JP4206919B2 - 単結晶の引上げ方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコン等の半導体原料の単結晶をチョクラルスキー法(以下、CZ法という)により、細径のネックを形成することなく引上げる方法とその装置に関する。更に詳しくは、種結晶の融液への漬け込み時における種結晶の直径を測定する方法とその装置に関するものである。
従来、LSI(大規模集積回路)等の回路素子形成用基板の製造に用いられるシリコン単結晶の多くはCZ法により引上げられている。CZ法により単結晶を引上げるときには、最初に温度の高い融液(約1410℃程度)に、これより温度の低い種結晶(約1300℃程度)を接触させている。この種結晶が融液に接触する際には、種結晶に熱応力が発生し、この熱応力により種結晶に転位が導入されるおそれがある。このためネック部を高速で引上げて細く絞り(直径約3mm程度)、種結晶及び融液の固液界面を下向きに凸形状とすることにより、転位の伝播を抑制し、転位を効率良く排除している。
しかし、近年の半導体デバイスの高集積化、低コスト化及び生産性の効率化に対応して、シリコンウェーハも大口径化が要求されてきており、最近では、例えば直径が約300mmと大きく、重量が約300kgと重い単結晶の製造が望まれている。この場合、従来のようにネック部を直径3mm程度に細くすると、ネック部が引上げ中の単結晶の重量に耐えられずに破損し、単結晶が落下するおそれがあった。
この点を解消するために、種結晶の先端部を融液に接触させた後に、補助加熱手段により種結晶の先端部の温度が融液の温度と等しくなるように加熱することにより転位の導入を阻止し、種結晶の先端部を融液に更に漬け込み、補助加熱手段による種結晶の加熱を停止した後に、ネックを形成することなく単結晶を引上げる単結晶の引上げ方法(例えば特許文献1参照)が提案されている。この単結晶引上げ方法では、補助加熱手段が、種結晶の周面の大部分を包囲するとともに種結晶から退避させるための開口部が形成された略U字状の発熱部と、この発熱部を種結晶から離して引上げ時の単結晶の通過領域より退避させるための移動機構と有する。この引上げ方法によれば、単結晶のネック部の直径を細く絞らずに済むため、重量の大きな単結晶を引上げることができる。
一方、引上げ中の単結晶の直径を測定することにより、単結晶が所定の形状となるように単結晶の引上げ速度及びヒータの温度を制御する。この制御は上記ネックを形成せずに単結晶を引上げる場合にも重要である。即ち、上記単結晶の引上げ方法において、補助加熱手段への電力供給が過剰になると、種結晶が溶断するおそれがある。このため種結晶の融液への漬け込み時における種結晶の直径の変動を測定し、種結晶の直径の変動を補助加熱手段への電力供給制御手段及び種結晶の下降速度制御手段にフィ−ドバックし、種結晶の直径が一定の値に維持されるように自動制御する必要がある。
引上げ中の単結晶の直径を測定する手段としては、引上げられた単結晶の重量から直径を算出する方法(以下、重量法という)と、CCDカメラ等の光学機器を用いて直径を測定する方法(以下、光学法という)の2つが知られている。
上記重量法では、チャンバ上部に設置したロードセルを用いて、引上げられた単結晶の重量変化を直径として測定する。単結晶のボディのように直径約150mmないし300mm程度の太い単結晶の直径を測定する場合には、その重量変化が大きいため比較的精度良く測定できるけれども、種結晶のように直径約10mm程度の細い単結晶の直径を測定することは困難であった。
一方、上記光学法では、種結晶のように直径約10mm程度の細い単結晶の直径を精度良く測定できる。具体的には、引上げ中の単結晶及び融液の固液界面に発生する高輝度部であるフュージョンリングの所定位置における円弧幅を測定し、この円弧幅から単結晶の直径を算出する(例えば特許文献2参照)。この方法では、フュージョンリングの端部から、予め定めた距離を隔てた位置における割線と交わる位置のフュージョンリングの円弧幅を測定し、この測定値を予め定めた基準値と一致させることにより、単結晶の直径を精度良く制御できるようになっている。
特許第3065076号公報(請求項1、明細書[0026]) 特許第2814035号公報(請求項1、明細書[0014])
しかし、上記従来の特許文献2に記載された単結晶の直径制御方法では、フュージョンリングがその他の部分に比較して明るい高輝度であることを前提としており、融液面上にフュージョンリングと同程度若しくはそれ以上の明るい鏡像が存在する場合に、その鏡像をフュージョンリングと誤って検出し、種結晶の直径を正確に測定できない不具合があった。
具体的には、特許文献1に記載された単結晶引上げ方法では、種結晶を融液に漬け込むときに、種結晶を補助加熱手段により1380〜1420℃程度に加熱するため、この補助加熱手段も非常に高温となっており、この補助加熱手段からは非常に高輝度の放射光が発生する。チャンバ外から観察される種結晶の周囲にはフュージョンリングに加え、融液表面に映った補助加熱手段の鏡像が出現する。補助加熱手段の温度及び放射率が高いほど、上記鏡像の輝度は高いため、特許文献2に記載された単結晶の直径制御方法では、フュージョンリングと補助加熱手段の融液に映った鏡像とを区別し難く、種結晶の直径を正確に測定できない問題点があった。
本発明の目的は、補助加熱手段を用いた種結晶の融液への漬け込み時に、フュージョンリングと補助加熱手段の融液表面に映る鏡像を、両者の輝度分布の相違から識別することにより、種結晶の直径を精度良く測定できる、単結晶の引上げ方法及びその装置に関するものである。
請求項1に係る発明は、図1〜図3に示すように、チャンバ11内の坩堝12に貯留された融液15に種結晶23の先端部を接触させた後に、この種結晶23の周面を所定の間隔をあけて包囲する補助加熱手段24により種結晶23及び融液24の固液界面を加熱しながら種結晶23を融液15に更に漬け込み、補助加熱手段24による種結晶23の加熱を停止した後に、ネックを形成することなく単結晶を引上げる単結晶の引上げ方法の改良である。
その特徴ある構成は、チャンバ11外から固液界面周縁の融液15表面に発生するフュージョンリング29と補助加熱手段24の融液15表面に映る鏡像31とを2次元CCDカメラ28により撮影し、2次元CCDカメラ28の撮影したフュージョンリング29と鏡像31との間に出現しかつ輝度がフュージョンリング29の輝度及び補助加熱手段24の鏡像31の輝度より低い低輝度部34を検出することにより、フュージョンリング29と上記鏡像31とを識別し、更に識別されたフュージョンリング29から種結晶23の直径を算出するところにある。
この請求項1に記載された単結晶の引上げ方法では、種結晶23の融液15への漬け込み時に、フュージョンリング29と補助加熱手段24の融液12表面に映る鏡像31を、両者の輝度分布の相違から識別し、この識別されたフュージョンリング29から種結晶23の直径を算出する。
また種結晶23の融液15への漬け込み時には、フュージョンリング29の周囲の融液15には補助加熱手段24が融液15に映った鏡像があり、この補助加熱手段24は非常に高温となっているため、その輝度は非常に高く、輝度の相違のみでフュージョンリング29と区別することは困難である。一方、フュージョンリング29と補助加熱手段24の鏡像31との間には低輝度部34が存在する。この請求項2に記載された単結晶の引上げ方法では、上記低輝度部34を検出することにより、フュージョンリング29と上記鏡像31とを確実に識別できる。本明細書において、低輝度部34とは、フュージョンリング29と補助加熱手段24の融液15表面に映る鏡像31との間に存在し、かつその輝度がフュージョンリング29の輝度及び補助加熱手段24の鏡像31の輝度より低い部分をいう。
請求項に係る発明は、請求項に係る発明であって、更に図3〜図5に示すように、種結晶23の融液15への接触位置を基準とする2次元CCDカメラ28の走査により、フュージョンリング29と低輝度部34の間のエッジを輝度の閾値として低輝度部34を検出することを特徴とする。
この請求項に記載された単結晶の引上げ方法では、種結晶23の融液15への接触位置を基準とする2次元CCDカメラ28の走査により、上記エッジが閾値以上のフュージョンリング29から閾値未満の低輝度部34に変化した位置として検出され、2次元CCDカメラ28の撮影した画像からエッジの外側部分を除去して、フュージョンリング29のみの画像を生成し、その画像を用いて種結晶23の直径を精度良く算出できる。
請求項に係る発明は、請求項に係る発明であって、更に図3〜図5に示すように、2次元CCDカメラ28が撮影した画像のうち低輝度の種結晶23が高輝度の補助加熱手段24の融液15に映る鏡像31を遮る部分から種結晶23の中心軸の位置を検出し、上記種結晶23の中心軸上における画像のうち鉛直方向の輝度分布からフュージョンリング29の最下部を検出することにより、種結晶23の融液15への接触位置を検出することを特徴とする。
この請求項に記載された単結晶の引上げ方法では、種結晶23の振れや単結晶の引上げ毎の種結晶23の位置のばらつきの影響を除去できるので、種結晶23の直径を精度良くかつ効率的に測定できる。
請求項に係る発明は、図1〜図3に示すように、チャンバ11内に設けられ融液15が貯留された坩堝12と、坩堝12内の融液15から単結晶を引上げるために融液15に接触させる種結晶23を吊下げるシード引上げ手段18と、融液15に接触した種結晶23の周面を所定の間隔をあけて包囲し種結晶23及び融液15の固液界面を加熱する補助加熱手段24とを備えた単結晶の引上げ装置の改良である。
その特徴ある構成は、チャンバ11外に固液界面を臨むように設置され固液界面周縁の融液15表面に発生するフュージョンリング29及び補助加熱手段24の融液15表面に映る鏡像31を撮影する2次元CCDカメラ28と、2次元CCDカメラ28の撮影したフュージョンリング29と鏡像31との間に出現しかつ輝度がフュージョンリング29の輝度及び補助加熱手段24の鏡像31の輝度より低い低輝度部34を検出することにより、フュージョンリング29と上記鏡像31とを識別する画像処理手段32と、この画像処理手段32により識別されたフュージョンリング29から種結晶23の直径を算出するコントローラ33とを備えたところにある。
この請求項に記載された単結晶の引上げ装置では、種結晶23の融液15への漬け込み時に、2次元CCDカメラ28の撮影したフュージョンリング29と補助加熱手段24の融液15表面に映る鏡像31を、両者の輝度分布の相違から画像処理手段32が識別し、この画像処理手段32により識別されたフュージョンリング29からコントローラ33が種結晶23の直径を算出する。
以上述べたように、本発明によれば、チャンバ外から固液界面近傍に発生するフュージョンリングと補助加熱手段の融液表面に映る鏡像とを2次元CCDカメラにより撮影し、2次元CCDカメラの撮影したフュージョンリングと鏡像とを識別し、更に識別されたフュージョンリングから種結晶の直径を算出したので、種結晶の融液への漬け込み時に、フュージョンリングと補助加熱手段の融液表面に映る鏡像を、両者の輝度分布の特徴から識別することができる。この結果、上記識別されたフュージョンリングから種結晶の直径を算出することにより、種結晶の直径を精度良く測定できる。
また2次元CCDカメラが撮影したフュージョンリングと補助加熱手段の融液表面に映る鏡像との間に出現する低輝度部を検出すれば、フュージョンリングと上記鏡像とを確実に識別できる。
また種結晶の融液への接触位置を基準とする2次元CCDカメラの走査により、フュージョンリングと低輝度部との間のエッジを輝度の閾値として低輝度部を検出すれば、2次元CCDカメラの撮影した画像からエッジの外側部分を除去して、フュージョンリングのみの画像を生成できるので、その画像を用いて種結晶の直径を精度良く算出できる。
また2次元CCDカメラが撮影した画像のうち低輝度の種結晶が高輝度の補助加熱手段の融液に映る鏡像を遮る部分から種結晶の中心軸の位置を検出し、上記種結晶の中心軸上における画像のうち鉛直方向の輝度分布からフュージョンリングの最下部を検出することにより、種結晶の融液への接触位置を検出すれば、種結晶の振れや単結晶の引上げ毎の種結晶の位置のばらつきの影響を除去できるので、種結晶の直径を精度良くかつ効率的に測定できる。
更にチャンバ外に固液界面を臨むように設置された2次元CCDカメラが固液界面近傍に発生するフュージョンリング及び補助加熱手段の融液表面に映る鏡像を撮影し、2次元CCDカメラの撮影した画像に基づいて画像処理手段がフュージョンリングと鏡像とを識別し、更に画像処理手段により識別されたフュージョンリングからコントローラが種結晶の直径を算出すれば、上記と同様に種結晶の直径を精度良く測定できる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、シリコン単結晶の引上げ装置10は、内部を圧力を調整可能な水冷式のチャンバ11と、このチャンバ11内に設けられた坩堝12とを備える。チャンバ11は、大径の有底円筒状のメインチャンバ11aと、メインチャンバ11aの上端に接続された小径の円筒状のプルチャンバ11bとを有し、坩堝12はメインチャンバ11aに収容される。また坩堝12は、石英により形成されシリコン融液15が貯留される有底円筒状の内層容器12aと、黒鉛により形成され上記内層容器12aの外側に嵌合された有底円筒状の外層容器12bとからなる。外層容器12bの底面にはシャフト13の上端が接続され、このシャフト13の下部にはシャフト13を介して坩堝12を回転させかつ昇降させる坩堝駆動手段14が設けられる。更に坩堝12の外周面は抵抗加熱式の円筒状のヒータ16により所定の間隔をあけて包囲され、このヒータ16の外周面は円筒状の保温筒17により所定の間隔をあけて包囲される。なお、この実施の形態では、融液としてシリコン融液を挙げ、単結晶としてシリコン単結晶を挙げたが、GaAs融液及びGaAs単結晶,InP融液及びInP単結晶,ZnS融液及びZnS単結晶、或いはZnSe融液及びZnSe単結晶でもよい。
一方、プルチャンバ11bの上端にはシード引上げ手段18が設けられ、このシード引上げ手段18は下端が坩堝12内のシリコン融液15表面に達する引上げ軸21を回転させかつ昇降させるように構成される。この引上げ軸21の下端にはシードチャック22が設けられ、このチャック22は種結晶23を把持するように構成される。なお、上記引上げ軸は引上げ棒或いはワイヤ等により構成される。また上記種結晶23はその先端部をシリコン融液15に接触させた状態で、周面が所定の間隔をあけて補助加熱手段24により包囲される。この補助加熱手段24により種結晶23及びシリコン融液15の固液界面近傍が加熱されるように構成される。上記補助加熱手段24は、図2及び図3に詳しく示すように、略U字状に形成され、種結晶23周面の略半分を包囲するように湾曲する湾曲部24aと、湾曲部24aの両端に互いに平行に設けられた一対の腕部24b,24bと、一対の腕部24b,24b間に形成された開口部24cとを有する。補助加熱手段24はメインチャンバ11a外の駆動手段27にステー26を介して接続される。補助加熱手段24は駆動手段27により、種結晶23周面に接近する位置と、種結晶23周面から離れてシリコン単結晶のボディの引上げ範囲から待避する位置との間を往復動可能に構成される。
一方、メインチャンバ11a外には、シリコン融液15と種結晶23との境界部である固液界面を臨むように2次元CCDカメラ28が設置される。この2次元CCDカメラ28は、種結晶23のシリコン融液15への接触時及び漬け込み時に、固液界面近傍に発生するフュージョンリング29及び補助加熱手段24のシリコン融液15に映る鏡像31(図3及び図4)を撮影するように構成される。ここで、2次元CCDカメラ28とは、半導体基板上に酸化膜を介して金属膜の電極を並べて作製したコンデンサに、光により生じた信号電荷を蓄積して、外部からの駆動パルスにより一方向に順次転送させ、電気信号である画像信号を得るカメラである。上記2次元CCDカメラ28の撮影した2次元の画像は画像処理手段32により処理される。2次元CCDカメラ28の検出出力は画像処理手段32の制御入力に接続され、画像処理手段32の制御出力はコントローラ33の制御入力に接続され、更にコントローラ33の制御出力はヒータ16、シード引上げ手段18及び坩堝駆動手段14に接続される。
このように構成されたシリコン単結晶の引上げ装置10を用いて種結晶23の直径を検出する方法を説明する。
先ずチャンバ11内を減圧した後、アルゴンガス等の不活性ガスを導入してチャンバ11内を減圧した不活性ガス雰囲気とし、坩堝12内の結晶用原料をヒータ16により融解する。次いで引上げ軸21をシャフト13の軸線と同一軸線上であってシャフト13の回転方向とは逆方向に所定の速度で回転させながら、シードチャック22に取付けられた種結晶23を下降させてその先端部をシリコン融液15に接触させる。次に駆動手段27により補助加熱手段24を種結晶23に向って移動させ、補助加熱手段24により種結晶23の周面を所定の間隔をあけて包囲した後に、補助加熱手段24に通電して種結晶23及びシリコン融液15の固液界面近傍を加熱しながら種結晶23をシリコン融液15に更に漬け込む。このため最初に温度の高いシリコン融液15(約1410℃程度)に、これより温度の低い種結晶23(約1300℃程度)を接触させる際に、種結晶23に発生する熱応力を解消できるので、種結晶23への転位の導入も解消される。
上記種結晶23をシリコン融液15に漬け込むときにも、種結晶23の直径を検出しながら漬け込む必要がある。フュージョンリング29は種結晶23とシリコン融液15との固液界面近傍の周面に坩堝12内壁やヒータ16等の高温部が映って形成されるけれども、このフュージョンリング29の周囲のシリコン融液15表面には補助加熱手段24の鏡像が映る。この補助加熱手段24は非常に高温となっているため、その輝度は非常に高く、輝度のみでフュージョンリング29と区別することは困難である。一方、フュージョンリング29と補助加熱手段24の鏡像31との間には低輝度部34(図3〜図5)が存在する。この低輝度部34が発生するメカニズムを図4を用いて説明する。補助加熱手段24は所定の距離だけシリコン融液15から離して設置され、シリコン融液15と補助加熱手段24との間には間隙がある。実線矢印で示す第1光路41は、坩堝12内壁等の高温部からの放射光がシリコン融液15の表面張力により傾斜したシリコン融液15表面で反射して2次元CCDカメラ28に入射する。また破線で示す第2光路42は、補助加熱手段24からの放射光がシリコン融液15表面で反射して2次元CCDカメラ28に入射する。ここで、補助加熱手段24とシリコン融液15の間に間隙があることに加え、補助加熱手段24が種結晶23に極めて近接しているため、上記第1光路41と第2光路42との間には、比較的低温のメインチャンバ11aの内壁上部を映し込む一点鎖線で示す部分光路43が存在する。この部分光路43は第1光路41や第2光路42より輝度が低く、この低輝度部34を検出することにより、フュージョンリング29と補助加熱手段24の鏡像31とを区別できる。
具体的には、種結晶23のシリコン融液15への接触位置を基準として、画像処理手段32が2次元CCDカメラ28に駆動パルスを送信して2次元CCDカメラ28を走査することにより電気信号である画像信号を取込み、上記画像信号からフュージョンリング29と補助加熱手段24のシリコン融液15に映る鏡像31とを識別する。即ち、画像処理手段32はフュージョンリング29と低輝度部34の間のエッジを輝度の閾値として低輝度部34を検出し、上記2次元画像からエッジの外側部分を除去して、フュージョンリング29の画像のみをコントローラ33に送信する。コントローラ33は上記識別されたフュージョンリング29の画像から種結晶23の直径を算出するので、種結晶23の直径を精度良く算出できる。ここで、上記種結晶23のシリコン融液15への接触位置を検出するには、2次元CCDカメラ28が撮影した2次元画像のうち低輝度の種結晶23が高輝度の補助加熱手段24のシリコン融液15に映る鏡像31を遮る部分から種結晶23の中心軸の位置を検出した後に、上記種結晶23の中心軸上における画像のうち鉛直方向の輝度分布からフュージョンリング29の最下部を検出することにより行われる。これにより種結晶23の振れや単結晶の引上げ毎(バッチ処理毎)の種結晶23の位置のばらつきの影響を除去できる。
また補助加熱手段24に開口部24cが形成されているため、種結晶23の中心軸付近では補助加熱手段24の鏡像31は存在しない。このため種結晶23の中心軸における鉛直方向の輝度分布はフュージョンリング29が最大輝度となる。この部分で検出されたフュージョンリング29よりも2次元画像中で上方にしかフュージョンリング29が存在しないこととなる。従って、本実施の形態では、低輝度部34を極めて正確に検出できる。種結晶23がシリコン融液15に十分馴染んだ後に、補助加熱手段24による種結晶23の加熱を停止し、補助加熱手段24を駆動手段27により待避させる。そして種結晶23を引上げると、ネックを形成することなく、即ちネック部を細く絞ることなく、シリコン単結晶のショルダ及びボデーを引上げることができる。シリコン単結晶のボデーの引上げが終了すると、急激な温度変化によりシリコン単結晶に高密度の転位が導入されないよう、シリコン単結晶の直径を徐々に絞ってシリコン単結晶全体の温度を徐々に降下させ、終端コーンを形成した後、シリコン単結晶を溶融液から切り離す。その後、冷却することにより、シリコン単結晶の引上げが完了する。
なお、この実施の形態では、フュージョンリングのエッジを検出することにより、フュージョンリングと補助加熱手段の鏡像とを識別したが、フュージョンリングの最大輝度位置を検出することにより、フュージョンリングと補助加熱手段の鏡像とを識別してもよい。
また、種結晶の直径は、所定の測定ライン(1次元画像)上のフュージョンリングの間隔から算出してもよく、或いは2次元画像中の最大のフュージョンリングの間隔から算出してもよい。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図1〜図4に示すように、補助加熱手段24の開口部24cから2次元CCDカメラ28にて種結晶23を観察した。先ず水平方向の測定ラインに沿って2次元CCDカメラ28を走査し、補助加熱手段24と種結晶23の画像から種結晶23の中心軸を算出し、その種結晶23の中心軸における鉛直方向の輝度分布の最大輝度位置からフュージョンリング29の最下部を検出した。次にフュージョンリング29最下部での水平方向の輝度分布中で高輝度から所定の輝度の閾値を経て低輝度に変化する部分を検出し、この部分をフュージョンリング29と低輝度部34のエッジとした。その後、測定ラインを画像中で1ライン上に移して上記と同様にしてフュージョンリング29と低輝度部34のエッジを検出した。このとき検出されるエッジは1つ下の測定ラインで検出されたエッジよりも種結晶23の中心軸から外側に存在することとなるため、この条件に合致するようエッジ検出の走査は1本下の測定ラインで検出されたエッジから外側のみで走査した。この操作をフュージョンリング29と低輝度部34のエッジが検出不能となるまで繰返した。これらの操作によりフュージョンリング29と補助加熱手段24の鏡像との間に存在する低輝度部34を検出した。
その後、上記画像の各測定ラインにて検出されたエッジより外側の輝度をゼロに変更し、かつフュージョンリング29の最下部より下方を含む低輝度部34が検出されなかった測定ライン上の輝度を全てをゼロに変更した。これによりフュージョンリング29のみを抽出した。更に上記フュージョンリング29の画像を用いて種結晶23の直径を測定した。その結果、従来、全く測定できなかった種結晶23のシリコン融液15への漬け込み時における種結晶23の直径を測定できるようになった。
なお、この実施例では、フュージョンリング最下部から水平方向に走査してその測定ラインを順次上方に移動させて低輝度部を検出したが、鉛直方向に走査してその測定ラインを水平方向に移動させて低輝度部を検出してもよく、或いは種結晶の中心軸から左右方向に走査してその測定ラインを順次上方に移動させて低輝度部を検出してもよい。
本発明実施形態の単結晶の引上げ装置を示す断面構成図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB矢視拡大図である。 種結晶及び融液の固液界面近傍における光の反射状態を示した要部断面構成図である。 2次元CCDカメラを所定のライン上を走査したときの輝度分布を示す図である。
符号の説明
10 シリコン単結晶の引上げ装置
11 チャンバ
12 坩堝
15 シリコン融液
18 シード引上げ手段
23 種結晶
24 補助加熱手段
28 2次元CCDカメラ
29 フュージョンリング
31 補助加熱手段の鏡像
32 画像処理手段
33 コントローラ
34 低輝度部

Claims (4)

  1. チャンバ(11)内の坩堝(12)に貯留された融液(15)に種結晶(23)の先端部を接触させた後に、この種結晶(23)の周面を所定の間隔をあけて包囲する補助加熱手段(24)により前記種結晶(23)及び前記融液(15)の固液界面を加熱しながら前記種結晶(23)を前記融液(15)に更に漬け込み、前記補助加熱手段(24)による前記種結晶(23)の加熱を停止した後に、ネックを形成することなく単結晶を引上げる単結晶の引上げ方法において、
    前記チャンバ(11)外から前記固液界面周縁の前記融液(15)表面に発生するフュージョンリング(29)と前記補助加熱手段(24)の融液(15)表面に映る鏡像(31)とを2次元CCDカメラ(28)により撮影し、
    前記2次元CCDカメラ(28)の撮影した前記フュージョンリング(29)と前記鏡像(31)との間に出現しかつ輝度が前記フュージョンリング(29)の輝度及び前記補助加熱手段(24)の鏡像(31)の輝度より低い低輝度部(34)を検出することにより、前記フュージョンリング(29)と前記鏡像(31)とを識別し、
    更に前記識別されたフュージョンリング(29)から前記種結晶(23)の直径を算出する
    ことを特徴とする単結晶の引上げ方法。
  2. 種結晶(23)の融液(15)への接触位置を基準とする2次元CCDカメラ(28)の走査により、フュージョンリング(29)と低輝度部(34)との間のエッジを輝度の閾値として低輝度部(34)を検出する請求項記載の単結晶の引上げ方法。
  3. 2次元CCDカメラ(28)が撮影した画像のうち低輝度の種結晶(23)が高輝度の補助加熱手段(24)の融液(15)に映る鏡像(31)を遮る部分から前記種結晶(23)の中心軸の位置を検出し、前記種結晶(23)の中心軸上における画像のうち鉛直方向の輝度分布からフュージョンリング(29)の最下部を検出することにより、前記種結晶(23)の前記融液(15)への接触位置を検出する請求項記載の単結晶の引上げ方法。
  4. チャンバ(11)内に設けられ融液(15)が貯留された坩堝(12)と、前記坩堝(12)内の融液(15)から単結晶を引上げるために前記融液(15)に接触させる種結晶(23)を吊下げるシード引上げ手段(18)と、前記融液(15)に接触した種結晶(23)の周面を所定の間隔をあけて包囲し前記種結晶(23)及び前記融液(15)の固液界面を加熱する補助加熱手段(24)とを備えた単結晶の引上げ装置において、
    前記チャンバ(11)外に前記固液界面を臨むように設置され前記固液界面周縁の前記融液(15)表面に発生するフュージョンリング(29)及び前記補助加熱手段(24)の融液(15)表面に映る鏡像(31)を撮影する2次元CCDカメラ(28)と、
    前記2次元CCDカメラ(28)の撮影した前記フュージョンリング(29)と前記鏡像(31)との間に出現しかつ輝度が前記フュージョンリング(29)の輝度及び前記補助加熱手段(24)の鏡像(31)の輝度より低い低輝度部(34)を検出することにより、前記フュージョンリング(29)と前記鏡像(31)とを識別する画像処理手段(32)と、
    前記画像処理手段(32)により識別されたフュージョンリング(29)から前記種結晶(23)の直径を算出するコントローラ(33)と
    を備えたことを特徴とする単結晶の引上げ装置。
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