JP2021010625A - 吸収体 - Google Patents
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(1)第1の不織布および第2の不織布ならびに吸水ポリマーを備え、前記吸水ポリマーは、前記第1の不織布および前記第2の不織布に挟持されており、前記第1の不織布は、第1の短繊維を含み、前記第1の短繊維の単糸強度は、0.15N以上であり、前記第1の短繊維の含有量は、前記第1の不織布全体に対し10質量%以上であり、前記第1の不織布の目付は、60g/m2以下であり、前記第1の不織布の厚さ方向の配向角は、20°以上であり、厚さが3mmである、吸収体、
(2)前記第1の不織布が、第2の短繊維を含み、前記第2の短繊維の公定水分率が、8%以上であり、前記第2の短繊維の含有量が、前記第1の不織布全体に対し50質量%以上90質量%以下であり、前記第1の短繊維の含有量が、前記第1の不織布全体に対し10質量%以上50質量%以下である、(1)の吸収体、
(3)前記第1の短繊維は中空繊維であり、前記第1の短繊維の空孔率が10%以上である、(1)または(2)の吸収体、
(4)前記第2の不織布のバイレック法吸水試験における吸水高さが、前記第1の不織布のバイレック法吸水試験における吸水高さよりも大きい、(1)から(3)のいずれかの吸水体であり、
また、(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の吸収体の製造方法であって、前記第1の短繊維と第2の短繊維とをカードマシンに投入した後、前記第1の短繊維および前記第2の短繊維に対し混繊処理および開繊維処理を施し、クロスラップウエーバーでウエッブを成形する工程と、前記ウエッブをウォータージェット式の不織布化装置に投入し、高圧水流により交絡させた後、乾燥させて第1の不織布を得る工程とを備え、前記第1の短繊維のカードマシンへの投入量が、カードマシンに投入する前記第1の短繊維および前記第2の短繊維の合計投入量に対し10質量%以上50質量%以下であり、前記第2の短繊維のカードマシンへの投入量が、カードマシンに投入する前記第1の短繊維および前記第2の短繊維の合計投入量に対し50質量%以上90質量%以下であり、前記第1の短繊維の単糸強度は、0.15N以上であり、前記第2の短繊維の公定水分率が、8%以上である、吸収体の製造方法である。
上記の第1の短繊維の単糸強度は、0.15N以上であり、上記の第1の短繊維の含有量は、前記第1の不織布全体に対し10質量%以上である。さらに、上記の第1の不織布は、目付が60g/m2以下であり、かつ、厚さ方向の配向角が20°以上である。なお、詳細は後述するが、不織布の厚さ方向の配向角とは、その不織布を構成する繊維の繊維軸の配向の状態を表すものである。不織布の厚さ方向の配向角の値が90°以下の範囲で大きくなるほど、その不織布を構成する繊維の繊維軸の方向と不織布の面方向に垂直な方向とのなす鋭角がより小さくなる。
まず、本発明の吸収体が備える第1の不織布について説明する。上記のとおり、第1の不織布は、単糸強度の高い第1の短繊維を特定の含有量で含み、目付が60g/m2以下であり、さらに、厚さ方向の配向角が20°以上である。この第1の不織布の構成により、第1の不織布の一方の面から他方の面に水系液体は透過し易くなる。よって、本発明の吸収体を用いた衛生材料製品において、上記の衛生材料製品の着用時に第2の不織布および吸水ポリマーよりも第1の不織布が着用者側となるように第1の不織布が配置されることで、着用者から発せられた尿などの水系液体は第1の不織布を透過し、吸水ポリマーに吸水され、保水されやすくなる。すなわち、吸収体の吸収特性が優れたものとなる。
次に、本発明の吸収体が備える第2の不織布について説明する。第2の不織布としては、特に限定はされず、第1の不織布と同一の不織布であってもよいし、第1の不織布とは異なる不織布であってもよい。
次に、第1の短繊維について説明する。第1の不織布に含有される第1の短繊維の単糸強度は0.15N以上である。このような第1の短繊維を第1の不織布が含有することで、第1の不織布の製造時においてウォータージェットなどにより、第1の不織布を構成する繊維の繊維軸を本発明における所望の方向に配向させ易くなり、さらに、所望の方向に配向されられた第1の不織布を構成する繊維の繊維軸を吸収体の使用後まで維持し易くなる。上記の理由により、第1の短繊維の単糸強度は0.2N以上であることが好ましい。一方で、第1の短繊維の単糸強度の上限は、特に限定はされないが、第1の不織布を触感の良いものとし、着用時に不快感のない衛生材料製品を得ることができるとの理由により、1.0N以下であることが好ましい。ここで、短繊維の単糸強度とはJIS L 1015(1999) 8.7.1を参考に、短繊維1本について引張試験を行った際に得られる伸び−荷重曲線の最大荷重をいう。また、短繊維とは、繊維長が10〜100mmの範囲である繊維をいう。後述するカードマシンの通過性の観点からは、第1の短繊維の繊維長は20〜80mmであることが好ましい。
次に第2の短繊維について説明する。第2の短繊維の公定水分率は8%以上である。第2の短繊維が公定水分率8%以上と親水性の短繊維であることで、第1の不織布の一方の面から他方の面に水系液体はより透過し易くなる。
本発明の吸収体は厚みが3mm以下である。吸収体の厚みが3mm以下であることで、本発明の吸収体をおむつなどの衛生材料製品に用いた場合に、本発明の吸収体を用いた衛生材料製品を柔軟であり、ごわつき感が抑制され、さらに、着用感に優れたものとすることができる。衛生材料製品の着用感をより良くするとの理由から、吸収体は薄いほうが好ましく、吸収体の厚さは2.5mm以下であることが好ましい。一方で、吸収体の吸収特性をより優れたものとするとの理由から、吸収体の厚さは1mm以上であることが好ましい。なお、ここで言う吸収体の厚みとはJIS L1913(1998) 6.1.2 A法に基づいて測定したものをいう。
本発明の吸収体は、吸水ポリマーを含む。本発明に用いられる吸水ポリマーとしては、例えば、デンプンや架橋カルボキシメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又はその共重合体、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリアクリル酸塩やポリアクリル酸塩グラフト重合体等が挙げられる。これらの中でも、吸水ポリマーは、ポリアクリル酸ナトリウムであることがこのましい。上記とは別の観点から、吸水ポリマーは、吸水ポリマー1g当たりの生理食塩水の吸収倍率が40〜80倍であって、かつ、吸水ポリマー1g当たりの生理食塩水の吸収速度が50秒以下であるものが、吸収特性がより優れたものとなるとの観点から好ましい。また、吸水ポリマーは、製造工程などにおける取り扱い性の観点から粒子状であることが好ましい。吸水ポリマーが粒子状である場合において、その数平均粒子径は、50μm以上800μm以下であることが好ましい。吸水ポリマーの数平均粒子径が50μm以上800μm以下であることで、吸水ポリマーが第1の不織布や第2の不織布を透過することを抑制することができる。ここで、吸水ポリマーの生理食塩水の吸収倍率はJIS K7223(1996)に規定されたティーパック法で測定されたものをいい、吸水ポリマーの生理食塩水の吸収速度はJIS K7224(1996)に規定されたVortex法で測定されたものをいう。また、吸水ポリマーの数平均粒子径は、10粒の吸水ポリマーについてSEM等で観察し、それぞれの粒について円形近似を行うことで得られた直径を10粒について平均することで算出する。本発明において、吸水ポリマーとしてポリアクリル酸ナトリウム系吸水ポリマーを用いる場合は、SDPグローバル社製『サンウェット IM−930』を採用することができる。
次に、本発明の吸収体に用いる第1の不織布および、第2の不織布を製造する方法について具体的に説明するが、本発明の吸収体で用いる第1の不織布および、第2の不織布の製造方法はこれらに限定されるものではない。
続いて、本発明の吸収体を製造する方法について具体的に説明するが、本発明の吸収体の製造方法は下記のものに限定されるものではない。第1の不織布と第2の不織布との間に吸水ポリマーを固定して吸収体を得る。吸水ポリマーを固定する方法としては、(1)第1の不織布の片面にホットメルト接着剤をスプレー状やスパイラル状に散布しその上から吸水ポリマーを散布した後に、同様に片面にホットメルト接着剤を散布した第2の不織布を、ホットメルト接着剤と吸水ポリマーが接するように上から被せて圧着させる方法や、(2)熱融着性の樹脂パウダーと吸水ポリマーを予め均一混合したものを第1の不織布の片面に散布した後に、第2の不織布を吸水ポリマーの上から被せて熱融着性パウダーの融点以上の温度に加熱して熱圧着させる方法が挙げられる。このとき用いるホットメルト接着剤としては、衛生材料製品用途に適したスチレン系ホットメルトやオレフィン系ホットメルト接着剤を好適なものとして用いることができる。また、熱融着性の樹脂パウダーとしては、比較的、低温で熱融着を可能とすることができるとの観点から、ポリエチレンパウダーやエチレン−酢酸ビニル共重合体パウダーを好適に用いることができる。
本発明の吸収体使用した、紙おむつやナプキン等の衛生材料製品の製造方法について説明する。本発明の吸収体を略長方形状に断裁した後に、断裁後の吸収体と同じく略長方形状であり、かつ、断裁後の吸収体よりも面積の大きい表面シートおよび裏面シートの間に吸収体を挟持して固定する。このとき、吸収体の第1の不織布が表面シートと接するように吸収体を表面シートと裏面シートとで挟持することが好ましい。第1の不織布は、第1の不織布の一方の面から他方の面に水系液体は透過し易くする特徴を有するため、表面シートが第1の不織布と接することにより、表面シート内部に浸透した水系液体は第1の不織布を迅速に透過し、吸水ポリマーに吸水され、保水されやすくなる。よって、吸収体の吸収特性はより優れたものとなる。表面シートと吸収体、裏面シートと吸収体、および表面シートと裏面シートが、直接接する部分を固定する方法は、ホットメルト接着剤を用いる方法や熱融着性の樹脂パウダーを用いる方法を挙げることができる。また、本発明の吸収体を衛生材料製品とする際に用いる表面シートとしては、通液性や触感がより優れたものとなるとの観点から、不織布を採用することが好ましく、例えば、湿式不織布やレジンボンド式乾式不織布、サーマルボンド式乾式不織布、スパンボンド式乾式不織布、ニードルパンチ式乾式不織布、ウォータージェットパンチ式乾式不織紙布またはフラッシュ紡糸式乾式不織布等のほか、目付や厚みが均一にできる抄紙法により製造された不織布も好ましく使用できる。中でも、人肌に触れる場所に位置するという観点から、触感に優れるサーマルボンド式乾式不織布を表面シートとして用いることが好ましい。また、本発明の吸収体を衛生材料製品とする際に用いる裏面シートとしては、衛生材料製品内部に蓄積した水蒸気を外部に逃がして着用者に快適性を与えることができるとの観点と、防水性や触感を優れたものとすることができるとの観点とから、透湿防水性フィルムと不織布との積層シートであることが好ましい。上記の透湿防水性フィルムとしては多孔質ポリエチレンフィルム、透湿性ウレタンフィルムや透湿性ポリエステルエラストマーフィルム等が挙げられる。また上記の不織布としては表面シートと同様の不織布を用いることができるが、コストと強度の観点からスパンボンド式乾式不織布が好ましい。
(1)不織布の目付
JIS L1913(1999) 6.2に基づき、不織布から25cm×25cmの試験片3枚を採取し、それぞれの標準状態における質量(g)を量り、次の式によって、1m2当たりの質量(g/m2)を求め、次式により目付の平均値を算出した。
Sm=W/A
Sm:目付(g/m2)
W:標準状態における試験片の質量(g)
A:試験片の面積(m2)。
江前らによる論文(文化財保存修復学会第26回大会研究発表要旨集, 44−45(2004))記載の方法を参考に繊維の配向角を求めた。評価手順としてはX線CTや走査型電子顕微鏡で得られた断面画像に対して2値化と2次元フーリエ変換処理を施しパワースペクトルを得る。得られたパワースペクトルから平均振幅幅の角度分布を求め、その楕円近似を行い、近似楕円の長軸/短軸比を配向度、長軸の角度−90°を配向角として求めた。具体的には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製 S−3400N)を用いて不織布の幅方向−厚み方向で形成される断面を1,000倍で観察した。なお断面画像は不織布1試料当たり5箇所について採取した。得られた画像をbmpファイル形式・1辺の画素数を4の倍数、画像の水平方向が幅方向となるように変換した後、5箇所の画像を非破壊による紙の表面繊維配向解析プログラム『FiberOri8single03』を用いて一括読み込みし、2値化、フーリエ変換およびパワースペクトルの平均振幅幅の角度分布の楕円近似の自動処理を行い、配向角・配向度を算出した。不織布の対象性を加味して、90°以上の配向角を示したものについては、180°からその値を引き90°以下の値に変換し配向角とした。
JIS L1907(2010)7.1.2に基づいて測定した。具体的には不織布から200mm×25mmの試験片を5枚採取し、水を入れた水槽の水面上に支えた水平棒上に試験片を固定した後、水平棒を降下させて試験片の下端の20mmが水に浸せきするように調整し、そのまま10分間放置する。放置後、毛細管現象によって水が上昇した高さをスケールで1mmまで測定し、試験片5点の平均値を求めた。
JIS L 1030−1(2006)「繊維製品の混用率試験方法−第1部:繊維識別」、およびJIS L 1030−2(2005)「繊維製品の混用率試験方法−第2部:繊維混用率」に基づいて、正量混用率(標準状態における各繊維の質量比)を測定し、これを不織布を構成する繊維の含有量(質量%)とした。
JIS L1015(1999) 8.7.1を参考に測定した。具体的には繊維一本を緩く伸ばした状態で繊維の両端をそれぞれ接着剤で紙に貼り付け、紙を貼り付けた部分をつかみ部とした試料を作成した。このときつかみ部分間の繊維のみの領域を20mm確保するようにした。この試料のつかみ部分を引張試験器(オリエンテック社製 テンシロン万能試験機 型式RTG−1210)のつかみに取り付け、つかみ間隔10mm、引張速度10mm/分の速度で引っ張り、得られた伸び(mm)−荷重(N)曲線における最大荷重を単糸強度(N)とした。測定は各試料10本について行いその平均値を算出した。
短繊維の組成が既知である場合は、繊消誌1991年32巻3号P.88−86において同一の組成について記載されている公定水分率値を、短繊維の公定水分率とした。短繊維の組成が不明である場合は、(4)不織布を構成する繊維の含有量に記載の方法で、短繊維の組成を特定し、同様に繊消誌1991年32巻3号P.88−86において同一の組成について記載されている公定水分率値を、短繊維の公定水分率とした。
ウルトラミクロトームを用いて短繊維サンプルを繊維軸と直行する方向から切り出することにより露出した繊維断面を、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製 S−3400N)を用いて倍率500倍〜1,500倍で観察した。得られた繊維断面画像において繊維内部に空間が確認できた場合は、大津の2値化処理を施すことにより繊維成分部分の面積(S1)と繊維内部の空間部分の面積(S2)を求め、次式により空孔率を算出した。
空孔率(%)=S1/(S1+S2)×100
(8)吸収体の厚み
JIS L1913(1998) 6.1.2 A法に基づいて測定した。具体的には不織布の試料から50mm×50mmの試験片を5枚採取し、厚さ測定器(TECLOCK社製定圧厚さ測定器、型式PG11J)を用いて標準状態で試験片に0.36kPaの圧力を10秒間かけて厚さを測定した。測定は各試験片(5枚)について行い、平均値を算出した。
JIS L1907(2010)7.1.2に規定された方法で測定された値を言う。
表面シート、吸収体、裏面シートを接着して一体化した衛生材料製品を試料とし、試料の表面シート側から尿を模倣した水系液体として用意した生理食塩水(9%の塩化ナトリウム水溶液)を20ml投与した。生理食塩水を投与して5分後に、表面シート上の生理食塩水を投与した位置に予め重量を測定したろ紙(アドバンテック社製定性濾紙No1 110φ)を置き、その上からステンレス製の110φの円柱形状の錘を置き5分間保持した。試験終了後、錘を除去して逆戻りにより吸水したろ紙の重量を測定した。試験後のろ紙重量(W1)と試験前のろ紙重量(W0)を用いて次式により逆戻り量を算出した。
逆戻り量(mg)=W1―W0
錘を除去してから30分経過後に、前回生理食塩水を投与した位置に再び20mlの生理食塩水を投与し、新たに準備したろ紙を用いて同様の錘保持時間・方法で逆戻り量を測定する操作を2回繰り返し、2回目の逆戻り量と3回目の逆戻り量を算出した。この3回目の逆戻り量を繰り返し使用時の逆戻り量とした。
表面シート、吸収体、裏面シートを接着して一体化した略長方形状の衛生材料製品を試料とし、試料を45°の傾斜角度を有した傾斜台に試料の長手方向が傾斜方向と一致するように固定した。このとき表面シート上の皺をなくすため試料を伸ばした状態で固定した。続いて表面シートの上端から1cm下方の位置で、0.90%生理食塩水(青色染料で着色)を、マイクロチューブポンプまたはビュレットから、1.5g/秒の速度で合計25gを滴下した。このとき生理食塩水が表面シート伝いに傾斜方向に流れ落ち、ある位置で表面シート内部に吸収されて表面シート上から消失する挙動が観測される。滴下位置を始点としてこの生理食塩水が消失するまでの距離を表面液流れ距離とし、25gの生理食塩水全量を滴下している間に観察された最大の表面液流れ距離を、傾斜状態での表面液流れ距離とした。
第1の不織布の第1の短繊維としてポリエチレンテレフタレート(公定水分率:0.4%)からなる中空短繊維(単繊維繊度:6.6T、繊維長:51mm、空孔率:30%)40質量%と第2の短繊維としてレーヨン(公定水分率:11%)からなる短繊維(単繊維繊度:1.4dtex、繊維長:51mm)60質量%とを、カードで混繊し、開繊した後、クロスラップウエーバーでウエッブとした。このウエッブを、圧力:3MPa、速度1.0m/minの条件で高圧水流により絡合させ、150℃で3分間乾燥することにより40g/m2の第1の不織布を得た。第1の不織布の片面にスチレン系ホットメルトを1g/m2となるようにスプレー状に塗布し、さらにその上から吸水ポリマー(SDPグローバル社製 IM930)を300g/m2となるように均一に散布した。続いて第1の不織布と同じ短繊維組成・製造方法で不織布を作成し、40g/m2の第2の不織布を得るとともに、第2の不織布の片面にスチレン系ホットメルトを1g/m2となるようにスプレー状に塗布した後、第2の不織布を、第2の不織布のホットメルト塗布面が第1の不織布上に散布した吸水ポリマーと接するように被せ、圧着することにより吸収体を得た。さらに吸収体を30cm×10cmの略長方形状にカットするとともに、表面シートとして芯部にポリエチレン、鞘部にポリプロピレンを有した芯鞘構造のポリエチレン/ポリプロピレン短繊維を用いて作成したサーマルボンド式乾式不織布を35cm×14cmの略長方形状にカットしたものと、裏面シートとして多孔質ポリエチレンフィルムとポリプロピレン製スパンボンド式乾式不織布を35cm×20cmの略長方形状にカットしたものを準備するとともに、吸収体の両面にスチレン系ホットメルトをそれぞれの面で1g/m2となるようにスプレー状に塗布した。続いて、表面シート/吸収体/裏面シートの順に各材料の長方形状の長手方向を揃えつつ重心が一致するように重ねて圧着し衛生材料製品とした。このとき、吸収体が備える第1の不織布が表面シート側に配置されるように、吸収体を第1の不織布および第2の不織布とで挟持した。第1および第2の不織布を構成する短繊維特性および、得られた第1および第2の不織布、吸収体、および衛生材料製品の組成および評価結果を表1に示す。
第1の不織布および第2の不織布についてそれぞれ、短繊維含有量、種類、不織布の目付けを表1および表2に記載の内容とした以外は、実施例1と同様の方法で、第1の不織布、第2の不織布、吸収体および衛生材料製品を得た。第1および第2の不織布、吸収体、および衛生材料製品の評価結果を表1および表2に示す。
実施例1、5,6と比較例1の比較により、第1の短繊維の単糸強度が、0.15N以上であることにより、配向角を20°以上とし表面液流れ距離を実用的な範囲の値にできることがわかる。
Claims (5)
- 第1の不織布および第2の不織布ならびに吸水ポリマーを備え、
前記吸水ポリマーは、前記第1の不織布および前記第2の不織布に挟持されており、
前記第1の不織布は、第1の短繊維を含み、
前記第1の短繊維の単糸強度は、0.15N以上であり、
前記第1の短繊維の含有量は、前記第1の不織布全体に対し10質量%以上であり、
前記第1の不織布の目付は、60g/m2以下であり、
前記第1の不織布の厚さ方向の配向角は、20°以上であり、
厚さが3mm以下である、吸収体。 - 前記第1の不織布が、第2の短繊維を含み、
前記第2の短繊維の公定水分率が、8%以上であり、
前記第2の短繊維の含有量が、前記第1の不織布全体に対し50質量%以上90質量%以下であり、
前記第1の短繊維の含有量が、前記第1の不織布全体に対し10質量%以上50質量%以下である、請求項1に記載の吸収体。 - 前記第1の短繊維は中空繊維であり、
前記第1の短繊維の空孔率が10%以上である、請求項1または2に記載の吸収体。 - 前記第2の不織布のバイレック法吸水試験における吸水高さが、前記第1の不織布のバイレック法吸水試験における吸水高さよりも大きい、請求項1から3のいずれかに記載の吸水体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の吸収体の製造方法であって、
前記第1の短繊維と第2の短繊維とをカードマシンに投入した後、前記第1の短繊維および前記第2の短繊維に対し混繊処理および開繊維処理を施し、クロスラップウエーバーでウエッブを成形する工程と、
前記ウエッブをウォータージェット式の不織布化装置に投入し、高圧水流により交絡させた後、乾燥させて第1の不織布を得る工程とを備え、
前記第1の短繊維のカードマシンへの投入量が、カードマシンに投入する前記第1の短繊維および前記第2の短繊維の合計投入量に対し10質量%以上50質量%以下であり、
前記第2の短繊維のカードマシンへの投入量が、カードマシンに投入する前記第1の短繊維および前記第2の短繊維の合計投入量に対し50質量%以上90質量%以下であり、
前記第1の短繊維の単糸強度は、0.15N以上であり、
前記第2の短繊維の公定水分率が、8%以上である、吸収体の製造方法。
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