JP2005194154A - サイアロン焼結体 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼合成法で直接合成したベータサイアロン粉体を焼結してサイアロン焼結体を低価格で得る技術を提案した。自動車用途等の汎用素材として活用する為のさらなる製造価格低減を目的に、燃焼用バーナを用い超微細なベータサイアロン粉体を直接合成する。
【解決手段】
1.燃焼用バーナを用いた、低価格原料を直接燃焼合成して得た微細なベータサイアロン粉体に簡易後処理を行う事により、低価格で粒径が数百nmの超微細粉末を得た。
2.超微細粉体から製造したサイアロン焼結体は、現用窒化ケイ素焼結体以上の特性値を示した。
3.本発明により、自動車用途等に適用可能な価格でサイアロン焼結体が製造できる。

Description

本発明は、新規な方法で製造した低価格サイアロン焼結体に関するものである。
日本の国情に適合した窒化ケイ素を汎用新素材として実用化する事を大目標に、表1に示す国家プロジェクトが長期にわたり多額の費用を投入して精力的に推進され。
珪砂(主成分SiO2)として地殻中に最も多量に存在するシリコンを窒化ケイ素(Si3N4)に人口的に合成しそれを汎用素材として実用化することがその主旨である。環境アセスメントの立場からも嘱望され、「ファインセラミックス」と銘々された新技術アイテムのもとに多数の民間企業が集結して膨大な開発研究が進められた。
その結果、窒化ケイ素は材料としての幾多の目覚まし成果が確立され、窒化ケイ素は「ファインセラミックス」として、いままでにない新機能を有する新素材としての材料技術分野を確立した。ここで得られた窒化ケイ素の機能は、現用の汎用素材「鉄鋼」を遥かに凌ぐものであり、これらの機能を活用する事により、現用の「鉄鋼」では達しえなかった超機能を有するユニットおよびデバイスが製造できることも明らかにされてきた。すでに確立されている産業分野においても多岐にわたる機能向上が期待される。「鉄鋼」に対して、窒化ケイ素は、高硬度、高剛性、低比重、低摩擦係数、高耐食、高耐熱であるとともに常時非磁性体であるという機能を有する。しかし、曲げ破壊強度と破壊靱性が「鉄鋼」に対して低いと言う特性もある。
窒化ケイ素の応用の一環として、ベータサイアロンの実用化研究も一部で進められた。ベータサイアロンは窒化ケイ素にアルミナ(Al203)と窒化アルミニュウム(AlN)を混合し窒素雰囲気で反応焼結して合成される。ベータサイアロンは靭性値が窒化ケイ素より優れているので注目された。表2に窒化ケイ素、ベータサイアロンの主な特性を代表的な「鉄鋼」である軸受鋼の特性と比較して示した。
窒化ケイ素およびベータサイアロンは大半の特性で、軸受鋼を凌いでいる。この事は窒化ケイ素およびベータサイアロンは特性的には、「軸受鋼」用途に適用できる事を示している。
軸受鋼は「鉄鋼」の中でも、高強度材料として材質的にも製造技術面でも究極を極めた高信頼性鉄鋼材料である。主として各種機械の最重要機械要素である軸受部(ベアリング)を構成している。特殊鋼倶楽部の生産統計(表3)に見られるように年平均で60万トン強が安定生産されている。
これらの内で、ベアリングボールを製造する為の素材となる軸受鋼線材は同統計(表4)に見られるように年平均で20万トンに達する。
(表3)の軸受鋼もしくは(表4)のベアリングボール用途用軸受鋼線材が窒化ケイ素およびベータサイアロンが代替可能な高級特殊鋼である。その潜在的需要量は、窒化ケイ素粉末形態重量換算値で、年間30万トンに達する。1000円/キログラム想定(表5)で、年3000億規模の素材産業となる。
国を挙げて確立してきた窒化ケイ素を主体としたファインセラミックス技術は当初は年間1兆円規模の産業創出が予測されていたが、2002年度は窒化ケイ素粉体で20億円弱(200〜300トン)、ベータサイアロン製品でほぼ2000万円(10トン弱)(日本ファインセラミックス協会資料)である。その原因は高価格すぎ、量産部品向け素材としては適していない為である。
自動車部品用途等に採用される為の価格条件を(表5)に示した。
現状の軸受鋼価格を基準に算定した自動車部品価格に対して、窒化ケイ素製部品の現状価格は5〜40倍となっている。
窒化ケイ素およびベータサイアロンの焼結体は、いずれも窒化ケイ素粉体を原料として一般のセラミックスとほぼ同一条件で焼結されて製造され、窒化ケイ素およびベータサイアロン焼結体の特性は、主要原料である窒化ケイ素の原料粉体の特性に完全に支配される事が解明されている。
すなわち、窒化ケイ素の原料粉体は少なくとも以下の特性を満足する必要がある。
1.原料である窒化ケイ素の粉体の不純物が限りなく零に近い事が必須である。焼結時に、
ガラス質を生成する原因となる窒化ケイ素の表面に存在するシリカ(SiO2)量を低減するために、とくに酸素量は極力低減する事が必須である。
2.原料である窒化ケイ素の粉体の粒子の大きさは可能な限り微小である事も必須である。
窒化ケイ素粉体を製造するために使う原材料「金属シリコン」は酸素含有量が極小の極めて高価格品が使用されている。
窒化ケイ素粉体の製造方法として、
1.金属シリコンの直接窒化法
2.シリカ(SiO2)の還元窒化法
3.気相反応法
4.イミド熱分解法
等が実用化されている。高純度で微細な窒化ケイ素粉体の得られる製造法として、イミド熱分解法が実用化された。高特性の得られる窒化ケイ素焼結体のほとんどはこの方法によって製造された高純度微細窒化ケイ素粉体を用いている。
サイアロン焼結体の原料粉体も窒化ケイ素と同様にイミド熱分解法で製造された高純度微細窒化ケイ素粉体である。
イミド熱分解法で製造された窒化ケイ素を原料にして焼結された窒化ケイ素およびベータサイアロン焼結体の特性および価格はその原料粉体である窒化ケイ素の品質と価格に依存している事になる。
イミド熱分解法で製造された高品質な窒化ケイ素粉体の価格は現状ではキログラム当り6、000〜10,000円である(表5)。
この様な状況に鑑み、全く新規のベータサイアロン粉体の低価格合成技術「燃焼合成(SHS)法」を提案した。
燃焼合成法には
1.還元反応による発熱を介して合成が進むので、合成のための外部からのエネルギー供給が全く不要である。
2.反応の際の超高温で、不純物の精錬が可能である。
3.反応残渣は皆無である。
4.反応時の熱を活用できる。
等の特徴がある。
ベータサイアロンはSi6-ZAlZOZN8-Z (0<Z≦4.2)で表され、(表6)に示す3式のいずれかの燃焼合成反応によりベータサイアロンは合成されると予測された。
ベータサイアロンは地殻中に最も大量に存在する酸素、シリコン、アルミニウム、窒素で構成される化合物である。また、燃焼合成法は、ベータサイアロンを効率的に合成できる最適な合成法といえる。
燃焼合成により製造したベータサイアロンは環境アセスメント上からも次世代を担う汎用素材であると期待できるので各種の検討を行った。その結果
1.各種リサクル原料を用い、燃焼合成法によるベータサイアロンの粉体合成に成功した。
2.得られたベータサイアロンは非化学量論固溶体化合物である事を確認した。
3.汎用焼結によりベータサイアロン焼結体が形成でき、この際、ガラス質生成相は皆無である事が確認できた。
4.焼結密度はベータサイアロン粉体の粒径に依存する。
5.平均粒径1nm以下で、焼結助剤なしで100%密度がえられる等のいわゆる「量子サイズ効果」を認めた。
しかし、いままでに得られたベータサイアロン焼結体の特性を保持し、さらなる価格低下を図る必要がある。
その為のさらなる提案が本発明である。
特願2002−256241 旧ソ連特許#287 特願2003−304325 「Si3N4は今=Si3N4の基礎から応用まで=」(日本ファインセラミックス協会、1996年6月、刊)
シリコンを主原料とする窒化ケイ素とベータサイアロンは、現用汎用素材「鉄鋼」に対して、資源的にかつ機能的特性にも極めて優位な事が国家プロジェクトで確立されているが、製造価格が高価である。
これを解決する為に、ベータサイアロン粉体を、酸素を適度に含有した低廉原料を燃焼合成法で直接製造する技術を確立するとともに、このベータサイアロン粉体を汎用焼結して得られたベータサイアロン焼結体は焼結過程でガラス質の生成が皆無ですぐれた特性が得られる事を確認した(特願2002−256241および2003−304325)。ベータサイアロン焼結体はSi6-ZAlZOZN8-Z (0<Z≦4.2)の組成を有する非化学量論的化合物であり、10%程度の酸素を固溶している特性を工学的に活用したものである。次世代汎用素材としてベータサイアロンを汎用素材として活用する為の「製造原価の低減」と言う必須条件の解決に向けて一歩前進した。
本発明が解決しようとする課題は、すでに得られたベータサイアロン粉体から製造したベータサイアロン焼結体の特性を少なくとも保持する事を前提に、ベータサイアロン焼結体製造に関する新技術を用い、さらなるベータサイアロン焼結体の製造原価の低減を図る事である。
その為には、ベータサイアロン粉体の価格を構成している1.原料費と2.粉砕費とを低減する事が必要である。
具体的には、1.配合原料に低価格材を活用する事および、2.ベータサイアロンを粉体形態で合成する事が解決すべき課題である。
ベータサイアロンの結晶はHV硬さで、1500以上の硬度があるので、粉体微細化には、長時間の粉砕工程が必要となる。また、粉砕工程で、異物混入という非常事態を招く場合もある。
この粉砕工程を極力削減する事がベータサイアロンの工業規模での量産化に於いての価格構成上でのもう一方での課題である。
なお、焼結の際に、添加する焼結助剤によってはアルファサイアロン焼結体が得られる場合があるので、本発明では得られる焼結体の名称は「サイアロン」とした。
燃焼合成法で、ベータサイアロンを直接合成する際に反応は前掲(表6)に基づき進行する。
燃焼合成に伴う反応熱による超高温環境では、配合した物質を構成する元素のすべてが気化する。これらの気化した元素は、その後の冷却で、エピタキシャル成長して結晶を構成する。このようにして得られたベータサイアロンは、XRD分析では結晶構造はベータサイアロン構造を有する。化学分析によって求めた構成成分解析の結果は、既に提示されている構造式のAlとOの係数はかならずしも一致しないし、かつ非化学量論的化合物として得られる事も確認している。また併せて、結晶構造が同一ならば、AlとOの係数は一致していなくても、焼結体としての機械的特性は同一である事を確認している。
すなわち、燃焼合成で合成したベータサイアロン粉体および汎用焼結で得られたベータサイアロン終結体の化学組成はSi6-ZAlZOZ+XN8Z (0<Z≦4.2)表す事のできる酸素過剰型の非化学量論的化合物である。窒化ケイ素を原料として反応焼結で生成する従来のベータサイアロンSi6-ZAlZOZN8-Z (0<Z≦4.2)とこの点で異なっている。
以上のことから、燃焼合成で得られ、XRDでの結晶構造がベータサイアロンとなる本発明の化合物の生成領域は、既発表の反応焼結でベータサイアロンの生成する領域(図1)よりもさらに広い領域である。燃焼合成の際には、規発表のベータサイアロン生成領域(図1)で燃焼合成反応が生成する様に原料配合すればいい事を掴んだ。
また、燃焼合成で得られたベータサイアロン粉体に、焼結の際に、任意元素を添加する事により、ベータサイアロンの化学的組成を任意に変化させられることも確認した。いいかえると、焼結の際に、目標とする組成に成分調整ができるのである。
すなわち、ベータサイアロン粉体の焼結の際に、Li, Ca, Mg等のアルファサイアロン構成元素を添加すると、アルファサイアロンが生成する事も確認している。
これらの事から、製造原価低減を目的に以下の配合を行い、燃焼合成法により直接合成されるベータサイアロンはXRD的にベータサイアロンである事を確認した。
1.シリコン源用原料として、金属シリコン、多結晶シリコン、珪砂、シリカ、窒化ケイ素、これらの製造過程で不可避的に製造される工程不良材、製品のリサイクル材およびシリコンウエハー再生用資源。
2.アルミニウム源用原料として、アルミニウム、アルミナ、ボーキサイト、これらの製造過程で不可避的に製造される工程不良材および、ボーキサイト残滓およびアルミニウムのリサイクル材。
一方の課題は、得られたベータサイアロンは極めて高硬度のため、粉砕工程がコスト構成の大きな要素となっている事である。燃焼合成の際に可能な限りの微粉末で得る事も必要である。
この目的で、燃焼合成反応で気化した元素を、燃焼合成工程用チャンバーと別に設けた冷却凝固工程用チャンバー内にノズルを介して直接噴霧して、粉体形状で製品が得られる事を併せて確認している。
これらの方法で得たベータサイアロン粉体で得られたグーリーン成形体および汎用焼後のサイアロン焼結体の特性は、粉体の粒径に大きく依存する事を掴んだ。とくに、数百ナノメーター領域の粒径の粉体では、グリーン成形体の強度は極めて大きく、焼結体は焼結助剤なしでも真比重にほぼ一致する事が認められた。セラミックスの焼結工程においていわゆる「量子サイズ効果」を認めた。
量産工程に「量子サイズ効果」を安価に活用するには、燃焼合成の際に可能な限りの微粉末を得る生産技術を確立する事が必須である。
燃焼用の微粉炭バーナを用いて、上記の目的を達成する事ができた。
品質の安定した汎用サイアロン焼結体をさらに低価格で製造できる。これにより、地球資源として、最も豊富に存在しているSiおよびAlを主要成分としたサイアロンが次世代「一般産業用汎用素材」としてさらに広く活用できる事になる。とくに、自動車用途へも適用可能な価格でサイアロン焼結体が製造可能となるので、本発明で提案するサイアロン焼結体は次世代を担う環境アセスメント型汎用素材とし幅広い産業の発展に寄与できる。
本発明で製造した焼結体は、従来の方法で製造したサイアロン焼結体に対比して製造価格が大幅に低減できる。
1.原料が地球地殻表層に最大量として含有される珪素と珪素に次いで含有されるアルミニウムを原料とするので低価格でかつ資源的に枯渇の心配がない。併せて、これらの元素を含有する産業廃棄物をリサイクル原料として活用できる。原料資源が安価に国内調達できる事は我が国には最適な「有効資源活用型次世代汎用素材」といえる。
2.ベータサイアロンは発熱反応により合成できるので、電気エネルギー高消費型の現用の汎用素材鉄鋼に代替できる「省エネルギー型次世代汎用素材」として活用できる。
3.機能上も現用汎用素材、鉄鋼を凌いでいる事から次世代機能設計を具現化できる「超
高機能設計対応型次世代汎用素材」として活用できる。
4.金属元素が酸化されて各種の「公害」を誘発している。しかしベータサイアロンの構成元素である珪素とアルミニウムは酸化されると、「土」の成分となるので、廃棄物として公害についての心配は無用である。「環境適合型次世代汎用素材」として活用できる。
燃焼合成法によりベータサイアロンを合成する際の反応の一般式は次の様になる。
6(5-z)Si + 3zAl + zAl2O3 + zSiO2 +
5/2(8-z)N2 ⇒ 5Si6-z Alz Oz N8-z
・・・・1
SiおよびAlでAl2O3および、またはSiO2の還元する際の発熱を活用ことが基本原理である。
また
3(6-z)Si + zAl
+ zAl2O3 + 3/2(8-z)N2 ⇒ 3Si6-z Alz
Oz N8-z ・・・・2
3(4-z)Si + 2zAl
+zSiO2+ (8-z)N2 ⇒ 2Si6-ZAlZ OZ N8-Z ・・・・3
の様にAl2O3またはSiO2を単独で還元する際の発熱も活用される。なお0≦z<4.2である。
実施例はz=1およびz=3で行った結果である。
供試材は以下の4式のいずれかで合成した。
24Si + 3Al + Al2O3 + SiO2
+ 35/2N2 ⇒ 5Si5AlON7 ・・・・・・・・・4
15Si + Al + Al2O3 +
21/2N2
3Si5AlON7 ・・・・・・・・・5
9Si + 2Al + SiO2
+ 7N2 ⇒ 2Si5AlON7 ・・・・・・・・・6
9Si + 3Al + 3Al2O3 + 15/2N2
⇒ 3Si3Al3O3N5 ・・・・・・・・7
これらの反応式で、5.が発熱量は概ねテルミット反応熱なみであることから、この反応式で合成するのが好ましい。
(表7)に配合原料の組み合わせを○印でしめした。なお、上記反応式4〜7を満たす各元素量から逆算して配合原料を決めた。なお、Z=3(反応式7)についての配合を#04に示した。
100μm以下の径に粉砕したシリコン原料とアルミニウム原料の所定量を予め秤量し、これらを均一に混合した材料#01〜#08を供試原料とした。
露点0℃以下の純窒素ガスをキャリヤーとして供試原料を、微粉炭投入口から微粉炭燃焼バーナ内に流入させた。燃焼ノズルにいたる途中に設けた二次窒素ガス流入口から同様条件の窒素ガスを過剰に供給する。燃焼ノズル口の直近に設けたパイロットバーナに着火して燃焼合成を開始した。
燃焼室内で得られた合成材料をXDRで同定された構造式と化学分析値から求めた組成式を(表8)に示した。
燃焼合成後に自然冷却して燃焼室内に得られたベータサイアロンは、粉体形状で、直径=2〜5μm,スペクト比が2〜5のウィスカー様の結晶として得られた。
さらに微細な粉体を燃焼合成で製造する目的で、実施例1の燃焼合成の際に、燃焼室内をシャワー水冷した。シャワー水冷材をさらに凍結真空乾燥した。3種の供試材について求めた各種の特性値を求めた。
得られた粉体はメゾ領域の粒径である。燃焼室でシャワー水冷して回収したベータサイアロンを凍結真空乾燥する事により約300nmの超微細粉体が得られた。アトライター、ビーズミル等を用いた従来の方法に比べて、極めて効率的である。さらにメディアに起因するコンタミネイションが回避できる事も大きな利点である。凍結真空乾燥法は各種のファインセラミックスのナノサイズへの超微細化手段として広く活用できる。
このようなナノレベルの粒径の粉体から製造した直径4mmの球体のグリーン状態での成形体の強度はミクロンレベルの粉体からの成形体に比べて極めて大きい。このような量子サイズ(メゾスコピック)効果は、ファインセラミックス成形に幅広く活用できる。
この量子サイズ効果は、特に焼結特性に発現されている。結果を纏めて(表9)に示した。
超微細粉体を用いた焼結で、焼結助剤なしでも真密度のベータサイアロンの焼結体が得られた。
得られた直径4mmの球体(実態のベアリングボール)の圧砕荷重は極めて高加重値である。この値は、すでに、実用化されている窒化ケイ素製の強度を凌いでいる。
本発明によれば、前掲(表5)に示した「自動車部品用価格=12、000円/kg」以下で、特性は現用の窒化ケイ素焼結体を凌ぐサイアロン焼結体を製造する事ができる。
本発明で提案するサイアロン焼結体の価格は自動車業界で適用可能である。これによりムーンライト計画が企画した需要規模1兆円は充分に達成できる。自動車業界で採用可能ならば、従来使用されている鉄鋼にも充分に適用可能である。言い換えれば、次世代の汎用素材の役割を担う可能性は充分に期待できる。
たとえば、代表的構造用鋼である「軸受鋼」の年需要量は60万トンを超えている。サイアロン粉体換算では年25万(2500億トン)以上に相当する。さらに他の特殊鋼を代替できる可能性がある。
さらに焼結体としてのサイアロン焼結体は「価格」「機能」「環境」いずれからも次世代汎用素材として利用される大いなる可能性を有する。
反応焼結法で生成するベータサイアロンの生成領域
符号の説明
1.ベータサイアロンの生成領域

Claims (3)

  1. シリコン源原料として、金属シリコン、多結晶シリコン、珪砂、シリカおよびシリコン製ウエハー等の製造加工過程で不可避的に生成される工程不良材と加工屑からなる粉体の1種または2種以上と、アルミニウム源用原料として、アルミニウム、アルミナ、ボーキサイト、これらの製造加工過程で不可避的に製造される工程不良材と加工屑からなる粉体の1種または2種以上を、燃焼合成反応でベータサイアロンが得られるよう定量切り出して燃焼用ガスバナー中を流れる窒素ガス中に連続的に投入、燃焼合成して得た平均粒径が10μm以下のベータサイアロン粉体を焼結用骨材として用い、焼結工程を介して製造する事を特徴とするサイアロン焼結体。
  2. 請求項1で、燃焼合成状態のまま、若しくは必要に応じて加工工程を介して得た平均粒径が1μ以下のベータサイアロン粉体を焼結用骨材として用い、焼結工程を介して製造することを特徴とするサイアロン焼結体。
  3. 請求項2で、IT関係、エネルギー関連、医療関連、自動車関連、スポーツ関連、AI
    関連および半導体分野に適用する事を特徴とする請求項2に記載のサイアロン焼結体。
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