JP2005186525A - ヘッドユニットおよびこれを備えた液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数のノズルプレートをノズル面基準で位置決めする固定板に着目してなされたものであり、歩留まりを向上しながら、吐出精度を良好に保つことができるヘッドユニットおよびこれを備えた液体噴射装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 液体が吐出される複数のノズル孔63をノズル面61に形成した複数のノズルプレート56を備え、各ノズル孔63を気密状態に保持するキャップ部材21に密着可能に構成されたヘッドユニット2において、各ノズル孔63から外れた各ノズル面61の部位に当接して、複数のノズルプレート56をノズル面基準で位置決めする単一の固定板33を更に備え、キャップ部材21に対するキャップ密着部位が、ノズル面61を外れた固定板33に設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図5
【解決手段】 液体が吐出される複数のノズル孔63をノズル面61に形成した複数のノズルプレート56を備え、各ノズル孔63を気密状態に保持するキャップ部材21に密着可能に構成されたヘッドユニット2において、各ノズル孔63から外れた各ノズル面61の部位に当接して、複数のノズルプレート56をノズル面基準で位置決めする単一の固定板33を更に備え、キャップ部材21に対するキャップ密着部位が、ノズル面61を外れた固定板33に設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図5
Description
本発明は、液体が吐出される複数のノズル孔をノズル面に形成した複数のノズルプレートを備えたヘッドユニットおよびこれを備えた液体噴射装置に関するものである。
インクジェットプリンタなど、従来の液体噴射装置は、液体噴射ヘッド(インクジェットヘッド)の各ノズル孔の目詰まりを防止・解消するべく、各ノズル孔からインクを強制的に吸引する吸引処理のほか、非稼働時に各ノズル孔からのインクの蒸発を防止するための保管処理などを行う(例えば、特許文献1参照。)。この吸引処理や保管処理は、液体噴射ヘッドのノズル面にキャップ部材を密着させ、各ノズル孔を気密状態に保持して行われる。
また、液体噴射装置では、液体噴射ヘッドの歩留まりを向上するべく、ノズル孔の数(またはノズル列の数)を減らした液体噴射ヘッドを単一の支持ベースに複数個組みつけて全体としてヘッドユニットを構成し、このヘッドユニットを印刷媒体に対して相対的に走査させることで、印刷等を行うようにしている(例えば、特許文献1および2参照。)。この場合、複数の液体噴射ヘッドは、支持ベースを基準としてこれに個々に位置決め固定されている。
特開2002−225254号公報(第5図および第9図)
特開2003−145791号公報(第6図)
このような従来のヘッドユニットでは、支持ベースを基準に各液体噴射ヘッドを位置決めしているため、支持ベースに精度良く固定できたとしても、複数のノズル孔を形成したノズルプレート等自体に成型の厚みばらつきがある場合には、ノズル面相互間において高さレベルに僅かにばらつきを生じ得る。このため、いわゆるペーパーギャップがヘッドユニット全体で高精度には一定とならず、インク滴の着弾精度を低下させるおそれがあった。
そこで、かかる問題を解決するべく、ノズル面基準で複数の液体噴射ヘッドを位置決め固定することが考えられる。例えば、ノズル面基準のための固定板を用意し、ノズル面の各ノズル孔から外れた部位を固定板に突き当てて、この状態で固定板に各ノズルプレートを固着することが考えられる。
しかしながら、この液体噴射ヘッドでは、ノズル面の一部スペースを固定板により占有されることになる。このため、図5(b)に示すように、吸引処理等に用いられる上記キャップ部材21は、固定板33のない旧来の液体噴射ヘッドに比べて(同図(a)参照)、ノズル面61の制約されたスペースでこれに密着するため、キャップ部材21のシール部位93がノズル孔63に近づいた構造となり易い。ところが、このような構造となると、吸引処理後等にシール部位93を介してノズル面61に付着した液滴150(以下、付着残滴という場合がある。)が、ノズル孔63に干渉し易くなり、却って吐出精度・着弾精度を低下させるおそれがある。
もっとも、各ノズル面のサイズを大きくすれば、シール部位のスペースを十分に確保できるが、液体噴射ヘッド自体が大きくなるなど、構造上・歩留まり上好ましくない。
本発明は、複数のノズルプレートをノズル面基準で位置決めする固定板に着目してなされたものであり、歩留まりを向上しながら、吐出精度・着弾精度を良好に保つことができるヘッドユニットおよびこれを備えた液体噴射装置を提供することをその目的としている。
本発明のヘッドユニットは、液体が吐出される複数のノズル孔をノズル面に形成した複数のノズルプレートを備え、各ノズル孔を気密状態に保持するキャップ部材に密着可能に構成されたヘッドユニットにおいて、各ノズル孔から外れた各ノズル面の部位に当接して、複数のノズルプレートをノズル面基準で位置決めする単一の固定板を更に備え、キャップ部材に対するキャップ密着部位が、各ノズル面を外れた固定板に設けられているものである。
この構成によれば、固定板が複数のノズル面に当接してこれらを同一平面上に位置決めするが、キャップ部材により上記の保管処理等が行われる場合には、キャップ部材が固定板のキャップ密着部位に密着し、各ノズル孔を気密状態に保持する。このように、キャップ部材をノズル面に直接密着させることに代え、固定板を有効利用して、固定板にキャップ密着部位を設けている。これにより、ノズル面を大きくしなくとも、キャップ部材を介して付着し得る付着残滴を、構造上、ノズル孔から遠ざけることができる。したがって、いわゆるペーパーギャップを一定にしつつ、簡単な構造で、ノズル孔への付着残滴の影響を好適に回避することができる。
この場合、キャップ密着部位は、撥液処理されていることが、好ましい。
この構成によれば、上記の付着残滴が粒状になりやすいため、付着残滴がノズル孔に向かって拡散することを好適に防止することができる。また、例えばワイパー部材等によって付着残滴を払拭する際にも有用となる。なお、ノズル面にも撥液処理することもでき、この場合にはノズル面とキャップ密着部位とで、撥液処理の種類を変えることもできる。
これらの場合、固定板は、複数のノズル面に対応して個々に設けられ、各ノズル面に臨む複数の開口部と、各開口部を画成すると共にキャップ密着部位を構成する複数の開口縁部と、を有していることが、好ましい。
この構成によれば、各ノズル面の複数のノズル孔はノズル面を単位として、キャップ部材の各開口縁部により気密状態に保持される。これにより、例えば上記の吸引処理を行う場合に、各ノズル面の複数のノズル孔からインク等の液体を吸引できるので、全てのノズル孔から一括して吸引する場合に比べ、液体の無駄な消費を防止することができる。また例えば、ノズル孔から吐出する液体の性状をノズル面単位とし、ノズル面単位で吸引処理する場合には、複数のノズル面間における液体の混液等を有効に防止することができる。
これらの場合、各ノズル面および固定板に付着した液体を払拭するワイパー部材に対し、各ノズル面および固定板よりも優先して接触される保護部材を備え、保護部材は、固定板におけるワイパー部材の払拭方向開始側の端部にのみ設けられていることが、好ましい。
この構成によれば、ワイパー部材による払拭開始の際に、ワイパー部材は固定板やノズル面に優先して保護部材に接触する。これにより、払拭開始の際にワイパー部材が固定板等に直接接触して損傷することを適切に防止することができる。また、上記のように保護部材が設けられるため、固定板に対する保護部材の占有スペースを極力小さくできる。これにより、キャップ密着部位のスペース(いわゆるキャップしろ)を固定板に適切に且つ十分にとることができる。
これらの場合、複数のノズルプレートに対応して個々に設けられ、各ノズルプレートのノズル孔に連通するヘッド内流路を形成した複数のヘッド本体と、各ヘッド内流路に連通し、これに液体を導入する複数の液体導入部と、を更に有しており、複数のノズルプレート、複数のヘッド本体および複数の液体導入部は、ユニット化されて複数の液体噴射ヘッドを個々に構成していることが、好ましい。
この構成によれば、一つのノズルプレートに対応して、ヘッド本体および液体導入部をそれぞれ一つずつ設けて一つの液体噴射ヘッドが構成される。これにより、複数のノズルプレートに対して一つのヘッド本体等を設ける場合に比べて、ヘッドユニットの歩留まりを適切に向上することができる。
本発明の液体噴射装置は、上記した本発明のヘッドユニットと、ヘッドユニットの固定板に対し、相対的に離接移動するキャップ部材と、を備えたものである。
この構成によれば、ヘッドユニットがキャップ部材による吸引処理等を施されても、その吐出精度・着弾精度が良好に保たれるため、信頼性の高い液体噴射装置を提供することができる。なお、液体噴射装置には、ヘッドユニットを吐出媒体(印刷媒体)に対して相対的に走査させるインクジェットプリンタのほか、カラーフィルタや有機ELデバイス等の製造ラインに組み込まれ、吐出する液体としてフィルタエレメントや発行材料等の機能液を用いて基板に所望の成膜を施す装置も含まれる。
本発明のヘッドユニットおよびこれを備えた液体噴射装置によれば、複数のノズル面が同一平面に位置していわゆるペーパーギャップを一定に維持しつつ、キャップ部材による保管処理等に適切に供することができ、全体として歩留まりを向上しながら吐出精度・着弾精度を良好に保つことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係るヘッドユニットおよびこれを備えた液体噴射装置について説明する。このヘッドユニットは、インク等の液体をドット状に吐出するインクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)を複数個搭載したものである。そして本発明の特徴部分は、液体噴射装置側のキャップ部材に対するヘッドユニット側のキャップ密着部位を工夫したことにある。以下の説明では、先ず液体噴射装置について、インクジェットプリンタを例に簡単に説明する。
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、複数(4つ)のインクジェットヘッド32(図2参照)を備えたヘッドユニット2と、ヘッドユニット2を搭載したキャリッジ3と、キャリッジ3を往復動させる駆動源のキャリッジモータ4と、キャリッジ3の往復動をガイドするガイド軸5と、キャリッジモータ4の動力をキャリッジ3に伝達するタイミングベルト等などの動力伝達機構6と、インクジェットヘッド32に所定の間隙を存した状態で印刷媒体Sを送るプラテンローラ7と、プラテンローラ7を駆動回転させる駆動モータ8と、これら各種モータ4,8やガイド軸5等を固定した装置フレーム9と、を備えている。
キャリッジ3には、各インクジェットヘッド32にインクを供給する例えば4つのインクカートリッジ11が着脱可能に装着されている。4つのインクカートリッジ11には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびブラック(Bk)の各色が貯留されている。インクジェットプリンタ1の印刷動作は、プラテンローラ7による印刷媒体Sの間欠送りに同期してヘッドユニット2が往復動し、その際に、各インクジェットヘッド32のノズル孔63から各色のインクが下方の印刷媒体Sに向けて吐出されることで行われる。
インクジェットプリンタ1は、印刷エリアから外れたヘッドユニット2のホームポジションに、インクジェットヘッド32を保全処理するメンテナンスユニット12を備えている。メンテナンスユニット12は、各インクジェットヘッド32に対応した4つのキャップ部材21と、単一のワイパー部材22と、これらキャップ部材21およびワイパー部材22を昇降させ、これらをヘッドユニット2に離接させる昇降機構23と、を有している。なお、図1ではキャップ部材21は4つのうちの1つが模式的に示されている。
詳細は後述するが、キャップ部材21は、昇降機構23により上昇してヘッドユニット2に密着し、インクジェットヘッド32のノズル孔63の保管処理や吸引処理に供せられる(図3参照)。また、ワイパー部材22は、吸引処理後に、ヘッドユニット2の往復動と協働してインクジェットヘッド32のノズル面61の払拭処理に供せられる。
図2(a)に示すように、ヘッドユニット2は、キャリッジ3に下側から固定されるヘッドフレーム31と、ヘッドフレーム31の下部に固定された4つのインクジェットヘッド32と、各インクジェットヘッド32の下面に固定された平板状の単一の固定板33と、を有している。また、同図(b)に示すように、ヘッドユニット2は、インクジェットヘッド32の並び方向の一方にのみ設けられ、固定板33の下面に突き当てるようにして固定されたカバーヘッド34(保護部材)を有している。なお、カバーヘッド34は同図(b)にのみ示されている。
図3に示すように、ヘッドフレーム31の上面部には、各インクカートリッジ11の底部に形成された一対のインク供給口(図示省略)に対応して、これに挿入される針状の一対のインク供給受け部41が4組(計8個)設けられている。ヘッドフレーム31の内部には、各インク供給受け部41に連通するフレーム内流路42がそれぞれ設けられ、各フレーム内流路42を介して各インクジェットヘッド32にインクが供給される。
各インクジェットヘッド32は、ヘッドフレーム31の下部に固定されると共にフレーム内流路42に連通する液体導入通路51を有する液体導入部52と、液体導入通路51に連通するヘッド内流路53を有すると共に圧電素子54等が組み込まれたヘッド本体55と、ヘッド内流路53に連通する複数のノズル孔63を有するノズルプレート56と、でユニット化されている。そして、ユニット化された4つのインクジェットヘッド32が、ヘッドユニット2の往復動方向に沿って、互いに所定の間隙を存して並べられている。
ノズルプレート56は、ステンレス板等により形成され、その下面となる平坦なノズル面61は、メッキ等により撥液処理(撥水処理)されている。各ノズル面61には、図2に示すように、2本のノズル列62が相互に平行に列設されており、各ノズル列62は、等ピッチで並べた複数(例えば180個:図示では模式的に示している)のノズル孔63で構成されている。
そして、ノズル孔63の数に対応して上記の圧電素子54が設けられている。圧電素子54は、ヘッド内流路53の一部である図示しない液室を介してノズル孔63からインク滴を吐出せしめる液体吐出手段として機能する。すなわち、インクジェットヘッド32は、吐出信号を印加された圧電素子54のポンプ動作により、ノズル孔63からインク滴を吐出する。なお、インクジェットヘッド32におけるノズル列62の数や、ノズル孔63の数は任意であるし、液体吐出手段として圧電素子54に代えて、発熱素子を用いてもよい。
固定板33は、ステンレス鋼等からなり、例えば0.1mmの厚さを有した平板状に構成されている。固定板33は、複数のインクジェットヘッド32をノズル面61基準で位置決めするためのものであり、各インクジェットヘッド32の複数のノズル孔63から外れたノズル面61の部位に当接し、複数のインクジェットヘッド32に亘って接着固定されている。
すなわち、固定板33は、図2および図3に示すように、複数のノズル面61に対応して個々に設けられて各ノズル面61に臨む複数の開口部71と、各開口部71を画成すると共にノズル面61に接着固定される複数の開口縁部72と、を有している。各開口部71は、縦長の長方形で構成され、2列のノズル列62と共にノズル面61の一部を露出させている。複数の開口縁部72は、隣接するノズル面61,61間を共用するようにして構成されている。
固定板33への複数のインクジェットヘッド32の接着固定は、固定板33の上面側に接着シートを貼着し(または接着剤を塗布し)、これにインクジェットヘッド32を位置合せしながらノズル面61をあてがうことで行われる。したがって、固定板33に接着固定された複数のインクジェットヘッド32は、複数のノズル面61が同一平面上に位置決めされる。そしてこの状態で、複数のインクジェットヘッド32の上部(液体導入部52)がヘッドフレーム31の下部に接着固定される。このため、ヘッドユニット2は、いわゆるペーパーギャップ(印刷媒体Sと各ノズル面61との間の距離)が全体として一定となっている。
また、固定板33が複数のインクジェットヘッド32を位置決めした状態では、固定板33の複数の開口縁部72により構成される外周ラインが、横並びされた複数のインクジェットヘッド32の外周ラインに略合致するようになっている(図2(a)参照)。そして、後述するように、上記のキャップ部材21が密着するヘッドユニット2側の部位は固定板33の下面となっているため、固定板33の下面は、ノズル面61と同様に、例えば共析メッキ層を被膜される等の撥液処理がなされている。
ここで具体的に、図3および図4を参照して、キャップ部材21とヘッドユニット2との密着関係について詳述する。キャップ部材21は、4つのインクジェットヘッド32に対応して4つが設けられている。各キャップ部材21は、凹部91を形成したキャップ本体92と、キャップ本体92の上端周縁部となるシール部位93と、を有している。キャップ本体92の凹部91の底部には、キャップ部材21を介してインクジェットヘッド32からインクの吸引を行う吸引ポンプ95(図3にのみ示す)が接続されている。
キャップ本体92の凹部91は、2本のノズル列62と共に固定板33の開口部71から露出したノズル面61を包含可能に構成されている。一方、シール部位93は、固定板33の開口縁部72に密着可能に構成されている。すなわち、キャップ部材21は、シール部位93を介して開口縁部72に密着し、固定板33との間で密閉空間を構成し、インクジェットヘッド32の複数のノズル孔63を気密状態に保持(封止)する。
キャップ部材21によるインクジェットヘッド32の保管処理は、インクジェットプリンタ1の稼働終了後など非稼働時に、各ノズル孔63からのインクの蒸発を防止するために行われる。具体的には、ヘッドユニット2をホームポジションに移動させ、昇降機構23により各キャップ部材21を上昇させて、各キャップ部材21を介して各インクジェットヘッド32の複数のノズル孔63を気密状態に保持することで行われる。
また、キャップ部材21によるインクジェットヘッド32の吸引処理は、インクジェットプリンタ1の稼働時やマニュアル操作により、インクジェットヘッド32のいわゆるドット抜けを防止・解消するために行われる。具体的には、保管処理と同様に、各キャップ部材21を介して各インクジェットヘッド32の複数のノズル孔63を気密状態に保持するが、この状態で、吸引ポンプ95により各キャップ部材21を介して各インクジェットヘッド32の各ノズル孔63からインクを強制的に吸引することで行われる。
保管処理や吸引処理を行った後では、図5(c)に示すように、シール部位93を介してノズル面61にインクの付着残滴150が付着し得る。この付着残滴150は、キャップ部材21を昇降機構23によりノズル面61から離間させた後も付着し得る。そこで、本実施形態に係るヘッドユニット2では、キャップ部材21に対するキャップ密着部位を、ノズル面61から外れた固定板33(の開口縁部72)に設けるようにし、この付着残滴150をノズル孔63から構造上遠ざけるようにしている(図5(b)および(c)参照)。
これにより、キャップ部材21のシール部位93とノズル孔63との間の距離を、同図(a)に示す固定板33を用いない従来構造の場合と同等の距離だけ確保することができる。このため、保管処理後等にヘッドユニット2による印刷動作を開始しても、固定板33に付着した付着残滴150がノズル孔63に干渉することがない。
したがって、本実施形態によれば、ノズル孔63からのインク吐出を良好に行うことができる。また、固定板33により複数のノズル面61が同一平面上に位置しているため、ヘッドユニット2は、全域に亘ってペーパーギャップが一定となるため、印刷媒体Sへの印刷を良好に且つ高精度に行うことができる。
なお、上記の吸引処理に用いる吸引ポンプ95をキャップ部材21毎に設けること等により、インクジェットヘッド32単位で吸引処理するようにしてもよい。これによれば、全てのノズル孔63を一括して吸引処理する場合に比べ、インクジェットヘッド32単位で個別に吸引処理を行えるため、吸引処理の必要のないインクジェットヘッド32に吸引処理を施さなくて済み、インクの無駄な消費を抑えることができる。
なおまた、上記の実施形態では、キャップ部材21をインクジェットヘッド32の個数に対応する数だけ設けたが、全てのインクジェットヘッド32を包含するような一つのキャップ部材とすることもできる。この場合には、固定板33の四周縁部がキャップ密着部位となり、一つの開口部が四周縁部により画成されることになる。もっとも、吸引処理に伴うインクの混色を防止することなどを考慮すると、本実施形態のような構成が好ましい。また、固定板33の下面およびノズル面61の両面を撥液処理したが、例えばインク等の液体の性状に対応して、両者の撥液処理の種類をかえてもよい。
次に、図2(b)を参照して、カバーヘッド34について説明する。カバーヘッド34は、固定板33の下面に当接し、これに接着固定された平板状の平板部111と、平板部111からヘッドフレーム31側に直角に屈曲して延在する側壁部112と、側壁部112から外側に直角に屈曲して延在し、ヘッドフレーム31に設けた突起部43に係合する係合孔114を有するフランジ部113と、を備えている。カバーヘッド34は、平板部111、側壁部112およびフランジ部113が金属材料により一体に形成されており、ヘッドユニット2を接地する機能を有している。
側壁部112は、並び方向の一端に位置するインクジェットヘッド32の側面、固定板33の側面およびヘッドフレーム31の側面に当接している。そして、このようなカバーヘッド34は、固定板33におけるワイパー部材22の払拭方向開始側の端部にのみ設けられている。
ワイパー部材22は、図1に示すように、ゴム状部材からなり、上方に突出した矩形形状を呈している。ワイパー部材22は、インクジェットヘッド32の長手方向(すなわち固定板33の短辺方向)の長さに対応して、その長手方向に延在している。ワイパー部材22によるインクジェットヘッド32の払拭処理は、吸引処理後に、各ノズル面61および固定板33に付着したインク(上記の付着残滴150を含む)を払拭するために行われる。
具体的には、払拭処理では、先ず、吸引処理後に昇降機構23によりキャップ部材21を離間させると共に、昇降機構23によりワイパー部材22を退避位置から上昇させる。次いで、ヘッドユニット2をホームポジションから印刷エリアに移動させる。このとき、ワイパー部材22が、固定板33および各ノズル面61に連続して接触し、これらに付着したインクを払拭する。この場合、カバーヘッド34がワイパー部材22の払拭方向開始側に設けられているため、ワイパー部材22は、払拭処理に際して、先ずカバーヘッド34の側壁部112に接触し、続いてその平板部111、固定板33およびノズル面61へと接触していく。
このように、払拭処理の開始の際に、ワイパー部材22を固定板33やノズル面61に優先してカバーヘッド34に接触させるようにしているため、ワイパー部材22がインクジェットヘッド32の側面や固定板33からなる積層端面に直接接触して損傷することを適切に防止することができる。また、カバーヘッド34をヘッドユニット2の一部にのみ設けるようにしているため、固定板33に対するカバーヘッド34の平板部111の占有スペースを極力小さくすることができる。これにより、固定板33を大きくすることなく、固定板33のキャップ密着部位のスペースを十分に確保することができる。
なお、上記の説明では、ヘッドユニット2をいわゆる横拭きするワイパー部材22としたが、これに代えて、ワイパー部材22をノズル孔22の列設方向に積極的に可動させるいわゆる縦拭きの構成としてもよい。この場合には、ワイパー部材22は、固定板33の長手方向の長さに対応して、複数の開口部71の幅方向に対向する領域に設けられる(すなわち、図1の配置方向に対し直交する方向に配置される)。また、メンテナンスユニット12は、ワイパー部材22を前記列設方向に可動させる可動機構を具備することになる。
図6は、このような縦拭きのワイパー部材22に対応して、カバーヘッド34を取り付けたヘッドユニット2の他の例を示している。同図に示すように、カバーヘッド34は、インクジェットヘッド32の並び方向に直交する方向の一方にのみ設けられている。すなわち、カバーヘッド34は、上記と同様に、固定板33におけるワイパー部材22の縦拭きの払拭方向開始側の端部にのみ設けられる。
カバーヘッド34の側壁部112は、各インクジェットヘッド32の奥側の側面や固定板33の奥側の側面等に当接している。なお、図示省略したが、カバーヘッド34のフランジ部113に対応して、ヘッドフレーム31の上記の突起部43が設けられており、この突起部43にフランジ部113の係合孔114が係合している。
縦拭きの払拭処理は、昇降機構23および可動機構を駆動して、ホームポジションにあるヘッドユニット2にワイパー部材22を接触させることで行われる。これにより、ワイパー部材22は、カバーヘッド34の側壁部112から平板部111へと接触していき、続いて固定板33および各ノズル面61に接触して、これらに付着したインクを払拭する。したがって、カバーヘッド34はワイパー部材22の損傷防止等、横拭きの場合と同様な効果を奏すると共に、横拭きの場合と異なり、ワイパー部材22が複数のノズル面61を連続的に跨ぐことなく各ノズル面61に接触するため、払拭処理に伴う混色を好適に回避することができる。
なお、本実施形態では、液体噴射装置としてインクジェットプリンタ1を例に説明したが、液体噴射ヘッドの吐出する液体として各種の材料からなる機能液を用いることで、各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることができる。すなわち、液体噴射装置には、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP装置および電気泳動表示装置等の製造ラインに組み込まれ、吐出する液体としてフィルタエレメントや発行材料等の機能液を用いて基板に所望の成膜を施す装置が含まれる。
1・・・インクジェットプリンタ(液体噴射装置)、2・・・ヘッドユニット、21・・・キャップ部材、22・・・ワイパー部材、32・・・インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)、33・・・固定板、34・・・カバーヘッド(保護部材)、52・・・液体導入部、53・・・ヘッド内流路、54・・・ヘッド本体、56・・・ノズルプレート、61・・・ノズル面、63・・・ノズル孔、71・・・開口部、72・・・開口縁部
Claims (6)
- 液体が吐出される複数のノズル孔をノズル面に形成した複数のノズルプレートを備え、
前記各ノズル孔を気密状態に保持するキャップ部材に密着可能に構成されたヘッドユニットにおいて、
前記各ノズル孔から外れた前記各ノズル面の部位に当接して、前記複数のノズルプレートをノズル面基準で位置決めする単一の固定板を更に備え、
前記キャップ部材に対するキャップ密着部位が、前記各ノズル面を外れた前記固定板に設けられているヘッドユニット。 - 前記キャップ密着部位は、撥液処理されている請求項1に記載のヘッドユニット。
- 前記固定板は、
前記複数のノズル面に対応して個々に設けられ、当該各ノズル面に臨む複数の開口部と、
前記各開口部を画成すると共に、前記キャップ密着部位を構成する複数の開口縁部と、
を有している請求項1または2に記載のヘッドユニット。 - 前記各ノズル面および前記固定板に付着した液体を払拭するワイパー部材に対し、当該各ノズル面および当該固定板よりも優先して接触される保護部材を備え、
前記保護部材は、前記固定板における前記ワイパー部材の払拭方向開始側の端部にのみ設けられている請求項1ないし3のいずれか一項に記載のヘッドユニット。 - 前記複数のノズルプレートに対応して個々に設けられ、当該各ノズルプレートのノズル孔に連通するヘッド内流路を形成した複数のヘッド本体と、
前記各ヘッド内流路に連通し、これに液体を導入する複数の液体導入部と、
を更に有しており、
前記複数のノズルプレート、前記複数のヘッド本体および前記複数の液体導入部は、ユニット化されて複数の液体噴射ヘッドを個々に構成している請求項1ないし4のいずれか一項に記載のヘッドユニット。 - 請求項1ないし5のいずれか一項に記載のヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの固定板に対し、相対的に離接移動する前記キャップ部材と、
を備えた液体噴射装置。
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