抗が大きい電解槽は、電解槽温度を上限値とし、これ以外の他の電解槽は、電解槽温度の上限値を超えない温度で、電解槽電流が上限値を超えず、抵抗が大きい電解槽の電解槽電流が電流下限値以上となる範囲で最大の電解槽温度として通電すれば、電解槽温度の急激な上昇を防ぎつつ、より少ない電力で電気分解生成物を製造できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、出力電流(I)が一定値となるように出力電圧(V)を変化させながら直流電流を出力する直流電源装置(B)に対して、2基以上の電解槽(Ci)を電気的に並列に接続し、前記電解槽(Ci)に電解質溶液を供給し、前記電源装置(B)から各電解槽(Ci)に直流電流を通電して、前記電解質溶液を電気分解して電気分解生成物を製造する方法であり、
前記電解槽(Ci)は、電解槽温度(Ti)が高くなるに従って抵抗(Ri)が低下する電解槽であって、同一温度で測定したときの抵抗が平均値に対して±10%の範囲にあり、
式(1)
avr = I/n (1)
〔式中、Iは電源装置からの出力電流を、nは電解槽の数をそれぞれ示す。〕
で示される平均電解槽電流(Iavr)に対して1.02倍〜1.1倍の電解槽電流上限値(Imax)と、前記平均電解槽電流(Iavr)に対して0.98倍〜0.9倍の電解槽電流下限値(Imin)と、電解槽温度上限値(Tmax)とを設け、
同一温度で測定したときの抵抗が最大の最大抵抗電解槽(Ch)の電解槽温度(Th)は、電解槽温度上限値(Tmax)とし、
前記最大抵抗電解槽(Ch)以外の他の電解槽(Cm)の電解槽温度(Tm)は、電解槽温度上限値(Tmax)以下の温度であって、当該他の電解槽(Cm)の電解槽電流(Im)が前記電解槽電流上限値(Imax)以下となり、前記最大抵抗電解槽(Ch)の電解槽電流(Ih)が電解槽電流下限値(Imin)以上となる範囲で最大の温度として
通電することを特徴とする電気分解生成物の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、各電解槽の電解槽電流は、平均値に対して1.1倍以下の電解槽電流上限値を超えないので、電解槽電流が急激に上昇することを避けることができ、また、各電解槽電流が平均値に対して1.02倍以上の上限値以下となる範囲で、できるだけ高い電解槽温度として通電するので、比較的低い抵抗で通電して、少ない電力で電気分解することができる。
以下、図1を用いて本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、電解質溶液を電気分解して電気分解生成物を製造する方法である。電解質溶液としては、例えば塩化ナトリウム(NaCl)水溶液が挙げられる。塩化ナトリウム水溶液を電気分解して得られる電気分解生成物は、例えば塩素(Cl2)、水素(H2)および水酸化ナトリウム(NaOH)である。
電解質溶液は、複数の電解槽(Ci)に充填される。電解槽(Ci)として通常は、同じ構造で、同じ規格で製作されたものが用いられる。電解槽としては、電極およびイオン交換膜を備えたイオン交換膜法電解槽が挙げられる。電解槽(Ci)の数(n)は、2以上であれば特に限定されないが、本発明の製造方法は、電解槽の数(n)が3以上、さらには5以上である場合に好ましく適用され、通常は10以下程度である。各電解槽(Ci)は、同じ温度で測定されたときの抵抗が平均値に対して±10%の範囲にあることが好ましい。ここで平均値は、同じ温度で測定した各電解槽の抵抗の和を電解槽の数で除したものである。
図1に示す電気分解装置(A)では、各電解槽(Ci)にそれぞれ温度調整装置(Ei)が備えられている。この温度調整装置(Ei)は、例えば外部から電解槽温度設定値(Ti0)を受信し、電解槽温度(Ti)がこの設定値(Ti0)になるように調整する装置である。各電解槽(Ci)では電気分解により電解熱が生ずるため、通常は冷却装置により各電解槽(Ci)を冷却することで、電解槽温度(Ti)を設定値(Ti0)となるように調整するが、運転開始直後や、電解熱の発生が少ない場合などには加熱することもあり、このため、各電解槽温度調整装置(Ei)には通常、各電解槽(Ci)を冷却する冷却装置と加熱する加熱装置が設けられている。なお、図1に示す電気分解装置(A)では、例えばコンピューターで構成された設定値温度出力装置(D)も備えていて、電解槽温度設定値(Ti0)は、この設定値出力装置(D)から出力されて、温度調整装置(Ei)に送られる。
各電解槽(Ci)は、電源装置(B)に対して互いに電気的に並列に接続される。電源装置(B)は、一定の出力電流(I)で直流電流を出力する装置が用いられ、電源装置(B)から出力される直流電流の出力電流(I)は、抵抗が変化しても、この変化に応じて出力電圧(V)を変化させることで、一定に制御されている。出力電流(I)は、目的とする電気分解生成物の生成速度に応じて適宜選択される。
各電解槽(Ci)で電解質溶液を電気分解するには、電解槽により定まる実用電解電圧(V0)と、電解槽の抵抗(Ri)と電解槽電流(Ii)との積(Ri×Ii)で求められる負荷電圧(Vi)との和(V0+Vi)に等しい電圧を印加する必要がある。ここで実用電解電圧(V0)は、電解槽の方式、電解槽に用いる電極板、イオン交換膜、使用する電解質溶液の種類その濃度などによって異なる。電解槽の抵抗(Ri)は電解槽の方式、電極面積、使用する電解質溶液の種類やその濃度などによって異なる。なお、各電解槽(Ci)は互いに電気的に並列に接続されているので、各電解槽(Ci)に印加される電圧は、定電流直流電源(B)からの出力電圧(V)に等しくなり、式(2)
V = V0 + Vi (2)
が成立する。
電解槽(Ci)に直流電流を通電することで、電解槽(Ci)に充填された電解質溶液が電気分解されて、目的の電気分解生成物を得る。電気分解生成物の生成速度は、定電流直流電源(B)から出力される出力電流(I)に比例する。
本発明の製造方法では、電解槽電流上限値(Imax)を設けている。電解槽電流上限値(Imax)は、式(1)で示される平均電解槽電流(Iavr)の1.02倍以上、好ましくは1.03倍以上であり、1.1倍以下、好ましくは1.08倍以下である。平均電解槽電流(Iavr)は、各電解槽に通電される電解槽電流(Ii)の平均値である。また、電解槽電流下限値(Imin)も設けている。下限値は、式(1)で示される平均電解槽電流(Iavr)の0.98倍以下、好ましくは0.97倍以下であり、0.9倍以上、好ましくは0.92倍以上である。上限値(Imax)が1.02倍未満であったり、下限値(Imin)が0.98倍を超えると、本発明の効果が十分ではなく、また1.1倍を超えたり、0.9倍未満であると、抵抗の小さな電解槽で電解槽温度が急激に上昇し易くなる傾向にある。
本発明の製造方法では、最大抵抗電解槽(Ch)の電解槽温度(Th)は、電解槽温度上限値(Tmax)とする。最大抵抗電解槽(Ch)は、電源(B)に接続された複数の電解槽(Ci)のうち、同一温度で測定された抵抗が最大値を示す電解槽であり、例えば同じ規格で製作された電解槽のうち、個体差に起因して抵抗値が最大となるもの、使用中に電極、イオン交換膜などの劣化が早く進行したものなどである。
最大抵抗電解槽(Ch)以外の他の電解槽(Cm)の電解槽温度(Tm)は、以下の条件1〜条件3を満たす最大の温度とする。
条件1:電解槽温度上限値(Tmax)以下の温度であること
条件2:他の電解槽(Cm)の電解槽電流(Im)が電解槽電流上限値(Imax)以下となる範囲の温度であること
条件3:最大抵抗電解槽(Ch)の電解槽電流(Ih)が電解槽電流下限値(Imin)以上となる範囲の温度であること
他の電解槽(Cm)の電解槽電流(Im)が電解槽電流上限値(Imax)を超える場合に、電解槽電流(Im)を上限値(Imax)以下として条件2を満足するためには、例えば電解槽温度(Cm)を低くすればよい。電解槽温度(Tm)を低くすることで、抵抗(Rm)が大きくなって、電解槽電流(Im)は小さくなり、電解槽電流(Im)は上限値(Imax)以下となって、条件3を満足できる。
最大抵抗電解槽(Ch)の電解槽電流(Ih)が電解槽電流下限値(Imin)未満である場合に、電解槽電流(Ih)を下限値(Imin)以上として条件3を満足するためには、例えば他の電解槽の電解槽温度(Tm)を低くすればよい。電解槽温度(Tm)を低くすることで、抵抗(Rm)が大きくなって、電解槽電流(Im)は小さくなり、最大抵抗電解槽(Ch)の電解槽電流(Ih)が相対的に大きくなって、下限値(Imin)以上となり、条件3を満足できる。また、他の電解槽(Cm)では、条件3を満足するために電解槽温度(Tm)が低くなるので、最大抵抗電解槽(Ch)と比較して他の電解槽(Cm)に過大な電解槽電流が流れることをはない。
本発明の製造方法によれば、最大抵抗電解槽(Ch)では、電解槽温度上限値(Tmax)とするので、抵抗(Rh)は低くなり、また、他の電解槽(Cm)では、条件1〜条件3を満たす最大の電解槽温度(Tm)とするので、これもまた電解槽温度が条件1〜条件3を満たす範囲で最小の抵抗(Rm)になるので、電解槽に印加する電圧(V)が低くなり、少ない電力で電解質溶液を電気分解することができる。
このような電解槽温度(Ti)で各電解槽(Ci)に通電するには、例えば予め各電解槽(Ci)について、電解槽温度(Ti)と抵抗(Ri)との関係を求めておき、この関係式に基づいて、電解槽温度(Ti)の平均値(Tavr)、すなわち式(3)
Figure 2005194564
〔式中、Tavrは電解槽温度の平均値を、Tiは電解槽温度を、nは電解槽の数を、iは1〜nをそれぞれ示す。〕
で示される平均値(Tavr)が最大となる理論電解槽温度(Ti1)を算出し、各電解槽(Ci)について電解槽温度(Ti)がこの理論電解槽温度(Ti1)となるように各電解槽温度(Ti)を調整しながら通電してもよい。電解槽温度(Ti)と抵抗(Ri)との関係は、例えば各電解槽(Ci)について電解槽温度(Ti)を変えながら抵抗(Ri)を実測し、回帰計算する方法などによって、例えば一次回帰式などの計算式の形で求めることができる。
ここで、理論電解槽温度(Ti1)は、電解槽温度上限値(Tmax)以下となる条件の下で算出される。また、電解槽温度(Ti)が大きくなると抵抗(Ri)が小さくなり、より多くの電解槽電流(Ii)が電解槽(Ci)に流れるので、電解槽電流(Ii)が電解槽電流上限値(Imax)を超えないように、理論電解槽温度(Ti1)は、各電解槽を流れる電解槽電流(Ii)が電解槽電流上限値(Imax)以下となる条件の下で算出される。加えて、理論電解槽温度(Ti)は、最大抵抗電解槽(Ch)について、この最大抵抗電解槽を流れる電解槽電流(Ih)が電解槽電流下限値(Imin)以上となる条件の下で算出される。
本発明の製造方法において、各電解槽(Ci)は電源装置(B)に対して並列に接続されており、またこの電源装置(B)からは、一定の出力電流(I)となるように出力電圧(V)を変化させながら直流電流が通電されるので、式(4)
Figure 2005194564
および式(5)
Figure 2005194564
が成立し、これらの式(4)および(5)も、理論限界槽温度(Ti1)を求める条件に含まれる。
以下、実施例により本発明の製造方法をより詳細に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されるものではない。
比較例1
互いに同一の規格で生産され、実用電解電圧(V0)が282Vのイオン交換膜法電解槽(Ci)を9基準備し(n=9)、これらを互いに電気的に並列に定電流直流電源装置(B)に接続する。各電解槽(Ci)に電解質溶液として塩化ナトリウム水溶液を充填し、定電流直流電源装置(B)から出力電流(I)が一定値90kAとなるように直流電流を通電する。
9基の電解槽のうち、2基目の電解槽(C2)は、抵抗(R2)と電解槽温度(T2)の関係が式(6)
2(10-3Ω) = −0.12 × T2(℃) + 16.0 (6)
で示され、8基目の電解槽(C8)は、抵抗(R8)と電解槽温度(T8)の関係が式(7)
8(10-3Ω) = −0.12 × T8(℃) + 17.0 (7)
で示され、1基目、3基目〜7基目および9基目の電解槽(C1、C3〜C7、C9)は、抵抗(R1、R3〜R7、R9)と電解槽温度(T1、T3〜T7、T9)の関係が式(8)
j(10-3Ω) = −0.12 × Tj(℃) + 16.5 (8)
〔式中、jは1、3〜7の整数または9である。〕
で示されるものであるとき、全電解槽の電解槽電流(I1〜I9)がそれぞれ10.00kAとなるときの各電解槽における電解槽温度(Ti)および抵抗(Ri)は、それぞれ第1表のとおりとなる。このときの負荷電圧(V1〜V9)は68.0Vである。












第1表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電解槽 電解槽温度(Ti) 抵抗値(Ri) 電解槽電流(Ii)
i ℃ ×10-3Ω kA
────────────────────────────
1 80.8 6.8 10.00
2 76.7 6.8 10.00
3 80.8 6.8 10.00
4 80.8 6.8 10.00
5 80.8 6.8 10.00
6 80.8 6.8 10.00
7 80.8 6.8 10.00
8 85.0 6.8 10.00
9 80.8 6.8 10.00
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このとき、負荷電圧(V1〜V9)は68.0Vであるので、直流電流は、実用電解電圧282Vと合わせた350Vの出力電圧(V)で電源装置(B)から通電される。このときに要する電力は31.5kWである。
実施例1
電解槽電流下限値(Imin)を9.50kAとし、電解槽電流上限値(Imax)を10.50kAとし、電解槽温度上限値(Tmax)を85℃として、式(6)〜式(8)で示される関係に基づき、理論電解槽温度(Ti1)が電解槽温度上限値(Tmax)以下となり、電解槽電流(Ii)が電解槽温度下限値(Imin)以上電解槽電流上限値(Imax)以下となり、式(4)および式(5)の条件の下で式(3)で示される電解槽温度の平均値(Tavr)が最大となるように、各理論電解槽温度(Ti1)を求めた。第2表に抵抗(Ri)と共に結果を示す。このときの負荷電圧(V)は64.6Vである。
第2表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電解槽 理論電解槽温度(Ti1) 抵抗値(Ri) 電解槽電流(Ii)
i ℃ ×10-3Ω kA
────────────────────────────
1 84.0 6.4 10.06
2 79.8 6.4 10.06
3 84.0 6.4 10.06
4 84.0 6.4 10.06
5 84.0 6.4 10.06
6 84.0 6.4 10.06
7 84.0 6.4 10.06
8 85.0 6.8 9.50
9 84.0 6.4 10.06
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ここで、1基目〜7基目および9基目の電解槽(C1〜C7、C9)の電解槽温度(T1〜T7、T9)のいずれかを僅かに上げると、8基目の電解槽(C8)の電解槽電流(I8)は下限値(Imin)9.50kAを下回り、電解槽温度(T1〜T7、T9)のいずれかを僅かに下げると、電圧(V)が大きくなる。
このとき、負荷電圧(V1〜V9)は64.6Vであるので、直流電流は、実用電解電圧282Vと合わせた346.6Vの出力電圧(V)で電源装置(B)から通電される。このときに要する電力は31.2kWである。
本発明の電気分解生成物の製造方法に用いる電気分解装置の一例を示す模式図である。 従来の電気分解生成物の製造方法に用いる電気分解装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
A:電気分解装置 A':従来の電気分解装置
B:電源装置
i:電解槽
D:電解槽温度設定値出力装置
i:電解槽温度調整装置
i:電解槽電流
I:出力電流
V:出力電圧

Claims (1)

  1. 出力電流が一定値となるように出力電圧を変化させながら直流電流を出力する直流電源装置に対して、2基以上の電解槽を電気的に並列に接続し、前記電解槽に電解質溶液を供給し、前記電源装置から各電解槽に直流電流を通電して、前記電解質溶液を電気分解して電気分解生成物を製造する方法であり、
    前記電解槽は、電解槽温度が高くなるに従って抵抗が低下する電解槽であって、同一温度で測定したときの抵抗が平均値に対して±10%の範囲にあり、
    式(1)
    avr = I/n (1)
    〔式中、Iは電源装置からの出力電流を、nは電解槽の数をそれぞれ示す。〕
    で示される平均電解槽電流(Iavr)に対して1.02倍〜1.1倍の電解槽電流上限値と、前記平均電解槽電流(Iavr)に対して0.98倍〜0.9倍の電解槽電流下限値と、電解槽温度上限値とを設け、
    同一温度で測定したときの抵抗が最大の最大抵抗電解槽の電解槽温度は、電解槽温度上限値とし、
    前記最大抵抗電解槽以外の他の電解槽の電解槽温度は、電解槽温度上限値以下の温度であって、当該他の電解槽の電解槽電流が前記電解槽電流上限値以下となり、前記最大抵抗電解槽の電解槽電流が電解槽電流下限値以上となる範囲で最大の温度として
    通電することを特徴とする電気分解生成物の製造方法。
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