JP2005187908A - 粉末冶金用の鉄基粉末混合物 - Google Patents

粉末冶金用の鉄基粉末混合物 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄基粉末混合物を加熱することなしに、また金型については表面温度を80℃程度以下に制御するだけで、密度が7.35 Mg/m3以上の高密度成形体を得る。
【解決手段】鉄粉に、黒鉛粉および潤滑剤を添加した鉄基粉末混合物において、鉄粉として、中心部の硬さがマイクロビッカース硬さHv で75以下である鉄粉を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、粉末冶金用の鉄基粉末混合物に関し、特に表面温度が80℃程度以下の金型を用いて、また鉄基粉末混合物を加熱する必要なしに、高密度の鉄基粉末成形体の有利な製造を可能ならしめようとするものである。
鉄基粉末成形体は、鉄粉に、銅粉や黒鉛粉などの合金粉末と、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸鉛などの潤滑剤を混合した鉄基粉末混合物を、金型に充填したのち、加圧成形して製造されるのが一般的である。かような成形体の密度としては 6.6〜7.1 Mg/m3 が一般的である。
ついで、かかる鉄基粉末成形体は、焼結処理によって焼結体とされ、さらに必要に応じてサイジングや切削加工が施されて粉末冶金製品とされる。また、高強度が必要な場合には、焼結後に浸炭熱処理や光輝熱処理が施されることもある。
かような粉末冶金技術により、高い寸法精度で複雑な形状の部品をニアネット形状に生産することが可能となり、従来の製造法に比べて切削コストの大幅な低減が可能となった。
さらに、最近では、切削加工の省略によるコスト削減のために一層の高寸法精度化が、また部品の小型軽量化のために一層の高強度化が、鉄系の粉末冶金製品に対して強く要求されている。
粉末冶金製品(焼結部品)の高強度化に対しては、成形体の高密度化による焼結部品の高密度化が有効である。すなわち、焼結部品の密度が高いほど、部品中の空孔が減少し、引張強さや衝撃値、疲労強度などの機械的特性が向上する。
鉄基粉末成形体の高密度化を可能にする成形方法としては、鉄基粉末混合物を、常法に従って成形、焼結したのち、さらに成形、焼結を繰り返して行う2回成形2回焼結法や、1回成形1回焼結後、熱間で鍛造する焼結鍛造法などが提案されている。
また、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4には、金属粉末を加熱しつつ成形する温間成形技術が開示されている。この温間成形技術は、温間成形時に潤滑剤の一部または全部を溶融させて粉末粒子間に潤滑剤を均一に分散させ、粒子間および成形体−金型間の摩擦抵抗を低減して成形性を向上させようとするものであり、上述した高密度成形体の製造方法の中ではコスト的には最も有利であると考えられている。
この温間成形技術によれば、純鉄粉に、2質量%の銅粉と 0.8質量%の黒鉛粉、 0.6質量%の潤滑剤を混合した鉄基粉末混合物を、 150℃で 7 t/cm2(686 MPa)の圧力で成形した場合に、密度が 7.30 Mg/m3 程度の成形体が得られている。
特開平2−156002号公報 特公平7−103404号公報 米国特許第 5,256,185号明細書 米国特許第 5,368,630号明細書
さらに、特許文献5には、常温または温間成形において、帯電させた潤滑剤を金型表面に塗布し、その分鉄基粉末混合物中の潤滑剤量を低減することによって、より高密度の成形体を成形する技術が開示されている。
しかしながら、この方法では、塗布する潤滑剤の種類が単体であるため、その融点前後で潤滑剤の形態が変わり、潤滑機能が著しく変化する。このため、成形温度範囲が潤滑剤の融点によって限定されるという問題があった。また、潤滑剤を金型表面に塗布し、鉄基粉末混合物中の潤滑剤量を低減したとしても、混合する潤滑剤の成分によっては添加量の減少に伴って潤滑効果が低下し、成形体密度の向上が達成できないという問題も生じている。
特開平8−100203号公報
そこで、特許文献6では、塗布する潤滑剤の融点を適正に調整することによって、温間成形により高密度の鉄基粉末成形体を製造する方法が提案されている。この方法によれば、純鉄粉に2質量%の銅粉と 0.8質量%の黒鉛、 0.6質量%の潤滑剤を混合した鉄基粉末混合物を、 130〜160 ℃で 7 t/cm2(686 MPa)の圧力で成形した場合に、密度が7.35〜7.40 Mg/m3程度の高密度成形体を得ることができる。
特開2000−290703号公報
さらに、自動車用部品の製造コストという観点からは、上記と同程度の高密度の成形体を、1回の成形で、より安価に製造できる高密度鉄基粉末成形体の製造技術の開発が望まれている。
上述した温間成形と金型潤滑を組み合わせた工法(以下、温間金型潤滑成形法という)により、1回の成形で、高密度成形体の製造が可能となった。しかしながら、この工法は、金型と鉄基粉末混合粉を 100〜150 ℃程度に精度良く加熱する装置と、潤滑剤を金型に塗布する装置が必要であり、焼結体のコストを下げる観点からは問題が残る。
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、表面温度が80℃程度以下の金型を用い、しかも鉄基粉末混合物については加熱することなしに成形した場合であっても、密度が7.35 Mg/m3以上の高密度成形体を製造することができる粉末冶金用の鉄基粉末混合物を提案することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の課題を解決すべく、鉄粉そのものの物性について鋭意検討を行った。
その結果、鉄粉の中心部の硬さを、ビッカース硬さHv で75以下に制御することにより、鉄粉は室温のまま、一方金型は表面温度:80℃程度以下のものを用いることによって、密度が7.35 Mg/m3以上、より好適には 7.4 Mg/m3以上の高密度成形体が得られることの知見を得た。
上記した鉄粉を鉄基粉末混合物に用いることによって、優れて高い成形密度が得られる理由は、Hv で75以下と硬さを制限された鉄粉は、従来の鉄粉よりも塑性変形程度が大きいためと考えられる。というのは、成形体密度は、鉄粉、黒鉛粉、潤滑剤の各粒子の変形が充てん時の空隙を埋めることで高くなるところ、 7.4 Mg/m3以上と優れて高い成形密度は、各粒子の中でも硬い粒子である鉄粉の変形(塑性変形)の寄与が大きいからである。
なお、室温の金型を用いて、室温の鉄粉を成形すると、鉄粉と金型の摩擦熱によって金型の表面温度は60〜80℃程度まで上昇する。従って、鉄粉の温度は室温で、かつ表面温度が80℃程度以下の金型を用いて成形するということは、実質的に粉末冶金製造業者における通常の成形条件とはぼ同一と見なせる。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.中心部の硬さがビッカース硬さHv で75以下である鉄粉に、黒鉛粉および潤滑剤を添加したことを特徴とした粉末冶金用の鉄基粉末混合物。
2.中心部の硬さがビッカース硬さHv で75以下である鉄粉に、Ni粉、Mo粉およびCu粉のうちから選んだ少なくとも一種の合金粉末と、黒鉛粉および潤滑剤を添加したことを特徴とした粉末冶金用の鉄基粉末混合物。
3.Ni、MoおよびCuのうちから選んだ少なくとも一種の合金成分を表面に部分合金化した、中心部の硬さがビッカース硬さHv で75以下である鉄粉に、黒鉛粉および潤滑剤を添加したことを特徴とした粉末冶金用の鉄基粉末混合物。
4.中心部の硬さがビッカース硬さHv で75以下である鉄粉のうち、粒径が45μm 以下の割合が15質量%以下であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の粉末冶金用の鉄基粉末混合物。
本発明の鉄基粉末混合物によれば、該鉄基粉末混合物を加熱することなしに、また金型については表面温度を80℃程度以下に制御するだけで、密度が7.35 Mg/m3以上の高密度成形体を得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
通常、鉄基粉末混合物の形態には、
(1) 鉄粉を主要成分とし、これに黒鉛粉および潤滑剤を添加したもの、
(2) 鉄粉にNi粉やMo粉およびCu粉などの合金粉末を混合した混合粉を主要成分とし、これに黒鉛粉および潤滑剤を添加したもの、
(3) 鉄粉の表面にNiやMo, Cuなどを拡散させた、いわゆる部分合金化鉄粉を主要成分とし、これに黒鉛粉および潤滑剤を添加したもの
などがあるが、本発明は、これらのどの形態にも適用することができる。
そして、本発明では、上記した鉄基粉末混合物において、主要成分として用いる鉄粉について、その中心部の硬さをビッカース硬さHv で75以下とすることが重要である。というのは、鉄粉の中心部の硬さが75Hv を超えると、本発明で所期したほど高密度な成形体が得られないからである。
硬さの測定試料となる鉄粉は、熱硬化性樹脂に埋め込み研磨することによって中心部を含むほぼ円形の断面を露出させ、円形の中心に該当する位置をJIS Z 2244ビッカース硬さ試験−試験方法に準拠して、負荷荷重:0.245 N(25g)で測定する。なお、測定する鉄粉は、10試料用意し、各1個の鉄粉は1箇所だけ測定して、合計10箇所測定する。そして得られた10点の測定値を平均して中心部ビッカース硬さHv とする。
なお、従来の一般的な製造法で得られたアトマイズ鉄粉や還元鉄粉では、その中心部におけるビッカース硬さを75Hv 以下とすることは難しかった。
そこで、本発明では、鉄粉に対し2段焼鈍を適用して、上記の要件を満足するようにした。
すなわち、例えばアトマイズ鉄粉や還元鉄粉等の純鉄粉に対し、まず露点:5〜30℃程度の水素雰囲気中で 900〜1000℃、 0.5〜2時間程度の焼鈍を施し、引き続き同じ雰囲気中にて、最初の焼鈍温度よりも50〜300 ℃程度低い、 700〜850 ℃程度の温度で、 0.5〜2時間程度の2回目の焼鈍を施すのである。
かくして、中心部の硬さがビッカース硬さHv で75以下の鉄粉を得ることができる。
また、上記の鉄粉においては、粒径が45μm 以下の微細粉の割合は少ない方が好ましい。通常の鉄粉では、45μm 以下の割合は、鉄粉全体で15〜30質量%程度であるが、成形体の密度を向上させるためには、15質量%以下とすることが好ましい。そして、この効果は、中心部のビッカース硬さが75Hv 以下の鉄粉を使用した場合に特に顕著となる。
なお、上記したような粒度調整は、篩分けによって、容易に行うことができる。
上記したビッカース硬さが75Hv 以下の鉄粉は、成形体密度および焼結体密度の向上には極めて有利ではあるが、機械的強度の面では十分とはいい難いので、焼結体の機械的強度を高めるために、黒鉛粉、あるいはさらには合金粉末を添加する必要がある。
ここに、機械的強度の改善成分として黒鉛粉を添加する場合、黒鉛粉の比重は 2.3と小さいので、その添加量に配慮する必要があり、黒鉛粉の添加量は、鉄粉(合金粉末を混合した場合には、鉄粉と合金粉末の合計)に対して 0.6質量%以下とすることが好ましい。黒鉛粉の添加量が増加するほど成形体密度は低下する傾向にあるためである。なお、黒鉛粉の添加量の下限値は0.25質量%程度とすることが好適である。
また、機械的強度の改善成分として、黒鉛粉の他に、Ni,Mo,Cuなどの合金成分を添加することもできる。
添加方法については、前述したとおり、合金粉末(Ni粉、Mo粉およびCu粉等)を鉄粉中に混合する方法と合金成分を鉄粉の表面に部分合金化する方法の2通りがある。
合金粉末を鉄粉と混合する場合、その混合量は、鉄粉と合金粉末の合計量に対して3質量%以下とすることが好ましい。混合量が3質量%を超えると、成形体の密度が低下するからである。
一方、部分合金化を利用する場合には、合金化量は、鉄粉と合金成分の合計量に対して6質量%以下とすることが好ましい。合金化量が6質量%を超えると、成形体の密度が低下するからである。なお、この部分合金化鉄粉においても、中心部の合金成分を含まない部分のビッカース硬さを75Hv 以下とする必要があるのは言うまでもない。
その他、本発明では、成形体密度の向上を図ると共に、成形後に成形体を金型から容易に抜き出し可能とするために、潤滑剤を添加する。
かかる潤滑剤の添加量は、鉄基粉末混合物全量に対して 0.2〜0.5 質量%程度とすることが好ましい。というのは、潤滑剤の添加量が、混合物全体で 0.2質量%に満たないと十分な潤滑効果が得られず、一方 0.5質量%を超えると成形体の密度が低下するからである。その理由は、鉄粉の比重が 7.8 g/cm3であるのに対し、潤滑剤の比重は1g/cm3 程度と小さいことにある。
ここに、潤滑剤としては、金属石鹸、アミド系ワックスおよび共溶融物が有利に適合である。ここに、金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸リチウム等が、アミド系ワックスとしては、エチレンビスステアロアミド、ステアリン酸モノアミドなどのアミド系ワックスとしては、エチレンビスステアロアミドおよびステアリン酸モノアミド等が、共溶融物としては、エチレンビスステアロアミドとポリエチレンの共溶融物、エチレンビスステアロアミドとステアリン酸亜鉛の共溶融物およびエチレンビスステアロアミドとステアリン酸カルシウムの共溶融物が好適である。
また、本発明では、鉄粉の表面に、黒鉛粉や合金粉末を固着するために、結合剤を添加することができる。
この結合剤の添加量は、鉄基粉末混合物全量に対して0.05〜0.40質量%程度とすることが好ましい。というのは、結合剤の添加量が、0.05質量%に満たないと、黒鉛粉の偏析防止効果が小さく、一方0.40質量%を超えると鉄基粉末混合物の流動性が低下するからである。
ここに、結合剤としては、ステアリン酸、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ステアリン酸アミドとエチレンビスステアリン酸アミドとの溶融混合物、エチレンビスステアリン酸アミドなどが有利に適合する。また、オレイン酸、スピンドクル油およびタービン油等とステアリン酸亜鉛からなる溶融混合物を結合剤として使用することもできる。
さらに、本発明では、上記の成分の他、潤滑性のより一層の向上のために、遊離潤滑剤を含有させることもできる。なお、遊離潤滑剤とは、鉄基粉末混合物中で、鉄基粉末や合金粉末と結合せず、遊離して存在する潤滑剤のことである。
かような遊離潤滑剤としては、ステアリン酸、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ステアリン酸アミドとエチレンビスステアリン酸アミドとの溶融混合物、エチレンビスステアリン酸アミド、分子量1万以下のポリエチレン、エチレンビスステアリン酸アミドと分子量1万以下のポリエチレンとの溶融混合物が有利に適合する。
そして、この遊離潤滑剤は、上記した結合剤との合計量で、鉄基粉末混合物全量に対して 0.5質量%以下とすることが好ましい。この合計量が0.5 質量%を超えると成形体密度の低下を招くからである。
次に、本発明の鉄基粉末混合物を用いた成形体および焼結体の製造工程について説明する。
本発明の鉄基粉末混合物を、表面温度が80℃以下の金型に充填したのち、加圧成形して、鉄基粉末成形体とする。この時、鉄基粉末混合物は室温で金型に供給される。
なお、加圧成形に際しては、金型の表面温度を60〜80℃程度に制御することがより好適である。というのは、本発明の鉄基粉末混合物は、室温で成形した場合よりも、60〜80℃で成形した場合の方が、成形体密度が一層向上するからである。さらに、金型温度を一定に制御すれば、成形体密度のばらつきが小さくなり、一層好ましい。
ついで、上記のようにして得られた高密度鉄基粉末成形体に、焼結処理を施して、高密度の焼結体とする。焼結処理については、特に限定されることはなく、従来公知の焼結処理方法いずれもが好適に使用できる。また、焼結処理後に、ガス浸炭熱処理や浸炭窒化処理等の熱処理を適用することも可能である。
表1に示す基本組成になる鉄粉を、水アトマイズ法により製造した。ついで、得られたアトマイズ鉄粉を、乾燥後、露点:20℃の水素雰囲気中で 950℃, 1時間の焼鈍を施し、解砕した。その後、一部の試料については、さらに同じ雰囲気中にて 700〜850 ℃、0.75〜1.25時間の焼鈍を施した。この2回目の焼鈍条件を変更することにより、鉄粉の中心部の硬度を種々に変化させた。なお、表1では、2回目の焼鈍を行った一部の試料については、焼鈍方法を2回焼鈍と記載し、それ以外は1回焼鈍と記載する。
また、鋼種J,Kについては、その後に部分合金化処理を施した。
表2に、各鉄粉の中心部硬さ、粒度分布および成形体密度について調べた結果を示す。
鉄粉中心部の硬さは、鉄粉:10個を2液型の熱硬化性樹脂に混合し、樹脂が硬化した後、鉄粉の中心部断面を露出させ、該断面に、JIS Z 2244に準拠して、負荷荷重:0.245 N(25g)をかけて、ビッカース硬度計で10点測定した値の平均値である。
また、粒度分布は、鉄粉を水素中にて 800℃, 1時間熱処理した後、解砕し、表2に示す種々の大きさの篩により篩分けして測定した。なお、この篩分けにおいて、例えば+45/−63μm とは、目開きが63μm の篩は通過したが、目開きが45μm の篩は通過しなかったこと、すなわち粒径が45μm 以上、63μm 未満の鉄粉の割合を意味する。
ついで、上記の鉄粉:100 質量部に、ステアリン酸アミドとエチレンビスステアリン酸アミドとの溶融混合物:0.2 質量%を結合剤として、粒径が11μm の天然黒鉛粉:0.3 質量%を鉄粉表面に固着させ、遊離潤滑剤として粒径:25μm のエチレンビスステアリン酸アミドの造粒粉:0.2 質量%を加えて、鉄基粉末混合物を作成した。なお、粒径は、レーザー回折式の粒度分布計で求めた。
この鉄基粉末混合物を、表面温度を60℃に制御した金型に充填し、686 MPa の成形圧力で11.3mmφ×10mmの円柱形状の成形体を作成した。
かくして得られた成形体の密度を測定した結果を表2に併記する。
Figure 2005187908
Figure 2005187908
表2に示したとおり、本発明に従う鉄基粉末混合物を用いた発明例はいずれも、1回の成形で密度が 7.35 Mg/m3 以上の高密度成形体が得られることが分かる。
これに対し、鉄粉の中心部の硬さがビッカース硬さで75Hv を超える比較例はいずれも、成形体の密度が 7.35 Mg/m3 に満たなかった。
また、表2中、No.6の混合物:100 質量部に、さらに粒径が20μm のCu粉を1質量%混合した鉄基粉末混合物を用いて、同様にして、11.3mmφ×10mmの円柱形成形体を作成したところ、得られた成形体の密度は 7.37 Mg/m3 であった。
従って、主要成分として、鉄粉とCu粉を混合した混合粉を用いた場合であっても、本発明の要件を満足する場合には、高い成形体密度が得られることが分かる。

Claims (4)

  1. 中心部の硬さがビッカース硬さHv で75以下である鉄粉に、黒鉛粉および潤滑剤を添加したことを特徴とした粉末冶金用の鉄基粉末混合物。
  2. 中心部の硬さがビッカース硬さHv で75以下である鉄粉に、Ni粉、Mo粉およびCu粉のうちから選んだ少なくとも一種の合金粉末と、黒鉛粉および潤滑剤を添加したことを特徴とした粉末冶金用の鉄基粉末混合物。
  3. Ni、MoおよびCuのうちから選んだ少なくとも一種の合金成分を表面に部分合金化した、中心部の硬さがビッカース硬さHv で75以下である鉄粉に、黒鉛粉および潤滑剤を添加したことを特徴とした粉末冶金用の鉄基粉末混合物。
  4. 中心部の硬さがビッカース硬さHv で75以下である鉄粉のうち、粒径が45μm 以下の割合が15質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粉末冶金用の鉄基粉末混合物。
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