JP2005192864A - 不織布ガーゼおよびそれを用いた創傷保護材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 傷からの剥離性が良好で、拭き取り性、吸液性、湿潤時の形態保持性の良好な不織布ガーゼを提供すること、および傷からの剥離性が良好で、創傷からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収することができ、装着感の良好な創傷保護材を提供する。
【解決手段】 セルロース繊維を30重量%以上含有する不織布であって、該不織布表面の少なくとも片側表面の60%以上を繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が占めることを特徴とする不織布ガーゼ。
【選択図】 なし
【解決手段】 セルロース繊維を30重量%以上含有する不織布であって、該不織布表面の少なくとも片側表面の60%以上を繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が占めることを特徴とする不織布ガーゼ。
【選択図】 なし
Description
本発明は、傷からの剥離性が良好で、吸液性に優れ、清拭性が良好な不織布ガーゼおよび、この不織布ガーゼを表面材として用いた、傷からの剥離性が良好で、創傷からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させ、かつ装着感の良好な、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材に関する。
従来より、ガーゼは医療用途の布帛としてさまざまな場面で利用されてきた。例えば、外傷による創傷の治療のために傷口にあてるといった保護材としての利用方法、手術時の血液などの吸収や、メス、はさみ、鉗子などの器具を洗浄した後、水分を吸収させるためにガーゼをトレーの中敷きに利用するといった吸収体としての利用方法、患者の目やに、よだれなどの液状物を拭き取ったり、洗浄用の石鹸などを含ませて身体を拭く、あるいは、内視鏡などの医療用器具を拭き上げるといった清拭用具としての利用方法などが挙げられる。
また、その素材としては、従来より利用されている綿織布からなるいわゆる綿ガーゼの他に、不織布からなる不織布ガーゼなどが利用されてきた。
また、その素材としては、従来より利用されている綿織布からなるいわゆる綿ガーゼの他に、不織布からなる不織布ガーゼなどが利用されてきた。
従来から広く用いられる綿ガーゼは、後述するように保護材として傷口に当てた場合に、剥がす時点で傷口から離れにくい(傷からの剥離性が悪い)場合があった。また、吸収体としての利用時には、織物であるため湿潤時の形態保持性は良好であるものの、布帛単位重量あたりの液体の吸収倍率が低い(吸液性が低い)ため、重ね合わせて用いる必要があるなど液体吸収性に関しては改善が求められていた。さらに清拭用具として見た場合に、例えば消化器内視鏡などの挿入部の拭きあげに際し何度も拭きあげ作業を行う必要が生じる場合があり、拭き取り性能においても必ずしも優れたものではなかった。
これ以外にも、綿ガーゼは基本的に織物であるため、はさみなどで切断して用いた場合、経糸あるいは緯糸がほつれて脱落する場合があり、改良が求められていた。
不織布ガーゼに利用される不織布素材としては、レーヨンスパンレース不織布、コットンスパンレース不織布、レーヨン・ポリエステルからなる不織布などのいわゆる短繊維不織布があげられるとともに再生セルロース長繊維からなる長繊維不織布などが挙げられる。
これ以外にも、綿ガーゼは基本的に織物であるため、はさみなどで切断して用いた場合、経糸あるいは緯糸がほつれて脱落する場合があり、改良が求められていた。
不織布ガーゼに利用される不織布素材としては、レーヨンスパンレース不織布、コットンスパンレース不織布、レーヨン・ポリエステルからなる不織布などのいわゆる短繊維不織布があげられるとともに再生セルロース長繊維からなる長繊維不織布などが挙げられる。
従来から用いられてきた綿ガーゼに比べ、不織布ガーゼは、織物としての組織を持たないため、カット部分から経糸あるいは緯糸がほつれて分離脱落するといったことが生じず、また、一般的には綿ガーゼに比べて吸液性に優れるといった特性を有している。
しかしながら、短繊維不織布からなるガーゼにおいては、綿ガーゼと同様に保護材として傷口に当てた場合に、傷からの剥離性が悪い場合があった。清拭の性能に関しては、綿ガーゼよりその性能は改良されているが、例えばレーヨン・ポリエステルからなる不織布のように基本的に、非吸水性の合成繊維を混ぜ合わせたものでは拭き残りが生じる場合があるなど、改良が求められていた。さらに、親水性でない脂質などの油系のよごれの拭き取りにおいて拭き取り性が十分でなく、拭き残りが生じる場合があり、更なる改善が要望されるところであった。
しかしながら、短繊維不織布からなるガーゼにおいては、綿ガーゼと同様に保護材として傷口に当てた場合に、傷からの剥離性が悪い場合があった。清拭の性能に関しては、綿ガーゼよりその性能は改良されているが、例えばレーヨン・ポリエステルからなる不織布のように基本的に、非吸水性の合成繊維を混ぜ合わせたものでは拭き残りが生じる場合があるなど、改良が求められていた。さらに、親水性でない脂質などの油系のよごれの拭き取りにおいて拭き取り性が十分でなく、拭き残りが生じる場合があり、更なる改善が要望されるところであった。
長繊維不織布からなるガーゼにおいては、いわゆる合成繊維からなる長繊維不織布は吸水性などに劣るためガーゼとしては不適であるが、一般に再生セルロース繊維からなる長繊維不織布、たとえば旭化成せんい株式会社製のベンリーゼ(登録商標)があり、繊維径は約10〜14μmであることが知られており、良好に使用されている。
しかしながら、傷口に当てた場合に、傷からの剥離性が悪い場合があるなど、一層の改善が求められていた。
さらに、吸収体として用いた場合にも綿ガーゼに比べ布帛単位重量あたりの液体の吸収倍率が高いなど、綿ガーゼの欠点を改良するものではあるが、湿潤時の形態保持性に劣る点があり吸液時には変形しやすく、取り扱い性などの点で改善が求められていた。
しかしながら、傷口に当てた場合に、傷からの剥離性が悪い場合があるなど、一層の改善が求められていた。
さらに、吸収体として用いた場合にも綿ガーゼに比べ布帛単位重量あたりの液体の吸収倍率が高いなど、綿ガーゼの欠点を改良するものではあるが、湿潤時の形態保持性に劣る点があり吸液時には変形しやすく、取り扱い性などの点で改善が求められていた。
また、清拭用具として見た場合に、例えば消化器内視鏡などの挿入部の拭きあげに際しても綿ガーゼに比べ、拭きあげに要する回数が少なくてすむなど、拭き取り性能においても一定の改良が見られ、良好に利用されている。しかしながら、湿潤時の形態保持性にやや劣るために拭き取り時に、よれることがあり作業性が低下する場合があり、改善が求められていた。さらに、親水性でない脂質などの油系のよごれの拭き取りにおいて拭き取り性が十分でなく、拭き残りが生じる場合があり、更なる改善が要望されるところであった。
また、白色度において劣るため、印象として清潔感に劣るといった欠点も有していた。上述の問題点の一つである傷口からのガーゼの剥離性を向上させるために、不織布の表面に合成樹脂製の、穴あきのフィルムやネットを貼り合わせた傷あて材も考案され利用されているが、傷からの剥離はしやすいが装着時に蒸れ感が大きい、ごわごわするなど装着感において劣るものであった。
また、白色度において劣るため、印象として清潔感に劣るといった欠点も有していた。上述の問題点の一つである傷口からのガーゼの剥離性を向上させるために、不織布の表面に合成樹脂製の、穴あきのフィルムやネットを貼り合わせた傷あて材も考案され利用されているが、傷からの剥離はしやすいが装着時に蒸れ感が大きい、ごわごわするなど装着感において劣るものであった。
ところで、従来から外傷による創傷の治療方法の一つとして、傷口に治療薬を塗布する等し、その上から綿ガーゼを被せ、包帯で固定するという方法がとられてきた。この場合、綿ガーゼが直接傷口に接触するために、傷口からの滲出液等を綿ガーゼが吸収することになる。このため、滲出液等の多い傷の場合、吸液性に劣る綿ガーゼでは十分に滲出液等を吸収することができず、傷口と反対面の包帯側から滲出液等の染み出しが生じたり、滲出液等が傷口付近に滞留するため、頻繁に綿ガーゼや包帯の交換を必要とする場合があり、包帯交換に必要な労力、頻繁な包帯交換に際する患者の苦痛などの点で問題があった。同時に滲出液等の乾燥時には、先述のように綿ガーゼが治癒しかけの傷口付近に付着し、その付着力によって引き剥がすときに痛みを生じたり、治癒しかけの傷口の組織が損傷を受けるなどの問題の生じる場合もあった。
一方、これらの問題点への対策の一つとして、表面材として、コットンスパンレース不織布を用い、プラスチックフィルム製の裏面層との間に吸収体層を設けた創傷保護材も用いられている。ガーゼと包帯による創傷保護に比べると、傷口からの滲出液等を吸収する能力は向上しており、創傷と反対面からの滲出液等の染み出しを抑えたり、滲出液等が傷口付近に滞留するといった問題点においては、一定の改善は見られるものの、滲出液等の乾燥時には、前述した綿ガーゼ同様に表面材を傷口から剥がす時点で離れにくい場合があり、改善することが求められていた。
一方、これらの問題点への対策の一つとして、表面材として、コットンスパンレース不織布を用い、プラスチックフィルム製の裏面層との間に吸収体層を設けた創傷保護材も用いられている。ガーゼと包帯による創傷保護に比べると、傷口からの滲出液等を吸収する能力は向上しており、創傷と反対面からの滲出液等の染み出しを抑えたり、滲出液等が傷口付近に滞留するといった問題点においては、一定の改善は見られるものの、滲出液等の乾燥時には、前述した綿ガーゼ同様に表面材を傷口から剥がす時点で離れにくい場合があり、改善することが求められていた。
本発明は、傷からの剥離性が良好で、拭き取り性、吸液性、湿潤時の形態保持性の良好な不織布ガーゼを提供すること、および傷からの剥離性が良好で、創傷からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収することができ、装着感の良好な創傷保護材を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、一定量以上のセルロース繊維を含み、少なくとも使用に供する片面側に一定量以上の割合で特定繊維径のセルロース繊維を使用することにより、傷からの剥離性が良く、拭き取り性、吸液性に優れ、湿潤時の形態保持性が良好な不織布ガーゼが得られることを見出し、かつ少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として本発明の不織布ガーゼを用いることで、傷からの剥離性が良好で、創傷からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させ、装着感の良好な創傷保護材となることを見出し本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)セルロース繊維を30重量%以上含有する不織布であって、該不織布表面の少なくとも片側表面の60%以上を繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が占めることを特徴とする不織布ガーゼ。
(2)湿潤時幅保持率が80%以上であることを特徴とする上記(1)記載の不織布ガーゼ。
(3)セルロース繊維が再生セルロース連続長繊維であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の不織布ガーゼ。
(4)少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材であって、表面材が上記(1)〜(3)のいずれかに記載の不織布ガーゼであることを特徴とする創傷保護材。
(1)セルロース繊維を30重量%以上含有する不織布であって、該不織布表面の少なくとも片側表面の60%以上を繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が占めることを特徴とする不織布ガーゼ。
(2)湿潤時幅保持率が80%以上であることを特徴とする上記(1)記載の不織布ガーゼ。
(3)セルロース繊維が再生セルロース連続長繊維であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の不織布ガーゼ。
(4)少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材であって、表面材が上記(1)〜(3)のいずれかに記載の不織布ガーゼであることを特徴とする創傷保護材。
本発明の不織布ガーゼは、傷からの剥離性が良く、拭き取り性、吸液性、湿潤時の形態保持性の良好なものであり、また、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として本発明の不織布ガーゼを用いることにより、傷からの剥離性が良好で、創傷からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させることができ、装着感も良好なものとなる。
以下、本願発明について具体的に説明する。
本発明の不織布ガーゼは、セルロース繊維を30重量%以上、好ましくは60重量%、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは100重量%含有する不織布である。セルロース繊維が30重量%未満であると不織布ガーゼの吸液性が低下するのみならず、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として用いた場合、創傷からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させることが困難になる。また、セルロースの持つ吸湿性が十分に発揮されないため、ムレ感による装着感の低下を生じる場合がある。
不織布の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、スパンレース法、流下緊張紡糸法による湿式スパンボンド法、ニードルパンチ法等が挙げられる。さらに、2枚以上の不織布を重ね合わせて積層体として用いたり、重ね合わせて接合することで一体化して不織布となすことも可能である。また、不織布を構成するセルロース以外の繊維としては、特に限定されることはないが、たとえばポリエステル系繊維、ナイロン系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維などが挙げられる。
本発明の不織布ガーゼは、セルロース繊維を30重量%以上、好ましくは60重量%、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは100重量%含有する不織布である。セルロース繊維が30重量%未満であると不織布ガーゼの吸液性が低下するのみならず、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として用いた場合、創傷からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させることが困難になる。また、セルロースの持つ吸湿性が十分に発揮されないため、ムレ感による装着感の低下を生じる場合がある。
不織布の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、スパンレース法、流下緊張紡糸法による湿式スパンボンド法、ニードルパンチ法等が挙げられる。さらに、2枚以上の不織布を重ね合わせて積層体として用いたり、重ね合わせて接合することで一体化して不織布となすことも可能である。また、不織布を構成するセルロース以外の繊維としては、特に限定されることはないが、たとえばポリエステル系繊維、ナイロン系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維などが挙げられる。
セルロース繊維としては、その製法は特に限定されるものではなく、綿などの天然繊維、リヨセルなどの精製セルロース繊維、レーヨン、銅アンモニア法レーヨンなどの再生セルロース繊維が挙げられる。
本発明の不織布ガーゼとして用いられる不織布の少なくとも片側表面の60%以上を繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が占める必要があり、好ましくは繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が不織布表面の80%以上、最も好ましくは100%を占めるものである。繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が不織布表面に占める割合が60%未満である場合には、傷からの剥離性が低下するため、不織布ガーゼが傷から剥がれにくくなる。
不織布ガーゼの不織布表面の片側表面のみにおいてその表面の60%以上を繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が占める場合、この面を傷当てや吸収材、清拭あるいは、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として傷に当たるように用いることによって、本発明の効果を奏するので良好に使用できるが、使用時や生産時の間違いなどを防ぐ意味から、不織布表面の両面共の60%以上を繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が占めることが好ましい。さらに好ましくは、不織布全体の60%以上を繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が占めることである。
本発明の不織布ガーゼとして用いられる不織布の少なくとも片側表面の60%以上を繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が占める必要があり、好ましくは繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が不織布表面の80%以上、最も好ましくは100%を占めるものである。繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が不織布表面に占める割合が60%未満である場合には、傷からの剥離性が低下するため、不織布ガーゼが傷から剥がれにくくなる。
不織布ガーゼの不織布表面の片側表面のみにおいてその表面の60%以上を繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が占める場合、この面を傷当てや吸収材、清拭あるいは、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として傷に当たるように用いることによって、本発明の効果を奏するので良好に使用できるが、使用時や生産時の間違いなどを防ぐ意味から、不織布表面の両面共の60%以上を繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が占めることが好ましい。さらに好ましくは、不織布全体の60%以上を繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が占めることである。
セルロース繊維が不織布表面に占める割合が60%以上であっても、その繊維径が7.1μmより大きいと、傷からの剥離性が低下するだけでなく、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として本発明の不織布ガーゼを用いた場合、創傷からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させることが困難になる。繊維径が2.9μm未満である場合には、セルロース単繊維自身の強度が小さいため、不織布表面の耐摩耗性が低下し、繊維の脱落が生じるなど衛生上問題がある。不織布表面の60%以上を占めるセルロース繊維の繊維径は、好ましくは2.9〜6.0μm、更に好ましくは2.9〜5.0μmである。
ここでいう繊維径とは、不織布表面の電子顕微鏡写真で単繊維が約1cm程度になる倍率で観察した時に焦点があった繊維の直径のことを言う。本発明では、不織布表面の任意の200点で繊維の直径を測定して、その存在比率が60%以上である、すなわち120点以上が繊維径2.9〜7.1μmの繊維で構成されていることをいう。
ここでいう繊維径とは、不織布表面の電子顕微鏡写真で単繊維が約1cm程度になる倍率で観察した時に焦点があった繊維の直径のことを言う。本発明では、不織布表面の任意の200点で繊維の直径を測定して、その存在比率が60%以上である、すなわち120点以上が繊維径2.9〜7.1μmの繊維で構成されていることをいう。
また、繊維径は各種の効果に作用するため、平均繊維径を用いることもあるが、本発明においては平均繊維径を以下のように規定した。
平均繊維径I:上記測定における繊維径2.9μm未満の繊維の繊維径の平均値
平均繊維径II:上記測定における繊維径2.9〜7.1μmの繊維の繊維径の平均値
平均繊維径III:上記測定における繊維径7.1μmを超える繊維の繊維径の平均値
平均繊維径I:上記測定における繊維径2.9μm未満の繊維の繊維径の平均値
平均繊維径II:上記測定における繊維径2.9〜7.1μmの繊維の繊維径の平均値
平均繊維径III:上記測定における繊維径7.1μmを超える繊維の繊維径の平均値
本発明の不織布ガーゼを構成する不織布の湿潤時幅保持率は80%以上であることが好ましく、更に好ましくは90%以上である。ここでいう湿潤時幅保持率とは、以下の方法で測定される。
不織布の機械軸方向に長く、幅5cm、長さ12cmのサンプルを準備する。準備したサンプル長さ方向の中央(サンプル端から6cmの位置)に印を入れて、この印の部分を測定部とする。サンプルの上下1cmを幅5cmのサンプル保持板に挟み固定する。サンプル重量の3倍の純水をサンプルに付与する。
吊り架台に上部のサンプル保持板を取りつけると共に下部のサンプル保持板に重りを取りつけて、全体を吊り、架台に30秒吊り下げる。この時、下部のサンプル保持板と重りを合わせた重量がサンプルの目付(g/m2 )の30%となるようにする。
下部のサンプル保持板と重りを外し、30秒後に上述の測定部におけるサンプルの幅Lを測定する。測定部の幅の初期値を5cmとして、湿潤時幅保持率を次式で計算する。
湿潤時幅保持率(%)=(L(cm)/5(cm))×100
湿潤時幅保持率は、ガーゼを吸収材として用いた際の形態保持性や清拭に用いた場合のヨレならびに、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材としてガーゼを用いた場合の滲出液等を吸収した後の装着感と相関する。すなわち湿潤時幅保持率が80%未満では、ガーゼを吸収材として用いた際に形態保持性が悪く吸液時には変形しやすく、さらに清拭に用いた場合にはヨレ易く、取り扱い性などの点で劣ったものとなる。また、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材としてこの不織布ガーゼを用いた場合、滲出液等吸収後に表面材がヨレて装着感が低下する場合がある。
不織布の機械軸方向に長く、幅5cm、長さ12cmのサンプルを準備する。準備したサンプル長さ方向の中央(サンプル端から6cmの位置)に印を入れて、この印の部分を測定部とする。サンプルの上下1cmを幅5cmのサンプル保持板に挟み固定する。サンプル重量の3倍の純水をサンプルに付与する。
吊り架台に上部のサンプル保持板を取りつけると共に下部のサンプル保持板に重りを取りつけて、全体を吊り、架台に30秒吊り下げる。この時、下部のサンプル保持板と重りを合わせた重量がサンプルの目付(g/m2 )の30%となるようにする。
下部のサンプル保持板と重りを外し、30秒後に上述の測定部におけるサンプルの幅Lを測定する。測定部の幅の初期値を5cmとして、湿潤時幅保持率を次式で計算する。
湿潤時幅保持率(%)=(L(cm)/5(cm))×100
湿潤時幅保持率は、ガーゼを吸収材として用いた際の形態保持性や清拭に用いた場合のヨレならびに、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材としてガーゼを用いた場合の滲出液等を吸収した後の装着感と相関する。すなわち湿潤時幅保持率が80%未満では、ガーゼを吸収材として用いた際に形態保持性が悪く吸液時には変形しやすく、さらに清拭に用いた場合にはヨレ易く、取り扱い性などの点で劣ったものとなる。また、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材としてこの不織布ガーゼを用いた場合、滲出液等吸収後に表面材がヨレて装着感が低下する場合がある。
本発明の不織布ガーゼ及び少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として本発明の不織布ガーゼを用いた創傷保護材は、繊維配列係数が0.65〜1.35であることが好ましく、さらに好ましくは0.75〜1.25である。ここでいう繊維配列係数とは、以下の方法で測定されたものをいう。
20cm四方の試料を準備し、直径12cmの円筒に、試料表面にしわが入らない状態で輪ゴムやテープなどで固定する。蒸留水1リットルにシャチハタスタンプインキ水性染料系S−1(赤)を10ml入れ、評価液を作成する。評価液を先端口径0.7mmのビューレットに注入する。ビューレットとカメラを図2に示すようにセットする。カメラは固定式、ビューレットは、高さ固定の横移動式で、カメラ位置は試料表面から10cm上方に、ビューレットは試料表面から5cm上方にセットする。
評価液を5滴(0.05ml)サンプル上に落とし、同時にビューレットを横に移動させ、10秒後の拡散状態の写真撮影を行う。この際、試料表面にJIS規格の金尺を置き、写真に写るようにして実際の拡散面積に換算できるようにする。写真から画像処理などで拡散面積を求めることもできる。
20cm四方の試料を準備し、直径12cmの円筒に、試料表面にしわが入らない状態で輪ゴムやテープなどで固定する。蒸留水1リットルにシャチハタスタンプインキ水性染料系S−1(赤)を10ml入れ、評価液を作成する。評価液を先端口径0.7mmのビューレットに注入する。ビューレットとカメラを図2に示すようにセットする。カメラは固定式、ビューレットは、高さ固定の横移動式で、カメラ位置は試料表面から10cm上方に、ビューレットは試料表面から5cm上方にセットする。
評価液を5滴(0.05ml)サンプル上に落とし、同時にビューレットを横に移動させ、10秒後の拡散状態の写真撮影を行う。この際、試料表面にJIS規格の金尺を置き、写真に写るようにして実際の拡散面積に換算できるようにする。写真から画像処理などで拡散面積を求めることもできる。
得られた写真を用いて繊維配列係数を測定する。通常、液は楕円形に拡散する。この楕円において、不織布の機械方向(MD方向)の径aと機械軸と垂直方向(CD方向)の経bを測定する。繊維配列係数cは以下の方法で算出される。
繊維配列係数c=b/a
繊維配列係数は液が滴下されたときの拡散状態を示す係数ではあるが、液の拡散が繊維の配列方向と相関が高いことから繊維の配列方向を示すものである。機械軸方向の繊維の配列が大きいと繊維配列係数は、1未満となり機械軸と機械軸と垂直な方向への繊維の配列が同じ状態であると液拡散状態は円状になり、この場合繊維配列係数は1となる。また、機械軸方向よりも機械軸と垂直の繊維の配列が多いと繊維配列係数は、1を越えるものとなる。
繊維配列係数c=b/a
繊維配列係数は液が滴下されたときの拡散状態を示す係数ではあるが、液の拡散が繊維の配列方向と相関が高いことから繊維の配列方向を示すものである。機械軸方向の繊維の配列が大きいと繊維配列係数は、1未満となり機械軸と機械軸と垂直な方向への繊維の配列が同じ状態であると液拡散状態は円状になり、この場合繊維配列係数は1となる。また、機械軸方向よりも機械軸と垂直の繊維の配列が多いと繊維配列係数は、1を越えるものとなる。
繊維配列係数が0.65未満であると、機械軸方向に繊維が主体的に配列され、機械軸方向と垂直方向に存在する繊維との交絡、結合数が減少するため、機械軸と垂直方向に対する形態保持性が小さく、機械軸と垂直方向に伸びやすくなったり幅が入りやすくなったりするとともに、機械軸方向へは引裂きやすくなる。すなわち、通常の加工工程においては、機械軸方向に張力がかかることが多く、工程中で不織布の幅が入ったりして加工性能が低下する場合がある。
また、繊維配列係数が1.35を超えると機械軸と垂直方向に繊維が主体的に配列され、不織布の伸びは組織伸びが大きく影響し、繊維自体の伸びの影響は小さくなる。しかし、組織伸びは発生するものの、交絡や結合点数が非常に多いため機械軸方向へ張力がかかっても幅方向への影響は大きくはならない。しかし、繊維配列係数が1.35を超えることにより非常に硬い不織布となるので実使用においては支障をきたすことがある。
また、繊維配列係数が1.35を超えると機械軸と垂直方向に繊維が主体的に配列され、不織布の伸びは組織伸びが大きく影響し、繊維自体の伸びの影響は小さくなる。しかし、組織伸びは発生するものの、交絡や結合点数が非常に多いため機械軸方向へ張力がかかっても幅方向への影響は大きくはならない。しかし、繊維配列係数が1.35を超えることにより非常に硬い不織布となるので実使用においては支障をきたすことがある。
本発明の不織布ガーゼを構成する不織布は、好ましくは目付が8〜60g/m2 、更に好ましくは10〜50g/m2 であり、最も好ましくは20〜40g/m2 である。目付が8g/m2 未満では、特に湿潤時の強度が低下し、破れなどが生じ、取り扱い性が低下する場合がある。目付が60g/m2 を越えると柔軟性が低下し、肌とのスレにより装着感が低下することがあるため不織布ガーゼや少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材としてこの不織布ガーゼを用いるのに不適当となる場合がある。
本発明の不織布ガーゼを構成する不織布におけるセルロース繊維は再生セルロース連続長繊維であることが好ましい。セルロース繊維が再生セルロース連続長繊維であると、構成する繊維が長繊維であるため綿ガーゼや短繊維不織布からなる不織布ガーゼに比べて繊維の脱落が少なく、例えば毛羽の脱落による傷口への繊維付着や拭き取り時の被清拭物(人体を含む)への繊維付着が少なく良好である。また、セルロース繊維は吸湿性能に優れているが、その中で再生セルロース繊維は綿などの天然セルロース繊維と比べても公定水分率が高く、非常に優れた吸湿性能を持っているので好ましい。このような再生セルロース連続長繊維不織布を得る方法としては、例えば銅アンモニア法レーヨン原液を流下緊張紡糸法によりネット上に連続で紡糸し、繊維自体の自己接着と水流交絡にて接着、交絡させる方法がある。この方法によると、不織布形成時に接着用の樹脂等バインダーを使用しないため、安全性に優れたものであるので好ましい。
本発明の不織布ガーゼを構成する不織布におけるセルロース繊維は再生セルロース連続長繊維であることが好ましい。セルロース繊維が再生セルロース連続長繊維であると、構成する繊維が長繊維であるため綿ガーゼや短繊維不織布からなる不織布ガーゼに比べて繊維の脱落が少なく、例えば毛羽の脱落による傷口への繊維付着や拭き取り時の被清拭物(人体を含む)への繊維付着が少なく良好である。また、セルロース繊維は吸湿性能に優れているが、その中で再生セルロース繊維は綿などの天然セルロース繊維と比べても公定水分率が高く、非常に優れた吸湿性能を持っているので好ましい。このような再生セルロース連続長繊維不織布を得る方法としては、例えば銅アンモニア法レーヨン原液を流下緊張紡糸法によりネット上に連続で紡糸し、繊維自体の自己接着と水流交絡にて接着、交絡させる方法がある。この方法によると、不織布形成時に接着用の樹脂等バインダーを使用しないため、安全性に優れたものであるので好ましい。
更に、この方法で繊維径2.9〜7.1μmの再生セルロース長繊維不織布を得るためには、銅アンモニア法レーヨン原液を紡糸する紡口を従来のものより小さくするとともに、原液の粘度や原液温度を調整したり凝固速度をコントロールし、更に延伸倍率を従来よりも高く取ることで好適に得られる。さらに、再生セルロース長繊維不織布では、白色度において劣るため、印象として清潔感に劣るといった欠点を有しているが、本発明の不織布ガーゼでは、漂白しなくても良好な白色度の不織布ガーゼが得られる。この理由は必ずしも明らかではないが、単繊度が小さいために不織布表面で乱反射が発生し、白色度が向上するものと推定される。
本発明の創傷用保護材は、少なくとも表面材と吸収層から構成されており創傷と接触する面にあたる部分に本発明の不織布ガーゼが使用される材料である。また、本発明で言う吸収層とは通常、表面材からみて創傷とは反対の位置にあり、表面材を通過した滲出液等を吸収し創傷用保護材内部に貯留する役割を持つものである。
本発明の創傷用保護材は、少なくとも表面材と吸収層から構成されており創傷と接触する面にあたる部分に本発明の不織布ガーゼが使用される材料である。また、本発明で言う吸収層とは通常、表面材からみて創傷とは反対の位置にあり、表面材を通過した滲出液等を吸収し創傷用保護材内部に貯留する役割を持つものである。
本発明の創傷保護材は、表面材として本発明の不織布ガーゼを使用していれば、吸収層は、適宜選択すれば良い。吸収層としては、例えば、高分子吸収体を付与したパルプをティッシュで包んだものや、ティッシュに高分子吸収体を付着させたものが用いられてもよいし、これらと不織布を重ね合わせた構造のものが用いられてもよい。更に、創傷保護材の創傷と反対面に、滲出液等を洩らさないために、この面に防漏層(バックシート)を設けることが好ましい。この防漏層としては、滲出液等を通過させない材料を目的に応じて適宜選択し使用すればよいが、例えば、無孔性のフィルムを用いてもよいし、蒸れを防止する観点からポリオレフィンやポリエステルの微多孔フィルムシートを用いてもよい。
本発明を実施例などを用いてさらに具体的に説明する。
(1) 傷からの剥離性
傷からの剥離性の目安として豚肉を利用し、この上にサンプルを被せて放置乾燥させて、サンプルが豚肉から剥がれだす初期の荷重を測定した。剥がれだす初期の荷重が大きいほど傷からの剥離性が悪い。
イ)厚み1cmのとんかつ用豚肉を試験台上に置く。
ロ)クッキングシート(パーチメント紙・シリコーン樹脂加工)を肉よりも大きいサイズにカットし、中央部を幅3cm、長さ7cmの長方形に切り抜き、長方形部を、肉の脂肪がない所に敷く。
ハ)評価サンプルを機械軸方向に長くなるように幅5cm、長さ15cmに切り、この評価サンプルを、ロ)のクッキングシートの長方形の切抜きの長さ方向に、評価サンプルの長さ方向が一致するように、且つクッキングシートの長方形の切抜きが評価サンプルの中央に来るように置く。
ニ)評価サンプルの上に800gの荷重を1分間載せた後除重する。荷重の底面の大きさは幅8cm、長さ10cmで、ロ)のクッキングシートの切り抜き部分を評価サンプルの上から覆うように載せる。
ホ)温度20℃、湿度65%RHの雰囲気にて、ニ)で作成した評価サンプル、クッキングシート、肉が一体化したもの(以下、被評価体と呼ぶ)を20時間放置する。
ヘ)引っ張り試験機のチャック部の直下に被評価体上のクッキングシートの幅3cm、長さ7cmの長方形の切抜きの一端部が来るようにセットし、評価サンプルの幅5cmの端部分をクランプして引っ張り試験機(13cm/分の引っ張り速度)にて引っ張り、肉に密着した評価サンプルを肉から上向きに引っ張った時、評価サンプルが肉から剥がれだす初期の荷重を測定する。
(この時、肉が持ち上がらないように評価サンプル以外の部分をピン止めなどして、固定する。)
(1) 傷からの剥離性
傷からの剥離性の目安として豚肉を利用し、この上にサンプルを被せて放置乾燥させて、サンプルが豚肉から剥がれだす初期の荷重を測定した。剥がれだす初期の荷重が大きいほど傷からの剥離性が悪い。
イ)厚み1cmのとんかつ用豚肉を試験台上に置く。
ロ)クッキングシート(パーチメント紙・シリコーン樹脂加工)を肉よりも大きいサイズにカットし、中央部を幅3cm、長さ7cmの長方形に切り抜き、長方形部を、肉の脂肪がない所に敷く。
ハ)評価サンプルを機械軸方向に長くなるように幅5cm、長さ15cmに切り、この評価サンプルを、ロ)のクッキングシートの長方形の切抜きの長さ方向に、評価サンプルの長さ方向が一致するように、且つクッキングシートの長方形の切抜きが評価サンプルの中央に来るように置く。
ニ)評価サンプルの上に800gの荷重を1分間載せた後除重する。荷重の底面の大きさは幅8cm、長さ10cmで、ロ)のクッキングシートの切り抜き部分を評価サンプルの上から覆うように載せる。
ホ)温度20℃、湿度65%RHの雰囲気にて、ニ)で作成した評価サンプル、クッキングシート、肉が一体化したもの(以下、被評価体と呼ぶ)を20時間放置する。
ヘ)引っ張り試験機のチャック部の直下に被評価体上のクッキングシートの幅3cm、長さ7cmの長方形の切抜きの一端部が来るようにセットし、評価サンプルの幅5cmの端部分をクランプして引っ張り試験機(13cm/分の引っ張り速度)にて引っ張り、肉に密着した評価サンプルを肉から上向きに引っ張った時、評価サンプルが肉から剥がれだす初期の荷重を測定する。
(この時、肉が持ち上がらないように評価サンプル以外の部分をピン止めなどして、固定する。)
(2) 湿潤時幅保持率
前述の方法で測定した。
(3) 油性物拭き取り性
油性物の拭き取り性の目安として以下の評価を行った。ここでは、口紅に含まれる油分の拭き取り性をもってその代表値とした。
鏡の上に口紅を塗り、更にティッシュ等で塗り広げて出来る限り均一な油膜を作成する。標準品としてカネボウ合繊株式会社製クリーンルーム用ワイピングクロス、ザヴィーナ(登録商標)ミニマックス(登録商標)と日本薬局方綿ガーゼを用意する。基材1枚を取り、親指と人差し指と中指で保持し、人差し指の腹で油膜を1回拭き取る。同程度の力で各基材を用いて拭き取りを実施し、拭き取り性を官能評価し下記のように級判定を行う。各基材について5回の評価を行い、平均値を結果とした。
10級:油膜がほぼ完全に拭き取れる〔ザヴィーナ(登録商標)ミニマックス(登録商標)で拭き取った状態〕
5級:油膜はそこそこ拭き取れているが筋状の拭き残しがある
1級:油膜は殆ど拭き取れず、伸ばされた感じである(日本薬局方ガーゼで拭き取った状態)
尚、1〜10級の間は相対的に見て中間の級を補間する。
前述の方法で測定した。
(3) 油性物拭き取り性
油性物の拭き取り性の目安として以下の評価を行った。ここでは、口紅に含まれる油分の拭き取り性をもってその代表値とした。
鏡の上に口紅を塗り、更にティッシュ等で塗り広げて出来る限り均一な油膜を作成する。標準品としてカネボウ合繊株式会社製クリーンルーム用ワイピングクロス、ザヴィーナ(登録商標)ミニマックス(登録商標)と日本薬局方綿ガーゼを用意する。基材1枚を取り、親指と人差し指と中指で保持し、人差し指の腹で油膜を1回拭き取る。同程度の力で各基材を用いて拭き取りを実施し、拭き取り性を官能評価し下記のように級判定を行う。各基材について5回の評価を行い、平均値を結果とした。
10級:油膜がほぼ完全に拭き取れる〔ザヴィーナ(登録商標)ミニマックス(登録商標)で拭き取った状態〕
5級:油膜はそこそこ拭き取れているが筋状の拭き残しがある
1級:油膜は殆ど拭き取れず、伸ばされた感じである(日本薬局方ガーゼで拭き取った状態)
尚、1〜10級の間は相対的に見て中間の級を補間する。
(4) 吸水倍率
吸液性の評価として吸水倍率の評価を行った。基本的には自重の何倍の水分をサンプルの中に吸水できるかで、吸液性の代表値とした。
イ)試料を温度20℃、湿度65%RHにて24時間放置する
ロ)サンプルをたて10cm、よこ10cmに切る
ハ)試料の重量を測定する(ここでの試料の重量の測定値をXgとする)
ニ)バットに入れた水の中にメッシュ(10メッシュ,繊維径0.5mm)上に載せた試料ごと入れ30秒間漬け、メッシュごと上げて10分間放置する。
ホ)試料の中央部をピンセットではさみ、上皿天秤上の薬包紙に載せ試料の重量を計量する(薬包紙の重量は差し引く、ここでの試料の重量の測定値をYgとする)
ヘ)吸水倍率を下式で計算する
吸水倍率=(Y−X)/X
吸液性の評価として吸水倍率の評価を行った。基本的には自重の何倍の水分をサンプルの中に吸水できるかで、吸液性の代表値とした。
イ)試料を温度20℃、湿度65%RHにて24時間放置する
ロ)サンプルをたて10cm、よこ10cmに切る
ハ)試料の重量を測定する(ここでの試料の重量の測定値をXgとする)
ニ)バットに入れた水の中にメッシュ(10メッシュ,繊維径0.5mm)上に載せた試料ごと入れ30秒間漬け、メッシュごと上げて10分間放置する。
ホ)試料の中央部をピンセットではさみ、上皿天秤上の薬包紙に載せ試料の重量を計量する(薬包紙の重量は差し引く、ここでの試料の重量の測定値をYgとする)
ヘ)吸水倍率を下式で計算する
吸水倍率=(Y−X)/X
(5) 水吸収率
少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として、どの程度効率良く創傷からの滲出液等を吸収層に吸収させるかの目安として被吸収物を純水とし、吸収層はクッキングペーパーとして以下の評価を行った。
イ)評価に必要な備品を所定の大きさにカットする
被測定サンプル たて10cm、よこ10cm
ポリエチレンシート たて12cm、よこ12cm
ライオン社製リードクッキングペーパー(以下クッキングペーパーと略する)
たて8cm、よこ8cm
脱脂綿 たて2cm、よこ2cm
ロ)測定装置の組み立て(測定装置の概要を図1に示す。)
1)ポリエチレンシートを1枚下に置く。
2)クッキングペーパーをその上に5枚重ねて置く。
3)サンプルを1枚置く。
4)サンプルの両端をテープでポリエチレエンシートと張り合わせて止める。
ハ)測定
1)脱脂綿を除く測定装置の重量(W1g)を天秤にて測定する。
2)注射器にて2ccの純水を脱脂綿に含ませる。
3)測定装置のサンプル中央に脱脂綿を置く
4)15秒間放置の後、脱脂綿を取り除く
5)脱脂綿を除く測定装置の重量(W2g)を天秤にて測定する。
水吸収率は、下式で計算する
水吸収率(%)=100(W2−W1)/2
少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として、どの程度効率良く創傷からの滲出液等を吸収層に吸収させるかの目安として被吸収物を純水とし、吸収層はクッキングペーパーとして以下の評価を行った。
イ)評価に必要な備品を所定の大きさにカットする
被測定サンプル たて10cm、よこ10cm
ポリエチレンシート たて12cm、よこ12cm
ライオン社製リードクッキングペーパー(以下クッキングペーパーと略する)
たて8cm、よこ8cm
脱脂綿 たて2cm、よこ2cm
ロ)測定装置の組み立て(測定装置の概要を図1に示す。)
1)ポリエチレンシートを1枚下に置く。
2)クッキングペーパーをその上に5枚重ねて置く。
3)サンプルを1枚置く。
4)サンプルの両端をテープでポリエチレエンシートと張り合わせて止める。
ハ)測定
1)脱脂綿を除く測定装置の重量(W1g)を天秤にて測定する。
2)注射器にて2ccの純水を脱脂綿に含ませる。
3)測定装置のサンプル中央に脱脂綿を置く
4)15秒間放置の後、脱脂綿を取り除く
5)脱脂綿を除く測定装置の重量(W2g)を天秤にて測定する。
水吸収率は、下式で計算する
水吸収率(%)=100(W2−W1)/2
(6) 白色度
試料を4枚重ねの状態で測定する。なお、測定面は繊維径およびその割合が規定された面とする。サカタインクス株式会社製標準色彩管理システムマクベスCE−3000で、C光源を用い、視野2°、鏡面光沢及び光源の紫外線領域も含めて、5回測定した平均値からX、Y、Zの3刺激値を求め、下式より白色度を算出する。
白色度=4(0.847Z)−3Y
なお、測定原理及び光源が同一であれば他の測定器で測定しても良い。
試料を4枚重ねの状態で測定する。なお、測定面は繊維径およびその割合が規定された面とする。サカタインクス株式会社製標準色彩管理システムマクベスCE−3000で、C光源を用い、視野2°、鏡面光沢及び光源の紫外線領域も含めて、5回測定した平均値からX、Y、Zの3刺激値を求め、下式より白色度を算出する。
白色度=4(0.847Z)−3Y
なお、測定原理及び光源が同一であれば他の測定器で測定しても良い。
(7) 毛羽落ち
イ) 1リットルビーカーに300mlの純水を入れる
ロ) 純水中に試料(25cm×25cm)を入れる
ハ) ビーカーごと超音波洗浄機(BRANSON社製 B-2210)に浸けて、15分間超音波をかける。
ニ) 純水から試料を取り上げる
ホ) 東洋濾紙社製黒色濾紙 No.131(濾過部分は直径18mm)を使用し、吸引ろ過にて純水中に脱落した繊維屑を補捉する
ヘ) 黒色濾紙上に補足された繊維量を目視にて評価する
評価水準
○ :繊維屑が認められない
× :繊維屑が認められる
イ) 1リットルビーカーに300mlの純水を入れる
ロ) 純水中に試料(25cm×25cm)を入れる
ハ) ビーカーごと超音波洗浄機(BRANSON社製 B-2210)に浸けて、15分間超音波をかける。
ニ) 純水から試料を取り上げる
ホ) 東洋濾紙社製黒色濾紙 No.131(濾過部分は直径18mm)を使用し、吸引ろ過にて純水中に脱落した繊維屑を補捉する
ヘ) 黒色濾紙上に補足された繊維量を目視にて評価する
評価水準
○ :繊維屑が認められない
× :繊維屑が認められる
(8) 繊維配列係数
前述の方法で測定した。
[実施例1]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.3mm、180個/cm2で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり3.4cc/cm2・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が540cc/cm2・minであった。凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは25m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は320回/minであった。得られた1層のウエブの上に同様の条件で紡糸したウエブを更に4層重ね、最終的に5層重ねのセルロース連続長繊維ウエブを得た。得られたセルロース連続長繊維ウエブを希硫酸で再生し、水洗後、得られた再生セルロース連続長繊維ウエブを20メッシュのシート上で3MPaの高圧水流で繊維を交絡させた後、100℃の熱風乾燥を行い貫通孔及び凹部が表面に形成された再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
前述の方法で測定した。
[実施例1]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.3mm、180個/cm2で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり3.4cc/cm2・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が540cc/cm2・minであった。凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは25m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は320回/minであった。得られた1層のウエブの上に同様の条件で紡糸したウエブを更に4層重ね、最終的に5層重ねのセルロース連続長繊維ウエブを得た。得られたセルロース連続長繊維ウエブを希硫酸で再生し、水洗後、得られた再生セルロース連続長繊維ウエブを20メッシュのシート上で3MPaの高圧水流で繊維を交絡させた後、100℃の熱風乾燥を行い貫通孔及び凹部が表面に形成された再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
得られた、再生セルロース連続長繊維不織布は、目付29.2g/m2 、繊維径2.9〜7.1μmの繊維が不織布表面を構成する本数割合は100%であった.特性及び機能性の評価結果を表1に示す。
表1からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性が良好で、吸水倍率が大きいことから吸液性に優れるものであることがわかる。また、拭き取り性や湿潤時の形態保持性にも優れた物であることがわかる。更に、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材としても、上述のように傷からの剥離性が良好で、また水吸収率が高い値を示すことから、傷口からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させることができるものであることがわかる。
表1からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性が良好で、吸水倍率が大きいことから吸液性に優れるものであることがわかる。また、拭き取り性や湿潤時の形態保持性にも優れた物であることがわかる。更に、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材としても、上述のように傷からの剥離性が良好で、また水吸収率が高い値を示すことから、傷口からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させることができるものであることがわかる。
[実施例2]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.3mm、180個/cm2で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり3.4cc/cm2・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が540cc/cm2・minであった。凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは24m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は320回/minであった。得られた1層のウエブの上に同様の条件で紡糸したウエブを更に2層重ね、最終的に3層重ねのセルロース連続長繊維ウエブを得た。得られたセルロース連続長繊維ウエブを希硫酸で再生し、水洗後、100℃の熱風乾燥を行い表面がフラットな再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.3mm、180個/cm2で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり3.4cc/cm2・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が540cc/cm2・minであった。凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは24m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は320回/minであった。得られた1層のウエブの上に同様の条件で紡糸したウエブを更に2層重ね、最終的に3層重ねのセルロース連続長繊維ウエブを得た。得られたセルロース連続長繊維ウエブを希硫酸で再生し、水洗後、100℃の熱風乾燥を行い表面がフラットな再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、目付18.5g/m2 、繊維径2.9〜7.1μmの繊維が不織布表面を構成する本数割合は100%であった。得られた不織布に、旭化成せんい株式会社製ポリエステルスパンボンド、エルタス(登録商標)品番E01015、目付15.0g/m2 、繊維直径約14.3μmを重ね合わせて、目付33.5g/m2 の不織布積層体とし、再生セルロース繊維の側を表面すなわち傷口への接触面や払拭に用いる面などとして用いることを前提とした、本発明の不織布ガーゼおよび少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材とした。この特性及び機能性の評価結果を表1に示す。 表1からもわかるとおり、得られた不織布積層体は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性が良好で、吸水倍率が大きいことから吸液性に優れるものであることがわかる。また、拭き取り性や湿潤時の形態保持性にも優れた物であることがわかる。更に、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材としても、上述のように傷からの剥離性が良好で、また水吸収率が高い値を示すことから、傷口からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させることができるものであることがわかる。
[比較例1]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.3mm、180個/cm2で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり3.4cc/cm2・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が540cc/cm2・minであった。凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは28m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は320回/minであった。得られた1層のウエブの上に同様の条件で紡糸したウエブを更に1層重ね、最終的に2層重ねのセルロース連続長繊維ウエブを得た。得られたセルロースウエブを希硫酸で再生し、水洗後、100℃の熱風乾燥を行い表面がフラットな再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.3mm、180個/cm2で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり3.4cc/cm2・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が540cc/cm2・minであった。凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは28m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は320回/minであった。得られた1層のウエブの上に同様の条件で紡糸したウエブを更に1層重ね、最終的に2層重ねのセルロース連続長繊維ウエブを得た。得られたセルロースウエブを希硫酸で再生し、水洗後、100℃の熱風乾燥を行い表面がフラットな再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、目付10.5g/m2 、であり、繊維径2.9〜7.1μmの繊維が不織布表面を構成する本数割合は100%であった。得られた不織布に、旭化成せんい株式会社製ポリエステルスパンボンド、エルタス(登録商標)品番E01030、目付30.0g/m2 、繊維直径約14.3μmを重ね合わせて、目付40.5g/m2 の不織布積層体とし、再生セルロース繊維の側を表面すなわち傷口への接触面や払拭に用いる面などとして用いることを前提とした不織布ガーゼおよび少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材とした。この特性及び機能性の評価結果を表1に示す。
表1からもわかるとおり、得られた不織布積層体は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性は良好であるが、吸水倍率が小さいことから吸液性に劣るものであることがわかる。また、拭き取り性や湿潤時の形態保持性に優れた物であるが、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として、上述のように傷からの剥離性が良好であるものの、水吸収率が低い値を示すことから、傷口からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させにくいものであることがわかる。
表1からもわかるとおり、得られた不織布積層体は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性は良好であるが、吸水倍率が小さいことから吸液性に劣るものであることがわかる。また、拭き取り性や湿潤時の形態保持性に優れた物であるが、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として、上述のように傷からの剥離性が良好であるものの、水吸収率が低い値を示すことから、傷口からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させにくいものであることがわかる。
[実施例3]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.4mm、110個/cm2で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり8.14cc/cm2・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が400cc/cm2・minであった。凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは23m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は320回/minであった。得られた1層のウエブの上に同様の条件で紡糸したウエブを更に1層重ね、最終的に2層重ねのセルロース連続長繊維ウエブを得た。得られたセルロース連続長繊維ウエブを希硫酸で再生し、水洗後、得られた再生セルロース連続長繊維ウエブを20メッシュのシート上で3MPaの高圧水流で繊維を交絡させた後、100℃の熱風乾燥を行い貫通孔及び凹部が表面に形成された再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.4mm、110個/cm2で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり8.14cc/cm2・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が400cc/cm2・minであった。凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは23m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は320回/minであった。得られた1層のウエブの上に同様の条件で紡糸したウエブを更に1層重ね、最終的に2層重ねのセルロース連続長繊維ウエブを得た。得られたセルロース連続長繊維ウエブを希硫酸で再生し、水洗後、得られた再生セルロース連続長繊維ウエブを20メッシュのシート上で3MPaの高圧水流で繊維を交絡させた後、100℃の熱風乾燥を行い貫通孔及び凹部が表面に形成された再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
得られた再生セルロース連続長繊堆不織布は、目付31.2g/m2 、繊維径2.9〜7.1μmの繊維が不織布表面を構成する本数割合は100%であった。特性及び機能性の評価結果を表1に示す。
表1からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性が良好で、吸水倍率が大きいことから吸液性に優れるものであることがわかる。また、拭き取り性や湿潤時の形態保持性にも優れた物であることがわかる。更に、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材としても、上述のように傷からの剥離性が良好で、また水吸収率が高い値を示すことから、傷口からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させることができるものであることがわかる。
表1からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性が良好で、吸水倍率が大きいことから吸液性に優れるものであることがわかる。また、拭き取り性や湿潤時の形態保持性にも優れた物であることがわかる。更に、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材としても、上述のように傷からの剥離性が良好で、また水吸収率が高い値を示すことから、傷口からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させることができるものであることがわかる。
[比較例2]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.6mm、45個/cm2で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり6.0cc/cm2・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が470cc/cm2・minであった。凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは42m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は320回/minであった。得られた1層のウエブの上に同様の条件で紡糸したウエブを更に4層重ね、最終的に5層重ねのセルロース連続長繊維ウエブを得た。得られたセルロース連続長繊維ウエブを希硫酸で再生し、水洗後、得られた再生セルロース連続長繊維ウエブを20メッシュのシート上で3MPaの高圧水流で繊維を交絡させた後、100℃の熱風乾燥を行い貫通孔及び凹部が表面に形成された再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.6mm、45個/cm2で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり6.0cc/cm2・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が470cc/cm2・minであった。凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは42m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は320回/minであった。得られた1層のウエブの上に同様の条件で紡糸したウエブを更に4層重ね、最終的に5層重ねのセルロース連続長繊維ウエブを得た。得られたセルロース連続長繊維ウエブを希硫酸で再生し、水洗後、得られた再生セルロース連続長繊維ウエブを20メッシュのシート上で3MPaの高圧水流で繊維を交絡させた後、100℃の熱風乾燥を行い貫通孔及び凹部が表面に形成された再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、目付30.9g/m2 、繊維径 2.9〜7.1μmの繊維が不織布表面を構成する本数割合は0%であった。特性及び機能性の評価結果を表1に示す。
表1からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性は高い値を示し本発明の不織布ガーゼに比べると劣るものである。吸水倍率が大きいことから吸液性に吸液性に優れるものであることがわかるが、拭き取り性や湿潤時の形態保持性に劣るものである。少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として、上述のように傷からの剥離性が本発明のそれに比べ不良なものである。
表1からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性は高い値を示し本発明の不織布ガーゼに比べると劣るものである。吸水倍率が大きいことから吸液性に吸液性に優れるものであることがわかるが、拭き取り性や湿潤時の形態保持性に劣るものである。少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として、上述のように傷からの剥離性が本発明のそれに比べ不良なものである。
[実施例4]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.6mm、45個/cm2 で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり5.5cc/cm2 ・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が400cc/cm2 ・minであった。これを3層重ねた後つづいて、原液吐出口の直径が0.3mm、90個/cm2 で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり1.7cc/cm2 ・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させ、更に2層のウエブを積層した。この2層のウェブの紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量は300cc/cm2 ・minであり、最終的に5層重ねのセルロース連続長繊維ウエブとした。先の3層と後の2層の形成時には、凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは25m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は320回/minであった。得られたセルロース連続長繊維ウエブを希硫酸で再生し、水洗後、得られた再生セルロース連続長繊維ウエブを20メッシュのシート上で3MPaの高圧水流で繊維を交絡させた後、100℃の熱風乾燥を行い貫通孔及び凹部が表面に形成された再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.6mm、45個/cm2 で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり5.5cc/cm2 ・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が400cc/cm2 ・minであった。これを3層重ねた後つづいて、原液吐出口の直径が0.3mm、90個/cm2 で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり1.7cc/cm2 ・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させ、更に2層のウエブを積層した。この2層のウェブの紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量は300cc/cm2 ・minであり、最終的に5層重ねのセルロース連続長繊維ウエブとした。先の3層と後の2層の形成時には、凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは25m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は320回/minであった。得られたセルロース連続長繊維ウエブを希硫酸で再生し、水洗後、得られた再生セルロース連続長繊維ウエブを20メッシュのシート上で3MPaの高圧水流で繊維を交絡させた後、100℃の熱風乾燥を行い貫通孔及び凹部が表面に形成された再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、目付32.4g/m2 、繊維径2.9〜7.1μmの繊維が不織布表面を構成する本数割合は73%であった。特性及び機能性の評価結果を表1に示す。
表1からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性が良好で、吸水倍率が大きいことから吸液性に優れるものであることがわかる。また、拭き取り性や湿潤時の形態保持性にも優れた物であることがわかる。更に、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材としても、上述のように傷からの剥離性が良好で、また水吸収率が高い値を示すことから、傷口からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させることができるものであることがわかる。
表1からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性が良好で、吸水倍率が大きいことから吸液性に優れるものであることがわかる。また、拭き取り性や湿潤時の形態保持性にも優れた物であることがわかる。更に、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材としても、上述のように傷からの剥離性が良好で、また水吸収率が高い値を示すことから、傷口からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させることができるものであることがわかる。
[比較例3]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.6mm、45個/cm2 で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり5.5cc/cm2 ・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が400cc/cm2 ・minであった。これを3層重ねた後つづいて、原液吐出口の直径が0.3mm、90個/cm2で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり1.7cc/cm2・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形一段濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させ、更に1層のウエブを積層した。この1層のウェブの紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量は300cc/cm2・minであり、最終的に4層重ねのセルロース連続長繊維ウエブとした。先の3層と後の1層の形成時には、凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは25m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は320回/minであった。得られたセルロース連続長繊維ウエブを希硫酸で再生し、水洗後、得られた再生セルロース連続長繊維ウエブを20メッシュのシート上で3MPaの高圧水流で繊維を交絡させた後、100℃の熱風乾燥を行い貫通孔及び凹部が表面に形成された再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.6mm、45個/cm2 で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり5.5cc/cm2 ・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が400cc/cm2 ・minであった。これを3層重ねた後つづいて、原液吐出口の直径が0.3mm、90個/cm2で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり1.7cc/cm2・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形一段濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させ、更に1層のウエブを積層した。この1層のウェブの紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量は300cc/cm2・minであり、最終的に4層重ねのセルロース連続長繊維ウエブとした。先の3層と後の1層の形成時には、凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは25m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は320回/minであった。得られたセルロース連続長繊維ウエブを希硫酸で再生し、水洗後、得られた再生セルロース連続長繊維ウエブを20メッシュのシート上で3MPaの高圧水流で繊維を交絡させた後、100℃の熱風乾燥を行い貫通孔及び凹部が表面に形成された再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、目付30.4g/m2 であり、繊維径2.9〜7.1μmの繊維が不織布表面を構成する本数割合は55%であった。特性及び機能性の評価結果を表1に示す。
表1からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性は高い値を示し本発明の不織布ガーゼに比べると劣るものである。吸水倍率が大きいことから吸液性に優れるものであることがわかるが、拭き取り性に劣るものである。少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として、上述のように傷からの剥離性が本発明のそれに比べ不良なものである。
表1からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性は高い値を示し本発明の不織布ガーゼに比べると劣るものである。吸水倍率が大きいことから吸液性に優れるものであることがわかるが、拭き取り性に劣るものである。少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として、上述のように傷からの剥離性が本発明のそれに比べ不良なものである。
[実施例5]
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.3mm、180個/cm2 で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり3.4cc/cm2 ・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が540cc/cm2・minであった。凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは45m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は100回/minであった。得られた1層のウエブの上に同様の条件で紡糸したウエブを更に8層重ね、最終的に9層重ねのセルロース連続長繊維ウエブを得た。得られたセルロース連続長繊維ウエブを希硫酸で再生し、水洗後、得られた再生セルロース連続長繊維ウエブを20メッシュのシート上で3MPaの高圧水流で繊維を交絡させた後、100℃の熱風乾燥を行い貫通孔及び凹部が表面に形成された再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、セルロース濃度10重量%の紡糸原液を準備した。原液吐出孔の直径が0.3mm、180個/cm2 で存在する長方形の紡糸口金から紡糸口金の単位面積当たり3.4cc/cm2 ・minの原液を押し出した。押し出された原液は、紡糸水と共に矩形紡糸濾斗内に入り脱アンモニアによる凝固と同時に延伸させた。紡糸水の紡糸口金単位面積当たりの流量が540cc/cm2・minであった。凝固した繊維は通液可能なメッシュ構造のネット上に振り落としつつ、ネットをネット進行方向に対して垂直方向に振動させた。この時のネットのスピードは45m/minであり、振動幅は紡糸口金の幅に対して2.2%、振動回教は100回/minであった。得られた1層のウエブの上に同様の条件で紡糸したウエブを更に8層重ね、最終的に9層重ねのセルロース連続長繊維ウエブを得た。得られたセルロース連続長繊維ウエブを希硫酸で再生し、水洗後、得られた再生セルロース連続長繊維ウエブを20メッシュのシート上で3MPaの高圧水流で繊維を交絡させた後、100℃の熱風乾燥を行い貫通孔及び凹部が表面に形成された再生セルロース連続長繊維不織布を得た。
得られた、再生セルロース連続長繊維不織布は、目付29.5g/m2 、繊維径2.9〜7.1μmの繊維が不織布表面を構成する本数割合は100%であった.特性及び機能性の評価結果を表1に示す。
表1からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性が良好で、吸水倍率が大きいことから吸液性に優れるものであることがわかる。また、湿潤時の形態保持性には若干劣る点があるものの拭き取り性にも優れた物であることがわかる。更に、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材としても、上述のように傷からの剥離性が良好で、また水吸収率が高い値を示すことから、傷口からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させることができるものであることがわかる。
表1からもわかるとおり、得られた再生セルロース連続長繊維不織布は、不織布ガーゼとして、傷からの剥離性が良好で、吸水倍率が大きいことから吸液性に優れるものであることがわかる。また、湿潤時の形態保持性には若干劣る点があるものの拭き取り性にも優れた物であることがわかる。更に、少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材としても、上述のように傷からの剥離性が良好で、また水吸収率が高い値を示すことから、傷口からの滲出液等を吸収層に効率良く吸収させることができるものであることがわかる。
[比較例4]
目付32.5g/m2 である局方ガーゼの特性及び機能性の評価結果を表1に示す。
表1からも分かるとおり、局方ガーゼは、傷からの剥離性は高い値を示し本発明の不織布に比べると劣るものである。さらに、局方ガーゼの吸水倍率は、本発明の不織布と比べると低い値を示し、吸液性においても本発明の不織布に劣るものであることがわかる。また、短繊維で構成されているため毛羽落ちが生じる。 また、湿潤時の形態保持性は良好な値を示すものの、拭き取り性において劣るものであることがわかる。少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として、上述のように傷からの剥離性の点でも本発明のそれに比べて不良なものである。
目付32.5g/m2 である局方ガーゼの特性及び機能性の評価結果を表1に示す。
表1からも分かるとおり、局方ガーゼは、傷からの剥離性は高い値を示し本発明の不織布に比べると劣るものである。さらに、局方ガーゼの吸水倍率は、本発明の不織布と比べると低い値を示し、吸液性においても本発明の不織布に劣るものであることがわかる。また、短繊維で構成されているため毛羽落ちが生じる。 また、湿潤時の形態保持性は良好な値を示すものの、拭き取り性において劣るものであることがわかる。少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として、上述のように傷からの剥離性の点でも本発明のそれに比べて不良なものである。
[比較例5]
日清紡社製コットンスパンレース不織布「オイコス」、(表面:メッシュ、目付30g/m2 、コットン100%)の特性及び機能性の評価結果を表1に示す。
表1からも分かるとおり、本不織布は傷からの剥離性は高い値を示し本発明の不織布ガーゼに比べると劣るものである。また、湿潤時の形態保持性は良好な値を示すものの拭き取り性において本発明の不織布ガーゼに劣るものであることがわかる。少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として、上述のように傷からの剥離性の点でも本発明のそれに比べて劣るものである。また、短繊維で構成されているため毛羽落ちが生じる。
表1からも分かるとおり、本発明の不織布ガーゼおよびそれを用いた創傷保護材は、ガーゼおよび少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材として極めて優れた特徴を有するものである。
日清紡社製コットンスパンレース不織布「オイコス」、(表面:メッシュ、目付30g/m2 、コットン100%)の特性及び機能性の評価結果を表1に示す。
表1からも分かるとおり、本不織布は傷からの剥離性は高い値を示し本発明の不織布ガーゼに比べると劣るものである。また、湿潤時の形態保持性は良好な値を示すものの拭き取り性において本発明の不織布ガーゼに劣るものであることがわかる。少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材の表面材として、上述のように傷からの剥離性の点でも本発明のそれに比べて劣るものである。また、短繊維で構成されているため毛羽落ちが生じる。
表1からも分かるとおり、本発明の不織布ガーゼおよびそれを用いた創傷保護材は、ガーゼおよび少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材として極めて優れた特徴を有するものである。
本発明の不織布ガーゼおよびそれを用いた創傷保護材は、不織布ガーゼとしては傷からの剥離性が良好で、拭き取り性、湿潤時の形態保持性が良好であり、それを表面材に用いた少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材としては、傷からの剥離性が良好で、創傷からの滲出液などを吸収層に効率よく吸収することができ、装着感の良好な創傷保護材として好適に利用できる。
Claims (4)
- セルロース繊維を30重量%以上含有する不織布であって、該不織布表面の少なくとも片側表面の60%以上を繊維径が2.9〜7.1μmのセルロース繊維が占めることを特徴とする不織布ガーゼ。
- 湿潤時幅保持率が80%以上であることを特徴とする請求項1記載の不織布ガーゼ。
- セルロース繊維が再生セルロース連続長繊維であることを特徴とする請求項1または2記載の不織布ガーゼ。
- 少なくとも表面材と吸収層を有する創傷保護材であって、表面材が請求項1〜3のいずれかに記載の不織布ガーゼであることを特徴とする創傷保護材。
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---|---|---|---|---|
JP2015070968A (ja) * | 2013-10-03 | 2015-04-16 | 旭化成せんい株式会社 | フェイスマスク用不織布 |
JP2020093990A (ja) * | 2018-12-11 | 2020-06-18 | 凸版印刷株式会社 | 転写シート、および、薄膜層の転写方法 |
-
2004
- 2004-01-08 JP JP2004003274A patent/JP2005192864A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015070968A (ja) * | 2013-10-03 | 2015-04-16 | 旭化成せんい株式会社 | フェイスマスク用不織布 |
JP2020093990A (ja) * | 2018-12-11 | 2020-06-18 | 凸版印刷株式会社 | 転写シート、および、薄膜層の転写方法 |
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