JP2005187329A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 (A)ベルベリン0.0005〜0.05質量%と、(B)Mn+2n3n+1(MはNa又はK、nは2又は3を示す)で表される直鎖状ポリリン酸塩0.5〜4質量%とを含有し、上記直鎖状ポリリン酸塩/ベルベリンの質量比が80〜8000であることを特徴とする口腔用組成物。
【効果】 本発明によれば、鉄イオンの存在によるベルベリンの安定性の低下を防止して、優れた安定性を有するベルベリン含有口腔用組成物を得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ベルベリンを配合した口腔用組成物において、微量の鉄イオンの混入に対して、ベルベリンが経時的に安定であり、使用時に口腔粘膜に対して為害作用をもたない口腔用組成物に関する。
従来より、歯周疾患予防効果、う蝕予防効果、歯苔形成阻止効果等の効果を口腔内で有効に発揮させ又は向上させるため、歯磨や義歯洗浄剤などの口腔用組成物に対して、収れん性抗炎症効果や口腔内細菌に対する抗菌効果を有するベルベリンを含有するオウバク等のミカン科植物抽出物やオウレン等のキンポウゲ科植物抽出物を、有効成分として配合することが知られている(特許文献1〜10:特開昭57−56415号、同57−85319号、同58−39615号、同58−57320号、同61−36215号、同62−205106号、同63−264529号、特開2001−97835号、同2001−97837号、同2002−316937号公報)。更に、これらの有効性を向上させるためにワックス配合による口腔内滞留技術が提案されている(特許文献11:特開2002−20250号公報)。また、これらベルベリン含有植物抽出物は、ベルベリンに基づく苦味があり、口腔用組成物の使用感や味が悪くなるという問題があったが、ノニオン界面活性剤、特に脂肪酸アルカノールアミドの配合(特許文献12:特開昭62−155209号公報)や重曹配合(特許文献13:特開2002−302450号公報)により使用感が改善されることが明らかとなっている。
しかしながら、口腔用組成物にミカン科植物抽出物及び/又はキンポウゲ科植物抽出物を配合し、これを長期間に亘り保存すると、当該植物抽出物の主要有効成分であるベルベリンの残存率が低下するという問題を生じ、このため、ミカン科植物抽出物及び/又はキンポウゲ科植物抽出物の口腔用組成物への安定化配合が望まれた。
この問題の原因として、口腔用組成物に着香の目的で配合される香料組成物中に配合されるアルデヒド香料の存在が指摘されており、それらの香料を使用しないことにより、ミカン科植物抽出物及び/又はキンポウゲ科植物抽出物を安定化配合できることが示されている(特許文献14:特開昭63−63608号公報)。
また、一般にペパーミント油やスペアミント油などの天然系香料の中には、劣化原因となるアルデヒド系香料が微量ではあるが含有されており、徐々にベルベリンの残存率が低下することが判っている。このような原因による劣化を解決する手段として改質ミント油を配合する方法(特許文献15:特開2000−72617号公報)が提案されている。
更に、炭酸カルシウム含有のベルベリン配合口腔用組成物におけるベルベリン安定化にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が有効なこと(特許文献16:特開平08−175941号公報)が示されている。
しかしながら、更にベルベリンを含有する口腔用組成物を安定化する技術が望まれていた。
特開昭57−56415号公報 特開昭57−85319号公報 特開昭58−39615号公報 特開昭58−57320号公報 特開昭61−36215号公報 特開昭62−205106号公報 特開昭63−264529号公報 特開2001−97835号公報 特開2001−97837号公報 特開2002−316937号公報 特開2002−20250号公報 特開昭62−155209号公報 特開2002−302450号公報 特開昭63−63608号公報 特開2000−72617号公報 特開平08−175941号公報
従って、本発明は上記要望に応えるためになされたもので、長期に亘りベルベリンを安定に含有する口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、今回、10ppmという微量の鉄イオンの添加によって、ベルベリンの安定性に影響があり、鉄イオンの存在によってベルベリンの残存率が低下することが判明したもので、本発明は、この微量の鉄イオンによるベルベリンの安定性低下を防止する技術に関するものである。
即ち、本現象のメカニズムは明らかではないが、ペパーミント油やスペアミント油等の香料成分中にはアルデヒド香料が含有されており、このアルデヒド香料によるベルベリンの安定性低下に鉄イオンが触媒となり、加速するのではないか、あるいは鉄イオンのもつラジカルによるベルベリンが分解しているのではないかと推測している。
微量の鉄イオンは、原料由来や製造時の配管や混合槽の磨耗等によって容易に混入し、取り除くことは困難である。実際、市販の製品に含まれている鉄の濃度を分析すると2〜8ppmであり、更に海外の安価原料等には、数倍の鉄分が含有されているものがある。従って、安価な原料を用いたベルベリン配合口腔用組成物を工業的に製造するためには、微量の鉄イオンが混入しても、長期保存後安定なベルベリン配合口腔用組成物を提供する必要がある。特に、原料のばらつき等を考慮すると、前述したベルベリン安定化方法だけでは、効果が不十分であり、原料中の鉄イオンの濃度にかかわらず、ベルベリンが安定化する技術の開発が重要である。
本発明者らは、かかる点に基づき更に検討を進めた結果、例えばミカン科植物抽出物又はキンポウゲ科植物抽出物から得られるベルベリン0.0005〜0.05質量%にMn+2n3n+1(MはNa又はK、nは2又は3)で表される直鎖状ポリリン酸塩0.5〜4質量%をこの直鎖状ポリリン酸塩/ベルベリンの質量比が80〜8000となるように配合した口腔用組成物が、ベルベリンが長期保存した後でも十分安定に保持され、ベルベリンの失活を防止し得ることを知見した。即ち、上述したように、本発明者らは、ベルベリン含有口腔用組成物の調製に当り、鉄イオンが混入すると、混入しない場合に比べてベルベリンの失活が著しいことを知見し、このため、口腔用組成物において、ベルベリンを安定に保持する方法について検討を進めた結果、Mn+2n3n+1(MはNa又はK、nは2又は3)で表される直鎖状ポリリン酸塩が口腔用組成物における優れたベルベリン安定化効果を与えることを知見し、本発明をなすに至ったものである。従って、Mn+2n3n+1(MはNa又はK、nは2又は3)で表される直鎖状ポリリン酸塩を用いる場合に、原料中の鉄イオン濃度にかかわらず、ベルベリン安定化効果が達成されるものである。
従って、本発明は、
(1)(A)ベルベリン0.0005〜0.05質量%と、(B)Mn+2n3n+1(MはNa又はK、nは2又は3を示す。)で表される直鎖状ポリリン酸塩0.5〜4質量%とを含有し、上記直鎖状ポリリン酸塩/ベルベリンの質量比が80〜8000であることを特徴とする口腔用組成物、及び
(2)更に、(C)平均分子量が190〜25000のポリエチレングリコールと、(D)平均付加モル数が5〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、平均付加モル数が3〜8であり、平均アルキル鎖が炭素数12〜22であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、平均アルキル鎖が炭素数8〜16のアルキルグルコシド、脂肪酸部分の平均アルキル鎖が炭素数8〜16のポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸部分の平均アルキル鎖が炭素数12〜18であるショ糖脂肪酸モノエステルから選ばれる非イオン界面活性剤とを配合した(1)記載の口腔用組成物
を提供する。
なお、本発明において、長期保存後安定なベルベリン配合口腔用組成物を提供する手段として、Mn+2n3n+1(MはNa又はK、nは2又は3)で表される直鎖状ポリリン酸塩を配合している。ベルベリンを含有するオウバク抽出物やオウレンの抽出物とトリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウムなどの直鎖状ポリリン酸塩を口腔用組成物や歯磨組成物に配合することは、広く知られている(特開平07−187974号、同08−175942号、同10−139642号、同10−330230号、同11−12142号公報等)。特に、特開2000−256153号公報、特開2000−281549号公報などでは、オウバクエキスとピロリン酸カリウム及びオウバクエキスとトリポリリン酸ナトリウムとを配合した口腔用組成物が開示されているが、特開2000−256153号公報の実施例5及び特開2000−281549号公報の実施例21ではオウバクエキスに対する直鎖状ポリリン酸塩量が多く、歯グキなどの口腔粘膜を刺激するため、オウバクエキスの歯グキに対する抗炎症効果は打ち消され、効果は期待できない。一方、特開2000−256153号公報の実施例8の場合、直鎖状ポリリン酸塩量が少なく、ベルベリン含有植物抽出物の経時での安定化効果は期待できない。更に、本特許ではベルベリンの安定化のために直鎖状ポリリン酸塩を配合したことに言及していない。
本発明によれば、鉄イオンの存在によるベルベリンの安定性の低下を防止して、優れた安定性を有するベルベリン含有口腔用組成物を得ることができる。
本発明の口腔用組成物は、練歯磨、液状歯磨等の歯磨類、洗口剤、口腔用パスタ、口中清涼剤、口腔用シート等として調製されるもので、ベルベリンを有効成分として配合した口腔用組成物において、Mn+2n3n+1(MはNa又はK、nは2又は3)で表される直鎖状ポリリン酸塩を配合してなるもので、これによりベルベリンを安定に配合することができ、このため歯周疾患予防効果やう蝕予防効果において優れていると共に、口腔粘膜刺激性がなく使用感が良好な口腔用組成物が得られるものである。口腔内、特に歯グキなどの粘膜組織に対する刺激性を有すると、歯グキの炎症を抑制する歯周疾患予防効果は損なわれる可能性が高く、目的とする口腔用組成物を得ることはできない。
この場合、ベルベリンはベルベリンを含む植物の溶媒抽出物、特にオウバク等のミカン科植物やオウレン等のキンポウゲ科植物の溶媒抽出物として配合することができる。なお、これら植物抽出物としては公知のものを使用することができる。また、これら植物抽出物はその1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ベルベリン含有植物抽出物の配合量は、ベルベリンとして組成物全体の0.0005〜0.05質量%であり、特に抗炎症効果の面から0.001質量%以上とすることが好ましく、逆に、製剤の色調の点、抗炎症効果が飽和に達してしまうことから0.02質量%以下にすることが好ましい。0.0005質量%未満では、歯グキに対する抗炎症効果が得られず、逆に0.05質量%を超えると、ベルベリンの抗炎症効果ばかりでなく、抗菌効果も飽和に達してしまい、これよりも多く配合することは、経済的な面からも好ましくない。
また、本発明においては、ベルベリン安定化剤としてMn+2n3n+1(MはNa又はK、nは2又は3)で表される直鎖状ポリリン酸塩を配合する。この場合、Mn+2n3n+1(MはNa又はK、nは2又は3)で表される直鎖状ポリリン酸塩としては、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等が用いられ、特に、ベルベリン安定化効果の点からトリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウムが好ましい。
上記Mn+2n3n+1(MはNa又はK、nは2又は3)で表される直鎖状ポリリン酸塩の配合量は、組成物全体の0.05〜4質量%であり、口腔粘膜刺激性の点から、より好ましくは0.05〜2質量%である。
また、当該ポリリン酸塩/ベルベリンの質量比は、80〜8000であり、ベルベリン安定化効果の点から、より好ましくは200〜8000である。当該ポリリン酸塩が0.05質量%より少なかったり、当該ポリリン酸塩/ベルベリンの質量比が80未満であると、ベルベリン安定化効果に劣る。また、当該ポリリン酸塩が4質量%を超えると、口腔粘膜刺激性から、特にベルベリン含有植物抽出物の抗炎症効果による歯周疾患予防効果が低減するおそれがある。
更に、シリカ、アニオン界面活性剤、ミント系香料などを配合した口腔用組成物に、当該ポリリン酸塩を配合すると、使用者によって歯グキ等の口腔粘膜に刺激を感じる場合がある。歯磨剤、洗口剤などの口腔用組成物は、広く生活者に使用されることから、口腔粘膜の刺激に対するリスクを少しでも低減した組成を開発することが望ましい。
そこで、本発明では上記組成物に、平均分子量が190〜25000のポリエチレングリコールと、平均付加モル数が5〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、平均付加モル数が3〜8であり、炭素数が12〜22の平均アルキル鎖を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル、炭素数8〜16の平均アルキル鎖を有するアルキルグルコシド、脂肪酸部分において炭素数が8〜16の平均アルキル鎖を有するポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸部分において炭素数が12〜18の平均アルキル鎖を有するショ糖脂肪酸モノエステルから選ばれる非イオン界面活性剤とを配合すると口腔粘膜の刺激が低減されることが判明した。即ち、ベルベリンが長期保存した後でも十分安定に保持され、かつ、シリカ、アニオン界面活性剤やミント系香料が配合されても口腔粘膜の刺激を低減した口腔用組成物を提供することができるものである。
口腔粘膜における刺激の感覚は、ヒトによって大きく異なるが、特に感度の高い使用者に対しても粘膜刺激リスクの少ない組成物を提供することは重要なことである。本現象のメカニズムは明らかではないが、口腔粘膜に対して、シリカの微粒子の吸着、アニオン界面活性剤の変性作用、香料の刺激性が上記記載のポリリン酸塩によって粘膜への浸透が促進されることによって、刺激感知力の閾値を超えるために発現するものと考えられる。それに対してポリエチレングリコールはシリカの活性部位の封鎖、非イオン界面活性剤はアニオン界面活性剤と口腔内で混合ミセルを作り、香料を取り込み易くすることから、刺激が低減されるものと考えられる。
本発明におけるポリエチレングリコールの平均分子量は、化粧品原料基準新訂版(平成11年8月30日発行)に記載の平均分子量試験によって測定されたものを示す。ポリエチレングリコールは、化粧品原料基準に収載のいかなるグレードのものでも利用でき、即ち、平均分子量190〜210のポリエチレングリコール200から平均分子量15500〜25000のポリエチレングリコール20000まで、種々の平均分子量のものを用いることができる。その中でも特に口腔粘膜の刺激を低減させる効果から、平均分子量950〜1050のポリエチレングリコール1000、平均分子量2600〜3800のポリエチレングリコール4000、平均分子量7300〜9300のポリエチレングリコール6000を用いることが好ましい。ポリエチレングリコールの平均分子量が950より小さいとポリリン酸塩と同様な粘膜に対する作用も持ち合わせていることより、平均分子量が950より小さいポリエチレングリコールにおける口腔粘膜の刺激を低減させる効果は、平均分子量が950以上のポリエチレングリコールの効果よりも小さくなるものと考えている。また、平均分子量が9300を超えるポリエチレングリコールも、口腔粘膜の刺激を低減させる効果が不十分である場合がある。
本発明に用いられるポリエチレングリコールの配合量は、通常0.3〜40質量%、好ましくは0.5〜40質量%配合することが望ましい。配合量が0.3質量%より少ないと、口腔用組成物において、口腔粘膜の刺激を低減させる効果が不十分なものとなるおそれがあり、40質量%を超えても口腔粘膜の刺激を低減させる効果が飽和してしまい、経済的な点から不利が生じるおそれがある。いずれにしても、大量に配合してもとりわけ問題はないが、少なすぎると口腔粘膜の刺激を緩和する作用がなくなってしまう場合がある。
また、本発明には、平均付加モル数が5〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、平均付加モル数が3〜8であり、平均アルキル鎖が炭素数12〜22であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、平均アルキル鎖が炭素数8〜16のアルキルグルコシド、脂肪酸部分の平均アルキル鎖が炭素数8〜16のポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸部分の平均アルキル鎖が炭素数12〜18であるショ糖脂肪酸モノエステルから選ばれる非イオン界面活性剤が用いられるが、好ましくは、刺激緩和効果や、味の点から、平均付加モル数が5〜40のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、平均付加モル数が3〜5であり、平均アルキル鎖が炭素数16〜18であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、平均アルキル鎖が炭素数12のアルキルグルコシド、脂肪酸部分の平均アルキル鎖が炭素数12のデカグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸部分の平均アルキル鎖が炭素数16であるショ糖脂肪酸モノエステルから選ばれる非イオン界面活性剤が用いられる。
これらの非イオン界面活性剤の配合量は、通常、組成物全体の好ましくは0.3〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%配合される。0.3質量%より少ないと、口腔粘膜の刺激を低減させる効果が不十分となる場合があり、逆に5質量%を超えると油っぽい味が残るため、特に後味に影響する場合がある。
本発明の口腔用組成物は、ベルベリンが長期に亘り安定して保持され、このためベルベリンの効果が長期保存後においても有効に発揮され、優れた歯周病予防、口臭防止、う蝕予防等の口腔疾患予防効果を与えるものであり、本発明によれば、このように口腔疾患予防効果に優れた口腔用組成物を、原料や製造設備等の影響なく、安定な製品として工業的生産ができるものである。
本発明の組成物は、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で、通常歯磨組成物や洗口剤組成物などの口腔用組成物に配合される研磨剤、清掃剤、粘稠剤、保湿剤、溶剤、粘結剤、発泡剤、香料、甘味剤、着色剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤、薬効成分等の適宜の成分を配合し得る。
研磨剤や清掃剤としては、第2リン酸カルシウム2水和物、第2リン酸カルシウム無水和物、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、第8リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム等のリン酸カルシウム系化合物、水酸化アルミニウム、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、ベントナイト、二酸化チタン、不溶性メタリン酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、結晶セルロース、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、カルシウム欠損アパタイト、ポリメチルメタクリレート等の合成樹脂系研磨剤などが挙げられる。また、シリカが好適に用いられる。なお、シリカは、本目的の他、増粘剤、口腔内滞留化剤などとしても用いられる。シリカとしては、光散乱法での平均粒径が0.1〜30μmのものが好ましく、特に0.5〜15μmを有するものが好ましいものとして挙げられるが、平均粒径が100μm以上のシリカの造粒物を併用してもよい。具体的には、ニップシール(日本シリカ工業社製)、サイリシア、サイロピュア(以上、富士シリシア社製)、チキソシル(コフラン社製)、トクシール(徳山曹達社製)、ソーボシル(クロスフィールドケミカル社製)、エアロジル(日本エアロジル社製)、ゼオデント(ヒューバー社製)等の商品名で市販されているもの、沈降性シリカとして反応温度、反応時間、添加する塩の濃度、反応終了pHなどを適宜変更した特注品、更に、アルミニウム、チタン、ジルコニウムなどの金属と結合して、シリカを改質したもの、例えばアルミノシリケートやチタニウム結合ケイ酸塩等が適宜選択される。なお、これらのシリカ系研磨剤の配合量は、組成物全体の0.5〜30質量%、特に2〜20質量%が好ましい。
粘稠剤、保湿剤又は溶剤としては、ソルビット、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキセレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、マルチトール等の多価アルコール、エタノール、変性エタノール、糖アルコール還元でんぷん糖化物等の1種又は2種以上が使用できる。
粘結剤としては、キサンタンガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガムなどのガム類、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カラギーナン、メチルセルロース、カーボポール、グアガム、ゼラチン、アビセル、架橋型ポリアクリル酸ナトリウム、非架橋型ポリアクリル酸ナトリウム等のカルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、モンモリロナイト、カオリン、ベントナイト、アルミニウムシリカゲル、ビーガム、ラポナイトなどが挙げられ、1種又は2種以上が使用できる。
発泡剤としては、通常、アニオン界面活性剤など種々の界面活性剤が配合される。アニオン界面活性剤としては、従来公知の各種のもの、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル又はヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシル化タウリン、N−アシル化メチルタウリン、N−アシル化グリシン、N−アシル化アスパラギン酸塩、N−アシル化ザルコシン、N−アシル化グルタミン酸塩、モノアルキル燐酸エステル塩、アルキルアミドエーテル硫酸エステル塩、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルスルホン酸塩、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルカルボン酸塩、アルキルイミノジカルボン酸塩、二級アミド型N−アシルアミノ酸塩、酒石酸アルキルアミド、リンゴ酸アルキルアミド、クエン酸アルキルアミド、アルキル(ポリ)グリセリルスルホン酸塩、モノグリセリドコハク酸エステル塩等が挙げられるが、これらの中では味や使用感の面から特にC12〜C14のアルキル硫酸エステル塩が一般的に用いられる。これらのアニオン界面活性剤の配合量は、組成物全体の0.1〜5質量%、特に0.3〜2.5質量%であることが好ましい。
また、N−アルキルジアミノエチルグリシン、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン(例えば、脂肪酸部分のアルキル鎖がC8〜C16程度)、アルキルスルホベタイン、アルキルベタインイミダゾニウムベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルアンモニウムなどのカチオン界面活性剤なども発泡剤、発泡助剤などとして配合できる。
上記に挙げられた発泡剤は、1種又は2種以上が使用できる。
更に、香料としては、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及び、これら天然香料の加工処理(前留部カット、後留部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を使用することができ、実施例の香料に限定されない。なお、ミント系香料の配合量は、組成物全体の0.1〜2質量%、特に0.3〜1.5質量%であることが好ましい。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン、グリチルリチン、キシリトール等が挙げられる。
着色剤としては、法定色素で規定されている色素の他、カラメルなどの天然系色素も用いることができる。
安定化剤やpH調整剤としては、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、酢酸、リン酸、グリセロリン酸、炭酸やこれらの各種塩、並びに水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
防腐剤としては、ブチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン類、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
各種有効成分としては、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第一錫、フッ化ストロンチウム等のフッ化物、正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ヒノキチオール、アスコルビン酸、塩化リゾチーム、グリチルリチン酸及びその塩類、塩化ナトリウム、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、酢酸dl−トコフェロール、ジヒドロコレステロール、α−ビサボロール、イソプロピルメチルフェノール、クロルヘキシジン塩類、トリクロサン、ビオゾール、塩化セチルピリジニウム、アズレン、グリチルレチン、グリチルレチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、クロロフィル、グリセロホスフェートなどのキレート性リン酸化合物、グルコン酸銅等の銅化合物、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ヒドロキサム酸及びその誘導体、ゼオライト、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エピジヒドロコレステリン、塩化ベンゼトニウム、塩化ナトリウム、ジヒドロコレステロール、トリクロロカルバニド、クエン酸亜鉛、トウキ軟エキス、カミツレ、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の抽出物等が挙げられる。
更に、義歯安定剤、口腔用パスタ、口中清涼剤等、歯磨剤以外の口腔用組成物に用いる成分として、上記以外には、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、でんぷん、コーンスターチ、乳糖、粉糖、ガムベース、水アメ等が例示される。
本発明の口腔用組成物は、剤型に合わせた常法によって製造され、特に限定されるものではない。即ち、歯磨組成物のような非ニュートンペースト又はクリーム状物質の場合、連続的製造方法としてゲル混合槽と真空混合槽の2種類の槽でバッチ配合する方法、成分を高速ミキサーで同時混合後、脱泡するもの、連続ミキサーで混合後、脱泡し、香料を混合する方法などが挙げられる。また、洗口剤のような液体の場合、混合槽で撹拌混合後、濾過して製造する方法が一般的である。
製造した口腔用組成物は、容器として、アルミニウムラミネートチューブ、ガラス蒸着プラスチックチューブ、プラスチックブローチューブ等のチューブの他、機械的又は差圧によるディスペンサー容器、ピロー包装等のフィルム包装容器、射出、中空、プレス、真空等の成形によるボトル等のプラスチック製容器に充填することができる。特に、口腔用組成物と接する容器最内層の部分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)、アクリルニトリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等が用いられる。その他、必要に応じて、ガラス容器、陶器製容器、セラミック容器等を用いてもかまわない。
以下、実験例及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例で、配合量の%は全て質量%である。
[実験1]
方法
(1)単純系実験
表1に単純系に用いた組成物処方の共通部分を示す。
Figure 2005187329
実施例1〜21及び比較例1〜5に示した単純系組成物は、上記成分を撹拌混合して製造した。即ち、混合する容器にエタノール及び同量の精製水を添加し、スリーワンモータF1200(HEIDON)を用い、500rpmにて撹拌しながらラウリル硫酸ナトリウム、ペパーミント油の順に配合、溶解した。その後、残りの精製水、他の成分の順に添加して更に10分間撹拌混合して製造した。製造した組成物はポリエチレンテレフタレート製の容器に充填し、初期のベルベリン含量を測定すると共に、60℃恒温槽に3週間保管した。3週間後、再びベルベリン含量を測定した。
なお、ペパーミント油は、中国産ペパーミント油を水蒸気蒸留して(実験的手法は岩波書店発行「理化学辞典」第3版増補版第676頁記載)、前留部10%を取り除いたものを用いた。
(2)ベルベリン測定法
組成物に内標準溶液(キノリンエローSSのメタノール溶液)及び移動相を加え、均一に分散した後、液体クロマトグラフ用フィルター(0.45μm)を用いて濾過し、試料溶液とした。必要に応じて均一分散後に遠心分離してもかまわない。別に標準の塩化ベルベリンをメタノールに溶かした後、組成物のベルベリン濃度に合わせて移動相で希釈した後、内標準溶液を正確に加えて標準溶液とした。試料溶液及び標準溶液20μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、QT(内標準物質のピーク面積に対する試料溶液のベルベリンのピーク面積の比)及びQS(内標準物質のピーク面積に対する標準溶液のベルベリンのピーク面積の比)を求めた。
ベルベリン含量(ppm)=WS×(100−D)×(353.37/371.81)×
(QT/QS)×(K/WT)
WS:標準塩化ベルベリンの量(g)
WT:試料の量(g)
D :標準塩化ベルベリンの水分(%)
K :定数(希釈濃度等により設定)
353.37:ベルベリンの分子量
371.81:塩化ベルベリンの分子量
内標準物質 キノリンエローSSのメタノール溶液
操作条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:345nm)
カラム:ODSカラム
カラム温度:室温
移動相:水/アセトニトリル/メタノール=2/2/1(ラウリル硫酸ナト
リウム及び酒石酸を適量添加)
流量 :ベルベリンの保持時間が約20分となるように調整
ベルベリン残存率(%)=60℃保存後のベルベリン含量/初期のベルベリン含量×10

結果
ベルベリン残存率の結果を表2〜5に示す。
Figure 2005187329
Figure 2005187329
Figure 2005187329
Figure 2005187329
ベルベリンとして0.0005〜0.05%を含有するミカン科植物抽出物であるオウバクエキスを配合した単純系組成物において、鉄を10ppm配合した場合、鉄を配合しない場合と比較して、ベルベリン残存率は低下した(表5:比較例1及び2)。その低下は、直鎖状のポリリン酸塩をベルベリンに対して40倍配合しても、ベルベリン残存率の低下は防げなかった(表5:比較例3〜5)。しかし、直鎖状のポリリン酸塩を0.5%以上、かつ、直鎖状のポリリン酸塩/ベルベリンの質量比で80倍以上配合すると、ベルベリンの残存率が顕著に向上し、特に、200倍以上であると、ベルベリンの残存率が90%以上であることが確認された。
[実験2]
方法
表6を共通成分とし、表7に示した処方の練歯磨を作製し、口腔粘膜刺激性に関する調査を実施した。また実験1と同様に60℃にて3週間保存し、ベルベリンの残存率を求めた。
Figure 2005187329
歯磨の製造は、ニーダー法にて製造した。即ち、予めA成分とB成分を別々に混合した後、A,B成分を混合し、中間製品を製造した。次に、本中間製品をニーダーに投入した後、C成分を順次投入し、真空ポンプを用いて10分間脱泡しながら撹拌し、一度、脱泡及び撹拌を停止してD成分を配合し、もう一度10分間脱泡しながら撹拌した。なお、ニーダーは、約1Lの歯磨を製造することができる実験室用のもの(特注品:石山商店製)を用い、1.3kg製造した。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油:青木油脂社製(以下、ブラウノンRCW−20)、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油:以上日光ケミカルズ社製(以下、HCO−10、HCO−40)、ポリオキシエチレン(3)ステアリルエーテル:東邦化学社製、ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル:ライオン社製、ラウリルグルコシド:日本エマルジョン社製、ラウリン酸デカグリセリル:阪本薬品工業社製、ショ糖パルミチン酸モノエステル:三菱化学フーズ社製を用いた。
口腔粘膜刺激性に関する調査は使用試験により実施した。即ち、予め対照品を使用してもらい、対照品の使用で口腔粘膜の刺激が認められた5名に対して実施した。実施例22〜42及び比較例6,7に示した歯磨剤を、各自の歯磨き方法で使用してもらい、使用後の口腔粘膜に対する刺激性をアンケートにて回答してもらった。
評点は、下記に示す4段階とした。
4点:対照品の刺激と比較して顕著な刺激低減効果が認められた。
3点:対照品と比較してやや刺激低減効果が認められた。
2点:対照品と同等の口腔粘膜の刺激が認められた。
1点:対照品と比較して口腔粘膜の刺激が悪化した。
なお、対照品の歯磨組成は表6に示した共通組成にトリポリリン酸ナトリウムを1%配合したものを用いた。また、オウバクエキス、ポリエチレングリコール、非イオン界面活性剤は無配合とした。
結果
各歯磨の処方並びにアンケートによる口腔粘膜に対する刺激性の評価(4段階の評点ごとの人数を示す)及びベルベリンの残存率を表7〜9に示す。
Figure 2005187329
Figure 2005187329
Figure 2005187329
表9の比較例7に示したように、ポリリン酸塩無配合品は、標準品と比較して刺激低減効果は認められるものの、ベルベリンの安定性が低下し、問題解決にならない。表7の実施例22〜24に示すように、ポリエチレングリコール及び非イオン界面活性剤無配合品、又は、いずれか一つを配合した場合は、口腔粘膜の刺激を低減させる効果はほとんど認められなかった。表7〜9の実施例25〜42に示すように、ベルベリンと当該直鎖状ポリリン酸塩を配合した組成物にポリエチレングリコール及び非イオン界面活性剤を規定量配合した組成物は、ベルベリン安定性が良好で、かつ口腔粘膜の刺激を低減させる効果が認められた。一方、直鎖状ポリリン酸塩の量が多いと刺激低減効果は認められなかった(比較例6)。
以下、処方例を示す。なお、処方例中の香料は表10に示す香料A〜Gを用いた。
Figure 2005187329
*調合香料(フルーツミックスフレーバーFM3000)
ストロベリーフレーバー 400質量部
アップルフレーバー 150
メロンフレーバー 170
バナナフレーバー 100
ピーチフレーバー 50
オレンジ油 25
ラズベリーフレーバー 20
パイナップルフレーバー 15
グレープフレーバー 10
トロピカルフルーツフレーバー 15
ミルクフレーバー 10
グレープフルーツ油 5
レモン油 5
ローズ油 2
エタノール 残
合計 1000質量部
[処方例1]練歯磨
非晶質無水ケイ酸(多木化学製) 12.0%
無水ケイ酸(化粧品原料基準適合品) 6.0
70%ソルビット液(化粧品原料基準適合品) 50.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム
(化粧品原料基準適合品:DS0.9) 1.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム
(化粧品原料基準適合品:DS0.7) 0.4
プロピレングリコール(化粧品原料基準適合品) 3.0
酸化チタン(化粧品原料基準適合品) 0.5
ラウリル硫酸ナトリウム(化粧品原料基準適合品) 0.5
ラウロイルサルコシンナトリウム(化粧品原料基準適合品) 0.2
ポリオキシエチレン(5)ステアリルアルコール
(化粧品原料基準適合品:ライオン製) 1.0
トラネキサム酸(日本薬局方適合品) 0.05
フッ化ナトリウム(医薬部外品原料規格適合品) 0.21
酢酸dl−α−トコフェロール 0.1
サッカリンナトリウム(化粧品原料基準適合品) 0.11
香料E 1.2
ポリエチレングリコール4000(化粧品原料基準適合品) 0.3
オウバク水抽出エキス(ベルベリン含量5%) 0.05
トリポリリン酸ナトリウム(化粧品原料基準適合品) 1.0
精製水 残
合計 100.0%
[処方例2]練歯磨
重質炭酸カルシウム(化粧品原料基準適合品) 35.0%
軽質炭酸カルシウム(化粧品原料基準適合品) 10.0
グリセリン(化粧品原料基準適合品) 20.0
ラウリル硫酸ナトリウム(化粧品原料基準適合品) 1.4
ラウリン酸デカグリセリル
(化粧品原料基準適合品:阪本薬品SYグリスターDML−3) 0.8
キサンタンガム(化粧品配合成分規格適合品) 1.0
ポリアクリル酸ナトリウム(化粧品原料基準適合品) 1.2
サッカリンナトリウム(化粧品原料基準適合品) 0.1
モノフルオロリン酸ナトリウム(医薬部外品原料規格適合品) 0.73
ポリエチレングリコール400(化粧品原料基準適合品) 3.0
ポリエチレングリコール6000(化粧品原料基準適合品) 0.3
香料D 1.0
ピロリン酸カリウム(化粧品原料基準適合品) 2.0
オウバクエタノール抽出エキス(ベルベリン含量0.5%) 2.0
精製水 残
合計 100.0%
[処方例3]練歯磨
歯磨用リン酸水素カルシウム2水塩(化粧品原料基準適合品) 30.0%
70%ソルビット液(化粧品原料基準適合品) 20.0
プロピレングリコール(化粧品原料基準適合品) 3.0
無水ケイ酸(チキソシル) 2.5
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
(化粧品原料基準適合品) 0.5
ラウリルグルコシド(化粧品配合成分規格適合品) 5.0
カラギーナン(化粧品原料基準適合品、イオタタイプ) 0.3
ヒドロキシエチルセルロース(化粧品原料基準適合品) 0.5
ポリアクリル酸ナトリウム(化粧品原料基準適合品) 0.3
モノフルオロリン酸ナトリウム(医薬部外品原料規格適合品) 0.35
トリクロサン(医薬部外品原料規格適合品) 0.02
オウレン水抽出乾燥エキス(ベルベリン含量5%) 0.05
香料C 1.3
安息香酸ナトリウム(化粧品原料基準適合品) 0.5
ポリエチレングリコール1500(化粧品原料基準適合品) 1.0
精製水 残
合計 100.0%
[処方例4]練歯磨
水酸化アルミニウム(化粧品原料基準適合品) 45.0%
アルギン酸ナトリウム 0.5
(化粧品原料基準適合品:ダックアルギンNSPM)
キサンタンガム(化粧品配合成分規格適合品) 0.7
グリセリン(化粧品原料基準適合品) 20.0
60%ソルビット液(化粧品原料基準適合品) 10.0
香料B 1.0
サッカリンナトリウム(化粧品原料基準適合品) 0.2
ラウリル硫酸ナトリウム(化粧品原料基準適合品) 1.0
ポリオキシエチレン(3)ステアリルエーテル 1.0
オウレン水抽出乾燥エキス(ベルベリン含量5%) 0.05
トリポリリン酸カリウム(太平化学工業製) 0.5
ポリエチレングリコール4000 1.5
デキストラナーゼ(10000単位/g) 0.3
精製水 残
合計 100.0%
[処方例5]練歯磨
重質炭酸カルシウム(化粧品原料基準適合品) 15.0%
軽質炭酸カルシウム(化粧品原料基準適合品) 2.0
70%ソルビット液(化粧品原料基準適合品) 40.0
無水ケイ酸(トクヤマ製、増粘性タイプ) 2.7
無水ケイ酸(多木化学製、研磨性タイプ) 6.0
サッカリンナトリウム(化粧品原料基準適合品) 0.16
ラウリル硫酸ナトリウム(化粧品原料基準適合品) 1.3
ショ糖パルミチン酸モノエステル
(化粧品原料基準適合品:三菱化学フーズ製、P1670) 2.0
モノフルオロリン酸ナトリウム(医薬部外品原料規格適合品) 0.73
塩化ベンゼトニウム(日本薬局方適合品) 0.02
カルボキシメチルセルロースナトリウム(DS1.3) 0.4
カルボキシメチルセルロースナトリウム(DS0.9) 0.4
カルボキシメチルセルロースナトリウム(DS0.7) 0.4
香料F 1.0
青色1号 0.0008
ポリエチレングリコール400(化粧品原料基準適合品) 5.0
ピロリン酸ナトリウム(化粧品原料基準適合品) 0.5
オウバクエタノール抽出エキス(ベルベリン含量0.5%) 0.02
精製水 残
合計 100.0%
[処方例6]練歯磨
1,3−ブタンジオール(化粧品原料基準適合品) 35.5%
ポリエチレングリコール600(化粧品原料基準適合品) 35.0
ポリエチレングリコール1000(化粧品原料基準適合品) 0.3
オウバクエキス(30%エタノール抽出物) 1.0
ピロリン酸ナトリウム(化粧品原料基準適合品) 1.0
研磨性シリカ(富士シリシア製、サイロピュア90) 18.0
増粘性シリカ(エアロジル2000) 1.5
酸化チタン(化粧品原料基準適合品) 0.5
ラウリル硫酸ナトリウム(化粧品原料基準適合品) 2.0
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 0.5
アスコルビン酸(日本薬局方適合品) 1.0
サッカリンナトリウム(化粧品原料基準適合品) 0.17
ジブチルヒドロキシトルエン(化粧品原料基準適合品) 0.5
パラオキシ安息香酸メチル(化粧品原料基準適合品) 0.1
酢酸dl−α−トコフェロール(日本薬局方適合品) 0.1
モノフルオロリン酸ナトリウム(医薬部外品原料規格適合品) 0.73
ゼオライト(化粧品原料基準適合品) 1.0
香料G 1.0
β−グリチルレチン酸(化粧品原料基準適合品) 0.05
塩化セチルピリジニウム 0.05
合計 100.0%
[処方例7]洗口剤
エタノール(化粧品原料基準適合品) 8.0%
グリセリン(化粧品原料基準適合品) 20.0
香料C 0.2
クエン酸(化粧品原料基準適合品) 0.1
クエン酸三ナトリウム(化粧品原料基準適合品) 0.3
サッカリンナトリウム(化粧品原料基準適合品) 0.01
塩酸クロルヘキシジン(日本薬局方適合品) 0.02
オウレンエキス(ベルベリン含量5%) 0.02
ピロリン酸カリウム(太平化学工業製) 1.0
ピロリン酸ナトリウム(化粧品原料基準適合品) 1.0
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 1.0
ポリエチレングリコール1500(化粧品原料基準適合品) 0.3
ポリソルベート(80)(日本薬局方適合品) 1.5
ビタミンA(日本薬局方適合品) 0.0001
精製水 残
合計 100.0%

Claims (2)

  1. (A)ベルベリン0.0005〜0.05質量%と、(B)Mn+2n3n+1(MはNa又はK、nは2又は3を示す。)で表される直鎖状ポリリン酸塩0.5〜4質量%とを含有し、上記直鎖状ポリリン酸塩/ベルベリンの質量比が80〜8000であることを特徴とする口腔用組成物。
  2. 更に、(C)平均分子量が190〜25000のポリエチレングリコールと、(D)平均付加モル数が5〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、平均付加モル数が3〜8であり、平均アルキル鎖が炭素数12〜22であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、平均アルキル鎖が炭素数8〜16のアルキルグルコシド、脂肪酸部分の平均アルキル鎖が炭素数8〜16のポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸部分の平均アルキル鎖が炭素数12〜18であるショ糖脂肪酸モノエステルから選ばれる非イオン界面活性剤とを配合した請求項1記載の口腔用組成物。
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