JP5162833B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置に関し、特に高温保管特性、耐湿信頼性、耐半田性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び半導体装置に関するものである。
近年の電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場動向において、半導体素子の高集積化が年々進み、半導体素子のサイズは大きくなり配線は微細化している。この様な半導体素子をエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した場合、半導体素子に直接エポキシ樹脂組成物の硬化物が接触するため、温度サイクルによるエポキシ樹脂組成物の硬化物の膨張、収縮によってひずみ応力が発生し、配線のずれやボンディングワイヤーの切断、半導体素子の破壊等の問題が生じる。これらの問題に対してエポキシ樹脂組成物の硬化物の弾性率を低減することによりエポキシ樹脂組成物の硬化物に柔軟性を持たせる必要がある。
また、半導体装置の表面実装化が一般的になってきている現状では、吸湿した半導体装置が半田処理時に高温にさらされ、気化した水蒸気の爆発的応力により半導体装置にクラックが発生することにより、電気的信頼性を大きく損なう不良が生じ、これらの不良の防止、即ち信頼性の向上も大きな課題となっている。
この信頼性の向上を達成するためには、従来から低応力特性を付与するためにゴム粒子などに代表される低応力剤を添加するという方法が知られている。
一方、ダイオード、トランジスタ、集積回路等の電子部品は、主にエポキシ樹脂組成物の硬化物が直接接する形式で封止されているが、エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置を高温下で保管した場合、封止材の構成成分から熱分解したハロゲン化物や分解物などが遊離し、半導体素子の接合部を腐食し、半導体装置の信頼性を損なうことが知られている。このように、半導体装置を高温下(例えば、185℃等)に保管した後の半導体素子の接合部(ボンディングパッド部)の耐腐食性のことを高温保管特性といい、この高温保管特性を改善する手法としては、臭素原子含有難燃剤を使用せずに、水酸化アルミニウムを使用する方法(例えば、特許文献1、2参照。)等が提案され、効果が確認されているが、エポキシ樹脂組成物の種類によっては最近の半導体装置における高温保管特性の高い要求レベルに対しては不満足なものもあった。
半導体装置のクラックを低減する手法としては、半導体封止用エポキシ樹脂組成物にブタジエン系ゴム粒子を添加する方法(例えば、特許文献3参照。)や、共役ジエン系ゴム及びアクリロニトリルなどの液剤を添加する方法(例えば、特許文献4参照。)などが挙げられる。しかし、前者は固体であるために樹脂と相溶又は分散させることが非常で困難であり、後者は熱劣化しやすいために低応力成分に対する酸化防止剤が必要であるが、その酸化防止剤により高温保管特性に悪影響を与えるという欠点をもっていた。
以上の事情から、低応力特性を付与しつつ、高温保管特性に優れ、かつ耐湿信頼性、耐半田性に優れたエポキシ樹脂組成物が求められている。
特開平10−279782号公報(第2〜6頁) 特開平11−323090号公報(第2〜14頁) 特開2003−82241号公報(第2〜11頁) 特開昭62−246920号公報(第1〜7頁)
本発明は、低応力特性に優れ、かつ、高温保管特性、耐湿信頼性、耐半田性にも優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びその硬化物により半導体素子を封止してなる半導体装置を提供することにある。
本発明は、
[1](A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機質充填材、(E)下記一般式(1)で表される両末端にカルボキシル基を有するブタジエン・アクリロニトリル共重合体を主成分とする液状低応力剤を含むエポキシ樹脂組成物であって、更に(F)非リン系酸化防止剤を含み、(F)非リン系酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤であり、(D)無機充填材の含有量は、全エポキシ樹脂組成物中に70重量%以上、90重量%以下であり、(E)成分の配合量が全エポキシ樹脂組成物中に0.01重量%以上1重量%以下であり、(F)成分の配合量は(E)成分に対して0.
01重量%以上、3重量%以下の割合であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
Figure 0005162833
(ただし、上記一般式(1)において、Buはブタジエン残基、ACNはアクリロニトリル残基を表す。xは1未満の正数。yは1未満の正数。x+y=1。zは50〜80の整数。)
[2] 前記(F)非リン系酸化防止剤が前記(E)液状低応力剤に含まれる第[1]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
] 前記(E)成分に含まれるナトリウムイオン量が10ppm以下、塩素イオン量が450ppm以下である請求項第[1]項又は第[]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
] 第[1]項ないし第[]項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を混合及び/又は溶融混練してなる半導体封止用エポキシ樹脂成形材料、
] 第[1]項ないし第[]項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物により半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
である。
本発明に従うと、低応力特性に優れ、かつ、高温保管特性、耐湿信頼性、耐半田性にも優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び半導体装置を得ることができる。
本発明は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機質充填材、(E)両末端にカルボキシル基を有するブタジエン・アクリロニトリル共重合体を主成分とする液状低応力剤、及び(F)非リン系酸化防止剤を含むことによって、より好ましくは前記(E)成分に含まれるナトリウムイオン量、塩素イオン量が特定範囲内であることによって、低応力性に優れ、かつ、高温保管特性、耐湿信頼性、耐半田性にも優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物が得られるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられる(A)エポキシ樹脂は、分子中に2個以上のエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのエポキシ樹脂は1種類を単独で用いても2種類以上併用してもよい。これらの内で特に耐半田性が求められる場合、常温では結晶性の固体であるが、溶融粘度が低く無機質充填材を高充填可能なビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等が好ましい。その他のエポキシ樹脂も極力粘度の低いものを使用することが望ましい。更に可撓性、低吸湿化のために、フェニレン骨格、又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂の使用が好ましい。
本発明で用いられる(B)フェノール樹脂系硬化剤は、分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェニレン骨格、又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン骨格、又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのフェノール樹脂は1種類を単独で用いても2種類以上併用してもよい。これらの内で特に耐半田性が求められる場合、エポキシ樹脂と同様に溶融粘度の低いもの、更に可撓性、低吸湿化のためには、フェニレン骨格、又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂の使用が好ましい。
本発明に用いられる全エポキシ樹脂のエポキシ基(EP)と全フェノール樹脂系硬化剤のフェノール性水酸基(OH)の当量比(EP/OH)としては、好ましくは0.5以上、2以下であり、特に好ましくは0.7以上、1.5以下である。上記範囲内にすることで、耐湿性、硬化性等の低下を抑えることができる。
本発明で用いられる(C)硬化促進剤としては、エポキシ樹脂中のエポキシ基とフェノール樹脂系硬化剤中のフェノール性水酸基との硬化反応の触媒となり得るものを指し、例えばトリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミン系化合物、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート塩等の有機リン系化合物、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。またこれらの硬化促進剤は単独でも混合して用いてもよい。
本発明で用いられる(D)無機質充填材としては、一般に半導体封止用エポキシ樹脂組成物に使用されているものを用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミ等が挙げられる。無機質充填材の配合量を特に多くする場合は、溶融シリカを用いるのが一般的である。溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、かつエポキシ樹脂組成物の溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布がより広くなるように調整することが望ましい。本発明で用いることができる(D)無機充填材の含有量は、全エポキシ樹脂組成物中に60重量%以上、95重量%以下であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上、90重量%以下である。上記範囲内であると、良好な流動性や耐半田性を得ることができる。
本発明においては、(E)下記式(1)で表される両末端にカルボキシル基を有するブタジエン・アクリロニトリル共重合体を主成分とする液状低応力剤を含むことが必須であるが、全エポキシ樹脂組成物中に0.01重量%以上、1重量%以下の割合で含むことが好ましく、より好ましくは0.05以上、0.5重量%以下であり、特に好ましくは0.1以上、0.3重量%以下である。上記範囲内にすることで、流動性の低下による成形時における充填不良の発生や高粘度化による金線変形等の不具合の発生を抑えることができる。また、前記(E)液状低応力剤を樹脂組成物に配合すると低応力特性を向上させることが可能であり、その結果として優れた温度サイクル耐性や耐半田性が得られる。
Figure 0005162833
(ただし、上記一般式(1)において、Buはブタジエン残基、ACNはアクリロニトリル残基を表す。xは1未満の正数。yは1未満の正数。x+y=1。zは50〜80の整数。)
前記(E)液状低応力剤の主成分である両末端にカルボキシル基を有するブタジエン・アクリロニトリル共重合体は両端のカルボキシル基と共重合体中のニトリル基が極性を有しているため、封止用エポキシ樹脂組成物の原料として含まれるエポキシ樹脂中での分散性が良好となり、均質で高い低応力性をもたらす。一般式(1)のxは1未満の正数、yは1未満の正数、x+y=1、zは50〜80の整数である。xは、0.5以上、1未満が好ましく、より好ましくは0.7以上、0.95未満、特に好ましくは0.75以上、0.9未満である。yは、0.05以上、0.5未満が好ましく、より好ましくは0.05以上、0.3未満、特に好ましくは0.1以上、0.25未満である。上記範囲内であると、エポキシ樹脂マトリックスとの相溶性が高くなり該共重合体とエポキシ樹脂マトリックスとが相分離を生じず、金型汚れや樹脂硬化物外観の悪化を引き起こすのを抑えることができる。また、流動性が低下することによって、成形時に充填不良等が生じ、又は高粘度化により半導体装置内の金線変形等の不都合を引き起こす恐れが少ない。
前記(E)液状低応力剤の主成分である両末端にカルボキシル基を有するブタジエン・アクリロニトリル共重合体の数平均分子量は、2000以上、5000以下が好ましく、より好ましくは3000以上、4000以下である。上記範囲内にすることで、流動性の低下による成形時における充填不良の発生や高粘度化による金線変形等の不具合の発生を抑えることができる。
また、前記(E)液状低応力剤の主成分である両末端にカルボキシル基を有するブタジエン・アクリロニトリル共重合体のカルボキシル基当量は、1200以上、3000以下が好ましく、より好ましくは1700以上、2500以下である。上記範囲内にすることで、樹脂組成物の成形時における流動性や離型性を低下させることなく、金型や成形品の汚れがより発生し難く、連続成形性が特に良好となる効果が得られる。
本発明に用いられる(E)液状低応力剤は、一般式(1)で表されるカルボキシル基を有するブタジエン・アクリロニトリル共重合体の全量又は一部を、エポキシ樹脂と硬化促進剤により予め溶融・反応させた反応生成物を含むものであってもよい。ここで言う、エポキシ樹脂とは、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではなく、(A)エポキシ樹脂として前述したものと同じものを用いることができる。また、ここで言う硬化促進剤とは、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体中のカルボキシル基とエポキシ樹脂中のエポキシ基との硬化反応を促進させるものであればよく、前述した(C)硬化促進剤と同じものを用いることができる。
本発明に用いられる(E)液状低応力剤に含まれるナトリウムイオン量は10ppm以下、塩素イオン量は450ppm以下であることが好ましい。ナトリウムイオン量及び塩素イオン量は以下の方法で求めることができる。(E)液状低応力剤を乾式分解・灰化後酸溶解し、ICP発光分析法にてナトリウムイオン量を測定する。また塩素イオン量は燃焼管式酸素法−IC法にて測定する。ナトリウムイオン量や塩素イオン量が上記範囲内であると、ナトリウムイオンや塩素イオンによる半田応対回路の腐食が進み易くなることによる半田応対装置の耐湿信頼性の低下を引き起こす恐れが少ない。
本発明では、(E)液状低応力剤の主成分であるブタジエン・アクリロニトリル共重合体が、耐熱性が低く、封止材の成形時等における熱により劣化し低応力剤としての効果が低下する可能性があり、それを防止するため(F)非リン系酸化防止剤を添加することを必須とする。一般に用いられる酸化防止剤の例としては、リン系化合物、窒素原子含有化合物、イオウ原子含有化合物、ヒンダードフェノールを含むフェノール系化合物等が挙げられるが、酸化防止剤としてリン系化合物を用いた場合には、低応力性が十分維持できず、また耐湿性が低下する可能性があり不適である。しかし非リン系酸化防止剤を用いた場合には、前記問題点を克服することができる。その中でも、耐湿性をより向上させるためには、窒素、硫黄などの元素を含まない酸化防止剤を用いることが好ましい。その例としては、4,6−ジ−ターシャリー−ブチルフェノール(例えば、チバガイギー社製、Irganox129等が市販されている)等のヒンダードフェノールが挙げられるがこれに限定されるものではない。該酸化防止剤は、目的により単独もしくは複数添加することができる。(F)非リン系酸化防止剤は予め(E)液状低応力剤に混合することも、エポキシ樹脂組成物の混合時に添加することもできる。その添加割合は一般式(1)で示されるブタジエン・アクリロニトリル共重合体に対して0.01重量%以上、10重量%以下の割合であることが好ましい。この範囲内においては良好な酸化防止効果と低応力性が発現する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(F)成分の他、必要に応じて臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモン等の難燃剤を含有することは差し支えないが、半導体装置の150〜200℃の高温下での電気特性の安定性が要求される用途では、臭素原子、アンチモン原子の含有量が、ともに全エポキシ樹脂組成物中に0.01重量%未満であることが好ましく、完全に含まれない方がより好ましい。また、環境保護の観点からも、臭素原子、アンチモン原子の含有量がともに0.1重量%未満で、極力含有されていないことが望ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(F)成分、難燃剤の他、さらに必要に応じてエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシランカップリング剤や、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、天然ワックス、合成ワックス等の離型剤、及びシリコーンオイル等、種々の添加剤を適宜配合しても差し支えない。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(F)成分、及びその他の添加剤等を、例えば、ミキサー等を用いて充分に均一に混合した後、更に押し出し機、熱ロール又はニーダー等の混練機を用いて溶融混練し、続いて冷却、粉砕してエポキシ樹脂成形材料とすることができる。
本発明のエポキシ樹脂成形材料を用いて、半導体素子等の各種の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。配合割合は重量部とする。
実施例1
エポキシ樹脂1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC3000P、軟化点58℃、エポキシ当量274)
7.8重量部
フェノール樹脂1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(明和化成(株)製、MEH7851SS、軟化点107℃、水酸基当量203)
5.2重量部
硬化促進剤:1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン 0.2重量部
溶融球状シリカ(平均粒径26.5μm) 86.0重量部
液状低応力剤1:式(1)のブタジエン・アクリロニトリル共重合体を主成分とする液状ゴム(式(1)においてx=0.82、y=0.18、zの平均値は62、数平均分子量3550、カルボキシル基当量2200g/eq、ナトリウムイオン量5ppm、塩素イオン量200ppm、酸化防止剤として4,6−ジ−ターシャリー−ブチルフェノール(非リン系酸化防止剤)を3.0重量%含有) 0.2重量部
Figure 0005162833
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.1重量部
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン 0.1重量部
カルナバワックス 0.2重量部
カーボンブラック 0.2重量部
を常温でミキサーを用いて混合し、70〜100℃でロール混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂成形材料を得た。得られたエポキシ樹脂成形材料を用いて以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
評価方法
スパイラルフロー:低圧トランスファー成形機を用いて、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件でエポキシ樹脂成形材料を注入し、流動長を測定した。単位はcm。
熱時曲げ弾性率:低圧トランスファー成形機を用いて、成形温度175℃、圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で試験片(80mm×10mm×4mm)を成形し、アフターベークとして175℃、8時間加熱処理した後、260℃(熱時)での曲げ強度及び曲げ弾性率をJIS K 6911に準じて測定した。単位はN/mm
高温保管特性:低圧トランスファー成形機を用いて、成形温度175℃、圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で16pSOP(チップサイズ12mm×7mm×2mm)を成形し、アフターベークとして175℃、8時間処理した後、高温保管試験(185℃、1000時間)を行い、配線間の電気抵抗値が初期値に対し20%増加したパッケージを不良と判定した。15個のパッケージ中の不良個数を示す。不良パッケージの数が5個未満を合格基準とした。
耐湿信頼性:低圧トランスファー成形機を用いて、成形温度175℃、圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で16pSOP(チップサイズ12mm×7mm×2mm)を成形し、アフターベークとして175℃、8時間処理した後、プレッシャークッカー試験(125℃、圧力2.2×10Pa、500時間)を行い、回路の断線によるオープン不良を測定した。15個のパッケージ中の不良個数を示す。不良パッケージが5個未満を合格基準とした。
耐半田性:208ピンQFPパッケージ(パッケージサイズは28×28mm、厚み3.2mm、シリコンチップのサイズは、8.0×8.0mm、リードフレームは銅製)を金型温度175℃、注入圧力9.3MPa、硬化時間90秒間の条件でトランスファー成形し、175℃で4時間の後硬化をした。得られたパッケージ10個を60℃、相対湿度60%の環境下で120時間加湿処理し、その後このパッケージを260℃の赤外リフロー炉にて20秒処理した。このパッケージを超音波探傷装置を用いて観察し、チップ(SiNコート品)とエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面に剥離が発生した個数を数えた。合格基準は剥離パッケージが5個未満とした。
耐温度サイクル性:208ピンQFPパッケージ(パッケージサイズは28×28mm、厚み3.2mm、シリコンチップのサイズは、8.0×8.0mm、リードフレームは銅製)を金型温度175℃、注入圧力9.3MPa、硬化時間90秒間でトランスファー成形し、175℃で4時間の後硬化をした。得られたパッケージ10個を−60℃/30分〜150℃/30分の環境下で繰り返し処理を行い、外部クラックの有無を観察した。評価したパッケージの50%以上の個数に外部クラックが生じた時間を測定し、「50%不良発生時間」で示した。単位はhr。50%不良発生時間が長いほど好ましく、1000時間以上で合格とした。
実施例2〜6、比較例1〜5
表1、表2の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂成形材料を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1、表2に示す。
実施例1以外で用いた成分について、以下に示す。
エポキシ樹脂2:ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、YX−4000HK、エポキシ当量193、融点105℃)
フェノール樹脂2:フェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製、商品名XLC−LL、水酸基当量174、軟化点79℃)
液状低応力剤2:式(1)のブタジエン・アクリロニトリル共重合体(式(1)においてx=0.82、y=0.18、zの平均値は62、数平均分子量3550、カルボキシル基当量2200g/eq、ナトリウムイオン量5ppm、塩素イオン量200ppm、酸化防止剤としてAGIRITE製Geltrol(有機リン系酸化防止剤)を3.0重量%含有)
液状低応力剤3:式(1)のブタジエン・アクリロニトリル共重合体(式(1)においてx=0.82、y=0.18、zの平均値は62、数平均分子量3550、カルボキシル基当量2200g/eq、ナトリウムイオン量500ppm、塩素イオン量1500ppm、酸化防止剤としてAGIRITE製Geltrol(有機リン系酸化防止剤)を3.0重量%含有)
液状低応力剤4:式(1)のブタジエン・アクリロニトリル共重合体(式(1)においてx=0.82、y=0.18、zの平均値は62、数平均分子量3550、カルボキシル基当量2200g/eq、ナトリウムイオン量5ppm、塩素イオン量200ppm、酸化防止剤無し)
Figure 0005162833
Figure 0005162833
Figure 0005162833
実施例1〜6は(E)一般式(1)で表されるカルボキシル基を有するブタジエン・アクリロニトリル共重合体を主成分とする液状低応力剤を用いて、その添加量を変えたもの、ならびに異なるエポキシ樹脂とフェノール樹脂系硬化剤において同様な実験を行ったものであるが、いずれも高温保管特性、耐湿信頼性、耐半田性、耐温度サイクル性の全てにわたって良好な結果が得られた。
一方、(E)液状低応力剤を添加しなかった比較例1、5では、樹脂系に関わらず耐半田性、及び耐温度サイクル性が著しく劣る結果が得られた。また、リン系酸化防止剤を含む液状低応力剤を用いた比較例2では、高温保管特性が著しく劣り、耐湿信頼性、耐半田性、耐温度サイクル性も若干劣る結果が得られた。また、リン系酸化防止剤を含み、かつイオン性不純物量が多い液状低応力剤を用いた比較例3では、高温保管特性、耐湿信頼性が著しく劣る結果が得られた。さらに、酸化防止剤を含まない液状低応力剤を用いた比較例4では、耐半田性、耐温度サイクル性が著しく劣る結果となった。これは、成形時の熱により低応力剤が劣化し、低応力剤としての効果が薄れたことが原因であると推察される。
本発明に従うと、低応力特性を付与しつつ、高温保管特性、耐湿信頼性、耐半田性に優れたエポキシ樹脂組成物が得られることが分かった。

Claims (5)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機質充填材、(E)下記一般式(1)で表される両末端にカルボキシル基を有するブタジエン・アクリロニトリル共重合体を主成分とする液状低応力剤を含むエポキシ樹脂組成物であって、更に(F)非リン系酸化防止剤を含み、(F)非リン系酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤であり、(D)無機充填材の含有量は、全エポキシ樹脂組成物中に70重量%以上、90重量%以下であり、(E)成分の配合量が全エポキシ樹脂組成物中に0.01重量%以上1重量%以下であり、(F)成分の配合量は(E)成分に対して0.01重量
    %以上、3重量%以下の割合であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 0005162833
    (ただし、上記一般式(1)において、Buはブタジエン残基、ACNはアクリロニトリル残基を表す。xは1未満の正数。yは1未満の正数。x+y=1。zは50〜80の整数。)
  2. 前記(F)非リン系酸化防止剤が前記(E)液状低応力剤に含まれる請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(E)成分に含まれるナトリウムイオン量が10ppm以下、塩素イオン量が450ppm以下である請求項1又は請求項2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を混合及び/又は溶融混練してなる半導体封止用エポキシ樹脂成形材料。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物により半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
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