JP3843999B2 - 電気分解生成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気分解生成物の製造方法に関し、詳しくは定電流直流電源に対して並列に接
続された複数の電解槽で、電解質溶液を電気分解して電気分解生成物を製造する方法に関
する。
例えば塩化ナトリウム(NaCl)水溶液などの電解質溶液を電気分解して、塩素(Cl
2)、水素(H2)、水酸化ナトリウム(NaOH)などの電気分解生成物を製造する方法
として、図2に示すように、定電流直流電源装置(B)と、この電源装置(B)に対して互い
に並列に接続された3基以上、n個の電解槽(Ci、添字iは1〜nの整数を示す。)とを
備えた電気分解装置(A')を用い、各電解槽(Ci)に電解質溶液を供給し、電源装置(B)か
ら各電解槽(Ci)に直流電流を通電することで、電解槽(Ci)内で電解質溶液を電気分解し
て電気分解生成物を得る方法が広く知られている。ここで、電解槽(Ci)としては通常、
イオン交換膜法電解槽が用いられ、これは電解槽温度(Ti)が高くなるに従って抵抗(Ri)
が低下する。かかる方法によれば、定電流直流電源装置(B)から一定の出力電流(I)で直
流電流が出力されるので、この出力電流(I)に見合った速度で、電気分解生成物を製造す
ることができる。
このような製造方法では、定電流直流電源(B)からは、出力電流(I)が一定となるように
電圧(V)を変化させながら直流電流が出力されるので、より少ない電力で目的の電気分解
生成物を得るには、電解槽(Ci)に印加される電圧(V)が低いほどよい。電解槽(Ci)に印
加される電圧(V)を低くするには、電解槽の抵抗(Ri)を低くすればよいが、電解槽の抵
抗(Ri)は電解槽温度(Ti)が高くなるほど低下する。このため、各電解槽(Ci)の電解槽
温度(Ti)は、電解槽温度上限値(Tmax)を超えない範囲で、できるだけ高い温度に調整す
ることが好ましい。電解槽温度(Ti)は、各電解槽(Ci)に備えられた温度調整装置(Ei)
によって、必要により電解槽(Ci)を冷却または加熱することで、調整できる。
ところで、各電解槽(Ci)の抵抗(Ri)は、たとえ同じ規格で製作された電解槽(Ci)であ
っても、個体差によるばらつきがあり、同じ温度で測定しても電解槽毎に異なるのが通常
である。また抵抗(Ri)は使用中の劣化等によって徐々に増加するが(特許文献1)、こ
の増加の程度も電解槽毎に異なる。このため、全ての電解槽(Ci)について電解槽温度(T
i)を等しくすると、抵抗(Ri)が低い電解槽(Ci)では電解槽電流(Ii)が大きくなる。電
解槽電流(Ii)が大きいと発熱量も大きくなるので、電解槽温度(Ti)が上昇し易くなり、
更に抵抗(Ri)が低くなって、電解槽温度(Ti)が急激に上昇する畏れがある。このため、
各電解槽温度(Ti)は通常、上限値(Tmax)を超えない範囲で、全ての電解槽(Ci)で電解
槽電流(Ii)が等しくなるように、具体的には振れ幅±0.1%以下の範囲に調整されて
いた。
特開平8−74082号公報
しかし、全ての電解槽で電解槽電流が等しくなるように電解槽温度を調整する従来の製造
方法では、個体差により抵抗が大きい電解槽や、劣化等によって抵抗が大きくなった電解
槽があると、比較的多くの電力を要するという問題があった。
そこで本発明者は、個体差や劣化などによって電解槽の抵抗が異なっていても、電解槽温
度が急激に上昇する畏れがなく、より少ない電力で電気分解生成物を製造できる方法を開
発するべく鋭意検討した結果、平均電解槽電流に対して1.02倍〜1.1倍の電解槽電
流上限値と、0.98倍〜0.9倍の電解槽電流下限値とを設け、同じ温度で測定したと
きに抵抗が大きい電解槽は、電解槽温度が電解槽温度上限値となり、これ以外の他の電解
槽は、電解槽温度上限値を超えない温度で電解槽電流が電解槽電流上限値を超えず、抵抗
が大きい電解槽の電解槽電流が電解槽電流下限値以上となる範囲で最大の電解槽温度とし
て通電すれば、電解槽温度の急激な上昇を防ぎつつ、より少ない電力で電気分解生成物を
製造できることを見出し、さらに検討を加えて、本発明に至った。
すなわち本発明は、
電解槽温度(Ti)が高くなるに従って抵抗(Ri)が低下し、同一温度で測定したときの抵抗
が平均値に対して±10%の範囲にある3基以上の電解槽(Ci)を、出力電流(I)が一定
値となるように出力電圧(V)を変化させながら直流電流を出力する直流電源装置(B)に対
して電気的に並列に接続した電気分解装置(A)を用い、
前記電解槽(Ci)に、電解質溶液を供給し、前記電源装置(B)から直流電流を通電し、前
記電解質溶液を電気分解して、電気分解生成物を製造する方法であり、
式(1)
Iavr = I/n (1)
〔式中、Iは電源装置からの出力電流を、nは電解槽の数をそれぞれ示す。〕
で示される平均電解槽電流(Iavr)に対して1.02倍〜1.1倍の電解槽電流上限値(I
max)と、前記平均電解槽電流(Iavr)に対して0.98倍〜0.9倍の電解槽電流下限値(
Imin)と、電解槽温度上限値(Tmax)と、電解槽温度下限値(Tmin)とを設け、
(1)全ての電解槽(Ci)で電解槽温度(Ti)が電解槽温度下限値(Tmin)〜電解槽温度上限値
(Tmax)の範囲にある場合に、
(1-1)全ての電解槽(Ci)で電解槽電流(Ii)が電解槽電流下限値(Imin)〜電解槽電流上限
値(Imax)の範囲にあるときには、
全ての電解槽(Ci)で電解槽温度(Ti)を電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げ、
(1-2)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ia)が電解槽電流上限値(Imax)を超える
電流超過電解槽(Ca)があるときには、
当該電流超過電解槽(Ca)は、電解槽温度(Ta)を電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲
で下げると共に、
他の電解槽(Cb)は、電解槽温度(Tb)を電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げる
か、またはそのまま維持し、
(1-3)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ic)が電解槽電流下限値(Imin)を下回る
電流未達電解槽(Cc)があるときには、
当該電流未達電解槽(Cc)は、電解槽温度(Tc)を電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲
で上げると共に、
他の電解槽(Cd)は、電解槽温度(Td)を電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で下げる
か、またはそのまま維持し、
(2)電解槽温度(Te)が電解槽温度上限値(Tmax)を超える温度超過電解槽(Ce)がある場合
は、
当該温度超過電解槽(Ce)は、電解槽温度(Te)を電解槽温度下限値(Tmin)〜電解槽温
度上限値(Tmax)の範囲に下げると共に、
(2-1)全ての電解槽(Ci)で電解槽電流(Ii)が電解槽電流下限値(Imin)〜電解槽電流上限
値(Imax)の範囲にあるときには、
前記温度超過電解槽(Ce)以外の他の電解槽(Cf)は、その全てで、電解槽温度(Tf)を
電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げ、
(2-2)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ig)が電解槽電流上限値(Imax)を超える
電流超過電解槽(Cg)があるときには、
当該電流超過電解槽(Cg)は、電解槽温度(Tg)を電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲
で下げると共に、
当該電流超過電解槽(Cg)以外の他の電解槽のうち前記温度超過電解槽(Ce)以外の電解
槽(Ch)は、電解槽温度(Th)を電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げるか、または
そのまま維持し、
(2-3)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ik)が電解槽電流下限値(Imin)を下回る
電流未達電解槽(Ck)があるときには、
当該電流未達電解槽(Ck)のうち前記温度超過電解槽(Ce)以外の電解槽は、電解槽温度
(Tk)を電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げると共に、
当該電流未達電解槽(Ck)以外の他の電解槽(CL)は、電解槽温度(TL)を電解槽温度下
限値(Tmin)以上の範囲で下げるか、またはそのまま維持し、
(3)電解槽温度(Tm)が電解槽温度下限値(Tmin)を下回る温度未達電解槽(Cm)がある場合は、
当該温度未達電解槽(Cm)は、電解槽温度(Tm)を電解槽温度下限値(Tmin)〜電解槽温度上限値(Tmax)の範囲に上げると共に、
(3-1)全ての電解槽(Ci)で電解槽電流(Ii)が電解槽電流下限(Imin)〜電解槽電流上限(Imax)の範囲にあるときには、
全ての電解槽(Ci)で、電解槽温度(Ti)を電解槽電流上限値(Tmax)以下の範囲で上げ、
(3-2)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ip)が電解槽電流上限値(Imax)を超える電流超過電解槽(Cp)があるときには、
当該電流超過電解槽(Cp)のうち温度未達電解槽(Cm)以外の電解槽は、電解槽温度(Tp)を電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で下げると共に、
当該電流超過電解槽(Cp)以外の他の電解槽(Cq)は、電解槽温度(Tq)を電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げるか、またはそのまま維持し、
(3-3)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ir)が電解槽電流下限値(Imin)を下回る電流未達電解槽(Cr)があるときには、
当該電流未達電解槽(Cr)は、電解槽温度(Tr)を電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げると共に、
当該電流未達電解槽(Cr)以外の他の電解槽のうち前記温度未達電解槽(Cm)以外の電解槽(Cs)は、電解槽温度(Ts)を電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で下げるか、またはそのまま維持しながら通電することを特徴とする電気分解生成物の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、各電解槽の電解槽電流は、平均値に対して1.1倍以下の電
解槽電流上限値を超えないので、電解槽電流が急激に上昇することを避けることができ、
また、各電解槽電流が平均値に対して1.02倍以上の上限値以下となる範囲で、できる
だけ高い電解槽温度として通電するので、比較的低い抵抗で通電して、少ない電力で電気
分解することができる。
以下、図1を用いて本発明を詳細に説明する。本発明の製造方法は、電解質溶液を電気分
解して電気分解生成物を製造する方法である。電解質溶液としては、例えば塩化ナトリウ
ム(NaCl)水溶液が挙げられる。塩化ナトリウム水溶液を電気分解して得られる電気
分解生成物は、例えば塩素(Cl2)、水素(H2)および水酸化ナトリウム(NaOH)
である。
電解質溶液は、複数の電解槽(Ci)に充填される。電解槽(Ci)として通常は、同じ構造で
、同じ規格で製作されたものが用いられる。電解槽としては、電極およびイオン交換膜を
備えたイオン交換膜法電解槽が挙げられる。電解槽(Ci)の数(n)は、3以上であれば特に
限定されないが、本発明の製造方法は、電解槽の数(n)が4以上、さらには5以上である
場合に好ましく適用され、通常は10以下程度である。各電解槽(Ci)は、同じ温度で測
定されたときの抵抗が平均値に対して±10%の範囲にある。ここで平均値は、同じ温度
で測定した各電解槽の抵抗の和を電解槽の数で除したものである。
図1に示す電気分解装置(A)では、各電解槽(Ci)にそれぞれ温度調整装置(Ei)が備えら
れている。この温度調整装置(Ei)は、例えば外部から電解槽温度設定値(Ti0)を受信し
、電解槽温度(Ti)がこの設定値(Ti0)になるように調整する装置である。各電解槽(Ci)
では電気分解により電解熱が生ずるため、通常は冷却装置により各電解槽(Ci)を冷却す
ることで、電解槽温度(Ti)を設定値(Ti0)となるように調整するが、運転開始直後や、
電解熱の発生が少ない場合などには加熱することもあり、このため、各電解槽温度調整装
置(Ei)には通常、各電解槽(Ci)を冷却する冷却装置と加熱する加熱装置が設けられてい
る。なお、図1に示す電気分解装置(A)では、例えばコンピューターで構成された設定値
出力装置(D)も備えていて、電解槽温度設定値(Ti0)は、この設定値出力装置(D)から出
力されて、温度調整装置(Ei)に送られる。
各電解槽(Ci)は、電源装置(B)に対して互いに電気的に並列に接続される。電源装置(B
)は、一定の出力電流(I)で直流電流を出力する装置が用いられ、電源装置(B)から出力
される直流電流の出力電流(I)は、抵抗が変化しても、この変化に応じて出力電圧(V)を
変化させることで、一定に制御されている。出力電流(I)は、目的とする電気分解生成物
の生成速度に応じて適宜選択される。
各電解槽(Ci)で電解質溶液を電気分解するには、電解槽により定まる実用電解電圧(V0)
と、電解槽の抵抗(Ri)と電解槽電流(Ii)との積(Ri×Ii)で求められる負荷電圧(Vi)
との和(V0+Vi)に等しい電圧を印加する必要がある。ここで実用電解電圧(V0)は、電
解槽の方式、電解槽に用いる電極板、イオン交換膜、使用する電解質溶液の種類その濃度
などによって異なる。電解槽の抵抗(Ri)は電解槽の方式、電極面積、使用する電解質溶
液の種類やその濃度、温度などによって異なる。なお、各電解槽(Ci)は互いに電気的に
並列に接続されているので、各電解槽(Ci)に印加される電圧は、定電流直流電源(B)か
らの出力電圧(V)に等しくなり、式(3)
V = V0 + Vi (3)
が成立する。
電解槽(Ci)に直流電流を通電することで、電解槽(Ci)に充填された電解質溶液が電気分
解されて、目的の電気分解生成物を得る。電気分解生成物の生成速度は、定電流直流電源
(B)から出力される出力電流(I)に比例する。
本発明の製造方法では、電解槽電流上限値(Imax)を設けている。電解槽電流上限値(Ima
x)は、式(1)で示される平均電解槽電流(Iavr)の1.02倍以上、好ましくは1.0
3倍以上であり、1.1倍以下、好ましくは1.08倍以下である。平均電解槽電流(Ia
vr)は、各電解槽に通電される電解槽電流(Ii)の平均値である。また、電解槽電流下限値
(Imin)も設けている。下限値は、式(1)で示される平均電解槽電流(Iavr)の0.98
倍以下、好ましくは0.97倍以下であり、0.9倍以上、好ましくは0.92倍以上で
ある。上限値(Imax)が1.02倍未満であったり、下限値(Imin)が0.98倍を超える
と、本発明の効果が十分ではなく、また1.1倍を超えたり、0.9倍未満であると、抵
抗の小さな電解槽で電解槽温度が急激に上昇し易くなる傾向にある。
本発明の製造方法では、最大抵抗電解槽(Cx)の電解槽温度(Tx)は、電解槽温度上限値(
Tmax)とする。最大抵抗電解槽(Cx)は、電源(B)に接続された複数の電解槽(Ci)のうち
、同一温度で測定された抵抗が最大値を示す電解槽であり、例えば同じ規格で製作された
電解槽のうち、個体差に起因して抵抗値が最大となるもの、使用中に電極、イオン交換膜
などの劣化が早く進行したものなどである。
本発明の製造方法では、
(1)全ての電解槽(Ci)で電解槽温度(Ti)が電解槽温度下限値(Tmin)〜電解槽温度上限値
(Tmax)の範囲にある場合に、
(1-1)全ての電解槽(Ci)で電解槽電流(Ii)が電解槽電流下限値(Imin)〜電解槽電流上限
値(Imax)の範囲にあるときには、
全ての電解槽(Ci)で電解槽温度(Ti)を電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げる。
電解槽温度(Ti)を上げることで抵抗(Ri)が低くなり、電解槽に印加する電圧(V)が低く
なって、より少ない電力で電解槽電流(Ii)を流して、電解質溶液を電気分解することが
できる。
(1-2)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ia)が電解槽電流上限値(Imax)を超える
電流超過電解槽(Ca)があるときには、
この電流超過電解槽(Ca)の電解槽温度(Ta)を下げる。電解槽温度(Ta)を下げることで
抵抗(Ra)が高くなり、電解槽電流(Ia)は低くなる。なお、電解槽温度(Ta)は、電解槽
温度下限値(Tmin)以上の範囲で下げる。
また、他の電解槽(Cb)は、電解槽温度(Tb)を上げるか、またはそのまま維持する。電解
槽温度(Tb)を上げることで、抵抗(Rb)は低くなって電解槽電流(Ib)は高くなり、より
、上記電流超過電解槽(Ca)の電解槽電流(Ia)を低くすることができる。なお、電解槽温
度(Tb)は、電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げる。電解槽温度(Tb)を上げなく
ても、上記電流超過電解槽(Ca)に流れる電解槽電流(Ia)を十分に低くすることができる
ときは、電解槽温度(Tb)をそのまま維持してもよい。
(1-3)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ic)が電解槽電流下限値(Imin)を下回る
電流未達電解槽(Cc)があるときには、
この電流未達電解槽(Cc)の電解槽温度(Tc)を上げる。電解槽温度(Tc)を上げることで
抵抗(Rc)が低くなり、電解槽電流(Ic)は高くなる。なお、電解槽温度(Tc)は、電解槽
温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げる。
また、他の電解槽(Cd)は、電解槽温度(Td)を下げるか、またはそのまま維持する。電解
槽温度(Td)を下げることで、抵抗(Rd)は高くなって電解槽電流(Id)が低くなり、より
、上記電流未達電解槽(Cc)の電解槽電流(Ic)を高くすることができる。なお、電解槽温
度(Td)は、電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で下げる。電解槽温度(Td)を下げなく
ても、上記電流未達電解槽(Ci)に流れる電解槽電流(Ic)を十分に高くできるときには、
電解槽温度(Td)をそのまま維持してもよい。
(2)電解槽温度(Te)が電解槽温度上限値(Tmax)を超える温度超過電解槽(Ce)がある場合
は、
この温度超過電解槽(Ce)は、電解槽温度(Te)を電解槽温度下限値(Tmin)〜電解槽温度
上限値(Tmax)の範囲に下げる。
同時に、
(2-1)全ての電解槽(Ci)で電解槽電流(Ii)が電解槽電流下限値(Imin)〜電解槽電流上限
値(Imax)の範囲にあるときには、
この温度超過電解槽(Ce)以外の他の電解槽(Cf)は、その全てで、電解槽温度(Tf)を電
解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げる。電解槽温度(Tf)を上げることで抵抗(Rf)
が低くなり、電解槽に印加する電圧(V)が低くなって、より少ない電力で電解槽電流(If
)を流して、電解質溶液を電気分解することができる。
(2-2)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ig)が電解槽電流上限値(Imax)を超える
電流超過電解槽(Cg)があるときには、
この電流超過電解槽(Cg)の電解槽温度(Tg)を下げる。電解槽温度(Tg)を下げることで
抵抗(Rg)が高くなり、電解槽電流(Ig)は低くなる。なお、電解槽温度(Tg)は、電解槽
温度下限値(Tmin)以上の範囲で下げる。
また、この電流超過電解槽(Cg)以外の他の電解槽のうち前記温度超過電解槽(Ce)以外の
電解槽(Ch)は、電解槽温度(Th)を上げるか、またはそのまま維持する。電解槽温度(Th
)を上げることで、抵抗(Rh)は低くなって電解槽電流(Ih)が高くなり、より、上記電流
超過電解槽(Cg)の電解槽電流(Ig)を低くすることができる。なお、電解槽温度(Th)は
、電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げる。電解槽温度(Th)を上げなくても、上記
電流超過電解槽(Cg)に流れる電解槽電流(Ig)を十分に低くできるときには、電解槽温度
(Th)をそのまま維持してもよい。
(2-3)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ik)が電解槽電流下限値(Imin)を下回る
電流未達電解槽(Ck)があるときには、
この電流未達電解槽(Ck)のうち前記温度超過電解槽(Ce)以外の電解槽の電解槽温度(Tk
)を上げる。電解槽温度(Tk)を上げることで抵抗(Rk)が低くなり、電解槽電流(Ik)は高
くなる。なお、電解槽温度(Tk)は、電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げる。
また、この電流未達電解槽(Ck)以外の他の電解槽(CL)は、電解槽温度(TL)を下げるか
、またはそのまま維持する。電解槽温度(TL)を下げることで、抵抗(RL)は高くなって電
解槽電流(IL)が低くなり、より、上記電流未達電解槽(Ck)の電解槽電流(Ik)を高くす
ることができる。なお、電解槽温度(TL)は、電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で下げ
る。電解槽温度(TL)を下げなくても、上記電流未達電解槽(Ck)に流れる電解槽電流(Ik
)を十分に高くすることができるときには、電解槽温度(TL)をそのまま維持してもよい。
(3)電解槽温度(Tm)が電解槽温度下限値(Tmin)を下回る温度未達電解槽(Cm)がある場合
は、
この温度未達電解槽(Cm)は、電解槽温度(Tm)を電解槽温度下限値(Tmin)〜電解槽温度
上限値(Tmax)の範囲に上げる。
同時に、
(3-1)全ての電解槽(Ci)で電解槽電流(Ii)が電解槽電流下限(Imin)〜電解槽電流上限(
Imax)の範囲にあるときには、
全ての電解槽(Ci)で電解槽温度(Ti)を電解槽電流上限値(Tmax)以下の範囲で上げる
。電解槽温度(Ti)を上げることで抵抗(Rh)が低くなり、電解槽に印加する電圧(V)が低
くなって、より少ない電力で電解槽電流(Ii)を流して、電解質溶液を電気分解すること
ができる。
(3-2)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ip)が電解槽電流上限値(Imax)を超える
電流超過電解槽(Cp)があるときには、
この電流超過電解槽(Cp)のうち温度未達電解槽(Cm)以外の電解槽の電解槽温度(Tp)
を下げる。電解槽温度(Tg)を下げることで抵抗(Rg)が高くなり、電解槽電流(Ig)は低
くなる。なお、電解槽温度(Tp)は、電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で下げる。
また、この電流超過電解槽(Cp)以外の他の電解槽 (Cq)は、電解槽温度(Tq)を上げるか
、またはそのまま維持する。電解槽温度(Tq)を上げることで、抵抗(Rq)は低くなって電
解槽電流(Iq)が高くなり、より、上記電流超過電解槽(Cp)の電解槽電流(Ip)を低くす
ることができる。なお、電解槽温度(Tq)は、電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げ
る。電解槽温度(Tq)を上げなくても、上記電流超過電解槽(Cp)に流れる電解槽電流(Ip
)を十分に低くできるときには、電解槽温度(Tq)をそのまま維持してもよい。
(3-3)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ir)が電解槽電流下限値(Imin)を下回る
電流未達電解槽(Cr)があるときには、
この電流未達電解槽(Cr)の電解槽温度(Tr)を上げる。電解槽温度(Tr)を上げることで
抵抗(Rr)が低くなり、電解槽電流(Ir)は高くなる。なお、電解槽温度(Tr)は、電解槽
温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げる。
また、この電流未達電解槽(Cr)以外の他の電解槽のうち前記温度未達電解槽(Cm)以外の電解槽(Cs)は、電解槽温度(Ts)を下げるか、またはそのまま維持する。電解槽温度(Ts)を下げることで、抵抗(Rs)は高くなって電解槽電流(Is)が低くなり、より、上記電流未達電解槽(Cr)の電解槽電流(Ir)を高くすることができる。なお、電解槽温度(Ts)は、電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で下げる。電解槽温度(Ts)を下げなくても、上記電流未達電解槽(Cr)に流れる電解槽電流(Ir)を十分に高くできるときには、電解槽温度(Ts)をそのまま維持してもよい。
電解槽温度(Ti)は、それぞれの電解槽(Ci)で実測された値を用いてもよいし、温度調整
装置(Ei)に与えた温度設定値、あるいは電解槽温度(Ti)の変化などからシミュレーショ
ンにより算出した値を用いてもよい。
本発明の製造方法では、上記のように各電解槽(Ci)の電解槽温度(Ti)を調整するので、
各電解槽温度(Ti)を電解槽温度下限値(Tmin)〜電解槽温度上限値(Tmax)の範囲に、各
電解槽電流(Ii)を電解槽電流下限値(Imin)〜電解槽電流上限値(Imax)の範囲にそれぞ
れ保つことができる。また、同じ温度で測定したときに抵抗が大きい電解槽は、電解槽温
度が電解槽温度上限値となり、これ以外の他の電解槽は、電解槽温度上限値を超えない温
度で電解槽電流が電解槽電流上限値を超えず、抵抗が大きい電解槽の電解槽電流が電解槽
電流下限値以上となる範囲で最大の電解槽温度になるので、各電解槽の抵抗(Ri)を最小
とし、少ない電力で電解質溶液を電気分解することができる。
上記のように各電解槽(Ci)の電解槽温度(Ti)を調整するには、例えば図1に示すように
、各電解槽(Ci)について電解槽温度設定値(Ti0)を出力する設定値出力装置(D)を備え
、各電解槽(Ci)にはそれぞれ、この設定値出力装置(D)から出力された電解槽温度設定
値(Ti0)を受信して、各電解槽の電解槽温度(Ti)が、この電解槽温度設定値(Ti0)にな
るように調整する温度調整装置(Ei)が備えられた電気分解装置(A)を用いると共に、
設定値出力装置(D)として、各電解槽電流(Ii)を電解槽電流下限値(Imin)および電解槽
電流上限値(Imax)と比較すると共に、各電解槽温度(Ti)を電解槽温度下限値(Tmin)お
よび電解槽温度上限値(Tmax)と比較して、第1電解槽温度設定値(Ti1)を算出する第1
設定値出力部(D1)と、各電解槽温度(Ti)を電解槽温度下限値(Tmin)および電解槽温度
上限値(Tmax)と比較して第2電解槽温度設定値(Ti2)を出力する第2設定値出力部(D2)
と、これら第1電解槽温度設定値(Ti1)および第2電解槽温度設定値(Ti2)から電解槽温
度設定値(Ti0)を算出し、出力する第3設定値出力部(D3)とを備えたものを用い、
設定値出力装置(D)から温度調整装置(Ei)に電解槽温度設定値(Ti0)を送り、電解槽温
度設定値(Ti0)と等しい電解槽温度(Ti)で電気分解すればよい。
第1設定値出力部(D1)は、各電解槽(Ci)について、第1電解槽温度設定値(Ti1)を算出
するものであり、第1電解槽温度設定値(Ti1)は、各電解槽(Ci)について、各電解槽電
流(Ii)を電解槽電流下限値(Imin)および電解槽電流上限値(Imax)と比較すると共に、
各電解槽温度(Ti)を電解槽温度下限値(Tmin)および電解槽温度上限値(Tmax)と比較し
て出力される。具体的には、
(1)全ての電解槽(Ci)で電解槽電流(Ii)が電解槽電流下限値(Imin)〜電解槽電流上限値
(Imax)の範囲である場合には、各電解槽(Ci)について電解槽温度(Ti)と同じ第1電解
槽温度設定値(Ti1)を算出し、
(2)電解槽電流(It)が電解槽電流上限値(Imax)を上回る電流超過電解槽(Ct)がある場合
には、当該電流超過電解槽(Ct)については、電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で電解
槽温度(Tt)よりも低い電解槽温度設定値(Tt1)を算出すると共に、他の電解槽(Cu)につ
いては、電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で電解槽温度(Tu)よりも高い電解槽温度設
定値(Tu1)を算出し、
(3)電解槽電流(Iv)が電解槽電流下限値(Imin)を下回る電流未達電解槽(Cv)がある場合
には、当該電流未達電解槽(Cv)については、電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で電解
槽温度(Tv)よりも高い電解槽温度設定値(Tv1)を算出すると共に、他の電解槽(Cw)につ
いては、電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で電解槽温度(Tw)よりも低い電解槽温度設
定値(Tw1)を算出する。
第2設定値出力部(D2)は、各電解槽(Ci)について、第2電解槽温度設定値(Ti2)を出力
するものであり、第2電解槽温度設定値(Ti2)は、各電解槽(Ci)で、電解槽温度(Ti)を
電解槽温度上限値(Tmax)と比較して算出される。具体的には、各電解槽(Ci)について、
電解槽温度(Ti)よりも高い第2電解槽温度設定値(Ti2)を算出する。
第3設定値出力部(D3)は、電解槽温度設定値(Ti0)を算出し、出力するものである。電
解槽温度設定値(Ti0)は、第1電解槽温度設定値(Ti1)および第2電解槽温度設定値(Ti
2)から算出される。具体的には、各電解槽(Ci)について、式(2)
Ti3 = Ti1 + Ti2 − Ti (2)
で示される第3電解槽温度設定値(Ti3)を算出し、電解槽温度設定値(Ti0)として、
(1)第3電解槽温度設定値(Ti3)が電解槽温度下限値(Tmin)〜電解槽温度上限値(Tmax)
の範囲にある場合には、第3電解槽温度設定値(Ti3)を電解槽温度設定値(Ti0)として出
力し、
(2)第3電解槽温度設定値(Ti3)が電解槽温度下限値(Tmin)未満である場合には、電解槽
温度下限値(Tmin)を電解槽温度設定値(Ti0)として出力し、
(3)第3電解槽温度設定値(Ti3)が電解槽温度上限値(Tmax)を超える場合には、電解槽温
度上限値(Tmax)を電解槽温度設定値(Ti0)として出力する。
これら電気分解生成物の製造方法は、モデル予測制御を用いて実現することができる。図
3を用いてその構成を説明する。モデル予測制御は電解プラントだけでなく、化学プラン
ト、石油精製プラント、電力プラントなどで多用され、汎用制御技術として広く用いられ
ている制御手法である。本発明は、例えば、電解槽温度調整装置(Ei)を汎用的なモデル
予測制御を用いて実現し、電解槽温度設定出力装置(D)は不感帯を持ったモデル予測制御
で実現する。モデル予測制御で実現した電解槽温度調整装置(Ei)はモデル予測制御内に
設けたモデルを使って将来の電解槽温度(Ti)を予測しながら操作量、具体的には冷却水
の流量、あるいは加熱用スチームの流量、もしくはそれらの流量を変えることができる調
節弁開度を演算し、出力する。一方、モデル予測制御で実現した電解槽温度設定値出力装
置(D)もモデル予測制御内に設けたモデルを使って将来の各電解槽電流(Ii)を予測しな
がら第1電解槽温度設定値(Ti1)を算出する。ただし、電解槽電流予測値(Iei)が電流下
限値(Imin)〜電流上限値(Imax)の範囲内にある動作と、それを上回る場合や下回る場合
の動作を不感帯で表現する。さらに、モデル予測制御の最適化機能を使って、式(4)
Tmin ≦ Ti0 ≦ Tmax (4)
〔式中、Ti0は各電解層(Ci)の電解槽温度設定値を、Tminは電解槽温度下限値を、Tmaxは電解槽温度上限値をそれぞれ示す。〕
で示される制約条件を満足する範囲で、全ての電解温度設定値(Ti0)の合計〔ΣTi0〕が最大値となるように、最適化演算で第2電解槽温度設定値(Ti2)を算出する。これらから第3電解槽温度設定値(Ti3)を算出し、最終的に電解槽温度設定値(Ti0)を温度設定値出力装置(D)に出力する。温度設定値出力装置(D)全体は、式(4)および式(5)
Imin ≦ Iei ≦ Imax (5)
〔式中、Ieiは各電解層(Ci)の電解槽電流予測値を、Iminは電解槽電流下限値を、Ima
xは電解槽電流上限値をそれぞれ示す。〕
で示される制約条件を満足する範囲で、電解層温度設定値(Ti0)の合計〔ΣTi0〕が最大
となる条件で動作する。ここで、電解槽電流の制約条件式にはプロセスの動特性を含んで
おり、現在の電解槽電流(Ii)を含む電流予測値(Iei)を使う。
このように、本発明は一般的に知られているモデル予測制御制御技術を使って実現するこ
とができるので、これによってプラント制御システムへの実装が容易である点や、保守性
が向上するなどの効果も得ることができる。
本発明の電気分解生成物の製造方法に用いる電気分解装置の一例を示す模式図である。 従来の電気分解生成物の製造方法に用いる電気分解装置の一例を示す模式図である。 本発明の電気分解生成物の製造方法を実現するためのモデル予測制御の説明図である。
符号の説明
A:電気分解装置 A':従来の電気分解装置
B:電源装置
Ci:電解槽
D:電解槽温度設定値出力装置
Ei:電解槽温度調整装置
Ii:電解槽電流
I:出力電流
V:出力電圧

Claims (3)

  1. 電解槽温度(Ti)が高くなるに従って抵抗(Ri)が低下し、同一温度で測定したときの抵抗
    が平均値に対して±10%の範囲にある3基以上の電解槽(Ci)を、出力電流(I)が一定
    値となるように出力電圧(V)を変化させながら直流電流を出力する直流電源装置(B)に対
    して電気的に並列に接続した電気分解装置(A)を用い、
    前記電解槽(Ci)に、電解質溶液を供給し、前記電源装置(B)から直流電流を通電し、前
    記電解質溶液を電気分解して、電気分解生成物を製造する方法であり、
    式(1)
    Iavr = I/n (1)
    〔式中、Iは電源装置からの出力電流を、nは電解槽の数をそれぞれ示す。〕
    で示される平均電解槽電流(Iavr)に対して1.02倍〜1.1倍の電解槽電流上限値(I
    max)と、前記平均電解槽電流(Iavr)に対して0.98倍〜0.9倍の電解槽電流下限値(
    Imin)と、電解槽温度上限値(Tmax)と、電解槽温度下限値(Tmin)とを設け、
    (1)全ての電解槽(Ci)で電解槽温度(Ti)が電解槽温度下限値(Tmin)〜電解槽温度上限値
    (Tmax)の範囲にある場合に、
    (1-1)全ての電解槽(Ci)で電解槽電流(Ii)が電解槽電流下限値(Imin)〜電解槽電流上限
    値(Imax)の範囲にあるときには、
    全ての電解槽(Ci)で電解槽温度(Ti)を電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げ、
    (1-2)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ia)が電解槽電流上限値(Imax)を超える
    電流超過電解槽(Ca)があるときには、
    当該電流超過電解槽(Ca)は、電解槽温度(Ta)を電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲
    で下げると共に、
    他の電解槽(Cb)は、電解槽温度(Tb)を電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げる
    か、またはそのまま維持し、
    (1-3)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ic)が電解槽電流下限値(Imin)を下回る
    電流未達電解槽(Cc)があるときには、
    当該電流未達電解槽(Cc)は、電解槽温度(Tc)を電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲
    で上げると共に、
    他の電解槽(Cd)は、電解槽温度(Td)を電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で下げる
    か、またはそのまま維持し、
    (2)電解槽温度(Te)が電解槽温度上限値(Tmax)を超える温度超過電解槽(Ce)がある場合
    は、
    当該温度超過電解槽(Ce)は、電解槽温度(Te)を電解槽温度下限値(Tmin)〜電解槽温
    度上限値(Tmax)の範囲に下げると共に、
    (2-1)全ての電解槽(Ci)で電解槽電流(Ii)が電解槽電流下限値(Imin)〜電解槽電流上限
    値(Imax)の範囲にあるときには、
    前記温度超過電解槽(Ce)以外の他の電解槽(Cf)は、その全てで、電解槽温度(Tf)を
    電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げ、
    (2-2)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ig)が電解槽電流上限値(Imax)を超える
    電流超過電解槽(Cg)があるときには、
    当該電流超過電解槽(Cg)は、電解槽温度(Tg)を電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲
    で下げると共に、
    当該電流超過電解槽(Cg)以外の他の電解槽のうち前記温度超過電解槽(Ce)以外の電解
    槽(Ch)は、電解槽温度(Th)を電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げるか、または
    そのまま維持し、
    (2-3)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ik)が電解槽電流下限値(Imin)を下回る
    電流未達電解槽(Ck)があるときには、
    当該電流未達電解槽(Ck)のうち前記温度超過電解槽(Ce)以外の電解槽は、電解槽温度
    (Tk)を電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で上げると共に、
    当該電流未達電解槽(Ck)以外の他の電解槽(CL)は、電解槽温度(TL)を電解槽温度下
    限値(Tmin)以上の範囲で下げるか、またはそのまま維持し、
    (3)電解槽温度(Tm)が電解槽温度下限値(Tmin)を下回る温度未達電解槽(Cm)がある場合
    は、
    当該温度未達電解槽(Cm)は、電解槽温度(Tm)を電解槽温度下限値(Tmin)〜電解槽温度
    上限値(Tmax)の範囲に上げると共に、
    (3-1)全ての電解槽(Ci)で電解槽電流(Ii)が電解槽電流下限(Imin)〜電解槽電流上限(
    Imax)の範囲にあるときには、
    全ての電解槽(Ci)で、電解槽温度(Ti)を電解槽電流上限値(Tmax)以下の範囲で上
    げ、
    (3-2)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ip)が電解槽電流上限値(Imax)を超える
    電流超過電解槽(Cp)があるときには、
    当該電流超過電解槽(Cp)のうち温度未達電解槽(Cm)以外の電解槽は、電解槽温度(
    Tp)を電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で下げると共に、
    当該電流超過電解槽(Cp)以外の他の電解槽 (Cq)は、電解槽温度(Tq)を電解槽温度上
    限値(Tmax)以下の範囲で上げるか、またはそのまま維持し、
    (3-3)全ての電解槽(Ci)のうちに、電解槽電流(Ir)が電解槽電流下限値(Imin)を下回る
    電流未達電解槽(Cr)があるときには、
    当該電流未達電解槽(Cr)は、電解槽温度(Tr)を電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲
    で上げると共に、
    当該電流未達電解槽(Cr)以外の他の電解槽のうち前記温度未達電解槽(Cm)以外の電
    解槽(Cs)は、電解槽温度(Ts)を電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で下げるか、また
    はそのまま維持し
    ながら通電することを特徴とする電気分解生成物の製造方法。
  2. 電気分解装置(A)は、
    各電解槽(Ci)について電解槽温度設定値(Ti0)を出力する設定値出力装置(D)を備え、
    各電解槽(Ci)にはそれぞれ、前記設定値出力装置(D)から出力された電解槽温度設定値(
    Ti0)を受信して、各電解槽の電解槽温度(Ti)が前記電解槽温度設定値(Ti0)になるよう
    に調整する温度調整装置(Ei)が備えられており、
    設定値出力装置(D)は、
    (1)全ての電解槽(Ci)で電解槽電流(Ii)が電解槽電流下限値(Imin)〜電解槽電流上限値
    (Imax)の範囲である場合には、各電解槽(Ci)について電解槽温度(Ti)と同じ第1電解
    槽温度設定値(Ti1)を算出し、
    (2)電解槽電流(It)が電解槽電流上限値(Imax)を上回る電流超過電解槽(Ct)がある場合
    には、
    当該電流超過電解槽(Ct)については、電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で電解槽温
    度(Tt)よりも低い電解槽温度設定値(Tt1)を算出すると共に、
    他の電解槽(Cu)については、電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で電解槽温度(Tu)
    よりも高い電解槽温度設定値(Tu1)を算出し、
    (3)電解槽電流(Iv)が電解槽電流下限値(Imin)を下回る電流未達電解槽(Cv)がある場合
    には、
    当該電流未達電解槽(Cv)については、電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で電解槽温
    度(Tv)よりも高い電解槽温度設定値(Tv1)を算出すると共に、
    他の電解槽(Cw)については、電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で電解槽温度(Tw)
    よりも低い電解槽温度設定値(Tw1)を算出する
    第1設定値演算部(D1)と、
    各電解槽(Ci)について電解槽温度(Ti)よりも高い第2電解槽温度設定値(Ti2)を算出す
    る第2設定値演算部(D2)と、
    各電解槽(Ci)について、電解槽温度(Ti)および前記第1電解槽温度設定値(Ti1)と前記
    第2電解槽温度設定値(Ti2)とから、式(2)
    Ti3 = Ti1 + Ti2 − Ti (2)
    で示される第3電解槽温度設定値(Ti3)を算出し、電解槽温度設定値(Ti0)として、
    (1)第3電解槽温度設定値(Ti3)が電解槽温度下限値(Tmin)〜電解槽温度上限値(Tmax)
    の範囲にある場合には、第3電解槽温度設定値(Ti3)を算出し、
    (2)第3電解槽温度設定値(Ti3)が電解槽温度下限値(Tmin)未満である場合には、電解槽
    温度下限値(Tmin)を算出し、
    (3)第3電解槽温度設定値(Ti3)が電解槽温度上限値(Tmax)を超える場合には、電解槽温
    度上限値(Tmax)を算出する
    第3設定値演算部(D3)とを備え、
    前記設定値出力装置(D)から前記温度調整装置(Ei)に前記電解槽温度設定値(Ti0)を送
    り、電解槽温度設定値(Ti0)と等しい電気分解温度(Ti)で電気分解するように構成され
    ている請求項1に記載の製造方法。
  3. 電解槽温度(Ti)が高くなるに従って抵抗(Ri)が低下し、同一温度で測定したときの抵抗
    が平均値に対して±10%の範囲にある3基以上の電解槽(Ci)を、出力電流(I)が一定
    値となるように出力電圧(V)を変化させながら直流電流を出力する直流電源装置(B)に対
    して電気的に並列に接続してなり、
    前記電解槽(Ci)に、電解質溶液を供給し、前記電源装置(B)から直流電流を通電し、前
    記電解質溶液を電気分解して、電気分解生成物を製造する電気分解装置(A)であり、
    さらに、各電解槽(Ci)について電解槽温度設定値(Ti0)を出力する設定値出力装置(D)
    を備え、
    各電解槽(Ci)にはそれぞれ、前記設定値出力装置(D)から出力された電解槽温度設定値(
    Ti0)を受信して、各電解槽の電解槽温度(Ti)が前記電解槽温度設定値(Ti0)になるよう
    に調整する温度調整装置(Ei)が備えられており、
    設定値出力装置(D)は、
    (1)全ての電解槽(Ci)で電解槽電流(Ii)が電解槽電流下限値(Imin)〜電解槽電流上限
    値(Imax)の範囲である場合には、各電解槽(Ci)について電解槽温度(Ti)と同じ第1電
    解槽温度設定値(Ti1)を算出し、
    (2)電解槽電流(It)が電解槽電流上限値(Imax)を上回る電流超過電解槽(Ct)がある場合
    には、
    当該電流超過電解槽(Ct)については、電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で電解槽温
    度(Tt)よりも低い電解槽温度設定値(Tt1)を算出すると共に、
    他の電解槽(Cu)については、電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で電解槽温度(Tu)
    よりも高い電解槽温度設定値(Tu)を算出し、
    (3)電解槽電流(Iv)が電解槽電流下限値(Imin)を下回る電流未達電解槽(Cv)がある場合
    には、
    当該電流未達電解槽(Cv)については、電解槽温度上限値(Tmax)以下の範囲で電解槽温
    度(Tv)よりも高い電解槽温度設定値(Tv1)を算出すると共に、
    他の電解槽(Cw)については、電解槽温度下限値(Tmin)以上の範囲で電解槽温度(Tw)
    よりも低い電解槽温度設定値(Tw1)を算出する第1設定値演算部(D1)と、
    各電解槽(Ci)について電解槽温度(Ti)よりも高い第2電解槽温度設定値(Ti2)を算出す
    る第2設定値演算部(D2)と、
    各電解槽(Ci)について、電解槽温度(Ti)および前記第1電解槽温度設定値(Ti1)と前記
    第2電解槽温度設定値(Ti2)とから、式(2)
    Ti3 = Ti1 + Ti2 − Ti (2)
    で示される第3電解槽温度設定値(Ti3)を算出し、電解槽温度設定値(Ti0)として、
    (1)第3電解槽温度設定値(Ti3)が電解槽温度下限値(Tmin)〜電解槽温度上限値(Tmax)
    の範囲にある場合には、第3電解槽温度設定値(Ti3)を算出し、
    (2)第3電解槽温度設定値(Ti3)が電解槽温度下限値(Tmin)未満である場合には、電解槽
    温度下限値(Tmin)を算出し、
    (3)第3電解槽温度設定値(Ti3)が電解槽温度上限値(Tmax)を超える場合には、電解槽温
    度上限値(Tmax)を算出する
    第3設定値演算部(D3)とを備え、
    前記設定値出力装置(D)から前記温度調整装置(Ei)に前記電解槽温度設定値(Ti0)を送
    り、電解槽温度設定値(Ti0)と等しい電気分解温度(Ti)で電気分解するように構成され
    ていることを特徴とする電気分解装置(A)。
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