JP2005187579A - 洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (a)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩2〜50質量%と、(b)炭酸塩及び/または炭酸水素塩2〜60質量%と、(c)ゼオライト2〜40質量%と、(d)過酸化水素0.0001〜0.1質量%とを含有することを特徴とする洗浄剤組成物である。このような洗浄剤組成物は、臭気および色調の劣化が抑制された、極めて安定性の優れたα−スルホ脂肪酸エステル塩含有洗浄剤組成物である。
【選択図】 なし
Description
しかし、α−スルホ脂肪酸エステル塩は、化学構造上エステル結合をもつことから、アルカリ塩の共存下では加水分解を起こしやすい。また、天然原料の使用に起因する微量不純物の影響から副反応により微量副生成物が生じやすい。その結果、長期保存によって臭気の劣化することが知られている。
界面活性剤の色調を改善する対策としては、いくつかの方法が提案されている。例えば、α−スルホ脂肪酸エステル塩を製造する際に過酸化水素による漂白を行う方法(例えば、特許文献6参照)、次亜塩素酸による漂白を行う方法(例えば、特許文献7参照)である。
さらに、特許文献1〜5に記載の方法は、色調劣化を防止するためにはいずれも効果がなく、むしろ色調が悪くなる傾向であった。
一方、特許文献6に記載の方法では、色調は改善されるが臭気改善には効果が認められなかった。また、特許文献7に記載の方法では、色調が改善され、α−スルホ脂肪酸エステル塩の臭気劣化も改善されるが、改善のために添加した次亜塩素酸特有の臭気が問題となる場合があった。
このように、臭気改善と色調改善を同時に達成する良好な方法は報告されていなかった。
すなわち、本発明の洗浄剤組成物は、(a)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩2〜50質量%と、(b)炭酸塩及び/または炭酸水素塩2〜60質量%と、(c)ゼオライト2〜40質量%と、(d)過酸化水素0.0001〜0.1質量%とを含有することを特徴とする。
(a)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(以下、「(a)成分」という場合がある)は、典型的には下記一般式(I)で表わすことができる。
ここで、R1の炭素数は、好ましくは6〜20、さらに好ましくは10〜18であり、R2の炭素数は、好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4である。
R1−CH2−COO−R2 ・・・(II)
(但し、式中R1は直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基を示し、R2は直鎖または分岐のアルキル基を示す。)
上記と同様に、R1の炭素数は、好ましくは6〜20、さらに好ましくは10〜18であり、R2の炭素数は、好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4である。
ここで、脂肪酸アルキルエステルとしては、飽和脂肪酸アルキルエステルが好ましく用いられる。
具体的には、ドデカン酸メチル、エチルまたはプロピル;テトラデカン酸メチル、エチルまたはプロピル;パルミチン酸メチル、エチルまたはプロピル;ステアリン酸メチル、エチルまたはプロピル;硬化牛脂脂肪酸メチル、エチルまたはプロピル;硬化魚油脂肪酸メチル、エチルまたはプロピル;ヤシ油脂肪酸メチル、エチルまたはプロピル;パ−ム油脂肪酸メチル、エチルまたはプロピル;パ−ム核油脂肪酸メチル、エチルまたはプロピルなどを例示することができ、これらは単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。また、脂肪酸アルキルエステルのヨウ素価は好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.1以下とされる。
まず、原料の脂肪酸アルキルエステルを含む原料液相をスルホン化ガスと接触させる。
スルホン化ガスとしては、SO3ガス、発煙硫酸などが例示できるが、SO3ガスが好適である。さらに好ましくは、脱湿した空気または窒素などの不活性ガスでSO3濃度が1〜40容量%になるように希釈したスルホン化ガスが用いられる。1容量%未満の場合は、スルホン化ガスの体積が大きくなり、装置容量が大きくなりやすい。40容量%をこえると反応が過剰になり、副生物が生成しやすくなったり、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルの色調が劣化することがある。特にα−スルホ脂肪酸アルキルエステルの色調劣化を抑制するためには1〜30容量%に希釈すると好ましい。
SO3等のスルホン化ガスは、原料の脂肪酸アルキルエステルに対して好ましくは1.0〜2.0倍モル、さらに好ましくは1.0〜1.7倍モル、特に好ましくは1.05〜1.5倍モル使用される。1.0倍モル未満ではスルホン化反応が十分に進行しない恐れがあり、2.0倍モルをこえると、スルホン化反応がより過激になるため、副生物や着色の原因となる場合がある。
有機酸塩としては、例えば、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸ナトリウムなどを例示できる。無機硫酸塩は、1価の金属塩かつ粉末状の無水塩であることが好ましく、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウムなどが例示される。無機硫酸塩は着色抑制効果が高く安価であり、また、洗浄剤に配合される成分なので、洗浄剤用途の場合にα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩から除去する必要がない。
また、着色抑制剤の平均粒径は、好ましくは250μm以下、さらに好ましくは100μm以下とされる。例えば無機硫酸塩は、反応中、原料液相にはその表面がわずかに溶解する程度でほとんど溶解せず、原料液相中に分散している。したがって、上述のように粒径の小さい無機硫酸塩を用いることにより、原料液相との接触面積が大きくなり、分散性が向上し、より効果を高めることができる。
着色抑制剤の添加量は、原料の脂肪酸アルキルエステルに対して、好ましくは0〜30質量%、さらに好ましくは0.5〜20質量%、特に好ましくは3〜20質量%である。30質量%をこえる場合は着色抑制の効果が飽和するためである。
脂肪酸アルキルエステルをスルホン化ガスと接触させると、以下の一般式で示したように、はじめにエステルのアルコキシ基部分にSO3が挿入され、SO3一分子付加体(以下、「一分子付加体」という)が生成する。次に、一分子付加体のα位にさらにSO3が導入され、SO3二分子付加体(以下、「二分子付加体」という)が生成する。その後、アルコキシ基部分に挿入されたSO3が脱離してα−スルホ脂肪酸アルキルエステルが生成する。
エステル化工程に用いる低級アルコールは、その炭素数が、原料の脂肪酸アルキルエステルのアルコール残基の炭素数と等しいものが好ましいが、特に限定されることはない。例えば、脂肪酸アルキルエステルとして、上記一般式(II)に示すアルコール残基R2の炭素数が1〜6のものを用いた場合、エステル化工程に用いる低級アルコールの炭素数は1〜6が好ましい。
低級アルコールは、反応液中の二分子付加体に対して好ましくは0.5〜5.0倍モル、さらに好ましくは0.8〜2.0倍モル用いられる。反応温度は好ましくは50〜100℃、さらに好ましくは50〜90℃、反応時間は好ましくは5〜120分とされる。
中和方法としては、アルカリを添加する方法で行うことができる。ここで、アルカリを水溶液として用いる方式が可能であり、この方式によれば、(a)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩のペーストを得ることができる。
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は、強アルカリ性でそのエステル結合が切断されやすくなる可能性があるため、中和工程を、スルホン化物とアルカリとを含む反応混合液のpHが酸性ないし弱いアルカリ性の範囲(pH4〜9)で行うことが好ましい。さらに好ましくは、予め得られた中和物とスルホン化物をプレミックスした後、酸性条件下でアルカリによる中和を開始して、アルカリ性でのエステル結合の切断およびα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩(ジ塩;上記一般式(I)において、R2をMとしたもの)の副生を抑えることができる。ジ塩は洗浄性能に寄与しないため、その副生を抑えることが望ましい。
アルカリ水溶液の濃度は、好ましくは2〜50質量%程度である。また、前記反応混合液中のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の濃度は好ましくは10〜80質量%程度である。なお、中和温度は、好ましくは30〜140℃であり、中和時間は、好ましくは10〜60分である。
なお、必要に応じて、中和工程の前あるいは後に、(a)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の色調を白色に近い色とするための処理を行うことができる。色調を白色に近くする処理としては、例えば過酸化水素などの漂白剤を用いた漂白処理などがあげられる。このような処理は、好ましくは中和工程後に行われる。
特に固体の炭酸塩(例えば、濃厚ソーダ灰)による中和は、他のアルカリを用いるよりも安価であり、好ましい。また、固体の炭酸塩で中和を行うと、反応混合物中の水分が少なくなり、強アルカリ性とならない。また、中和時の中和熱が金属水酸化物の場合よりも低いため、有利である。
炭酸塩、炭酸水素塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの、アルカリ金属の炭酸塩;炭酸アンモニウム;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの、アルカリ金属の炭酸水素塩;炭酸水素アンモニウム等を例示することができ、無水塩、水和塩、またはこれらの混合物などを用いることができる。
また、前記反応混合粉体中のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の濃度は、好ましくは10〜95質量%である。なお、中和温度は、好ましくは10℃〜80℃、中和時間は、好ましくは10〜180分である。
固体アルカリで中和された(a)α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩についても、必要に応じて過酸化水素などの漂白剤を用いた漂白処理を行なうことができる。
炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属塩;炭酸アルカリ土類金属塩等が好適に用いられ、無水塩、水和塩のいずれも用いることができる。炭酸水素塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属塩;炭酸水素アルカリ土類金属塩等が好適に用いられ、無水塩、水和塩のいずれも用いることができる。
(b)炭酸塩及び/または炭酸水素塩(以下、単に「(b)成分」という場合がある)としては、例えば上記の炭酸塩、炭酸水素塩を単独で、または2種以上混合して用いることができる。
本発明の洗浄剤組成物における(b)成分の含有率は、2〜60質量%であり、好ましくは8〜40質量%である。2質量%未満では色調・臭気の安定性に寄与する効果が少なく、一方、60質量%を超えても、それ以上の効果が期待できない。
(c)ゼオライト(以下、単に「(c)成分」という場合がある)とは、結晶性のアルミノケイ酸塩であり、A型、P型、X型等が例示されるが、特にA型、X型が好ましい。 (c)ゼオライトの粒径は質量平均粒径で0.1〜20μmが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmである。
本発明の洗浄剤組成物における(c)成分の含有率は、2〜40質量%であり、好ましくは5〜20質量%である。2質量%未満では色調・臭気の安定性に寄与する効果が小さく、一方、40質量%を超えても、それ以上の効果が期待できない。
本発明の洗浄剤組成物における(d)過酸化水素(以下、「(d)成分」という場合がある)の含有率は、0.0001〜0.1質量%であり、好ましくは0.001〜0.1質量%である。この含有率が0.0001質量%未満では、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有洗浄剤組成物の色調劣化抑制効果を得ることができず、一方、0.1質量%を超えると、臭気劣化抑制効果は期待できない。
本発明の効果を得るためには、洗浄剤組成物中に存在する過酸化水素量が上記範囲であることが必要であり、例えば品質保証期限までの期間、0.0001質量%未満とならないことが好ましい。
(1)界面活性剤:平均炭素数10〜16のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、平均炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基を有し、1分子内に平均0.5〜10モルのエチレンオキサイドを付加したアルキルエトキシ硫酸塩、平均炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル硫酸塩、平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するオレフィンスルホン酸塩、平均炭素数10〜20の脂肪酸塩などのアニオン性界面活性剤;平均炭素数10〜20のアルキル基を有し、1〜20モルのエチレンオキサイドを付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物などの非イオン性界面活性剤(ノニオン界面活性剤);その他ベタイン型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、カチオン性界面活性剤など。なお、(1)界面活性剤の項で「アルキル」とは、不飽和結合を含むアルケニルをも含む概念である。
(2)2価金属イオン捕捉剤:オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリアセタールカルボン酸塩など。
(3)アルカリ剤および無機塩:ケイ酸塩、炭酸塩、セスキ炭酸塩、硫酸塩など。
(4)再汚染防止剤:ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースなど。
(5)漂白剤、螢光染料、酵素等:漂白剤として過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、硫酸ナトリウムなど。また、市販螢光染料などの増白剤;香料;プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ等の酵素。また、酵素の安定化配合を目的として、アラニンなどのアミノ酸類、ケトン類、ケトエステル類なども必要に応じて配合することができる。
(6) その他上記以外の洗浄剤の常用の成分を、必要に応じて用いることができる。
また、噴霧乾燥法、撹拌造粒法、捏和・破砕造粒法、ペースト造粒法、湿潤造粒・乾燥法、流動層造粒法、押出造粒法、転動造粒法などの公知の造粒法によって粒子状に製造することができる。
また、タブレット状、ブリケット状、シート状などの成型品を製造する場合には、該粒子を例えばタブレッティング法、ロールプレス法などの周知の成型法によって成形すればよい。
湿潤造粒・乾燥法を用いる場合、まず、例えば上記の方法により得られた(a)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を蒸発操作により濃縮したものと、(b)、(c)成分を含む噴霧乾燥粒子と、(d)成分をともに捏和後、破砕することで、本発明の洗浄剤組成物を得ることができる。
本発明の(b)炭酸塩及び/または炭酸水素塩、(c)ゼオライト、及び(d)過酸化水素によるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の色調・臭気劣化の抑制効果についてはそのメカニズムは明確ではないが、色調劣化の改善効果は主として過酸化水素が有する漂白作用によるものであり、臭気劣化の改善効果はα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩または共存する天然由来不純物の分解により生成する、ラクトンなどの臭気成分が抑制されることによると推定される。
表1〜3に示した組成に基づき、粒状の洗浄剤組成物を下記の方法により調製した。得られた洗浄剤組成物について、下記評価方法により、臭いの経時変化および色調の経時変化を試験した。
また、本実施例において用いた、洗浄剤組成物中の過酸化水素の含有量は、山田らの方法(山田郁・松谷成晃・堀口恭伸・保母敏行,(2000年),「分析化学」,49(8),587頁)に従って、ポストカラム検出高速液体クロマトグラフ法を用い、下記条件で測定した。
条件:分析カラム;Inertsil ODS−2(内径4.6mm、長さ250mm、ジーエルサイエンス社製)、移動相;リン酸でpHを3.0に調整した蒸留水、流量;1.0ml/min、カラム温度;室温、ポストカラム反応液;10%ヨウ化カリウム水溶液、ポストカラム反応液流量;0.5ml/min、反応コイル長さ;10m、反応コイル温度;90℃、測定波長;348nm、注入量;5μl。
スルホン化反応は槽型反応器(200L容量、ジャケット冷却・撹拌機付きのSUS316L製)にて行った。
まず、原料脂肪酸メチルエステル(ライオンオレオケミカル(株)社製、炭素数14:16=20:80(質量比))80kgを反応槽に仕込み、良く撹拌しながら着色抑制剤として微粉芒硝を脂肪酸メチルエステルに対して5%添加した。
さらに撹拌を続けながら、除熱コントロールにより反応温度80℃、窒素ガスで8容量%に希釈したSO3ガス(スルホン化ガス)102m3(原料脂肪酸メチルエステルに対して1.2倍モル)をリングスパージャーにて1時間かけて等速で吹き込み、スルホン化反応を行った。さらに80℃に保ちながら30分間熟成を行った。
次いで、低級アルコールとしてメタノール4.5kgを槽型反応器へ添加し、エステル化工程を行った。エステル化の反応速度は80℃、熟成時間は30分であった。
次いで、エステル化工程の生成物を117kg/hrで連続的に供給し、34質量%の水酸化ナトリウム水溶液を46.6kg/hrの速度で定量的に供給し、連続的に中和した(特開2001−64248号公報記載の中和方式による)。中和温度は70℃に制御し、中和物の滞留時間は20分であった。得られた中和物のpHは6.5であった。
次いで、この中和物82kgを200Lジャケット付き撹拌槽へ仕込み、35%過酸化水素水を3.3kg(AI(有効成分)に対して純分で1.0質量%)を十分に混合しながら添加し、漂白反応を行った。漂白温度はジャケットにより80℃に調節し、漂白時間は7時間であった。漂白後、亜硫酸ナトリウムを添加した。
こうして得られたα−スルホ脂肪酸アルキルエステルナトリウム塩は、有効成分(AI)=66質量%、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩/ジ塩=96/4(質量比)、硫酸ナトリウム=2.0質量%、メチルサルフェート=6.0質量%、水分=26質量%を含む混合物であった。
<粒状洗浄剤組成物の製造>
1.活性剤濃縮
α−スルホ脂肪酸アルキルエステルナトリウム塩(α−SF)のペーストにノニオン界面活性剤の一部(α−SFに対して25質量%)を添加し、フラッシュ濃縮機(加熱管SFC−300(伝熱面積0.5m2)、(株)佐久間製作所製)を用いて、加熱管温度130℃(加熱媒体として加圧スチームを使用)の条件で、水分を10%になるまでリサイクルフラッシュ濃縮して、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルナトリウム塩とノニオン界面活性剤の混合濃縮物を得た。
ノニオン界面活性剤、過酸化水素、一部のゼオライトを除く任意成分を水道水(東京都江戸川区)に溶解若しくは分散させ、スラリー(固形分濃度60質量%)を調製した後、このスラリーを以下の噴霧乾燥条件で噴霧乾燥し、乾燥粒子を得た。
[スラリー調製条件]
・固形分濃度:60%、温度:60℃。
[噴霧乾燥条件]
・噴霧乾燥装置:向流式、塔径2.0m、有効長5.0m、微粒化方式:加圧ノズル方式、噴霧圧力:30kg/cm2、熱風入口温度:260℃、熱風出口温度:90℃、排出方法:塔底部にゼオライト(1.5質量%対乾燥粒子)を冷風とともに導入し、冷却および流動性改善を施した後に排出。
[噴霧乾燥粒子の物性]
・質量平均粒子径:約400μm、嵩密度:300g/L、安息角:40°、水分:4.5質量%。
次いで、得られた活性剤濃縮物、噴霧乾燥粒子とともに、ノニオン界面活性剤(水分10質量%)、過酸化水素と少量の水道水(東京都江戸川区)を連続ニーダー(栗本鉄工所製、KRC−S4型)に投入し、温度50〜65℃、処理量178kg/hrで、連続的に混練し、ドウ状物を得た。ニーダージャケットに、上記混練温度を保つように、温水または冷水、あるいはエチレングリコール水溶液を3〜7L/minで流した。
その後、ペレッター(不二パウダル製、ダイス孔径10mm(10mmφ))で、温度45〜60℃で押出した後、回転式のカッターで、5〜30mmのペレット状の固形洗剤を形成した。
次いで、フィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKASO−6型)を3段直列に配置し(スクリーン径・回転数は、1段目;12mm、1880rpm、2段目;6mm、4700rpm、3段目;3mm、4700rpm)、得られた固形洗剤と粉砕助剤としてのゼオライト(4.3質量%対固形洗剤)を15℃の冷風とともに導入し、処理量186kg/hrで粉砕した。得られた粉砕粒子の温度は20〜30℃であった。
最後に、転動ドラム(直径0.6m、長さ0.48m、厚さ1mm×幅12cm×長さ48cmの邪魔板4枚付き、回転数20rpm)内でゼオライト(2.0質量%対粉砕粒子)を加えることで、得られた洗剤粒子を被覆し、ノニオン界面活性剤(0.5質量%対粉砕粒子、発塵防止用)、酵素(1.0質量%対粉砕粒子)、香料(0.1質量%対粉砕粒子)、色素(0.01質量%対粉砕粒子)を加えて、高嵩密度の粒状洗浄剤組成物とした。
こうして得られた洗浄剤組成物は、質量平均粒径600μm、嵩密度0.80g/cm3であった。
洗浄剤組成物の製造直後、及び40℃の恒温室に保存して1ヵ月後品について、5人のパネラーにより、それぞれの試料の臭気について官能評価を行い、以下の基準で評価した。
◎:ほぼ無臭
○:やや臭いがあるが香料等によるマスキングが可能
△:かなり臭気が感じられ香料等によるマスキングは不可能
×:強い臭気あり
<粉体色調の経時変化試験法>
粉体の色調については、洗浄剤組成物をふるいを用いて分級し、500〜710μmの粒子を取り出し、「Σ90Color measuring system」(日本電色社製)でb値を測定した。b値の数値が大きい方が黄色に判定され、色差が1.0以上の場合、肉眼で差異を確認できる。結果を下記評価基準で評価した。測定は、洗浄剤組成物の製造直後、及び、洗浄剤組成物を40℃の恒温室に保存して1ヵ月後に行った。
○・・・(b)値<13
△・・・13≦(b)値<16
×・・・16≦(b)値
実施例、比較例における、それぞれの組成物の組成、臭気の評価結果、色調の評価結果を、表1〜3に示す。
実施例において用いた原料を、後述する表に記載した略号とともに以下に示す。
α−SF;(脂肪酸残基の炭素数14:16)=20:80(質量比)のα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩ペースト。
LAS:炭素数10〜14のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 (AI(有効成分)=70%、残部は未反応アルキルベンゼン、硫酸ナトリウム、水など)。
石鹸:炭素数16:18:TMD(炭素数10〜20のエステル系混合物=1:3:1)の脂肪酸ナトリウム(AI=67%)。
ノニオン活性剤:炭素数12〜13のアルコールに平均13モルのエチレンオキサイドを付加したアルコールエトキシレート(AI=90%、残部は未反応アルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、水など)。
炭酸カリウム:旭硝子(株)製、食添グレード。
炭酸ナトリウム:旭硝子(株)製、食添グレード。
亜硫酸ナトリウム:神洲化学(株)製、無水亜硫酸曹達。
ゼオライト:A型ゼオライト、水沢化学(株)製、シルトンB(微粉、AI=80%)。
過酸化水素:三菱ガス化学(株)製(AI=35%)
ポリマー:マレイン酸、アクリル酸の共重合体(日本触媒(株)製、「アクアリック」TL−400)。
蛍光剤:チバスペシャリティケミカルズ製、「チノパール CBS−X」。
その他成分:酵素、香料、色素。
Claims (1)
- (a)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩2〜50質量%と、(b)炭酸塩及び/または炭酸水素塩2〜60質量%と、(c)ゼオライト2〜40質量%と、(d)過酸化水素0.0001〜0.1質量%とを含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
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