JP2005187613A - 封止用樹脂組成物および電子部品装置 - Google Patents
封止用樹脂組成物および電子部品装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005187613A JP2005187613A JP2003429822A JP2003429822A JP2005187613A JP 2005187613 A JP2005187613 A JP 2005187613A JP 2003429822 A JP2003429822 A JP 2003429822A JP 2003429822 A JP2003429822 A JP 2003429822A JP 2005187613 A JP2005187613 A JP 2005187613A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- resin composition
- weight
- sealing
- sealing resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
【課題】優れた熱放散性、熱伝導性を有し、かつ、成形性や耐湿性等も良好な封止用樹脂組成物、およびそれを用いた電子部品装置を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)窒化ケイ素および(E)酸化チタンを含有する封止用樹脂組成物、およびこれを用いた電子部品装置であり、また、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)窒化ケイ素、(E)酸化チタンおよび(F)結晶シリカを含有する封止用樹脂組成物、およびこれを用いた電子部品装置である。
【選択図】なし
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)窒化ケイ素および(E)酸化チタンを含有する封止用樹脂組成物、およびこれを用いた電子部品装置であり、また、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)窒化ケイ素、(E)酸化チタンおよび(F)結晶シリカを含有する封止用樹脂組成物、およびこれを用いた電子部品装置である。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体等の電子部品の封止材料として使用される樹脂組成物およびこれを用いた電子部品装置に関する。
従来より、ダイオード、トランジスタ、コンデンサ、集積回路等の半導体装置においては、熱硬化性樹脂による封止が広く行われている。これは、ガラス、金属、セラミック等を用いたハーメチックシール方式に比較して経済性に優れていることがその主な理由である。封止樹脂としては、熱硬化性樹脂のなかでもエポキシ樹脂が一般に用いられており、特に、フェノール樹脂を硬化剤としたエポキシ樹脂が、酸無水物や芳香族アミンなどの他の硬化剤を使用したものに比べて、成形性、耐湿性に優れ、毒性がなく、また、安価であることから多用されている。
ところで、近年、半導体装置の分野においては、高輝度発光ダイオード(LED)が開発されるなど、高輝度化、高密度化、大電力化が進んでおり、それに伴い、熱放散性、熱伝導性により優れた封止用樹脂材料が要望されてきている。
そこで、例えば、熱伝導率の高い結晶シリカやアルミナを充填剤として配合したエポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。しかしながら、これらの組成物は、特定の充填剤の使用により熱伝導性のある程度の向上は認められたものの、その効果は十分に満足できるものではなかった。
特開平8−245755号公報
特開平10−30049号公報
上述したように、近年、熱放散性、熱伝導性により優れた封止用樹脂材料が要求されてきているが、未だ十分に満足できるものは得られていない。
本発明はこのような従来の事情に対処してなされたもので、近年の半導体装置における高輝度化、高密度化、大電力化に十分に対応可能な優れた熱放散性、熱伝導性を有し、かつ、成形性や耐湿性等も良好な封止用樹脂組成物、およびそれを用いた電子部品装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、窒化ケイ素と酸化チタン、あるいは、窒化ケイ素と酸化チタンと結晶シリカとを併用することにより、成形性や耐湿性等の特性を低下させることなく、熱放散性、熱伝導性を十分に向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願の請求項1に記載の発明の封止用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)窒化ケイ素および(E)酸化チタンを含有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の封止用樹脂組成物において、硬化物の白色度が50%以上であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の封止用樹脂組成物において、(D)成分の含有量が全体の20〜80重量%、(E)成分の含有量が全体の5〜35重量%であって、かつ、(D)成分および(E)成分の合計量が全体の55〜95重量%であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2記載の封止用樹脂組成物において、(F)結晶シリカをさらに含有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の封止用樹脂組成物において、(F)成分の平均粒径が5〜50μmであることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5記載の封止用樹脂組成物において、(D)成分の含有量が全体の20〜80重量%、(E)成分の含有量が全体の5〜35重量%、(F)成分の含有量が全体の1〜50重量%であって、かつ、(D)成分、(E)成分および(E)成分の合計量が全体の55〜95重量%であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の封止用樹脂組成物において、(D)成分の平均粒径が5〜50μmであることを特徴とする。
本願の請求項8に記載の発明の電子部品装置は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の封止用樹脂組成物の硬化物によって電子部品が封止されてなることを特徴とする。
本発明によれば、熱放散性、熱伝導性に優れ、かつ、成形性や耐湿性等の特性も良好な封止用樹脂組成物およびそれを用いた高信頼性の電子部品装置を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の封止用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)窒化ケイ素および(E)酸化チタンを含有するものである。
(A)成分のエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば、分子構造、分子量等に制限されることなく一般に使用されているものを広く用いることができる。具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素変性エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。本発明においては、なかでも下記一般式[I]で示されるノボラック系のエポキシ樹脂の使用が好ましい。
(B)成分のフェノール樹脂硬化剤としては、(A)成分のエポキシ樹脂のエポキシ基と反応し得るフェノール性水酸基を分子中に2個以上有するものであれば、特に制限されることなく使用される。具体的には、フェノール、アルキルフェノール等のフェノール類とホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドを反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等、これらの変性樹脂、例えばエポキシ化もしくはブチル化したノボラック型フェノール樹脂等、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂、フェノール類とベンズアルデヒド、ナフチルアルデヒド等との縮合物、トリフェノールメタン化合物、多官能型フェノール樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。本発明においては、なかでもノボラック型フェノール樹脂の使用が好ましい。
この(B)成分のフェノール樹脂硬化剤の配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂が有するエポキシ基数(a)と(B)成分のフェノール樹脂硬化剤が有するフェノール性水酸基数(b)との比(a)/(b)が0.1〜10となる範囲が好ましく、0.5〜2となる範囲であるとより好ましい。(a)/(b)が0.1未満もしくは10を超えると、耐湿性、耐熱性、成形性、硬化物の電気特性等が低下する。
(C)成分の硬化促進剤としては、フェノール樹脂硬化剤を用いてエポキシ樹脂を硬化させる際に使用される硬化促進剤として知られているものであれば特に制限されることなく使用される。具体的には、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン等の有機ホスフィン化合物、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン化合物、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4、5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。本発明においては、流動特性等の観点から、イミダゾール化合物の使用が特に好ましい。
この(C)成分の硬化促進剤は、全組成物中に0.01〜5重量%配合することが好ましく、0.1〜1重量%配合するとより好ましい。配合量が組成物全体の0.01重量%に満たないと、ゲルタイムが長く、硬化特性も不良となる。また、5重量%を超えると、硬化速度が速くなりすぎて成形に支障をきたすようになるうえ、電気特性や耐湿性も低下する。
(D)成分の窒化ケイ素および(E)成分の酸化チタンは、併用することによって本発明の組成物に優れた熱伝導性を付与する成分であるが、いずれも信頼性の観点から、できるだけ高純度のものを使用することが好ましい。また、流動性や作業性の観点から、(D)成分の窒化ケイ素は、平均粒径が5〜50μmであることが好ましく、平均粒径が
10〜40μmであるとより好ましい。一方、(E)成分の酸化チタンは、平均粒径が0.05〜1μmのものが一般に使用されるが、高い白色度が要求される場合には、平均粒径が0.2〜0.4μmであることが好ましい。なお、(E)成分の酸化チタンは、アナタース型、ルチル型のいずれであってもよい。
10〜40μmであるとより好ましい。一方、(E)成分の酸化チタンは、平均粒径が0.05〜1μmのものが一般に使用されるが、高い白色度が要求される場合には、平均粒径が0.2〜0.4μmであることが好ましい。なお、(E)成分の酸化チタンは、アナタース型、ルチル型のいずれであってもよい。
(D)成分の窒化ケイ素の配合量は、全組成物中に20〜80重量%配合することが好ましく、30〜60重量%配合するとより好ましい。配合量が組成物全体の20重量%に満たないと、熱伝導率が小さくなるとともに、熱膨張係数が大きくなり、それに伴い収縮率が大きくなって、製品に反りが発生しやすくなる。逆に、80重量%を超えると、カサバリが大きくなり、成形性が低下する。
また、(E)成分の酸化チタンは、全組成物中に5〜35重量%配合することが好ましく、10〜30重量%配合するとより好ましい。配合量が組成物全体の5重量%に満たないと、熱伝導率が小さくなり、白色度も低下する。逆に、35重量%を超えると成形性が低下する。
さらに、上記(D)成分および(E)成分の合計量が全体の55〜95重量%であることが好ましく、60〜80重量%であるとより好ましい。合計量が55重量%に満たないと、熱伝導率が小さくなり、逆に、95重量%を超えると、カサバリが大きくなり、成形性が低下する。
本発明の封止用樹脂組成物においては、成形性の向上およびコストの低減を図る目的で、(F)結晶シリカをさらに含有することができる。この(F)成分の結晶シリカとしても、(D)成分の窒化ケイ素や(E)成分の酸化チタンと同様、信頼性の観点から、できるだけ高純度のものを使用することが好ましく、また、流動性や作業性の観点から、平均粒径が5〜50μmであることが好ましく、平均粒径が10〜35μmであるとより好ましい。さらに、その配合量は、成形性の観点から、全組成物中に1〜50重量%配合することが好ましく、10〜20重量%配合するとより好ましい。
なお、このような結晶シリカを配合する場合には、(D)成分、(E)成分および(F)成分の合計量が全体の55〜95重量%とすることが好ましく、60〜80重量%とするとより好ましい。合計量が55重量%に満たないと、熱伝導率が小さくなり、逆に、95重量%を超えると、カサバリが大きくなり、成形性が低下する。
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記(D)乃至(F)成分以外の無機充填剤を併用することができる。このような無機充填剤としては、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
さらに、本発明の封止用樹脂組成物には、以上の各成分の他、この種の組成物に一般に配合される、シランカップリング剤、合成ワックス、天然ワックス、直鎖脂肪族の金属塩、酸アミド、エステル類等の離型剤、臭素化エポキシ樹脂に代表される臭素系難燃剤、縮合リン酸エステルに代表されるリン系難燃剤、無機系難燃剤等の難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力付与剤、2,6−ジブチル−4−メチルフェノール等の酸化防止剤等を、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて配合することができる。
シランカップリング剤としては、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロプロピル)トリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
本発明の封止用樹脂組成物を調製するにあたっては、上記したような(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)窒化ケイ素および(E)酸化チタン、あるいは、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)窒化ケイ素、(E)酸化チタンおよび(F)結晶シリカと、前述した必要に応じて配合される各種成分とを、ミキサー等によって十分に混合した後、熱ロールやニーダ等により溶融混練し、冷却後適当な大きさに粉砕するようにすればよい。
本発明の電子部品装置は、上記の封止用樹脂組成物を用いて電子部品を封止することにより製造することができる。封止を行う電子部品としては、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトコンダクタ、フォトサイリスタ、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、コンデンサ等が例示される。封止方法としては、低圧トランスファー法が一般的であるが、射出成形、圧縮成形、注型等による封止も可能である。封止用樹脂組成物で封止後は、加熱して硬化させ、最終的にその硬化物によって封止された電子部品装置が得られる。後硬化させる際の加熱温度は、150℃以上とすることが好ましい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない
実施例1〜3、比較例1〜3
下記に示すエポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、並びに、平均粒径20μmの窒化ケイ素粉末(電気化学社製 商品名SN−F)、平均粒径25μmの結晶シリカ粉末(龍森社製 商品名3KS)、平均粒径0.3μmのルチル型酸化チタン(石原産業社製 商品名CR)、難燃助剤として三酸化アンチモン(三国精錬社製 商品名MSE)、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(四国化成社製 商品名2MZ−P)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製 商品名A−187)および離型剤としてカルバナワックスを用い、表1に示す配合割合で封止用樹脂組成物を製造した。
下記に示すエポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、並びに、平均粒径20μmの窒化ケイ素粉末(電気化学社製 商品名SN−F)、平均粒径25μmの結晶シリカ粉末(龍森社製 商品名3KS)、平均粒径0.3μmのルチル型酸化チタン(石原産業社製 商品名CR)、難燃助剤として三酸化アンチモン(三国精錬社製 商品名MSE)、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(四国化成社製 商品名2MZ−P)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製 商品名A−187)および離型剤としてカルバナワックスを用い、表1に示す配合割合で封止用樹脂組成物を製造した。
すなわち、まず、ヘンシェルミキサ中で無機充填剤をシランカップリング剤で処理し、次いで、他の成分を常温で混合した後、60〜130℃の加熱ロールを用いて加熱混練し、冷却後、粉砕して封止用樹脂組成物を製造した。
エポキシ樹脂A:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(住友化学社製 商品名ESCN−195XL、エポキシ当量195)
エポキシ樹脂B:テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂
(大日本インキ化学工業社製 商品名EPICLON、エポキシ当量400)
フェノール樹脂硬化剤:フェノールノボラック樹脂
(昭和高分子社製 商品名BRG、水酸基当量104)
エポキシ樹脂A:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(住友化学社製 商品名ESCN−195XL、エポキシ当量195)
エポキシ樹脂B:テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂
(大日本インキ化学工業社製 商品名EPICLON、エポキシ当量400)
フェノール樹脂硬化剤:フェノールノボラック樹脂
(昭和高分子社製 商品名BRG、水酸基当量104)
上記各実施例および各比較例で得られた封止用樹脂組成物について、下記に示す方法で各種特性を評価した。
[熱伝導性]
封止用樹脂組成物を175℃、2分間の条件でトランスファー成形し、次いで175℃、8時間の後硬化を行って直径100mm、厚さ25mmの円板状試験体を作製し、京都電子工業社製の熱伝導率計QTM−D3により熱伝導率を測定し、以下の基準で評価した。
評価基準 ◎:4.0 W/m・K以上
○:3.0 W/m・K以上、4.0 W/m・K未満
△:2.0 W/m・K以上、3.0 W/m・K未満
×:2.0 W/m・K未満
[成形性]
封止用樹脂組成物をDIP16pinパッケージ用金型を用いて175℃、2分間の条件でトランスファー成形し、金型への充填性を以下の基準で評価した。
評価基準 ○:非常に良好
△:良好
×:不良
[白色度]
封止用樹脂組成物を175℃、80kg/cm2、2分間の条件でトランスファー成形して試験片を作製し、JASCO社製の分光光度計V−570により波長850nmの光反射率を測定し、標準球(硫酸バリウム)との比(%)を算出して、以下の基準で評価した。
評価基準 ○:60%以上
△:50%以上、60%未満
×:50%未満
[耐湿性]
封止用樹脂組成物を用いて、2本のアルミニウム配線を有する半導体チップを、175℃、3分間のトランスファー成形および175℃、8時間の後硬化により封止した後、得られた成形品に127℃、2.5atm(約0.25MPa)の飽和水蒸気中で耐湿性試験(PCT)を行い、アルミニウム腐食による50%断線不良が発生するまでの時間を測定し、以下の基準で評価した(試料数各100個)。
評価基準 ○:200時間以上
×:200時間未満
[熱伝導性]
封止用樹脂組成物を175℃、2分間の条件でトランスファー成形し、次いで175℃、8時間の後硬化を行って直径100mm、厚さ25mmの円板状試験体を作製し、京都電子工業社製の熱伝導率計QTM−D3により熱伝導率を測定し、以下の基準で評価した。
評価基準 ◎:4.0 W/m・K以上
○:3.0 W/m・K以上、4.0 W/m・K未満
△:2.0 W/m・K以上、3.0 W/m・K未満
×:2.0 W/m・K未満
[成形性]
封止用樹脂組成物をDIP16pinパッケージ用金型を用いて175℃、2分間の条件でトランスファー成形し、金型への充填性を以下の基準で評価した。
評価基準 ○:非常に良好
△:良好
×:不良
[白色度]
封止用樹脂組成物を175℃、80kg/cm2、2分間の条件でトランスファー成形して試験片を作製し、JASCO社製の分光光度計V−570により波長850nmの光反射率を測定し、標準球(硫酸バリウム)との比(%)を算出して、以下の基準で評価した。
評価基準 ○:60%以上
△:50%以上、60%未満
×:50%未満
[耐湿性]
封止用樹脂組成物を用いて、2本のアルミニウム配線を有する半導体チップを、175℃、3分間のトランスファー成形および175℃、8時間の後硬化により封止した後、得られた成形品に127℃、2.5atm(約0.25MPa)の飽和水蒸気中で耐湿性試験(PCT)を行い、アルミニウム腐食による50%断線不良が発生するまでの時間を測定し、以下の基準で評価した(試料数各100個)。
評価基準 ○:200時間以上
×:200時間未満
表1からも明らかなように、実施例の封止用樹脂組成物は、熱伝導性が良好で、かつ、白色度や成形性、耐湿性にも優れている。
Claims (8)
- (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)窒化ケイ素および(E)酸化チタンを含有することを特徴とする封止用樹脂組成物。
- 硬化物の白色度が50%以上であることを特徴とする請求項1記載の封止用樹脂組成物。
- (D)成分の含有量が全体の20〜80重量%、(E)成分の含有量が全体の5〜35重量%であって、かつ、(D)成分および(E)成分の合計量が全体の55〜95重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の封止用樹脂組成物。
- (F)結晶シリカをさらに含有することを特徴とする請求項1または2記載の封止用樹脂組成物。
- (F)成分の平均粒径が5〜50μmであることを特徴とする請求項4記載の封止用樹脂組成物。
- (D)成分の含有量が全体の20〜80重量%、(E)成分の含有量が全体の5〜35重量%、(F)成分の含有量が全体の1〜50重量%であって、かつ、(D)成分、(E)成分および(E)成分の合計量が全体の55〜95重量%であることを特徴とする請求項4または5記載の封止用樹脂組成物。
- (D)成分の平均粒径が5〜50μmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の封止用樹脂組成物。
- 請求項1乃至7のいずれか1項記載の封止用樹脂組成物の硬化物によって電子部品が封止されてなることを特徴とする電子部品装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003429822A JP2005187613A (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | 封止用樹脂組成物および電子部品装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003429822A JP2005187613A (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | 封止用樹脂組成物および電子部品装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005187613A true JP2005187613A (ja) | 2005-07-14 |
Family
ID=34788369
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003429822A Withdrawn JP2005187613A (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | 封止用樹脂組成物および電子部品装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005187613A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009149879A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-07-09 | Taiyo Ink Mfg Ltd | 白色熱硬化性樹脂組成物、その硬化物を有するプリント配線板、及びその硬化物からなる発光素子用反射板 |
JP2011241279A (ja) * | 2010-05-17 | 2011-12-01 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | エポキシ樹脂組成物並びにプリプレグ、積層板及び配線板 |
JP2013127042A (ja) * | 2011-12-19 | 2013-06-27 | Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd | エポキシ樹脂射出成型材料 |
JP2015036410A (ja) * | 2013-08-15 | 2015-02-23 | 信越化学工業株式会社 | 高誘電率エポキシ樹脂組成物および半導体装置 |
-
2003
- 2003-12-25 JP JP2003429822A patent/JP2005187613A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009149879A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-07-09 | Taiyo Ink Mfg Ltd | 白色熱硬化性樹脂組成物、その硬化物を有するプリント配線板、及びその硬化物からなる発光素子用反射板 |
JP2010275561A (ja) * | 2007-11-30 | 2010-12-09 | Taiyo Holdings Co Ltd | 白色熱硬化性樹脂組成物、その硬化物を有するプリント配線板、及びその硬化物からなる発光素子用反射板 |
JP2011241279A (ja) * | 2010-05-17 | 2011-12-01 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | エポキシ樹脂組成物並びにプリプレグ、積層板及び配線板 |
JP2013127042A (ja) * | 2011-12-19 | 2013-06-27 | Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd | エポキシ樹脂射出成型材料 |
JP2015036410A (ja) * | 2013-08-15 | 2015-02-23 | 信越化学工業株式会社 | 高誘電率エポキシ樹脂組成物および半導体装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2017031371A (ja) | 半導体封止用樹脂組成物および半導体装置 | |
JP5363704B2 (ja) | 封止用エポキシ樹脂及びその用途 | |
JP7126186B2 (ja) | 封止用樹脂組成物、その硬化物、及び半導体装置 | |
JP4774784B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP6142782B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 | |
JP2007099996A (ja) | 封止用樹脂組成物および半導体封止装置 | |
JP2005187613A (ja) | 封止用樹脂組成物および電子部品装置 | |
JPH09241483A (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JP2002003577A (ja) | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2005290111A (ja) | 封止用樹脂組成物および半導体装置 | |
JP2006213849A (ja) | 封止用樹脂組成物および半導体封止装置 | |
JP5162833B2 (ja) | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2006124420A (ja) | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2005281624A (ja) | 封止用樹脂組成物および半導体装置 | |
JP2005112965A (ja) | 封止用樹脂組成物および電子部品装置 | |
JPH0977958A (ja) | エポキシ樹脂組成物および半導体装置 | |
JP2005162826A (ja) | 封止用樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置 | |
JPH10182941A (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JP2004099837A (ja) | 封止用樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置 | |
JP2006057015A (ja) | 封止用樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置 | |
JP2002241587A (ja) | エポキシ樹脂組成物および半導体装置 | |
JP2018135494A (ja) | 光半導体用熱硬化性エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP5435978B2 (ja) | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 | |
JP2912468B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JP2005281623A (ja) | エポキシ樹脂組成物および半導体装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070306 |