JP2005194488A - 新規テルペン系樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】高極性ポリマーとの相溶性、改質効果に優れた特性を有する新規テルペン系樹脂を提供する。
【解決手段】(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、あるいは、(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、(C)スチレン系モノマー、(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、(D)フェノール系モノマーを必須成分として、フリーデルクラフツ触媒存在下、反応させて得られる新規テルペン系樹脂である。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、あるいは、(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、(C)スチレン系モノマー、(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、(D)フェノール系モノマーを必須成分として、フリーデルクラフツ触媒存在下、反応させて得られる新規テルペン系樹脂である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、新規テルペン系樹脂に関するものである。
テルペン系樹脂には、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、リモネン樹脂、水添リモネン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂などがあり、クマロン系樹脂にも、クマロン樹脂やインデン−クマロン樹脂、クマロン樹脂とナフテン系油、クマロン樹脂とフェノール樹脂およびロジンなどとの混合物などがある。
従来、テルペン系樹脂、クマロン樹脂は、粘着付与樹脂として、エラストマーおよび/または熱可塑性樹脂をベースポリマーとする組成物に、粘着剤、接着剤の原料の一部として使用されている。
特開2000−119636号公報
従来、テルペン系樹脂、クマロン樹脂は、粘着付与樹脂として、エラストマーおよび/または熱可塑性樹脂をベースポリマーとする組成物に、粘着剤、接着剤の原料の一部として使用されている。
本発明の目的は、従来のテルペン系樹脂やクマロン樹脂ではみられない、高極性ポリマーとの相溶性、改質効果に優れた特性を有する新規テルペン系樹脂を提供するものである。
本発明は、(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、あるいは、(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、(C)スチレン系モノマー、あるいは、(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、(D)フェノール系モノマーを必須成分として、フリーデルクラフツ触媒存在下、反応させて得られる新規テルペン系樹脂である。
高極性ポリマーとの相溶性、改質効果に優れた特性を有する新規テルペン系樹脂を提供することができる。
本発明の(A)テルペン系モノマーについて説明する。
テルペン系モノマーは、一般に植物の葉、樹、根などから得られる植物精油に含まれる化合物である。
ここでテルペンについて説明する。テルペンとは一般的に、イソプレン(C5H8)の重合体で、モノテルペン(C10H16)、セスキテルペン(C15H24)、ジテルペン(C20H32)等に分類される。
テルペン系モノマーとは、これらを基本骨格とする化合物である。この中で、モノテルペンが本発明では好ましく用いられる。また、テルペン系モノマーとしては、鎖状のテルペン化合物でもよい。
テルペン系モノマーの具体的な例として、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレイン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノーレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピンネオール、β−テルピンネオール、γ−テルピンネオール、サビネン、パラメンタジエン類、カレン類等が挙げられる。これらの化合物の中で、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネンが特に好ましい。
ここでテルペンについて説明する。テルペンとは一般的に、イソプレン(C5H8)の重合体で、モノテルペン(C10H16)、セスキテルペン(C15H24)、ジテルペン(C20H32)等に分類される。
テルペン系モノマーとは、これらを基本骨格とする化合物である。この中で、モノテルペンが本発明では好ましく用いられる。また、テルペン系モノマーとしては、鎖状のテルペン化合物でもよい。
テルペン系モノマーの具体的な例として、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレイン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノーレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピンネオール、β−テルピンネオール、γ−テルピンネオール、サビネン、パラメンタジエン類、カレン類等が挙げられる。これらの化合物の中で、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネンが特に好ましい。
本発明の(B)クマロン系モノマーについて説明する。
クマロンは、ベンゾフラン(C8H6O)ともいうが、コールタールの155〜185℃留分として、コールタール中にインデンと共に含まれているものである。
クマロンは、単独あるいはインデンと共に重合され、クマロン樹脂あるいはクマロン−インデン樹脂として、粘着付与樹脂や塗料・インキの原料等として幅広く使用されている。
クマロンは、ベンゾフラン(C8H6O)ともいうが、コールタールの155〜185℃留分として、コールタール中にインデンと共に含まれているものである。
クマロンは、単独あるいはインデンと共に重合され、クマロン樹脂あるいはクマロン−インデン樹脂として、粘着付与樹脂や塗料・インキの原料等として幅広く使用されている。
本発明の(C)スチレン系モノマーについて説明する。
(C)スチレン系モノマーとしては、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエン、2−フェニル−2−ブテン等が挙げられる。好ましくは、スチレン、α−メチルスチレン等が使用される。
(C)スチレン系モノマーとしては、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエン、2−フェニル−2−ブテン等が挙げられる。好ましくは、スチレン、α−メチルスチレン等が使用される。
本発明の(D)フェノール系モノマーについて説明する。
(D)フェノール系モノマーとしては、具体的には、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、ノリルフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、メトキシフェノール、ブロモフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどがあげられる、好ましくは、フェノール、クレゾール等が使用される。
(D)フェノール系モノマーとしては、具体的には、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、ノリルフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、メトキシフェノール、ブロモフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどがあげられる、好ましくは、フェノール、クレゾール等が使用される。
(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、あるいは、(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、(C)スチレン系モノマー、あるいは、(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、(D)フェノール系モノマーの配合割合は、特に限定されないが、各モノマーとも、0.1〜99.9重量%である。
0.1重量%未満および99.9重量%を越えるとそれぞれのモノマーの特徴を有しないものとなる。
0.1重量%未満および99.9重量%を越えるとそれぞれのモノマーの特徴を有しないものとなる。
本発明のフリーデルクラフツ触媒について説明する。
フリーデルクラフツ反応は、塩化アルミニウムなどのルイス酸存在下に、ハロゲン化アルキルやハロゲン化アシルで芳香環に炭素側鎖を導入する反応であるが、フリーデルクラフツ触媒は、フリーデルクラフツ反応を促進する触媒として、一般的に使用されており、本発明のフリーデルクラフツ触媒も同様である。
具体的には、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、フッ化水素酸、硫酸、リン酸、シリカ−アルミナ、ゼオライト、陽イオン交換樹脂、あるいは、三フッ化ホウ素に水などを加えた触媒等がよく使用される。
好ましくは、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素に水などを加えた触媒等が使用される。
フリーデルクラフツ反応は、塩化アルミニウムなどのルイス酸存在下に、ハロゲン化アルキルやハロゲン化アシルで芳香環に炭素側鎖を導入する反応であるが、フリーデルクラフツ触媒は、フリーデルクラフツ反応を促進する触媒として、一般的に使用されており、本発明のフリーデルクラフツ触媒も同様である。
具体的には、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、フッ化水素酸、硫酸、リン酸、シリカ−アルミナ、ゼオライト、陽イオン交換樹脂、あるいは、三フッ化ホウ素に水などを加えた触媒等がよく使用される。
好ましくは、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素に水などを加えた触媒等が使用される。
触媒の使用量は、反応がバッチ方式の場合、原料であるモノマーに対し、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である、触媒量が0.1重量%未満では、反応収率が著しく低くなり、一方、10重量%を超えても触媒効果が上がらないので好ましくない。
本発明のフリーデルクラフツ反応では、反応溶媒は使用しなくてもよいが、通常、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類などの溶媒が使用される。
反応温度は、特に限定されないが、通常0〜100℃、好ましくは、0〜50℃である。さらに好ましくは、20〜50℃である。
本発明の新規テルペン系樹脂は、無溶媒中あるいは有機溶媒中で、上記フリーデルクラフツ型触媒存在下、(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、あるいは、(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、(C)スチレン系モノマー、あるいは、(A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、(D)フェノール系モノマーを必須成分として、共重合して得られたものをいう。また得られたテルペン系樹脂を水素添加処理して得られたテルペン系樹脂であってもよい。
上記本発明のテルペン系樹脂の水素添加処理(水添)は、特に限定されるものではなく、例えば、パラジウム、ルテニウム、ロジウムなどの貴金属またはそれらを活性炭素、活性アルミナ、珪藻土などの坦体上に担持したものを触媒として使用して行う方法が挙げられる。
この時、粉末状の触媒を懸濁攪拌しながら反応を行うバッチ方式にすることも、成形した触媒を充填した反応塔を用いた連続方式にすることも可能であり、反応形式に特に制限はない。
この時、粉末状の触媒を懸濁攪拌しながら反応を行うバッチ方式にすることも、成形した触媒を充填した反応塔を用いた連続方式にすることも可能であり、反応形式に特に制限はない。
触媒の使用量は、反応がバッチ方式の場合、原料であるテルペン系樹脂に対し0.1〜100重量%、好ましくは1〜10重量%である。触媒量が1重量%未満では、水素化反応速度が遅くなり、一方、10重量%を超えても触媒効果が上がらないので好ましくない。
水添の際、反応溶媒は用いなくてもよいが、通常、アルコール類、エーテル類、エステル類、飽和炭化水素類が使用される。
水添の際の反応温度は、特に限定されないが、通常20〜250℃、好ましくは、50〜200℃である。反応温度が20℃未満であると、水素化速度が遅くなり、一方、250℃を超えると、水添物の分解が多くなる恐れがある。
以下、本発明を実施例により説明する。ただし本発明は実施例により限定されるものではない。
実施例1
撹拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計および窒素ガス吹き込み口を備えたフラスコに、トルエン300g、BF3エーテル9gを仕込み、この中に、ヤスハラケミカル(株)製D−リモネン(純度95%)200g、クマロン100g(純度99%)、の混合液を、反応温度30〜35℃で、攪拌しながら、2時間かけて滴下した。
反応終了後、水洗し、BF3エーテルを除去した後、昇温して200℃、5mmHgまで減圧し、水およびトルエンを完全に除去し、軟化点110℃(環球法による)の黄色のテルペン系樹脂(a)150gを得た。
赤外スペクトルは、(株)パーキンエルマー製SPECTRUM ONE、GPC(分子量)は、日本ウオーターズ製MODEL 510で測定した。
Mn(数平均分子量)、Mw(重量平均分子量)、Mz(Z平均分子量)の値は、それぞれ、605、1060、1865であった。
当新規テルペン系樹脂(a)の赤外スペクトル、GPCチャートを図1、図2に掲載する。
実施例1
撹拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計および窒素ガス吹き込み口を備えたフラスコに、トルエン300g、BF3エーテル9gを仕込み、この中に、ヤスハラケミカル(株)製D−リモネン(純度95%)200g、クマロン100g(純度99%)、の混合液を、反応温度30〜35℃で、攪拌しながら、2時間かけて滴下した。
反応終了後、水洗し、BF3エーテルを除去した後、昇温して200℃、5mmHgまで減圧し、水およびトルエンを完全に除去し、軟化点110℃(環球法による)の黄色のテルペン系樹脂(a)150gを得た。
赤外スペクトルは、(株)パーキンエルマー製SPECTRUM ONE、GPC(分子量)は、日本ウオーターズ製MODEL 510で測定した。
Mn(数平均分子量)、Mw(重量平均分子量)、Mz(Z平均分子量)の値は、それぞれ、605、1060、1865であった。
当新規テルペン系樹脂(a)の赤外スペクトル、GPCチャートを図1、図2に掲載する。
実施例2
撹拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計および窒素ガス吹き込み口を備えたフラスコに、トルエン300g、BF3エーテル9gを仕込み、この中に、ヤスハラケミカル(株)製D−リモネン(純度95%)200g、クマロン82g(純度92%)、α−メチルスチレン18g(純度98%)の混合液を、反応温度30〜35℃で、攪拌しながら、2時間かけて滴下した。
反応終了後、水洗し、BF3エーテルを除去した後、昇温して200℃、5mmHgまで減圧し、水およびトルエンを完全に除去し、軟化点100℃(環球法による)の黄色のテルペン系樹脂(b)160gを得た。
実施例1と同じ機器で測定した、当新規テルペン系樹脂(b)の赤外スペクトル、GPCチャートを図3、図4に掲載する。
Mn(数平均分子量)、Mw(重量平均分子量)、Mz(Z平均分子量)の値は、それぞれ、620、1205、2295であった。
撹拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計および窒素ガス吹き込み口を備えたフラスコに、トルエン300g、BF3エーテル9gを仕込み、この中に、ヤスハラケミカル(株)製D−リモネン(純度95%)200g、クマロン82g(純度92%)、α−メチルスチレン18g(純度98%)の混合液を、反応温度30〜35℃で、攪拌しながら、2時間かけて滴下した。
反応終了後、水洗し、BF3エーテルを除去した後、昇温して200℃、5mmHgまで減圧し、水およびトルエンを完全に除去し、軟化点100℃(環球法による)の黄色のテルペン系樹脂(b)160gを得た。
実施例1と同じ機器で測定した、当新規テルペン系樹脂(b)の赤外スペクトル、GPCチャートを図3、図4に掲載する。
Mn(数平均分子量)、Mw(重量平均分子量)、Mz(Z平均分子量)の値は、それぞれ、620、1205、2295であった。
実施例3
撹拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計および窒素ガス吹き込み口を備えたフラスコに、トルエン300g、BF3エーテル9gを仕込み、この中に、ヤスハラケミカル(株)製D−リモネン(純度95%)250g、クマロン50g(純度99%)、フェノール50g(純度95%)の混合液を、反応温度30〜35℃で、攪拌しながら、2時間かけて滴下した。
反応終了後、水洗し、BF3エーテルを除去した後、昇温して200℃、5mmHgまで減圧し、水およびトルエンを完全に除去し、軟化点128℃(環球法による)の黄色のテルペン系樹脂(c)245gを得た。
実施例1と同じ機器で測定した、当新規テルペン系樹脂(c)の赤外スペクトル、GPCチャートを図5、図6に掲載する。
Mn(数平均分子量)、Mw(重量平均分子量)、Mz(Z平均分子量)の値は、それぞれ、640、1130、1865であった、
撹拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計および窒素ガス吹き込み口を備えたフラスコに、トルエン300g、BF3エーテル9gを仕込み、この中に、ヤスハラケミカル(株)製D−リモネン(純度95%)250g、クマロン50g(純度99%)、フェノール50g(純度95%)の混合液を、反応温度30〜35℃で、攪拌しながら、2時間かけて滴下した。
反応終了後、水洗し、BF3エーテルを除去した後、昇温して200℃、5mmHgまで減圧し、水およびトルエンを完全に除去し、軟化点128℃(環球法による)の黄色のテルペン系樹脂(c)245gを得た。
実施例1と同じ機器で測定した、当新規テルペン系樹脂(c)の赤外スペクトル、GPCチャートを図5、図6に掲載する。
Mn(数平均分子量)、Mw(重量平均分子量)、Mz(Z平均分子量)の値は、それぞれ、640、1130、1865であった、
実施例4
撹拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計および窒素ガス吹き込み口を備えたフラスコに、トルエン300g、BF3エーテル9gを仕込み、この中に、ヤスハラケミカル(株)製D−リモネン(純度95%)210g、クマロン30g(純度99%)、スチレン90g(純度98%)の混合液を、反応温度30〜35℃で、攪拌しながら、2時間かけて滴下した。
反応終了後、水洗し、BF3エーテルを除去した後、昇温して200℃、5mmHgまで減圧し、水およびトルエンを完全に除去し、軟化点115℃(環球法による)の黄色のテルペン系樹脂(d)255gを得た。
実施例1と同じ機器で測定した、当新規テルペン系樹脂(d)の赤外スペクトル、GPCチャートを図7、図8に掲載する。
Mn(数平均分子量)、Mw(重量平均分子量)、Mz(Z平均分子量)の値は、それぞれ、680、1210、2195であった。
撹拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計および窒素ガス吹き込み口を備えたフラスコに、トルエン300g、BF3エーテル9gを仕込み、この中に、ヤスハラケミカル(株)製D−リモネン(純度95%)210g、クマロン30g(純度99%)、スチレン90g(純度98%)の混合液を、反応温度30〜35℃で、攪拌しながら、2時間かけて滴下した。
反応終了後、水洗し、BF3エーテルを除去した後、昇温して200℃、5mmHgまで減圧し、水およびトルエンを完全に除去し、軟化点115℃(環球法による)の黄色のテルペン系樹脂(d)255gを得た。
実施例1と同じ機器で測定した、当新規テルペン系樹脂(d)の赤外スペクトル、GPCチャートを図7、図8に掲載する。
Mn(数平均分子量)、Mw(重量平均分子量)、Mz(Z平均分子量)の値は、それぞれ、680、1210、2195であった。
実施例5
帝人化成(株)製ポリカーボネート樹脂”パンライトK−1300”(高粘度、高強度タイプ)を120℃で5時間十分予備乾燥して、上記テルペン系樹脂(a)5重量%をドライブレンドし、2軸押出機を用いて溶融混合してペレットとした、このペレットを射出成形機を用いてスパイラルフロー金型による流動性(成形性)の評価を行った。また、ASTMに準じた各種試験片を射出成形し、機械的物性を評価した。結果を表1に示した。なお、試験片の作製および評価方法の詳細は以下の方法で行った。
(1)溶融混合条件
使用機器:ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)
二軸押出機、D=20mm、L/D=25
混合条件:260〜290℃×70rpm
配合条件:ドライブレンド
(2)流動性試験(スパイラルフロー長、成形評価)
使用機器:射出成形機”日鉱N100B型”
1)シリンダー温度:H1/H2/H3/H4/H5/ノズル=260/300/300/300/300/300℃
2)金型:2mmスパイラルフロー金型
3)金型温度:80℃
4)評価射出圧力:1220、980、730kg/cm2の3点
5)射出時間:20sec、冷却時間:20sec
6)計量位置:50mm、シリンダー余裕:5〜10mm
(3)試験片の作成
使用機器:射出成形機”日鉱N100B型”
1)シリングー温度:H1/H2/H3/H4/H5/ノズル=260/300/300/300/300/300℃
2)金型温度:80℃
3)射出圧力:1220(ゲージ圧:100Kg/cm2)
4)射出時間:20sec、冷却時間:20sec
5)計量位置:50mm、シリンダー余裕:5〜10mm
6)成形試験片:ASTM引っ張り試験用ダンベル1号、曲げ、アイゾット衝撃、熱変形用試験片
(4)機械物性試験
1)引張り強度(ASTM D638に準ずる)
装置:島津オートグラフAGS−10KND
引張り速度:50mm/min
測定温度、湿度:23℃、50%
2)曲げ強さおよび曲げ弾性率(ASTM D790に準ずる)
装置:島津オートグラフAGS−10KND
曲げ速度:3mm/min
測定温度、湿度:23℃、50%
3)アイゾット衝撃強度(ASTM D256に準ずる)
装置:IMPACT TESTAR(東洋精機製作所製)
W=1.754kg、R=17.957cm、
α=125°58′
4)熱変形温度(ASTM D648に準ずる)
装置:全自動熱変形温度試験機(安田精機製作所製)
曲げ応力:4.6kg・f/cm2
帝人化成(株)製ポリカーボネート樹脂”パンライトK−1300”(高粘度、高強度タイプ)を120℃で5時間十分予備乾燥して、上記テルペン系樹脂(a)5重量%をドライブレンドし、2軸押出機を用いて溶融混合してペレットとした、このペレットを射出成形機を用いてスパイラルフロー金型による流動性(成形性)の評価を行った。また、ASTMに準じた各種試験片を射出成形し、機械的物性を評価した。結果を表1に示した。なお、試験片の作製および評価方法の詳細は以下の方法で行った。
(1)溶融混合条件
使用機器:ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)
二軸押出機、D=20mm、L/D=25
混合条件:260〜290℃×70rpm
配合条件:ドライブレンド
(2)流動性試験(スパイラルフロー長、成形評価)
使用機器:射出成形機”日鉱N100B型”
1)シリンダー温度:H1/H2/H3/H4/H5/ノズル=260/300/300/300/300/300℃
2)金型:2mmスパイラルフロー金型
3)金型温度:80℃
4)評価射出圧力:1220、980、730kg/cm2の3点
5)射出時間:20sec、冷却時間:20sec
6)計量位置:50mm、シリンダー余裕:5〜10mm
(3)試験片の作成
使用機器:射出成形機”日鉱N100B型”
1)シリングー温度:H1/H2/H3/H4/H5/ノズル=260/300/300/300/300/300℃
2)金型温度:80℃
3)射出圧力:1220(ゲージ圧:100Kg/cm2)
4)射出時間:20sec、冷却時間:20sec
5)計量位置:50mm、シリンダー余裕:5〜10mm
6)成形試験片:ASTM引っ張り試験用ダンベル1号、曲げ、アイゾット衝撃、熱変形用試験片
(4)機械物性試験
1)引張り強度(ASTM D638に準ずる)
装置:島津オートグラフAGS−10KND
引張り速度:50mm/min
測定温度、湿度:23℃、50%
2)曲げ強さおよび曲げ弾性率(ASTM D790に準ずる)
装置:島津オートグラフAGS−10KND
曲げ速度:3mm/min
測定温度、湿度:23℃、50%
3)アイゾット衝撃強度(ASTM D256に準ずる)
装置:IMPACT TESTAR(東洋精機製作所製)
W=1.754kg、R=17.957cm、
α=125°58′
4)熱変形温度(ASTM D648に準ずる)
装置:全自動熱変形温度試験機(安田精機製作所製)
曲げ応力:4.6kg・f/cm2
実施例6
実施例5において使用したテルペン系樹脂(a)をテルペン系樹脂(b)に変更した以外は実施例4と全く同様の方法で評価した。結果を表1に示した。
実施例5において使用したテルペン系樹脂(a)をテルペン系樹脂(b)に変更した以外は実施例4と全く同様の方法で評価した。結果を表1に示した。
実施例7
実施例4において使用したテルペン系樹脂(a)をテルペン系樹脂(c)に変更した以外は実施例4と全く同様の方法で評価した。結果を表1に示した。
実施例4において使用したテルペン系樹脂(a)をテルペン系樹脂(c)に変更した以外は実施例4と全く同様の方法で評価した。結果を表1に示した。
実施例8
実施例4において使用したテルペン系樹脂(a)をテルペン系樹脂(d)に変更した以外は実施例4と全く同様の方法で評価した。結果を表1に示した。
実施例4において使用したテルペン系樹脂(a)をテルペン系樹脂(d)に変更した以外は実施例4と全く同様の方法で評価した。結果を表1に示した。
比較例1
実施例5において使用したテルペン系樹脂(a)をヤスハラケミカル(株)製TO−125に変更した以外は実施例4と全く同様の方法で評価した。結果を表1に示した。
実施例5において使用したテルペン系樹脂(a)をヤスハラケミカル(株)製TO−125に変更した以外は実施例4と全く同様の方法で評価した。結果を表1に示した。
本発明の新規変性テルペン系樹脂は、高分子材料、ポリマー材料、相溶化剤、結晶核剤、表面改質剤、フィラー分散剤、可塑剤、滑剤、硬化剤、接着剤(ホットメルト接着剤、ホットメルト粘着剤、エマルジョン接着剤、エマルジョン粘着剤、溶剤系接着剤、溶剤系粘着剤等々)、結合材、油脂、塗料、トラフィックペイント、インキ、印刷インキ、トナー、糊剤、サイズ剤、紙力増強剤、道路舗装用組成物、土木建築材料など様々な用途に幅広く利用できる。特に、高分子材料の原料、改質剤として有用である。
Claims (3)
- (A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマーを必須成分として、フリーデルクラフツ触媒存在下、反応させて得られる新規テルペン系樹脂。
- (A)テルペン系モノマーと(B)クマロン系モノマー、(C)スチレン系モノマーを必須成分として、フリーデルクラフツ触媒存在下、反応させて得られる新規テルペン系樹脂。
- (A)テルペンモノマーと(B)クマロン系モノマー、(D)フェノール系モノマーを必須成分として、フリーデルクラフツ触媒存在下、反応させて得られる新規テルペン系樹脂。
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2004
- 2004-01-06 JP JP2004029961A patent/JP2005194488A/ja active Pending
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