JP2005191096A - ブレード着脱補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ナットを取り外したときにフランジが脱落することをも防止することが可能なブレード着脱補助装置を提供すること。
【解決手段】 スピンドル24と,ブレード22と,ブレード22を両側から挟持するフランジ210,220と,ブレード22をスピンドル24に装着して固定するためのナット40と,スピンドル24の回転を制限する回転制限部とを備えた切削装置のブレード着脱補助装置が提供される。このブレード着脱補助装置は,ナットの被係合部42と係合して,ナット40を回転させて支持するナット回転支持部62と;ナット40の回転時に,ナット側にあるフランジ220を把持するフランジ把持部72と;を備える。かかる構成により,ナット40を取り外した時に,ナット40のみならずフランジ220をも保持できるので,フランジ220の脱落を防止できる。
【選択図】 図10

Description

本発明は,被加工物を切削加工する切削装置のブレードを着脱するためのブレード着脱補助装置に関する。
ダイシング装置等の切削装置は,一般的に,半導体ウェハ等の被加工物を保持するチャックテーブルと,切削用のブレードが装着された切削ユニットとを備えており,高速回転させたブレードを被加工物に切り込ませながら双方を相対移動させることによって,被加工物を切削加工することができる。この切削ユニットは,高速回転可能なスピンドルの一端に,ブレードをフランジ等により挟持固定して装着する構成である。
ところで,このようなブレードは,その消耗または破損により,あるいは被加工物の種類や切削加工の内容等に応じて,適宜交換する必要がある。また,かかるブレード交換に伴ってフランジをも交換する場合もある。このようなブレード交換時には,例えばフランジと螺合するナットを締結/弛緩して,ブレードを着脱することが一般的であった(特許文献1参照)。
特開2001−179619号公報
ところが,上記のようにブレード交換のためにナットを締結/弛緩するとき,ナットの回転に伴ってスピンドルもが回転してしまうと,ナットを好適に締結/弛緩できないという問題があった。
かかる問題を解決するため,図11(a)に示すように,切削ユニット120に,スピンドル124をロック可能なロック機構150を設けることが考えられる。このロック機構150を利用することにより,ブレード交換時において,スピンドル124の回転をロックした上で,ナット回転用治具160を用いてナット140を締結/弛緩させることができる。
具体的には,図11(a)及び(b)に示すように,まず,ロック機構150の係止部材152を係合孔158に係合させることにより,スピンドル124を回転しないように固定する。次いで,ナット140に対して,その係合孔142に係合するような係合ピン162を備えたナット回転用治具160を取り付ける。さらに,かかるナット回転用治具160の六角孔164に挿入したレンチ110を,ナット140が螺脱する方向に回転させる。これにより,固定されたスピンドル124に対してナット140が相対的に回転するため,ナット140の締結が緩み,その結果,ナット140が螺脱される。その後,ナット140側にあるフランジ121を取り外してブレード122を交換した上で,上記と同様な手法で,ナット140を螺入して締結し,新たなブレード122をスピンドル124に固定する。
しかしながら,このようなナット回転用治具160では,その係合ピン162をナット140の係合孔142に挿入して係合させた状態を維持することが困難であった。このため,かかるナット回転用治具160によってナット140を回転させたときに,係合ピン162が係合孔142から逃げて空回りしてしまうので,ナットの140締結/弛緩作業が困難であるとともに,ナット140の表面を傷つけてしまうという問題がある。
また,上記ナット回転用治具160は,単に係合孔142に挿入された係合ピン162によってのみ,ナット140を支持する構成である。このため,ブレード交換時において,取り外した或いは取り付けようとするナット140が,ナット回転用治具160から容易に外れて,落下してしまうという問題もある。従って,ブレード交換作業におけるナット140の取り扱いが不便であり,ナット140を紛失してしまう可能性がある。
かかる問題を解決するため,図12に示すような,ブレード着脱補助装置112が考えられる。このブレード着脱補助装置112は,ロック機構150によりスピンドル124の回転が制限された状態で,係止ピン162をナット140の係合孔142に係合させてナット140を回転させるナット回転部161と,ナット140の回転時等にナット140の外周部を把持する複数の係止爪172を有するナット把持部170と,を具備している。かかる構成のブレード着脱補助装置112は,ナット把持部170によってナット140の外周部を把持することにより,係合ピン162をナット140の係合孔142に挿入して係合させた状態を維持することができる。このため,ナット140の回転時に,係止ピン162が係合孔142から逃げて空回りしたり,取り外したナット140が脱落したりすることがない。
しかしながら,このようなブレード着脱補助装置112では,ブレード122を挟持する2つのフランジ121のうちナット140側にあるフランジ121aは,ナット140が取り外されると同時に落下してしまうという問題があった。つまり,上記ブレード着脱補助装置112では,取り外したナット140は保持できるものの,フランジ121aまでは保持できないため,フランジ121aの脱落を防止することができなかった。
かかる問題を解決するために,フランジ121aとナット140とを一体化する手法も考えられる。しかし,この手法では,ブレード122を固定するためにフランジ121aを回転させることになり,ブレード122表面を傷つけてしまうだけでなく,フランジ121a全体を締め付けることになるため,その効率が悪くなるという問題がある。従って。このようなフランジ121aとナット140を一体化するという解決手法は好ましくない。
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,ブレードを固定するためのナットを好適に締結/弛緩できるとともに,ナットを取り外したときにフランジが脱落することを防止することも可能な,新規かつ改良されたブレード着脱補助装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,高速回転可能なスピンドルと,被加工物を切削するブレードと,ブレードを両側から挟持する2つのフランジと,2つのフランジによって挟持されたブレードをスピンドルに装着して固定するためのナットと,スピンドルの回転を制限する回転制限部とを備えた切削装置,のブレード着脱補助装置が提供される。このブレード着脱補助装置は,回転制限部によりスピンドルの回転が制限された状態で,ナットの表面部に形成された被係合部と係合して,ナットを回転させて支持するナット回転支持部と;少なくともナット回転支持部によるナットの回転時に,2つのフランジのうちナット側にあるフランジを把持するフランジ把持部と;を備えることを特徴とする。
かかる構成により,ブレード交換のためにブレードをスピンドルに着脱する際には,回転制限部を動作させて,スピンドルが回転しないように固定できる。このようにスピンドルが固定された状態で,ブレード着脱補助装置は,フランジ把持部によってナット側にあるフランジを把持しながら,ナット回転支持部によってナットを締結/弛緩させる方向に回転させることができる。このため,ナットをスピンドルから取り外した後には,取り外したナットのみならず,ナット側にあるフランジをも保持できるので,当該フランジの脱落を防止することができる。また,ナットの回転時に,当該フランジとナット回転支持部との間にナットを挟持して,ナット回転支持部とナットとの係合を維持して,空回りを防止できる。
また,上記ナットの表面部に形成された被係合部は,係合孔であり;上記ナット回転支持部は,係合孔と係合する方向の前後に移動可能に配設され係合孔と係合する係合ピンと,係合孔と係合する方向に係合ピンを押圧する第1弾性部材とを備え;上記係合ピンは,通常時にはナット回転支持部の表面から突出しているが,ナット側から押圧された時にはナット回転支持部の内部に埋没するように構成してもよい。かかる構成により,ナットの係合孔と係合する係合ピンを,ナット回転支持部のナットとの接合面から出没可能に配設できる。よって,ナット回転支持部の接合面とナットの表面部とを軸方向が一致するように密着させた後に,ナット回転支持部をいずれかの方向に回転させることによって,係合ピンを係合孔に自動的に挿入させることができる。このため,ブレード着脱補助装置を取り付ける際に,係合ピンと係合孔を位置合わせする必要がなく,作業効率が向上する。
また,上記フランジ把持部は,ナット側にあるフランジを把持する複数の係止爪を備えるように構成してもよい。かかる構成により,フランジ把持部は,複数の係止爪によってナット側にあるフランジを安定的かつ好適に把持できる。また,係止爪は可動であるので,当該フランジに容易に取り付け/取り外すことができる。なお,この複数の係止爪は,例えば,フランジ把持部の外周に沿って略等間隔で配設されてもよい。
また,上記フランジ把持部は,係止爪を開放方向に押圧する第2弾性部材を備えるように構成してもよい。かかる構成により,係止爪は,第2弾性部材に押圧されて,フランジ把持部の外側に開くことができる。このため,開いた状態の係止爪をナット側にあるフランジに対して容易に取り付け/取り外しすることができる。さらに,ナット取り外し後に,フランジ把持部によって保持されているフランジを,係止爪から簡単に取り外すことができる。
また,上記ナット側にあるフランジは,係止爪と係合する被係合部が形成されており,上記複数の係止爪は,ナット側にあるフランジの被係合部を把持するように構成してもよい。かかる構成により,係止爪はナット側にあるフランジをより安定的に把持できる。
また,上記ナットは,ナット側にあるフランジに形成された凹部に配設されるように構成してもよい。かかる構成により,取り外したナットを,ナット回転支持部によってナット表面側から支持できるだけでなく,当該フランジの凹部によってナット外周側及び背面側からも支持することができる。よって,ブレード着脱補助装置は,取り外したナットを安定的に保持できる。
また,上記フランジ把持部は,ナット側にあるフランジに対して取り付け/取り外し可能な取付位置と,ナット側にあるフランジを把持して,ナット側にあるフランジとナット回転支持部との間にナットを保持する固定位置と,の間で移動可能であるように構成してもよい。かかる構成により,フランジ把持部を取付位置に位置づけることにより,ブレード着脱補助装置をナットおよびフランジに取り付け/取り外すことができる。一方,フランジ把持部を固定位置に位置づけることにより,ナット回転支持部とナットとの係合を維持しながら,フランジ把持部による当該フランジの保持状態を維持することができる。このため,かかる固定位置では,ブレード着脱補助装置がナット及びフランジから外れないので,ナットを好適に回転させることができる。
また,上記フランジ把持部の取付位置および固定位置を位置決めする位置決め手段を備えるように構成してもよい。かかる構成により,フランジ把持部を取付位置または固定位置に好適に位置づけることができる。
以上説明したように本発明によれば,ナットを取り外した後に,ナットのみならずナット側にあるフランジをも保持できるので,当該フランジが脱落することを防止できる。
さらに,ナットを締結/弛緩する際に,ナット側にあるフランジを把持することにより,ナット回転支持部とナットとの係合を確実に維持できる。このため,ナット回転支持部とナットとが空回りしないので,当該締結/弛緩作業を容易かつ迅速に行うことができ,ナットを傷つけたり落下させたりすることもない。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施の形態)
以下に,本発明の第1の実施形態について説明する。以下では,まず,本実施形態にかかる切削装置およびこの切削装置に設けられたロック装置の概要について説明した上で,本実施形態にかかる特徴であるブレード着脱補助装置について詳細に説明する。
まず,図1に基づいて,本実施形態にかかる切削装置の一例として構成されたダイシング装置10の全体構成について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかるダイシング装置10を示す全体斜視図である。
図1に示すように,ダイシング装置10は,半導体ウェハなどの被加工物12を切削加工する切削ユニット20と,被加工物12を保持するチャックテーブル30とを主に備える。切削ユニット20は,切削用のブレード(詳細は後述する。)を備えており,かかるブレードを高速回転させながら被加工物12に切り込ませることで,被加工物12を切削加工することができる。また,チャックテーブル30は,例えば,ウェハテープ13によりフレーム14に支持された状態の被加工物12を,真空吸着して保持することができる。かかる構成のダイシング装置10は,高速回転するブレードを被加工物12に切り込ませながら,切削ユニット20とチャックテーブル30とを相対移動させることにより,被加工物12をダイシング加工することができる。
次に,図2に基づいて,本実施形態にかかる切削ユニット20の全体構成について説明する。なお,図2は,本実施形態にかかる切削ユニット20を示す斜視図である。
図2に示すように,切削ユニット20は,例えば,フランジ21と,ブレード22と,スピンドル24と,スピンドルハウジング26と,切削水供給ノズル28と,ホイルカバー29と,ナット40と,ロック機構50と,を主に備える。
ブレード22は,例えば,リング形状を有する極薄の切削砥石(所謂,ワッシャーブレード)である。かかるブレード22は,例えば,フランジ21により両側より挟持された状態で,スピンドル24に軸着される。また,スピンドル24は,例えば,モータ(図示せず。)などの回転駆動力をブレード22に伝達するための回転軸であり,装着されたブレード22を例えば30000rpmで高速回転させることができる。また,スピンドルハウジング26は,このスピンドル24を覆うようにして設けられ,内部に備えたベアリング機構などにより当該スピンドル24を高速回転可能に支持することができる。また,切削水供給ノズル28は,例えばブレード22の側方に着脱可能に設けられ,加工点付近に切削水を供給して冷却することができる。また,ホイルカバー29は,ブレード22の外周を覆うにして設けられ,切削水や切り屑などの飛散を防止することができる。
また,ナット40は,例えば,フランジ21に締結されるフランジナットであり,ブレード22をスピンドル24に固定する機能を有する。このナット40の表面部には,例えば4つの係合孔42が,例えば略等間隔で形成されている。この係合孔42は,本実施形態にかかる「ナットの表面部に形成された被係合部」として構成されており,後述するブレード着脱補助装置の係合ピンと係合することができる。なお,ナットの表面部とは,ナット40をフランジ21に取り付けたときに外側(ブレード22と反対側)に現れる例えば略平坦部である。
かかる構成の切削ユニット20は,スピンドル24の回転駆動力によりブレード22を高速回転させ,かかるブレード22を被加工物12に切り込ませながら相対移動させることができる。これにより,例えば,被加工物12の加工面を切削加工して,ストリートに沿って極薄の切溝(カーフ)を形成することができる。
また,このような切削ユニット20においては,図2に示すように,例えば,スピンドルハウジング26の一側面にロック機構50が設けられている。かかるロック機構50は,本実施形態にかかる回転制限部として構成されており,スピンドル24をロックして,その回転を制限することができる。このロック機構50の詳細については後述する。
次に,図3に基づいて,本実施形態にかかる切削ユニット20においてブレード22をスピンドル24に装着する態様について説明する。なお,図3は,本実施形態にかかる切削ユニット20を示す分解組立斜視図である。
図3に示すように,スピンドル24は,例えば,先端部24bが略テーパ形状を有しており,かかる先端部24bにフランジ21等が軸設される。また,スピンドル24の先端部24bの内部には,ボルト27と螺合する雌ねじ部24aが形成されている。
また,フランジ21は,例えば,第1フランジ210および第2フランジ220から構成される。この第1フランジ210および第2フランジ220を組み合わせることによって,ブレード22を両側より挟持することができる。
第1フランジ210は,ブレード22を挟んでナット40とは反対側(切削ユニット20の本体側)に配設されるフランジであり,スピンドル24に直接軸着される。この第1フランジ210には,ナット40と螺合するフランジ雄ねじ部212が突出形成されている。また,この第1フランジ210には,スピンドル24の先端部24bが途中まで挿通される略テーパ状の中心孔214が形成されている。
また,第2フランジ220は,ブレード22のナット40側(スピンドル24の先端側)に配設されるフランジであり,上記第1フランジ210と嵌合する形状を有する。この第2フランジ220の中心には,上記第1フランジ210のフランジ雄ねじ部212が挿通される略円筒状の中心孔226が貫通形成されている。また,この第2フランジ220は,後述するフランジ把持部の係止爪と係合する被係合部222と,ナット40が嵌め込まれる凹部224とが形成されているが,詳細については後述する。
なお,フランジ21を構成するフランジアセンブリとしては,多様な形態が考えられ,図3に示すような第1フランジ210と第2フランジ220の形態に限定されるものではない。
以下に,かかるフランジ21を用いて,ブレード22をスピンドル24に装着する手順例について説明する。
まず,ブレード22を第1フランジ210に嵌め,次いで,第2フランジ220を第1フランジ210に嵌合させて,双方の間にブレード22を挟み込む。さらに,ナット40を第1フランジ210のフランジ雄ねじ部212に螺合させて締め付けることにより,ブレード22は第1フランジ210と第2フランジ220によって挟持・固定される。
次いで,フランジ21によってブレード22を挟持した状態で,第1フランジ210の中心孔214にスピンドル24の先端部24bを挿通する。その後,例えば,ボルト27をスピンドル24の雌ねじ部24aに螺合させて締め付ける。このボルト27の締め付け作業は,例えば,ボルト27の頭に形成された六角穴27aにL型レンチ(図示せず。)などを挿入し,このレンチをボルト27が螺入する方向に回転させることによって行われる。
このようなボルト27の締結により,略テーパ形状の先端部24bが第1フランジ210の中心孔214内に十分に押入されて,双方が密接するので,フランジ21がスピンドル24に安定的に固定される。以上のようにして,フランジ21に挟持されたブレード22が,スピンドル24に軸着される。
なお,上記のように,図3の例の切削ユニット20は,スピンドル24に形成された雌ネジ部24aに螺合するボルト27を用いて,ブレード22を挟持するフランジ21をスピンドル24に固定するボルトタイプの切削ユニットである。しかし,切削ユニット20は,かかる例に限定されず,例えば,スピンドル24に形成された雄ネジ部(図示せず。)に螺合するナット(図示せず。)を用いて,ブレード22を挟持するフランジ21をスピンドル24に固定するナットタイプの切削ユニットであってもよい。
上記のようにしてスピンドル24に装着されたブレード22を交換するときには,例えば,上記ナット40を弛緩して第1フランジ210から螺脱させ,第2フランジ220を取り外した上で,ブレード22を交換し,その後,第2フランジ220を再度取り付けてナット40を締結する必要がある。しかし,このブレード交換時に,スピンドル24が自由に回転したのでは,ナット40を好適に締結/弛緩できない。従って,スピンドル24を固定して回転不能とする必要がある。そこで,本実施形態では,例えば,切削ユニット20に,スピンドル24を必要に応じてロックする上記ロック装置50が設けられている。このロック装置50により,ブレード交換時におけるナット40の締結/弛緩作業を,迅速かつ容易に行うことができる。
ここで,図4に基づいて,本実施形態にかかるロック装置50の構成およびスピンドルハウジング26の内部構成について説明する。なお,図4は,本実施形態にかかるロック装置50の構成およびスピンドルハウジング26の内部構成を示す部分切り欠き側面図である。この図4では,説明の便宜上,スピンドルハウジング26およびシリンダ部54の一部を,スピンドル24の中心軸を含む水平面で切断した断面で表してある。
図4に示すように,スピンドルハウジング26は,その内周面に,例えば2つのラジアルエアベアリング262a,262bと,例えば1つのスラストエアベアリング262c(以下では,これらをベアリング262と総称する場合もある。)を備える。かかるベアリング262は,例えば,エアを噴出することによって,非接触の状態でスピンドル24をラジアル方向及びスラスト方向に支持することができる。このため,スピンドルハウジング26は,回転するスピンドル24を安定して支持することができる。
また,スピンドル24は,例えば,モータを構成するロータ242に連結されており,ロータ242の回転に伴って高速回転することができる。また,このスピンドル24の外周面には,例えば,スラスト方向の中央付近に,例えば3つの係合孔58(1つはスピンドルの裏側にあるため図示されていない。)が,例えば円周方向に等間隔で設けられている。この係合孔58は,例えば略円形状の凹部であり,後述するロック装置50の係止部材52と係合可能な形状に成形されている。また,かかる係合孔58のスラスト方向の位置は,当該係止部材52に対応した位置となるように調整されている。
また,ロック装置50は,例えば,スピンドルハウジング26の中央部付近の一側などに設置されている。このロック装置50は,例えば,係止部材52と,シリンダ部54と,ロック用バネ56と,を備える。
係止部材52は,例えば,金属材料などで形成された棒状部材であり,例えば係止ピンなどで構成できる。この係止部材52は,例えば,比較的大径で短い頭部52aと,比較的小径で長い胴部52bとからなる。この頭部52aの径は,例えば,シリンダ部54の内径と略同一となるように調整されているので,頭部52aの外周面がシリンダ部54内周面と密接する。このため,頭部52aは,その一側と他側との間を気密状態に保ちながら,シリンダ部54内をスピンドル24に近づく或いは遠ざかる方向に円滑に往復移動できる。これにより,係止部材52は,シリンダ部54内でピストンとして機能できる。
かかる構成の係止部材52は,胴部52bの先端が上記スピンドル24の係合孔58と係合するとともに,頭部52aがシリンダ部54によって支持されることにより,スピンドル24を係止することができる。
シリンダ部52は,例えば,各種の金属類などで形成されたシリンダユニットであり,略円柱形状の内部空間に収容した上記係止部材52をピストンとして機能せしめるシリンダとして構成されている。また,シリンダ部54の内部空間に突出形成された突起部54bは,係止部材52の頭部52aと当接して,係止部材52がスピンドル24から離れる方向に過度に移動することを制限できる。
また,このシリンダ部52には,例えば,その一端にエア供給用ノズル59が装着されるとともに,このエア供給用ノズル59と係止部材52を収容している内部空間とを連通する連通孔54aが内部に形成されている。かかる構成により,シリンダ部54は,例えば,外部に設けられたエア供給用ポンプ(図示せず。)などから供給されたエアを,エア供給用ノズル59および連通孔54aを介して,係止部材52の頭部52a側の内部空間に供給することができる。かかるエアの供給により,当該頭部52a側の内部空間内の気圧を高めて,係止部材52を頭部52a側から加圧することができる。即ち,例えば高圧のエアが加圧媒体として機能して,係止部材52を頭部52a側から押圧することができる。これにより,係止部材52は,シリンダ部54の内周面に沿ってスピンドル24方向に押し出されるので,係合孔58と係合することができる。なお,かかるエアによる係止部材52に対する押圧力(加圧されたエアが係止部材52を押圧する力)が,例えば,後述するロック用バネ56の弾性力よりも大きくなるように,エアの供給量が調整されている。これにより,当該エアによる押圧力が当該弾性力に打ち勝って,係止部材52を係合孔58に押入させることができる。
このように,本実施形態では,かかるシリンダ部52,エア供給用ノズル59およびエア供給用ポンプなどは,加圧媒体(エア)を用いて係止部材52を押圧して,係合孔58に挿入する押圧手段として構成されている。
ロック用バネ56は,例えば,スプリングなどであり,本実施形態にかかる弾性部材として構成されている。このロック用バネ56の径は,係止部材52の胴部52bの外径より大きく,シリンダ部54の内径より小さくなるように調整されている。かかるロック用バネ56は,例えば,その内部に係止部材52の胴部52bが挿入された状態で,シリンダ部54の内部空間に設置される。これにより,ロック用バネ56は,係止部材52の頭部52aとシリンダ部54の張出部54cとの間に挟まれて収縮した状態となるので,双方を引き離す方向の弾性力を継続的に作用させることができる。
かかるロック用バネ56は,上記のようにエア圧力により係止部材52がスピンドル24方向に移動してきた場合には,係止部材52の頭部52aとシリンダ部54の張出部54cとの間に挟まれて,さらに収縮する。このように収縮したロック用バネ56は,係止部材52に対して,スピンドル56から離隔する方向にさらに大きい弾性力を作用させる。このため,例えば,上記エアの供給が停止した場合には,ロック用バネ56は,当該弾性力により,係止部材52をスピンドル24から離隔する方向に移動させて,係合孔58から抜脱させることができる。
以上のような構成のロック装置50は,例えば,供給されたエアの圧力を利用して,係止部材52をスピンドル24の係合孔58に挿入することにより,スピンドル24が回転しないようにロックすることができる。また,エアの供給が停止された場合には,ロック用バネ56の弾性力によって,係止部材52が係合孔58から抜脱するので,スピンドル24のロックを解除することができる。即ち,ロック装置50は,エアの供給をON/OFFするだけで,係止部材52を係合孔58に対して挿抜して,スピンドル24のロック/ロック解除を自動的に行うことができる。
次に,図5および図6に基づいて,本実施形態にかかる特徴であるブレード着脱補助装置100について説明する。なお,図5は,本実施形態にかかるブレード着脱補助装置100の全体構成を示す分解組立斜視図である。また,図6は,本実施形態にかかるブレード着脱補助装置100の全体構成を示す分解組立断面図である。
ブレード着脱補助装置100は,例えば,ブレード22をスピンドル24から着脱するための工具であり,例えば,上記切削ユニット20のナット40および第2フランジ220に取り付けられ,第2フランジ220を回転させることなくナット40を回転させる機能を有する。かかるブレード着脱補助装置100は,図5および図6に示すように,例えば,ナット及びフランジ保持部60(以下では,「保持部60」という。)と,この保持部60を収容する本体部80と,から構成されている。
保持部60は,図5に示すように,例えば,アルミニウム等の比較的軽い金属などで形成され全体として略円筒形状を有する保持部本体61と,この保持部本体61に取り付けられた係合ピン62および係止爪72と,保持部本体61の外周面に周方向に形成された例えば3つの溝71,74,76などから構成される。
この保持部60は,本実施形態にかかるナット回転支持部およびフランジ把持部を一体形成した部材として構成されている。このナット回転支持部は,例えば,ナット40の係合孔42に対して係合ピン62を係合して,ナット40を支持しながら回転させる部材であり,一方,フランジ把持部は,例えば,第2フランジ220の被係合部22を把持する部材である。このようなナット回転支持部とフランジ把持部とを一体形成して1つの保持部60として構成することにより,ナット回転支持部およびフランジ把持部の部品としての強度を向上できるとももに,ブレード着脱補助装置100の部品数を低減して生産性の向上を図ることができる。
まず,かかる保持部60のナット回転支持部としての機能構成について説明する。保持部本体61の上部側の表面(ナット40との接合面)には,複数(例えば4つ)の係合ピン62が周方向に等間隔で設けられている。この係合ピン62は,例えば,金属またはプラスチック等の樹脂などで形成されており,上記ナット40の表面部に形成された係合孔42に対応する位置に,周方向に等間隔で配置される。このため,保持部60とナット40とを接合させたときには,各係合ピン62は,ナット40の各係合孔42に挿入されて係合することができる。従って,係合ピン62と係合孔42を係合させた状態で,保持部60を回転させることにより,ナット40を回転させて,第1フランジ210に対して締結/弛緩することができる。
また,この係合ピン62は,保持部60の接合面から出没自在となるように配設されている。具体的には,係合ピン62は,通常時(保持部60とナット40とが接合していない時)には,保持部60の接合面から突出しているが,ナット40側から押圧された時には,保持部60の内部に埋没する構成である。
かかる係合ピン62が出没自在である構成について,より具体的に説明する。図6に示すように,係合ピン62は,例えば,係合ピン62の先端に位置しナット40の係合孔42と略同一径の先端部621と,先端部621より大径の胴体部622と,胴体部621よりさらに大径の底部623とからなる。
かかる係合ピン62は,保持部60に貫通形成された係合ピン挿入孔77内に,係合孔42と接合する方向(軸方向)の前後に移動可能に配設される。この係合ピン挿入孔77は,例えば,保持部60内部の接合面側に形成され上記胴体部622と略同一径で略同一長さの上部孔771と,上記底部622と略同一径の中部孔772と,埋めネジ64と螺合する雌ねじ孔773とからなる。
また,係合ピン62の底部623と埋めネジ64との間には,本実施形態にかかる第1弾性部材である第1バネ63が配設される。この第1バネ63は,例えば,その自然長が中部孔772より長いため,中部孔772内に圧縮された状態で配設される。これにより,第1バネ63は,係合ピン62を係合孔42と係合する方向に弾性的に押圧する。
かかる構成により,通常時には,第1バネ63の弾性力によって,係合ピン62が係合ピン挿入口77内においてナット40と接合する方向に配置され,係合ピン62の先端部621が保持部60の接合面から突出した状態で維持される。このとき,係合ピン62の底部623が上部孔771と中部孔772との間の段差によって係止されるため,係合ピン62全体が係合ピン挿入孔77から抜け出すことはない。
一方,係合ピン62の先端部621がナット40側から他部材(例えばナット40表面部の平坦部)によって押圧されたときには,係合ピン62の先端部621は係合ピン挿入口77内に埋没する。しかし,かかる押圧が解除されたときには,係合ピン62の先端部621は,第1バネ63の弾性力によって再び保持部60の接合面から突出する。
従って,ブレード着脱補助装置100の保持部60の接合面と,ナット40の表面部とを軸方向が一致するように接合させた後に,保持部60をどちらかに回転させることによって,接合ピン62をナット40の接合孔42に自動的に挿入させることができる。
また,保持部60の底部側中央部に設けられた凹部79には,例えば,レンチ用係合孔66が形成された硬質部材65が,嵌合されて固設される。レンチ用係合孔66は,例えば,ブレード着脱補助装置100を回転させるためのL型レンチ等と係合する孔であり,レンチの挿入部分に応じた形状(例えば六角孔)を有する。上述したように,保持部本体61は,強度と重さとのバランスを図るためアルミニウム等の軽金属などで構成されているが,レンチ用係合孔66の周辺部分は,最も強度が要求される部分である。このため,硬質部材65は,ステンレス等の硬質な金属で形成されており,これにより,レンチ用係合孔66の周辺部がレンチ等の回転力によって変形,破損しないようにできる。
このような構成の保持部60は,上記ナット回転支持部として機能する。即ち,保持部60は,係合ピン62をナット40の係合孔42に挿入して係合させた状態で周方向に回転することにより,ナット40を回転させることができる。この保持部60の回転は,例えば,上記レンチ用係合孔66に挿入されたレンチ等によってなされてもよく,或いは,本体部80を把持した作業者がブレード着脱補助装置100全体を回転させることによってなされてもよい。
次に,保持部60のフランジ把持部としての機能構成について説明する。保持部本体61の外周面上部側には,例えば,複数(例えば6つ)の係止爪72が円周方向に沿って等間隔で配設されている。かかる係止爪72の先端部は,保持部本体61の接合面から所定長だけ突出している。かかる係止爪72の先端部内側には,例えば,略半円状の切り欠きである係止用凹部722が形成されており,この係止用凹部722は,後述する第2フランジ220の被係合部222と係合する形状を有する。かかる構成の係止爪72は,第2フランジ220を好適に把持することができる。
また,係止爪72の下部側は,保持部本体61の外周面上部に形成された係止爪設置用切り欠き75内に収容されるようにして配設されている。このため,保持部本体61に係止爪72が取り付けられても,保持部本体61の外周面は全体として円滑な曲面を維持できるので,保持部60を略円筒状の本体部80内に好適に配設できる。
この係止爪72の材質は,例えば,金属であってもよいし,或いはプラスチック等の樹脂などであってもよいが,コスト的にはプラスチック等の樹脂が好ましい。また,係止爪72の設置数は,図5に示すような6つの例に限定されず,第2フランジ220の大きさに応じて任意に定めることができる。
ここで,本実施形態にかかる第2フランジ220について説明する。第2フランジ220には,第2フランジ220のナット40側の側面には,上記係止爪72によって把持される被係合部222が形成されている。この第2フランジ220の被係合部222は,図6に示すように,例えば,第2フランジ220の外周方向に略半円状に突出した環状の突起部であり,上記係止爪72の係止用凹部722と係合するように成形されている。従って,保持部60は,複数の係止爪72によって被係合部222の各位置を係止することによって,第2フランジ220を好適に把持することができる。
また,第2フランジ220のナット20側の側面には,図6に示すように,上記被係合部222の内側に,略円柱状に陥没した凹部224が形成されている。この凹部224の径は,ナット40の外径より若干大きく,その深さはナット40の厚さと略同一或いは小さくなるように調整されている。かかる凹部224には,第1フランジ210に締結されるナット40が嵌め込まれるようにして配設される。このように,第2フランジ220の凹部224内にナット40を配設することにより,第2フランジ220によってナット40の外周部及び背面部を支持できる。このため,ナット40を取り外した時に,係合ピン62のみならず第2フランジ220によってもナット40を支持できるので,ナット40が脱落することをより確実に防止できる。
次に,上記係止爪72の開閉機構について説明する。具体的には,係止爪72の下端部には回動軸726が設けられており,この回動軸726は,保持部本体61の外周に周方向に沿って形成された係止爪設置用溝71に嵌合するようにして固設される。これにより,係止爪72は,下端部の回動軸726を中心として,先端部を保持部60外側に開くように回動可能である。さらに,保持部本体61の係止爪設置用切り欠き75内に形成されたバネ設置孔752と,係止爪72の中央部内側に形成されたバネ設置孔724との間には,本実施形態にかかる第2弾性部材である第2バネ73が配設される。この第2バネ73は,係止爪72の先端部を保持部60外側に開く方向(開放方向)に,弾性的に押圧する。
かかる構成により,第2バネ73の弾性力によって,係止爪72を回動軸726を中心に回動させて,外側に開かせることができる。また,後述するように,本体部80の内周面によって係止爪72を内側に閉じるように押圧して,係止爪設置用切り欠き75内に収容することもできる。このような係止爪72の開閉機構により,第2フランジ220の被係合部222に対して,係止爪72を容易に取り付け/取り外しできる。また,スピンドル24から取り外され保持部60によって保持されているナット40および第2フランジ220を,係止爪72から容易に取り外すことができる。
次に,本体部80について説明する。本体部80は,例えば,その内部に上記保持部60を収容するための治具であり,例えばプラスチック等の樹脂などで形成されている。この本体部80は,例えば,全体としては略円筒形状を有しているが,下部側が厚い形状となっている。また,本体部80の内径は,上記保持部60の外径と略同一である。かかる本体部80は,その内部に上記保持部60を収容して支持することができる。
かかる本体部80と保持部60とは,図6に示すように,例えば回転防止ピン86によって連結される。具体的には,例えば,本体部60の側面には,回転防止ピン86と嵌合する回転防止ピン用貫通孔88が設けられている。一方,保持部60の側面には,上記貫通孔88に対応する位置に回転防止ピン用係合孔78が設けられている。この回転防止ピン用係合孔78は,保持部60の軸方向に延びる細長い孔であり,回転防止ピン86のピン先の直径と略同一の幅を有する。かかる保持部60を本体部80内に配置した状態で,本体部60の外側から回転防止ピン86を回転防止ピン用貫通孔88に挿入して,そのピン先を回転防止ピン用係合孔78に挿入することによって,本体部80と保持部60とが連結される。
かかる連結態様により,周方向には,回転防止ピン86によって係止されているため,保持部60は本体部80に対して回転不能である。このため,作業員が,本体部80の外周面を握って回転させることにより,本体部80とともに保持部60を回転させることができる。
これに対し,軸方向には,保持部60は,回転防止ピン用係合孔78の長さに応じた距離だけ本体部80に対して移動可能である。このように軸方向に移動したときの保持部60と本体部80との相対位置は,次に説明するような位置決め手段によって位置決めされる。
次に,図7に基づいて,本実施形態にかかるブレード着脱補助装置100の位置決め手段について説明する。なお,図7は,本実施形態にかかるブレード着脱補助装置100の保持部60,本体部80および位置決め手段を示す説明図である。なお,図7では,説明の便宜上,保持部60を側面図(一部は断面図)とし,本体部80を断面図として示してある。
図7に示すように,本実施形態にかかる位置決め手段は,例えば,本体部80に設けられた例えば1組のボール部材82および位置決め用バネ84と,保持部60の外周面の中央部と下部にそれぞれ形成された第1の溝74および第2の溝76と,から構成される。
ボール部材82および位置決め用バネ84は,例えば,円筒形状を有する本体部80の側面に穿孔されたシリンダ81内に配置される。ボール部材82は,第1の溝74または第2の溝76と嵌合可能な形状を有しており,位置決め用バネ84の弾性力によって保持部60の外周面に押圧されている。このため,保持部60を軸方向に移動させて,第1の溝74または第2の溝76がボール部材82に対応する位置にきたときには,ボール部材82は当該溝74,76と嵌合することができる。このようにボール部材82と溝74,76とが嵌合したときには,ある程度大きな外力が加わらなければ,保持部60が本体部80に対して軸方向に移動しないように固定できる。
かかる構成の位置決め手段は,例えば,本体部80に対する保持部60(フランジ把持部)の相対位置として,例えば,取付位置と,固定位置という2つの位置を位置決めすることができる。
取付位置は,図7(a)に示すように,例えば,ボール部材82と第2の溝76とが嵌合するときの保持部60の位置である。この取付位置では,保持部60は,フランジ把持部としての保持部60を第2フランジ220に対して取り付け/取り外し可能である。
即ち,保持部60が取付位置にあるときには,保持部60が本体部80に対して軸方向上側(ナット40と接合する方向)に位置しているため,係止爪72の大部分が本体部80から脱した状態となる。このため,上記係止爪72の開閉機構が動作し,係止爪72は,第2バネ73の弾性力によって回転軸726を中心に保持部60外側(拡径方向)に開くことができる。このとき,本体部80の内周面の上部(ナット側)に傾斜面85(例えば傾斜角が15°)を形成しておくことにより,係止爪72は,その下部側の背面がこの傾斜面85に当接する位置まで,十分に開くことができる。
従って,かかる取付位置では,開いた状態の係止爪72を第2フランジ220の被係合部222に取り付けることが可能である。また,保持部60を固定位置から取付位置に移動させた場合には,係止爪72は,上記のように開くため,第2フランジ220の被係合部222の把持を解除して開放することができる(開放動作)。このため,保持部60の係止爪72を第2フランジ220の被係合部222から取り外すことができる。このように,保持部60が取付位置にあるときには,保持部60の係止爪72を第2フランジ220に取り付け/取り外すことが可能であり,これと同時に,ナット回転支持部の係合ピン62をナット40の係合孔42に取り付け/取り外すことも可能となる。
一方,固定位置は,図7(b)に示すように,例えば,ボール部材82と第1の溝74とが嵌合するときの保持部60の位置である。この固定位置では,保持部60は,第2フランジ220を把持して,保持部本体60上面と第2フランジ220との間にナット40を保持した状態を維持することができる。
即ち,保持部60が固定位置にあるときには,保持部60が本体部80に対して軸方向下側に位置しているため,保持部60の係止爪72の大部分が本体部80内に収容された状態となる。このため,係止爪72は,その背面と本体部80の内側面とが当接して,保持部60外側(拡径方向)に開くことができない。従って,係止爪72は,第2フランジ220の被係合部222と係合して把持した状態を維持することができ,保持部60を第2フランジ220から引き抜くような力が働いたとしても,係止爪72が第2フランジ220の被係合部222から外れることがない。このように,保持部60が固定位置にあるときには,保持部60を第2フランジ220から取り外し不能であり,よって,係合ピン62とナット40の係合孔42との係合を維持することができる。なお,保持部60を上記取付位置から固定位置に移動させたときには,開いていた係止爪72が閉じた状態となるので,当該係止爪72によって第2フランジ220の被係合部222を把持する動作を行うことができる(把持動作)。
このように,位置決め手段は,例えば,保持部60を第2フランジ220に取り付け/取り外しするための取付位置と,第2フランジ220およびナット40を保持・固定するための固定位置とを,好適に位置決めすることができる。
以上,本実施形態にかかるブレード着脱補助装置100の構成・動作について説明した。かかるブレード着脱補助装置100は,複数の係止爪72によって第2フランジ220を好適に把持することができる。よって,ナット40を回転させる時には,保持部60とナット40との接合を維持して,係合ピン62がナット40の係合孔42から逃げないようにすることができる。よって,ナット40を第1フランジ210に対して容易に締結/弛緩させることができ,ナット40の表面を傷つけることもない。
また,ブレード着脱補助装置100を用いてナット40をスピンドル24から取り外した後には,保持部60によって,第2フランジ220を保持できるとともに,ナット40を保持部60の接合面と第2フランジ220の凹部224との間に挟持しつつ係合ピン62によって支持することができる。従って,取り外したナット40だけでなく第2フランジ220をも保持して,脱落しないようにできる。
ここで,本実施形態にかかるブレード着脱補助装置100と,上記図12に示したブレード着脱補助装置112とを比較する。本実施形態にかかるブレード着脱補助装置100は,(相違点1)複数の係止爪72によって,ナット40の外周ではなく第2フランジ220の被係合部222を把持する点,(相違点2)ナット40の係合孔42と係合する係合ピン62を出没自在に設けた点,(相違点3)係止爪72に開閉機構を設けた点などで,上記図12に示したブレード着脱補助装置112と相違する。かかる構成により,本実施形態にかかるブレード着脱補助装置100は,(相違点1)によって,ナット40のみならず第2フランジ220をも保持することができ,また(相違点2)によって,係合ピン62をナット40の係合孔42に位置合わせして挿入する必要がなくなり,さらに(相違点3)によって,スピンドル24から取り外したナット40および第2フランジ220をブレード着脱補助装置100から容易に取り外すことができるという利点がある。
次に,図8〜図10に基づいて,本実施形態にかかるブレード着脱補助装置100を用いたブレード着脱方法について説明する。なお,図8は,本実施形態にかかるブレード着脱補助装置100を用いたブレード着脱方法を示すフローチャートである。また,図9および図10は,本実施形態にかかるブレード着脱補助装置100を用いたブレード着脱方法の各工程を説明するための工程断面図である。
図8に示すように,まず,ステップS100では,上記ロック装置50を用いてスピンドル24をロックする(ステップS100)。
次いで,ステップS102では,ブレード着脱補助装置100の保持部60が取付位置にセットされる(ステップS102)。例えば,ブレード着脱補助装置100の保持部60を押すことによって,図7(a)に示したように,保持部60を本体部80から突出させて,取付位置にセットする。この取付位置は,上記位置決め手段によって,第2の溝76にボール部材82が係合する位置で位置決めされる。このように保持部60を取付位置にセットすることにより,係止爪72が開き,ブレード着脱補助装置100を第2フランジ220に取り付け可能となる。
さらに,ステップS104では,図9(a)に示すように,ブレード着脱補助装置100が第2フランジ220に取り付けられる(ステップS104)。具体的には,保持部60が取付位置にある状態のブレード着脱補助装置100を,ナット40および第2フランジ220に押し付けて,開いた係止爪72の先端部を第2フランジ220の被係合部222の外周に位置づける。このとき,係合ピン62とナット40の係合孔42とを位置合わせする必要はない。即ち,係合ピン62の先端部621と係合孔42の位置が合っていなくても,図9(a)に示すように,係合ピン62は,ナット40の表面部の平坦部(係合孔42が形成されていない部分)に押圧されて,保持部60の係合ピン挿入孔77内に埋没する。このため,保持部60の接合面とナット40の表面部とを接合させることができる。
その後,ステップS106では,図9(b)に示すように,保持部60が固定位置にセットされ,係止爪72によって第2フランジ220が把持される(ステップS106)。具体的には,ブレード着脱補助装置100の本体部80をナット40側に押すことによって,保持部60を本体部80内に収容して,固定位置にセットする。この固定位置は,上記位置決め手段によって,第1の溝74にボール部材82が係合する位置で位置決めされる。このように保持部60を固定位置にセットすることにより,係止爪72が閉じて,係止爪72の係止用凹部722と第2フランジ220の被係合部222とが係合する(把持動作)。これにより,係止爪72によって第2フランジ220を把持して,ブレード着脱補助装置100が第2フランジ220から外れないようにできる。
次いで,ステップS108では,ブレード着脱補助装置100を回転させることによって,図10(a)に示すように,保持部60の係合ピン62とナット40の係合孔42とを係合させる。(ステップS108)。上述したように,4つの係合ピン62と4つの係合孔42とは,略同一円周上の対応する位置にそれぞれ配設されており,かつ,各係合ピン62は出没自在な構成である。このため,図9(b)で示したように係合ピン62と係合孔42の位置合わせをせずにブレード着脱補助装置100を取り付けた場合であっても,ブレード着脱補助装置100をどちらか一方に回転させるだけで,図10(a)に示すように,各係合ピン62は,各係合孔42に対応する位置に至ったときに,第1バネ63によって押圧され,当該係合孔42内に自動的に挿入される。なお,このようなブレード着脱補助装置100の回転時には,係止爪72は第2フランジ220の被係合部222に対してスライドするので,ブレード着脱補助装置100の回転に伴って第2フランジ220までもが回転することはない。以上のように,本実施形態にかかるブレード着脱補助装置100は,取付時に,係合ピン62と係合孔42との位置合わせが不要であり,取付後に,係合した係止爪72及び第2フランジ220による案内に従ってブレード着脱補助装置100を回転させるだけで,係合ピン62と係合孔42とを容易に係合させることが可能である。
次いで,ステップS110では,図10(b)に示すように,第2フランジ220およびナット40がスピンドル24から取り外される(ステップS110)。上記ステップS108において係合ピン62と係合孔42が係合しているため,ブレード着脱補助装置100を回転させることによって,ナット40を回転させて,第1フランジ210のフランジ雄ねじ部212から螺脱させることができる。この際,ブレード着脱補助装置100の底部側には,硬質部材65に穿孔されたレンチ用係合孔66が現れているので,このレンチ用係合孔66に,例えばL型のレンチ(図示せず。)等を係合して,ナット40を弛緩する方向に回転させてもよい。このようにL型のレンチ等を使用してナットを回転させるのは,例えば,締結されているナット40を人力のみで弛緩させることが困難な弛緩作業の最初の段階だけであってもよい。この場合,ナット40をある程度弛緩させた後は,例えば,L型のレンチ等をレンチ用係合孔66から取り外し,作業員が本体部80の外周面等を把持してブレード着脱補助装置100全体を回転させることによって,ナット40を回転させて取り外してもよい。
このように,本ステップでは,固定位置にある状態の保持部60を,当該ナット40が螺脱する方向に回転させることにより,当該ナット40を弛緩させて第1フランジ210から取り外すことができる。このとき,係合ピン62とナット40の係合孔42とが係合しているため,保持部60の回転力が好適にナット40に伝わる。なお,このような弛緩作業中には,スピンドル24はロック装置50によりロックされており回転しないので,ブレード着脱補助装置100を用いてナット40のみを好適に回転させることができる。
さらに,この弛緩時には,係止爪72の開放動作が制限されており,係止爪72が第2フランジ220を安定的に把持しているので,係合ピン62とナット40の係合孔42との係合状態を確実に維持することができる。従って,係合ピン62が係合孔42から外れて空回りしないので,当該ナット40の弛緩作業を容易かつ確実に行うことができる上に,ナット40の表面を傷つけることもない。
なお,このようにナット40を回転させるときには,係止爪72と第2フランジ220の被係合部222とは,軸方向には互いに係合しつつも,回転方向には係止爪72が被係合部222の外側をスライドするように構成されている。これにより,ブレード着脱補助装置100を回転させてナット40を回転させるときに,第2フランジ220を回転させないようにできるので,ブレード22を損傷させることがない。
また,図10(b)に示したように,本ステップでは,ナット40を取り外すと同時に,第2フランジ220をも取り外すことができる。このようにして取り外された第2フランジ220は,依然として係止爪72によって把持されている。従って,ナット40を取り外したときに,第2フランジ220が脱落してしまうという問題を解決できる。さらに,取り外されたナット40は,その表面側から係合ピン62によって支持されるだけでなく,第2フランジ220の凹部224に嵌め込まれているため,その背面側および外周側から第2フランジ220によっても支持されることになる。従って,ブレード着脱補助装置100は,取り外されたナット40を確実に保持することができる。
次いで,ステップS112では,ブレード22が交換される(ステップS112)。具体的には,まず,古いブレード22が第1フランジ210から取り外され,次いで,新たなブレード22が第1フランジ210に取り付けられる。
なお,ブレード22のみならず第2フランジ220やナット40をも交換したいときには,上記のようにして取り外された第2フランジ220やナット40を,ブレード着脱装置100の係止爪72から取り外す必要がある。この際,保持部60を取付位置に移動させることにより,上記開閉機構によって係止爪72が開くので,第2フランジ220を係止爪72から容易に取り外すことができる。
その後,ステップS114では,例えば,上記取り外された第2フランジ220およびナット40が,再びスピンドル24に取り付けられる(ステップS114)。具体的には,まず,ブレード着脱補助装置100の保持部60が固定位置にある状態で,保持部60によって保持されている第2フランジ220およびナット40を,第1フランジ210に位置合わせする。次いで,例えば,ブレード着脱補助装置100を,ナット40が螺入する方向に回転させることにより,当該ナット40を第1フランジ210に締結していく。このとき,係合ピン62とナット40の係合孔42とが係合しているため,保持部60の回転力がナット40にも好適に伝わる。さらに,最終的な締結段階では,例えば,上記のようなL型のレンチ等を用いて当該ナット40の締結を確実に行ってもよい。
このようなナット40の締結時においても,係止爪72の開放動作が制限されており,係止爪72が第2フランジ220を安定的に把持しているので,係合ピン62とナット40の係合孔42との係合状態を確実に維持することができる。従って,係合ピン62が係合孔42から外れないので,当該ナット40の締結作業を容易かつ確実に行うことができ,係合ピン62が空回りしてナット40の表面を傷つけることもない。また,係止爪72は第2フランジ220の係合部222の外側を滑るようにして回転するので,第2フランジ220を回転させることがない。
次いで,ステップS116では,保持部60が取付位置にセットされる(ステップS116)。図7(a)に示したように,保持部60を本体部80から突出させて,取付位置にセットする。このように保持部60を取付位置にセットすることにより,係止爪72が開いて,第2フランジ220の把持が解除される(開放動作)。これにより,ブレード着脱補助装置100を第2フランジ220から取り外し可能となる。
さらに,ステップS118では,ブレード着脱補助装置100が第2フランジ220およびナット40から取り外される(ステップS118)。ブレード着脱補助装置100をナット40とは反対側に引っ張ることで,係合ピン62をナット40の係合孔42から引き抜いて,ブレード着脱補助装置100を取り外す。
その後,ステップS120では,ロック装置50によるスピンドル24のロックが解除される(ステップS120)。以上までのステップで,ブレード22の交換作業が終了する。
以上,第1の実施形態にかかるブレード着脱補助装置100およびこれを用いたブレード着脱方法について説明した。かかるブレード着脱補助装置100を用いてブレード22を交換することにより,ナット40の回転時に係合ピン62が係合孔42から逃げないようにできるとともに,取り外した或いは取り付けようとするナット40が,ブレード着脱補助装置100から脱落しないように保持することができる。加えて,ナット40を取り外したときに,ナット40のみならず第2フランジ220をも保持できるので,第2フランジ220の脱落を好適に防止できる。
また,ブレード着脱補助装置100の係合ピン62(係合部)は,出没自在に構成されているので,保持部60の接合面とナット40の表面部とを軸方向が一致するように密着させた後に,保持部60をどちらかに回転させることによって,係合ピン62が係合孔42に自動的に挿入される。このため,わざわざナット40の係合ピン42(被係合部)に対して位置合わせする必要がないので,作業行程を一つ減らすことができ,ブレード着脱補助装置100の操作性を向上させることができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態では,切削装置としてダイシング装置10の例を挙げて説明したが,本発明は,かかる例に限定されない。例えば,スピンドルにより高速回転するブレードを用いて被加工物を切削加工する装置であれば,例えば,ダイシング加工以外の切削加工を行う各種の切削装置であってもよい。
また,上記実施形態では,各種の弾性部材として,ロック用バネ56,第1バネ63,第2バネ73,位置決め用バネ84等のバネ部材を用いたが,かかる例に限定されず,弾性部材は,ゴムなどその他の弾性体を用いて構成されてもよい。
また,上記実施形態にかかる回転制限部は,上記ロック装置50として構成されていたが,かかるロック装置50の例に限定されない。例えば,回転制限部は上記スピンドル24の回転を制限することができる構成であれば,多様に設計変更可能である。例えば,回転制限部は,上記係止部材52を手動で係合孔58に挿抜するようなロック装置として構成されもよい。また,回転制限部の設置位置は,上記のように切削ユニット20のスピンドルハウジング26に限定されず,ダイシング装置10内の任意の位置に設置されてもよい。
また,上記実施形態にかかるブレード着脱補助装置100では,フランジ把持部として構成された保持部60は,複数の係止爪72によって第2フランジ220の被係合部222を把持するように構成したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,フランジ把持部は,第2フランジ220を把持可能な治具であれば,多様に設計変更可能である。また,係止爪72は,上記実施形態の例に限定されず,その形状,配置,設置数等を多様に設計変更可能である。また,第2フランジ220の被係合部222の形状,配置も多様に設計変更可能である。
さらに,上記実施形態では,ナット回転支持部とフランジ把持部とを一体構成して保持部60としたが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,係合ピン62等を有するナット回転支持部と,係止爪72等を有するフランジ把持部とを別体に構成してもよい。また,上記実施形態では,保持部60を本体部80に収容するように構成したが,本発明はかかる例に限定されず,例えば,ブレード着脱補助装置100は,本体部80を必ずしも具備しなくてもよい。
また,上記実施形態にかかるブレード着脱補助装置100では,ナット回転支持部としての保持部60の係合ピン62と,ナット40の係合孔42とを係合させたが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,ナット回転支持部に係合孔を設け,一方,ナット40に係合ピンを設けるなどして,ナット回転支持部とナット40とが係合できるように構成してもよい。
上記実施形態にかかるブレード着脱補助装置100では,位置決め手段を,例えば,第1および第2の溝74,76,ボール部材82および位置決め用バネ84で構成したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,位置決め手段としては,例えば,本体部80に対するフランジ把持部の位置を決定できるものであれば,多様に変更可能である。また,例えば,ボール部材82および位置決め用バネ84を複数組,本体部80に設置してもよい。また,位置決め手段が決定する位置として,上記のような取付位置および固定位置以外の任意の位置を追加してもよい。
本発明は,切削装置に適用可能であり,特に,切削装置のブレード交換に適用可能である。
本発明の第1の実施形態にかかるダイシング装置を示す全体斜視図である。 同実施形態にかかる切削ユニットを示す斜視図である。 同本実施形態にかかる切削ユニットを示す分解組立斜視図である。 同本実施形態にかかるロック装置の構成およびスピンドルハウジングの内部構成を示す部分切り欠き側面図である。 同実施形態にかかるブレード着脱補助装置の全体構成を示す分解組立斜視図である。 同実施形態にかかるブレード着脱補助装置の全体構成を示す分解組立断面図である。 同実施形態にかかるブレード着脱補助装置の保持部,本体部および位置決め手段を示す説明図である。 同実施形態にかかるブレード着脱補助装置を用いたブレード着脱方法を示すフローチャートである。 同実施形態にかかるブレード着脱補助装置を用いたブレード着脱方法の各工程を説明するための工程断面図である。 同実施形態にかかるブレード着脱補助装置を用いたブレード着脱方法の各工程を説明するための工程断面図である。 従来のナット回転用治具を用いてナットを締結弛緩する態様を示す説明図である。 別のブレード着脱補助装置を用いてナットを締結弛緩する態様を示す説明図である。
符号の説明
10 : ダイシング装置
20 : 切削ユニット
21 : フランジ
22 : ブレード
24 : スピンドル
40 : ナット
42 : 係合孔
50 : ロック装置
60 : ナット及びフランジ保持部
61 : 保持部本体
62 : 係合ピン
63 : 第1バネ
65 : 硬質部材
66 : レンチ用係合孔
72 : 係止爪
74 : 第1の溝
76 : 第2の溝
78 : 回転防止ピン用係合孔
80 : 本体部
82 : ボール部材
84 : バネ部材
86 : 回転防止ピン
210 : 第1フランジ
212 : フランジ雄ねじ部
220 : 第2フランジ
222 : 被係合部
224 : 凹部

Claims (8)

  1. 高速回転可能なスピンドルと,被加工物を切削するブレードと,前記ブレードを両側から挟持する2つのフランジと,前記2つのフランジによって挟持された前記ブレードを前記スピンドルに装着して固定するためのナットと,前記スピンドルの回転を制限する回転制限部とを備えた切削装置,のブレード着脱補助装置であって:
    前記回転制限部により前記スピンドルの回転が制限された状態で,前記ナットの表面部に形成された被係合部と係合して,前記ナットを回転させて支持するナット回転支持部と;
    少なくとも前記ナット回転支持部による前記ナットの回転時に,前記2つのフランジのうち前記ナット側にあるフランジを把持するフランジ把持部と;
    を備えることを特徴とする,ブレード着脱補助装置。
  2. 前記ナットの表面部に形成された前記被係合部は,係合孔であり;
    前記ナット回転支持部は,前記係合孔と係合する方向の前後に移動可能に配設され前記係合孔と係合する係合ピンと,前記係合孔と係合する方向に前記係合ピンを押圧する第1弾性部材とを備え;
    前記係合ピンは,通常時には前記ナット回転支持部の表面から突出しているが,前記ナット側から押圧された時には前記ナット回転支持部の内部に埋没することを特徴とする,請求項1に記載のブレード着脱補助装置。
  3. 前記フランジ把持部は,前記ナット側にあるフランジを把持する複数の係止爪を備えることを特徴とする,請求項1または2のいずれかに記載のブレード着脱補助装置。
  4. 前記フランジ把持部は,前記係止爪を開放方向に押圧する第2弾性部材を備えることを特徴とする,請求項3に記載のブレード着脱補助装置。
  5. 前記ナット側にあるフランジは,前記係止爪と係合する被係合部が形成されており,
    前記複数の係止爪は,前記ナット側にあるフランジの前記被係合部を把持することを特徴とする,請求項3または4のいずれかに記載のブレード着脱補助装置。
  6. 前記ナットは,前記ナット側にあるフランジに形成された凹部に配設されることを特徴とする,請求項1,2,3,4または5のいずれかに記載のブレード着脱補助装置。
  7. 前記フランジ把持部は,前記ナット側にあるフランジに対して取り付け/取り外し可能な取付位置と,前記ナット側にあるフランジを把持して,前記ナット側にあるフランジと前記ナット回転支持部との間に前記ナットを保持する固定位置と,の間で移動可能であることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5または6のいずれかに記載のブレード着脱補助装置。
  8. 前記フランジ把持部の前記取付位置および前記固定位置を位置決めする位置決め手段を備えることを特徴とする,請求項7に記載のブレード着脱補助装置。

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