JP2005187201A - 倉庫型冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract


【課題】 フォークリフトの出入りを無くして外気の流入及び冷気の流出を防ぎ、天井パイプ式の倉庫型冷蔵庫に特有のメンテナンスの煩わしさを排除して実使用に耐え得るようにし、電力消費の大幅な低減を可能とした、新規な倉庫型冷蔵庫を開発することを技術課題とした。
【解決手段】 建屋2内にはフォークリフト室25が設けられ、貨物の入出庫作業時を含めて常時フォークリフト5を建屋2内に位置させるとともに、貨物の搬入出部を多重扉構造としたことを特徴として成り、フォークリフト5の出入りによる外気の流入及び冷気の流出を引き起こさず、また貨物の搬入出時の外気の流入及び冷気の流出を最小限に抑えるため、冷凍負荷の増大による消費電力の増大を回避することができ、また冷却系への着霜量を抑えることができるためメンテナンス作業を簡素化することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は倉庫型の建屋内に貨物を冷蔵保管する冷蔵庫に関するものであり、特に電力消費を抑えるとともにメンテナンスを簡略化することのできる、新規な倉庫型冷蔵庫に係るものである。
倉庫型冷蔵庫の冷却方式には、主なものとしてコイルファン式と天井パイプ式とがあり、まず前者のコイルファン式は、冷却ユニットで生成された冷気を天井付近までダクトで送り、ここから下部に配したラックに対して冷気を供給するものである。また後者の天井パイプ式は、天井付近に配したパイプ内に冷媒を通過させてパイプ周辺の空気を冷却し、ここから下部に配したラックに対して冷気を供給するものである。
これらの二方式を比較すると、コイルファン式では除霜を自動で行うことができるためメンテナンスが容易であるというメリットがある反面、消費電力が天井パイプ式の二倍近くかかってしまうといったデメリットがある。一方、天井パイプ式は、消費電力がコイルファン式の半分近くで済むというメリットがある反面、高所に位置するパイプに着いた霜の除去作業が危険を伴い且つ作業性が悪いものであるといったデメリットがある。
そして近年では消費電力よりも安全性やメンテナンス性が重視される傾向にあり、倉庫型冷蔵庫にあってはほとんどの施設においてコイルファン式が採用されているのが実情である。
ところで近時、世界的に地球温暖化防止対策が求められており、温暖化効果ガスの排出抑制がわが国にも課せられているため、特にエネルギー消費量の多い倉庫型冷蔵庫にあっても消費電力の低減が求められるようになってきた。
倉庫型冷蔵庫には種々のタイプのものがあるが、フォークリフトを用いて貨物を搬入出するタイプのものについては、フォークリフトの入出口が3×3m程度と大きく、ここから庫内の冷気が逃げるとともに外気が進入してしまうため冷凍負荷が増大することから、特に消費電力が多いものである(例えば特許文献1参照)。またこのタイプの倉庫型冷蔵庫にあっては、外気の進入量が多く着霜量も多いため、上述したように除霜作業が容易なファンコイル式が採用される傾向にあり、消費電力の低減が困難であった。
特開平6−144508号公報
本発明はこのような背景を認識して成されたものであり、フォークリフトの出入りを無くして外気の流入及び冷気の流出を防ぎ、天井パイプ式の倉庫型冷蔵庫に特有のメンテナンスの煩わしさを排除して実使用に耐え得るようにし、電力消費の大幅な低減を可能とした、新規な倉庫型冷蔵庫を開発することを技術課題としたものである。
すなわち請求項1記載の倉庫型冷蔵庫は、建屋内にラックを設けて貨物の冷蔵保管を行うとともに、フォークリフトによって貨物の入出庫、移動等を行う倉庫型冷蔵庫において、前記建屋内にはフォークリフト室が設けられ、貨物の入出庫作業時を含めて常時フォークリフトを建屋内に位置させるとともに、貨物の搬入出部を多重扉構造としたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、フォークリフトの出入りによる外気の流入及び冷気の流出を引き起こさず、また貨物の搬入出時の外気の流入及び冷気の流出を最小限に抑えるため、冷凍負荷の増大による消費電力の増大を回避することができ、また冷却系への着霜量を抑えることができるためメンテナンス作業を簡素化することができる。
また請求項2記載の倉庫型冷蔵庫は、前記要件に加え、前記多重扉構造は、コンベア上に形成される中間室の前後にそれぞれ扉が具えられたものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、貨物の搬入出時の外気の進入及び冷気の流出を最小限に抑えて冷凍負荷の増大による消費電力の増大及び冷却系への着霜量を最小限に抑えることができる。
更にまた請求項3記載の倉庫型冷蔵庫は、前記要件に加え、前記フォークリフト室には、空調設備及び充電設備を具えたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、フォークリフトを建屋外に出すことなく稼動可能な状態に保つことができる。
更にまた請求項4記載の倉庫型冷蔵庫は、前記要件に加え、前記建屋内の冷却は、天井パイプによって行うものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、従来は実質的にファンコイル式しか採用することができず、消費電力が多大であったフォークリフトを用いる倉庫型冷蔵庫の消費電力を著しく低減することができる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
本発明によれば、フォークリフトの出入りにともなう外気の流入及び冷気の流出を排除することにより、天井パイプに対する着霜を防止することができるため、天井パイプ式の倉庫型冷蔵庫に特有であったメンテナンスの煩わしさを排除して実使用に耐え得るものとすることができる。そしてその結果、消費電力を低く抑えることができ、ランニングコストの低減のみならず環境保護にも寄与することができる。
以下本発明の倉庫型冷蔵庫について図示の実施例に基づいて説明するものであるが、この実施例に対して本発明の技術的思想の範囲内で適宜の改変を加えることも可能である。
図中符号1で示すものが本発明の倉庫型冷蔵庫であって、このものは建屋2内に貨物たる箱パレットPの格納個所となるラック3を具えるとともに、箱パレットPの入出庫を行うためのフォークリフト5を具えて成るものである。
また建屋2内を冷却するための冷却機構6として天井パイプ式が採用されるものであり、建屋2内と外部との間での箱パレットPの入出は搬入出部7を通じて行われるものである。
なお本発明の倉庫型冷蔵庫1は、前記冷却機構6の設定温度によって冷蔵庫及び冷凍庫の双方として機能するものである。
以下倉庫型冷蔵庫1を構成する要素について順次説明する。
まず前記建屋2について説明するとこのものは、鋼材を適宜組み合わせるとともに外壁を設け、その内側に断熱材Hが貼設されて構成されたものである。因みに建屋2は、要は倉庫型冷蔵庫1内部の雰囲気と外気との遮断がなされればよいので、プレハブ建物、テント等の簡易構造物であってもよい。
そして建屋2内は、図1に示すように貨物の保管部2Aと荷捌部2Bとに区画されるものであり、保管部2Aにはラック3が配置され、荷捌部2Bとラック3間の空間とをフォークリフト5の移動空間とするものである。
また一例として前記荷捌部2Bの一角にフォークリフト室25が形成されるものであり、適宜内壁部に断熱材Hを貼設するなどして外部との断熱を図るようにする。なおこのフォークリフト室25はフォークリフト5のホームポジションとなるとともに、作業者の通路ともなる部屋であり、外側部分に外扉25aが形成され、また内側部分に内扉25bが形成される。
更にフォークリフト室25内にはエアコン25cが設けられ、フォークリフト5や、後述する充電器57の温度低下を防ぐようにする。
次に前記ラック3について説明すると、このものは一例としてアングル材を適用した柱31に対して載置板32を組み合わせて、箱パレットPの格納空間を棚状に構成して成るものである。なおラック3に格納された箱パレットPは載置板32上に位置するため、個々の格納空間に位置する箱パレットPは任意に随時搬入搬出が可能となるものである。因みに前記載置板32にはライブローラを設けることもできる。また貨物の種類や建屋2の構造によっては、ラック3を要さずに貨物を平積みするような場合もある。
次に前記フォークリフト5について説明すると、このものは適宜の走行機構を具え、有人または無人運転されるものであり、有人運転される場合にはシート51に着座した操作者によって運転されるものである。またフォークリフト5の前部には二本のマスト52が具えられ、このマスト52に沿ってフォーク53が昇降するものである。なお前記フォークリフト5の走行及びフォーク53の昇降は、蓄電池55をエネルギー源とするものであり、一例として鉛蓄電池が採用されるが、その他適宜の蓄電池を採用し得るものである。ところで、一般的に電池は低温状態の下において電圧降下を引き起こす等、本来の能力を発揮できない状態となってしまうことは避けられず、更に電解液の氷結等によって寿命の短縮を引き起こしたり、甚だしい場合には破損に至ることも考えられるため、このような事態を回避すべく蓄電池55を防熱箱56内に配置することにより、倉庫型冷蔵庫1内部の低温雰囲気との断熱を図るようにする。
また前記蓄電池55の充電は前記フォークリフト室25内において行われるものであり、このためフォークリフト室25内は充電器57が具えられるものである。
次に前記冷却機構6について説明すると、このものは前記保管部2A及び荷捌部2Bを冷却するための機構であり、前記ラック3の上方に冷却管たる天井パイプ60を引き回わし、この天井パイプ60に、常法に従い適宜圧縮機等から冷媒を循環させるものである。
また前記天井パイプ60の下方に蓄冷部材を配するようにしてもよく、この場合には炭酸ガス、ブライン等の蓄冷媒体を封入したパイプ等が蓄例部材として用いられる。
次に前記搬入出部7について説明すると、この部位は建屋2内と外部との間での箱パレットPの搬入出が行われるように構成されるものであり、多重扉構造が採られる。具体的には図3に示すようにコンベヤ70上に中間室71が形成され、この中間室71に対してコンベヤ70の搬送方向の前後にそれぞれ外シャッター72、内シャッター73が具えられるものである。なお詳細は後程説明するが、これら外シャッター72と内シャッター73とは、同時に開放状態とならないように規制されるものである。
ここで倉庫型冷蔵庫1内に冷蔵保管される箱パレットPについて説明する。箱パレットPは、例えば水揚げ後冷凍された魚介類を収容する容器であり、一例として鋼材を組み合わせて成る方形の容器である。なおこの他に、上面が開閉式のもの、周面が閉塞されたもの等、適宜の材料により適宜の形状とすることが可能である。
本発明の倉庫型冷蔵庫1は、一例として上述のように構成されるものであり、以下このものの使用態様について説明する。
(1)庫内の冷却
まず貨物の収容に先立って倉庫型冷蔵庫1内を冷却するものであり、天井パイプ60に常法に従い適宜圧縮機等から冷媒を循環させてパイプ周辺の空気を冷却し、ここから下部に配したラック3に対して冷気を供給する。因みにこの実施例では天井パイプ式の冷却構造を採っているため、消費電力はファンコイル式の約半分で済むものである。
(2)フォークリフトの操作
次いで庫内が所望の温度になった時点でフォークリフト5を操作するものであり、作業者は外扉25aからフォークリフト室25に入り、外扉25aを閉じた状態で内扉25bを開放し、ここを通じてフォークリフト5を庫内に進入させる。このため荷捌部2B内および保管部2A内には直接外気が入り込んでしまうことがなく、天井パイプ60への着霜を回避することができるものである。なお作業者がフォークリフト室25内に入った後、エアコン25cによって室内空気を充分に除湿した後、内扉25bを開放するようにすれば、天井パイプ60への着霜をよりいっそう回避することができるものである。
(3)箱パレットの搬入出
次いで箱パレットPの搬入出が行われるものであり、ここでは搬入操作を例に説明する。まず冷凍魚体等を収納した箱パレットPを積載した冷凍車Tが建屋2の外に横付けしたら、外の作業者がここで箱パレットPを冷凍車Tから下ろすとともに、搬入出部7におけるコンベヤ70に載せ、中間室71を経由して荷捌部2B内に送り込むものである。
このとき搬入出部7にあっては図3に段階的に示すように、外シャッター72と内シャッター73とを同時に開かせることなく、箱パレットPを中間室71内を通過させるものであり、このため荷捌部2B内および保管部2A内には直接外気が入り込んでしまうことがなく、天井パイプ60への着霜を回避することができるものである。
次いで庫内の作業者は、フォークリフト5を運転してコンベヤ70上の箱パレットPをフォーク53に載せ、ラック3における所望の個所にこのものを収容するものである。
なお搬出の場合には上記一連の操作を逆の順序で行うものである。
(4)フォークリフトの格納
そして搬入出作業が終了した時点で、作業者は外扉25aを閉じた状態で内扉25bを開放し、ここを通じてフォークリフト5をフォークリフト室25内に侵入させるものである。このため荷捌部2B内および保管部2A内には直接外気が入り込んでしまうことがなく、天井パイプ60への着霜を回避することができるものである。
そして作業者は充電器57を蓄電池55に接続し、外扉25aから外部に出るものである。
〔他の実施例〕
本発明の倉庫型冷蔵庫1は、上述した実施例を基本となる実施例とするものであるが、以下に示すような形態を採ることもできる。
まず搬入出部7を多重扉構造とする際に、図4に示すようにコンベヤ70を具えることなく構成することができるものであり、この場合には適宜作業者が台車を用いるなどして箱パレットPを荷捌部2Bまで運搬するようにする。この際、外シャッター72と内シャッター73とを同時に開かせることなく、箱パレットPを中間室71内を通過させることにより、天井パイプ60への着霜を回避することができる。
また冷却機構6としてファンコイル式のものを採用することもできるものであり、この場合には、大幅な消費電力の低減は期待できないが、保管部2A及び荷捌部2Bへの外気の流入を防ぐことができるため、除霜作業を排除して倉庫型冷蔵庫1を効率的に稼動させることができる。
本発明の倉庫型冷蔵庫の内部を示す平面図である。 同上縦断側面図である。 搬入時の搬入出部の様子を段階的に示す側面図である。 搬入出部の他の形態を示す側面図である。
符号の説明
1 倉庫型冷蔵庫
2 建屋
2A 保管部
2B 荷捌部
25 フォークリフト室
25a 外扉
25b 内扉
25c エアコン
3 ラック
31 柱
32 載置板
5 フォークリフト
51 シート
52 マスト
53 フォーク
55 蓄電池
56 防熱箱
57 充電器
6 冷却機構
60 天井パイプ
7 搬入出部
70 コンベヤ
71 中間室
72 外シャッター
73 内シャッター
H 断熱材
P 箱パレット
T 冷凍車

Claims (4)

  1. 建屋内で貨物の冷蔵保管を行うとともに、フォークリフトによって貨物の入出庫、移動等を行う倉庫型冷蔵庫において、前記建屋内にはフォークリフト室が設けられ、貨物の入出庫作業時を含めて常時フォークリフトを建屋内に位置させるとともに、貨物の搬入出部を多重扉構造としたことを特徴とする倉庫型冷蔵庫。
  2. 前記多重扉構造は、コンベア上に形成される中間室の前後にそれぞれ扉が具えられたものであることを特徴とする請求項1記載の倉庫型冷蔵庫。
  3. 前記フォークリフト室には、空調設備及び充電設備を具えたことを特徴とする請求項1または2記載の倉庫型冷蔵庫。
  4. 前記建屋内の冷却は、天井パイプによって行うものであることを特徴とする請求項1、2または3記載の倉庫型冷蔵庫。
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