JP2005194321A - 分散物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】平均粒子径が異なる固体粒子を粉砕する場合において、1段粉砕するだけで、粗粒の極めて少ない安定な高純度の粉体の分散物を製造することができる分散物の製造方法及び該製造方法により得られる分散物を提供すること。
【解決手段】工程(I):固体成分(A)を溶解しない又はしにくいが、固体成分(B)を溶解する溶媒(C)に、固体成分(A)の原料及び該(A)成分の原料より平均粒子径の大きい固体成分(B)の原料を添加して(B)成分を溶解せしめ、スラリーを得る工程、工程(II):工程(I)で得られたスラリーを乾燥して、溶媒(C)を除去し、(A)成分及び(B)成分を含有する乾燥物を得る工程、工程(III):工程(II)で得られた乾燥物を、固体成分(A)及び(B)を溶解しない又はしにくい溶媒(D)に添加し、湿式粉砕する工程を含む、(A)成分及び(B)成分を含有する分散物の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】工程(I):固体成分(A)を溶解しない又はしにくいが、固体成分(B)を溶解する溶媒(C)に、固体成分(A)の原料及び該(A)成分の原料より平均粒子径の大きい固体成分(B)の原料を添加して(B)成分を溶解せしめ、スラリーを得る工程、工程(II):工程(I)で得られたスラリーを乾燥して、溶媒(C)を除去し、(A)成分及び(B)成分を含有する乾燥物を得る工程、工程(III):工程(II)で得られた乾燥物を、固体成分(A)及び(B)を溶解しない又はしにくい溶媒(D)に添加し、湿式粉砕する工程を含む、(A)成分及び(B)成分を含有する分散物の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、分散物の製造方法に関する。更に詳しくは、平均粒子径が異なる固体粒子を粉砕した分散物の製造方法に関する。
近年、新素材の開発に当り、サブミクロン及びミクロン領域における高純度の粉体を短時間に粉砕することが要求されており、今後ますますその傾向が強くなると予想される。一般に、液体洗浄剤、化粧品等の組成物に固体粒子を配合する場合、分離を防止するため固体粒子を小粒径化して分散安定化させている。
このような組成物を製造する過程では、乾式粉砕では粉砕できる大きさ等に限界があり、固体粒子をスラリー化して粉砕する湿式粉砕が行われている。この湿式粉砕を行う装置としては撹拌ミルが有効である。撹拌ミルとは容器中にメディアを入れ、このメディアに挿入した撹拌機構によって力を伝達し粉砕を行う粉砕機であり、容器中に入れるメディアには、非特許文献1に報告されているように、粉砕原料の粒径に対してメディア径の選定が重要な因子となる。
しかしながら、一般的に、平均粒子径が異なる固体粒子を粉砕する場合、複数の粉砕機で連続的に粉砕処理することが行われているが、同じ径のメディアを用いると粉砕機の台数が増えても粗粒は減少せず、逆に、台数が増加することでメンテナンスが増える等、取り扱いが複雑になるという欠点がある。
化学装置(工業調査会)、1993年2月号、80頁
化学装置(工業調査会)、1993年2月号、80頁
本発明の目的は、平均粒子径が異なる固体粒子を粉砕する場合において、1段粉砕するだけで、粗粒の極めて少ない安定な高純度の粉体の分散物を製造することができる分散物の製造方法及び該製造方法により得られる分散物を提供することである。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 工程(I):固体成分(A)を溶解しない又はしにくいが、固体成分(B)を溶解する溶媒(C)に、固体成分(A)の原料及び該(A)成分の原料より平均粒子径の大きい固体成分(B)の原料を添加して(B)成分を溶解せしめ、スラリーを得る工程、
工程(II):工程(I)で得られたスラリーを乾燥して、溶媒(C)を除去し、(A)成分及び(B)成分を含有する乾燥物を得る工程、
工程(III):工程(II)で得られた乾燥物を、固体成分(A)及び(B)を溶解しない又はしにくい溶媒(D)に添加し、湿式粉砕する工程、
を含む、(A)成分及び(B)成分を含有する分散物の製造方法、
〔2〕 工程(I’):固体成分(A)を溶解しない又はしにくいが、固体成分(B)を溶解する溶媒(C)に、(A)成分の原料より平均粒子径の大きい固体成分(B)の原料を添加して(B)成分を溶解せしめ、スラリーを得る工程、
工程(II’):工程(I’)で得られたスラリーを乾燥して、溶媒(C)を除去し、(B)成分を含有する乾燥物を得る工程、
工程(III ’):工程(II’)で得られた乾燥物と固体成分(A)の原料とを、固体成分(A)及び(B)を溶解しない又はしにくい溶媒(D)に添加し、湿式粉砕する工程、
を含む、(A)成分及び(B)成分を含有する分散物の製造方法、
〔3〕前記〔1〕又は〔2〕記載の製造方法によって得られる分散物、並びに
〔4〕前記〔3〕記載の分散物を含有する液体洗浄剤組成物
に関する。
〔1〕 工程(I):固体成分(A)を溶解しない又はしにくいが、固体成分(B)を溶解する溶媒(C)に、固体成分(A)の原料及び該(A)成分の原料より平均粒子径の大きい固体成分(B)の原料を添加して(B)成分を溶解せしめ、スラリーを得る工程、
工程(II):工程(I)で得られたスラリーを乾燥して、溶媒(C)を除去し、(A)成分及び(B)成分を含有する乾燥物を得る工程、
工程(III):工程(II)で得られた乾燥物を、固体成分(A)及び(B)を溶解しない又はしにくい溶媒(D)に添加し、湿式粉砕する工程、
を含む、(A)成分及び(B)成分を含有する分散物の製造方法、
〔2〕 工程(I’):固体成分(A)を溶解しない又はしにくいが、固体成分(B)を溶解する溶媒(C)に、(A)成分の原料より平均粒子径の大きい固体成分(B)の原料を添加して(B)成分を溶解せしめ、スラリーを得る工程、
工程(II’):工程(I’)で得られたスラリーを乾燥して、溶媒(C)を除去し、(B)成分を含有する乾燥物を得る工程、
工程(III ’):工程(II’)で得られた乾燥物と固体成分(A)の原料とを、固体成分(A)及び(B)を溶解しない又はしにくい溶媒(D)に添加し、湿式粉砕する工程、
を含む、(A)成分及び(B)成分を含有する分散物の製造方法、
〔3〕前記〔1〕又は〔2〕記載の製造方法によって得られる分散物、並びに
〔4〕前記〔3〕記載の分散物を含有する液体洗浄剤組成物
に関する。
本発明の分散物の製造方法を用いることにより、分散性に優れた安定な固体粒子を経済的に得ることができるという効果が奏される。
本発明の分散物の製造方法における製造条件を、以下に詳細を示す。
尚、本発明において、分散物とは固体成分(A)と固体成分(B)とが分散されているものであり、その状態(液状、固体、及びその混合体(例えば、スラリー状))は問わない。特にある程度、流動性を有するものが好ましい。
尚、本発明において、分散物とは固体成分(A)と固体成分(B)とが分散されているものであり、その状態(液状、固体、及びその混合体(例えば、スラリー状))は問わない。特にある程度、流動性を有するものが好ましい。
(1) 工程(I)
工程(I)は、固体成分(A)を溶解しない又はしにくいが、固体成分(B)を溶解する溶媒(C)に、固体成分(A)の原料及び該(A)成分の原料より平均粒子径の大きい固体成分(B)の原料を添加して(B)成分を溶解せしめ、スラリーを得る工程である。
工程(I)は、固体成分(A)を溶解しない又はしにくいが、固体成分(B)を溶解する溶媒(C)に、固体成分(A)の原料及び該(A)成分の原料より平均粒子径の大きい固体成分(B)の原料を添加して(B)成分を溶解せしめ、スラリーを得る工程である。
本発明においては、この工程(I)を行うことにより、平均粒径の大きい固体成分(B)の原料を著しく減少させることができるという利点がある。
工程(I)において使用する装置については、固体・液体を混合できる装置であれば特に限定されず、バッチニーダーや攪拌槽型装置が好適に使用できる。攪拌槽型装置にはパドル多段翼、スクリュー型、アンカー型等の低回転型装置、ディスクタービン、プロペラ、ファンタービン等の中速回転型装置や、ホモミクサー、ディスパー等の高速回転型装置があるが、溶解性・分散性の観点から、高速回転型装置が好ましい。高速回転型装置における、撹拌周速は特に限定は無いが、1〜30m/sが好ましく、3〜15m/sが特に好ましい。混合装置は、ジャケット等の温調機構を有したものが好ましく、固体成分(B)の溶解性向上及び工程(II)での乾燥効率の観点から、加温下にスラリーを調製することが好ましいが、設備的には溶媒(C)の沸点以下とすることが特に好ましい。
調製後のスラリー物性は、固体成分(A)、固体成分(B)及び溶媒(C)の組合せや配合比によって異なる。固体成分(A)の原料、固体成分(B)の原料の配合比により、粘度を調節することもできるが、一般的にこの比率は最終的な分散物の処方設計によるものであり、溶媒(C)の配合比率で調節することが望ましい。溶媒(C)は固体成分(B)を溶解するのに十分な量を用いることが望ましく、溶媒(C)の比率を増すとスラリー粘度が下がり、ハンドリング性が容易となる。しかし、一方で工程(II)での乾燥負荷の観点からは溶媒(C)の使用量を少なくすることが好ましい。よって、スラリー粘度の目安としては、工程(II)で噴霧乾燥する場合には、粘度は50000mPa・s以下、特に10000mPa・s以下とすることが好ましい。
固体成分(A)の原料、固体成分(B)の原料、溶媒(C)の添加順序については、特に限定されるものではなく、同時でも分割して行ってもよい。特に溶媒(C)に固体成分(B)の原料を溶解した後、固体成分(A)の原料を添加することが好ましい。
固体成分(A)とは、溶媒(C)及び/又は溶媒(D)に対して、溶解しない又はしにくい固体成分をいう。本発明において、溶解しない又はしにくいとは25℃の溶媒(C)又は溶媒(D)100gに対する溶解度が0.1g以下であることをいう。固体成分(A)の配合量は特に限定されないが、工程(I)のスラリー中では、乾燥効率と生産量の観点から、20〜70重量%が好ましく、30〜60重量%が更に好ましい。
固体成分(B)とは、溶媒(C)に溶解し、溶媒(D)に対して溶解しない又はしにくい固体成分をいう。固体成分(B)の配合量は、工程(I)ではスラリー中の溶媒(C)に溶解できる範囲内であれば特に限定されない。
本工程(I)では、固体成分(A)の原料の平均粒子径は、固体成分(B)の平均粒子径と相対的な差を有することが重要であり、具体的には一括粉砕が困難となることから、固体成分(B)の平均粒子径が固体成分(A)の平均粒子径に対して5倍以上が好ましく、10倍以上がより好ましい。固体成分(A)の平均粒子径としては、工程(II)において噴霧ノズルに詰まるなどの問題が無ければ特に限定されない。また、固体成分(B)の平均粒子径の上限は、溶媒(C)成分に溶解するため特に限定されないが、溶解性・取り扱いの観点から10mm以下、特に2mm以下が好ましい。
溶媒(C)とは、前記固体成分(B)を溶解することができる溶媒である。ここで、溶解するとは、25℃の溶媒(C)100gに対する溶解度が0.1gより上であり、特に溶媒(C)に全量溶解することを全溶解と呼び本発明の好ましい態様である。溶媒(C)は、例えば、固体成分(B)の種類に応じて適宜使用量を決めることができ、全溶解することが好ましい。溶媒(C)の使用量としては、使用直後のスラリーとして粘度が10000cps以下となるような条件で用いることがより好ましい。
(2) 工程(II)
工程(II)は、上記のように、工程(I)で得られたスラリーを乾燥して、溶媒(C)を除去し、(A)成分及び(B)成分を含有する乾燥物を得る工程である。
工程(II)は、上記のように、工程(I)で得られたスラリーを乾燥して、溶媒(C)を除去し、(A)成分及び(B)成分を含有する乾燥物を得る工程である。
本発明においては、工程(II)を行うことに一つの大きな特徴がある。かかる工程(II)を行うことにより、後述の工程(III) において1 回粉砕処理をするだけで、微粒の固体成分(B)を得ることができ、良好な分散物を得られるという優れた利点がある。この原因としては、明らかではないが、工程(II)においてスラリー中に溶解している固体成分(B)を固体成分(A)の存在下に乾燥して再析出させる際に、固体成分(A)が存在するため、固体成分(B)が大きな結晶を形成しないことが推察される。
スラリーの乾燥温度としては、特に限定されるものではなく、溶媒(C)の沸点より高温であればよく、溶媒(C)の沸点より10℃以上が好ましい。この際、減圧操作により沸点を調整してもよい。
乾燥手段としては、噴霧乾燥、棚型乾燥、凍結乾燥等、何れの方法でもよい。中でも、噴霧乾燥は連続生産可能で工業的に好ましく、棚型乾燥は品種切替え等でのコンタミの心配がなく、また、熱安定性が悪い成分を有する場合には凍結乾燥が好ましい。
噴霧乾燥を用いる場合、得られる乾燥物の平均粒子径は特に限定されないが、後の工程(III)での粉砕性や乾燥効率の観点から小さい方が好ましく、収率の観点からは大きい方が好ましいので、その目的や効率から適宜選択をすればよい。一般に、10〜500μm、好ましくは50〜300μm、更に好ましくは80〜200μmとなるように調整することがよい。乾燥物の平均粒子径を調整する因子の1つとしてノズル噴霧圧があり、一般的に15〜25MPa程度とすることが好ましい。
(3) 工程(III)
工程(III)は、工程(II)で得られた乾燥物を、固体成分(A)及び(B)を溶解しない又はしにくい溶媒(D)に添加し、湿式粉砕する工程である。
工程(III)は、工程(II)で得られた乾燥物を、固体成分(A)及び(B)を溶解しない又はしにくい溶媒(D)に添加し、湿式粉砕する工程である。
溶媒(D)の配合量は、目的とする処方による為に特に限定されるものではないが、湿式粉砕を良好に行なう為、分散物の粘度が10〜10000mPa・s、更に50〜5000mPa・s、特に100〜2000mPa・sとなる様に溶媒(D)を乾燥物と混合して調節するのが好ましい。
工程(III)において、溶媒(D)中で乾燥物を湿式粉砕するに当り、粉砕機としては撹拌ミルやボールミル、高圧衝突型粉砕機等があり、乾燥粒子を粉砕できれば何れの方法でも用い得る。
撹拌ミルとは容器内にメディアをいれ、このメディアに挿入した撹拌機構によって力を伝達して粉砕を行う粉砕機であって、塔式ミル、撹拌槽型ミル、流通管型ミル、環状ミル等に分類される。撹拌ミルの中で、塔式ミルの例には、タワーミル(日本タワーミル(株)製)等があり、撹拌槽型ミルの例には、アトライター(三井鉱山(株)製)、サンドグラインダー(アイメックス(株)製)があり、流通管型ミルの例には、ダイノーミル(ウィリー・アー・バッコーフェンAG製)、スーパーアペックスミル(コトブキ技研工業(株)製)、ウルトラビスコミル(アイメックス(株)製)があり、環状ミルの例には、パールミル(ドライスヴェルゲGmbH製)、ダイヤモンドファインミル(三菱重工業(株)製)がある。
ボールミルとしては通常、円筒状容器のミルの中にメディアを入れ、ミルを運動させることによって粉砕を行う粉砕機であって、転動ミル、振動ボールミル、遊星ミル等と分類される。このようなボールミルとしてはアクアマイザー(ホソカワミクロン(株))、ハイジー((株)栗本鐵工所製)等がある。
高圧衝突型粉砕機とは、スラリーに圧力エネルギーを与え、途中で2流路に分岐させ、再度合流する部分で対向衝突をさせて粉砕を行う粉砕機であって、ナノマイザー(吉田機械興業(株))、アルティマイザー((株)スギノマシン)等が挙げられる。撹拌ミル及び/又はボールミルを利用して固体成分を粉砕させる場合、粉砕機は開放型、密閉型のいずれも可能である。
使用するメディア径は特に限定されるものではなく、好ましくは固体成分(A)の最大粒子径の15〜50倍、より好ましくは15〜30倍である。また、メディアの充填量(嵩容積基準)は特に限定されるものではなく、充填量は装置容積(開放型の場合は全容積)の50〜95容量%が好ましく、60〜92容量%がより好ましく、70〜90容量%がさらに好ましい。メディアの量が多いほど粉砕効率が上がるため、50容量%以上が好ましく、容積効率の低下及び動力の増大の観点から95容量%以下が好ましい。
メディアの材質は、ガラスやジルコニア等のセラミックス、ステンレス等の金属等が使用可能であるが、メディアの摩耗等からジルコニアを使用することが好ましい。
また、処理条件としては、例えば、撹拌ミルの回転数については限定されるものではなく、撹拌羽根先端の周速度が高ければ高い程良いが装置の能力をも考慮すると、7〜100m/sであることが好ましく、10〜60m/sであることがより好ましく、13〜30m/sであることが更に好ましい。撹拌ミルによる処理時間は特に限定されるものではなく、1分〜10時間でよい。
また、ボールミルに関しては、撹拌ミルより大きい粒径のものを粉砕する際に有用である。また、高圧衝突型に関しては、撹拌ミルやボールミルに必要なメディア/ボールがなくても粉砕できるため、メディア/ボール等からのコンタミを嫌う場合には有用である。粉砕温度に関しては、溶媒(D)の沸点以下で運転できることや適切な粘度で行うことが好ましいため、ジャケットなどにより、粉砕機内を冷却・加温し、調整することも望ましい。
また、本発明の分散物の製造方法において、(A)成分の配合を前記工程(I)で行うかわりに、工程(III)で行ってもよい。
かかる製造方法としては、例えば、以下のものが挙げられる。
工程(I’):固体成分(A)を溶解しない又はしにくいが、固体成分(B)を溶解する溶媒(C)に、(A)成分の原料より平均粒子径の大きい固体成分(B)の原料を添加して(B)成分を溶解せしめ、スラリーを得る工程、
工程(II’):工程(I’)で得られたスラリーを乾燥して、溶媒(C)を除去し、(B)成分を含有する乾燥物を得る工程、
工程(III ’) :工程(II’)で得られた乾燥物と固体成分(A)の原料とを、固体成分(A)及び(B)を溶解しない又はしにくい溶媒(D)に添加し、湿式粉砕する工程、
を含む、(A)成分及び(B)成分を含有する分散物の製造方法。
かかる製造方法としては、例えば、以下のものが挙げられる。
工程(I’):固体成分(A)を溶解しない又はしにくいが、固体成分(B)を溶解する溶媒(C)に、(A)成分の原料より平均粒子径の大きい固体成分(B)の原料を添加して(B)成分を溶解せしめ、スラリーを得る工程、
工程(II’):工程(I’)で得られたスラリーを乾燥して、溶媒(C)を除去し、(B)成分を含有する乾燥物を得る工程、
工程(III ’) :工程(II’)で得られた乾燥物と固体成分(A)の原料とを、固体成分(A)及び(B)を溶解しない又はしにくい溶媒(D)に添加し、湿式粉砕する工程、
を含む、(A)成分及び(B)成分を含有する分散物の製造方法。
この製造方法において、(A)〜(D)成分の種類や配合量は、前記と同様であればよい。
また、工程(I’)におけるスラリーの調製方法、工程(II’)におけるスラリーの乾燥方法、及び工程(III ’) における湿式粉砕方法は、それぞれ工程(I)、工程(II)、及び工程(III)における各方法と同様であればよい。
また、工程(I’)におけるスラリーの調製方法、工程(II’)におけるスラリーの乾燥方法、及び工程(III ’) における湿式粉砕方法は、それぞれ工程(I)、工程(II)、及び工程(III)における各方法と同様であればよい。
また、本発明においては、経済性の観点から、前記(A)成分、(B)成分に加えてさらに別の固体成分(F)も同時に粉砕処理することができる。
このような方法の中でも、好ましい形態の1つとして、前記工程(I)又は(I')において溶媒(C)に、固体成分(F)を溶解した溶媒(E)を添加し、且つ前記工程(II)又は(II')において溶媒(E)を除去する方法が挙げられる。
このような方法の中でも、好ましい形態の1つとして、前記工程(I)又は(I')において溶媒(C)に、固体成分(F)を溶解した溶媒(E)を添加し、且つ前記工程(II)又は(II')において溶媒(E)を除去する方法が挙げられる。
かかる方法によれば、種々の問題から、通常、煩雑な処理をして分散物に添加していた固体成分でも、(F)成分として分散物へ容易に配合することができるという利点がある。このような固体成分としては、例えば、粘着性が高い等のハンドリング性の問題から、溶媒(E)に溶解した状態で扱われており、分散物に配合しようとした場合、溶媒(E)が前記工程(III) 又は(III’) で用いる溶媒(D)に相溶しなかったり、処方上の制約等により、分散物に後から添加することができない原料等が挙げられる。
具体的には、工程(I)又は(I’)において、固体成分(F)が溶解した溶媒(E)をその他の原料と共に混合し、工程(II)又は(II’)の乾燥工程で溶媒(C)と共に溶媒(E)を除去することによって、固体成分(F)を含有した乾燥物を得、工程(III)又は(III ’)で粉砕を行なう。
前記固体成分(F)及び溶媒(E)としては、得られる分散物が洗浄剤に使用される場合、固体成分(F)としてアクリル酸メタクリル酸系コポリマー及びオリゴマーが挙げられ、溶媒(E)として水が挙げられる。この場合の好ましい添加量は、固体成分(F)として分散物中に好ましくは0.05〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%である。また、溶媒(E)の使用量には特に限定はないが、固体成分(F)との関係性で適宜選択することができる。特に、使用直後の流動性が保持できる範囲が好ましい。
以上のような構成を有する本発明の製造方法を用いることにより、固体粒子を含有した、分散性に優れた安定な分散物が得られる。
なお、本発明の製造方法は、次に示す如く、前記溶媒(C)、溶媒(D)に対する固体成分(A)、固体成分(B)の溶解性に違いがあるため、各成分の組合せが重要である。
固体成分(A):溶媒(C)及び溶媒(D)に溶解しない又はしにくい
固体成分(B):溶媒(C)に溶解するが、溶媒(D)には溶解しない又はしにくい
固体成分(A):溶媒(C)及び溶媒(D)に溶解しない又はしにくい
固体成分(B):溶媒(C)に溶解するが、溶媒(D)には溶解しない又はしにくい
(A)〜(D)成分については、特に限定されず、その種類や量に関しては、分散物の用途に応じた配合がなされて良い。かかる分散物の用途としては、例えば、液体洗浄剤組成物、化粧品等が挙げられる。
(1)液体洗浄剤組成物
分散物を液体洗浄剤組成物に使用する場合、固体成分(A)として、トリポリリン酸ナトリウム、固体成分(B)として、水酸化カリウム、溶媒(C)としてエタノール、溶媒(D)としてノニオン界面活性剤を主成分とする組合せにより、トリポリリン酸ナトリウムと水酸化カリウムが分散したノニオン界面活性剤を効率的に製造することができる。ここで、固体成分(A)をアルミノケイ酸塩に置き換えても洗剤組成物として有用な分散物を得ることができる。また、溶媒(C)に水を用いた場合、固体成分(A)としてアルミノケイ酸塩、固体成分(B)を炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、1号ケイ酸ナトリウム、2号ケイ酸ナトリウム、3号ケイ酸ナトリウム等を使用して、ノニオン界面活性剤に固体成分を分散させることができる。洗浄剤としての最も好ましい組成としては、固体成分(A)として、アルミノケイ酸塩、固体成分(B)として、アルカリ剤である炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、特に経済性の観点で炭酸ナトリウム、溶媒(C)として水、溶媒(D)としてノニオン界面活性剤を主成分とする組合せが、洗浄力の観点で好ましい。
分散物を液体洗浄剤組成物に使用する場合、固体成分(A)として、トリポリリン酸ナトリウム、固体成分(B)として、水酸化カリウム、溶媒(C)としてエタノール、溶媒(D)としてノニオン界面活性剤を主成分とする組合せにより、トリポリリン酸ナトリウムと水酸化カリウムが分散したノニオン界面活性剤を効率的に製造することができる。ここで、固体成分(A)をアルミノケイ酸塩に置き換えても洗剤組成物として有用な分散物を得ることができる。また、溶媒(C)に水を用いた場合、固体成分(A)としてアルミノケイ酸塩、固体成分(B)を炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、1号ケイ酸ナトリウム、2号ケイ酸ナトリウム、3号ケイ酸ナトリウム等を使用して、ノニオン界面活性剤に固体成分を分散させることができる。洗浄剤としての最も好ましい組成としては、固体成分(A)として、アルミノケイ酸塩、固体成分(B)として、アルカリ剤である炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、特に経済性の観点で炭酸ナトリウム、溶媒(C)として水、溶媒(D)としてノニオン界面活性剤を主成分とする組合せが、洗浄力の観点で好ましい。
(2)化粧品
化粧品の場合、固体成分(A)として酸化亜鉛、タルク、雲母等、固体成分(B)としてラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル類、安息香酸、安息香酸塩類、サリチル酸、サリチル酸塩、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸塩類、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸塩類、パラオキシ安息香酸エステル、ヘキサクロロフェン、トリブロムサラン、臭化アルキルイソキノリニウム等、溶媒(C)としてメタノール、エタノール等のアルコール類や、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン系炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族、N,N−ジメチルホスホルアミド等のアミド類等の有機溶剤、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の揮発性シリコーン油、水等、溶媒(D)としてスクワラン、シリコーン油、フッ素油等の各種油剤、水、グリセリン等の水性基剤より、適宜選択することができる。
化粧品の場合、固体成分(A)として酸化亜鉛、タルク、雲母等、固体成分(B)としてラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル類、安息香酸、安息香酸塩類、サリチル酸、サリチル酸塩、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸塩類、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸塩類、パラオキシ安息香酸エステル、ヘキサクロロフェン、トリブロムサラン、臭化アルキルイソキノリニウム等、溶媒(C)としてメタノール、エタノール等のアルコール類や、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン系炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族、N,N−ジメチルホスホルアミド等のアミド類等の有機溶剤、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の揮発性シリコーン油、水等、溶媒(D)としてスクワラン、シリコーン油、フッ素油等の各種油剤、水、グリセリン等の水性基剤より、適宜選択することができる。
好ましい組合せの例として、例えば、油性分散剤を製造する場合、固体成分(A)をTiO2 、固体成分(B)を安息香酸カリウム、溶媒(C)を水、溶媒(D)をスクワランを主成分とする組合せが挙げられる。また、水性分散剤としては、固体成分(A)をタルク、固体成分(B)をラウリン酸、溶媒(C)をメタノール、溶媒(D)をグリセリンを主成分とする組合せを挙げることができる。
中でも、本発明の液体洗浄剤組成物は、前記分散物に加えて、以下の様な成分も含有することができる。即ち、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等の酵素、パラトルエンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、タルク、カルシウムシリケート等のケーキング防止剤、第3ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール等の酸化防止剤、蛍光染料、青味付剤、香料等を含むことができるが、これらについては特に限定させず、目的に応じた配合がなされてよい。
以下に本発明の実施例及び比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
実施例1
まず、工程(I)として、200L容量の撹拌槽に75kgの水〔(C)成分〕を入れ、これにソーダ灰〔(B)成分、セントラル(株)製、デンス灰;平均粒子径320μm〕18.75kgを常温下でディスパー翼(アシザワ・ニロアトマイザー(株)製;可搬式ハイパー(型式:HS−P3)、撹拌先端周速度 3m/s)にて撹拌溶解させた。溶解確認後、ゼオライト〔(A)成分、ゼオビルダー社製;平均粒子径4μm〕56.25kgを添加して、固形分が50%の噴霧乾燥スラリーとした。得られたスラリー粘度は380mPa・s(35℃)であった。
まず、工程(I)として、200L容量の撹拌槽に75kgの水〔(C)成分〕を入れ、これにソーダ灰〔(B)成分、セントラル(株)製、デンス灰;平均粒子径320μm〕18.75kgを常温下でディスパー翼(アシザワ・ニロアトマイザー(株)製;可搬式ハイパー(型式:HS−P3)、撹拌先端周速度 3m/s)にて撹拌溶解させた。溶解確認後、ゼオライト〔(A)成分、ゼオビルダー社製;平均粒子径4μm〕56.25kgを添加して、固形分が50%の噴霧乾燥スラリーとした。得られたスラリー粘度は380mPa・s(35℃)であった。
次に、工程(II)として、工程(I)で調製したスラリーをスプレードライヤー(アシザワ・ニロアトマイザー(株)製)にて、温度200℃雰囲気下に50L/Hrの供給速度で噴霧し、スラリーの乾燥を行った。得られたゼオライト/ソーダ灰複合乾燥粒子の平均粒子径は、120μmであった。
更に、工程(III)として、工程(II)で得られたゼオライト/ソーダ灰複合乾燥粒子2000gを、非イオン性界面活性剤(花王(株)製;エマルゲン108)1600g、ポリオキシエチレンフェニルエーテル(日本乳化剤(株)製;PHG−30)1300g、メタクリル酸とメタクリル酸EO付加物コポリマー((株)日本触媒社製;EO付加モル数約9、アクアロックFC600S)100gを常温下で混合した分散媒〔溶媒(D)〕に添加し、混合した後、撹拌ミルであるKDL−PILOT型ダイノーミル(ウィリー・アー・バッコーフェン製)を用い、直径0.5mmのジルコニアビーズを容量の90%を充填し、撹拌先端速度14m/s、100g/minで撹拌ミルに供給した。
得られた分散物のゼオライトの平均粒子径は0.5μmであった。また、ソーダ灰粗粒率は0%であることがわかった。このことから、ゼオライト及びソーダ灰の粉砕粒子径は、原料の平均粒子径から小粒径化されており、更に固体粒子が安定に分散した液体洗浄剤を得ることが出来た。また、この分散物は液体洗浄剤に使用可能なものであった。表1に、得られた分散物の組成を示す。
実施例2
工程(I)において、200L容量の撹拌槽に48kgの水〔(C)成分〕を入れ、これにソーダ灰〔(B)成分、セントラル(株)製、デンス灰;平均粒子径320μm〕16kgを常温下でディスパー翼(アシザワ・ニロアトマイザー(株)製;可搬式ハイパー(型式:HS−P3)、撹拌先端周速度 3m/s)にて撹拌溶解させた。溶解確認後、ゼオライト〔(A)成分、ゼオビルダー社製;平均粒子径4μm〕16kgを添加して、固形分が40%の噴霧乾燥スラリーとした。得られたスラリー粘度は44mPa・s(35℃)であった。
噴霧乾燥スラリーを変更した以外は実施例1と同様にして乾燥物、更には分散物を得た。
工程(I)において、200L容量の撹拌槽に48kgの水〔(C)成分〕を入れ、これにソーダ灰〔(B)成分、セントラル(株)製、デンス灰;平均粒子径320μm〕16kgを常温下でディスパー翼(アシザワ・ニロアトマイザー(株)製;可搬式ハイパー(型式:HS−P3)、撹拌先端周速度 3m/s)にて撹拌溶解させた。溶解確認後、ゼオライト〔(A)成分、ゼオビルダー社製;平均粒子径4μm〕16kgを添加して、固形分が40%の噴霧乾燥スラリーとした。得られたスラリー粘度は44mPa・s(35℃)であった。
噴霧乾燥スラリーを変更した以外は実施例1と同様にして乾燥物、更には分散物を得た。
分散物中のゼオライトの粉砕粒子径は0.5μmであり、ソーダ灰粗粒率は、0.01%であることがわかった。得られた分散物は、固体粒子が安定に分散した液体洗浄剤であり、更に使用可能なものであった。表1に、得られた分散物の組成を示す。
実施例3
工程(I)において、200L容量の撹拌槽に38.56kgの水〔(C)成分〕を入れ、これにソーダ灰〔(B)成分、セントラル(株)製、デンス灰;平均粒子径320μm〕9.76kgと水溶性ポリマーの40%水溶液〔(E)、(F)成分、花王(株)製;オリゴマーD〕2.4kgを添加し、常温下でディスパー翼(アシザワ・ニロアトマイザー(株)製;可搬式ハイパー(型式:HS−P3)、撹拌先端周速度3m/s)にて撹拌溶解させる。溶解確認後、ゼオライト〔(A)成分、ゼオビルダー社製;平均粒子径4 μm〕29.28kgを添加して、固形分が50%の噴霧乾燥スラリーとした。得られたスラリー粘度は1200mPa・s(35℃)であった。
噴霧乾燥スラリーを変更した以外は実施例1と同様にして乾燥物、更には分散物を得た。
工程(I)において、200L容量の撹拌槽に38.56kgの水〔(C)成分〕を入れ、これにソーダ灰〔(B)成分、セントラル(株)製、デンス灰;平均粒子径320μm〕9.76kgと水溶性ポリマーの40%水溶液〔(E)、(F)成分、花王(株)製;オリゴマーD〕2.4kgを添加し、常温下でディスパー翼(アシザワ・ニロアトマイザー(株)製;可搬式ハイパー(型式:HS−P3)、撹拌先端周速度3m/s)にて撹拌溶解させる。溶解確認後、ゼオライト〔(A)成分、ゼオビルダー社製;平均粒子径4 μm〕29.28kgを添加して、固形分が50%の噴霧乾燥スラリーとした。得られたスラリー粘度は1200mPa・s(35℃)であった。
噴霧乾燥スラリーを変更した以外は実施例1と同様にして乾燥物、更には分散物を得た。
分散物中のゼオライトの粉砕粒子径は0.6μmであり、ソーダ灰粗粒率は、0.01%であることがわかった。得られた分散物は、固体粒子が安定に分散した液体洗浄剤であり、また泥洗浄力に関しても向上した。表1に、得られた分散物の組成を示す。
実施例4
工程(I’)において、200L容量の撹拌槽に80kgの水〔(C)成分〕を入れ、これにソーダ灰〔(B)成分、セントラル(株)製、デンス灰;平均粒子径320μm〕20kgを常温下でディスパー翼(アシザワ・ニロアトマイザー(株)製;可搬式ハイパー(型式:HS−P3)にて撹拌溶解させた。得られたスラリー粘度は200mPa・s(35℃)であった。
工程(I’)において、200L容量の撹拌槽に80kgの水〔(C)成分〕を入れ、これにソーダ灰〔(B)成分、セントラル(株)製、デンス灰;平均粒子径320μm〕20kgを常温下でディスパー翼(アシザワ・ニロアトマイザー(株)製;可搬式ハイパー(型式:HS−P3)にて撹拌溶解させた。得られたスラリー粘度は200mPa・s(35℃)であった。
次に、工程(II’)として、工程(I’)で調製したスラリーをスプレードライヤー(アシザワ・ニロアトマイザー(株)製)にて、温度200℃雰囲気下に50L/Hrの供給速度で噴霧し、スラリーの乾燥を行った。得られたソーダ灰乾燥粒子の平均粒子径は、100μmであった。
更に、工程(III ’)として、工程(II’)で得られたソーダ灰乾燥粒子500gとゼオライト〔(A)成分、ゼオビルダー社製;平均粒子径4 μm〕1500gを非イオン性界面活性剤(花王(株)製;エマルゲン108)1600g、ポリオキシエチレンフェニルエーテル(日本乳化剤(株)製;PHG−30)1300g、メタクリル酸とメタクリル酸EO付加物コポリマー((株)日本触媒社製;EO付加モル数約9、アクアロックFC600S)100gを常温下で混合した分散媒〔(D)成分〕に添加し、混合した後、実施例1と同様の粉砕条件にて作製し、分散物を得た。
分散物中のゼオライトの粉砕粒子径は0.6μmであり、ソーダ灰粗粒率は、0.03%であることがわかった。得られた分散物は、固体粒子が安定に分散した液体洗浄剤であり、更に使用可能なものであった。表1に、得られた分散物の組成を示す。
比較例1
5Lのプラスチックビーカーに、非イオン性界面活性剤(花王(株)製;エマルゲン108)1600g、ポリオキシエチレンフェニルエーテル(日本乳化剤(株)製;PHG−30)1300g、メタクリル酸とメタクリル酸EO付加物コポリマー((株)日本触媒社製;EO付加モル数約9、アクアロックFC600S)100gを常温下で混合した分散媒〔(D)成分〕に、ソーダ灰〔(B)成分、セントラル(株)製、デンス灰;平均粒子径320μm)500g、ゼオライト〔(A)成分、ゼオビルダー社製;平均粒子径4μm)1500gを添加し、混合した後、実施例1と同様の粉砕条件にて作製し、分散物を得た。分散物中のゼオライトの粉砕粒子径は0.7μmであり、ソーダ灰粗粒率は、0.06%であることがわかった。
このことから、ゼオライトは小粒径化されているものの、ソーダ灰の粉砕が完全に行われておらず、安定に分散した液体洗浄剤を得られていないことがわかる。
5Lのプラスチックビーカーに、非イオン性界面活性剤(花王(株)製;エマルゲン108)1600g、ポリオキシエチレンフェニルエーテル(日本乳化剤(株)製;PHG−30)1300g、メタクリル酸とメタクリル酸EO付加物コポリマー((株)日本触媒社製;EO付加モル数約9、アクアロックFC600S)100gを常温下で混合した分散媒〔(D)成分〕に、ソーダ灰〔(B)成分、セントラル(株)製、デンス灰;平均粒子径320μm)500g、ゼオライト〔(A)成分、ゼオビルダー社製;平均粒子径4μm)1500gを添加し、混合した後、実施例1と同様の粉砕条件にて作製し、分散物を得た。分散物中のゼオライトの粉砕粒子径は0.7μmであり、ソーダ灰粗粒率は、0.06%であることがわかった。
このことから、ゼオライトは小粒径化されているものの、ソーダ灰の粉砕が完全に行われておらず、安定に分散した液体洗浄剤を得られていないことがわかる。
比較例2
5Lのプラスチックビーカーに、非イオン性界面活性剤(花王(株)製;エマルゲン108)1557.3g、ポリオキシエチレンフェニルエーテル(日本乳化剤(株)製;PHG−30)1265.3g、メタクリル酸とメタクリル酸EO付加物コポリマー((株)日本触媒社製;EO付加モル数約9、アクアロックFC600S)97.3gを常温下で混合した分散媒〔(D)成分〕に、水溶性ポリマーの40%水溶液〔(E)、(F)成分、花王(株)製;オリゴマーD〕125g、ソーダ灰〔(B)成分、セントラル(株)製、デンス灰;平均粒子径320μm〕490g、ゼオライト〔(A)成分、ゼオビルダー社製;平均粒子径4μm〕1465gを添加し、混合した後、実施例1と同様の粉砕条件にて粉砕を行ったが、高粘度により運転不可能であった為、分散物を得る事が出来なかった。
5Lのプラスチックビーカーに、非イオン性界面活性剤(花王(株)製;エマルゲン108)1557.3g、ポリオキシエチレンフェニルエーテル(日本乳化剤(株)製;PHG−30)1265.3g、メタクリル酸とメタクリル酸EO付加物コポリマー((株)日本触媒社製;EO付加モル数約9、アクアロックFC600S)97.3gを常温下で混合した分散媒〔(D)成分〕に、水溶性ポリマーの40%水溶液〔(E)、(F)成分、花王(株)製;オリゴマーD〕125g、ソーダ灰〔(B)成分、セントラル(株)製、デンス灰;平均粒子径320μm〕490g、ゼオライト〔(A)成分、ゼオビルダー社製;平均粒子径4μm〕1465gを添加し、混合した後、実施例1と同様の粉砕条件にて粉砕を行ったが、高粘度により運転不可能であった為、分散物を得る事が出来なかった。
なお、実施例及び比較例で得られた各物性の測定方法は以下のとおり。
〔平均粒子径:100μm未満の場合〕
回折式粒度分布測定器(LA−920;堀場製作所製)を用い、測定したい固体成分に合わせて溶媒(C)又は溶媒(D)を用い、各々の屈折率で測定した。測定においては、攪拌を中位(具体的には、測定装置LA−920の7段階の4)とし、サンプルを添加して所定濃度に調整後、中位レベル(具体的には、測定装置LA−920の7段階の4)の超音波を1分間照射し各々の粒径を測定した。
回折式粒度分布測定器(LA−920;堀場製作所製)を用い、測定したい固体成分に合わせて溶媒(C)又は溶媒(D)を用い、各々の屈折率で測定した。測定においては、攪拌を中位(具体的には、測定装置LA−920の7段階の4)とし、サンプルを添加して所定濃度に調整後、中位レベル(具体的には、測定装置LA−920の7段階の4)の超音波を1分間照射し各々の粒径を測定した。
〔平均粒子径:100μm以上の場合〕
JIS Z 8801の標準ふるいを用いて5分間振動させた後の篩目のサイズによる重量分率から測定した。
JIS Z 8801の標準ふるいを用いて5分間振動させた後の篩目のサイズによる重量分率から測定した。
〔粘度〕
B型粘度計[(株)東京計器製、VISCOMETER MODEL DVM−B]を用い、使用するローターは3あるいは4、回転数60r/min、測定時間60秒の条件で測定した。
B型粘度計[(株)東京計器製、VISCOMETER MODEL DVM−B]を用い、使用するローターは3あるいは4、回転数60r/min、測定時間60秒の条件で測定した。
〔ソーダ灰粗粒率の測定方法〕
粉砕後の分散物を400メッシュ(目開き38μm)の金網で減圧ろ過し、金網を105℃、1Hr乾燥させ、その重量を測定し、以下の計算式を用いてソーダ灰粗粒率を求めた。
粉砕後の分散物を400メッシュ(目開き38μm)の金網で減圧ろ過し、金網を105℃、1Hr乾燥させ、その重量を測定し、以下の計算式を用いてソーダ灰粗粒率を求めた。
ソーダ灰粗粒率[%]=
{(濾過後の金網乾燥後の重量−濾過前の金網の重量)/濾過液中のソーダ灰重量}×100
{(濾過後の金網乾燥後の重量−濾過前の金網の重量)/濾過液中のソーダ灰重量}×100
本発明の分散物の製造方法により得られる分散物は、例えば、衣料用洗剤の溶け残りの原因となるソーダ灰の粗粒が飛躍的に減少しており、良好な洗剤液に好適に使用することができる。
Claims (6)
- 工程(I):固体成分(A)を溶解しない又はしにくいが、固体成分(B)を溶解する溶媒(C)に、固体成分(A)の原料及び該(A)成分の原料より平均粒子径の大きい固体成分(B)の原料を添加して(B)成分を溶解せしめ、スラリーを得る工程、
工程(II):工程(I)で得られたスラリーを乾燥して、溶媒(C)を除去し、(A)成分及び(B)成分を含有する乾燥物を得る工程、
工程(III):工程(II)で得られた乾燥物を、固体成分(A)及び(B)を溶解しない又はしにくい溶媒(D)に添加し、湿式粉砕する工程、
を含む、(A)成分及び(B)成分を含有する分散物の製造方法。 - 工程(I’):固体成分(A)を溶解しない又はしにくいが、固体成分(B)を溶解する溶媒(C)に、(A)成分の原料より平均粒子径の大きい固体成分(B)の原料を添加して(B)成分を溶解せしめ、スラリーを得る工程、
工程(II’):工程(I’)で得られたスラリーを乾燥して、溶媒(C)を除去し、(B)成分を含有する乾燥物を得る工程、
工程(III ’):工程(II’)で得られた乾燥物と固体成分(A)の原料とを、固体成分(A)及び(B)を溶解しない又はしにくい溶媒(D)に添加し、湿式粉砕する工程、
を含む、(A)成分及び(B)成分を含有する分散物の製造方法。 - 原料となる固体成分(B)の平均粒子径が原料となる固体成分(A)の平均粒子径に対して5倍以上である請求項1又は2記載の製造方法。
- 工程(I)又は工程(I’)において溶媒(C)に、固体成分(F)を溶解した溶媒(E)を添加し、且つ工程(II)又は工程(II’)において溶媒(E)を除去する請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
- 請求項1〜4いずれか記載の製造方法によって得られる分散物。
- 請求項5記載の分散物を含有する液体洗浄剤組成物。
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JP2003435724A JP2005194321A (ja) | 2003-12-26 | 2003-12-26 | 分散物の製造方法 |
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JP2007270135A (ja) * | 2006-03-07 | 2007-10-18 | Lion Corp | 非水溶性香料を含む水中油型エマルションの製造方法 |
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JP2019516813A (ja) * | 2016-03-28 | 2019-06-20 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 組成物、水性コーティング組成物、及び水性コーティング組成物の凍結/融解安定性を改善する方法 |
-
2003
- 2003-12-26 JP JP2003435724A patent/JP2005194321A/ja active Pending
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