JP2005188689A - Vリブドベルト - Google Patents

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JP2005188689A JP2003433390A JP2003433390A JP2005188689A JP 2005188689 A JP2005188689 A JP 2005188689A JP 2003433390 A JP2003433390 A JP 2003433390A JP 2003433390 A JP2003433390 A JP 2003433390A JP 2005188689 A JP2005188689 A JP 2005188689A
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寿美子 竹内
Yosuke Suefuji
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Abstract

【課題】 ベルト磨耗等により伸びが発生した場合も、張力が急激に低下する事がなく、経時的な寸法安定性に優れ、伝達性能が高く、特に多軸駆動装置に好適なVリブドベルトを提供する。
【解決手段】 エンジンのクランク軸を駆動軸11とし、少なくとも従動軸14の一つに大きな回転慣性を有する発電機13を備え、かつオートテンショナーを装置しない多軸駆動装置10の駆動プーリ16と、少なくとも一つの従動プーリ17、18に懸架して使用する多軸駆動装置において、Vリブドベルト1は伸張部2とベルト長手方向に沿って心線4を埋設したクッションゴム層5とクッションゴム層5に隣接してベルトの周方向に延びる複数のリブ7を有する圧縮部6とからなり、心線4としてポリトリメチレンテレフタレート繊維とポリエチレンテレフタレート繊維を混撚りしたコードを用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は駆動装置、特に多軸駆動装置に好適に装着されるVリブドベルトに関する。
Vリブドベルトは、クッションゴム層中に心線を埋設し、該クッションゴム層の上部には必要に応じてカバー帆布を積層し、そして該クッションゴム層の下部に複数のリブ部を設けている。このVリブドベルトは、Vベルトに代わって自動車のエアコンプレッサーやオルタネータ等の補機駆動に広く使用されてきているが、近年ではエンジンルームのコンパクト化、エンジンの軽量化などに伴い、プーリ径が小さくなるとともにサーペンティン駆動化が図られている。
サーペンティン駆動では、補機に連結された複数のプーリを同一平面状に配置し、これらのプーリに一本のベルトを掛架するものであり、ベルトを大きく曲がりくねった状態に配置するため、ベルトは極めて苛酷な状態で使用されることになり、より高伝動・高性能であることが要求されている。
かかる要求に応えるべく、ベルトモジュラスを高めて伝達性能を向上させたVリブドベルトが汎用的に用いられている。具体的にはベルト心線として高弾性繊維、例えばポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)で構成したコードを用いることで、ベルトモジュラスを高めたVリブドベルトがある。(特許文献1参照)
しかし、リブゴムの磨耗などによりベルト伸びが発生した際に、ベルトがプーリに落ち込み、ベルトにかかる張力が急激に低下することがあった。これは心線を構成するポリエチレンテレフタレート繊維の特性、即ち結晶弾性率が高く、分子が変形し難い構造を有することに起因し、従来装置においてはオートテンショナーで張力を調節することにより対応していたが、近年では駆動装置にオートテンショナーが設置されないレイアウトも多く、弾性回復性に乏しいPET繊維ではこの張力低下に対応できなかった。
一方、心線をポリアミド6.6繊維で構成することにより、ベルトを低モジュラス化させて、張力低下を抑制したVリブドベルトが知られている。(特許文献2参照)
特開平7−127690号公報 米国特許出願公開第2002/0165058号明細書
このような弾性率の低いポリアミド6.6繊維コードを用いた場合、PET繊維コードで見られたような急激な張力低下は知見されず、オートテンショナーを要さないベルトとして期待された。ところが、ポリアミド6.6繊維は吸湿性が高く、湿度により経時収縮を起こしてベルト寸法を大きく変化させるため、実使用上問題があった。更に研究を重ねた結果、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を用いたコードでも低モジュラス化させることが可能であったが、走行時のスリップ率が高くなるという問題を抱えていた。
本発明はこのような問題点を改善するものであり、伝達性能に優れ、ベルト磨耗等により伸びが発生した場合にも、張力が急激に低下する事がなく、経時的な寸法安定性に優れ特に多軸駆動装置に好適なVリブドベルトを提供することを目的とする。
即ち、本発明は
(1)伸張部とベルト周方向に延びる複数のリブを有する圧縮部との間にベルト長手方向に沿って心線を埋設したVリブドベルトであって、前記心線がポリトリメチレンテレフタレート繊維とポリエチレンテレフタレート繊維から構成されることを特徴とする。
(2)前記(1)記載のVリブドベルトであって、前記心線がポリトリメチレンテレフタレート繊維とポリエチレンテレフタレート繊維を混撚りしたコードであることを特徴とする。
(3)前記(2)記載のVリブドベルトであって、前記心線が諸撚り構造であって、下撚りコードはポリトリメチレンテレフタレート繊維とポリエチレンテレフタレート繊維を混撚りしたコードであることを特徴とする。
(4)前記(3)記載のVリブドベルトであって、下撚りコードは繊度が400〜1,500dtexのポリトリメチレンテレフタレート繊維と繊度が400〜1,500dtexのポリエチレンテレフタレート繊維を混撚りしたコードであることを特徴とする。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のVリブドベルトであって、前記心線を構成するポリトリメチレンテレフタレート繊維とポリエチレンテレフタレート繊維との繊度比が3:7〜7:3であることを特徴とする。
(6)前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のVリブドベルトであって、前記心線の総繊度が4,000〜12,000dtexであることを特徴とする。
(7)前記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のVリブドベルトであって、Vリブドベルトを2%伸張させるのに必要な引張力が100〜250N/リブであって、そしてベルトに147N/5本コードの初荷重をかけ、100℃雰囲気下30分放置した後に発生したベルト乾熱時収縮力が50〜150N/5本コードであることを特徴とする。
(8)前記(1)〜(7)のいずれか1つに記載のVリブドベルトであって、多軸駆動装置に用いられることを特徴とする。
(9)前記(8)記載のVリブドベルトであって、エンジンのクランク軸を駆動軸とし、少なくとも従動軸の一つに大きな回転慣性を有する発電機を備え、かつオートテンショナーを装置しない多軸駆動装置の駆動プーリと、少なくとも一つの従動プーリに懸架して使用されることを特徴とする。
ポリトリメチレンテレフタレート繊維とポリエチレンテレフタレート繊維から構成された心線に用いたVリブドベルトは、モジュラスが低くエラスティックであるため、リブゴム磨耗等によりベルト伸びが発生した場合でも、張力が急激に低下することがなく安定した張力を維持できると共に、スリップ率が低く、伝達性能に優れているといった特徴がある。また各繊維を混撚りする;諸撚り構造とし、下撚りで各繊維を混撚りする;諸撚り構造とし、下撚りで特定範囲の繊度を有する各繊維を混撚りする;各繊維の繊度比を特定範囲とすることで、より複合化が充分なものとなる。更に心線の総繊度を特定範囲とすることでVリブドベルトに好適に用いられる。そして本発明のベルトは多軸駆動装置における過酷な条件下においても好適に使用され、熱収縮力が特定値に設定されていることから張力の自己調整が可能であり、オートテンショナーが設置されない駆動装置においても使用可能である。
以下、添付図面を参照し、本発明の実施例を説明する。図1は本発明に係るVリブドベルトを用いた多軸駆動装置を示す概略図、図2はこの多軸駆動装置に使用するVリブドベルトを示す断面斜視図である。
図1において、ここで用いる多軸駆動装置10では、エンジンのクランク軸を駆動軸11とし、一つの従動軸12に例えば大きな回転慣性を有する発電機13を、他の従動軸14に例えばエアーコンプレッサー15を備え、これらの軸にそれぞれプーリ16、17、18を装着し、これらのプーリ16、17、18にVリブドベルト1を懸架し、テンションプーリ19をVリブドベルト1の背面に当接させている。
ここで使用するVリブドベルト1は、カバー帆布3からなる伸張部2と、コードよりなる心線4を埋設したクッションゴム層5と、その下側に弾性体層である圧縮部6からなっている。この圧縮部6は、ベルト長手方向に延びる断面略三角形である台形の複数のリブ7を有している。尚、伸張部2としてカバー帆布3を貼着せず、ゴムを露出させた構成としたVリブドベルトや、クッションゴム層5を配置しない構成としたVリブドベルトなども本発明の技術範疇に属する。
前記リブ7には、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、CSM、ACSM、SBR、エチレン−α−オレフィンエラストマーが使用され、水素化ニトリルゴムは水素添加率80%以上であり、耐熱性及び耐オゾン性の特性を発揮するために、好ましくは90%以上が良い。水素添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び耐オゾン性は極度に低下する。耐油性及び耐寒性を考慮すると、結合アクリロニトリル量は20〜45%の範囲が好ましい。中でも、耐油性と耐寒性を有するエチレン−α−オレフィンエラストマーが好ましい。
上記エチレン−α−オレフィンエラストマーとしては、その代表的なものとしてEPDMがあり、これはエチレン−プロピレン−ジエンモノマーをいう。ジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどがあげられる。
上記ゴムの架橋には、硫黄や有機過酸化物が使用される。有機過酸化物としては具体的には、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1.1−t−ブチルペロキシ−3.3.5−トリメチルシクロヘキサン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサン−3、ビス(t−ブチルペロキシジ−イソプロピル)ベンゼン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(ベンゾイルペロキシ)ヘキサン、t−ブチルペロキシベンゾアート、t−ブチルペロキシ−2−エチル−ヘキシルカーボネートが挙げられる。この有機過酸化物は、単独もしくは混合物として、通常エチレン−α−オレフィンエラストマー100gに対して0.005〜0.02モルgの範囲で使用される。
また加流促進剤を配合しても良い。加硫促進剤としてはチアゾール系、チウラム系、スルフェンアミド系の加硫促進剤が例示でき、チアゾール系加硫促進剤としては、具体的に2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、ジベンドチアジル・ジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩等があり、チウラム系加硫促進剤としては、具体的にテトラメチルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスルフィド、テトラエチルチウラム・ジスルフィド、N,N’−ジメチル− N,N’−ジフェニルチウラム・ジスルフィド等があり、またスルフェンアミド系加硫促進剤としては、具体的にN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等がある。また、他の加硫促進剤としては、ビスマレイミド、エチレンチオウレアなども使用できる。これら加硫促進剤は単独で使用してもよいし、2種以上の組み合わせで使用してもよい。
また、架橋助剤(co−agent)を配合することによって、架橋度を上げて粘着摩耗等の問題を防止することができる。架橋助剤として挙げられるものとしては、TIAC、TAC、1,2ポリブタジエン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N−N‘−m−フェニレンビスマレイミド、硫黄など通常パーオキサイド架橋に用いるものである。
そして、それ以外に必要に応じてシリカ、カーボンブラックのような補強剤、炭酸カルシウム、タルクのような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤のような通常のゴム配合物に使用されるものが使用される。
また、上記リブ7には、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、綿、アラミドからなる短繊維を混入してリブ7の耐側圧性を向上させるとともに、プーリと接する面になるリブ7の表面に該短繊維を突出させ、リブ7の摩擦係数を低下させて、ベルト走行時の騒音を軽減させる。これらの短繊維のうち、剛直で強度を有し、しかも耐摩耗性を有するアラミド繊維とそれ以外の繊維を併用することが望ましい。
上記アラミド短繊維が前述の効果を充分に発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1〜20mmで、その添加量はゴム100質量部に対して1〜30質量部である。このアラミド繊維は分子構造中に芳香環をもつ、例えば商品名コーネックス、ノーメックス、ケブラー、テクノーラ、トワロン等である。尚、アラミド短繊維の添加量が1質量部未満の場合には、リブ7のゴムが粘着しやすくなって摩耗する欠点があり、また一方30質量部を越えると、短繊維がゴム中に均一に分散しなくなる。
上記アラミド短繊維はリブ7のゴムとの接着を向上させるためにも、該短繊維をエポキシ化合物やイソシアネート化合物から選ばれた処理液によって接着処理されることが好ましい。
そして、上記心線4は、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維とポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)から構成され、総繊度が4,000〜12,000dtexのコードが好適に使用される。総繊度が4,000dtex未満の場合には、心線のモジュラス、強力が低くなり過ぎ、また12,000dtexを越えると、ベルトの厚みが厚くなって、屈曲疲労性が悪くなる。また心線4を構成するPTT繊維とPET繊維の繊度比は3:7〜7:3とすることが望ましく、この範囲を外れると各繊維単独コードの特性とあまり変わりがなくなるため、複合コードの特性を充分に発揮できない。
心線4として、高弾性を有するPET繊維と、結晶弾性率が小さく、しかも分子が伸び縮みすることから伸縮特性に優れたPTT繊維を複合化したコードをVリブドベルトに適用することで、低モジュラスで、エラスティックな性質を示しつつ、スリップ率を低減し、伝達性能を向上させる効果がある。PTTはテレフタール酸と1,3−プロパンジオールが重縮合したポリエステルであって、アルキレン鎖のメチレン基が奇数(3個)であるために屈曲した結晶構造を有する。即ち、PTT繊維は分子が変形しやすいために結晶弾性率が小さく、しかも分子が伸び縮みすることから伸縮特性に優れるといった特性を示す。これに対してアルキレン鎖が偶数(2個)のPET繊維は、結晶弾性率が高く、伸縮性に乏しいといった特性がある。
心線4の具体的な構成としては、PTT繊維とPET繊維を混撚りにより複合化したものが好ましく、更に好ましくは諸撚りに構成することが望ましい。下撚り、上撚りの2段階で撚り加工した諸撚り構成の場合、下撚りでPTT繊維とPET繊維を混撚りすることが望ましい。具体的には、PTT繊維フィラメント群とPET繊維フィラメント群を混撚りした下撚りコードを準備し、該下撚りコード複数本を上撚りしたコードを心線4として用いることができる。勿論、上撚りでPTT繊維とPET繊維を混撚りすることも可能で、具体的にはPTT繊維フィラメント群とPET繊維フィラメント群を各々別々に撚り加工した下撚りコードを準備し、各繊維の下撚りコードを上撚りすることによって混撚りしたコードを心線4として使用できる。尚、下撚り、上撚りの2段階で撚り加工した諸撚り構成の場合、コードの上撚り数は4〜20/10c、また下撚り数は9〜39/10cmであることが望ましい。また下撚り、中撚り、上撚りの3段階、或いは4段階以上で撚り加工した諸撚り構成とすることも可能で、どの段階でPTT繊維とPET繊維を混撚りするかは所望に応じて選択できる。
前述の如き諸撚り構成のコードにおいて、下撚りでPTT繊維とPET繊維を混撚りする場合、400〜1,500dtexのPTT繊維と400〜1,500dtexのPET繊維を下撚りして混撚り化すると複合化が充分なものとなる。
尚、混撚り以外の複合化としては芯鞘構造による複合化が挙げられる。各繊維どちらを芯、鞘とするかは所望に応じて決めることができるが、高弾性なPET繊維を芯に、低弾性なPTT繊維を鞘とした複合コードを心線に用いると、屈曲疲労性、寸法安定性に優れたVリブドベルトが得られる。
上記心線4は接着処理を施されることが望ましく、例えば(1)未処理コードをエポキシ化合物やイソシアネート化合物から選ばれた処理液を入れたタンクに含浸してプレディップした後、(2)160〜200℃に温度設定した乾燥炉に30〜600秒間通して乾燥し、(3)続いてRFL液からなる接着液を入れたタンクに浸漬し、(4)160〜220℃に温度設定した延伸熱固定処理機に30〜600秒間通して−1〜6%延伸して延伸処理コードとする、方法がある。
上記エポキシ化合物としては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコールとエピクロルヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物や、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類やハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物である。このエポキシ化合物はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
また、イソシアネート化合物としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエン2,4−ジイソシアネート、P−フェニルジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネート等がある。このイソシアネート化合物もトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合体をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリル、NBR等である。
上記延伸熱固定処理されたコードは、スピニングピッチ、即ち心線の巻き付けピッチを0.7〜1.7mmにすることが望ましい。0.7mm未満となると、コードが隣接するコードに乗り上げて巻き付けができず、一方1.7mmを越えると、ベルトのモジュラスが徐々に低下するといった不具合がある。
上記カバー帆布3は綿、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、アラミド繊維等からなる糸を用いて、平織、綾織、朱子織等に製織した布である。
上記心線4を用いたVリブドベルトは、Vリブドベルトを2%伸張させるのに必要な引張力が100〜250N/リブ、更に好ましくは130〜210N/リブであり、このような引張力であると、たとえリブゴム磨耗等によりベルト伸びが発生した場合でも、急激な張力低下を引き起こすことなく、安定した張力が維持できる。250N/リブを超えるとベルト伸び時に急激な張力低下が見られ、100N/リブ未満であると心線伸びによるベルト張力低下が大きくなる。
またベルトに147N/5本コードの初荷重をかけ、100℃雰囲気下30分放置した後に発生したベルト乾熱時収縮力が50〜150N/5本コードである特性を付与すると、ベルト伸びが発生しても張力を自己調整可能であり、オートテンショナーを設置しなくともベルトスリップ率が小さくてベルト寿命が長いものを得ることができる。ベルト乾熱時収縮力が50N/5本コード未満の場合には、ベルト張力を調整する性能に乏しく、スリップ率が高くなる傾向がある。また、ベルト乾熱時収縮力が150N/5本コードを越える場合には、ベルト長さの経時収縮が大きくなる傾向がある上に、スリップ率が小さくなる効果は小さい。
以下に、本発明を具体的な実施例のより更に詳細に説明する。
実施例1〜3、比較例1〜3
表3に示すように、実施例1では心線として、1,100dtexのポリトリメチレンテレフタレート繊維(PTT)および1,100dtexのポリエチレンテレフタレート繊維(PET)を下撚り係数3.1で混撚りしたコードを準備した。そして該コード3本を上撚り係数3.0にて撚糸した未処理コードを得た。実施例2,3では1,100dtexのポリトリメチレンテレフタレート繊維(PTT)および1,100dtexのポリエチレンテレフタレート繊維(PET)を各々下撚り係数3.1にて撚糸したコードを準備した。そして実施例2ではPTT繊維コード2本とPET繊維コード4本、実施例3ではPTT繊維コード4本とPET繊維コード2本となるよう上撚り係数3.0にて混撚りして未処理コードを得た。また比較例では心線として、1,100dtexのポリトリメチレンテレフタレート繊維(PTT)、940dtexのナイロン6.6繊維(N6.6)、そして1,220dtexのポリエチレンテレフタレート繊維(PET)を各々2×3の撚構成で、上撚り係数3.0、下撚り係数3.1で緒撚に撚糸した未処理コードを準備した。
各未処理コードをトルエン90gにPAPI(化成アップジョン社製ポリイソシアネート化合物)10gからなる接着剤でプレディップした後、200℃に温度設定した乾燥炉に2分間通して乾燥した。続いて表1に示すRFL液からなる接着剤に含浸させ、実施例1〜3および比較例1のコードは210℃で2分間、比較例2,3のコードは230℃で2分間熱処理を行い、この熱処理時に表3に示すヒートセット延伸率で熱延伸固定した。更に表2に示す配合ゴムを固形分濃度10%となるよう希釈したゴム糊に各コードを浸漬させた後、160℃で4分間熱処理して接着処理コードとした。
Figure 2005188689
Figure 2005188689
Figure 2005188689
本実施例におけるVリブドベルトの製造方法は、以下の通りである。
まず、円筒状モールドに経糸と緯糸とが綿糸からなる平織物にクロロプレンゴムをフリクションしたゴム付帆布を1プライ巻き付けた後、表2に示すクロロプレンゴム組成物からなる接着ゴムシートを巻き、更にその上に上記コードをスピニングし、そして表2に示すクロロプレンゴム組成物に短繊維を分散させたゴムシートを巻き付けて成形を終えた。これを公知の方法で160℃、30分で加硫して円筒状の加硫ゴムスリーブを得た。尚、圧縮部およびクッションゴム層を形成するゴムシートに分散させる短繊維は、あらかじめトルエン90gにPAPI(化成アップジョン社製ポリイソシアネート化合物)10gからなる処理液に浸漬した。
上記加硫ゴムスリーブを研磨機の駆動ロールと従動ロールに装着して、張力を付与した後に回転させた。150メッシュのダイヤモンドを表面に装着した研磨ホイールを1,600rpmで回転させ、これを加硫スリーブに当接させてリブ部を研磨した。研磨機から取り出したスリーブを切断機に設置した後、回転しながら切断した。
作製したVリブドベルトは、上記各延伸固定処理コードからなる心線がクッションゴム層内に埋設され、その上側にゴム付綿帆布を1プライ積層し、他方クッションゴム層の下側には圧縮部があって3個のリブがベルト長手方向に有していた。このVリブドベルトはRMA規格による長さ1,100mmのK型3リブドベルトであり、リブピッチ3.56mm、リブ高さ2.9mm、リブ角度40°であった。
次いで、前記Vリブドベルトの評価を行った。この結果を表3に示す。尚、試験方法は、以下の通りである。
(1)ベルト2.0%伸び時引張力
ベルトを50mm/分の速度で引っ張って、ベルトを2.0%伸ばすのに必要な引張力を測定し、1リブ(3.56mm)当たりの引張力に換算した。
(2)ベルト乾熱時収縮力
ベルトから心線を埋設したクッションゴム層を取り出す。クッションゴム層の両側から余分のコードを取り除き、コード5本からなる測定試料を作製する。この測定試料に147Nの初荷重をかけ、100℃の雰囲気下で30分間放置した後、発生した収縮力を求めた。
(3)ベルト乾熱収縮率
ベルトを無荷重で120℃雰囲気下で30分間放置した後、放置前後でのベルト外周長の変化率を求めた。
(4)ベルト張力保持率
ベルトに391N/リブの初張力をかけて図3に示す走行試験を行い、1時間後及び1,000時間後のベルト張力を測定して、1時間後のベルト張力に対する1,000時間後のベルト張力保持率を算出した。
(5)ベルト走行時スリップ率
ベルトに391N/リブの初張力をかけて図3に示す走行試験を行い、200時間後のベルト走行時のスリップ率を測定した。
(6)ベルト経時収縮率
ベルトを40℃、湿度90%で、10日間放置した後のベルト外周率の変化率を調べた。
表3に示す結果より、本発明のVリブドベルトでは、従来のVリブドベルトに比べてモジュラスが低く、走行後も張力保持率が高いことが判った。また湿熱時に保管してもベルト長さの経時収縮が小さく、経時的な寸法安定性に優れることも知見できた。更に、走行時のスリップ率も低く、伝達性能に優れることが判明した。
ベルト駆動装置、特に自動車のサーペンティン駆動において好適に用いられるVリブドベルトであり、ベルトの伸びや張力低下を抑えることでスリップを軽減し、ベルト寿命を延長させる効果が期待できる。
本発明に係るVリブドベルトを用いた多軸駆動装置を示す概略図である。 本発明の多軸駆動装置に使用するVリブドベルトを示す断面斜視図である。 ベルト張力保持率の評価における走行試験のレイアウトである。
符号の説明
1 Vリブドベルト
2 伸張部
3 カバー帆布
4 心線
5 クッションゴム層
6 圧縮部
7 リブ
10 多軸駆動装置
11 駆動軸
12 従動軸
13 発電機
14 従動軸
16 駆動プーリ
17 従動プーリ
18 従動プーリ

Claims (9)

  1. 伸張部とベルト周方向に延びる複数のリブを有する圧縮部との間にベルト長手方向に沿って心線を埋設したベルトであって、前記心線がポリトリメチレンテレフタレート繊維とポリエチレンテレフタレート繊維から構成されることを特徴とするVリブドベルト。
  2. 前記心線がポリトリメチレンテレフタレート繊維とポリエチレンテレフタレート繊維を混撚りしたコードである請求項1記載のVリブドベルト。
  3. 前記心線が諸撚り構造であって、下撚りコードはポリトリメチレンテレフタレート繊維とポリエチレンテレフタレート繊維を混撚りしたコードである請求項2記載のVリブドベルト。
  4. 下撚りコードは繊度が400〜1,500dtexのポリトリメチレンテレフタレート繊維と繊度が400〜1,500dtexのポリエチレンテレフタレート繊維を混撚りしたコードである請求項3記載のVリブドベルト。
  5. 前記心線を構成するポリトリメチレンテレフタレート繊維とポリエチレンテレフタレート繊維との繊度比が3:7〜7:3である請求項1〜4のいずれか1項に記載のVリブドベルト。
  6. 前記心線の総繊度が4,000〜12,000dtexである請求項1〜5のいずれか1項に記載のVリブドベルト。
  7. Vリブドベルトを2%伸張させるのに必要な引張力が100〜250N/リブであって、そしてベルトに147N/5本コードの初荷重をかけ、100℃雰囲気下30分放置した後に発生したベルト乾熱時収縮力が50〜150N/5本コードである請求項1〜6のいずれか1項に記載のVリブドベルト。
  8. 多軸駆動装置に用いられる請求項1〜7のいずれか1項に記載のVリブドベルト。
  9. エンジンのクランク軸を駆動軸とし、少なくとも従動軸の一つに大きな回転慣性を有する発電機を備え、かつオートテンショナーを装置しない多軸駆動装置の駆動プーリと、少なくとも一つの従動プーリに懸架して使用される請求項8記載のVリブドベルト。
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