JP2005186752A - 砕波浅海域用スパーブイ - Google Patents

砕波浅海域用スパーブイ Download PDF

Info

Publication number
JP2005186752A
JP2005186752A JP2003430037A JP2003430037A JP2005186752A JP 2005186752 A JP2005186752 A JP 2005186752A JP 2003430037 A JP2003430037 A JP 2003430037A JP 2003430037 A JP2003430037 A JP 2003430037A JP 2005186752 A JP2005186752 A JP 2005186752A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spar buoy
wave
shallow water
water according
buoy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003430037A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Aso
裕司 麻生
Shintaro Hashimoto
慎太郎 橋本
Yuji Inoue
雄治 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeni Lite Buoy Co Ltd
Original Assignee
Zeni Lite Buoy Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zeni Lite Buoy Co Ltd filed Critical Zeni Lite Buoy Co Ltd
Priority to JP2003430037A priority Critical patent/JP2005186752A/ja
Publication of JP2005186752A publication Critical patent/JP2005186752A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Revetment (AREA)

Abstract

【課題】
砕波浅海域における標識灯の係留具が必要以上に磨耗するのを防止する。砕波力で、標体、灯火などが破損するのを防止する。漂砂あるいはそれが舞い上がることにより沈錘が埋没するのを防止する。砂粒の介在により係留具や係留索が必要以上に磨耗するのを防止する。砕波浅海域では標識ができるだけ目立たないように、標体を細く、かつ、短くする。
【解決手段】
断面円形のパイプ状浮力体1の上方に、それより細い断面円形の標柱2を連続させて配置する。この標柱2の途中にはステップその他の機材を設けないで細長い1本の標体3を構成し、この標体3をユニバーサルジョイント5により沈錘4に係留する。標体3をステンレス鋼製とする。沈錘4を薄い方形板状の鋼製とする。ユニバーサルジョイント5のすべり軸受に、ダストシールを装着する。灯具6の灯火を電球とし、その保持台を防振装置付のベースで保持する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、人工リーフ、潜堤などの堤体が存在するところにおいて標識用として用いられるスパーブイに関するものである。
人工リーフ、潜堤は、図13および図14においてAで示すように、砂浜を有する海岸のような浅海に設置され、人為的に砕波を発生させて背後海域を静穏化するとともに、漂波(海底の砂が移動することをいう。以下、同じ)による砂の流出を防ぐ役目をするものである。
このような堤体Aが浅海に設置されていることを航行船舶に知らせるために、灯具を備えた図13のBで示すような固定式のブイや同図Cで示すような係留式のブイが、標識用として用いられている。また、これらに代わるものとして、標体をパイプ状としてその途中に浮力体を設け、その係留具をショートリンク式もしくはユニバーサルジョイント式とし、沈錘をコンクリート製または鋼製とした灯浮標も開発されている(例えば、特許文献1)。
特開2003−276678号公報
堤体Aの法面(のりめん)の水深が約10m以下となるような砕波浅海域で、このスパーブイを用いた場合には、通常、パイプ状の標体の長さが短くなり、ブイの固有周期が小さくなって波浪の周期に近づくため、共振してブイの動揺角が大きくなり、係留具が必要以上に磨耗する。また、砕波力で、標体、灯火などに衝撃的な波圧や砂が作用し、それらが破損する可能性が大きくなるのみならず、塗膜がはがれやすい。さらに、漂砂あるいはそれが舞い上がることにより沈錘が埋没しやすく、砂粒の介在により係留具や係留索が必要以上に磨耗するという問題がある。
一方、近年の景観保護重視のグローバル化に基づいて、砕波浅海域では標識ができるだけ目立たないように、標体を細く、かつ、短くすることが要求されている。
これらの要求事項と上述したブイの動揺角や破損その他の問題とは相反する関係にあるが、砕波浅海域で用いられるスパーブイは、少なくともこのように相反する要求をいずれも満たし得るものであることが望ましい。
この要望に応え得るため、本発明では、ブイの標体をできるだけ細く、かつ、短くするとともに、その強度を確保し得るものとすることを第一義の事項として捕らえた。そこで、本発明では、断面円形のパイプ状浮力体の上方にそれより細い断面円形の標柱を連続させて配置し、この標柱の途中にはステップその他の機材を設けないで細長い1本の標体を構成し、この標体を沈錘に係留する。このようにした場合には、砕波浅海域での波浪、潮流に対してもブイの強度が確保されるから、ブイが破損しにくい。
この場合において、標体の素材をステンレス鋼製とすることが望ましい。この場合には、砂粒による飛まつ帯での標体の塗膜がはがれても錆が発生することも少なく、錆発生による汚れを防止できる。
そして、沈錘については、それを鋼製とするとともに、ユニバーサルジョイントによる標体との係留点を偏芯させておくとよい。この場合には、標体との係留点が偏芯しているため、沈錘の長手方向に移動させやすい特徴があり、砂中に埋没した沈錘を容易に引き上げることができる。
沈錘を薄い方形板状とするとともに、その角部分を図3(c)に示すように切除することが望ましい。このようにした場合には、図15(a)に示す潮流により、あるいは、図15(b)に示す波浪により、渦流が生じて砂が舞い上がることによる洗掘を防止できる。
洗掘とは、潮流、波浪の作用によって構造物の基礎底面付近に渦流を生じ、その周辺の土砂、礫などを巻き上げまたは吸い寄せることにより移動させ、海底地盤を掘り下げる現象をいう。なお、洗掘の程度は、流速、土砂粒の大きさによって異なる。
沈錘に吊環を設けておくとよい。この吊環が設けられていると、沈錘の設置、ならびに、沈錘にスパーブイが取り付けられた状態でのブイの設置を容易に行うことができる。
また、沈錘の底面に、長手方向に対して直角方向に滑り防止材を取り付けておくとよい。沈錘の底面にこの滑り防止材が取り付けられていると、潮流、波浪によって沈錘がみだりに動くのを防止でき、磨耗防止にも役立つ。
ユニバーサルジョイントについては、そのすべり軸受にダストシールを装着し、砂粒混入による磨耗を防止し得るように工夫した。すべり軸受に装着されているダストシールにより、ユニバーサルジョイントの軸部分に砂粒が混入するのが防止され、その付近が磨耗するのを防止できる。
一方、前記標柱の上端には灯具が取り付けられているが、それをスイングボルトで接続するのが望ましい。この場合には、灯具破損時に灯具を可及的速やかに交換できる。
また、灯具の電源を太陽電池式とし、そのパネルを電源室の箱体壁面に沿わせて貼り付けるとよい。この場合には、太陽電池パネルの破損を極力防止できる。
灯具の灯火を電球とし、その保持台を防振装置付きのベースで保持することが望ましい。このようにした場合には、スパーブイが波浪その他の要因で揺動したときでも、灯火である電球やその他の器具を振動から保護することができる。
防振装置が側面截頭円錐形のインシュレータであり、それを複数個ベースに取り付け、インシュレータ付きのこのベースで電球の保持台を保持しておくことが望ましい。このようにした場合には、灯火である電球やその他の器具を振動から保護するのに最適である。
請求項1記載の発明によれば、砕波浅海域での波浪、潮流に対してもブイの強度が確保されるから、ブイが破損しにくいという効果がある。
請求項2記載の発明によれば、砂粒による飛まつ帯での標体の塗膜がはがれても錆が発生することも少なく、錆発生による汚れを防止できる効果がある。
請求項3記載の発明によれば、標体との係留点が偏芯しているため、沈錘の長手方向に移動させやすい特徴があり、砂中に埋没した沈錘を容易に引き上げることができる。
請求項4記載の発明によれば、潮流あるいは波浪により渦流が生じて砂が舞い上がることによる洗掘を防止できる効果がある。
請求項5記載の発明によれば、沈錘の設置、ならびに、沈錘にスパーブイが取り付けられた状態でのブイの設置を容易に行うことができる効果がある。
請求項6記載の発明によれば、潮流、波浪によって沈錘がみだりに動くのを防止でき、磨耗防止にも役立つという効果がある。
請求項7記載の発明によれば、ユニバーサルジョイントの軸部分に砂粒が混入するのが防止され、その付近が磨耗するのを防止できる効果がある。
請求項8記載の発明によれば、灯具破損時に灯具を可及的速やかに交換できる効果がある。
請求項9記載の発明によれば、太陽電池パネルの破損を極力防止できる効果がある。
請求項10記載の発明によれば、スパーブイが波浪その他の要因で揺動したときでも、灯火である電球やその他の器具を振動から保護することができる効果がある。
請求項11記載の発明によれば、灯火である電球やその他の器具を振動から保護するのに最適であるという利点を有する。
本発明の好ましい実施の形態を、図面に基いて詳細に説明する。
本スパーブイは、図13においてDで示すように、人工リーフ、潜堤などの堤体Aが設置されている砕波浅海域の海底Gに設標され、その付近に堤体Aがあることを航行船舶に知らせる役目をするものである。従って、少なくとも、細い柱状の標体3とこの標体3を海底Gに設標するための沈錘4を備えており、この沈錘4には係留具であるユニバーサルジョイント5を介して標体3の下端が係留されている。また、標体3の上端、すなわち、標柱2の上端には、灯具6が備えられている。
1つの堤体Aは長さL(50m程度)、幅W(200m程度)の大きさであり、図14に示すように、それらを砕波浅海域の海底Gに間隔S(50m程度)を置いて数基設標され、人為的に砕波を発生させて背後海域(図14の下側の海域、その長さL’は120m程度)を静穏化するとともに、漂波による砂の流出を防ぐことができる。図14の下側が陸側である。
そして、本スパーブイはそれを設置した砕波浅海域の海象条件(最大条件時と通常時における条件)にいずれも適合するものでなければならない。最大条件時とは、荒天時等海象条件の中で厳しい場合をいい、その条件下においてもスパーブイが動かないこと、流れないこと、標体が壊れないことであり、通常時の条件とは、穏やかな通常の海象条件の場合をいい、その条件下においてスパーブイが沈まないこと、灯火が正常に見えることが要求されている。
標体3をできるだけ細く、かつ、短くするために、しかも、それが壊れないようにするために、パイプ状の浮力体1の上方にそれより細いパイプ状の標柱2を連続させて1本の標体3としてある。この形状はペンシル型ということができ、浮力体1と標柱2とを、すなわち、1本の標体3をパイプ状とすることにより、その断面係数が高くなるとともに、曲げモーメントが分散せしめられるから、それらの強度を確保することができる。
また、浮力体1と標柱2の素材をステンレス鋼製としてあって、これにより、砂粒による飛まつ帯においてブイを使用しても標体3全体の塗膜がはがれた際標体3から錆が発生することも少なく、標体3からの錆発生による汚れを防止できる。そして、中空状の浮力体1の内部には、ウレタンフォームが充填してあって(図示しない)、ブイの復元力を高め得るようにしてある。
沈錘4については、荒天時等厳しい条件下においてもスパーブイが動かないようにするために、沈錘4を鋼製としてその重量を確保するとともに、ユニバーサルジョイント5による標体3との係留点を図1および図2に示すように偏芯させてある。すなわち、ユニバーサルジョイント5による標体3との係留点P5と沈錘4の中心線4aとは、図1、図2の左右方向において異なる位置にあり、このことからもユニバーサルジョイント5による標体3との係留点が沈錘4に対して偏芯させてあることを容易に理解することができる。
また、方形状の沈錘4の四隅部分は、図3(c)においてβ’で示すように、切除されている。このようにした場合には、図15(a)に示す潮流により、あるいは、図15(b)に示す波浪により、渦流が生じて砂が舞い上がることによる洗掘を防止できる。
洗掘とは、潮流、波浪の作用によって構造物の基礎底面付近に渦流を生じ、その周辺の土砂、礫などを巻き上げまたは吸い寄せることにより移動させ、海底地盤を掘り下げる現象をいうが、砕波浅海域の海底Gに設置されている沈錘4には四隅部分がないので、この洗掘現象が生じても埋没するのを防止できる。
また、切除されている四隅の上半分は、図3(b)においてβで示すように、斜めにカットされている。このようにすることにより、砕波浅海域の海底Gに設置されている沈錘4の基礎底面付近に、波浪の水分子速度(水平成分)作用によって渦流が生じるのを防止できる。なお、図3(b)における角度βは45°であり、この角度にカットするのが渦流防止には最も理想的である。
また、四隅が切除されている沈錘4の左右に突出している部分のうち片側(図3(b)、(c)の左側)には、吊環4bが取り付けられている。この吊環4bは沈錘4の設置および引き上げに極めて便利である。なお、この吊環4bを利用して沈錘4を砕波浅海域の海底Gに設置する要領については、後述する。
さらに、この沈錘4の底面には、図3(a),(b)に示すように、この底面に対して直角方向の滑り防止材4cを取り付けてある。沈錘4の底面にこの滑り防止材4cが取り付けられていると、潮流、波浪によって沈錘4がみだりに動くのを防止でき、磨耗防止にも役立つ。
ユニバーサルジョイント5は前記標体3を沈錘4に係留するためのものであって、荒天時等厳しい条件下においてもスパーブイが流れないように、ユニバーサルジョイント5も十分な強度を有することが要求されている。ユニバーサルジョイント5は、図2に拡大して示すように、沈錘4にユニバーサルジョイント5を取り付けるためのヒンジ5aに対して図2の左右方向に配置されている軸5bと、この軸5bに対して直交する方向(図2の紙面に対して直角の方向)に配置されている軸5cとを有している。従って、2本の軸5b,5cを中心として標体3を図1、図2の前後方向と左右方向に回動させることができる。
このユニバーサルジョイント5が十分な強度を有するものとするために、図4に示すように、左右方向に配置されている軸5bに左右方向からすべり軸受5d,5dが圧入されており、両すべり軸受5d,5dの外端とヒンジ5aの内側に取り付けられている当て板5e,5eとの隙間を覆い隠すように、オイルシールであるリング状のダストシール5f,5fが装着されている。また、左右方向の軸5bの両端は、軸止め5g,5gにより固定されている。
両ダストシール5f,5fは、図4に拡大して示すように、ユニバーサルジョイント5のヒンジ5aの左右方向の軸5bに圧入されているすべり軸受5d,5dの外端部周囲にそれぞれ嵌着されている。そして、各ダストシール5f,5fには、図4にさらに拡大して示すように、これと一体的で外方向に広がる圧接部材5f'が備えられており、この圧接部材5b'がヒンジ5aの内側に取り付けられている当て板5e,5eに圧接していることにより、すべり軸受5d,5dの外端とヒンジ5aの内側に取り付けられている当て板5e,5eとの隙間から砂粒が混入し、その付近や軸5bが磨耗するのを防止できる。なお、前記すべり軸受5dはフッ素樹脂製、当て板5e、軸止め5gはステンレス製、ダストシール5fはフッ素ゴム製とすることができる。
また、この軸5bに対して直交する方向(図2の紙面に対して直角の方向)に配置されている軸5cにも、軸5bの場合と同様に、すべり軸受5d,5dが圧入されており、さらに、軸5bの場合と同様に、当て板5e,5e、ダストシール5f,5fが取り付けられているが、それらについての詳細な説明と図示は省略する。すなわち、ここに示すユニバーサルジョイント5は2軸方式であり、軸5b、5cが磨耗しないように、すべり軸受5d,5d付き、ダストシール5f,5f付きとしてある。
一方、前記標柱2の上端2aには灯具6が取り付けられている。灯具6の灯火は通常の条件下で正常に見えなければならないが、それが見えるか見えないかは灯火の垂直発散角度と標体3の傾斜角とが関係するので、両角度を灯火が見える範囲内に設定しておく必要がある。そして、この灯具6の取り付けには、図5に示すように、灯具6の取付台6aに等間隔に複数個の切欠溝6b,6bを形成しておき、標柱2の上端2aに重ね合わせた取付台6aの外側から前記各切欠溝6b,6bにスイングボルト6c,6cを嵌め込んで標柱2の上端2aに固定してある。この取付方法を採用すれば、灯具破損時に灯具6を可及的速やかに交換できる。なお、この灯具6は標柱2の上端2aに始めから取り付けておいてもよいし、後述するように、輸送途中の段階で取り付けてもよい。
また、図6に示すように、灯具6の電源を太陽電池式とし、そのパネル6dを方形状としてそれを平面四角柱状の電源室6eの各箱体壁面に沿わせて貼り付けてある。この場合には、太陽電池パネル6dの破損を極力防止できる。
灯具6の灯火6fは、図6(a)に示すように、発光ダイオード(LED)としてもよいし、図6(b)に示すように、電球としてもよい。発光ダイオード(LED)の場合には、それらを同一平面上に同一間隔をおいて一点を中心とする放射状に配置することが望ましい。そして、発光ダイオード(LED)の場合も電球の場合も、電源を太陽電池式としてある。なお、図6(a),(b)における図面符号6gは蓄電池、図5および図6(a)における図面符号6hはアンテナである。
一方、灯火6fを電球とした場合においては、図6(b)に示すように、その保持台6iを防振装置付きのベース6jで保持することが望ましい。防振装置付きのベース6jで灯火である電球を保持した場合には、スパーブイが波浪その他の要因で揺動したときでも、特に、砕波(高波浪)による衝撃力により振動したときでも、灯火である電球やその他の器具、例えば、図6(b)において図面符号6kで示す点滅器などを振動から保護することができる。
防振装置として、種々のものが考えられる。例えば、図7(A)に示すように、3本の支柱6lで灯火である電球やその他の器具を支える場合や、図7(B)に示すように、塩化ビニルなどの合成樹脂からなるスペーサー6mで支える場合、あるいは、図7(C)に示すように、側面截頭円錐形のインシュレータ6nを用い、それを複数個ベース6jに取り付け、複数個のインシュレータ6n,6n付きのこのベース6jで電球の保持台6iを保持する場合、さらには、図7(D)に示すように、防振材6pでプレート6oを挟み込み、ボルトを貫通させて灯火である電球やその他の器具を支える場合である。なお、電球の保持台6iと防振装置付きのベース6jとの間には、図6(b)および図7に示すように、スペーサー6qを介在させてある。
このような防振装置付きのベース6jで灯火である電球の保持台6iを保持した場合には、灯火である電球やその他の器具(例えば、点滅器6k)を振動から保護するのに適している。例えば、振動によるネジの緩み、電球のフィラメントの断芯を防止でき、コストを削減できるのみならず、度々点検しなくても済むという利点がある。そして、それらの結果として、海上標識としての信頼性が向上することにつながる。
なお、上記インシュレータ6n、防振材6pを、例えば、シリコン製とすれば、耐候性を特に向上させることができる。
図7(A)〜(D)に示す防振装置付きのベース6jで、灯火である電球の保持台6iを保持し、図6(a),(b)において図面符号6rで示す基板と電球の中心にそれぞれ加速度計(加速度センサ)を設置した場合における振動試験結果を、図8〜図11に示す。各図において、縦軸を加速度/基板加速度、横軸を周波数とし、図7(A)〜(D)の各場合におけるX方向(図6および図7の紙面に対して直角方向)とY方向(図6および図7の左右方向)のそれぞれについて表わした。
この試験結果によれば、AおよびB方式では、広範囲に複数の共振点が存在し(図8参照)、また、電球のフィラメントの固有振動数340Hzと共振する(図9参照)から、電球の保持台の防振装置として好ましくないことが分かった。これに対して、CおよびD方式では、そのようなことがないので、電球の保持台の防振装置として好ましいということを確認することができた。特に、C方式の場合には、加速度/基板加速度の数値がD方式に比べてC方向、D方向とも極めて低い(図10、図11参照)から、この方式が最適であることが分かる。
この試験結果に基づいて、本発明では、電球の保持台の防振装置としてC方式を採用した。それによって、灯火である電球やその他の器具(点滅器6kなど)を振動から保護するのに最適である。例えば、振動によるネジの緩み、電球のフィラメントの断芯を十二分に防止でき、コストを大幅に削減できるのみならず、ほとんど点検しなくても済むという利点がある。そして、それらの結果として、海上標識としての信頼性が大幅に向上することになる。
その他、この砕波浅海域用のスパーブイDには、図1に示すように、浮力体1と標柱2との境界付近に1つの吊環7が、また、標柱2の上端より少し下側の対称位置に2つの引き手8,8がそれぞれ取り付けられている。なお、図1の矢印は波の向きを示す。また、図1のH.W.Lは砕波限界波高、M.S.Lは標準波高、L.W.Lは水深を表わす。
このような構造のスパーブイDを砕波浅海域の海底Gに設置する要領を、図12を用いて説明する。
まず、図12(a)に示すように、測量器H、GPSを用いて設置点の位置および水深を確認し、マーカーブイIを設置する。
次いで、図12(b)に示すように、沈錘4に吊バンドJを通して吊り上げ、クレーン台船Kに積み込む。積み込み完了後、上述のスイングボルト6cを用いて灯具6を標柱2の上端に取り付ける。
なお、スパーブイDと沈錘4はユニバーサルジョイント5で連結されており、互いに直交する2本の軸5b,5cを中心としてスパーブイSを沈錘4に対して起伏可能であり、クレーン台船Kへの積み込みは図12(b)に示すように倒した状態で行うことができる。
次に、図12(c)に示すように、積み込まれたスパーブイDの上端近くに取り付けられている引き手8に、舫い(ロープ)Kを取り付ける。また、スパーブイDの途中に取り付けられている吊環7を利用し、吊りロープMを用いてスパーブイDを50〜60°起こす。
しかる後、図12(d)に示すように、スパーブイDを起こした状態で沈錘4を吊りロープNで吊り上げ、そのままクレーンを旋回させる。
図12(e)に示すように、吊り上げられた沈錘4とスパーブイDとを、設置されたマーカーブイIの位置に吊り下ろしていく。
スパーブイDの浮力体1が着水したとき、図12(f)に示すように、スパーブイDの吊環7に取り付けられていた吊りロープMを外す。この吊りロープMを取り外した後、浮力体1の浮力によりスパーブイDが起き上がって沈錘4の吊りロープNと接触しないように、引き手8に取り付けられている舫い(ロープ)LでスパーブイDを引き倒しておく。
図12(g)に示すように、沈錘4が設置位置に着底すると、ダイバーが潜って沈錘4の設置位置を確認する。沈錘4が正規の位置に設置されていることを確認できると、沈錘4の吊りロープNおよび舫い(ロープ)Lを取り外す。
そして、最後の作業として、図12(h)に示すように、ダイバーにより沈錘4およびユニバーサルジョイント5の状況を確認し、水中写真を撮影する。
このようにして、砕波浅海域用のスパーブイDを砕波浅海域の海底Gに設置することができる。この場合の沈錘4の設置状態は図13に示す方向であり、吊環4bが取り付けられている方を人工リーフや潜堤A側に向けて設置される。なお、図13の左側、図14の下側が陸側である。
本発明による砕波浅海域用スパーブイの一例を沈錘とともに示す側面図である。 係留具であるユニバーサルジョイントの一例を沈錘とともに示す拡大図である。 沈錘の一例を示す概略図で、(a)は吊環側から見た場合を示す。(b)は側面図、(c)は平面図である。 ユニバーサルジョイントの軸受部分を示す拡大断面図である。 灯具の一例を示す概略図で、上から見た場合を合わせて示す。 灯具の具体例を示す一部切欠の側面図で、(a)は発光ダイオード(LED)を用いた場合を、(b)は電球を用いた場合を示す。 灯具の灯火を電球とした場合において、その防振装置の具体例を示す概略図で、(A)は3本の支柱による場合を、(B)はスペーサーによる場合を、(C)は側面截頭円錐形のインシュレータによる場合を、(D)はプレート付き防振材による場合を示す。 電源室を取り付ける基板と電球の中心に加速度計(加速度センサ)をそれぞれ設置した場合において、図7(A)に示すA方式と図7(B)に示すB方式の防振装置を用いてX方向(図6および図7の紙面に対して直角方向)の振動試験を行った結果を示すグラフである。 電源室を取り付ける基板と電球の中心に加速度計(加速度センサ)をそれぞれ設置した場合において、図7(A)に示すA方式と図7(B)に示すB方式の防振装置を用いてY方向(図6および図7の左右方向)の振動試験を行った結果を示すグラフである。 電源室を取り付ける基板と電球の中心に加速度計(加速度センサ)をそれぞれ設置した場合において、図7(C)に示すC方式と図7(D)に示すD方式の防振装置を用いてX方向(図6および図7の紙面に対して直角方向)の振動試験を行った結果を示すグラフである。 電源室を取り付ける基板と電球の中心に加速度計(加速度センサ)をそれぞれ設置した場合において、図7(C)に示すC方式と図7(D)に示すD方式の防振装置を用いてY方向(図6および図7の左右方向)の振動試験を行った結果を示すグラフである。 本スパーブイを砕波浅海域の海底に設置する要領を示す概略図である。 砕波浅海域の海底に、固定式のブイ、係留式のブイ、本スパーブイをそれぞれ標識用に設置した状態を示す概略図である。 人工リーフ、潜堤などの堤体を砕波浅海域の海底に設置した状態を示す平面図である。 渦流が生じて砂が舞い上がる初期の状態とそれが進んで洗掘された状態を示す原理図で、(a)は潮流による場合を、(b)は波浪による場合を示す。
符号の説明
1…浮力体、2…標柱、3…標体、4…沈錘、4a…中心線、4b…吊環、4c…滑り防止材、5…ユニバーサルジョイント、5b,5c…軸、5d…すべり軸受、5f…ダストシール、5f'…圧接部材、P5…ユニバーサルジョイントの係留点、6…灯具、6c…スイングボルト、6d…太陽電池パネル、6e…電源室、6i…電球の保持台、6j…ベース、6n…インシュレータ、A…人工リーフ(潜堤)、D…本発明のスパーブイ、G…砕波浅海域の海底。

Claims (11)

  1. 断面円形のパイプ状浮力体の上方にそれより細い断面円形の標柱を連続させて配置し、この標柱の途中にはステップその他の機材を設けないで細長い1本の標体を構成し、この標体を沈錘に係留したことを特徴とする砕波浅海域用スパーブイ。
  2. 標体をステンレス鋼製としたことを特徴とする請求項1記載の砕波浅海域用スパーブイ。
  3. 沈錘を鋼製とし、ユニバーサルジョイントによる標体との係留点を偏芯させたことを特徴とする請求項1記載の砕波浅海域用スパーブイ。
  4. 沈錘を薄い方形板状とするとともに、その角部分を切除することを特徴とする請求項1または3記載の砕波浅海域用スパーブイ。
  5. 沈錘に吊環を設けたことを特徴とする請求項1、3、4のいずれかに記載の砕波浅海域用スパーブイ。
  6. 沈錘の底面に、長手方向に対して直角方向に滑り防止材を取り付けたことを特徴とする請求項1、3、4、5のいずれかに記載の砕波浅海域用スパーブイ。
  7. ユニバーサルジョイントのすべり軸受に、ダストシールを装着したことを特徴とする請求項3記載の砕波浅海域用スパーブイ。
  8. スイングボルトにより、標柱の上端に灯具を取り付けることを特徴とする請求項1記載の砕波浅海域用スパーブイ。
  9. 灯具の電源を太陽電池パネルとし、それを電源室の箱体壁面に沿わせて貼り付けることを特徴とする請求項8記載の砕波浅海域用スパーブイ。
  10. 灯具の灯火を電球とし、その保持台を防振装置付のベースで保持したことを特徴とする請求項8または9記載の砕波浅海域用スパーブイ。
  11. 防振装置が側面截頭円錐形のインシュレータであり、それを複数個ベースに取り付け、インシュレータ付のこのベースで電球の保持台を保持したことを特徴とする請求項10記載の砕波浅海域用スパーブイ。
JP2003430037A 2003-12-25 2003-12-25 砕波浅海域用スパーブイ Pending JP2005186752A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003430037A JP2005186752A (ja) 2003-12-25 2003-12-25 砕波浅海域用スパーブイ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003430037A JP2005186752A (ja) 2003-12-25 2003-12-25 砕波浅海域用スパーブイ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005186752A true JP2005186752A (ja) 2005-07-14

Family

ID=34788524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003430037A Pending JP2005186752A (ja) 2003-12-25 2003-12-25 砕波浅海域用スパーブイ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005186752A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2265292A1 (es) * 2004-11-29 2007-02-01 Pedro Jimenez Del Amo Mejoras introducidas en la patente n. p-200402911 por dispositivo de extraccion de un cabo sumergido para amarrar un barco.
CN108001627A (zh) * 2017-12-28 2018-05-08 上海亨通海洋装备有限公司 被动式声学锚泊系统和海底观测系统
CN109895959A (zh) * 2019-04-09 2019-06-18 自然资源部第一海洋研究所 一种极地实时通信-极地水文观测浮标
JP2020015334A (ja) * 2018-07-23 2020-01-30 三井E&S造船株式会社 船舶
CN113281481A (zh) * 2021-05-21 2021-08-20 深圳骏信环境科技有限公司 一种海洋水质环境定点监测装置及其监测方法
CN113460237A (zh) * 2021-07-26 2021-10-01 交通运输部南海航海保障中心海口航标处 一种具有无人巡航功能的航标
JP2021154890A (ja) * 2020-03-27 2021-10-07 株式会社ゼニライトブイ スパーブイ用係留装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2265292A1 (es) * 2004-11-29 2007-02-01 Pedro Jimenez Del Amo Mejoras introducidas en la patente n. p-200402911 por dispositivo de extraccion de un cabo sumergido para amarrar un barco.
CN108001627A (zh) * 2017-12-28 2018-05-08 上海亨通海洋装备有限公司 被动式声学锚泊系统和海底观测系统
CN108001627B (zh) * 2017-12-28 2024-04-05 上海亨通海洋装备有限公司 被动式声学锚泊系统和海底观测系统
JP2020015334A (ja) * 2018-07-23 2020-01-30 三井E&S造船株式会社 船舶
JP7012926B2 (ja) 2018-07-23 2022-01-31 三菱重工マリタイムシステムズ株式会社 船舶
CN109895959A (zh) * 2019-04-09 2019-06-18 自然资源部第一海洋研究所 一种极地实时通信-极地水文观测浮标
JP2021154890A (ja) * 2020-03-27 2021-10-07 株式会社ゼニライトブイ スパーブイ用係留装置
CN113281481A (zh) * 2021-05-21 2021-08-20 深圳骏信环境科技有限公司 一种海洋水质环境定点监测装置及其监测方法
CN113281481B (zh) * 2021-05-21 2022-04-22 深圳骏信环境科技有限公司 一种海洋水质环境定点监测装置及其监测方法
CN113460237A (zh) * 2021-07-26 2021-10-01 交通运输部南海航海保障中心海口航标处 一种具有无人巡航功能的航标
CN113460237B (zh) * 2021-07-26 2022-05-31 交通运输部南海航海保障中心海口航标处 一种具有无人巡航功能的航标

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9776689B2 (en) Method and system for static and dynamic positioning or controlling motion of marine structure
US9233739B2 (en) Mooring system for floating arctic vessel
KR100490713B1 (ko) 부잔교 및 이와 연관된 근해 풍력 에너지 설비
US7575397B2 (en) Floating platform with non-uniformly distributed load and method of construction thereof
Tjelta Suction piles: their position and application today
US7275891B2 (en) Apparatus for controlling underwater based equipment
US4813815A (en) Buoyant, elastically tethered articulated marine platform
KR101500844B1 (ko) 잠수식 부교를 이용한 계류장치
US20130139499A1 (en) Support unit for a device for recovering energy from marine and fluvial currents
JP2005186752A (ja) 砕波浅海域用スパーブイ
US20070221112A1 (en) Solution mining to refloat and dispose of an offshore floating structure
JP6681225B2 (ja) 重力式構造物の水底への設置方法
KR101335611B1 (ko) 해상지리정보 데이터베이스를 이용한 부유식 구조물의 위치유지 시스템 및 방법
CN212580085U (zh) 自稳式深水航标
US3793843A (en) Floating breasting platform
JP2018178601A (ja) 海底資源採掘システム
KR102067255B1 (ko) 해상 공사용 부력식 앵커 블럭
JP7020713B2 (ja) 多数のフロート体を備え、デッドウェイトアンカーを複合した深海アンカーベース
JPH06219372A (ja) 浮沈自在な浮体の係留方法
Karulin et al. Application of Special-Purpose Equipment for Management of Ice Buildups Around Prirazlomnaya Platform
JP2006214256A (ja) 海洋深層水の低コスト取水技術
JP2000185690A (ja) 自家発電式浮体構造物
JPH0742161A (ja) ケーソンの沈設方法
JPH01269694A (ja) 引き込み係留式スパーブイの係留方法および装置
JPH0742160A (ja) 大型構造体の水平沈設方法およびその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060324

A977 Report on retrieval

Effective date: 20090121

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090126

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090407

A521 Written amendment

Effective date: 20090519

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090615

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091026