JP2005187291A - 単結晶引上げ装置の融液表面位置検出装置及びその単結晶引上げ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 坩堝12に貯留された融液13から引上げられる単結晶24の直径が直径検出手段26により検出され、融液13の表面位置を融液表面位置検出手段29が一次的に検出する。コントローラは直径検出手段26の検出した単結晶24の直径変動に基づいて融液表面形状の影響量を算出するとともに、上記融液表面形状の影響量を加味して融液表面検出手段29の検出した一次的な融液表面位置を補正することにより二次的な融液表面位置を得る。
【選択図】 図1
Description
このように構成された単結晶成長装置における融液面のレベル測定方法では、坩堝自体の変形や容積変化の如何に拘らず、融液表面のレベル変化を直接的に把握できるので、これに相応した坩堝の高さ調節を正確かつ迅速に行うことができるようになっている。
このように構成された単結晶引上げ装置では、液面位置制御手段が、単結晶の引上げに伴い減少する融液体積に基づいてルツボ上昇速度を算出するとともに、昇降駆動手段を制御してルツボ内の液面位置を制御する。一方、液面位置制御手段が補正値加算手段の出力に基づいて昇降駆動手段を制御してルツボ上昇速度を制御するので、たとえ石英ルツボがシリコンの融点付近で軟化して引上げ中に変形することがあっても、ルツボ内の液面位置を高精度に制御できるようになっている。
しかし、上記従来の特許文献1に示された単結晶成長装置における融液面のレベル測定方法では、融液表面形状の変化を考慮していないため、融液の表面位置の測定誤差が大きくなって、融液の表面位置を正確に測定できない問題点がある。
また、物理的に融液表面形状が融液表面位置に影響を及ぼすため、融液表面形状の測定は必須であるにも拘らず、上記従来の特許文献2に示された単結晶引上げ装置では、融液表面形状を何ら考慮せずに融液表面位置を制御しているため、融液表面位置を正確に制御できない問題点があった。
本発明の目的は、融液表面形状が変化しても、融液の表面位置を正確に測定できる、単結晶引上げ装置の融液表面位置検出装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、融液表面形状が変化しても、融液の表面位置を常に一定に保持できる、単結晶引上げ装置を提供することにある。
この請求項1に記載された単結晶引上げ装置の融液表面位置検出装置では、先ず直径検出手段26が融液13から引上げられる単結晶24の直径を検出し、融液表面位置検出手段29が融液13の表面位置(鉛直方向の位置:液位)を一次的に検出する。次にコントローラが直径検出手段26の検出した単結晶24の直径変動に基づいて融液表面形状の影響量を算出する。更にコントローラが上記融液表面形状の影響量を加味して上記一次的な融液表面位置を補正することにより、二次的な融液表面位置を得る。
また図4及び図5に示すように、直径検出手段58が、融液13から引上げられる単結晶24外周面と融液13表面との境界部に形成されたフュージョンリング30の直径を測定することにより単結晶24の直径を検出し、融液表面位置検出手段59が、単結晶24外周面を覆う熱遮蔽部材33の所定部位とこの熱遮蔽部材33の所定部位が融液13表面に映って反射する鏡像60の位置を測定することにより一次的な融液表面位置を検出するように構成してもよい。
また熱遮蔽部材の所定部位に幾何学的特徴を有する基準部材を設けることもできる。
更に図4に示すように、融液13から引上げられる単結晶24外周面と熱遮蔽部材33内周面との間隔が10〜30mmであって、融液13表面と熱遮蔽部材33下端との間隔が15〜30mmであることが好ましい。
この請求項6に記載された単結晶引上げ装置の融液表面位置検出装置では、上記式(1)が比較的信頼性の高い影響係数k1[単結晶の直径差(基準直径と測定直径の差)と融液表面位置との単回帰分析により得られる回帰係数]を用いているため、正確に二次的な融液表面位置Hを算出できる。
この請求項7に記載された単結晶引上げ装置では、上記融液表面位置検出装置の検出した二次的な融液表面位置に基づいて、コントローラが坩堝を昇降する坩堝駆動手段16を制御するので、融液13から単結晶24を引上げている間、常に融液13表面位置が一定に保たれる。
更にコントローラが上記融液表面位置検出装置の検出した二次的な融液表面位置に基づいて坩堝を昇降する坩堝駆動手段を制御すれば、融液から単結晶を引上げている間、常に融液表面位置が一定に保たれる。この結果、安定した単結晶の引上げ条件を維持できる。
<第1の実施の形態>
図1及び図2に示すように、シリコン単結晶の引上げ装置10は、内部を真空可能に構成されたメインチャンバ11と、このチャンバ11内の中央に設けられた坩堝12とを備える。メインチャンバ11は円筒状の真空容器である。また坩堝12は、石英により形成されシリコン融液13が貯留される有底円筒状の内層容器12aと、黒鉛により形成され上記内層容器12aの外側に嵌合された有底円筒状の外層容器12bとからなる。外層容器12bの底面にはシャフト14の上端が接続され、このシャフト14の下端にはシャフトを介して坩堝12を回転させかつ昇降させる坩堝駆動手段16が設けられる。更に坩堝12の外周面は円筒状のヒータ17により所定の間隔をあけて包囲され、このヒータ17の外周面は円筒状の保温筒18により所定の間隔をあけて包囲される。
先ず2次元CCDカメラ27がシリコン単結晶24の引上げ中においてシリコン融液13及びシリコン単結晶24の固液界面近傍のフュージョンリング30を撮影し、画像処理手段が上記フュージョンリング30の画像に基づいてその直径を演算することにより、シリコン単結晶24の直径を検出する。即ち、CCDカメラ27及び画像処理手段は直径検出手段26として機能する。また画像処理手段がCCDカメラ27が撮影したフュージョンリング30の直径からシリコン単結晶24の中心位置を算出することにより、一次的なシリコン融液13の表面位置を検出する。即ち、CCDカメラ27及び画像処理手段は融液表面位置検出手段29として機能する。なお、シリコン単結晶24の中心位置を算出すると、この中心位置の垂直方向への移動とシリコン融液13表面の位置との間に相関関係があることから、一次的なシリコン融液13の表面位置を検出できる。
図4及び図5は本発明の第2の実施の形態を示す。図4及び図5において図1及び図2と同一符号は同一部品を示す。
この実施の形態では、直径検出手段が、第1の実施の形態のCCDカメラ及び画像処理手段により構成され、融液表面位置検出手段59が、上記とは別のCCDカメラ57及び画像処理手段(図示せず)により構成される。融液表面位置検出手段59は、シリコン単結晶24外周面を覆う熱遮蔽部材33の所定部位と、この熱遮蔽部材33の所定部位がシリコン融液13表面に映って反射する鏡像60の位置とを測定することにより、一次的なシリコン融液13の表面位置を検出するように構成される。熱遮蔽部材33の所定部位には幾何学的特徴を有する基準部材(図示せず)を設けることが好ましい。
なお、上記実施の形態では、融液としてシリコン融液を挙げ、単結晶としてシリコン単結晶を挙げたが、GaAs融液及びGaAs単結晶,InP融液及びInP単結晶,ZnS融液及びZnS単結晶、或いはZnSe融液及びZnSe単結晶でもよい。
<実施例1>
図1に示すように、直径200mmのシリコン単結晶24を引上げる引上げ装置10に、原料となる高純度多結晶シリコン原料120kgを黒鉛製の外層容器12bにより保持された石英製の内層容器12aに投入した後に、ヒータ17により上記原料を融解して、内層容器12aにシリコン融液13を貯留した。このシリコン融液13から直径200mmのシリコン単結晶24を引上げ、このシリコン単結晶24を引上げている間、シリコン単結晶24の直径を所定時間毎に直径検出手段26(CCDカメラ27及び画像処理手段)により測定した(図6(a))。またシリコン単結晶24を引上げている間、一次的なシリコン融液13の表面位置を所定時間毎に融液表面位置検出手段29(上記CCDカメラ27及び画像処理手段)により測定した。この測定値に基づいてコントローラが坩堝駆動手段16を制御したときのシリコン融液13の表面位置の変化を図6(b)に示した。
図1に示すように、直径300mmのシリコン単結晶24を引上げる引上げ装置10に、原料となる高純度多結晶シリコン原料250kgを黒鉛製の外層容器12bにより保持された石英製の内層容器12aに投入した後に、ヒータ17により上記原料を融解して、内層容器12aにシリコン融液13を貯留した。このシリコン融液13から直径304mmのシリコン単結晶24を引上げ、このシリコン単結晶24を引上げている間、シリコン単結晶24の直径を所定時間毎に直径検出手段26(CCDカメラ27及び画像処理手段)により測定した(図7(a))。またシリコン単結晶24を引上げている間、一次的なシリコン融液13の表面位置を所定時間毎に融液表面位置検出手段29(上記CCDカメラ27及び画像処理手段)により測定した。この測定値に基づいてコントローラが坩堝駆動手段16を制御したときのシリコン融液13の表面位置の変化を図7(b)に示した。
12 坩堝
13 シリコン融液
16 坩堝駆動手段
24 シリコン単結晶
26 直径検出手段
29,59 融液表面位置検出手段
30 フュージョンリング
33 熱遮蔽部材
60 鏡像
Claims (7)
- 坩堝(12)に貯留された融液(13)から引上げられる単結晶(24)の直径を検出する直径検出手段(26)と、
前記融液(13)の表面位置を一次的に検出する融液表面位置検出手段(29,59,79)と、
前記直径検出手段(26)の検出した前記単結晶(24)の直径変動に基づいて前記融液表面形状の影響量を算出しこの融液表面形状の影響量を加味して前記融液表面検出手段(29,59,79)の検出した一次的な融液表面位置を補正することにより二次的な融液表面位置を得るコントローラと
を備えた単結晶引上げ装置の融液表面位置検出装置。 - 直径検出手段(26)が、融液(13)から引上げられる単結晶(24)外周面と前記融液(13)表面との境界部に形成されたフュージョンリング(30)の直径を測定することにより前記単結晶(24)の直径を検出し、
融液表面位置検出手段(29)が、前記フュージョンリング(30)の直径から前記単結晶(24)の中心位置を算出することにより一次的な融液表面位置を検出するように構成された請求項1記載の単結晶引上げ装置の融液表面位置検出装置。 - 直径検出手段が、融液(13)から引上げられる単結晶(24)外周面と前記融液(13)表面との境界部に形成されたフュージョンリングの直径を測定することにより前記単結晶(24)の直径を検出し、
融液表面位置検出手段(59)が、前記単結晶(24)外周面を覆う熱遮蔽部材(33)の所定部位とこの熱遮蔽部材(33)の所定部位が前記融液(13)表面に映って反射する鏡像(60)の位置を測定することにより一次的な融液表面位置を検出するように構成された請求項1記載の単結晶引上げ装置の融液表面位置検出装置。 - 熱遮蔽部材の所定部位に幾何学的特徴を有する基準部材が設けられた請求項3記載の単結晶引上げ装置の融液表面位置検出装置。
- 融液(13)から引上げられる単結晶(24)外周面と熱遮蔽部材(33)内周面との間隔が10〜30mmであって、前記融液(13)表面と前記熱遮蔽部材(33)下端との間隔が15〜30mmである請求項4記載の単結晶引上げ装置の融液表面位置検出装置。
- 請求項1ないし6いずれか1項に記載の融液表面位置検出装置の検出した二次的な融液表面位置に基づいて、コントローラが坩堝を昇降する坩堝駆動手段(16)を制御するように構成された単結晶引上げ装置。
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