JP2005193262A - 重力鋳造方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は湯流れ不良により鋳造成形品に巣や欠肉などの不良品を発生させることのない重力鋳造方法およびその装置を目的とするものである。
【解決手段】 注湯時に金型1を定常的または間歇的に傾斜状態から水平状態に復帰枢動させるとともに、復帰枢動時に定常的または間歇的に微振動を金型1に加える方法と、注湯時に金型を定常的または間歇的に傾斜状態から水平状態に復帰枢動させる傾動機能と、復帰枢動時に金型1を定常的または間歇的に微振動させる加振機能とを有する支持装置2に金型1を取り付けた装置とすることにより、キャビティの細部や深部の隅々まで溶湯を行き渡らせ巣や欠肉を低減するとともに鋳造成形品の組織を緻密なものとするものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 注湯時に金型1を定常的または間歇的に傾斜状態から水平状態に復帰枢動させるとともに、復帰枢動時に定常的または間歇的に微振動を金型1に加える方法と、注湯時に金型を定常的または間歇的に傾斜状態から水平状態に復帰枢動させる傾動機能と、復帰枢動時に金型1を定常的または間歇的に微振動させる加振機能とを有する支持装置2に金型1を取り付けた装置とすることにより、キャビティの細部や深部の隅々まで溶湯を行き渡らせ巣や欠肉を低減するとともに鋳造成形品の組織を緻密なものとするものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は重力鋳造方法およびその装置に関するものである。
従来、重力鋳造する際、金型を傾動させるものは種々あり、キャビティの奥から凝固が行なわれるようにして強度の高いアルミ鋳物を得るものがある(例えば、特許文献1)。また空気や酸化物の巻き込みを防止して高品質の鋳造品を得るものがある(例えば特許文献2)。しかしこれらの重力鋳造方法では複雑なキャビティ形状を有する金型や注湯状態の変動等によって空気の逃げが悪くなり、湯流れ不良が生じてキャビティの細部や深部の隅々にまで溶湯が行き渡らず、巣や欠肉を引き起こして鋳造成形品に不良品を発生させる恐れがあった。
特開平7−236965号公報
特開平11−77279号公報
解決しようとする問題点は、金型の複雑なキャビティ形状や注湯状態の変動等により空気の逃げが悪くなり、それに基づく湯流れ不良により鋳造成形品に巣や欠肉などの不良品を発生させることである。
本発明は、注湯時に金型を定常的または間歇的に傾斜状態から水平状態に復帰枢動させるとともに、復帰枢動時に定常的または間歇的に微振動を金型に加える重力鋳造方法を請求項1の発明とし、注湯時に金型を定常的または間歇的に傾斜状態から水平状態に復帰枢動させる傾動機能と、復帰枢動時に金型を定常的または間歇的に微振動させる加振機能とを有する支持装置に金型を取り付けた重力鋳造装置を請求項2の発明とし、請求項2の発明において、加振機能が金型を1Hz〜30Hzの周波数、または1Hz〜30Hzまでの周波数を繰り返しスイープ、または1Hz〜30Hzの周波数に基づく特定のパターンで繰り返しスイープして加振する重力鋳造装置を請求項3の発明とし、請求項2または3の発明において、支持装置をロボットアームとした重力鋳造装置を請求項4の発明とし、支持装置の加振機能がバイブレータである重力鋳造装置を請求項5の発明とするものである。
本発明は、注湯時に金型を定常的または間歇的に傾斜状態から水平状態に復帰枢動させるとともに、復帰枢動時に定常的または間歇的に微振動を金型に加えることにより、複雑なキャビティ形状で空気の逃げの悪い金型への注湯や、注湯状態の変動等により空気の逃げが悪くなる場合であっても、湯流れ不良が生じることなく、キャビティの細部や深部の隅々まで溶湯が行き渡り巣や欠肉を低減できるうえに鋳造成形品の組織を緻密なものとすることができる。
請求項3のように、加振機能が金型を1Hz〜30Hzの周波数、または1Hz〜30Hzまでの周波数を繰り返しスイープ、または1Hz〜30Hzの周波数に基づく特定のパターンで繰り返しスイープして加振することにより、キャビティの細部や深部に残る空気をより確実に排除して溶湯をキャビティの細部や深部の隅々までより的確に行き渡らせることができるので、成形不良品の発生を大幅に低減することができるものとなる。
請求項4のように、支持装置をロボットアームとすることにより、金型の傾動と加振を行えることは勿論のこと、金型を注湯機まで移動させることができるのでラドルが不要となる。このためラドルで溶湯を搬送する際に生じる酸化がなくなるので、酸化物混入による成形不良やラドルに付着するスケールの除去作業をなくすことができる。さらに鋳造成形後、ロボットアームにより金型を冷却工程に移送したり、離型を行ったり離型後の成形品を搬出用のコンベアまで移送させる等の処理を行なうことができるので、生産効率が大幅に向上しコストダウンが可能となる。
請求項5のように、支持装置の加振機能をバイブレータとすることにより、油圧や空圧等の高価な制御機構が不要となり装置を安価で故障の少ないものとすることができるうえに、キャビティ形状に対応した周波数に容易に変更できることとなる。
請求項3のように、加振機能が金型を1Hz〜30Hzの周波数、または1Hz〜30Hzまでの周波数を繰り返しスイープ、または1Hz〜30Hzの周波数に基づく特定のパターンで繰り返しスイープして加振することにより、キャビティの細部や深部に残る空気をより確実に排除して溶湯をキャビティの細部や深部の隅々までより的確に行き渡らせることができるので、成形不良品の発生を大幅に低減することができるものとなる。
請求項4のように、支持装置をロボットアームとすることにより、金型の傾動と加振を行えることは勿論のこと、金型を注湯機まで移動させることができるのでラドルが不要となる。このためラドルで溶湯を搬送する際に生じる酸化がなくなるので、酸化物混入による成形不良やラドルに付着するスケールの除去作業をなくすことができる。さらに鋳造成形後、ロボットアームにより金型を冷却工程に移送したり、離型を行ったり離型後の成形品を搬出用のコンベアまで移送させる等の処理を行なうことができるので、生産効率が大幅に向上しコストダウンが可能となる。
請求項5のように、支持装置の加振機能をバイブレータとすることにより、油圧や空圧等の高価な制御機構が不要となり装置を安価で故障の少ないものとすることができるうえに、キャビティ形状に対応した周波数に容易に変更できることとなる。
次に、本発明の好ましい実施装置を図1、2、3、4に基づいて詳細に説明する。
図1中、1は鋳造用の金型であり、該金型1は傾動機能と加振機能を有する支持装置2上に取り付けられている。該支持装置2は金型1の取付板3と、該取付板3の傾動と加振を行うシリンダ装置4とからなる。また前記取付板3は下部中央を図示しないベースに軸支され、その一側にはシリンダ装置4のピストンが枢着されている。
図1中、1は鋳造用の金型であり、該金型1は傾動機能と加振機能を有する支持装置2上に取り付けられている。該支持装置2は金型1の取付板3と、該取付板3の傾動と加振を行うシリンダ装置4とからなる。また前記取付板3は下部中央を図示しないベースに軸支され、その一側にはシリンダ装置4のピストンが枢着されている。
前記シリンダ装置4は電動または油圧、空圧により作動されるもので、基端を図示しないベースに枢着させた揺動自在なものとしている。またシリンダ装置4は注湯時、支持装置2すなわち金型1を傾動状態から水平状態まで定常的または間歇的に復帰枢動させるとともに、水平状態に復帰枢動されてゆく金型1を定常的または間歇的に1Hz〜30Hzの周波数で加振してキャビティ内の細部や深部に残存する僅かな空気を確実に排除しつつ注湯を行うので、鋳造成形品に巣や欠肉を生じさせることがないうえに鋳造成形品の組織を緻密なものとすることができる。
またシリンダ装置4による傾動と加振は電動あるいは油圧、空圧の制御機構により行うものとする。加振する周波数を1Hz〜30Hzとした理由は、1Hz以下では効果が少なく30Hz以上の周波数では波たって空気を巻き込む恐れがあるからである。金型1の加振を1Hz〜30Hzまでの周波数で繰り返しスイープするものとすれば、キャビティ形状に応じて周波数を変更する必要がなくなるので、最適周波数を実験やシミュレーションで求める必要がなく設計が容易となる。またキャビティ形状に対応させて1Hz〜30Hzの周波数に基づく特定のパターンで繰り返しスイープすればより確実にキャビティ内の空気を排除でき、成形不良品の発生をより低減できることとなる。
図1、2中5はラドルで、該ラドル5は図示しない給湯機より溶湯を受け取り金型まで搬送したうえ、金型1のキャビティ内に注湯を行うものである。6はシリンダ装置4に加振機能を持たせない場合に取り付けられるバイブレータであり、該バイブレータ6の振動周波数はモータの回転数を制御することにより行うもので、1Hz〜30Hzの所定の周波数で加振したり、1Hz〜30Hzまでの周波数を繰り返しスイープしたり、1Hz〜30Hzの周波数に基づく特定のパターンで繰り返しスイープしたりするもので、油圧や空圧による周波数の制御より簡便に行なえるものである。
このように構成されたものは、図1に示されるように、図示しない給湯機より給湯されたラドル5は溶湯を金型1位置まで搬送することとなる。そして図1に示されるように傾動機能を有する支持装置2により傾動状態にある金型1を水平状態に復帰枢動しつつラドル5により注湯を行うものである。傾動状態から水平状態に復帰枢動させる金型1の傾き率は図3のグラフに示されるように、一定の速度で水平状態になるまで定常的に行うものとしてもよいが、図4に示されるグラフのように、金型1の傾動を順方向や逆方向にしたりして、キャビティ形状に応じて傾きのパターンを変えるようにしてもよい。
このように定常的または間歇的に金型1を水平復帰させてゆく間、支持装置2の加振機能により金型1には定常的または間歇的に1Hz〜30Hzの周波数(例えば、15Hz)により微振動が加えられることとなる。この微振動は図3、4に示されるように定常的に加えるものとしているが、傾動角度や金型1のキャビティ形状に応じて間歇的に加振してもよい。加振する周波数はキャビティ形状に応じて最適なものを選択するものとしているが、1Hz〜30Hzまでの周波数を繰り返しスイープするものとすればキャビティ形状に応じて周波数を選択する必要がないので、最適周波数を実験やシミュレーションで求める必要がなくなりコストダウンを図ることができるものとなる。あるいは1Hz〜30Hzの周波数に基づく特定のパターンで繰り返しスイープするものとしてもよい。
図5に示されるも他の好ましい実施形態は、金型1の支持装置2をロボットアームとしてラドルをなくしたものである。該ロボットアームは型締めされた金型1を給湯機Sまで移動させて、給湯機Sにより金型1のキャビティ内へ注湯を行うものとする。この注湯の際、ロボットアームにより金型1を傾動状態から水平状態に復帰枢動させるとともに、1Hz〜30Hzの周波数(例えば、15Hz)で金型1を加振したり、1Hz〜30Hzまでの周波数で繰り返しスイープしたり、1Hz〜30Hzの周波数に基づく特定のパターンで繰り返しスイープしたりするものとする。
このようにして金型1への注湯が完了したら、金型を冷却工程に移送させ、新しい金型1を把持して再び給湯機Sまで移動させ、前記同様の処理を行ない鋳造を繰り返すか、図5に示されるように、金型1から離型された鋳造成形品を搬送コンベアCに移送載置させ、その後、金型1の型締めを行なって給湯機Sまで移動させて注湯を行うという操作を繰り返せばよいものである。
1 金型
2 支持装置
6 バイブレータ
2 支持装置
6 バイブレータ
Claims (5)
- 注湯時に金型を定常的または間歇的に傾斜状態から水平状態に復帰枢動させるとともに、復帰枢動時に定常的または間歇的に微振動を金型に加えることを特徴とする重力鋳造方法。
- 注湯時に金型を定常的または間歇的に傾斜状態から水平状態に復帰枢動させる傾動機能と、復帰枢動時に金型を定常的または間歇的に微振動させる加振機能とを有する支持装置に金型を取り付けたことを特徴とする重力鋳造装置。
- 加振機能が金型を1Hz〜30Hzの周波数、または1Hz〜30Hzまでの周波数を繰り返しスイープ、または1Hz〜30Hzの周波数に基づく特定のパターンで繰り返しスイープして加振するものであることを特徴とする請求項2に記載の重力鋳造装置。
- 支持装置をロボットアームとしたことを特徴とする請求項2または3に記載の重力鋳造装置。
- 支持装置の加振機能がバイブレータであることを特徴とする請求項2または3記載の重力鋳造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004000850A JP2005193262A (ja) | 2004-01-06 | 2004-01-06 | 重力鋳造方法およびその装置 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007069235A (ja) * | 2005-09-07 | 2007-03-22 | Nec Corp | 重力鋳造機及びそれに用いる重力鋳造法 |
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-
2004
- 2004-01-06 JP JP2004000850A patent/JP2005193262A/ja active Pending
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