JP5026666B2 - 粘着剤組成物 - Google Patents
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Description
(1)スチレン系ブロック共重合体を含む凝集性成分と、塩基性成分とを含んでなる粘着剤組成物、
(2)延伸可能な基材と、該基材の少なくとも一方の面に設けられた本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層とを含んでなる粘着テープ、特に「ストレッチリリース」が可能な再剥離性の粘着テープ、そして
(3)かかる粘着テープを備えた接着構造体
にある。以下、添付の図面を参照しながら、本発明の粘着剤組成物、粘着テープ及び接着構造体のそれぞれを説明する。
まず、図2(A)に示すように、図1の粘着テープ10をその粘着剤層2を介して被着体15に貼り付ける。貼り付け作業は、粘着テープの貼付に一般的に使用されている技法を使用して実施することができ、必要ならば、冶具などを併用してもよい。このようにして得られる、本発明の粘着テープ10がその粘着剤層2を介して貼付された被着体15が、本発明の接着構造体である。
(2)発泡ポリマーフィルム(第2のポリマーフィルム)、
(3)約20N/15mm以下の降伏点応力又は比例限界点応力、約30N/15mm以上の引張り破断強さ、及び約150%以上の破断点伸びを有するポリマーフィルム(第3のポリマーフィルム)、及び
(4)熱可塑性ゴム及び接着形成性樹脂を含むポリマーフィルム(第4のポリマーフィルム)。
第1の成分は、凝集性成分である。凝集性成分は、その主成分としてスチレン系ブロック共重合体を含有する。本発明の実施に有用なスチレン系ブロック共重合体は、例えば、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体などを包含する。
第2の成分は、塩基性成分である。塩基性成分は、その主成分として(メタ)アクリル系共重合体、好ましくは窒素含有(メタ)アクリル系共重合体を含有する。窒素含有(メタ)アクリル系共重合体は、いろいろなタイプの共重合体を包含することができるが、好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと窒素含有ビニルモノマーの共重合体である。
(1)取付け用途、例えば、壁かけ、自動車のボデイ側部の形成、ハンドルグリップ等;
(2)標示用途、例えば、道路標識、自動車用マーキング、交通マーキング、反射シート等;
(3)結合用途、例えば、2個以上の容器、例えば箱の接着;
(4)閉止用途、例えば、容器の封止、例えば箱の封止、食品又は飲用品容器の封止等、おむつの閉止、外科用ドレープの閉止など;
(5)除去可能なラベル、例えばプライスラベル(値札)、又は容器上の標指ラベル、等;及び
(6)医学用途、例えば包帯、その他。
EA: アクリル酸エチル
BA: アクリル酸ブチル
IOA: イソオクチルアクリレート
DMAEA: ジメチルアミノエチルアクリル酸エステル
Vim: 1−ビニルイミダゾール
AA: アクリル酸
特開昭59−75975号公報の14頁右上欄、モノマー「C−3」に記載の手法に従って、下記の性状及び構造式を有するスチレンマクロマーを調製した。
(性状)メタクリレート末端ポリスチレン/シクロヘキサンの50重量%溶液
重量平均分子量=13,000(GPCによる)
(構造式)CH2=C(CH3)C(=O)-O-CH2CH2-(ポリスチレン)-CH2CH2CH2CH3
ADVN: 2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(アゾ系重合開始剤)
AsapreneTM411: スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(旭化成株式会社製)
AsapreneTM1205: スチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成株式会社製)
PiccolyteTMA−135: 粘着付与剤(Hercules Chemical Co.)
FinapreneTM1205: スチレン−ブタジエンブロック共重合体(Fina Oil and Chemical Co.)
Nipol BR1220SG(商品名): ポリブタジエンゴム(日本ゼオン社製)
IrganoxTM1330: フェノール系酸化防止剤(Ciba Specialty chemicals Co.)
ShellflexTM371N: ナフテン系油(Shell Chemical Co.)
タフテックTMM1913: 酸変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(旭化成株式会社製)
SeptonTM1001: スチレン−エチレン・プロピレンブロック共重合体(クラレ社製)
AlkonP−90(商品名): 粘着付与剤(荒川化学工業社製)
ダイアナプロセスオイルPW−32(商品名): パラフィン系プロセス油(出光興産社製)
また、これらの出発物質の使用量(「部」)は、特に断らない限り「重量部」である。
アクリル系共重合体の調製
下記の第1表に記載するように、81部のアクリル酸エチル、12部のアクリル酸ブチル、5部の1−ビニルイミダゾール、2部のアクリル酸及び233.3部の酢酸エチルを耐圧ガラス瓶に仕込んだ。次いで、0.2部の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を重合開始剤として投入して。ガラス瓶に取り付けた不活性ガス導入管から10分間にわたって窒素ガスを導入し、系内を窒素ガスで置換した。窒素ガスで置換した後ただちに、ガラス瓶の蓋を閉じ、50℃の恒温水槽中で20時間にわたって重合を実施した。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、1.19dl/gであった。
アクリル系共重合体の調製
前記調製例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、下記の第1表に記載するように出発物質の変更を行った。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、1.42dl/gであった。
アクリル系共重合体の調製
前記調製例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、下記の第1表に記載するように出発物質の変更を行った。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、0.95dl/gであった。
アクリル系共重合体の調製
前記調製例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、下記の第1表に記載するように出発物質の変更を行い、かつ溶剤として、酢酸エチルに代えてトルエンを使用した。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、0.73dl/gであった。
アクリル系共重合体の調製
前記調製例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、下記の第1表に記載するように出発物質の変更を行い、かつ溶剤として、酢酸エチルに代えて酢酸エチルとトルエンの混合溶剤を使用した。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、0.71dl/gであった。
スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物の調製
13.453部のAsapreneTM411、7.249部のAsapreneTM1205、20.681部のPiccolyteTMA−135、0.414部のIrganoxTM1330及び58.204部のトルエンをガラス瓶に仕込み、室温で一晩攪拌した。スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物のシロップ状溶液が得られた。
スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物の調製
13.176部のAsapreneTM411、7.095部のAsapreneTM1205、20.070部のPiccolyteTMA−135、2.027部のShellflexTM371N、0.405部のIrganoxTM1330及び57.027部のトルエンをガラス瓶に仕込み、室温で一晩攪拌した。スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物のシロップ状溶液が得られた。
スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物の調製
7.500部のタフテックTMM1913、2.500部のSeptonTM1001、15.000部のAlkonP−90、5.000部のダイアナプロセスオイルPW−32、14.000部のイソプロピルアルコール(IPA)及び56部のトルエンをガラス瓶に仕込み、室温で一晩攪拌した。スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物のシロップ状溶液が得られた。
粘着シートの作製
粘着シート1:
下記の第2表に記載のように、前記調製例3で得たアクリル系樹脂組成物の溶液(固形分20部)に対して、前記調製例6で得たシロップ状樹脂組成物溶液(固形分80部)及びアジリジン系架橋剤(イソフタロイルビス−2−メチルアジリジン;固形分0.1部)を混合して粘着剤溶液を調製した。得られた粘着剤溶液を剥離紙(シリコーン被覆PETフィルム)上にナイフコータ−で塗布し、100℃のオーブン中で20分間乾燥させた。粘着剤層の厚さが70μmである剥離紙付きの粘着シート1が得られた。
下記の第2表に記載のように、前記調製例7で得たシロップ状樹脂組成物溶液(固形分100)剥離紙(シリコーン被覆PETフィルム)上にナイフコータ−で塗布し、100℃のオーブン中で20分間乾燥させた。粘着剤層の厚さが70μmである剥離紙付きの粘着シート5が得られた。
本例では、図4に模式的に示すような層構成を有する両面粘着テープを作製した。すなわち、下記の第3表に示すように、得られる両面粘着テープ10において、基材1の片面に施された粘着剤層2aが粘着シート1の粘着剤層に由来し、また、粘着剤層2bが粘着シート5の粘着剤層に由来する。
1.90°剥離試験(接着力試験)
厚さ2.0mmの軟質塩化ビニル樹脂シート(商品名「XP−103」、三菱化学社製)を被着体として用意し、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、上記のようにして作製した粘着シート1を厚さ50μmのPETフィルムに貼り合わせ、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルを作製した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルを貼付した。室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルの上で2kgのゴムローラーを1往復させ、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、下記のような異なる条件で養生を行った。
1)23℃で24時間
2)65℃で12時間
3)65℃で3日間
養生の完了後、測定温度23℃で、それぞれの試験サンプルを剥離角90°で300mm/分の引っ張り速度で引っ張り、被着体から剥離した。剥離に要した力(接着力)を測定したところ、下記の第4表に記載のような測定結果が得られた。
厚さ2.0mmの軟質塩化ビニル樹脂シート(商品名「XP−103」、三菱化学社製)及び厚さ2mmの軟質塩化ビニル製壁紙(商品名「TC−2399」、テスコ社製)を被着体として用意し、それぞれ、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、上記のようにして作製した両面粘着テープ1をそのまま、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルとして使用した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルの粘着剤層(粘着シート5の粘着剤層、図4の粘着剤層2bを参照)を貼付した。試験サンプルのもう1つの粘着剤層(粘着シート1の粘着剤層、図4の粘着剤層2aを参照)には、その面から剥離紙を取り除いた後、幅16mm×長さ50mmのポリスチレン板を貼り付けた。
次いで、室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルに対して5kgの荷重を30秒間にわたって印加して、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、40℃のオーブン内で1時間の養生を行った。
養生の完了後、40℃のオーブン内で、ポリスチレン板の長手方向に1.0kgの荷重を吊り下げた。両面粘着テープでそれぞれの被着体を保持できる時間を測定したところ、下記の第4表に記載のような測定結果が得られた。
図5に示すように、厚さ2.0mmの軟質塩化ビニル樹脂シート(商品名「XP−103」、三菱化学社製)及び厚さ2mmの軟質塩化ビニル製壁紙(商品名「TC−2399」、テスコ社製)を被着体52として用意し、それぞれ、ステンレス鋼板51に接着剤で裏打ちした。一方、上記のようにして作製した両面粘着テープ1(図5の参照番号10)をそのまま、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルとして使用した。
被着体52を試験装置に固定した後、その被着体に試験サンプルの粘着剤層(粘着シート5の粘着剤層、図5の粘着剤層2bを参照)を貼付した。室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルの上で10kgのステンレス鋼製ローラーを1往復させ、被着体に対して試験サンプルを圧着した。
次いで、試験サンプルのもう1つの粘着剤層(粘着シート1の粘着剤層、図5の粘着剤層2aを参照)には、その面から剥離紙を取り除いた後、幅16mm×長さ50mmのポリスチレン板を貼り付けた。その後、23℃で7日間の養生を行った。
養生の完了後、図5に示すように、試験サンプルのタブ1aをつまんで、2°方向に引っ張り、剥離強度を測定するとともに、剥離形態も観察した。下記の第5表に記載のような試験結果が得られた。
前記実施例1に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ2」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート2及び粘着シート5をそれぞれ下記の第2表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第3表に記載の層構成で両面粘着テープ2を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ2から試験サンプルを作製し、前記実施例1に記載の手順に従って、90°剥離試験(この試験の場合、粘着シート2から試験サンプルを作製)、せん断保持力試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第4表及び第5表に記載のような試験結果が得られた。
前記実施例1に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ3」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート3及び粘着シート5をそれぞれ下記の第2表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第3表に記載の層構成で両面粘着テープ3を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ3から試験サンプルを作製し、前記実施例1に記載の手順に従って、90°剥離試験(この試験の場合、粘着シート3から試験サンプルを作製)、せん断保持力試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第4表及び第5表に記載のような試験結果が得られた。
前記実施例1に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ4」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート4及び粘着シート5をそれぞれ下記の第2表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第3表に記載の層構成で両面粘着テープ4を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ4から試験サンプルを作製し、前記実施例1に記載の手順に従って、90°剥離試験(この試験の場合、粘着シート4から試験サンプルを作製)、せん断保持力試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第4表及び第5表に記載のような試験結果が得られた。
前記実施例1に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ5」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート5及び粘着シート5をそれぞれ下記の第2表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第3表に記載の層構成で両面粘着テープ5を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ5から試験サンプルを作製し、前記実施例1に記載の手順に従って、90°剥離試験(この試験の場合、粘着シート5から試験サンプルを作製)、せん断保持力試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第4表及び第5表に記載のような試験結果が得られた。
前記実施例1に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ6」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート6及び粘着シート5をそれぞれ下記の第2表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第3表に記載の層構成で両面粘着テープ6を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ6から試験サンプルを作製し、前記実施例1に記載の手順に従って、90°剥離試験(この試験の場合、粘着シート6から試験サンプルを作製)、せん断保持力試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第4表及び第5表に記載のような試験結果が得られた。
前記実施例1に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ7」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート7及び粘着シート5をそれぞれ下記の第2表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第3表に記載の層構成で両面粘着テープ7を作製した。
本例では、前記実施例1及び前記比較例2〜4において実施した評価試験の変形として、湿熱養生処理を行った後、90°剥離試験(接着力試験)及びせん断保持力試験を実施した。試験サンプルの作製に使用した粘着シート及び両面粘着テープは、それぞれ、前記実施例1ならびに前記比較例1〜3及び5で作製したものである。なお、90°剥離試験及びせん断保持力試験は、試験に際して湿熱条件を適用した相違点を除いて、基本的には前記実施例1に記載した手順で実施した。
厚さ1mmのスライドガラス(商品名「S−1126」、松浪硝子株式会社製)及び厚さ2mmのPP(ポリプロピレン)板(商品名「ディアライトPEX−2」、共栄樹脂株式会社製)を被着体として用意し、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、下記の第6表に記載するように、前記実施例1ならびに前記比較例1〜3及び5のそれぞれで作製した粘着シートを厚さ50μmのPETフィルムに貼り合わせ、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルを作製した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルを貼付した。室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルの上で2kgのゴムローラーを1往復させ、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、下記のような異なる条件で養生を行った。
1)23℃で24時間
2)50℃/95%RHで3日間
養生の完了後、室温に取り出した20分後に、測定温度23℃で、それぞれの試験サンプルを剥離角90°で300mm/分の引っ張り速度で引っ張り、被着体から剥離した。剥離に要した力(接着力)を測定したところ、下記の第6表に記載のような測定結果が得られた。
厚さ5mmのタイル(商品名「SOシリーズ」、ダントー社製)及び厚さ2mmのPP(ポリプロピレン)板(商品名「ディアライトPEX−2」)を被着体として用意し、それぞれ、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、下記の第7表に記載するように、前記実施例1ならびに前記比較例1〜3及び5のぞれぞれで作製した両面粘着テープをそのまま、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルとして使用した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルの粘着剤層(一方の粘着シートの粘着剤層、図4の粘着剤層2bを参照)を貼付した。試験サンプルのもう1つの粘着剤層(他方の粘着シートの粘着剤層、図4の粘着剤層2aを参照)には、その面から剥離紙を取り除いた後、幅16mm×長さ50mmのポリスチレン板を貼り付けた。
次いで、室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルに対して5kgの荷重を30秒間にわたって印加して、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、50℃及び95%RH(相対湿度)のオーブン内で1時間の養生を行った。
養生の完了後、50℃及び95%RHのオーブン内で、ポリスチレン板の長手方向に1.0kgの荷重を吊り下げた。両面粘着テープでそれぞれの被着体を保持できる時間を測定したところ、下記の第7表に記載のような測定結果が得られた。
本例では、前記実施例1及び前記比較例2〜4において実施した評価試験の変形として、板材、アクリル板及びステンレス鋼板を被着体として使用した時の90°剥離試験(接着力試験)及びせん断保持力試験を前記実施例1に記載した手順で実施した。試験サンプルの作製に使用した粘着シート及び両面粘着テープは、それぞれ、前記実施例1及び前記比較例3で作製したものである。
厚さ9mmの板材、厚さ2mmのアクリル板(PMAA)(商品名「アクリライトL−001」、三菱レイヨン社製)及び厚さ0.8mmのステンレス鋼板(SUS−304、JFEスチール社製)を被着体として用意し、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、前記実施例1及び前記比較例3のそれぞれで作製した粘着シートを厚さ50μmのPETフィルムに貼り合わせ、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルを作製した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルを貼付した。室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルの上で2kgのゴムローラーを1往復させ、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、23℃で24時間にわたって養生を行った。養生の完了後、測定温度23℃で、それぞれの試験サンプルを剥離角90°で300mm/分の引っ張り速度で引っ張り、被着体から剥離した。剥離に要した力(接着力)を測定したところ、下記の第8表に記載のような測定結果が得られた。
厚さ9mmの板材、厚さ2mmのアクリル板(PMAA)(商品名「アクリライトL−001」)及び厚さ0.8mmのステンレス鋼板(SUS−304)を被着体として用意し、それぞれ、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、前記実施例1及び前記比較例3のそれぞれで作製した両面粘着テープをそのまま、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルとして使用した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルの粘着剤層(一方の粘着シートの粘着剤層、図4の粘着剤層2bを参照)を貼付した。試験サンプルのもう1つの粘着剤層(他方の粘着シートの粘着剤層、図4の粘着剤層2aを参照)には、その面から剥離紙を取り除いた後、幅16mm×長さ50mmのポリスチレン板を貼り付けた。
次いで、室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルに対して5kgの荷重を30秒間にわたって印加して、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、40℃のオーブン内で1時間の養生を行った。
養生の完了後、40℃のオーブン内で、ポリスチレン板の長手方向に1.0kgの荷重を吊り下げた。両面粘着テープでそれぞれの被着体を保持できる時間を測定したところ、下記の第9表に記載のような測定結果が得られた。
アクリル系共重合体の調製
下記の第10表に記載するように、34.5部のアクリル酸イソオクチル、35部のアクリル酸ブチル、40部(固形分20部)のメタクリレート末端ポリスチレン/シクロヘキサン50wt%溶液、10部の1−ビニルイミダゾール、0.5部のアクリル酸及び165.7部の酢酸エチルを耐圧ガラス瓶に仕込んだ。次いで、0.15部の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を重合開始剤として投入した後、ガラス瓶に取り付けた不活性ガス導入管から10分間にわたって窒素ガスを導入し、系内を窒素ガスで置換した。窒素ガスで置換した後ただちに、ガラス瓶の蓋を閉じ、50℃の恒温水槽中で20時間にわたって重合を実施した。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、1.08dl/gであった。
アクリル系共重合体の調製
前記調製例9に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、下記の第10表に記載するように出発物質の変更を行った。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、1.22dl/gであった。
アクリル系共重合体の調製
前記調製例9に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、下記の第10表に記載するように出発物質の変更を行った。得られたアクリル系共重合体の溶液からそのアクリル系共重合体の極限粘度を測定したところ、1.07dl/gであった。
スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物の調製
12.990部のFinapreneTM411、9.098部のFinapreneTM1205、3.900部のNipolBR1220SG、25.988部のPiccolyteTMA−135、0.520部のIrganoxTM1330及び97.500部のトルエンをガラス瓶に仕込み、室温で一晩攪拌した。スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物のシロップ状溶液が得られた。
スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物の調製
13.000部のFinapreneTM411、13.000部のFinapreneTM1205、25.980部のPiccolyteTMA−135、1.313部のShellflexTM371N、0.520部のIrganoxTM1330及び97.500部のトルエンをガラス瓶に仕込み、室温で一晩攪拌した。スチレン系ブロック共重合体を主材として含む樹脂組成物のシロップ状溶液が得られた。
粘着シートの作製
粘着シート8:
下記の第11表に記載のように、前記調製例10で得たアクリル系樹脂組成物の溶液(固形分20部)に対して、前記調製例13で得たシロップ状樹脂組成物溶液(固形分80部)及びアジリジン系架橋剤(イソフタロイルビス−2−メチルアジリジン;固形分0.04部)を混合して粘着剤溶液を調製した。得られた粘着剤溶液を剥離紙(シリコーン被覆PETフィルム)上にナイフコータ−で塗布し、100℃のオーブン中で20分間乾燥させた。粘着剤層の厚さが70μmである剥離紙付きの粘着シート8が得られた。
本例では、図4に模式的に示すような層構成を有する両面粘着テープを作製した。すなわち、下記の第12表に示すように、得られる両面粘着テープ10において、基材1の片面に施された粘着剤層2a及び粘着剤層2bがそれぞれ粘着シート8の粘着剤層に由来する。
1.せん断保持力試験
下記の手法に従い、せん断保持力試験1及び2を実施した。
厚さ2.0mmの軟質塩化ビニル樹脂シート(商品名「XP−103」、三菱化学社製)を被着体として用意し、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、上記のようにして作製した両面粘着テープ8をそのまま、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルとして使用した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルの粘着剤層(粘着シート8の粘着剤層、図4の粘着剤層2bを参照)を貼付した。試験サンプルのもう1つの粘着剤層(粘着シート8の粘着剤層、図4の粘着剤層2aを参照)には、その面から剥離紙を取り除いた後、幅16mm×長さ50mmのポリスチレン板を貼り付けた。
次いで、室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルに対して5kgの荷重を30秒間にわたって印加して、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、40℃のオーブン内で1時間の養生を行った。
養生の完了後、40℃のオーブン内で、ポリスチレン板の長手方向に1.0kgの荷重を吊り下げた。両面粘着テープで被着体を保持できる時間を測定したところ、下記の第13表に記載のような測定結果が得られた。
厚さ2mmで表面の凹凸が激しい軟質塩化ビニル製壁紙(商品名「TC−2063」、テスコ社製)を被着体として用意し、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、上記のようにして作製した両面粘着テープ8をそのまま、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルとして使用した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルの粘着剤層(粘着シート8の粘着剤層、図4の粘着剤層2bを参照)を貼付した。試験サンプルのもう1つの粘着剤層(粘着シート8の粘着剤層、図4の粘着剤層2aを参照)には、その面から剥離紙を取り除いた後、幅16mm×長さ50mmのポリスチレン板を貼り付けた。
次いで、室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルに対して10kgの荷重を30秒間にわたって印加して、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、40℃のオーブン内で1時間の養生を行った。
養生の完了後、40℃のオーブン内で、ポリスチレン板の長手方向に3.0kgの荷重を吊り下げた。両面粘着テープで被着体を保持できる時間を測定したところ、下記の第13表に記載のような測定結果が得られた。
厚さ2.0mmの軟質塩化ビニル樹脂シート(商品名「XP−103」、三菱化学社製)を被着体として用意し、ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした。一方、上記のようにして作製した粘着シート8を厚さ50μmのPETフィルムに貼り合わせ、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルを作製した。
ステンレス鋼板に接着剤で裏打ちした被着体に試験サンプルを貼付した。室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルの上で2kgのゴムローラーを1往復させ、被着体に対して試験サンプルを圧着した。その後、下記のような異なる条件で養生を行った。
1)23℃で24時間
2)65℃で12時間
3)65℃で3日間
養生の完了後、測定温度23℃で、それぞれの試験サンプルを剥離角90°で300mm/分の引っ張り速度で引っ張り、被着体から剥離した。剥離に要した力(接着力)を測定したところ、下記の第14表に記載のような測定結果が得られた。
図5に示すように、厚さ2mmで表面の凹凸が激しい軟質塩化ビニル製壁紙(商品名「TC−2063」、テスコ社製)及び厚さ2mmの軟質塩化ビニル製壁紙(商品名「TC−2399」、テスコ社製)を被着体52として用意し、それぞれ、ステンレス鋼板51に接着剤で裏打ちした。一方、上記のようにして作製した両面粘着テープ8(図5の参照番号10)をそのまま、幅15mm及び長さ65mmの試験サンプルとして使用した。
被着体52を試験装置に固定した後、その被着体に試験サンプルの粘着剤層(粘着シート8の粘着剤層、図5の粘着剤層2bを参照)を貼付した。室温(23℃)の雰囲気中で、試験サンプルの上で10kgのステンレス鋼製ローラーを1往復させ、被着体に対して試験サンプルを圧着した。
次いで、試験サンプルのもう1つの粘着剤層(粘着シート8の粘着剤層、図5の粘着剤層2aを参照)には、その面から剥離紙を取り除いた後、幅16mm×長さ50mmのポリスチレン板を貼り付けた。その後、23℃で7日間の養生を行った。
養生の完了後、図5に示すように、試験サンプルのタブ1aをつまんで、2°方向に引っ張り、剥離強度を測定するとともに、剥離性も観察した。下記の第14表に記載のような試験結果が得られた。
前記実施例3に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ9」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート9を下記の第11表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第12表に記載の層構成で両面粘着テープ9を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ9から試験サンプルを作製し、前記実施例3に記載の手順に従って、せん断保持力試験1及び2、90°剥離試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第13表及び第14表に記載のような試験結果が得られた。
前記実施例3に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ10」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート10を下記の第11表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第12表に記載の層構成で両面粘着テープ10を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ10から試験サンプルを作製し、前記実施例3に記載の手順に従って、せん断保持力試験1及び2、90°剥離試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第13表及び第14表に記載のような試験結果が得られた。
前記実施例3に記載の手法に従って粘着シート及び両面粘着テープ(ここでは、「両面粘着テープ11」と呼ぶ)を作製した。なお、本例では、粘着シート11を下記の第11表に記載の粘着剤溶液から作製した後、下記の第12表に記載の層構成で両面粘着テープ11を作製した。
次いで、得られた両面粘着テープ11から試験サンプルを作製し、前記実施例3に記載の手順に従って、せん断保持力試験1及び2、90°剥離試験及び引っ張り剥離試験を実施した。下記の第13表及び第14表に記載のような試験結果が得られた。
1a タブ
2 粘着剤層
2a 粘着剤層
2b 粘着剤層
3 剥離紙
3a 剥離紙
3b 剥離紙
10 粘着テープ
11 シート状支持体
12a シート状支持体
12b シート状支持体
15 被着体
Claims (2)
- スチレン系ブロック共重合体及び、ポリブタジエン、ポリイソプレン及びポリブタジエンとポリイソプレンの組合せからなる群から選ばれるエラストマーを含む凝集性成分と、
(メタ)アクリル酸イソオクチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、及びその組合せからなる群から選ばれる(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、アミド基又は第三級アミノ基を有する窒素含有ビニルモノマーの共重合体であって、20〜250℃のガラス転移点及びゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定された2,000〜500,000の重量平均分子量を有するポリスチレンをグラフトしている窒素含有(メタ)アクリル系共重合体を含む塩基性成分とを含み、
前記凝集性成分と前記塩基性成分の混合割合が5:95〜95:5の範囲である、粘着剤組成物。 - 前記エラストマーが、1,000〜2,000,000の重量平均分子量を有している、請求項1に記載の粘着剤組成物。
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