JP2005194519A - ポリエステルの製造方法およびポリエステル - Google Patents

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Abstract

【課題】重縮合反応時の副反応を抑え、色調や重合性が改良されたポリエステルを製造することが出来る方法を提供する。
【解決手段】ジカルボン酸またはジカルボン酸ジアルキルエステルとジオールとを主原料としてエステル化反応またはエステル交換反応させてオリゴマーを得る反応工程(A)と、複数段の反応槽を使用し、反応工程(A)で得られたオリゴマーを溶融状態で連続的に重縮合反応させてポリマーを得る重縮合工程(B)とを有するポリエステルの製造方法において、反応工程(A)において、エステル化率またはエステル交換率90%以上のオリゴマーを得、重縮合工程(B)において、水平方向に攪拌翼の回転軸を有する横型反応槽を少なくとも1槽使用し、当該横型反応槽の入口における内容物の温度をT1(℃)、出口における内容物の温度をT2(℃)とした際、以下の式(1)を満たすポリエステルの製造方法。
【数1】
Figure 2005194519

【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステルの製造方法に関し、詳しくは、耐加水分解性、重合性、色調に優れたポリエステルの効率的な製造方法に関する。
ポリエステルは、成形加工の容易さ、機械的物性、耐熱性、耐薬品性、保香性、その他の物理的、化学的特性に優れていることから、自動車部品、電気・電子部品、精密機器部品、更には、フィルム、シート、モノフィラメント、繊維などに広く使用されている。
ポリエステルは、一般的には、原料がジカルボン酸の場合はジオールとのエステル化反応、原料がジカルボン酸ジアルキルエステルの場合にはジオールとのエステル交換反応を経た後に重縮合反応を行うことにより製造されるが、重縮合の後期になるほど反応点の数(末端基濃度)が減少し、重合速度が低下する。そのため、通常重縮合の後期になるほど高温、高真空にして反応速度の低下を防ぐ必要がある。ところが、温度が高くなるほど副反応速度も上昇し、末端ビニル基濃度の増加や、後述するテトラヒドロフランやアセトアルデヒド等のガス成分の増加、色調の悪化、重合性の悪化、粘度の低下などの問題が生じる。
中でも、ポリエステルの原料が、ジオール成分として、1,4−ブタンジオールを含む場合には、温度が高くなるほど、末端の1,4−ブタンジオール単位が環化してテトラヒドロフランに変化する副反応が起こり易く、結果的にポリエステルの末端カルボキシル基濃度の上昇を招くという問題がある。ポリエステルは末端カルボキシル基濃度が高いほど耐加水分解性が悪化することが知られており(例えば非特許文献1)、加水分解による分子量低下、ひいては成形加工品とした際の機械的物性などの低下を招くことが大きな問題である。この様な問題点を解決するため、溶融重合で得られたポリエステルを一旦冷却固化させ、その融点以下の温度で固相重合させ、末端カルボキシル基濃度を低減させることが広く行われている(例えば特許文献1参照)。しかし、溶融状態から一旦冷却固化させ、再び融点近傍まで昇温して固相重合を行うことは、生産性を低下させるだけでなく、煩雑なプロセスとなり、エネルギー的な損失も大きい。
また、回分法で且つ高い温度で重縮合を行った後、ポリエステルの重縮合槽からの抜出し中における重合度低下を抑制するため、重縮合後に内温を下げてからポリエステルを抜き出し、抜き出し前半と後半で製品の重合度差を低減させる方法が提案されている(特許文献2参照)。ところが、斯かる回分法の重縮合では、抜き出し前半と後半の重合度差を完全には解消することが出来ないという問題があり、それに伴って末端ビニル基濃度や末端カルボキシル基濃度が増加したり、色調が悪化する等の問題がある。また、回分法において、一旦反応温度を上げ、再び下げるためには長時間を要するため、実際には温度が下がる迄に末端カルボキシル基濃度の増加などの副反応が進行してしまうという欠点もある。
飽和ポリエステル樹脂ハンドブック(1989年12月22日、日刊工業新聞社発行、第192〜193頁) 特開平9−316183号公報 特開平5−43676号公報
本発明は、重縮合反応時の副反応を抑え、色調や耐加水分解性、重合性が改良され、品質の安定したポリエステルおよびその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。更に具体的には色調悪化や重合性悪化、耐加水分解性悪化などの原因となる末端カルボキシル基、末端ビニル基の低減されたポリエステルを、生産性を犠牲にすることなく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の条件で重縮合反応を行うことにより、色調、耐加水分解性、重合性が改良され、品質の安定したポリエステルが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の要旨は、ジカルボン酸またはジカルボン酸ジアルキルエステルとジオールとを主原料としてエステル化反応またはエステル交換反応させてオリゴマーを得る反応工程(A)と、複数段の反応槽を使用し、反応工程(A)で得られたオリゴマーを溶融状態で連続的に重縮合反応させてポリマーを得る重縮合工程(B)とを有するポリエステルの製造方法において、反応工程(A)において、エステル化率またはエステル交換率90%以上のオリゴマーを得、重縮合工程(B)において、水平方向に攪拌翼の回転軸を有する横型反応槽を少なくとも1槽使用し、当該横型反応槽の入口における内容物の温度をT1(℃)、出口における内容物の温度をT2(℃)とした際、以下の式(1)を満たすことを特徴とするポリエステルの製造方法に存する。
Figure 2005194519
本発明の第2の要旨は、上記の製造方法により得られたポリエステルであって、末端ビニル基濃度が15μeq/g以下であることを特徴とするポリエステルに存する。
本発明の第3の要旨は、上記の製造方法により得られたポリエステルであって、末端カルボキシル基濃度が1〜30μeq/gであることを特徴とするポリエステルに存する。
本発明の第4の要旨は、上記の製造方法により得られたポリエステルであって、末端ビニル基濃度が15μeq/g以下で且つ末端カルボキシル基濃度が1〜30μeq/gであることを特徴とするポリエステルに存する。
本発明の製造方法によれば、重縮合反応時の副反応を抑え、色調や重合性が改良されたポリエステルが得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に係るポリエステルの製造方法は、ジカルボン酸またはジカルボン酸ジアルキルエステルとジオールとを主原料としてエステル化反応またはエステル交換反応させてオリゴマーを得る反応工程(A)と、複数段の反応槽を使用し、反応工程(A)で得られたオリゴマーを溶融状態で連続的に重縮合反応させてポリマーを得る重縮合工程(B)とを有する。
なお、本発明でいう複数段の重縮合反応槽とは、一般的には形状や攪拌条件の異なる複数の反応槽が配管などで連結された構造を指し、それぞれの反応槽の圧力が独立に設定できるものを指す。また、反応槽内部が複数のブロックで構成されている場合もあるが、本発明では独立して圧力制御が可能な槽を独立した1つの槽と数える。
本発明におけるポリエステルとは、ジカルボン酸単位およびジオール単位がエステル結合した構造を有する高分子であり、この条件を満たす限りそのモノマー成分に制限はない。
ジカルボン酸の具体例としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4'−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソホロンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙げることが出来る。中でも、耐熱性や機械的物性の観点からは、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸が好ましく、特に芳香族ジカルボン酸が好ましい。また、結晶性や耐熱性の観点から、全ジカルボン酸単位の内のテレフタル酸単位が占める割合を高めるのが好ましい。テレフタル酸単位が占める割合は、通常50モル%以上、好ましくは70モル%以上、更に好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上である。
上記のジカルボン酸は、そのままジカルボン酸として、また、ジカルボン酸ジアルキルエステルとして反応に供与することが出来る。ジカルボン酸ジアルキルエステルのアルキル基の種類は、特に制限されないが、アルキル基が長いとエステル交換反応時に生成するアルキルアルコールの沸点が高くて反応液中から揮発し難く、結果的に末端停止剤として働いて重合を阻害するため、炭素数4以下のアルキル基が好ましく、中でもメチル基が好適である。
ジオール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式ジオール、キシリレングリコール、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等の芳香族ジオール等を挙げることが出来る。中でも、機械的物性の観点から、脂環式ジオール、脂肪族ジオールが好ましい。
また、靱性や機械的物性の観点から、全ジオール単位の内の脂肪族ジオール単位が占める割合を高めるのが好ましい。脂肪族ジオール単位が占める割合は、通常50モル%以上、好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、特に好ましくは95モル%以上である。
更に、成形性や機械的物性の観点から、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールが好ましく、結晶性および本発明による改良効果の点から、1,4−ブタンジオールが特に好適である。また、ジカルボン酸成分、ジオール成分は異なった構造のものを併用して共重合体としてもよい。
本発明においては、更に、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能成分などを共重合成分として使用することが出来る。
本発明においては、重縮合触媒として、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物、ジルコニウム化合物、コバルト化合物、チタン化合物、スズ化合物などを使用することが出来る。特に、ポリエステルがポリブチレンテレフタレートである場合、触媒はエステル化反応またはエステル交換反応の段階から使用することが好ましい。この場合、触媒は一括添加しても分割添加してもよい。
エステル化反応またはエステル交換反応で触媒を使用した場合、同じ触媒を引き続き重縮合触媒として使用することも出来るし、重縮合の段階で追添加してもよい。
重縮合触媒としては、チタン触媒が好ましく、その具体例としては、酸化チタン、四塩化チタン等の無機チタン化合物、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等が挙げられる。これらの中ではテトラアルキルチタネートが好ましく、特にテトラブチルチタネートが好ましい。
また、反応助剤として、酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキサイド、燐酸水素マグネシウム等のマグネシウム化合物、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、カルシウムアルコキサイド、燐酸水素カルシウム等のカルシウム化合物の他、正燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸、それらのエステルや金属塩などの燐化合物、水酸化ナトリウム、安息香酸ナトリウム等を使用してもよい。
更に、触媒や反応助剤の他に、2,6−ジ−t−ブチル−4−オクチルフェノール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3',5'−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のフェノール化合物、ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−ラウリルチオジプロピオネート)等のチオエーテル化合物、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等の燐化合物などの抗酸化剤、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタン酸やモンタン酸エステルに代表される長鎖脂肪酸およびそのエステル、シリコーンオイル等の離型剤などの他の添加剤を使用してもよい。
本発明において、触媒の使用量の下限は、得られるポリエステルに対する触媒由来の金属原子の濃度として、通常1ppm、好ましくは3ppm、更に好ましくは5ppm、特に好ましくは8ppm、最も好ましくは15ppmである。触媒の使用量の上限は、得られるポリエステルに対する触媒由来の金属原子の濃度として、通常250ppm、好ましくは150ppm、更に好ましくは100ppmである。特に、チタン触媒の場合、得られるポリエステルに対するチタン原子の濃度として、その上限は、通常100ppm、好ましくは70ppm、更に好ましくは50ppm、特に好ましくは40ppmである。触媒由来の金属原子の含有量が250ppmより多い場合は、色調、耐加水分解性、透明性、成形性などが悪化し、しかも、異物も増加する傾向にあり、1ppmより少ない場合は重合性が悪化することがある。上記の値はポリエステルに対する金属原子の重量比である。
チタン原子などの含有量は、湿式灰化などの方法でポリマー中の金属を回収した後、原子発光、原子吸光、Inductively Coupled Plasma(ICP)等の方法を使用して測定することが出来る。
ポリエステルの製造方法は大きく分けて、ジカルボン酸とジオールを主原料として使用するいわゆる直接重合法と、ジカルボン酸ジアルキルエステルとジオールを主原料として使用するエステル交換法とがある。前者は初期のエステル化反応で水が生成し、後者は初期のエステル交換反応でアルコールが生成する。原料の入手安定性、留出物の処理の容易さ、原料原単位の高さ、また、本発明による改良効果という観点から、直接重合法が好ましい。
直接重合法を採用した連続法の一例としては次の様な方法が挙げられる。すなわち、単数または複数段のエステル化反応槽内で、ジカルボン酸成分とジオール成分とを連続的にエステル化反応させ、得られたエステル化反応生成物としてのオリゴマーを重縮合反応槽に移送し、複数段の重縮合反応槽内で、重縮合反応触媒の存在下で攪拌下に、連続的に重縮合反応させる。この際、エステル化反応の温度は、通常180〜300℃、好ましくは200〜280℃、更に好ましくは210〜270℃、圧力(絶対圧力、以下同じ)は、通常10〜250kPa、好ましくは13〜133kPa、更に好ましくは60〜101kPa、反応時間は、通常0.5〜6時間、好ましくは1〜3時間である。また、重縮合反応の温度は、通常210〜300℃、好ましくは220〜290℃、更に好ましくは230〜280℃(特に重縮合の最終段は、ポリマーの融点より、通常5〜30℃、好ましくは5〜20℃、更に好ましくは7〜15℃高い温度)、圧力は、通常27kPa以下、好ましくは20kPa以下、更に好ましくは13kPa以下(特に重縮合の最終段は通常2kPa以下)、反応時間は、通常1〜12時間、好ましくは2〜10時間である。
特に、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分として1,4−ブタンジオールを使用する場合の反応条件は次の通りである。すなわち、エステル化反応の温度は、通常180〜260℃、好ましくは200〜250℃、更に好ましくは210〜245℃、圧力は、通常10〜133kPa、好ましくは13〜101kPa、更に好ましくは60〜90kPa、反応時間は、通常0.5〜6時間、好ましくは1〜3時間である。また、重縮合反応の温度は、通常210〜260℃、好ましくは220〜250℃、更に好ましくは220〜245℃、圧力は、通常27kPa以下、好ましくは20kPa以下、更に好ましくは13kPa以下(少なくとも1つの重縮合反応槽においては好ましくは2kPa以下)、反応時間は、通常1〜12時間、好ましくは2〜10時間である。
一方、エステル交換法を採用した連続法の一例としては次の様な方法が挙げられる。すなわち、単数または複数段のエステル化反応槽内で、ジカルボン酸ジアルキルエステル成分とジオール成分とを連続的にエステル交換反応させ、得られたエステル交換反応生成物としてのオリゴマーを重縮合反応槽に移送し、複数段の重縮合反応槽内で、重縮合反応触媒の存在下で攪拌下に連続的に重縮合反応させる。この際、エステル交換反応の温度は、通常110〜300℃、好ましくは140〜280℃、更に好ましくは180〜260℃、圧力は、通常10〜250kPa、好ましくは13〜133kPa、更に好ましくは60〜101kPa、反応時間は、通常0.5〜6時間、好ましくは1〜3時間である。また、重縮合反応の反応温度は、通常210〜300℃、好ましくは220〜290℃、更に好ましくは230〜280℃(特に、重縮合の最終段は、ポリマーの融点より、通常5〜30℃、好ましくは5〜20℃、更に好ましくは7〜15℃高い温度)、圧力は、通常27kPa以下、好ましくは20kPa以下、更に好ましくは13kPa以下(少なくとも1つの重縮合反応槽においては好ましくは2kPa以下)、反応時間は、通常1〜12時間、好ましくは2〜10時間である。
特に、ジカルボン酸ジアルキルエステル成分としてテレフタル酸ジメチル、ジオール成分として1,4−ブタンジオールを使用する場合の反応条件は次の通りである。すなわち、エステル交換反応の温度は、通常110〜260℃、好ましくは140〜245℃、更に好ましくは180〜220℃、圧力は、通常10〜133kPa、好ましくは13〜101kPa、更に好ましくは60〜90kPa、反応時間は、通常0.5〜6時間、好ましくは1〜3時間である。また、重縮合反応の反応温度は、通常210〜260℃、好ましくは220〜250℃、更に好ましくは220〜245℃、圧力は、通常27kPa以下、好ましくは20kPa以下、更に好ましくは13kPa以下(少なくとも1つの重縮合反応槽においては好ましくは2kPa以下)、反応時間は、通常1〜12時間、好ましくは2〜10時間である。
本発明の製造方法においては、ポリエステルの重縮合反応時の副反応を抑え、色調や重合性を改良するという本発明の目的を達成するため、次の(i)〜(iii)の3つの要件が重要である。
(i)ジカルボン酸またはジカルボン酸ジアルキルエステルとジオールとを主原料としてエステル化反応またはエステル交換反応させてオリゴマーを得る反応工程(A)において、エステル化率またはエステル交換率90%以上のオリゴマーを得る。
本発明でいうエステル化率とは、ジカルボン酸成分の全カルボキシル基の内、エステル化されたカルボキシル基の比率を表す数値であり、また、エステル交換率とは、原料のジカルボン酸ジアルキルエステルのアルキル基の内、原料ジオール成分で置き換わった比率を指す数値であって、以下の様に定義する。
Figure 2005194519
酸価はオリゴマーを溶媒に溶解しアルカリ滴定して求めることが出来、ケン化価はオリゴマーをアルカリ加水分解した後に酸で逆滴定して求めることが出来る。また、ジカルボン酸ユニットのモル濃度、アルキルエステルの当量は、例えば、オリゴマーを適当な溶媒に溶解させ、H−NMRを測定し、それぞれのシグナル強度比から求めることが出来る。
(i i)重縮合工程(B)において、水平方向に攪拌翼の回転軸を有する横型反応槽を少なくとも1槽使用する。
(iii)上記の横型反応槽の入口における内容物の温度をT1(℃)、出口における内容物の温度をT2(℃)とした際、以下の式(1)を満たす。
Figure 2005194519
T1≦T2の場合には、重縮合反応の速度が小さくなり生産性が低下するだけではなく、重縮合後期での副反応が台頭し、品質の悪化を招く。T1の上限は、通常300℃、好ましくは280℃、更に好ましくは270℃、特に好ましくは260℃、最も好ましくは250℃である。
T1の下限は、通常200℃、好ましくは220℃、更に好ましくは230℃、特に好ましくは240℃である。T1が高すぎる場合は、色調の悪化、末端カルボキシル基濃度や末端ビニル基濃度の上昇を招き、T1が低すぎる場合は生産性が悪化する。
T2の上限は、通常280℃、好ましくは260℃、更に好ましくは250℃、特に好ましくは245℃、最も好ましくは240℃である。T2の下限は、通常200℃、好ましくは220℃、更に好ましくは230℃、特に好ましくは235℃である。T2が高すぎる場合は、色調の悪化、末端カルボキシル基濃度や末端ビニル基濃度の上昇を招き、T2が低すぎる場合は、生産性が悪化したり、内容物の固化や閉塞などの原因となる。
また、T1とT2の差は、通常50℃以下、好ましくは30℃以下、更に好ましくは20℃以下、特に好ましくは10℃以下、最も好ましくは5℃以下である。T1とT2の差が大きすぎる場合は、結果的に、色調の悪化、末端カルボキシル基濃度や末端ビニル基濃度の上昇を招いたり、内容物の固化や閉塞などの原因となることがある。
重縮合工程(B)の反応槽は、異なる粘度の製品、特に高粘度の製品を生産し易いなど生産の柔軟性の観点から、直列に配置された3槽(3段)以上の反応槽を使用することが好ましい。勿論、その内の少なくとも1槽は前述の横型反応槽でなければならない。
横型反応槽以外の他の反応槽としては、縦型攪拌反応槽、薄膜蒸発式反応槽などが挙げられるが、攪拌装置を具備している反応槽が好ましい。攪拌の形態は、特に制限されず、反応槽中の反応液を反応槽の上部、下部、横部などから直接攪拌する通常の攪拌方法の他、配管などで反応液の一部を反応器の外部に持ち出してラインミキサ−等で攪拌し、反応液を循環させる方法も採ることが出来る。
攪拌翼の種類は、公知のものが任意に選択でき、その具体例としては、プロペラ翼、スクリュー翼、タービン翼、ファンタービン翼、デイスクタービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼などが挙げられる。
本発明において、横型反応槽は複数あってもよく、横型反応槽の攪拌翼を回転させるための回転軸は単数であっても複数であってもよい。単数の軸を持つ場合は、滞留の生じ易い回転軸中心部にはサポートのための軸を持たない構造となっていることが好ましい。一方、複数の軸を持つ場合は、夫々が同方向に回転するのではなく、少なくとも1つの軸の組み合わせにおいては、異方向に回転する形式が好ましい。好ましい形式は、プラグフロー性に優れた複数個の攪拌翼ブロックで構成され、かつ、互いにセルフクリーニング性を有する2本の軸を具備した反応槽であり、更に好ましい形式は、上部が内容物(プレポリマー又はポリマー)の引き延ばし、下部が内容物の巻き込み方向となる異方向に回転する形式のものである。
本発明において、横型反応槽を直列に2槽使用した場合には、末端カルボキシル基濃度や末端ビニル基濃度低減、色調改善の観点から、プロセス上流側の横型反応槽の入口における内温をt1、出口における内温をt2、プロセス下流側の横型反応器の入口における内温をt3、出口における内温をt4とした際、以下の式(2)を満たすのが好ましい。
Figure 2005194519
最終的に得られるポリエステルの固有粘度が1.0未満である場合には、以下の式(3)を満たすのが好ましい。最終的に得られるポリエステルの固有粘度が1.0以上である場合には、以下の式(4)を満たすのが好ましい。
Figure 2005194519
何故ならば、製品の機械的物性が、ポリエステルの分子量が低いほど、湿熱下における加水分解による分子量低下の影響を受け易く、一方、分子量が高いほど重縮合を進めてやる必要があるからである。即ち、製品が低分子量である場合には、重縮合の速度よりも末端カルボキシル基濃度の低減がより重要であり、製品が高分子量である場合には、十分重縮合を進めながら、かつ末端カルボキシル基や末端ビニル基濃度の低減を図る必要があるためである。
横型反応槽の入口での内容物(ポリマー又はプレポリマー)の固有粘度は、特に制限されないが、低すぎる場合は、横型反応槽のプラグフロー性が悪化し、エントレインメントも起こり易くなるため、通常0.2dL/g以上、好ましくは0.3dL/g以上、更に好ましくは0.4dL/g以上、特に好ましくは0.5dL/g以上、最も好ましくは0.6dL/g以上である。
なお、本発明において、プレポリマーとポリマーという名称は成形加工品とした際に実用的な機械的強度を有するものをポリマーと称し、それに至らない前駆体をプレポリマーと区別して称するが、機械的強度はポリエステルの分子構造に大きく依存するため、実際にはこれらを固有粘度で明確に区別することは困難である。ポリエステルがポリブチレンテレフタレートである場合には、概ね0.5〜0.6dL/gを境界と考えることが出来る。
横型反応槽の攪拌翼の回転速度は、特に制限されないが、小さすぎる場合は表面更新が悪化して本発明の効果が発現されず、大きすぎる場合は、ベント口へのエントレインメントや、剪断発熱によるポリマーの劣化が激しくなる。従って、攪拌翼の回転速度は、攪拌翼の周速として、通常、0.01〜1m/s、好ましくは0.03〜0.8m/s、更に好ましくは0.05〜0.5m/s、特に好ましくは0.1〜0.3m/sである。
本発明の製造方法においては、プレポリマーやポリマーの流路にフィルターを設置することにより、更に品質の優れたポリマーが得られる。製造プロセスの余りにも上流側の位置にフィルターを設置した場合は下流側で発生する異物を除去することが出来ない。一方、下流側の粘度が高い位置にフィルターを設置した場合は、フィルターの圧力損失が大きくなり、流量を維持するためには、フィルターの目開きを大きくしたり、フィルターの濾過面積や配管などの設備を過大にする必要があったり、また、流体通過時に高剪断を受けるため、剪断発熱によるポリエステルの劣化が不可避となる。従って、フィルターの設置位置は、ポリエステルの固有粘度が通常0.1〜1.2dL/g、好ましくは0.2〜1.0dL/g、更に好ましくは0.5〜0.9dL/gとなる位置を選択するのがよい。
フィルター構成材料としては、金属ワインド、積層金属メッシュ、金属不織布、多孔質金属板などの何れでもよいが、濾過精度の観点から、積層金属メッシュ又は金属不織布が好ましく、特に、その目開きが焼結処理により固定されているものが好ましい。フィルターの形状としては、バスケットタイプ、ディスクタイプ、リーフディスクタイプ、チューブタイプ、フラット型円筒タイプ、プリーツ型円筒タイプ等の何れの型式であってもよい。また、プラントの運転に影響を与えない様にするため、複数のフィルターを設置して切り替えて使用したり、オートスクリーンチェンジャー等を設置することが好ましい。
フィルターの絶対濾過精度は、特に制限されないが、通常0.5〜200μm、好ましくは1.0〜100μm、更に好ましくは5.0〜50μm、特に好ましくは10〜30μmである。絶対濾過精度が大きすぎる場合は製品中の異物低減効果がなくなり、小さすぎる場合は生産性の低下やフィルター交換頻度の増大を招く。ここに、絶対濾過精度とは、粒径が既知で且つ揃ったガラスビーズ等の標準粒径品を使用し濾過テストを行った場合に、完全に濾別除去される場合の最低粒径を示す。
また、プレポリマーやポリマーの劣化を防止するため、各反応槽やポリマーの抜出口、プレポリマー又はポリマーを濾過するフィルター等の温度は、通常プレポリマー又はポリマーの融点(Tm)+60℃の温度以下、好ましくは(Tm)+50℃の温度以下、更に好ましくは(Tm)+40℃の温度以下、特に好ましくは(Tm)+30℃の温度以下、最も好ましくは(Tm)+20℃の温度以下とする。
本発明で得られるポリエステルの固有粘度は、通常0.5〜2.5dL/g、好ましくは0.6〜2.0dL/g、更に好ましくは0.7〜1.5dL/gである。固有粘度が0.5dL/g未満の場合は成形品の機械的強度が不十分となり、2.5dL/gを超える場合は、溶融粘度が高くなり、流動性が悪化して成形性が悪化する傾向にある。特に、ポリエステルがポリブチレンテレフタレートである場合、その固有粘度は、通常0.6〜2.0dL/g、好ましくは0.7〜1.7dL/g、更に好ましくは0.8〜1.5dL/g、特に好ましくは0.8〜1.3dL/gである。上記の固有粘度は、フェノール/テトラクロルエタン(重量比1/1)の混合液を溶媒として使用し、30℃で測定した値である。
本発明におけるポリエステルの末端カルボキシル基濃度は、通常0.5〜40μeq/g、好ましくは1〜30μeq/g、更に好ましくは1〜25μeq/g、特に好ましくは1〜20μeq/g、最も好ましくは1〜15μeq/gである。末端カルボキシル基濃度が高すぎるとポリエステルの耐加水分解性を悪化させる傾向にあり、低すぎると重合性を悪化させる傾向にある。ポリエステルの末端カルボキシル基濃度は、樹脂を有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム溶液などのアルカリ溶液を使用して滴定することにより求めることが出来る。
また、本発明におけるポリエステルの末端ビニル基濃度は、通常15μeq/g以下、好ましくは10μeq/g以下、更に好ましくは7μeq/g以下である。末端ビニル濃度が高すぎると色調や重合性の悪化を招く傾向にある。末端ビニル濃度はポリエステルを溶媒に溶解し、H−NMRを測定することによって求めることが出来る。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例において、ポリエステルの評価は下記の方法により行った。
(1)エステル化率:
以下の計算式(5)によって酸価およびケン化価から算出した。酸価は、ジメチルホルムアミドにオリゴマーを溶解させ、0.1NのKOH/メタノール溶液を使用して滴定により求めた。ケン化価は0.5NのKOH/エタノール溶液でオリゴマーを加水分解し、0.5Nの塩酸で滴定し求めた。
Figure 2005194519
(2)末端カルボキシル基濃度:
ポリエステル0.5gをベンジルアルコール25mLに溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/Lベンジルアルコール溶液を使用して滴定した。末端カルボキシル基濃度が小さいほど、耐加水分解性が良好なことを示す。
(3)末端ビニル基濃度:
ポリエステルをヘキサフルオロイソプロパノール/重クロロホルム=3/7(v/v)に溶解させ、共鳴周波数400MHzのH−NMRを測定して求めた。末端ビニル基濃度が低いほど、製造中の副反応が少なかったことを示すと同時に重合性に優れることを表す。
(4)固有粘度(IV):
ウベローデ型粘度計を使用し次の要領で求めた。すなわち、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合液を溶媒として使用し、30℃において、濃度1.0g/dLのポリマー溶液および溶媒のみの落下秒数を測定し、以下の式(6)より求めた。
Figure 2005194519
(5)ポリエステル中のチタン濃度:
電子工業用高純度硫酸および硝酸でポリエステルを湿式分解し、高分解能ICP(Inductively Coupled Plasma)−MS(Mass Spectrometer)(サーモクエスト社製)を使用して測定した。
(6)ペレット色調:
日本電色(株)製色差計(Z−300A型)を使用し、Lab表色系におけるハンターの色差式の色座標b値を測定した。値が低いほど黄ばみが少なく色調が良好であることを示す。
実施例1:
<エステル化工程>
テレフタル酸と1,4−ブタンジオールをテトラブチルチタネート(チタン原子の重量としてポリマー理論収量当たり32ppm)の存在下、連続的にエステル化反応させてエステル化率97%のブチレンテレフタレートオリゴマーを得た。次いで、上記のオリゴマーを使用し、図1に示す重縮合工程により、次の要領でポリブチレンテレフタレート(PBT)の製造を行なった。
<重縮合工程>
重縮合工程は図1に示すフローチャートに従って行なった。先ず、上記のオリゴマーは、ライン(L1)を経て、内温240℃、圧力2.1kPaに制御した完全混合型の第1重縮合反応槽(a)に連続的に供給した。この際、平均滞留時間が120分になる様に液面制御を行った。減圧機(図示せず)に接続されたベントライン(L5)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、初期重縮合反応を行い、プレポリマーを得た。得られたプレポリマーは、抜出用ギヤポンプ(c)により抜出ライン(L2)を経由し、複数の回転翼を有し且つ水平方向に攪拌翼の回転軸を有する横型の第2重縮合反応槽(d)に連続的に供給した。この際のプレポリマーの固有粘度は0.27であった。なお、第2重縮合反応槽(d)は、滞留が生じ易い回転軸中心部付近には攪拌翼サポートを有しない構造となっている。
第2重縮合反応槽(d)の条件は、圧力110Pa、攪拌周速0.6m/sとし、滞留時間が90分になる様に液面制御を行った。減圧機(図示せず)に接続されたベントライン(L6)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、重縮合反応を進めポリマーを得た。この際、第2重縮合反応槽(d)入口でのプレポリマーの温度は239℃、出口でのポリマーの温度は241℃に制御した。得られたポリマーは、抜出用ギヤポンプ(e)により抜出ライン(L3)を経由し、複数個の攪拌翼ブロックで構成され、2軸のセルフクリーニングタイプの攪拌翼を具備した横型の第3重縮合反応槽(k)に連続的に供給した。この際のポリマーの固有粘度は0.85であった。
第3重縮合反応槽(k)の条件は、圧力200Pa、攪拌周速0.2m/sとし、滞留時間が90分になる様に液面制御を行った。減圧機(図示せず)に接続されたベントライン(L7)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、重縮合反応を進めた。この際、第3重縮合反応槽(k)入口でのポリマーの温度は242℃、出口でのポリマーの温度は238℃に制御した。得られたポリマーは、抜出用ギヤポンプ(m)により抜出ライン(L4)を経由し、ダイスヘッド(g)からストランド状に連続的に抜き出し、回転式カッター(h)でカッティングした。
なお、符号(A)及び(B)は、それぞれ、第2重縮合反応槽(d)の入口および出口での反応液の温度を測定する温度計、符号(C)及び(D)は、それぞれ、第3重縮合反応槽(k)の入口および出口での反応液の温度を測定する温度計である。
上記の方法で得られたPBTは、表1に示す物性を有し、分子量が高く、末端カルボキシル基濃度や末端ビニル基濃度が低く、色調に優れていた。
比較例1:
実施例1において、第3重縮合反応槽(k)入口でのポリマーの温度を238℃、出口でのポリマーの温度を242℃に制御した他は、実施例1と同様に行った。得られたPBTは、表1に示す物性を有し、実施例1に比較し、到達分子量が低く、末端カルボキシル基濃度や末端ビニル基濃度が高く、色調も悪化していた。
実施例2:
実施例1において、第2重縮合反応槽(d)の圧力を140Pa、攪拌周速を0.2m/s、入口でのプレポリマーの温度を241℃、出口でのポリマーの温度を238℃、第3重縮合反応槽(k)の圧力を400Pa、攪拌周速を0.1m/s、入口でのポリマーの温度を240℃、出口でのポリマーの温度を237℃に制御し、第3重縮合反応槽(k)入口でのポリマーの固有粘度を0.7とした他は、実施例1と同様に行った。得られたPBTは、表1に示す物性を有し、末端カルボキシル基濃度や末端ビニル基濃度が低く、色調に優れていた。
比較例2:
実施例2において、第2重縮合反応槽(d)入口でのプレポリマーの温度を238℃、出口でのポリマーの温度を241℃、第3重縮合反応槽(k)入口でのポリマーの温度を237℃、出口でのポリマーの温度を240℃に制御した他は実施例2と同様に行った。得られたPBTは、表1に示す物性を有し、実施例2に比較し、末端カルボキシル基濃度や末端ビニル基濃度が高く、色調も悪化していた。
Figure 2005194519
本発明の好ましい一実施態様としての重縮合工程を示すフローチャートである。
符号の説明
a:第1重縮合反応槽
c、e、m:ギヤポンプ
d:第2重縮合反応槽
k:第3重縮合反応槽
g:ポリマー抜出ダイ
h 回転式カッター
L1、L2、L3、L4:抜出しライン
L5,L6,L7:ベント配管
A、B、C、D:温度計

Claims (16)

  1. ジカルボン酸またはジカルボン酸ジアルキルエステルとジオールとを主原料としてエステル化反応またはエステル交換反応させてオリゴマーを得る反応工程(A)と、複数段の反応槽を使用し、反応工程(A)で得られたオリゴマーを溶融状態で連続的に重縮合反応させてポリマーを得る重縮合工程(B)とを有するポリエステルの製造方法において、反応工程(A)において、エステル化率またはエステル交換率90%以上のオリゴマーを得、重縮合工程(B)において、水平方向に攪拌翼の回転軸を有する横型反応槽を少なくとも1槽使用し、当該横型反応槽の入口における内容物の温度をT1(℃)、出口における内容物の温度をT2(℃)とした際、以下の式(1)を満たすことを特徴とするポリエステルの製造方法。
    Figure 2005194519
  2. T1が280℃以下である請求項1に記載の製造方法。
  3. T1とT2の差が30℃以下である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. T2が240℃以下である請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
  5. 重縮合工程(B)において、直列に配置された3槽以上の反応槽を使用する請求項1〜4の何れかに記載の製造方法。
  6. 重縮合工程(B)において、水平方向に攪拌翼の回転軸を有する横型反応槽を直列に2槽使用し、プロセス上流側の横型反応槽の出口における内容物の温度をt2、プロセス下流側の横型反応器の出口における内容物の温度をt4とした際、以下の式(2)を満たす請求項1〜5の何れかに記載の製造方法。
    Figure 2005194519
  7. 水平方向に攪拌翼の回転軸を有する横型反応槽の攪拌翼の周速が0.01〜1m/sである請求項1〜6の何れかに記載の製造方法。
  8. 前記の式(1)を満たす横型反応槽の入口における内容物の固有粘度が0.5dL/g以上である請求項〜7の何れかに記載の製造方法。
  9. ジオール成分として1,4−ブタンジオールを使用する請求項1〜8の何れかに記載の製造方法。
  10. ポリエステルがポリブチレンテレフタレートである請求項1〜9の何れかに記載の製造方法。
  11. 重縮合触媒としてチタン触媒を使用する請求項1〜10の何れかに記載の製造方法。
  12. チタン触媒の使用量が得られるポリエステルに対するチタン原子の濃度として50ppm以下である請求項11に記載の製造方法。
  13. 請求項1〜12の何れかに記載の製造方法により得られたポリエステルであって、末端ビニル基濃度が15μeq/g以下であることを特徴とするポリエステル。
  14. 請求項1〜12の何れかに記載の製造方法により得られたポリエステルであって、末端カルボキシル基濃度が1〜30μeq/gであることを特徴とするポリエステル。
  15. 請求項1〜12の何れかに記載の製造方法により得られたポリエステルであって、末端ビニル基濃度が15μeq/g以下で且つ末端カルボキシル基濃度が1〜30μeq/gであることを特徴とするポリエステル。
  16. ポリエステル中のチタン原子の濃度が50ppm以下である請求項13〜15の何れかに記載のポリエステル。
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