JP2005194525A - 粘着剤組成物、粘着テープ及び接着構造体 - Google Patents

粘着剤組成物、粘着テープ及び接着構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】 被着体に貼付した後、粘着テープを延伸して被着体から容易に除去することができ、しかも被着体における糊残りを生じたり被着体の損傷を引き起こしたりすることがない、再剥離性の粘着テープのための粘着剤組成物を提供すること。
【解決手段】 粘着剤組成物が、スチレン系ブロック共重合体を含む凝集性成分と、塩基性成分とを含んでなるように構成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粘着組成物及び粘着テープに関し、さらに詳しく述べると、被着体に貼付した後、粘着テープを延伸して被着体から容易に除去することができ、しかも被着体における糊残りを生じない再剥離性の粘着テープと、そのような粘着テープにおいて好適に使用される粘着剤組成物に関する。本発明はまた、本発明の粘着テープを備えた接着構造体に関する。
本発明の粘着テープは、粘着力と凝集力のバランスに優れており、各種の被着体に対して有利に適用することができる。本発明の粘着テープは、1つの面において、可塑剤を含む塩化ビニル系の壁紙に適用したときにその壁紙に損害を与えることなく剥離することができる。また、もう1つの面において、本発明の粘着テープは、表面の凹凸模様が顕著な壁紙やフィルム、シートなどや、モルタル壁、リシン仕上げ壁、コンクリート壁などの、表面に顕著な凹凸模様を備えているかもしくは表面に粗面加工が施されているいろいろなタイプの被着体に適用したときに、それらの被着体に強固に貼付することができ、かつそれらの被着体に損害を与えることなく剥離することができる。
従来、多様化した目的に合わせて、さまざまなタイプの粘着フィルムや粘着タブなどの、いわゆる粘着テープが提案され、実用化されている。例えば、再剥離性を特徴とする粘着テープとして、粘着テープを延伸して、被着体に損害を与えることなく除去され得る粘着テープが近年実用化されている。
例えば、特許文献1は、裏地及びその少なくとも1つの主表面に担持された感圧接着剤を含んで成る接着テープであって、該裏地は150%〜1200%の長手方向の破断点伸び、延伸された後50%未満の弾性回復、及び少なくとも175.8kg/cm2(2500psi)であるが5097kg/cm2(72,500psi)未満のヤング率を有し、そして該テープが基材(本発明でいう被着体)に強く結合することができそしてさらに基材の表面から35゜以下の角度で引っ張られた後に除去され得るものであり、該裏地は、それが基材の表面からの該テープの除去に先立って破壊されない程十分に高い破断点引張り強さを有する、ことを特徴とする除去可能な接着テープを記載している。この接着テープは、良好な再剥離性を有しているけれども、近年の多様化された要求に応えるため、例えば粘着性と凝集力の良好なバランス、高められた温湿度条件下(湿熱環境下)や水を使用した環境下での使用安定性、被着体に由来する可塑剤のマイグレーション(移行)による粘着性の低下の防止などといった画期的に優れた特性を有することが望ましい。
また、特許文献2は、例えばスチレン−ブタジエンブロック共重合体のような熱可塑性ゴム及び例えばロジン誘導体のような接着剤形成性樹脂をベースとした再剥離性接着のための接着テープであって、高いゴム弾性と低い可塑性を有し、接着力が凝集力よりも小さく、テープの伸長により保持力が適度に減少し、剥離強度対引張り強度の比が1:2もしくはそれよりも大であり、かつ接着テープの伸長中、そのテープによって発現された接着剤による結合が、接着面の方向において解消され得ることを特徴とする接着テープを記載している。この接着テープも、延伸して、被着体に損害を与えることなく除去できると報告されている。しかし、この接着テープは、可塑剤を含んだ塩化ビニル系壁紙に適用した場合、可塑剤がテープの接着剤にマイグレートし、接着力及び凝集力がともに減少し、使用に耐えなくなるという問題が発生する。
一方、可塑剤を多量に含有する軟質塩化ビニルフィルムに貼り合わせるのに適した粘着テープも多数提案されている。
例えば、特許文献3は、多層粘着剤層が形成された粘着テープであって、露出粘着剤層が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー100重量部と窒素含有(メタ)アクリル系モノマー1〜10重量部との共重合体を主体とする粘着剤からなり、これに連なる粘着剤層が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体を主体とする粘着剤からなることを特徴とするアクリル系粘着テープを記載している。この粘着テープの場合、初期粘着力と凝集力のいずれもが充分な値を示し、両者が調和して、塩化ビニル樹脂、就中、可塑化塩化ビニル樹脂に対する可塑剤等の移行のない極めて優れた接着性能を示すと報告されている。そこで本発明者らは、ここで提案されている粘着剤を上記特許文献1に記載の接着テープの感圧接着剤に適用した。しかし、この粘着剤を使用した接着テープは、接着テープを被着体から剥離して除去するとき、例えば粘着剤の凝集力が不足するために被着体に糊残りを生じたり、高接着力のために被着体を傷つける問題があった。
特表平6−504077号公報(特許請求の範囲) ドイツ特許公開公報第3331016号公報(特許請求の範囲) 特開平8−311414号公報(特許請求の範囲、段落0040)
本発明は、上記のような従来の技術の欠点を解決するものである。本発明は、被着体に貼付した後、粘着テープを延伸して被着体から容易に除去することができ、しかも被着体における糊残りを生じたり被着体の損傷を引き起こしたりすることがない再剥離性の粘着テープと、そのような粘着テープの調製に有用な粘着剤組成物を提供すること。
また、本発明は、粘着力と凝集力のバランスに優れており、各種の被着体に対して有利に適用することができる再剥離性の粘着テープと、そのような粘着テープの調製に有用な粘着剤組成物を提供する。
さらに、本発明は、可塑剤を含有する塩化ビニル系の被着体、典型的には壁紙に対して適用したときに、その可塑剤のマイグレーションに原因して接着力及び凝集力の低下が引き起こされないような再剥離性の粘着テープと、そのような粘着テープの調製に有用な粘着剤組成物を提供する。
さらにまた、本発明は、可塑剤を含有する塩化ビニル系の被着体に適用対象が限定されるものではなく、特に、表面の凹凸模様が顕著な壁紙やフィルム、シートなどや、モルタル壁、リシン仕上げ壁、コンクリート壁などの、表面に顕著な凹凸模様を備えているかもしくは表面に粗面加工が施されているいろいろなタイプの被着体に適用したときに、それらの被着体に強固に貼付することができ、かつそれらの被着体に損害を与えることなく剥離することができる再剥離性の粘着テープと、そのような粘着テープの調製に有用な粘着剤組成物を提供する。
さらにまた、本発明は、高められた温湿度条件下や水を使用した環境下で使用したときでもその粘着力やその他の特性が安定に保持される再剥離性の粘着テープと、そのような粘着テープの調製に有用な粘着剤組成物を提供する。
さらに加えて、本発明は、上記のような粘着テープを備えた接着構造体を提供する。
本発明の上記した面やその他の面は、以下の詳細な説明から容易に理解することができるであろう。
本発明によれば、上記した面は、スチレン系ブロック共重合体を含む凝集性成分と、塩基性成分とを含んでなる粘着剤組成物によって達成することができる。
また、本発明によれば、延伸可能な基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた、上述のように凝集性成分と塩基性成分とを含む本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層とを含んでなる粘着テープも提供される。
さらに、本発明によれば、本発明の粘着テープと、該粘着テープがその粘着剤層を介して貼付された被着体とを備える接着構造体であって、前記粘着テープの基材の延伸により前記粘着テープを被着体から剥離可能である、接着構造体も提供される。
以下の詳細な説明から理解されるように、本発明による粘着剤組成物を使用すれば、被着体に貼付した後、粘着テープを延伸して被着体から容易に除去することができる、いわゆる「ストレッチリリース」が可能な再剥離性の粘着テープを提供することができる。本発明の粘着テープは、それを被着体から剥離して除去するとき、余分な力をかけて引っ張る必要がないばかりか、被着体における糊残りを生じることがなく、また、被着体自体の損傷を引き起こすこともない。
また、本発明の粘着テープは、粘着力と凝集力のバランスに優れており、各種の被着体に対して有利に適用することができる。例えば、本発明の粘着テープは、可塑剤を含有する塩化ビニル系の被着体、典型的には壁紙に対して適用した時に、その可塑剤が粘着剤組成物の層にマイグレーションして粘着性の低下が引き起こされるようなことがない。よって、本発明の粘着テープは、可塑剤を含む塩化ビニル系の壁紙に適用した時にその壁紙に損害を与えることなく剥離することができる。
また、本発明の粘着テープは、その適用対象が壁紙に限定されるものではなく、表面の凹凸模様が顕著な壁紙、フィルム、シートなどや、モルタル壁、リシン仕上げ壁、コンクリート壁などの、表面に顕著な凹凸模様を備えているかもしくは表面に粗面加工が施されているいろいろなタイプの被着体に適用したときに、それらの被着体に強固に貼付することができ、かつそれらの被着体に損害を与えることなく剥離することができる。例えば、本発明の実施に適当なフィルム形態の被着体は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂フィルム、スチレン−(メタ)アクリル共重合樹脂フィルムなどである。もちろん、ここでいう被着体は、上記したような、特に可塑剤を含む塩化ビニル系壁紙も包含する。
さらに、本発明の粘着テープは、高められた温湿度条件下(湿熱環境下)や水を使用した環境下で使用したときでも、そのテープの粘着力やその他の特性が低下せしめられることがなく、長期にわたって安定に使用することができる。
さらにまた、本発明の接着構造体は、その被着体に組み合わせて本発明の粘着テープを備えているので、その粘着テープの使用に由来して上述のような注目すべき効果を具現することができ、いろいろな分野において有利に使用することができる。
本発明は、上記したように、
(1)スチレン系ブロック共重合体を含む凝集性成分と、塩基性成分とを含んでなる粘着剤組成物、
(2)延伸可能な基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層とを含んでなる粘着テープ、特に「ストレッチリリース」が可能な再剥離性の粘着テープ、そして
(3)かかる粘着テープを備えた接着構造体
にある。以下、添付の図面を参照しながら、本発明の粘着剤組成物、粘着テープ及び接着構造体のそれぞれを説明する。
図1は、本発明による粘着テープの好ましい1形態を示した断面図である。図示の再剥離性粘着テープ10は、延伸可能な基材1を有し、その基材1の片面に本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層2が担持されている。基材1は、延伸可能であり、したがって、粘着テープ10を被着体から再剥離するとき、本発明の作用効果に悪影響を及ぼさない形で適度に伸長することができる。また、基材1は、図示の例では単層で使用されているけれども、必要ならば、2層もしくはそれ以上の多層構造で、複合基材あるいは積層基材の形で使用することもできる。さらに、粘着剤層2も、基材1の伸長に合わせて伸長可能な組成や厚さを有していることが好ましい。基材1は、その端部1aにおいて粘着剤層2を有していないが、これは、粘着テープ10の再剥離時、その端部1aをタブとして利用し、延伸のための引張り作業を効率よく行うためである。必要ならば、粘着剤層2を形成しないことに代えて、別に作製したタブあるいはそれに類するテープ片を基材1の端部に取り付けてもよい。なお、図示の例において、粘着剤層2は、基材1の片面のみに施されているけれども、以下で説明するように、粘着テープの使途などに応じて、基材1の両面に形成されていてもよい。
図1の粘着テープは、図2に順を追って説明するようにして、使用することができる。
まず、図2(A)に示すように、図1の粘着テープ10をその粘着剤層2を介して被着体15に貼り付ける。貼り付け作業は、粘着テープの貼付に一般的に使用されている技法を使用して実施することができ、必要ならば、冶具などを併用してもよい。このようにして得られる、本発明の粘着テープ10がその粘着剤層2を介して貼付された被着体15が、本発明の接着構造体である。
次いで、粘着テープ10を被着体15から除去する操作について説明する。まず、図2(B)に示すように、粘着テープ10の末端のタブ1aを指先でつかみ、矢印Fの方向に適度の力をかけて引っ張る。粘着テープ10の引張り角度は、通常、粘着テープ10の面に実質的に平行な方向から、その面から約35度以内の角度である。粘着テープ10の引っ張り角度は、好ましくは、約30度以下であり、さらに好ましくは、約10度以下である。引っ張りの初期段階において、粘着テープ10の剪断力に対する最初の抵抗は大である。この抵抗を克服するために十分に大きい力が適用されるとき、基材1は変形し始める。また、基材1の変形とともに、粘着剤層2が伸び始めかつ方向付けられる。その結果、基材1が降伏し、これにより断面積が減少して伸び方向の剛化を受ける。この剛化効果が次に、応力を粘着テープ10と被着体15の界面に移行させ、図2(C)に示すように剥離が起こり、実質的に三軸応力が伴わず、そして粘着剤層2のフイラメント化は起こらない。
ここで、本発明の高度に伸長した粘着テープの低角度での剥離は、クラック生長の「シャープ」なタイプにより特徴付けられる。ガラス状材料の破壊のごとく、シャープなクラックが粘着剤組成物の体積の小さいクラック先端(ここで応力は消散する)に高い応力集中を生じさせる。クラック先端の高い応力集中によりいわゆる粘着剤組成物の脆性開裂破壊が生ずる。このような破壊は、典型的には小さい力(粘着剤組成物中で消散する低いエネルギー量のため)を伴って生じ、そして明らかに界面において発生する。
これに対して、より高い剥離角度、すなわち35度より大きい角度では、粘着テープの基材が延伸せず、そして粘着剤組成物はフイラメント化しそして凝集的に破壊される。ガラス性材料の破壊のごとく、「ブラント」クラックの生長がクレージングに続いて起こる。このモデルにおいては、粘着剤組成物で観察されるフイラメント化は、ガラス状材料に見られるクレージフイブリルと同様にエネルギー消散機構として起こる。エネルギー消散が大きくなるに従って、剥離に対する抵抗が大きくなり、そして粘着テープを剥離するために必要な力が高くなる。材料の体積が大きくなるに従って、エネルギー消散が大きくなり、そして前記のごとく応力が集中しなくなる。粘着剤組成物のフイラメントは、したがって、従来の技術において回避し得なかったように、凝集的に破壊し、被着体の表面に粘着剤組成物の残留物を残し、さもなければ、被着体の表面に損傷を生じさせる。なお、かかる特徴に関して、必要ならば特表平6−504077号公報(前出)の記載を参照されたい。
図1に示した粘着テープ10は、本発明の範囲内でいろいろに変更し、改良することができる。例えば、図3に示すように、基材1は、2種類のシート状支持体11及び12からなることができる。ここで、シート状支持体11及び12は、本発明の作用効果を損なわない限り、いろいろな基材から構成することができる。例えば、シート状支持体11を発泡プラスチックフィルムから構成し、それに一体的に積層されたシート状支持体12を別種のポリマーフィルム、例えば非発泡ポリマーフィルム(換言すると、中実のポリマーフィルム)から構成することができる。基材1の片面には、図示の通り、本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層2が施されている。また、基材1の端部には、タブ1aが形成されている。さらに、粘着剤層2は、粘着テープ10の保存性や取り扱い性を高めるために、本発明で“剥離層”という剥離紙(リリースライナー、剥離ライナーなどとも呼ばれる)3で被覆されている。このような片面粘着テープ10は、例えば、カレンダー、ポスター、フィルム等のシート状被着体を壁面に取り付け、固定する際などに有利に使用することができる。また、シート状被着体は、通常、片面粘着テープ10を備えて、被着構造体を構成することができる。
図4は、本発明による両面粘着テープの例である。図示のように、基材1は、シート状支持体11と、その両面に一体的に積層されたシート状支持体12a及び12bからなることができる。シート状支持体12a及び12bは、組成及び厚さが同一であってもよく、異なっていてもよい。また、これらのシート状支持体12a及び12bは、通常、シート状支持体11とは異なる材料から構成される。例えば、シート状支持体11を発泡ポリマーフィルムから構成し、その両側を中実のポリマーフィルムからなるシート状支持体12a及び12bで一体的にサンドイッチすることができる。もちろん、4層もしくはそれ以上の多層構造をこの基材1に適用することもできる。基材1の両側には、それぞれ、本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層2a及び2bが施されている。また、基材1の端部には、タブ1aが形成されている。さらに、粘着剤層2a及び2bは、それぞれ、粘着テープ10の保存性や取り扱い性を高めるために、本発明で“剥離層”という剥離紙3で被覆されている。このような両面粘着テープ10は、例えば、フックなどの被着体を壁面に取り付ける際などに有利に使用することができる。また、フックなどの被着体は、通常、両面粘着テープ10を備えて、接着構造体を構成することができる。
本発明による再剥離性粘着テープは、上記したように、基材、粘着剤層などを含んで構成される。以下、これらの構成成分について具体的に説明する。
本発明の粘着テープは、延伸可能な、換言すると、長手方向に引っ張られたときに所定の伸び率で伸長可能な基材を主材として有する。ここで使用し得る基材は、好ましくは、高伸張性ポリマーフィルムからなる。ここで、「高伸張性」とは、粘着テープ(基材)を長手方向に延伸させたときに、もとの長さを基準にして少なくとも約150%の伸びを生じるような性質を指している。本発明の実施に用いられる基材は、粘着テープの使途などによって変動可能であるが、通常、約50〜1,200%の伸びを生じることができる。基材の伸び率が50%を下回ると、本発明によるストレッチリリース効果をもはや得ることができなくなり、反対に、基材の伸び率が1,200%を上回ると、程よいタイミングで被着体から粘着テープを剥離することが困難になる。基材は、好ましくは、約150〜700%の伸びを生じることができ、さらに好ましくは、約350〜700%の伸びを生じることができる。
基材として使用可能な高伸張性ポリマーフィルムは、いろいろなポリマーフィルムを包含するけれども、好ましくは、以下に列挙するようなポリマーフィルム(1)〜(4)を単独で、あるいは2種以上を任意に組み合わせて、テープ基材として使用することができる。
(1)約50〜1,200%の長手方向の破断点伸び、延伸された後で約50%未満の弾性回復、及び約1,000〜72,500psi(すなわち、約6,894.7〜499,865.8KPa)のヤング率を有するポリマーフィルム(第1のポリマーフィルム)、
(2)発泡ポリマーフィルム(第2のポリマーフィルム)、
(3)約20N/15mm以下の降伏点応力又は比例限界点応力、約30N/15mm以上の引張り破断強さ、及び約150%以上の破断点伸びを有するポリマーフィルム(第3のポリマーフィルム)、及び
(4)熱可塑性ゴム及び接着形成性樹脂を含むポリマーフィルム(第4のポリマーフィルム)。
これらのあるいはその他のポリマーフィルムを2種以上組み合わせて使用する場合には、ポリマーフィルム全体を複合フィルム、積層フィルムなどの形で一体的に結合させて使用するのが好ましい。ポリマーフィルムの一体化方法は、特に限定されるものではなく、同時成形、接着剤による接合、加圧による接合などを挙げることができる。
さらに詳しく説明すると、ポリマーフィルム(1)〜(4)は、それぞれ、以下に記載する通りである。なお、それぞれのポリマーフィルムの組成や構成などは、特に断らない限り、その他のポリマーフィルムにも適用可能である。
第1のポリマーフィルムは、約50〜1,200%、好ましくは約150〜700%、さらに好ましくは約350〜700%の長手方向の破断点伸び、伸長後における約50%未満の弾性回復、好ましくは約30%未満の弾性回復、さらに好ましくは約20%未満の弾性回復、及び少なくとも約1,000psi(約6,894.7KPa)、好ましくは約2,500psi(約17,236.8KPa)、さらに好ましくは少なくとも約3,000psi(約20,684.1KPa)、但し約72,500psi(約499,865.8KPa)以下、好ましくは約50,000psi(約344,735KPa)以下、さらに好ましくは約5,000〜30,000psi(約34,473.5〜206,841KPa)のヤング率を有する高伸長性のポリマーフィルムである。このポリマーフィルムにおいて、そのヤング率が高過ぎれば、粘着テープを延伸するときに、きれいな剥離が起こるほど十分に粘着テープを伸長させることが非常に困難である。ヤング率が低すぎると、粘着テープがその塑性を失い、そしてゴム状となる。基材の破断点伸びは、粘着テープが接着されている被着体の表面から該テープが除去される前に基材が破壊されないほど十分に高くなければならない。基材の破断点伸びは、好ましくは少なくとも約4,000psi(約27,578.8KPa)、さらに好ましくは少なくとも約5,300psi(約36,541.9KPa)、そして最も好ましくは少なくとも約6,300psi(約43,436.6KPa)である。
このようなポリマーフィルムのために好適な材料の代表的な例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及び線状超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブチレン;ビニルコポリマー、例えばポリ塩化ビニル(可塑化されているもの及び可塑化されてないものの両方)、及びポリ酢酸ビニル;オレフィン系コポリマー、例えばエチレン/メタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、及びエチレン−プロピレンコポリマー;アクリルポリマー及びコポリマー;並びに、これらの混合物を包含する。任意に、塑性もしくは塑性及び弾性の材料、例えばポリプロピレン/ポリエチレン、ポリウレタン/ポリオレフィン、ポリウレタン/ポリカーボネート、ポリウレタン/ポリエステルなどを使用することもできる。これらのポリマーフィルムは、単層又は多層フィルム、不織フィルム、多孔性フィルム、発泡フィルムの形、及びこれらの組合せであることができる。ポリマーフィルムはまた、充填剤入りの材料、例えば充填剤入りのフィルム、例えば炭酸カルシウムが充填されたポリオレフィンであってもよい。ポリマーフィルムは、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンフィルムから選ばれ、最も好ましい材料は、線状低密度及び超低密度ポリエチレンフィルムである。
上記のようなポリマーフィルムは、任意の既知のフィルム形成法、例えば押出し法、同時押出し法、溶剤注型、発泡法、フェルト化法等により製造することができる。
また、このポリマーフィルムは、それが加工及び取り扱い可能なだけ十分な団結性を有する限り、いかなる厚さを有してもよく、厚さは、好ましくは約10〜250μmの範囲である。ポリマーフィルムの厚さが10μmを下回ると、もしも使用する粘着剤組成物に滲出性があった場合に、その粘着剤組成物の滲出を防止できない恐れがあるので、好ましくない。反対に、ポリマーフィルムの厚さが250μmを上回ると、被着体から粘着テープを剥離し、除去するため、所望とされるものより高い延伸力を必要とする傾向があり、このため除去が困難となる。好ましい範囲において、より薄いポリマーフィルムは、より厚いものに比べてより容易な除去をもたらす傾向がある。なお、このような第1のポリマーフィルムに関して、必要ならば特表平6−504077号公報(前出)の記載を参照されたい。
第2のポリマーフィルムは、発泡ポリマーフィルム、換言すると、ポリマー泡の層またはフィルムである。発泡ポリマーフィルムに好適な代表的な材料の例には、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及び線状超低密度ポリエチレンを含むポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブタジエンのようなポリオレフィン;ポリ塩化ビニル(可塑化されたもの、可塑化されていないものの両者を含む)およびポリ酢酸ビニルのようなビニル共重合体;エチレン/メタクリレート共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びエチレン/プロピレン共重合体のような、オレフィン系共重合体;アクリルポリマー及びアクリル共重合体;ポリウレタン;及び、これらの組合わせを包含する。いかなるプラスチック材料またはポリプロピレン/ポリエチレン、ポリウレタン/ポリオレフィン、ポリウレタン/ポリカーボネート、ポリウレタン/ポリエステルのようなプラスチック性でかつエラストマー性の材料の混合物、または配合物も、使用可能である。
発泡ポリマーフィルムは、一般に約2〜30lb./ft3(約32〜481kg/m3)の密度を有し、このような密度範囲の時、ポリマーフィルムの泡が引っ張られて、被着体からの粘着テープの剥離を好適に達成することができる。
特に好適な発泡ポリマーフィルムは、ポリオレフィン系の発泡フィルムである。このような発泡ポリマーフィルムで最も好ましいのは、米国マサチューセッツ州在のセキスイ(アメリカ)社、Voltek事業部製のポリオレフィンフォーム、商品名「Volextra(商標)」及び「Volara(商標)」、である。
必要ならば、このような発泡ポリマーフィルムに併用して、あるいは、特別な場合にはそれに代えて、非発泡の、すなわち、中実のポリマーフィルムを使用してもよい。このようなポリマーフィルムは、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンフィルムから選択されるが、最も好ましい材料は、線状低密度ポリエチレンフィルム及び線状超低密度ポリエチレンフィルムである。好ましいポリエチレンフィルムは、米国イリノイ州在のConsolidated Thermoplastics社製品、商品名「Maxilene(商標)200」である。
発泡ポリマーフィルムは、それが十分な加工性と取り扱い性とを有し、かつ被着体から粘着テープを剥離するための引張特性に係る所望の性能を与える限りにおいて、任意の厚さで使用することができる。この厚さは、通常、約10〜250μmの範囲であり、好ましくは、約10〜150μmの範囲である。なお、このような第2のポリマーフィルムに関して、必要ならば特表平9−502213号公報の記載を参照されたい。
第3のポリマーフィルムは、約20N/15mm以下の降伏点応力又は比例限界点応力、約30N/15mm以上の引張り破断強さ、及び約150%以上の破断点伸びを有するポリマーフィルムである。このポリマーフィルムは、薄手であり、高い弾性率を持ちながら、低い降伏力でかつ十分な伸長性があり、よって、粘着テープのテープ基材として使用した時に引き剥がし可能であり、カールの発生を生じることもない。このポリマーフィルムは、下記の物性:厚みに関係なく、約20N/15mm以下の降伏点応力又は比例限界点応力、任意の厚みにおいて、約30N/15mm以上の引張り破断強さ(破断強度)、そして約150%以上、特に約150〜1,500%の長手方向の破断点伸び(伸長性)を兼ね備えている。
このポリマーフィルムにおいて、その弾性率は、基材を引張する初期的な部分での応力であって、実質的に引張り剥離に伴う応力は基材の降伏点応力又は比例限界点応力と引張り角度による粘着力の和で構成される。したがって、高いヤング率の素材であっても降伏点や比例限界点が十分に低い素材であれば、適当な粘着剤組成物を組み合わせることで、使用者の要求に適合した引張力の粘着テープを提供することが可能となるばかりでなく、高いヤング率の素材は、同時に素材の剛性を伴うので、使用者にとってはより扱い易いこととなる。
また、このポリマーフィルムは、伸長後に50%以下の弾性回復を示すことが好ましい。すなわち、本発明の粘着テープの場合、それに使用した基材は、引張り剥離によって一度伸長させると、その弾性を失うことが好ましいからである。このポリマーフィルムのように、高度に伸長性でかつ高い破断強度を有すると、それを基材として粘着テープを作製した時に、その粘着テープを、ストレッチリリースしたいときに簡単にしかも被着面を傷めることなく延伸でき、リリース後に実質的に粘着剤の残留がないようにすることができる。
このようなポリマーフィルムの形成に有利に使用することのできるポリマーは、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(U−LLDPE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVA)などのポリビニル重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体(EEMA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのポリオレフィン系共重合体、アクリル重合体やスチレン−イソプレン−酢酸ビニル共重合体などのブロック共重合体、ポリオレフィン等の各種のサーモプラスチックエラストマー(TPE)などを包含する。ポリマーフィルムは、これらのポリマーの単独から形成してもよく、あるいは2種類以上のポリマーを混合して形成してもよい。
ポリマーフィルムは、上記したようなポリマーフィルムの単層からなっていてもよく、さもなければ、2枚もしくはそれ以上のポリマーフィルムが積層され、一体化している複合フィルムであってよい。後者の場合、その複合フィルムのなかの少なくとも1つの層に上述のポリマーフィルムが含まれていればよい。ただし、本発明で使用するポリマーフィルムの場合、その引張歪みが、2MPaの規定応力に対して10%以下であることが望ましい。これは、薄手の粘着テープとして仕上げた場合に、自背面(ロール状の形態のとき)あるいは剥離紙からの取り出し時に起きる曲げ応力によって生じる粘着テープのカールを防ぐために有効である。
上記したようなポリマーフィルムは、いろいろな形態のフィルムであることができる。適当なフィルムとしては、例えば、不織布のフィルム、織布のフィルム、多孔質のフィルム、気泡フィルムなどを挙げることができる。これらのフィルムは、必要に応じて、形態の異なるものを組み合わせて使用して、1つのポリマーフィルムとしてもよい。
このポリマーフィルムの厚さは、その使途などに応じて広い範囲で変更することができるというものの、通常、約10〜250μmの範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは、約30〜100μmの範囲である。ポリマーフィルムの厚さが10μmを下回ると、薄すぎて十分な引張り強度が保てない場合や、本発明の目的である実使用に耐え得る腰の強さを発揮できなくなり、もはや粘着テープの基材として機能しなくなる場合があり、反対に、250μmを上回ると、高い引張り強度のために、被着体から粘着テープを剥離する作業が実質的に困難となり、また、粘着テープを薄手とすることの効果も損なわれるようになる。
上記したポリマーフィルムは、ポリマーフィルムの作製に一般的に使用されている技法を使用して製造することができる。例えば、複合構造型のポリマーフィルムの場合には、第1及び第2のポリマーフィルムのそれぞれの原料ポリマーを適当なダイから同時に押し出し、引き続いて延伸することにより製造することができる。また、それぞれのポリマーフィルムを予め作製した後、それらを積層し、融着することによって一体化してもよい。場合によっては、それぞれのポリマーフィルムを接着剤などによって接合してもよい。なお、このような第3のポリマーフィルムに関して、必要ならば特開2002−167558号公報の記載を参照されたい。
さらにまた、第4のポリマーフィルムは、熱可塑性ゴム及び接着剤形成性樹脂を含むポリマーフィルム、すなわち、ゴム−樹脂系ポリマーフィルムである。ここで、ゴム成分は、無加硫で、必要なゴム弾性と凝集力をポリマーフィルムに対して付与するためのものである。熱可塑性ゴムとしては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体やスチレン−イソプレンブロック共重合体などを使用することができる。一方、樹脂成分は、種々の被着体に対する優れた接着性を実現するためのものである。接着剤形成性樹脂としては、例えば、エステル又は遊離酸として存在し得る天然もしくは合成の樹脂、例えばロジン誘導体、テルペン樹脂、テルペン−フェノール樹脂、合成石油樹脂などを使用することができる。これらの樹脂は、水素化、不均化又は二量化されていてもよい。
ポリマーフィルムは、必要に応じて、ポリマーフィルムの分野で一般的に使用されている添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線安定剤、着色剤などを含有することができる。
このようなポリマーフィルムの厚さは、広い範囲で変更することができるけれども、通常、約200〜600μmの範囲である。
ポリマーフィルムは、いろいろな手法に従って製造することができるけれども、一般的には、上述のようなゴム成分及び樹脂成分を例えばベンジンのような溶剤に溶解し、得られた高濃度溶液をアプリケータを使用して剥離紙などに塗工し、さらに乾燥することによって製造することができる。より簡単な方法としては、原料混合物を加熱混和し、約120〜160℃の温度で流延したり押出し成形する方法を挙げることができる。なお、このような第4のポリマーフィルムに関して、必要ならばドイツ特許公開公報第3331016号公報(前出)の記載を参照されたい。
上記したようなポリマーフィルムや本発明の実施において基材として有用なその他のポリマーフィルムは、本発明の範囲内でいろいろに変更したり、改良したりすることができる。例えば、ポリマーフィルムは、必要に応じて、そのフィルム中に有機もしくは無機の充填材が分散せしめられていてもよい。例えば、有機の充填材としては、ポリマーフィルムを構成するポリマーとは異なる樹脂材料を挙げることができる。また、無機の充填材としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカなどを挙げることができる。このような充填材は、フィルムの剛性をさらに向上させるため、あるいは降伏点を下げてフィルムの引張力を抑制するのに有用である。
ポリマーフィルム中に含まれる有機あるいは無機の充填材は、いろいろな形状及びサイズを有することができるというものの、球形粒子、針状結晶あるいはそれに類似の形状を有することが好ましく、また、そのサイズは、広く変更することができるというものの、通常、約1〜20μmの範囲である。例えば、針状のウィスカーの場合、比較的に微細なものが好ましく、その長さは、好ましくは、約1〜15μmの範囲であり、さらに好ましくは、約10μmの前後である。このような針状のウィスカーの直径は、通常、約0.1μmの前後である。ここで使用する充填材のサイズが1μmよりも小さいと、充填材の添加効果を得るために多量の充填材を使用することが必要となり、反対に20μmを上回ると、フィルムの形成やその他の所望とする効果に悪影響がでてくるおそれがある。
上記したような充填材は、任意に広い範囲の添加量でポリマーフィルム中に含ませることができるけれども、通常、約5〜50重量%の範囲で添加することが好ましい。充填材の添加量が5重量%よりも少ないと、その添加効果が発現せず、反対に50重量%を上回ると、フィルムの形成やその他の所望とする効果に悪影響がでるおそれがある。通常、約10重量%前後の添加量で充填材を使用することが好ましい。
また、ポリマーフィルムは、必要に応じて、任意の色に着色されていてもよい。着色されていることにより、最終的に得られる粘着テープの外観、取り扱い性などが改善されるからである。着色される色は、単色であってもよく、さもなければ、意匠性の改良などのため、2種類もしくはそれ以上の色の組み合わせであってもよい。また、基材が多層構造を有するような場合には、それを構成するポリマーフィルムの1枚もしくはそれ以上に任意に着色を行うことができる。
さらに、ポリマーフィルムは、粘着テープの基材としての使用に悪影響がでず、しかも追加の作用効果が期待されるような場合には、粘着テープの分野において必要に応じて組み込まれているようなその他の追加の層、例えば、強化層、クッション層、離型層などを有していてもよい。
粘着テープの基材は、上記したようなポリマーフィルムやその他の好適なポリマーフィルムを単層で使用してもよく、2層以上の多層構造体あるいは複合構造体として使用してもよい。多層構造体として使用する場合には、同種のポリマーフィルム等を積層してもよく、さもなければ、2種以上のポリマーフィルム等を任意に組み合わせて積層してもよく、また、それぞれの場合に、本発明でいう基材以外の別種の材料を得られる多層構造体の表面に積層したり、内部に挿入してもよい。
基材は、粘着テープの構成や使途などに応じていろいろな厚さで使用することができるけれども、一般的な厚さは、約10μm〜約30mmの範囲である。基材の厚さが10μmを下回ると、薄くなりすぎて粘着テープの製造が困難になるばかりか、粘着テープ自体の取り扱い性も低下する。反対に、基材の厚さが30mmを上回ると、得られる粘着テープが厚くなりすぎて取り扱い性が低下し、製造コストも増加し、使途も限られてくる。基材の厚さは、好ましくは、約10μm〜約10mmの範囲である。
基材は、そのままで使用してもよいけれども、その片面もしくは両面に補助粘着剤層をさらに有していてもよい。すなわち、基材がポリマーフィルムからなる場合、そのポリマーフィルムの片面もしくは両面に、粘着テープを構成する粘着材組成物と同一もしくは異なるタイプの粘着剤からなる補助粘着剤層を設けるのが好ましい。このように基材の片面もしくは両面に予め補助粘着剤層を設けておくことで、粘着剤層の接合効果や、被着体において糊残りや損傷が発生するのを防止する効果などをさらに高めることができる。
また、基材は、その表面に何らの処理を施さないで、補助粘着剤層や粘着剤層を形成してもよいけれども、両者の接着効果を高めるため、プライマ処理を予め施すことが好ましい。プライマ処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、火炎処理、電子ビーム照射、紫外線照射、プライマコートなどを挙げることができる。
本発明による粘着テープは、上記した基材と組み合わせて、その片面もしくは両面に本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有することを特徴とする。本発明の粘着剤組成物は、通常、少なくとも2種類の成分から構成される。本発明の実施には、凝集力のある第1の成分(凝集性成分)と、第2の成分(塩基性成分)を組み合わせて使用するのが有利であり、特に、これらの2種類の成分の混合物を少なくとも含む粘着剤組成物を使用するのが有利である。以下、それぞれの成分について説明する。
(1)第1の成分
第1の成分は、凝集性成分である。凝集性成分は、その主成分としてスチレン系ブロック共重合体を含有する。本発明の実施に有用なスチレン系ブロック共重合体は、例えば、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体などを包含する。
また、この凝集性成分は、上記したようなスチレン系ブロック共重合体に追加して、粘着付与剤を含有することができる。適当な粘着付与剤は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペン樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂、クマロン樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂などを包含する。
さらに加えて、第1の成分は、必要に応じて、その他の添加剤を含有することができる。適当な添加剤は、軟化剤、老化防止剤、紫外線吸収剤などである。例えば、軟化剤には、パラフィン系、ナフテン系又はフタル酸エステル系の軟化剤などがある。また、老化防止剤には、ヒンダードフェノール系又はヒンダードアミン系の酸化防止剤などがある。
(2)第2の成分
第2の成分は、塩基性成分である。塩基性成分は、その主成分として(メタ)アクリル系共重合体、好ましくは窒素含有(メタ)アクリル系共重合体を含有する。窒素含有(メタ)アクリル系共重合体は、いろいろなタイプの共重合体を包含することができるが、好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと窒素含有ビニルモノマーの共重合体である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと窒素含有ビニルモノマーの共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと窒素含有ビニルモノマーをいろいろな混合割合で共重合させて調製することができるが、この共重合体は、好ましくは、約45〜99.9重量部の(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び約0.1〜20重量部の窒素含有ビニルモノマーからなる。また、この窒素含有(メタ)アクリル系共重合体に対して、必要ならば、約20〜250℃のガラス転移点及びゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定された約2,000〜500,000の重量平均分子量を有するポリスチレンを0〜約30重量部の量でグラフトさせてもよい。混合した粘着剤組成物の溶液が、溶液状態において容易に上下2層に分離することがないからである。さらに、必要ならば、側鎖に反応性官能基をもったビニルモノマーを約0.1〜5重量部の量で共重合させてもよい。
具体的に説明すると、窒素含有(メタ)アクリル系共重合体の調製に使用することのできる(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、好ましくは、アルキル基の炭素数が約1〜11の(メタ)アクリル酸エステルである。このような(メタ)アクリル酸エステルの典型的な例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチルブチルエステル、(メタ)アクリル酸t−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸イソオクチルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸イソボロニルエステルなどである。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、窒素含有ビニルモノマーは、好ましくは、アミド基又は第三級アミノ基を有するビニルモノマーである。このような窒素含有ビニルモノマーの典型的な例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、N,N−ジメチルアクルルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾールなどである。これらの窒素含有ビニルモノマーは、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、上記したような窒素含有ビニルモノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合の時、いろいろな割合で共重合させることができるけれども、通常、約0.1〜20重量部の割合が好適である。なぜなら、このビニルモノマーの割合が0.1重量部を下回ると、被着体である軟質塩化ビニルなどに対する接着力が不十分になる恐れがあり、反対に20重量部を上回ると、第2の成分の共重合において、低分子量の(メタ)アクリレート系共重合体を生成してしまう恐れがあるからである。
本発明に従って窒素含有(メタ)アクリル系共重合体を調製するに当たっては、その(メタ)アクリル系共重合体にポリスチレンをグラフトさせることもできる。グラフト化のための簡便な1方法として、例えば、スチレンマクロマーを共重合させる方法を挙げることができる。なお、スチレンマクロマーの合成法の詳細は、特開昭59−75975号公報に記載されているので、ここでの詳細な説明を省略する。さらに、スチレンマクロマーは、東亜合成株式会社より「マクロモノマーAS−6S」(商品名)として商業的に入手可能である。もちろん、上記の方法以外を使用して、ポリスチレンをグラフトさせることもできる。
窒素含有(メタ)アクリル系共重合体の調製において、側鎖に反応性官能基をもったビニルモノマーを使用する場合、そのようなビニルモノマーとして、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマーあるいはその酸無水物、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基含有ビニルモノマーなどを使用することができる。カルボキシル基、水酸基等の極性基を有するこれらのビニルモノマーやアクリロイルベンゾフェノン等の光反応性基を有するビニルモノマーは、(メタ)アクリル系樹脂組成物に対して架橋反応点を付与してもよい。
また、架橋剤を併用して架橋反応点を始点とした架橋反応を惹起させてもよい。架橋剤としては、重合の化学において常用の架橋剤、例えば、多官能性エポキシ化合物、多官能性メラミン化合物、多官能性イソシアネート化合物、金属系架橋剤、多官能性アジリジン化合物などを使用することができる。あるいは、架橋剤を用いることなく、UV、EB等の放射線を用いて架橋反応を惹起させてもよい。
本発明の粘着剤組成物において、上記した第1及び第2の成分は、いろいろな割合で混合することができ、その混合割合が特に規定されるものではない。第1の成分と第2の成分の混合割合は、通常、約5:95〜約95:5(固形分比)の範囲であり、好ましくは、約25:75〜約90:10の範囲である。2種類の成分の混合割合がこの範囲内であれば、粘着テープを被着体から剥離し、除去する時、粘着剤の凝集力が充分に大きいために、被着体に糊残りが生じるといった問題や、高接着力のために被着体を傷つけるといった問題を無くすることができる。また、可塑剤を含んだ塩化ビニル系のシートや壁紙などに粘着テープを貼付して本発明の接着構造体を作製した場合であっても、可塑剤が粘着剤層にマイグレートしたことによって、粘着テープの凝集力や接着力が著しく低下せしめられることもない。
粘着剤層は、粘着テープの使途や構成に応じて、テープ基材の片面のみに施されている場合もあれば、テープ基材の両面に施されている場合もある。いずれの場合においても、粘着剤層は、粘着テープの使途や構成に応じてその厚さを広い範囲で変更することができる。粘着剤層の厚さは、通常、約10〜1,000μmの範囲であり、好ましくは、約10〜400μmの範囲であり、さらに好ましくは、約10〜200μmの範囲である。この好ましい厚さ範囲において、より厚い層は、より薄い層に比べて、粘着テープを容易に除去できるようにする傾向がある。これは常用の除去方法、例えば剥離角90度以上における剥離による除去とは対照的である。一般に、接着前のより厚い層は、より薄い層に比べて、粘着テープが180度の剥離角におけるより高い剥離力を示す傾向がある。本発明の粘着テープが35度未満の低い角度での延伸により除去される場合、粘着剤組成物は、テープ基材により拘束される傾向があり、有意に伸びるように強制される。これらの条件下で、粘着剤層(複数の場合には、それぞれの粘着剤層)が縮み、その断面積を減少させる。より薄い粘着剤層の断面積、すなわち厚さ×幅はすでに、より厚い粘着剤層のそれよい小さいから、応力、すなわち単位面積当りの力は、より厚い層におけるよりもより薄い層においてより大である。実際に、これは粘着剤組成物の剛化を導く。より剛性の強い層は変形に対するより高い抵抗性を示すから、剥離に必要な力はより大きくなる。
粘着剤層は、そのままで使用してもよいけれども、その層を剥離層、典型的には剥離紙(剥離ライナー、リリースライナーなどとも呼ばれる)で被覆した後に使用するのが好ましい。粘着剤層を剥離紙で被覆することによって粘着テープの取り扱い性が向上し、テープのロール化も可能になるからである。剥離紙としては、例えば、シリコーン化合物などで離型処理した紙やプラスチックフィルムなどを挙げることができる。
本発明による粘着テープは、感圧接着剤テープなどを製造するために従来一般的に使用されている任意の方法に従って製造することができる。例えば、粘着剤組成物を基材の片面もしくは両面に直接塗工することができ、あるいは粘着剤層を別の独立した層として形成し、次にその粘着剤層を基材に積層することができる。塗工法としては、例えば、ナイフコート法、ホットメルト法など、常用の技法を使用することができる。なお、上記したように、基材に対する粘着剤層の接着を改良するため、塗布段階又は積層段階に先立って基材の表面をプライマ処理することが推奨される。プライマ処理に代えて、その他の前処理を使用してもよい。このような前処理は、反応性化学接着促進剤、例えばヒドロキシエチルアクリレートもしくはヒドロキシエチルメタクリレート、又は低分子量の他の反応性種を用いて又は用いないで行なうことができる。基材はポリマーフィルムからなっているので、コロナ放電処理が一般に好ましい。
本発明による粘着テープは、上記したような注目すべき効果が期待されるので、軟質の物品から硬質の物品までを包含する各種の被着体に対して有利に適用し、また、したがって特性等にすぐれた接着構造体を提供することができる。例えば、本発明の粘着テープは、次のカテゴリーを含む多くの技術分野において有利に使用することができる。
(1)取付け用途、例えば、壁かけ、自動車のボデイ側部の形成、ハンドルグリップ等;
(2)標示用途、例えば、道路標識、自動車用マーキング、交通マーキング、反射シート等;
(3)結合用途、例えば、2個以上の容器、例えば箱の接着;
(4)閉止用途、例えば、容器の封止、例えば箱の封止、食品又は飲用品容器の封止等、おむつの閉止、外科用ドレープの閉止など;
(5)除去可能なラベル、例えばプライスラベル(値札)、又は容器上の標指ラベル、等;及び
(6)医学用途、例えば包帯、その他。
とりわけ有用な適用例として、本発明の粘着テープは、塩化ビニル系の被着体、特に塩化ビニル樹脂からなる被着体に対して有利に適用することができる。この被着体は、所定の形状を付与された成形体やその他の物品を包含する。好適な被着体は、例えば、シート体、すなわち、シート状あるいはフィルム状の物品、特に壁紙やそれに類する物品である。なぜなら、これらの物品は、通常、塩化ビニル系シートに代表されるように可塑剤を含有しており、従来の粘着テープでは、この可塑剤が粘着テープの接着性を低下させる大きな原因となっていたからである。本発明の粘着テープの場合、それを可塑剤を含有する塩化ビニル系シートやその他の同様なシートに貼付した場合、接着性に対して悪影響がでることがなく、また、ストレッチリリース性も安定に保持することができることが見い出された。本発明の粘着テープを使用すると、可塑剤を含有する塩化ビニル系壁紙に対して強固に貼付することができるばかりでなく、その壁紙から粘着テープを剥離して除去するとき、壁紙に損傷などを与えることなく剥離作業を行なうことができる。
さらに加えて、本発明者らは、上記した第1の成分(凝集性成分)及び第2の成分(塩基性成分)の改良を通じて本発明の粘着テープを作製した場合、その粘着テープは、表面の凹凸模様が顕著な壁紙、シート、フィルムなどや、モルタル壁、リシン仕上げ壁、コンクリート壁などの、表面に顕著な凹凸模様を備えているかもしくは表面に粗面加工が施されているいろいろなタイプの被着体に対しても有利に適用することができるということを発見した。本発明の粘着テープを使用すると、表面に著しい凹凸模様をもった被着体に対して強固に貼付することができるばかりでなく、被着体から粘着テープを剥離して除去するとき、被着体に損傷などを与えることなく剥離作業を行なうことができる。
すなわち、本発明の粘着テープでは、その第2の成分を構成する窒素含有(メタ)アクリル系共重合体ととして(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はその誘導体と窒素含有ビニルモノマーの共重合体を使用するとともに、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、(メタ)アクリル酸イソオクチルエステル及び(メタ)アクリル酸ブチルエステルを含むように構成した場合、特異的に凹凸の顕著な壁紙に有利に適用することができる。特に最近では、表面の凹凸が顕著な壁紙を含めて、意匠性の観点から多様な表面形状を有している壁紙が多く市販されているので、本発明の粘着テープの利用可能性は大である。
(メタ)アクリル酸イソオクチルエステルと(メタ)アクリル酸ブチルエステルは、いろいろな比率で使用し、共重合させることができるけれども、一般的には約80:20〜約0:100の比率で使用することが好ましい。
また、本発明の粘着テープでは、その第1の成分として使用するスチレン系ブロック共重合体に対して共役二重結合を有するエラストマーをさらに加えることによって、凝集力を低下させることなく、接着力を改善できる。ここで追加的に使用する共役二重結合を有するエラストマーは、各種のエラストマーを包含するけれども、好ましくは、ポリブタジエン、ポリイソプレン又はその組み合わせである。これらのエラストマーは、高分子量であることが望ましく、その分子量は、通常約1,000〜2,000,000の範囲であり、好ましくは約1,000〜1,000,000の範囲である。高分子量のエラストマーを凝集性成分に添加した場合、例えば、プロセスオイルの使用を省略できるという効果がある。
言うまでもないことであるけれども、本発明の粘着テープは、ガラス、セラミック、タイル、プラスチック、コンクリート、木材(コーティングされた木材や、積層板、パーティクルボードなども含む)、石材、金属材料などの各種の軟質もしくは硬質材料から形成された被着体に対しても有利に適用することができる。さらに加えて、このような被着体は、キッチン、バスルーム等、通常高められた温度及び湿度に曝される場所(換言すると、湿熱環境下)で使用されることが多いが、そのような被着体に対して本発明の粘着テープを貼付した場合でも、その粘着テープの接着性、ストレッチリリース性等が損なわれるようなことはない。なお、特開2000−38555号公報には、耐湿熱性にすぐれた感圧接着シートが提案されているが、これは、基材の改良を通じてガラス、タイルなどのSiO2 を主成分とした無機質材料からなる硬質被着体に適用可能となしたものであり、軟質の被着体に適用した場合には所期の効果を得ることができない。
引き続いて、本発明をその実施例を参照して説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
最初に、下記の調製例において使用した出発物質の略号についてまとめて説明すると、下記の通りである。
EA: アクリル酸エチル
BA: アクリル酸ブチル
IOA: イソオクチルアクリレート
DMAEA: ジメチルアミノエチルアクリル酸エステル
Vim: 1−ビニルイミダゾール
AA: アクリル酸
StyM: スチレンマクロマー
特開昭59−75975号公報の14頁右上欄、モノマー「C−3」に記載の手法に従って、下記の性状及び構造式を有するスチレンマクロマーを調製した。
(性状)メタクリレート末端ポリスチレン/シクロヘキサンの50重量%溶液
重量平均分子量=13,000(GPCによる)
(構造式)CH2=C(CH3)C(=O)-O-CH2CH2-(ポリスチレン)-CH2CH2CH2CH3
ADVN: 2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(アゾ系重合開始剤)
AsapreneTM411: スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(旭化成株式会社製)
AsapreneTM1205: スチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成株式会社製)
PiccolyteTMA−135: 粘着付与剤(Hercules Chemical Co.)
FinapreneTM411: スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(Fina Oil and Chemical Co.)
FinapreneTM1205: スチレン−ブタジエンブロック共重合体(Fina Oil and Chemical Co.)
Nipol BR1220SG(商品名): ポリブタジエンゴム(日本ゼオン社製)
IrganoxTM1330: フェノール系酸化防止剤(Ciba Specialty chemicals Co.)
ShellflexTM371N: ナフテン系油(Shell Chemical Co.)
タフテックTMM1913: 酸変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(旭化成株式会社製)
SeptonTM1001: スチレン−エチレン・プロピレンブロック共重合体(クラレ社製)
AlkonP−90(商品名): 粘着付与剤(荒川化学工業社製)
ダイアナプロセスオイルPW−32(商品名): パラフィン系プロセス油(出光興産社製)
また、これらの出発物質の使用量(「部」)は、特に断らない限り「重量部」である。
調製例1
アクリル系共重合体の調製
下記の第1表に記載するように、81部のアクリル酸エチル、12部のアクリル酸ブチル、5部の1−ビニルイミダゾール、2部のアクリル酸及び233.3部の酢酸エチルを耐圧ガラス瓶に仕込んだ。次いで、0.2部の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を重合開始剤として投入して。ガラス瓶に取り付けた不活性ガス導入管から10分間にわたって窒素ガスを導入し、系内を窒素ガスで置換した。窒素ガスで置換した後ただちに、ガラス瓶の蓋を閉じ、50℃の恒温水槽中で20時間にわたって重合を実施した。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、1.19dl/gであった。
調製例2
アクリル系共重合体の調製
前記調製例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、下記の第1表に記載するように出発物質の変更を行った。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、1.42dl/gであった。
調製例3
アクリル系共重合体の調製
前記調製例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、下記の第1表に記載するように出発物質の変更を行った。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、0.95dl/gであった。
調製例4
アクリル系共重合体の調製
前記調製例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、下記の第1表に記載するように出発物質の変更を行い、かつ溶剤として、酢酸エチルに代えてトルエンを使用した。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、0.73dl/gであった。
調製例5
アクリル系共重合体の調製
前記調製例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、下記の第1表に記載するように出発物質の変更を行い、かつ溶剤として、酢酸エチルに代えて酢酸エチルとトルエンの混合溶剤を使用した。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、0.71dl/gであった。
Figure 2005194525
調製例6
スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物の調製
13.453部のAsapreneTM411、7.249部のAsapreneTM1205、20.681部のPiccolyteTMA−135、0.414部のIrganoxTM1330及び58.204部のトルエンをガラス瓶に仕込み、室温で一晩攪拌した。スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物のシロップ状溶液が得られた。
調製例7
スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物の調製
13.176部のAsapreneTM411、7.095部のAsapreneTM1205、20.070部のPiccolyteTMA−135、2.027部のShellflexTM371N、0.405部のIrganoxTM1330及び57.027部のトルエンをガラス瓶に仕込み、室温で一晩攪拌した。スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物のシロップ状溶液が得られた。
調製例8
スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物の調製
7.500部のタフテックTMM1913、2.500部のSeptonTM1001、15.000部のAlkonP−90、5.000部のダイアナプロセスオイルPW−32、14.000部のイソプロピルアルコール(IPA)及び56部のトルエンをガラス瓶に仕込み、室温で一晩攪拌した。スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物のシロップ状溶液が得られた。
実施例1
粘着シートの作製
粘着シート1:
下記の第2表に記載のように、前記調製例3で得たアクリル系樹脂組成物の溶液(固形分20部)に対して、前記調製例6で得たシロップ状樹脂組成物溶液(固形分80部)及びアジリジン系架橋剤(イソフタロイルビス−2−メチルアジリジン;固形分0.1部)を混合して粘着剤溶液を調製した。得られた粘着剤溶液を剥離紙(シリコーン被覆PETフィルム)上にナイフコータ−で塗布し、100℃のオーブン中で20分間乾燥させた。粘着剤層の厚さが70μmである剥離紙付きの粘着シート1が得られた。
粘着シート5:
下記の第2表に記載のように、前記調製例7で得たシロップ状樹脂組成物溶液(固形分100)剥離紙(シリコーン被覆PETフィルム)上にナイフコータ−で塗布し、100℃のオーブン中で20分間乾燥させた。粘着剤層の厚さが70μmである剥離紙付きの粘着シート5が得られた。
両面粘着テープの作製
本例では、図4に模式的に示すような層構成を有する両面粘着テープを作製した。すなわち、下記の第3表に示すように、得られる両面粘着テープ10において、基材1の片面に施された粘着剤層2aが粘着シート1の粘着剤層に由来し、また、粘着剤層2bが粘着シート5の粘着剤層に由来する。
まず、基材を作製するため、コア層となる厚さ800μmの発泡ポリマーフィルム(VolaraTM6EO、セキスイ(アメリカ)社製)及び表層となる厚さ50μmの中実ポリマーフィルム(XMAXTM161.1、Consolidated Thermoplastics Co.)を用意した。中実ポリマーフィルムを発泡ポリマーフィルムの両面に積層し、熱融着させた。
上記のようにして基材を作製した後、その両面にコロナ放電処理を施し、さらにプライマを塗布した。ここで使用したプライマは、反応型合成樹脂系プライマ、商品名「K−500」(3M社製)であった。プライマ処理の後、基材の片面に粘着シート1を貼り合せて剥離紙3a付きの粘着剤層2aを形成し、一方、基材の反対の面に粘着シート5を貼り合せて剥離紙3b付きの粘着剤層2bを形成した(図4)。
得られた両面粘着テープを幅15mm及び長さ65mmに裁断し、さらに端部の粘着剤層を長さ15mmについて除去してタブを構成した。図4に示したような層構成をもった両面粘着テープが得られた。なお、本例では、この粘着テープを他の例で作製した粘着テープと区別するため、「両面粘着テープ1」と呼ぶ。
[評価試験]
1.90°剥離試験(接着力試験)
厚さ2.0mmの軟質塩化ビニル樹脂シート(商品名「XP−103」、三菱化学社製)を被着体として用意し、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、上記のようにして作製した粘着シート1を厚さ50μmのPETフィルムに貼り合わせ、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルを作製した。
この試験サンプルの90°剥離試験を次のように実施した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルを貼付した。室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルの上で2kgのゴムローラーを1往復させ、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、下記のような異なる条件で養生を行った。
1)23℃で24時間
2)65℃で12時間
3)65℃で3日間
養生の完了後、測定温度23℃で、それぞれの試験サンプルを剥離角90°で300mm/分の引っ張り速度で引っ張り、被着体から剥離した。剥離に要した力(接着力)を測定したところ、下記の第4表に記載のような測定結果が得られた。
2.せん断保持力試験
厚さ2.0mmの軟質塩化ビニル樹脂シート(商品名「XP−103」、三菱化学社製)及び厚さ2mmの軟質塩化ビニル製壁紙(商品名「TC−2399」、テスコ社製)を被着体として用意し、それぞれ、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、上記のようにして作製した両面粘着テープ1をそのまま、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルとして使用した。
この試験サンプルのせん断保持力試験を次のように実施した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルの粘着剤層(粘着シート5の粘着剤層、図4の粘着剤層2bを参照)を貼付した。試験サンプルのもう1つの粘着剤層(粘着シート1の粘着剤層、図4の粘着剤層2aを参照)には、その面から剥離紙を取り除いた後、幅16mm×長さ50mmのポリスチレン板を貼り付けた。
次いで、室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルに対して5kgの荷重を30秒間にわたって印加して、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、40℃のオーブン内で1時間の養生を行った。
養生の完了後、40℃のオーブン内で、ポリスチレン板の長手方向に1.0kgの荷重を吊り下げた。両面粘着テープでそれぞれの被着体を保持できる時間を測定したところ、下記の第4表に記載のような測定結果が得られた。
3.引っ張り剥離試験
図5に示すように、厚さ2.0mmの軟質塩化ビニル樹脂シート(商品名「XP−103」、三菱化学社製)及び厚さ2mmの軟質塩化ビニル製壁紙(商品名「TC−2399」、テスコ社製)を被着体52として用意し、それぞれ、ステンレス鋼板51に接着剤で裏打ちした。一方、上記のようにして作製した両面粘着テープ1(図5の参照番号10)をそのまま、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルとして使用した。
この試験サンプルの引っ張り剥離試験を図5に模式的に示すようにして実施した。
被着体52を試験装置に固定した後、その被着体に試験サンプルの粘着剤層(粘着シート5の粘着剤層、図5の粘着剤層2bを参照)を貼付した。室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルの上で10kgのステンレス鋼製ローラーを1往復させ、被着体に対して試験サンプルを圧着した。
次いで、試験サンプルのもう1つの粘着剤層(粘着シート1の粘着剤層、図5の粘着剤層2aを参照)には、その面から剥離紙を取り除いた後、幅16mm×長さ50mmのポリスチレン板を貼り付けた。その後、23℃で7日間の養生を行った。
養生の完了後、図5に示すように、試験サンプルのタブ1aをつまんで、2°方向に引っ張り、剥離強度を測定するとともに、剥離形態も観察した。下記の第5表に記載のような試験結果が得られた。
実施例2
前記実施例1に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ2」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート2及び粘着シート5をそれぞれ下記の第2表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第3表に記載の層構成で両面粘着テープ2を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ2から試験サンプルを作製し、前記実施例1に記載の手順に従って、90°剥離試験(この試験の場合、粘着シート2から試験サンプルを作製)、せん断保持力試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第4表及び第5表に記載のような試験結果が得られた。
比較例1
前記実施例1に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ3」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート3及び粘着シート5をそれぞれ下記の第2表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第3表に記載の層構成で両面粘着テープ3を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ3から試験サンプルを作製し、前記実施例1に記載の手順に従って、90°剥離試験(この試験の場合、粘着シート3から試験サンプルを作製)、せん断保持力試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第4表及び第5表に記載のような試験結果が得られた。
比較例2
前記実施例1に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ4」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート4及び粘着シート5をそれぞれ下記の第2表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第3表に記載の層構成で両面粘着テープ4を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ4から試験サンプルを作製し、前記実施例1に記載の手順に従って、90°剥離試験(この試験の場合、粘着シート4から試験サンプルを作製)、せん断保持力試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第4表及び第5表に記載のような試験結果が得られた。
比較例3
前記実施例1に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ5」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート5及び粘着シート5をそれぞれ下記の第2表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第3表に記載の層構成で両面粘着テープ5を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ5から試験サンプルを作製し、前記実施例1に記載の手順に従って、90°剥離試験(この試験の場合、粘着シート5から試験サンプルを作製)、せん断保持力試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第4表及び第5表に記載のような試験結果が得られた。
比較例4
前記実施例1に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ6」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート6及び粘着シート5をそれぞれ下記の第2表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第3表に記載の層構成で両面粘着テープ6を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ6から試験サンプルを作製し、前記実施例1に記載の手順に従って、90°剥離試験(この試験の場合、粘着シート6から試験サンプルを作製)、せん断保持力試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第4表及び第5表に記載のような試験結果が得られた。
比較例5
前記実施例1に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ7」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート7及び粘着シート5をそれぞれ下記の第2表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第3表に記載の層構成で両面粘着テープ7を作製した。
Figure 2005194525
Figure 2005194525
Figure 2005194525
Figure 2005194525
上記した第4表及び第5表に記載の試験結果から理解されるように、本発明の両面粘着テープは、90°剥離試験及びせん断保持力試験によって示される接着力と、せん断剥離試験及び引っ張り剥離試験によって示される凝集力とをバランスよく同時に発現することができるので、優れた再剥離性粘着テープであると評価することができる。
試験例1
本例では、前記実施例1及び前記比較例2〜4において実施した評価試験の変形として、湿熱養生処理を行った後、90°剥離試験(接着力試験)及びせん断保持力試験を実施した。試験サンプルの作製に使用した粘着シート及び両面粘着テープは、それぞれ、前記実施例1ならびに前記比較例1〜3及び5で作製したものである。なお、90°剥離試験及びせん断保持力試験は、試験に際して湿熱条件を適用した相違点を除いて、基本的には前記実施例1に記載した手順で実施した。
1.90°剥離試験(接着力の耐湿熱性の評価)
厚さ1mmのスライドガラス(商品名「S−1126」、松浪硝子株式会社製)及び厚さ2mmのPP(ポリプロピレン)板(商品名「ディアライトPEX−2」、共栄樹脂株式会社製)を被着体として用意し、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、下記の第6表に記載するように、前記実施例1ならびに前記比較例1〜3及び5のそれぞれで作製した粘着シートを厚さ50μmのPETフィルムに貼り合わせ、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルを作製した。
それぞれの試験サンプルの90°剥離試験を次のように実施した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルを貼付した。室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルの上で2kgのゴムローラーを1往復させ、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、下記のような異なる条件で養生を行った。
1)23℃で24時間
2)50℃/95%RHで3日間
養生の完了後、室温に取り出した20分後に、測定温度23℃で、それぞれの試験サンプルを剥離角90°で300mm/分の引っ張り速度で引っ張り、被着体から剥離した。剥離に要した力(接着力)を測定したところ、下記の第6表に記載のような測定結果が得られた。
Figure 2005194525
2.せん断保持力試験(せん断保持力の耐湿熱性の評価)
厚さ5mmのタイル(商品名「SOシリーズ」、ダントー社製)及び厚さ2mmのPP(ポリプロピレン)板(商品名「ディアライトPEX−2」)を被着体として用意し、それぞれ、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、下記の第7表に記載するように、前記実施例1ならびに前記比較例1〜3及び5のぞれぞれで作製した両面粘着テープをそのまま、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルとして使用した。
この試験サンプルのせん断保持力試験を次のように実施した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルの粘着剤層(一方の粘着シートの粘着剤層、図4の粘着剤層2bを参照)を貼付した。試験サンプルのもう1つの粘着剤層(他方の粘着シートの粘着剤層、図4の粘着剤層2aを参照)には、その面から剥離紙を取り除いた後、幅16mm×長さ50mmのポリスチレン板を貼り付けた。
次いで、室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルに対して5kgの荷重を30秒間にわたって印加して、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、50℃及び95%RH(相対湿度)のオーブン内で1時間の養生を行った。
養生の完了後、50℃及び95%RHのオーブン内で、ポリスチレン板の長手方向に1.0kgの荷重を吊り下げた。両面粘着テープでそれぞれの被着体を保持できる時間を測定したところ、下記の第7表に記載のような測定結果が得られた。
Figure 2005194525
上記第6表及び第7表に記載の測定結果から理解できるように、本発明の両面粘着テープは、通常の使用条件下ではもちろんのこと、湿熱条件にさらされた後でも依然として良好な特性を維持することができる。
試験例2
本例では、前記実施例1及び前記比較例2〜4において実施した評価試験の変形として、板材、アクリル板及びステンレス鋼板を被着体として使用した時の90°剥離試験(接着力試験)及びせん断保持力試験を前記実施例1に記載した手順で実施した。試験サンプルの作製に使用した粘着シート及び両面粘着テープは、それぞれ、前記実施例1及び前記比較例3で作製したものである。
1.90°剥離試験
厚さ9mmの板材、厚さ2mmのアクリル板(PMAA)(商品名「アクリライトL−001」、三菱レイヨン社製)及び厚さ0.8mmのステンレス鋼板(SUS−304、JFEスチール社製)を被着体として用意し、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、前記実施例1及び前記比較例3のそれぞれで作製した粘着シートを厚さ50μmのPETフィルムに貼り合わせ、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルを作製した。
それぞれの試験サンプルの90°剥離試験を次のように実施した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルを貼付した。室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルの上で2kgのゴムローラーを1往復させ、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、23℃で24時間にわたって養生を行った。養生の完了後、測定温度23℃で、それぞれの試験サンプルを剥離角90°で300mm/分の引っ張り速度で引っ張り、被着体から剥離した。剥離に要した力(接着力)を測定したところ、下記の第8表に記載のような測定結果が得られた。
Figure 2005194525
2.せん断保持力試験(せん断保持力の耐熱性の評価)
厚さ9mmの板材、厚さ2mmのアクリル板(PMAA)(商品名「アクリライトL−001」)及び厚さ0.8mmのステンレス鋼板(SUS−304)を被着体として用意し、それぞれ、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、前記実施例1及び前記比較例3のそれぞれで作製した両面粘着テープをそのまま、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルとして使用した。
この試験サンプルのせん断保持力試験を次のように実施した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルの粘着剤層(一方の粘着シートの粘着剤層、図4の粘着剤層2bを参照)を貼付した。試験サンプルのもう1つの粘着剤層(他方の粘着シートの粘着剤層、図4の粘着剤層2aを参照)には、その面から剥離紙を取り除いた後、幅16mm×長さ50mmのポリスチレン板を貼り付けた。
次いで、室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルに対して5kgの荷重を30秒間にわたって印加して、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、40℃のオーブン内で1時間の養生を行った。
養生の完了後、40℃のオーブン内で、ポリスチレン板の長手方向に1.0kgの荷重を吊り下げた。両面粘着テープでそれぞれの被着体を保持できる時間を測定したところ、下記の第9表に記載のような測定結果が得られた。
Figure 2005194525
上記第8表及び第9表に記載の測定結果から理解できるように、板材、アクリル板、ステンレス鋼板のような一般的な素材からなる被着体について見た場合、せん断保持力については変化が認められず、また、本発明の両面粘着テープの接着力は、従来のそれに比較してそれほど劣るものではない。
調製例9
アクリル系共重合体の調製
下記の第10表に記載するように、34.5部のアクリル酸イソオクチル、35部のアクリル酸ブチル、40部(固形分20部)のメタクリレート末端ポリスチレン/シクロヘキサン50wt%溶液、10部の1−ビニルイミダゾール、0.5部のアクリル酸及び165.7部の酢酸エチルを耐圧ガラス瓶に仕込んだ。次いで、0.15部の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を重合開始剤として投入した後、ガラス瓶に取り付けた不活性ガス導入管から10分間にわたって窒素ガスを導入し、系内を窒素ガスで置換した。窒素ガスで置換した後ただちに、ガラス瓶の蓋を閉じ、50℃の恒温水槽中で20時間にわたって重合を実施した。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、1.08dl/gであった。
調製例10
アクリル系共重合体の調製
前記調製例9に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、下記の第10表に記載するように出発物質の変更を行った。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、1.22dl/gであった。
調製例11
アクリル系共重合体の調製
前記調製例9に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、下記の第10表に記載するように出発物質の変更を行った。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、1.07dl/gであった。
Figure 2005194525
調製例12
スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物の調製
12.990部のFinapreneTM411、9.098部のFinapreneTM1205、3.900部のNipolBR1220SG、25.988部のPiccolyteTMA−135、0.520部のIrganoxTM1330及び97.500部のトルエンをガラス瓶に仕込み、室温で一晩攪拌した。スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物のシロップ状溶液が得られた。
調製例13
スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物の調製
13.000部のFinapreneTM411、13.000部のFinapreneTM1205、25.980部のPiccolyteTMA−135、1.313部のShellflexTM371N、0.520部のIrganoxTM1330及び97.500部のトルエンをガラス瓶に仕込み、室温で一晩攪拌した。スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物のシロップ状溶液が得られた。
実施例3
粘着シートの作製
粘着シート8:
下記の第11表に記載のように、前記調製例10で得たアクリル系樹脂組成物の溶液(固形分20部)に対して、前記調製例13で得たシロップ状樹脂組成物溶液(固形分80部)及びアジリジン系架橋剤(イソフタロイルビス−2−メチルアジリジン;固形分0.04部)を混合して粘着剤溶液を調製した。得られた粘着剤溶液を剥離紙(シリコーン被覆PETフィルム)上にナイフコータ−で塗布し、100℃のオーブン中で20分間乾燥させた。粘着剤層の厚さが70μmである剥離紙付きの粘着シート8が得られた。
両面粘着テープの作製
本例では、図4に模式的に示すような層構成を有する両面粘着テープを作製した。すなわち、下記の第12表に示すように、得られる両面粘着テープ10において、基材1の片面に施された粘着剤層2a及び粘着剤層2bがそれぞれ粘着シート8の粘着剤層に由来する。
まず、基材を作製するため、コア層となる厚さ800μmの発泡ポリマーフィルム(VolaraTM6EO、セキスイ(アメリカ)社製)及び表層となる厚さ50μmの中実ポリマーフィルム(XMAXTM161.1、Consolidated Thermoplastics Co.)を用意した。中実ポリマーフィルムを発泡ポリマーフィルムの両面に積層し、熱融着させた。
上記のようにして基材を作製した後、その両面にコロナ放電処理を施し、さらにプライマを塗布した。ここで使用したプライマは、反応型合成樹脂系プライマ、商品名「K−500」(3M社製)であった。プライマ処理の後、基材の片面に粘着シート8を貼り合せて剥離紙3a付きの粘着剤層2aを形成するとともに、基材の反対の面にも粘着シート8を貼り合せて剥離紙3b付きの粘着剤層2bを形成した(図4)。
得られた両面粘着テープを幅15mm及び長さ65mmに裁断し、さらに端部の粘着剤層を長さ15mmについて除去してタブを構成した。図4に示したような層構成をもった両面粘着テープが得られた。なお、本例では、この粘着テープを他の例で作製した粘着テープと区別するため、「両面粘着テープ8」と呼ぶ。
[評価試験]
1.せん断保持力試験
下記の手法に従い、せん断保持力試験1及び2を実施した。
せん断保持力試験1:
厚さ2.0mmの軟質塩化ビニル樹脂シート(商品名「XP−103」、三菱化学社製)を被着体として用意し、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、上記のようにして作製した両面粘着テープ8をそのまま、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルとして使用した。
この試験サンプルのせん断保持力試験を次のように実施した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルの粘着剤層(粘着シート8の粘着剤層、図4の粘着剤層2bを参照)を貼付した。試験サンプルのもう1つの粘着剤層(粘着シート8の粘着剤層、図4の粘着剤層2aを参照)には、その面から剥離紙を取り除いた後、幅16mm×長さ50mmのポリスチレン板を貼り付けた。
次いで、室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルに対して5kgの荷重を30秒間にわたって印加して、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、40℃のオーブン内で1時間の養生を行った。
養生の完了後、40℃のオーブン内で、ポリスチレン板の長手方向に1.0kgの荷重を吊り下げた。両面粘着テープで被着体を保持できる時間を測定したところ、下記の第13表に記載のような測定結果が得られた。
せん断保持力試験2:
厚さ2mmで表面の凹凸が激しい軟質塩化ビニル製壁紙(商品名「TC−2063」、テスコ社製)を被着体として用意し、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、上記のようにして作製した両面粘着テープ8をそのまま、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルとして使用した。
この試験サンプルのせん断保持力試験を次のように実施した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルの粘着剤層(粘着シート8の粘着剤層、図4の粘着剤層2bを参照)を貼付した。試験サンプルのもう1つの粘着剤層(粘着シート8の粘着剤層、図4の粘着剤層2aを参照)には、その面から剥離紙を取り除いた後、幅16mm×長さ50mmのポリスチレン板を貼り付けた。
次いで、室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルに対して10kgの荷重を30秒間にわたって印加して、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、40℃のオーブン内で1時間の養生を行った。
養生の完了後、40℃のオーブン内で、ポリスチレン板の長手方向に3.0kgの荷重を吊り下げた。両面粘着テープで被着体を保持できる時間を測定したところ、下記の第13表に記載のような測定結果が得られた。
2.90°剥離試験(接着力試験)
厚さ2.0mmの軟質塩化ビニル樹脂シート(商品名「XP−103」、三菱化学社製)を被着体として用意し、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、上記のようにして作製した粘着シート8を厚さ50μmのPETフィルムに貼り合わせ、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルを作製した。
この試験サンプルの90°剥離試験を次のように実施した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルを貼付した。室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルの上で2kgのゴムローラーを1往復させ、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、下記のような異なる条件で養生を行った。
1)23℃で24時間
2)65℃で12時間
3)65℃で3日間
養生の完了後、測定温度23℃で、それぞれの試験サンプルを剥離角90°で300mm/分の引っ張り速度で引っ張り、被着体から剥離した。剥離に要した力(接着力)を測定したところ、下記の第14表に記載のような測定結果が得られた。
3.引っ張り剥離試験
図5に示すように、厚さ2mmで表面の凹凸が激しい軟質塩化ビニル製壁紙(商品名「TC−2063」、テスコ社製)及び厚さ2mmの軟質塩化ビニル製壁紙(商品名「TC−2399」、テスコ社製)を被着体52として用意し、それぞれ、ステンレス鋼板51に接着剤で裏打ちした。一方、上記のようにして作製した両面粘着テープ8(図5の参照番号10)をそのまま、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルとして使用した。
この試験サンプルの引っ張り剥離試験を図5に模式的に示すようにして実施した。
被着体52を試験装置に固定した後、その被着体に試験サンプルの粘着剤層(粘着シート8の粘着剤層、図5の粘着剤層2bを参照)を貼付した。室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルの上で10kgのステンレス鋼製ローラーを1往復させ、被着体に対して試験サンプルを圧着した。
次いで、試験サンプルのもう1つの粘着剤層(粘着シート8の粘着剤層、図5の粘着剤層2aを参照)には、その面から剥離紙を取り除いた後、幅16mm×長さ50mmのポリスチレン板を貼り付けた。その後、23℃で7日間の養生を行った。
養生の完了後、図5に示すように、試験サンプルのタブ1aをつまんで、2°方向に引っ張り、剥離強度を測定するとともに、剥離性も観察した。下記の第14表に記載のような試験結果が得られた。
実施例4
前記実施例3に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ9」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート9を下記の第11表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第12表に記載の層構成で両面粘着テープ9を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ9から試験サンプルを作製し、前記実施例3に記載の手順に従って、せん断保持力試験1及び2、90°剥離試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第13表及び第14表に記載のような試験結果が得られた。
実施例5
前記実施例3に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ10」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート10を下記の第11表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第12表に記載の層構成で両面粘着テープ10を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ10から試験サンプルを作製し、前記実施例3に記載の手順に従って、せん断保持力試験1及び2、90°剥離試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第13表及び第14表に記載のような試験結果が得られた。
実施例6
前記実施例3に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ11」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート11を下記の第11表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第12表に記載の層構成で両面粘着テープ11を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ11から試験サンプルを作製し、前記実施例3に記載の手順に従って、せん断保持力試験1及び2、90°剥離試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第13表及び第14表に記載のような試験結果が得られた。
Figure 2005194525
Figure 2005194525
Figure 2005194525
上記した第13表に記載の試験結果から理解されるように、両面粘着テープ8〜11はいずれも、表面が平滑な軟質塩化ビニル樹脂及び凹凸表面の壁紙に対して良好に接着することができる。さらに加えて、両面粘着テープ10及び11は、表面の凹凸が著しい壁紙に対しても良好に接着することができ、かつ優れた保持性能を呈示することができる。
Figure 2005194525
上記した第13表及び第14表に記載の試験結果から理解されるように、特に両面粘着テープ10及び11は、90°剥離試験及びせん断保持力試験1及び2に示される接着力と、せん断保持力試験1及び2及び引張剥離試験に必要な凝集力をバランスよく保つ、優れた再剥離性粘着テープである。
本発明による粘着テープの好ましい1形態を示した断面図である。 図1の粘着テープの使用方法を示した断面図である。 本発明による粘着テープのもう1つの好ましい形態を示した断面図である。 本発明による粘着テープのさらにもう1つの好ましい形態を示した断面図である。 実施例で使用された引っ張り剥離試験のための試験装置の模式図である。
符号の説明
1 基材
1a タブ
2 粘着剤層
2a 粘着剤層
2b 粘着剤層
3 剥離紙
3a 剥離紙
3b 剥離紙
10 粘着テープ
11 シート状支持体
12a シート状支持体
12b シート状支持体
15 被着体

Claims (15)

  1. スチレン系ブロック共重合体を含む凝集性成分と、塩基性成分とを含んでなる粘着剤組成物。
  2. 前記塩基性成分が、少なくとも1種類の窒素含有(メタ)アクリル系共重合体を含む、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記窒素含有(メタ)アクリル系共重合体が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はその誘導体と窒素含有ビニルモノマーの共重合体である、請求項2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、(メタ)アクリル酸イソオクチルエステル及び(メタ)アクリル酸ブチルエステルを含む、請求項3に記載の粘着剤組成物。
  5. 前記窒素含有(メタ)アクリル系共重合体が、20〜250℃のガラス転移点及びゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定された2,000〜500,000の重量平均分子量を有するポリスチレンをグラフトしている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  6. 前記凝集性成分が、共役二重結合を有するエラストマーをさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  7. 前記共役二重結合を有するエラストマーが、ポリブタジエン及び(又は)ポリイソプレンである、請求項6に記載の粘着剤組成物。
  8. 前記共役二重結合を有するエラストマーが、1,000〜2,000,000の重量平均分子量を有している、請求項6又は7に記載の粘着剤組成物。
  9. 延伸可能な基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層とを含んでなる粘着テープ。
  10. 前記基材が、単層もしくは多層の高伸張性ポリマー材料からなる、請求項9に記載の粘着テープ。
  11. 前記高伸張性ポリマー材料が、下記の群から選ばれた少なくとも1種のポリマーフィルム:
    (1)50〜1,200%の長手方向の破断点伸び、延伸された後で50%未満の弾性回復、及び6,894.7〜499,865.8KPaのヤング率を有するポリマーフィルム、
    (2)発泡ポリマーフィルム、
    (3)20N/15mm以下の降伏点応力又は比例限界点応力、30N/15mm以上の引張り破断強さ、及び150%以上の破断点伸びを有するポリマーフィルム、及び
    (4)熱可塑性ゴム及び接着形成性樹脂を含むポリマーフィルム、
    である、請求項10に記載の粘着テープ。
  12. 前記基材が、発泡ポリマーフィルムと非発泡ポリマーフィルムの複合体である、請求項9〜11のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  13. 前記粘着剤層が、10〜1,000μmの厚さを有する、請求項9〜12のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  14. 請求項9〜14のいずれか1項に記載の粘着テープと、該粘着テープがその粘着剤層を介して貼付された被着体とを備える接着構造体であって、
    前記粘着テープの基材の延伸により前記粘着テープを被着体から剥離可能である、接着構造体。
  15. 前記被着体が可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂からなる、請求項14に記載の接着構造体。
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