JP2005189123A - サンプル保管用シート及びサンプル保管方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷面の印刷外観及び印刷耐久性に優れ、印刷面の汚染がなく、サンプリング作業が容易であり、トレーサビリティシステムに好適なサンプル保管用シート及びサンプル保管方法の提供。
【解決手段】ポリオレフィンを主成分とするシートA(1)の片面に粘着剤層(2)を形成し、該粘着剤層(2)の粘着面のサンプル保持領域に剥離ライナー(4)を積層し、該粘着面の残りの領域にシートB(3)の端部(3a)を固定し、該シートB(3)が前記固定した端部(3a)を軸とするヒンジ動作で前記剥離ライナー(4)上を開閉自在に被覆するよう構成した、サンプル保管用シート。当該サンプル保管用シートの剥離ライナー(4)を剥がして粘着面を露出し、該粘着面上にサンプルを保持し、該サンプル上にシートB(3)を被覆し、サンプルの周囲の粘着面とシートB(3)とを貼り合わせてサンプルを閉じ込めるサンプル保管方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、トレーサビリティシステムに用いることができるサンプル保管用シート及びサンプル保管方法に関する。
食品の安全性や品質を管理するため、食品の生産、流通等の履歴を追跡できるシステム、いわゆるトレーサビリティシステムが用いられる。狂牛病対策に用いられるトレーサビリティシステムとしては、牛肉の流通前に肉片サンプルを由来動物の識別番号等を付して保管し、事後に該サンプルをDNA鑑定の照合用に用いて同一性を確認することで、牛肉の生産、流通等の履歴を追跡できるシステムが例示される。
肉片サンプルの保管のためのサンプルホルダーとしては、特許文献1に、紙である基礎シートの上に透明なポリプロピレン膜であるカバーシートがヒンジ動作で固定され、該カバーシートの基礎シートに対向する面に粘着剤を介して裏貼シートが取り外し可能に固定された構成のものが開示されている。該サンプルホルダーは、使用に際して、カバーシートの裏貼シートを剥がして粘着剤を露出し、サンプルを置いた基礎シート上にカバーシートを接着してサンプルを閉じ込めるものである。また、該サンプルホルダーは、基礎シートのサンプルを置く面と反対の面に、サンプルを識別するためのバーコード等が印刷される。
しかし、上記特許文献1記載のサンプルホルダーは、バーコード等を印刷する基礎シートが紙であるため印刷外観が悪いという問題があり、紙にワックス系インクで印刷した場合は印刷面を擦ると印刷情報が消えてしまい、印刷耐久性が悪いという問題がある。また、肉片サンプル等のような肉汁、血液等の液体成分を含むサンプルの場合、紙である基礎シートにサンプルを置くと基礎シートの反対の面である印刷面に液体成分が含浸し、外観が悪く、かつ印刷情報が読み難くなるという問題がある。また、上記特許文献1記載のサンプルホルダーは、非粘着の基礎シートにサンプルを置くので、サンプルが滑り易く、カバーシートを接着してサンプルを閉じ込めるまで基礎シート上にサンプルを保持することが難しく、サンプリング作業が困難であるという問題がある。
特表2003−508770号公報
本発明は、トレーサビリティシステムに用いることができるサンプル保管用シート及びサンプル保管方法であって、上記従来の問題点の改善したサンプル保管用シート及びサンプル保管方法の提供を目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、以下の構成を採用した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)ポリオレフィンを主成分とするシートAの片面に粘着剤層を形成し、
該粘着剤層の粘着面のサンプル保持領域に剥離ライナーを積層し、
該粘着面の残りの領域にシートBの端部を固定し、
該シートBが前記固定した端部を軸とするヒンジ動作で前記剥離ライナー上を開閉自在に被覆するよう構成した、サンプル保管用シート。
(2)シートAが白色である、上記(1)記載のサンプル保管用シート。
(3)シートBが透明または半透明である、上記(2)記載のサンプル保管用シート。
(4)シートAの粘着剤層を形成した面の少なくとも一部の領域が不透明化した、上記(1)記載のサンプル保管用シート。
(5)シートAが透明または半透明であり、シートBが不透明である、上記(1)記載のサンプル保管用シート。
(6)シートAが透明または半透明であり、シートBの片面または両面の少なくとも一部の領域が不透明化した、上記(1)記載のサンプル保管用シート。
(7)シートAの粘着剤層を形成した面と反対の面にポリオレフィンを主成分とするインクを用いて印刷した、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のサンプル保管用シート。
(8)印刷が熱転写印刷である、上記(7)記載のサンプル保管用シート。
(9)当該サンプル保管用シートが連続的に繋がっており、各隣り合うサンプル保管用シートの間にミシン目線が設けられた、上記(1)〜(8)のいずれかに記載のサンプル保管用シート。
(10)トレーサビリティシステム用である、上記(1)〜(9)のいずれかに記載のサンプル保管用シート。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載のサンプル保管用シートの剥離ライナーを剥がして粘着面を露出する工程、
該粘着面上にサンプルを保持する工程、及び、
該サンプル上にシートBを被覆し、サンプルの周囲の粘着面とシートBとを貼り合わせることによりサンプルを閉じ込める工程を含む、サンプル保管方法。
本明細書中、シートAとはポリオレフィンを主成分とするシートを意味し、シートBとは特に断らない場合には、材質が限定されないシートを意味する。
本発明によれば、印刷面の印刷外観及び印刷耐久性に優れ、サンプルに含まれる液体成分の含浸による印刷面の汚染がなく、かつ、サンプリング作業が容易であり、トレーサビリティシステムに好適に用いることができるサンプル保管用シート及びサンプル保管方法を提供することができる。
以下、本発明を図を参照してより詳細に説明する。
図1は本発明のサンプル保管用シートの一例を示す断面図である。
本発明のサンプル保管用シートは、図1に示されるように、ポリオレフィンを主成分とするシートA(1)の片面に粘着剤層(2)を形成し、該粘着剤層(2)の粘着面のサンプル保持領域に剥離ライナー(4)を積層し、該粘着面の残りの領域にシートB(3)の端部(3a)を固定し、該シートB(3)が前記固定した端部(3a)を軸とするヒンジ動作で前記剥離ライナー(4)上を開閉自在に被覆するよう構成したことを特徴とする。本発明のサンプル保管用シートでは、シートAがポリオレフィンを主成分とするシートであることから、従来の紙を用いることによる印刷外観及び印刷耐久性が悪いという問題、及びサンプルに含まれる液体成分の含浸により印刷面が汚染するという問題を解消でき、しかも、サンプリング時に粘着面のサンプル保持領域にサンプルを仮着できるので、従来のようにサンプルが閉じ込めるまでに滑り落ちることがなく容易にサンプリング作業を行うことができる。
本発明において、ポリオレフィンを主成分とするシートAとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、これらの積層フィルム(例えば、ポリエチレンフィルム、接着剤層、ポリプロピレンフィルム、接着剤層、ポリエチレンフィルムをこの順に積層した積層フィルム等)等が挙げられ、後述するポリオレフィンを主成分とするインクの転写性の観点からポリエチレンフィルム、表層がポリエチレンの積層フィルム(例えば、ポリエチレンフィルム、接着剤層、ポリプロピレンフィルム、接着剤層、ポリエチレンフィルムをこの順に積層した積層フィルム等)が好ましい。シートAの厚みは、通常10〜500μmであり、好ましくは20〜200μmである。原料であるポリオレフィンの粘度平均分子量は、通常5000〜600万であり、好ましくは400万以下である。シートAは、本発明の効果を阻害しない限り他の添加物、例えば、顔料、補強基材、酸化防止剤、老化防止剤等を含有してもよい。シートAに含有してもよい添加物の含有量は、ポリオレフィン100重量部に対して、通常100重量部以下、好ましくは30重量部以下である。
本発明において、シートAは、印刷情報の視認性やバーコードの読み取り性の観点から、白色であることが好ましい。白色であるシートAは、例えば、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、天然クレー、炭酸マグネシウム等)を含有させて製造することができる。白色顔料の含有量は、ポリオレフィン100重量部に対して、通常1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部である。
図2及び図3(a)は、シートAの一部の領域が不透明化した本発明のサンプル保管用シートの一例を示し、図2は平面図、図3(a)は断面図(図2のX−X線における断面図)である。
本発明のサンプル保管用シートは、図2及び図3(a)に示されるように、シートAの粘着剤層を形成する面と反対の面(印刷面)の印刷情報の視認性やバーコードの読み取り性の観点から、シートAの粘着剤層を形成する面の少なくとも一部の領域を不透明化することが好ましい。特に、シートAが透明または半透明である場合、例えば、シートAが透明または半透明のポリエチレンフィルム等である場合に不透明化の効果が発揮される。不透明化の方法としては、例えば、シートAに不透明なインク(例えば、溶剤系インク、UV硬化型インク等)を用いて、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等により印刷して、図3(a)の5aで示すようなインク層を形成させて不透明化する方法が挙げられる。不透明化のためのインク層の厚みは、通常0.5〜50μm、好ましくは1〜20μmである。不透明化する領域は特に限定されないが、図2の点線で示すような窓の領域を除いた、窓枠状の領域を不透明化することが好ましい。シートAが透明または半透明である場合、シートAの粘着剤層を形成する面の窓枠状の領域を不透明化することにより、中心の透明または半透明の窓を通して内容物(サンプル)をサンプル保管用シートの表から見ることができ、かつ、その周りの不透明化した窓枠状の領域に対応する印刷面に好適に印刷することができるのである。
本発明において、粘着剤層を形成する粘着剤は、適宜な粘着性物質を用いることができ、例えば、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルエステル系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤等が挙げられ、耐熱性や保存性等の観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤層の厚みは、通常1〜100μm、好ましくは10〜50μmである。
本発明のサンプル保管用シートは、粘着剤層の粘着面のサンプル保持領域に、サンプリング時まで粘着面を保護するため、剥離ライナーを積層する。剥離ライナーは、使用時に粘着剤層から容易に剥離できるものであれば特に限定されず、例えば、例えばシリコーン樹脂やフッ素樹脂等の塗布によって剥離処理を施した紙や合成樹脂フィルム(例えば、グラシン紙にシリコーン樹脂を塗布したもの、上質紙にポリエチレン層をラミネートし、ポリエチレン層面にシリコーン樹脂を塗布したもの、ポリエチレンテレフタレートフィルムにシリコーン樹脂を塗布したもの等)等が挙げられる。剥離ライナーの厚みは、通常10〜200μm、好ましくは20〜100μmである。
本発明のサンプル保管用シートは、サンプリング時に上記剥離ライナーを剥がしてサンプル保持領域である粘着面を露出し、該粘着面にサンプルを置いて仮着した後、該サンプル上にシートBを被覆してサンプルを閉じ込める。このように、本発明のサンプル保管用シートは、サンプル上にシートBを被覆するまでの間、粘着面上にサンプルを仮着できるので、サンプリング作業が容易となるのである。
本発明において、シートBは、特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、これらの積層フィルム(例えば、ポリエチレンフィルム、接着剤層、ポリプロピレンフィルム、接着剤層、ポリエチレンフィルムをこの順に積層した積層フィルム等)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリスチレンフィルム等の合成樹脂フィルム、グラシン紙、ろ紙、上質紙等の紙等が挙げられる。シートBは、サンプルが肉汁、血液等の液体成分を含む場合に、液体成分を吸収できる観点から、グラシン紙、ろ紙、上質紙等の紙等の吸液性フィルムが好ましい。シートBの厚みは、通常10〜500μmであり、好ましくは20〜300μmである。
本発明において、シートA及び/またはシートBとして多孔質フィルムを用いると、サンプルを閉じ込めたサンプル保管用シートごと、加熱処理(例えば50〜100℃、5分〜24時間)に付すことにより、シート面を通してサンプルに含まれる液体成分中の水分を外に逃がすことができるので有利である。ここでいう、多孔質フィルムとは、フィルムの表面から裏面まで貫通する連通孔を有するフィルムであり、シートA、シートBに用いられる多孔質フィルムの透気度(試験方法:JIS−P−8117)は、通常10〜100,000sec/100cc、好ましくは50〜10,000sec/100ccである。シートAに用いられる多孔質フィルムとしては、例えば、特開昭63−17941号公報、特開昭63−295649号公報等に記載のポリオレフィンを主成分とする多孔質フィルム、市販品(ブレスロン、日東電工(株)社製)等が挙げられる。シートBに用いられる多孔質フィルムとしては、例えば上記シートAについて例示したと同様のポリオレフィンを主成分とする多孔質フィルム、グラシン紙、ろ紙、上質紙等の紙等が挙げられる。
本発明のサンプル保管用シートは、(i)シートAが白色であり、シートBが透明または半透明であるか、(ii)シートAが透明または半透明であり、シートBが不透明であるか、または、(iii)シートAが透明または半透明であり、シートBの片面または両面の少なくとも一部の領域を不透明化したものが好ましい。上記(i)〜(iii)のサンプル保管用シートは、サンプル保管用シートに閉じ込めたサンプルを透明または不透明のシートAまたはシートBを通して表から見ることができ、かつシートAの粘着剤層を形成した面と反対面(印刷面)の印刷情報の視認性やバーコードの読み取り性がよい点で有利である。ここに本明細書において「透明または半透明」とは、サンプル保管用シートに閉じ込めたサンプルを表から見ることができる程度に透明または半透明であることをいう。半透明のフィルムとしては、例えば、グラシン紙等が挙げられる。
図3(b)は、シートBの一部の領域が不透明化した本発明のサンプル保管シートの一例を示す断面図であり、その平面視は図2と同じである。
シートBの不透明化の方法としては、例えば、シートBに不透明なインクを用いて印刷して、図3(b)の5bで示すようなインク層を形成させて不透明化する方法が挙げられる。用いるインク、印刷方法、インク層の厚みは、上記シートAの不透明化について例示したと同様である。シートBのいずれの面を不透明化してもよく、また両面を不透明化してもよいが、不透明化のための印刷をした面を保護する意味からは、図3(b)に一例を示すように、シートBの粘着剤層に対向する面を不透明化するのが好ましい。不透明化する領域は特に限定されないが、図2の点線で示すような窓の領域を除いた、窓枠状の領域を不透明化することが好ましい。シートAが透明または半透明であり、シートBの片面または両面の窓枠状の領域を不透明化することにより、中心の透明または半透明の窓を通して内容物(サンプル)をサンプル保管用シートの表から見ることができ、かつ、その周りの不透明化した窓枠状の領域に対応する印刷面に好適に印刷することができるのである。
本発明のサンプル保管用シートは、シートAの粘着剤層を形成した面と反対の面に好適に印字、バーコード、図柄等の印刷をすることができる。シートAはポリオレフィンを主成分とするシートであるので、本発明のサンプル保管用シートは、印刷面の印刷外観及び印刷耐久性に優れ、サンプルに含まれる液体成分の含浸による印刷面の汚染がない。印刷に用いるインクは、ポリオレフィンを主成分とするシートAとの密着性の観点から、ポリオレフィンを主成分とするインクが好ましい。ポリオレフィンを主成分とするインクとしては、ポリエチレンインク、ポリプロピレンインク等が挙げられ、転写性の観点から、ポリエチレンインクが好ましい。本発明において、シートAがポリエチレンフィルムまたは表層がポリエチレンの積層フィルムであって、印刷に用いるインクがポリエチレンインクであるのが、転写性、密着性、印刷の耐久性等の観点から、特に好ましい。
ポリオレフィンを主成分とするインクは、ポリオレフィンと1種又は2種以上の着色剤とを含有する。原料であるポリオレフィンの粘度平均分子量は、通常5000〜30万であり、好ましくは20万以下である。着色剤としては、例えば有機系又は無機系の顔料、カーボン、金属粉末等の適宜なものを用いることができる。着色剤の含有量は、ポリオレフィン100重量部に対して、通常50〜500重量部、好ましくは100〜300重量部である。インクは、本発明の効果を阻害しない限り他の添加物、例えば溶媒、紫外線吸収剤、分散剤、界面活性剤等を含有していてもよい。
ポリオレフィンを主成分とするインクは、自体公知の方法で製造することができるが、例えば、1種又は2種以上の着色剤とポリオレフィンをロールミル等の適宜な混練機にて加熱混合するか、必要に応じてポリオレフィン溶解性の溶媒を用いて例えばロールミルやポットミル等の適宜な混練機で混合してペースト状等の流動物として製造することができる。
本発明のサンプル保管用シートの、シートAの粘着剤層を形成した面と反対の面の印刷は、例えば、熱転写印刷、グラビア印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、ドットインパクト等が挙げられ、サンプリング現場等での現場発行が可能で、ポリオレフィン同士の強固な熱融着により印刷の耐久性が得られることから、熱転写印刷が好ましい。
本発明のサンプル保管用シートは、例えば、粘着剤層に用いる高分子化合物を含有する溶液をシートAの片面に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した後、粘着剤層の粘着面のサンプル保持領域に剥離ライナーを積層し、粘着剤層の粘着面の残りの領域にシートBの端部を固定して製造することができる。
本発明は、また、図4に構成の一例を示すように、本発明のサンプル保管用シートが連続的に繋がっており、各隣り合うサンプル保管用シートの間にミシン目線(6)が設けられた、サンプル保管用シートに関する。ミシン目線が設けられているため、使用時に、各隣り合うサンプル保管用シートをミシン目線の部分で指先等で容易に分離することができる。分離を容易にするため、ミシン目線は、サンプル保管用シートを貫通して設けられることが好ましい。また、分離を容易にするため、ミシン目線の端部に、図4のYで示すような、切り込みを設けてもよい。
本発明のサンプル保管用シートの外形は特に限定されず、例えば、方形(正方形又は長方形)等が挙げられる。本発明のサンプル保管用シートのサイズは、サンプルを閉じ込めることができ、また、表面に印刷するのに適したサイズであれば特に限定されないが、例えば一辺が20〜200mm、好ましくは一辺が40〜100mmのサイズが挙げられる。
本発明のサンプル保管用シートに適用するサンプルは、特に限定されず、例えば食品サンプル(例えば牛肉、ブタ肉、鳥肉、加工品、野菜等)、動植物の研究用サンプル等が挙げられる。サンプル保管用シートに閉じ込めたサンプルは、サンプルの分析等の際に、シートを破る等して取り出すことができる。本発明のサンプル保管用シートは、印刷面の印刷外観及び印刷耐久性に優れ、サンプルに含まれる液体成分の含浸による印刷面の汚染がなく、かつ、サンプリング作業が容易であるので、トレーサビリティシステムにおける上記のようなサンプルの保管に好適に用いることができる。
本発明は、また、本発明のサンプル保管用シートを用いたサンプル保管方法に関する。本発明のサンプル保管方法は、本発明のサンプル保管用シートの剥離ライナーを剥がして粘着面を露出する工程、該粘着面上にサンプルを保持する工程、及び、該サンプル上にシートBを被覆し、サンプルの周囲の粘着面とシートBとを貼り合わせることによりサンプルを閉じ込める工程を含む。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1
図1に示すように、粘度平均分子量が約100万のポリブチルアクリレート100重量部とイソシアネート系架橋剤2重量部との混合物を、乾燥時の厚みが30μmとなるように100μm厚の粘度平均分子量が30万の低密度ポリエチレンからなる白色フィルム(シートA(1))に塗布し、90℃で10分乾燥し、粘着剤層(2)を形成させ、得られた粘着剤層(2)の粘着面のサンプル保持領域に、剥離処理した80μm厚のグラシン紙からなる剥離ライナー(4)を積層し、残りの粘着面に75μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(シートB(3))を、剥離ライナー(4)上を開閉自在に被覆するよう配置し、図1の3aで示す端部を粘着剤層(2)の残りの粘着面に固定して、サンプル保管用シートを製造した。
実施例2
シートBとして80μm厚の半透明のグラシン紙を用いた以外は、実施例1と同様にして、サンプル保管用シートを製造した。
実施例3
シートBとして200μm厚のろ紙を用いた以外は、実施例1と同様にして、サンプル保管用シートを製造した。
実施例4
シートAとして80μm厚の粘度平均分子量20万の高密度ポリエチレンからなる透明フィルムを用い、シートBとして110μm厚の紙(上質紙)を用い、シートAの粘着剤層を形成する面に、粘着剤層を形成する前に、図3(a)の5aで示すような酸化チタンとUV硬化性樹脂からなるインク層を、フレキソ印刷により、図2の点線で示すような窓の領域を除いた窓枠状の領域に形成させた以外は実施例1と同様にしてサンプル保管用シートを製造した。
実施例5
シートAとして50μm厚の粘度平均分子量30万の低密度ポリエチレンからなる透明フィルムを用い、シートBとして150μm厚の紙(ろ紙)を用い、シートBの粘着剤層に対向する面に、シートBを固定する前に、図3(b)の5bで示すような酸化チタンとウレタン系樹脂からなるインク層を、グラビア印刷により、図2の点線で示すような窓の領域を除いた窓枠状の領域に形成させた以外は実施例1と同様にしてサンプル保管用シートを製造した。
図1は、本発明のサンプル保管用シートの一例を示す断面図である。 図2は、本発明のサンプル保管用シートの一例を示す、シートB側から見た平面図である。図中二点鎖線は、シートBの固定した端部3aと、シートBの固定されていない領域との境界線を示す。図中点線はかくれ線であり、図3(a)の本発明のサンプル保管用シートのインク層(5a)が、シートAの粘着剤層を形成した面の該点線で示す窓の領域を除いた窓枠状の領域に形成されていることを説明し、また、図3(b)の本発明のサンプル保管用シートのインク層(5b)が、シートBの粘着剤層と対向する面の該点線で示す窓の領域を除いた窓枠状の領域に形成されていることを説明する。 図3(a)は、シートAの粘着剤層を形成した面の一部の領域を不透明化した本発明のサンプル保管用シートの一例を示す、図2のX−X線における断面図である。図3(b)は、シートBの一部の領域を不透明化した本発明のサンプル保管用シートの一例を示す、図2のX−X線における断面図である。 図4は、本発明のサンプル保管用シートが連続的に繋がっている、本発明のサンプル保管用シートの一例を示す、シートB側から見た平面図である。図中二点鎖線は、シートBの固定した端部(3a)と、シートBの固定されていない領域との境界線を示す。
符号の説明
1 シートA
2 粘着剤層
3 シートB
3a シートBの固定した端部
4 剥離ライナー
5a インク層
5b インク層
6 ミシン目線

Claims (11)

  1. ポリオレフィンを主成分とするシートAの片面に粘着剤層を形成し、
    該粘着剤層の粘着面のサンプル保持領域に剥離ライナーを積層し、
    該粘着面の残りの領域にシートBの端部を固定し、
    該シートBが前記固定した端部を軸とするヒンジ動作で前記剥離ライナー上を開閉自在に被覆するよう構成した、サンプル保管用シート。
  2. シートAが白色である、請求項1記載のサンプル保管用シート。
  3. シートBが透明または半透明である、請求項2記載のサンプル保管用シート。
  4. シートAの粘着剤層を形成した面の少なくとも一部の領域が不透明化した、請求項1記載のサンプル保管用シート。
  5. シートAが透明または半透明であり、シートBが不透明である、請求項1記載のサンプル保管用シート。
  6. シートAが透明または半透明であり、シートBの片面または両面の少なくとも一部の領域が不透明化した、請求項1記載のサンプル保管用シート。
  7. シートAの粘着剤層を形成した面と反対の面にポリオレフィンを主成分とするインクを用いて印刷した、請求項1〜6のいずれかに記載のサンプル保管用シート。
  8. 印刷が熱転写印刷である、請求項7記載のサンプル保管用シート。
  9. 当該サンプル保管用シートが連続的に繋がっており、各隣り合うサンプル保管用シートの間にミシン目線が設けられた、請求項1〜8のいずれかに記載のサンプル保管用シート。
  10. トレーサビリティシステム用である、請求項1〜9のいずれかに記載のサンプル保管用シート。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のサンプル保管用シートの剥離ライナーを剥がして粘着面を露出する工程、
    該粘着面上にサンプルを保持する工程、および、
    該サンプル上にシートBを被覆し、サンプルの周囲の粘着面とシートBとを貼り合わせることによりサンプルを閉じ込める工程を含む、サンプル保管方法。
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